JPH09291065A - 脂環式ジカルボン酸ジエステル及びその製造法 - Google Patents

脂環式ジカルボン酸ジエステル及びその製造法

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JPH09291065A
JPH09291065A JP8107555A JP10755596A JPH09291065A JP H09291065 A JPH09291065 A JP H09291065A JP 8107555 A JP8107555 A JP 8107555A JP 10755596 A JP10755596 A JP 10755596A JP H09291065 A JPH09291065 A JP H09291065A
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JP
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dicarboxylate
metal
ruthenium
triphenylphosphine
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JP8107555A
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Hideo Suzuki
秀雄 鈴木
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Original Assignee
Nissan Chemical Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 実用的に入手し易い原料から、ポリエステル
の原料モノマーとなる、新規なノルボルナンジエステル
誘導体を提供することにある。 【解決手段】 本発明は、式〔1〕及び式〔4〕で表さ
れる新規なノルボルナン骨格を有する脂環式ジカルボン
酸ジエステルであるジアルキルペンタシクロ〔8.2.
0.12,9 .03,8.14,7 〕テトラデセ−11−エン
−11,12−ジカルボキシレート及びジアルキルペン
タシクロ〔8.2.0.12,9 .03,8.14,7 〕テト
ラデカン−11,12−ジカルボキシレート並びに式
〔2〕で表されるジアルキルアセチレンジカルボキシレ
ートと式〔3〕で表されるテトラシクロ〔6.2.1.
2,7 .13,6 〕ドデ−9−センを、触媒として周期律
表第8族金属を用い付加反応させる式〔1〕の化合物の
製造法および、式〔1〕の化合物を還元する式〔3〕の
化合物の製造法に関する。 【化1】 (式中、R1、R2はそれぞれ独立して炭素数1〜6のア
ルキル基、炭素数5又は6のシクロアルキル基を表
す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、式〔1〕及び式
〔4〕
【0002】
【化7】
【0003】(式中、R1、R2はそれぞれ独立して炭素
数1〜6のアルキル基、炭素数5又は6のシクロアルキ
ル基を表す。)で表される新規なノルボルナン骨格を有
する脂環式ジカルボン酸ジエステルであるジアルキルペ
ンタシクロ〔8.2.0.12,9 .03,8.14,7 〕テ
トラデセ−11−エン−11,12−ジカルボキシレー
ト及びジアルキルペンタシクロ〔8.2.0.12,9
3,8.14,7 〕テトラデカン−11,12−ジカルボ
キシレート並びにそれらの製造法に関する。ノルボルナ
ン骨格を有するジカルボン酸ジエステルは、一般にエポ
キシ熱硬化剤、ポリエステル樹脂等の樹脂分野の中間原
料として有用な化合物である。
【0004】
【従来の技術】従来ノルボルナン骨格を有するポリエス
テルはガラス転移温度が高く、寸法安定性が優れており
写真用フィルムのベース等に用いられている(米国防衛
特許第896033号)。これまでのノルボルナン骨格
を有する多環式化合物の合成には、多くの場合多工程を
要し、製造コスト面で不利を強いられていた。
【0005】一方、ノルボルネル誘導体とジメチルアセ
チレンジカルボキシレートからルテニウム触媒を用いて
それらの〔2+2〕クロス付加体を合成する方法は知ら
れている(ジャーナル オブ オーガニック ケミスト
リー 44巻 25号 4492〜4496頁(197
9年)。しかし、ノルボルニレンとジシクロペンタジエ
ンから容易に得られるテトラシクロ〔6.2.1.0
2,7 .13,6 〕ドデ−9−センを原料にした検討はなさ
れていなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、実用
的に入手し易い原料から、新規なノルボルナンジエステ
ル誘導体を提供することにある。これらは、その骨格の
特異性を生かした諸物性の改良されたポリエステルの原
料モノマーとなる。
【0007】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、〔1〕
【0008】
【化8】
【0009】(式中、R1、R2はそれぞれ独立して炭素
数1〜6のアルキル基、炭素数5又は6のシクロアルキ
ル基を表す。)で表されるジアルキルペンタシクロ
〔8.2.0.12,9 .03,8.14,7 〕テトラデセ−
11−エン−11,12−ジカルボキシレートに関す
る。また、式〔2〕
【0010】
【化9】
【0011】(式中、R1、R2は前記と同じ。)で表さ
れるジアルキルアセチレンジカルボキシレートと式
〔3〕
【0012】
【化10】
【0013】で表されるテトラシクロ〔6.2.1.0
2,7 .13,6 〕ドデ−9−センを、触媒として周期律表
第8族金属を用い付加反応させることを特徴とする前記
式〔1〕で表されるジアルキルアセチレンジカルボキシ
レートの製造法に関する。更に、本発明は、式〔4〕
【0014】
【化11】
【0015】(式中、R1、R2は前記と同じ。) ジアルキルペンタシクロ〔8.2.0.12,9
3,8.14,7 〕テトラデカン−11,12−ジカルボキ
シレートに関する。更に又、本発明は、前記式〔1〕で
表されるジアルキルペンタシクロ〔8.2.0.1
2,9 .03,8.14,7 〕テトラデセ−11−エン−1
1,12−ジカルボキシレートを還元することを特徴と
する前記式〔4〕で表されるジアルキルペンタシクロ
〔8.2.0.12,9 .03,8.14,7 〕テトラデカン
−11,12−ジカルボキシレートの製造法に関する。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明の前記式〔1〕で表されるジアルキルペン
タシクロ〔8.2.0.12,9 .03,8.14,7 〕テト
ラデセ−11−エン−11,12−ジカルボキシレート
の製造法について述べる。出発原料のテトラシクロ
〔6.2.1.02,7 .13,6 〕ドデセ−9−エン(以
下TCDと略記する)は、ノルボルニレンとジシクロペ
ンタジエンのディールズ・アルダー反応によって容易に
得ることができる(日化誌(12)1715(198
6))。
【0017】もう一方の原料であるジアルキルアセチレ
ンジカルボキシレートは種々の誘導体が使用できる。例
えば、具体的には、ジメチルアセチレンジカルボキシレ
ート、ジエチルアセチレンジカルボキシレート、ジプロ
ピルアセチレンジカルボキシレート、ジブチルアセチレ
ンジカルボキシレート、ジペンチルアセチレンジカルボ
キシレート、ジヘキシルアセチレンジカルボキシレー
ト、ジシクロペンチルアセチレンジカルボキシレート及
びジシクロヘキシルアセチレンジカルボキシレート等が
挙げられる。
【0018】触媒として用いる周期律表第8族金属とし
ては、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、白金、鉄、
ニッケル及びコバルト等である。特に好まし金属として
は、ルテニウムである。触媒の形態としては、金属錯
体、金属塩、金属単身、担持金属及び金属酸化物等が使
用できる。金属錯体としては、ヒドリドカルボニルトリ
ス(トリフェニルホスフィン)金属、ジヒドリドテトラ
キス(トリフェニルホスフィン)金属、ジヒドリドカル
ボニルトリス(トリフェニルホスフィン)金属、クロロ
ヒドリドカルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)
金属、ジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)金
属、ジクロロテトラキス(トリフェニルホスフィン)金
属、ジクロロビスベンゾニトリル金属、トリス(アセチ
ルアセトナト)金属、ジクロロシクロジエン金属、ホル
マトジカルボニル金属、ドデカカルボニル三金属、カル
ボニルビス(トリフェニルホスフィン)金属及びテトラ
キストリフェニルホスフィン金属等が使用できる。
【0019】金属塩としては、塩酸、硫酸、硝酸及び燐
酸等の鉱酸塩、蟻酸、酢酸及びプロピオン酸等の有機酸
塩が挙げられる。担持金属としては、炭素、アルミナ及
び珪藻土等の担体に担持させた金属が使用できる。更
に、具体的にはジヒドリドテトラキス(トリフェニルホ
スフィン)ルテニウム、ジヒドリドカルボニルトリス
(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、クロロヒドリ
ドカルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニ
ウム、ジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテ
ニウム、ジクロロテトラキス(トリフェニルホスフィ
ン)ルテニウム、トリス(アセチルアセトナト)ルテニ
ウム、ジクロロ(η−1,5−シクロオクタジエン)ル
テニウム、ホルマトジカルボニルルテニウム及びドデカ
カルボニル三ルテニウム、ヒドリドカルボニルトリス
(トリフェニルホスフィン)ロジウム、ジクロロビス
(ベンゾニトリル)パラジウム、カルボニルビス(トリ
フェニルホスフィン)ニッケル、テトラキストリフェニ
ルホスフィンパラジウム、塩化ルテニウム、ルテニウム
/活性炭、パラジウム/活性炭、ルテニウム黒及び酸化
ルテニウム等が挙げられる。
【0020】これらの中で特に好ましいものは、ジヒド
リドテトラキス(トリフェニルホスフィン)ルテニウ
ム、ジヒドリドカルボニルトリス(トリフェニルホスフ
ィン)ルテニウム、ジクロロトリス(トリフェニルホス
フィン)ルテニウム、ジクロロテトラキス(トリフェニ
ルホスフィン)ルテニウム、クロロヒドリドカルボニル
トリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム及びトリ
ス(アセチルアセトナト)ルテニウム等である。
【0021】その使用量は、原料のTCDに対し、0.
1〜30モル%、特には0.5〜20モル%が好まし
い。本反応では溶媒を使用しなくとも、反応は進行する
が、通常は使用する事が好ましい。溶媒としては例え
ば、ベンゼン、トルエン、キシレン及びキュメン等の芳
香族炭化水素類及びテトラヒドロフラン、1,4−ジオ
キサン及び1,2−ジメトキシエタン等のエーテル類等
が特に好ましいが、他の溶媒例えばヘキサンやヘプタン
等の脂肪族炭化水素類でも進行する。
【0022】その使用量は、TCDに対し1〜20重量
倍、特には2〜10重量倍が経済的に好ましい。また、
本反応の原料であるTCDやジアルキルアセチレンカル
ボキシレートの反応中の重合を抑制するために重合禁止
剤を添加することもできる。重合禁止剤としては例え
ば、ジフェニルピクリルヒドラジン、トリ−p−ニトロ
フェニルメチル、N−(3−N−オキシアニリノ−1,
3−ジメチルブチリデン)アニリンオキシド、p−ベン
ゾキノン、p−tert−ブチルカテコール、ニトロベ
ンゼン、ピクリン酸、ジチオベンゾイルジスルフィド及
び塩化銅(II)等が挙げられる。
【0023】重合禁止剤の添加量は、TCDやジアルキ
ルアセチレンジカルボキシレートに対して0.01〜1
モル%が好ましい。更に,高価な錯体触媒の代替法とし
て、安価な金属又は金属塩に、配位子としてトリフェニ
ルホスフィン等を添加共存させるだけで類似の活性を示
すことが出来る。その際のトリフェニルホスフィンの添
加量はTCDに対し1〜30モル%が好ましい。
【0024】反応温度は、高温ほど反応が速いが、通常
50〜180℃の範囲、好ましくは60〜160℃の範
囲である。本反応は、常圧でも加圧でも、又回分式でも
連続反応でも可能である。反応後は、溶媒を留去後、蒸
留またはカラムクロマトグラフィーで目的物を単離する
ことが出来る。
【0025】次に、ジアルキルペンタシクロ〔8.2.
0.12,9 .03,8.14,7 〕テトラデカン−11,1
2−ジカルボキシレートの製造法について述べる。ここ
で用いられる還元反応は、二重結合を単結合にする種々
の一般的還元法が適用できる。例えば、 (1)金属および金属塩による還元 (2)金属水素化物による還元 (3)金属水素錯化合物による還元 (4)ジボランおよび置換ボランによる還元 (5)ヒドラジンによる還元 (6)ジイミド還元 (7)リン化合物による還元 (8)電解還元 (9)接触還元等を挙げることができる。
【0026】これらの中で、最も実用的方法は接触還元
方法である。本発明で採用できる接触還元法は以下の通
りである。触媒金属としては、周期律表第8族のパラジ
ウム、ルテニウム、ロジウム、白金、ニッケル、コバル
ト及び鉄又第1族の銅等が使用できる。これらの金属は
単独で、又は、他の元素と複合させた多元系で使用され
る。それらの使用形態は、各金属単身、ラネー型触媒、
ケイソウ土、アルミナ、ゼオライト、炭素及びその他の
担体に担持させた触媒及び錯体触媒等が挙げられる。
【0027】具体的には、パラジウム−炭素、ルテニウ
ム−炭素、ロジウム−炭素、白金−炭素、パラジウム−
アルミナ、ルテニウム−アルミナ、ロジウム−アルミ
ナ、白金−アルミナ、還元ニッケル、還元コバルト、ラ
ネーニッケル、ラネーコバルト、ラネー銅、酸化銅、銅
クロマト、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロ
ジウム、クロロヒドリドトリス(トリフェニルホスフィ
ン)ルテニウム、ジクロロトリス(トリフェニルホスフ
ィン)ルテニウム及びヒドリドカルボニルトリス(トリ
フェニルホスフィン)イリジウム等が挙げられる。これ
らの中で特に好ましいものはパラジウム−炭素及びルテ
ニウム−炭素等である。
【0028】触媒の使用量は、5%金属担持触媒として
基質に対し0.1〜30重量%が、特には、0.5〜2
0重量%が好ましい。溶媒は、メタノール、エタノール
及びプロパノール等に代表されるアルコール類、ジオキ
サン、テトラヒドロフラン及びジメトキシエタン等に代
表されるエーテル類及び酢酸エチル及び酢酸プロピル等
に代表されるエステル類等が使用できる。
【0029】その使用量は、原料に対し1〜50重量倍
の範囲が、特には、3〜10重量倍の範囲が好ましい。
水素圧は常圧から100kg/cm2 の範囲が、特に
は、常圧から30kg/cm2 の範囲が好ましい。温度
は、0〜150℃の範囲が、特には、10〜100℃の
範囲が好ましい。
【0030】反応は、水素吸収量によって追跡すること
ができ、理論水素量の吸収後サンプリングしガスクロマ
トグラフィーで分析し確認することができる。本反応
は、回分式でも連続反応でも可能である。反応後は、濾
過により触媒を除いた後、さらに濃縮後蒸留又は、カラ
ムクロマトグラフィーで精製することができる。
【0031】
【実施例】以下、実施例によりさらに具体的に本発明を
説明するが、これらによって本発明は何ら制限されるも
のではない。
【0032】実施例1 テトラシクロ〔6.2.1.02,7 .13,6 〕ドデセ−
9−エン(TCD)1.60g(10mmol)、ジメ
チルアセチレンジカルボキシレート2.84g(20m
mol)、ジヒドリドテトラキス(トリフェニルホスフ
ィン)ルテニウム(II)〔RuH2(PPh34〕0.
46g(0.4mmol)及び1,2−ジメトキシエタ
ン15gを反応フラスコに仕込み、80℃で7時間撹拌
した。
【0033】反応後、濃縮すると油状物質4.6gが得
られた。この油状物質をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィーで精製するとガスクロマトグラフィーで純度9
7.9%の結晶2.53g(8.27mmol)(収率
82.7%)が得られた。この結晶の分析結果は以下の
通りであった。 MASS(EI、m/e(%)):303(M+1,
3)、270(39)、242(40)、176(4
3)、149(80)、115(76)、91(9
2)、79(100)1 H−NMR(CDCl3、TMS、δppm):3.7
7(s,6H)、2.98(s,2H)、2.35
(s,2H)、2.21(s,2H)、1.82(s,
2H)、1.54〜0.94(m,8H) 融点:48〜49℃ 以上から本化合物は、目的とするペンタシクロ〔8.
2.0.12,9 .03,8.14,7 〕テトラデセ−11,
12−ジカルボン酸ジメチル(PDEMと略記)である
ことを確認した。
【0034】実施例2〜5 実施例1に於いて、反応条件を表1に示す様に変えた他
は同様にして反応させた。結果を併せて表1に示す。
尚、実施例6では、触媒と共に、トリフェニルホスフィ
ン(Ph3P)を添加した。
【0035】
【表1】
【0036】実施例7 実施例3に於いて、ジメチルアセチレンジカルボキシレ
ートをジエチルアセチレンジカルボキシレート3.40
g(20mmol)に変えた他は同様にして反応を行っ
た後、濃縮すると油状物質4.2gが得られた。これを
シリカゲルカラムで精製するとガスクロマトグラフィー
で純度97.8%の油状物質2.46g(7.46mm
ol)(収率74.6%)が得られた。
【0037】この油状物質の分析結果は以下の通りであ
った。 MASS(EI、m/e(%)):331(M+1,
4)、284(46)、256(62)、141(7
3)、107(100)1 H−NMR(CDCl3、TMS、δppm):4.2
2(q,J=7.0Hz,4H)、2.98(s,2
H)、2.35(s,2H)、2.21(s,2H)、
1.81(s,2H)、1.54(d,J=9.2H
z,1H)、1.47(d,J=5.6Hz,2H)、
1.40(d,J=10.6Hz,1H)、1.31
(t,J=7.1Hz,6H)、1.06(dd,J1
=10.8Hz,J2=1.1Hz,1H)、1.01
(dd,J1=7.0Hz,J2=2.0Hz,2H)、
0.94(d,J=10.8Hz,1H) 以上から本化合物は、目的とするペンタシクロ〔8.
2.0.12,9.03,8.14,7〕テトラデセ−11−エ
ンー11,12−ジカルボン酸ジエチル(PDEEと略
記する)であることを確認した。
【0038】実施例8、9 実施例7に於いて、反応条件を変えた他は同様にして反
応させた結果を表2に示す。尚 原料のジエチルアセチ
レンジカルボキシレートは2.55(15mmol)を
用いた。収率はガスクロマトグラフィーによる定量分析
値である。
【0039】
【表2】
【0040】実施例10 PDEM6.1g、5%Pd−C0.18g及びメタノ
ール35gを100mlオートクレーブに仕込み、窒素
置換後、水素ガスを圧力20kg/cm2で封入し、1
5℃で反応を開始した。30分で水素吸収が停止した
が、さらに60℃に昇温し1時間撹拌した。
【0041】その後、冷却し残余水素を放出、開封、ろ
過し、そのろ液を濃縮すると粗結晶6.0gが得られ
た。この粗結晶をエタノール/ヘプタンから再結晶させ
ると白色結晶5.1gが得られた。(収率83.8%) この結晶の分析結果は以下の通りであった。 MASS(EI、m/e(%)):305(M+1,3
3)、273(100)185(70)、113(9
4)1 H−NMR(CDCl3、TMS、δppm):3.6
6(s,6H)、3.58〜3.54(m、2H)、
2.80〜2.78(m,2H)、2.58(s,2
H)、2.07(s,2H)、2.05(s,1H)、
1.71(s,2H) 1.47〜1.42(m,3H)、1.32(d,J=
12.6Hz,1H)、0.96(dd,J1=2.3
8Hz,J2=3.57Hz,2H)、0.95(d,
J=10.8Hz,1H) 融点:90〜92℃ 以上から本化合物は、目的とするペンタシクロ〔8.
2.0.12,9.03,8.14,7〕テトラデカン−11,
12−ジカルボン酸ジメチルであることを確認した。
【0042】実施例11 PDEE3.3g、5%Pd−C0.16g及びエタノ
ール25gを100mlオートクレーブに仕込み、窒素
置換後、水素ガスを圧力20kg/cm2で封入し、8
0℃で2時間撹拌した。室温まで冷却後、残余水素ガス
を放出し、開封、ろ過し、そのろ液を濃縮すると油状物
質3.2gが得られた。この物質をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィーで精製するとガスクロマトグラフィー
で純度98.1%の油状物質2.7g(収率79.8
%)が得られた。
【0043】この油状物質の分析結果は以下の通りであ
った。 MASS(EI、m/e(%)):331(M+1,3
3)、287(100)185(50)、127(4
0)1 H−NMR(CDCl3、TMS、δppm):4.1
8〜4.04(m,4H)、3.56〜3.53(m,
2H)、2.79〜2.77(m,2H)、2.59
(s,2H)、2.13(d,J=11.0Hz)、
2.07(s,2H) 1.71(s,2H)1.48〜1.42(m,3
H)、1.31(d,J=11.0Hz,1H)、1.
24(t,J=7.1Hz,6H)、0.95(d,J
=6.9Hz,2H)、0.90(d,J=10.6H
z,1H) 以上から本化合物は、目的とするペンタシクロ〔8.
2.0.12,9.03,8.14,7〕テトラデカン−11,
12−ジカルボン酸ジエチルであることを確認した。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1で得たペンタシクロ〔8.2.0.
2,9 .03,8.14 ,7 〕テトラデセ−11,12−ジ
カルボン酸ジメチルの1H−NMRによるチャート。
【図2】 実施例7で得られたペンタシクロ〔8.2.
0.12,9.03,8.14,7〕テトラデセ−11−エンー
11,12−ジカルボン酸ジエチルの1H−NMRによ
るチャート。
【図3】 実施例10で得られたペンタシクロ〔8.
2.0.12,9.03,8.14,7〕テトラデカン−11,
12−ジカルボン酸ジメチルの1H−NMRによるチャ
ート。
【図4】 実施例11で得られたペンタシクロ〔8.
2.0.12,9.03,8.14,7〕テトラデカン−11,
12−ジカルボン酸ジエチルの1H−NMRによるチャ
ート。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式〔1〕 【化1】 (式中、R1、R2はそれぞれ独立して炭素数1〜6のア
    ルキル基、炭素数5又は6のシクロアルキル基を表
    す。)で表されるジアルキルペンタシクロ〔8.2.
    0.12,9 .03,8.14,7 〕テトラデセ−11−エン
    −11,12−ジカルボキシレート。
  2. 【請求項2】 式〔2〕 【化2】 (式中、R1、R2はそれぞれ独立して炭素数1〜6のア
    ルキル基、炭素数5又は6のシクロアルキル基を表
    す。)で表されるジアルキルアセチレンジカルボキシレ
    ートと式〔3〕 【化3】 で表されるテトラシクロ〔6.2.1.02,7
    3,6 〕ドデ−9−センを、触媒として周期律表第8族
    金属を用い付加反応させることを特徴とする式〔1〕 【化4】 (式中、R1、R2は前記と同じ。)で表されるジアルキ
    ルペンタシクロ〔8.2.0.12,9 .03,8
    4,7 〕テトラデセ−11−エン−11,12−ジカル
    ボキシレートの製造法。
  3. 【請求項3】 周期律表第8族金属がルテニウム及びパ
    ラジウムである請求項2記載のジアルキルペンタシクロ
    〔8.2.0.12,9 .03,8.14,7 〕テトラデセ−
    11−エン−11,12−ジカルボキシレートの製造
    法。
  4. 【請求項4】 式〔4〕 【化5】 (式中、R1、R2はそれぞれ独立して炭素数1〜6のア
    ルキル基、炭素数5又は6のシクロアルキル基を表
    す。) ジアルキルペンタシクロ〔8.2.0.12,9
    3,8.14,7 〕テトラデカン−11,12−ジカルボ
    キシレート。
  5. 【請求項5】 式〔1〕 【化6】 (式中、R1、R2は前記と同じ。)で表されるジアルキ
    ルペンタシクロ〔8.2.0.12,9 .03,8
    4,7 〕テトラデセ−11−エン−11,12−ジカル
    ボキシレートを還元することを特徴とする前記式〔4〕
    で表されるジアルキルペンタシクロ〔8.2.0.1
    2,9 .03,8.14,7 〕テトラデカン−11,12−ジ
    カルボキシレートの製造法。
  6. 【請求項6】 還元方法が金属触媒を用いる水素分子に
    よる接触還元法である請求項5記載のジアルキルペンタ
    シクロ〔8.2.0.12,9 .03,8.14,7 〕テトラデ
    カン−11,12−ジカルボキシレートの製造法。
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