JPH09100259A - 光学活性な二級アミンの製造方法 - Google Patents

光学活性な二級アミンの製造方法

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JPH09100259A
JPH09100259A JP28253695A JP28253695A JPH09100259A JP H09100259 A JPH09100259 A JP H09100259A JP 28253695 A JP28253695 A JP 28253695A JP 28253695 A JP28253695 A JP 28253695A JP H09100259 A JPH09100259 A JP H09100259A
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JP
Japan
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optically active
secondary amine
general formula
solvent
group
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Application number
JP28253695A
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English (en)
Inventor
Kenji Saito
憲治 齋藤
Hiroki Ueno
宏樹 上野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumika Fine Chemicals Co Ltd
Original Assignee
Sumika Fine Chemicals Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】置換フェニルアセトンと光学活性−(α)
−フェニルエチルアミンとのシッフベースを水素化金属
化合物を用いて溶媒の存在下に還元することを特徴とす
る光学活性な二級アミンの製造方法、ならびに該製造方
法によって製造された光学活性な二級アミンを塩酸塩化
した後優先晶析させることを特徴とする光学活性な二級
アミンの製造方法。 【効果】本発明の製造方法により、工業的に安価に入手
可能な水素化金属化合物を使用することにより、従来合
成が困難であった光学活性2級アミンを簡易かつ好収率
で製造することが可能となった。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光学活性な二級アミ
ンの製造方法に関する。さらに詳しくは、糖尿病治療
薬、高血糖症治療薬、肥満の予防・治療薬等の合成中間
体として重要な光学活性な二級アミンの製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般式 (III)
【0003】
【化4】
【0004】(式中、R1 、R2 は同一または異なった
置換基で、それぞれ水素原子、メチル基、エチル基、メ
トキシ基、エトキシ基、塩素原子、または臭素原子を表
し、R3 はメチル基またはエチル基を表し、R4 は水素
原子またはメチル基を表し、R5 はメチル基またはエチ
ル基を表し、*は不斉炭素原子を表す。)で表される光
学活性な二級アミンは、糖尿病治療薬、高血糖症治療
薬、肥満の予防・治療薬等の合成中間体として重要であ
るが、これを工業的に有利に製造することは、不斉炭素
原子が分子内に2個あるため、極めて困難であり、簡易
でかつ収率良く光学活性な二級アミンを製造する方法は
知られていないのが現状である。
【0005】唯一知られている WeingesとGraab の方法
(Chemiker-Zeitung, 94, 728 (1970)) は、光学活性な
α−フェニルエチルアミンと3,4−ジメトキシベンジ
ルメチルケトンとから合成されるシッフベースをラネー
ニッケル触媒で接触還元することにより目的の光学活性
な二級アミンを合成する方法である。しかし、この方法
では、水素圧が100気圧と高いため多額の設備投資を
必要とする。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、分子内に2個の不斉炭素原子を有する光学活性な二
級アミンを簡易かつ工業的に有利に製造する方法を提供
することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らはこのような
問題点を解決すべく種々検討したところ、3’,4’−
ジメトキシフェニルアセトンと(R)−(α)−フェニ
ルエチルアミンとから形成されるシッフベースをアルコ
ール溶媒中、水素化ホウ素ナトリウムのような水素化金
属化合物を用いて溶媒の存在下に還元することにより、
ラセミ体として得られると思われた二級アミンが(R,
R)体:(R,S)体=7:3以上の比率で(R,R)
体選択的に反応が進行することを発見した。さらに還元
反応に用いる溶媒の効果を検討したところ、テトラヒド
ロフランとメタノールまたはtert−ブチルメチルエ
ーテルとメタノールの混合溶媒を使用すると(R,R)
体:(R,S)体=8:2〜9:1の比率で(R,R)
体選択的に反応が進行することを発見した。また、本発
明者らは、かかる反応生成物をエタノール、メタノール
等の低級アルコールまたはエタノールとジイソプロピル
エーテルとの混合溶媒から晶析させることにより、
(R,R)体が優先的に晶析する事実も初めて発見し
た。本発明はかかる発見に基づきさらに研究を進めて完
成するに至ったものである。
【0008】即ち、本発明の要旨は、(1) 一般式
(I)
【0009】
【化5】
【0010】(式中、R1 、R2 は同一または異なった
置換基で、それぞれ水素原子、メチル基、エチル基、メ
トキシ基、エトキシ基、塩素原子、または臭素原子を表
し、R3 はメチル基またはエチル基を表す。)で表され
るケトンと、一般式(II)
【0011】
【化6】
【0012】(式中、R4 は水素原子またはメチル基を
表し、R5 はメチル基またはエチル基を表し、*は不斉
炭素原子を表す。)で表される光学活性アミンとのシッ
フベースを水素化金属化合物を用いて溶媒の存在下に還
元することを特徴とする、一般式 (III)
【0013】
【化7】
【0014】(式中、R1 、R2 、R3 は一般式(I)
におけるR1 、R2 、R3 とそれぞれ同一の意義を表
し、R4 、R5 は一般式(II) におけるR4 、R5 と同
一の意義を表す。)で表される光学活性な二級アミンの
製造方法、(2) 一般式(II) で表される光学活性ア
ミンが、R−(α)−フェニルエチルアミンである前記
(1)記載の製造方法、(3) 一般式(I)で表され
るケトンが、3’,4’−ジメトキシフェニルアセトン
である前記(1)または(2)記載の製造方法、(4)
水素化金属化合物が、水素化ホウ素ナトリウムである
ことを特徴とする前記(1)〜(3)いずれかに記載の
製造方法、(5) 溶媒が、メタノールとテトラヒドロ
フランの混合溶媒またはメタノールとtert−ブチル
メチルエーテルの混合溶媒であることを特徴とする前記
(1)〜(4)いずれかに記載の製造方法、並びに
(6) 前記(1)〜(5)のいずれかに記載の製造方
法により製造された光学活性な二級アミンを塩酸塩化し
た後、エタノールもしくはメタノールからまたはエタノ
ールとジイソプロピルエーテルとの混合溶媒から優先晶
析させることによる光学活性な二級アミンを製造する方
法、に関する。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に本発明について詳細に説明
する。本発明に用いられるケトンは、一般式(I)で表
される。式中、R1 、R2 は同一または異なった置換基
であり、それぞれ水素原子、メチル基、エチル基、メト
キシ基、エトキシ基、塩素原子、または臭素原子を表
す。また、R3 はメチル基またはエチル基を表す。
【0016】具体的には、フェニルアセトン、2’−メ
チルフェニルアセトン、3’−メチルフェニルアセト
ン、4’−メチルフェニルアセトン、2’−エチルフェ
ニルアセトン、3’−エチルフェニルアセトン、4’−
エチルフェニルアセトン、2’−メトキシフェニルアセ
トン、3’−メトキシフェニルアセトン、4’−メトキ
シフェニルアセトン、2’−エトキシフェニルアセト
ン、3’−エトキシフェニルアセトン、4’−エトキシ
フェニルアセトン、2’−クロロフェニルアセトン、
3’−クロロフェニルアセトン、4’−クロロフェニル
アセトン、2’−ブロモフェニルアセトン、3’−ブロ
モフェニルアセトン、4’−ブロモフェニルアセトン、
3’,4’−ジメチルフェニルアセトン、3’,4’−
ジエチルフェニルアセトン、3’,4’−ジメトキシフ
ェニルアセトン、3’,4’−ジエトキシフェニルアセ
トン、3’,4’−ジクロロフェニルアセトン、3’,
4’−ジブロモフェニルアセトン、フェニルメチル−エ
チルケトン、2’−メチルフェニルメチル−エチルケト
ン、3’−メチルフェニルメチル−エチルケトン、4’
−メチルフェニルメチル−エチルケトン、2’−エチル
フェニルメチル−エチルケトン、3’−エチルフェニル
メチル−エチルケトン、4’−エチルフェニルメチル−
エチルケトン、2’−メトキシフェニルメチル−エチル
ケトン、3’−メトキシフェニルメチル−エチルケト
ン、4’−メトキシフェニルメチル−エチルケトン、
2’−エトキシフェニルメチル−エチルケトン、3’−
エトキシフェニルメチル−エチルケトン、4’−エトキ
シフェニルメチル−エチルケトン、2’−クロロフェニ
ルメチル−エチルケトン、3’−クロロフェニルメチル
−エチルケトン、4’−クロロフェニルメチル−エチル
ケトン、2’−ブロモフェニルメチル−エチルケトン、
3’−ブロモフェニルメチル−エチルケトン、4’−ブ
ロモフェニルメチル−エチルケトン、3’,4’−ジメ
チルフェニルメチル−エチルケトン、3’,4’−ジエ
チルフェニルメチル−エチルケトン、3’,4’−ジメ
トキシフェニルメチル−エチルケトン、3’,4’−ジ
エトキシフェニルメチル−エチルケトン、3’,4’−
ジクロロフェニルメチル−エチルケトン、3’,4’−
ジブロモフェニルメチル−エチルケトン等が挙げられ
る。特に3’,4’−ジメトキシフェニルアセトン等が
好ましい。
【0017】本発明に用いられる光学活性アミンは、一
般式(II) で表される。式中、R4は水素原子またはメ
チル基を表し、R5 はメチル基またはエチル基を表し、
*は不斉炭素原子を表す。
【0018】具体的には、R−α−フェニルエチルアミ
ン、R−(α)−(2’−メチルフェニル)エチルアミ
ン.R−(α)−(3’−メチルフェニル)エチルアミ
ン、R−(α)−(4’−メチルフェニル)エチルアミ
ン、R−(α)−フェニルプロピルアミン、R−(α)
−(2’−メチルフェニル)プロピルアミン.R−
(α)−(3’−メチルフェニル)プロピルアミン、R
−(α)−(4’−メチルフェニル)プロピルアミン等
が挙げられる。
【0019】本発明に用いられるシッフベースの合成法
としては、通常の方法のいずれも使用でき、例えば、一
般式(I)で表されるケトンと一般式(II) で表される
光学活性アミンとをトルエン、キシレン等の水と共沸し
うる有機溶媒中で、反応によって生成する水を共沸脱水
しながら還流下に加熱反応させる方法が便宜である。こ
の場合、共沸により留去した溶媒は追加しながら反応を
継続するのが好ましい。また、反応を促進させるためp
−トルエンスルホン酸等の触媒を添加してもよい。
【0020】一般式(I)で表されるケトンと一般式
(II) で表される光学活性アミンの反応系におけるモル
比は、通常0.8:1〜1:5であり、好ましくは1:
1〜1:3である。有機溶媒の使用量はケトンに対し1
〜20重量倍、好ましくは3〜10重量倍である。
【0021】反応温度は、0〜150℃であり、その反
応系の還流温度が好ましく、常圧では、例えばトルエン
の場合は約115℃である。反応時間は反応温度、仕込
み原料濃度によっても異なるが、通常1〜12時間、好
ましくは3〜6時間であり、水の留出が止まった時点
で、または薄層クロマトグラフィー等で原料化合物の消
失を確認した時点で反応を終了する。反応終了後、溶媒
を留去し、残留物として高収率でシッフベースを得る。
【0022】本発明におけるシッフベースの還元反応
は、上記のようにして得られたシッフベースを有機溶媒
例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコー
ルまたはアルコールを含んだ混合溶媒に溶解して冷却
し、水素化金属化合物を添加した後、一定温度で攪拌す
ることにより行う。メタノール、エタノール、イソプロ
ピルアルコールと極性が小さくなるにつれ、得られるア
ミンの光学純度は向上するが転化率は低下する。本発明
者らは広範な検討の結果、テトラヒドロフランとメタノ
ールの混合溶媒およびtert−ブチルメチルエーテル
とメタノールの混合溶媒が光学純度の向上と優れた転化
率を共に達成し得ることを発見した。
【0023】本発明に用いられる水素化金属化合物とし
ては、水素化ホウ素ナトリウム、水素化アルミニウムリ
チウム、ジイソブチル水素化アルミニウム、シアノ水素
化ホウ素ナトリウム等が挙げられるが、水素化ホウ素ナ
トリウムが特に好ましい。これらの使用量は、シッフベ
ース1モルに対し、通常0.5〜10モル、好ましくは
1〜5モルである。シッフベースを溶解した溶媒への水
素化金属化合物の添加温度は、通常−20〜50℃、好
ましくは−10〜30℃であり、数回に分けて添加する
のが好ましい。
【0024】還元反応は、通常−20〜50℃、好まし
くは−10〜30℃である。反応時間は、反応温度によ
り異なるが、通常1〜24時間、好ましくは1〜16時
間である。反応終了後、水を加えて未反応の水素化金属
化合物を分解し、鉱酸を加えて中和し、有機溶媒で抽出
した後、常法により洗浄・乾燥・減圧濃縮することによ
り目的の光学活性二級アミンを含むアミン混合物を得
る。
【0025】得られたアミン混合物をGC分析に付す
と、(1R,2’R)体の(1R,2’S)体に対する
モル比は約7:3〜8:2、条件によっては8:2〜
9:1である。この混合物を塩酸で処理して二級アミン
塩酸塩とし、エタノール、メタノール、または水等に溶
解し、ついで溶媒を留去し濃縮すると、あるいはエタノ
ールに溶解しジイソプロピルエーテルを滴下して晶析さ
せると、(1R,2’R)体の結晶が優先的に析出し、
実質的に純粋な(1R,2’R)体が得られる.この事
実は本発明者らによって初めて発見されたものである。
この優先晶析法には、溶媒としてエステル系溶媒を混合
して用いることもできる。溶媒の使用量は、仕込みアミ
ン塩酸塩に対し5〜20重量倍、好ましくは8〜12重
量倍である。溶解の温度は、仕込みアミン塩酸塩が完全
に溶解する温度であることが好ましい。この場合、析出
した結晶の濾過性が悪いときは、酢酸エチル等のエステ
ル系の溶媒を添加することにより濾過性を改良すること
ができる。優先晶析により析出させた結晶を濾過するこ
とにより、実質的に純粋な(1R,2’R)体ジアステ
レオマーを取得することができる。
【0026】こうして得られる光学活性な二級アミンは
糖尿病治療薬、高血糖症治療薬、肥満の予防・治療薬等
の医薬品の合成中間体として使用することができる。
【0027】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定さ
れるものではない。
【0028】実施例1 攪拌機、温度計、コンデンサーを付けた2リットル容四
つ口フラスコに、窒素雰囲気下において、3’,4’−
ジメトキシフェニルアセトン291.3g(1.5モ
ル)、R−(α)−フェニルエチルアミン272.6g
(2.25モル)およびトルエン873.9gを仕込ん
だ。還流下に3時間攪拌し、生成する水を共沸脱水によ
り除去した。このとき、留去したトルエンと同量のトル
エンを追加した。反応後、トルエンを減圧濃縮してシッ
フベースの橙黄色オイル525.8gを得た。
【0029】実施例2 攪拌機、温度計、コンデンサーを付けた3リットル容四
つ口フラスコに、実施例1で得られたシッフベース52
5.8gおよびモレキュラーシーブにより乾燥したメタ
ノール1338gを仕込んだ。これを−20℃に冷却し
た後、水素化ホウ素ナトリウム49.18g(1.3モ
ル)を30分かけて10分割で添加した。ついで室温に
戻した後、1晩攪拌を行った。
【0030】反応終了後、水450gを加えていったん
還流させ、その後冷却した。トルエン1800gと2N
−塩酸水900mlを添加し攪拌した後分液した。有機
溶媒層を分取し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過した
後減圧濃縮して、α−フェニルエチル−1’−(3’,
4’−ジメトキシフェニル)−2’−プロピルアミンを
含んだ油状物296.7gを得た。得られた化合物を、
島津GC−14Aガスクロマトグラフ装置により、カラ
ムとしてシリコンGE−SE−30クロモソーブW A
WDMCS(60−80メッシュ)を用いて分析したと
ころ、(1R,2’R)と(1R,2’S)の比は7
2:28であった。
【0031】実施例3 実施例1と同様の方法に従い、3’,4’−ジメトキシ
フェニルアセトン38.8g(0.2モル)、R−
(α)−フェニルエチルアミン24.2g(0.2モ
ル)からシッフベース58.4gを得た。これを用い実
施例2と同様にして、乾燥したメタノール482.4m
l中において水素化ホウ素ナトリウム22.7g(0.
6モル)で還元反応を行った。反応終了後、減圧下に溶
媒を留去し、得られたオイルにトルエン174.0g、
水58.0gを添加し、2N−塩酸水223.0gでp
Hを6に調整した。トルエン層、水層、オイル層に分液
し、トルエン層とオイル層とを集めて濃縮し粗オイルを
得た。得られた粗オイルを35%塩酸20.9gで塩酸
塩化した後、減圧下に水を留去して二級アミン塩酸塩の
粗オイル64.98gを得た。
【0032】このオイルを酢酸エチル290gに溶解
し、活性炭(白鷺A)2.90g、シリカゲル5.80
gを添加し、室温で攪拌した。1時間後、濾過・減圧濃
縮を行い、塩酸塩の濃縮オイルを得た。この濃縮オイル
に酢酸エチル300gを加えて塩酸塩を析出させた。こ
れを濾別し、減圧乾燥し、塩酸塩のクルードケーキ1
8.34g(収率26.6%)を得た。得られたクルー
ドケーキをエタノール183.4gに溶解し、74℃
(還流温度)まで昇温した。次に65〜70℃まで冷却
し、窒素気流下でエタノールを142.3g留去し、結
晶を析出させた。このエタノールスラリーに酢酸エチル
30gを添加して冷却し、0〜5℃で濾別した。得られ
た湿ケーキを減圧乾燥し、2級アミン塩酸塩11.66
g(収率20.1%)を得た。旋光度〔α〕D 20=+2
1.9度、融点209.6℃であった。1 HNMR(CDCl3 、60MHZ )δ(ppm):
1.47、1.80、3.52、3.83、4.40、
6.73、7.40〜7.87。
【0033】実施例4 攪拌機、温度計、コンデンサーを付けた1リットル容四
つ口フラスコに、窒素雰囲気下において、3’,4’−
ジメトキシフェニルアセトン97.1g(0.5モ
ル)、R−(+)−α−フェニルエチルアミン72.7
g(0.6モル)、p−トルエンスルホン酸1水和物
9.7gおよびトルエン485.5gを仕込んだ。還流
下に4時間攪拌し、生成する水を共沸脱水により除去し
た。このとき、留去したトルエンはモレキュラーシーブ
で乾燥して反応マスに戻した。反応後、冷却し、析出し
た結晶を濾別し、濾液を減圧濃縮してシッフベースの橙
黄色オイルを得た。
【0034】得られたシッフベースを、モレキュラーシ
ーブで乾燥したテトラヒドロフラン482.4mlと共
に、攪拌機、温度計、コンデンサーを付けた1リットル
容四つ口フラスコに窒素雰囲気下に仕込んだ。30℃
で、水素化ホウ素ナトリウム16.4g(0.43モ
ル)を10分間かけて10分割で添加した。15時間攪
拌した後、モレキュラーシーブで乾燥したメタノール9
6.4mlを5分間かけて滴下した。さらに30℃で1
4時間攪拌を行った。水160.8gを添加していった
ん還流させついで冷却した。
【0035】テトラヒドロフランとメタノールを減圧留
去した後、トルエン643.2g、5%塩化アンモニウ
ム水160.8gを添加し、攪拌した後、分液し、有機
層を取得した。有機層を水160.9gで洗浄した後硫
酸マグネシウム30gで乾燥し、濾別後、濾液を減圧濃
縮することにより、(1R,2’R)−1−フェニルエ
チル−1’−(3’,4’−ジメトキシフェニル)−
2’−プロピルアミンを含む油状物219.0gを得
た。LC分析を行うと(1R,2’R)体:(1R,
2’S)体=85:15であった。LC分析の条件は次
のとおりであった。使用機器は島津LC−6A、使用カ
ラムは光学活性体分離カラム Sumichiral OA-4100 ×2
本、移動相はヘキサン/エタノール/トリフルオロ酢酸
=400:100:1、流量は0.5ml、波長は25
4nm、カラム温度は40℃。
【0036】実施例5 攪拌機、温度計、コンデンサーを付けた1リットル容四
つ口フラスコに、窒素雰囲気下において、3’,4’−
ジメトキシフェニルアセトン97.1g(0.5モ
ル)、R−(+)−α−フェニルエチルアミン72.7
g(0.6モル)、p−トルエンスルホン酸1水和物
9.7gおよびトルエン485.5gを仕込んだ。還流
下に4時間攪拌し、生成する水を共沸脱水により除去し
た。このとき、留去したトルエンはモレキュラーシーブ
で乾燥して反応マスに戻した。反応後、冷却し、析出し
た結晶を濾別し、濾液を減圧濃縮してシッフベースの橙
黄色オイルを得た。
【0037】得られたシッフベースを、モレキュラーシ
ーブで乾燥したtert−ブチルメチルエーテル48
2.4mlと共に、攪拌機、温度計、コンデンサーを付
けた1リットル容四つ口フラスコに窒素雰囲気下に仕込
んだ。30℃で、水素化ホウ素ナトリウム37.8g
(1.00モル)を10分間かけて10分割で添加し
た。15時間攪拌した後、モレキュラーシーブで乾燥し
たメタノール96.4mlを5分間かけて滴下した。さ
らに30℃で24時間攪拌を行った。水160.8gを
添加していったん還流させついで冷却した。
【0038】tert−ブチルメチルエーテルとメタノ
ールを減圧留去した後、トルエン643.2g、5%塩
化アンモニウム水160.8gを添加し、攪拌した後、
分液し、有機層を取得した。有機層を水160.9gで
洗浄した後硫酸マグネシウム30gで乾燥し、濾別後、
濾液を減圧濃縮することにより、(1R,2’R)−1
−フェニルエチル−1’−(3’,4’−ジメトキシフ
ェニル)−2’−プロピルアミンを含む油状物169.
1gを得た。実施例4と同様の条件でLC分析を行うと
(1R,2’R)体:(1R,2’S)体=85:15
(以下、R体比85%ということがある。)であった。
【0039】実施例6 実施例4で得られた2級アミンのオイル219.0g
(R体比85%)をエタノール85.8mlに溶解し、
氷冷下に4N−HCl/エタノール250ml(1.0
モル)を滴下し、塩酸塩化した。これにジイソプロピル
エーテル168mlを滴下して2級アミンの塩酸塩を析
出させた。これを濾取し、減圧下に乾燥して2級アミン
の塩酸塩65.5g(0.196モル、R体比100
%、対ジメトキシフェニルアセトン収率39.1%)を
得た。また、濾液を濃縮して得られるオイル178.4
gをエタノール178.4gに溶解し、ジイソプロピル
エーテル256.9mlを滴下し、結晶を析出させた。
これを濾取し、減圧下に乾燥して2級アミンの塩酸塩の
粗結晶53.8g(0.161モル、R体比85%、対
ジメトキシフェニルアセトン収率32.1%)を得た。
この粗結晶は、実施例4と同様にして得られた2級アミ
ンのオイルと合わせた後、本実施例と同様の処理を行っ
てR体比100%の2級アミンの塩酸塩に誘導すること
ができる。従って、本実施例における(1R,2’R)
体のモル収率は、仕込みジメトキシフェニルアセトンに
対して57.8%であった。
【0040】
【発明の効果】本発明の製造方法により、工業的に安価
に入手可能な水素化金属化合物を使用することにより、
従来合成が困難であった光学活性2級アミンを簡易かつ
好収率で製造することが可能となった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C07M 7:00

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 (式中、R1 、R2 は同一または異なった置換基で、そ
    れぞれ水素原子、メチル基、エチル基、メトキシ基、エ
    トキシ基、塩素原子、または臭素原子を表し、R3 はメ
    チル基またはエチル基を表す。)で表されるケトンと、
    一般式(II) 【化2】 (式中、R4 は水素原子またはメチル基を表し、R5
    メチル基またはエチル基を表し、*は不斉炭素原子を表
    す。)で表される光学活性アミンとのシッフベースを水
    素化金属化合物を用いて溶媒の存在下に還元することを
    特徴とする、一般式 (III) 【化3】 (式中、R1 、R2 、R3 は一般式(I)における
    1 、R2 、R3 とそれぞれ同一の意義を表し、R4
    5 は一般式(II) におけるR4 、R5 と同一の意義を
    表し、*は不斉炭素原子を表す。)で表される光学活性
    な二級アミンの製造方法。
  2. 【請求項2】 一般式(II) で表される光学活性アミン
    が、R−(α)−フェニルエチルアミンである請求項1
    記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 一般式(I)で表されるケトンが、
    3’,4’−ジメトキシフェニルアセトンである請求項
    1または請求項2記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 水素化金属化合物が、水素化ホウ素ナト
    リウムであることを特徴とする請求項1〜請求項3いず
    れか1項に記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 溶媒が、メタノールとテトラヒドロフラ
    ンの混合溶媒またはメタノールとtert−ブチルメチ
    ルエーテルの混合溶媒であることを特徴とする請求項1
    〜請求項4いずれか1項に記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記
    載の製造方法により製造された光学活性な二級アミンを
    塩酸塩化した後、エタノールもしくはメタノールからま
    たはエタノールとジイソプロピルエーテルとの混合溶媒
    から優先晶析させることを特徴とする光学活性な二級ア
    ミンの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017176946A (ja) * 2016-03-28 2017-10-05 株式会社ダステック キレート化担体及びその製造方法

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