JP3360867B2 - ビフェニル−4−カルボン酸誘導体の製造方法 - Google Patents

ビフェニル−4−カルボン酸誘導体の製造方法

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JP3360867B2 JP07437393A JP7437393A JP3360867B2 JP 3360867 B2 JP3360867 B2 JP 3360867B2 JP 07437393 A JP07437393 A JP 07437393A JP 7437393 A JP7437393 A JP 7437393A JP 3360867 B2 JP3360867 B2 JP 3360867B2
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    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は樹脂、液晶、染料等の中
間体として有用なビフェニル−4−カルボン酸誘導体の
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ビフェニル−4−カルボン酸誘導体の工
業的製造方法として、これまでに知られている主な手法
には、2通りの方法が挙げられる。
【0003】1つの方法は、ビフェニルを塩化アルミニ
ウム存在下、塩化アセチルと反応させ、4−アセチルビ
フェニルを得た後、クロム酸カリウム等の酸化剤を作用
させて、ビフェニル−4−カルボン酸を得る方法で、
H.Charles,ら、J.Chem. Soc., 491ページ,19
29年;W.S.M.Grieve ら、J.Chem. Soc., 9
68ページ,1933年;D.J.Byronら,J.Che
m. Soc.;C,Org.,840ページ,1966年;特開
昭48−89225号,特開昭48−89931号等に
報告されている。この方法では、大量の塩化アルミニウ
ムを使用しなければならない点や、有害物質であるクロ
ム酸等の酸化剤を用いる必要がある点など、工業的には
問題点が多い。
【0004】第2の方法は、ビフェニルと臭素を反応さ
せて得た4−ブロムビフェニルと、シアン化銅とを反応
させて4−シアノビフェニルとした後、これを加水分解
することにより、ビフェニル−4−カルボン酸を得る方
法であり、特開昭63−2961号および、H.Charle
s,ら、J.Chem. Soc., 491ページ,1929年等の
報告を組み合わせた技術である。この方法は、反応操作
が煩雑である上、シアン化銅等の有害物質を使用する点
など、工業上好ましくない。
【0005】さらに、種々の置換基を有するビフェニル
−4−カルボン酸誘導体の合成を試みた例は多いが、副
生物が多量に生成するため、分離法が煩雑で困難であっ
たり、収率が極端に低い場合がほとんどで、それぞれ改
良すべき問題を有していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ビフ
ェニル−4−カルボン酸誘導体の簡便かつ安価な製造方
法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために、鋭意検討した結果、クマリン酸誘導
体と、スチレン化合物からビフェニル−4−カルボン酸
誘導体を簡単に得る製造方法を見い出し、本発明を完成
した。
【0008】すなわち、本発明は、一般式(1)
【0009】
【化8】 (式中R1 は水素原子、又は炭素数が1〜20のアルキ
ル基、R2 は水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、水酸
基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコ
キシ基、炭素数2〜7のアルキルカルボニル基、又は炭
素数2〜7のアルコキシカルボニル基を示す。)で表わ
されるクマリン酸誘導体と、一般式(2)
【0010】
【化9】 (式中、R3 およびR4 は同一又は異なっていてもよ
く、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、炭素
数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ
基、炭素数2〜10のアルキルカルボニル基、又は炭素
数2〜10のアルコキシカルボニル基を示す。)で表わ
されるスチレン化合物とを反応させることを特徴とする
一般式(3)
【0011】
【化10】 (式中R1 ,R2 ,R3 およびR4 は一般式(1)およ
び(2)中のR1 ,R2,R3 およびR4 にそれぞれ対
応する。)で表わされるビフェニル−4−カルボン酸誘
導体の製造方法であり、反応を脱水素触媒の存在下で行
なう場合には、脱水素触媒がパラジウム、ロジウム、
銀、白金、クロム、ニッケル、又はルテニウム、もしく
はこれらのいずれかの金属の炭素粉末担持体であること
を含む。
【0012】また、本発明は、一般式(1)
【0013】
【化11】 (式中R1 は水素原子、又は炭素数が1〜20のアルキ
ル基、R2 は水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、水酸
基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコ
キシ基、炭素数2〜7のアルキルカルボニル基、又は炭
素数2〜7のアルコキシカルボニル基を示す。)で表わ
されるクマリン酸誘導体と、一般式(2)
【0014】
【化12】 (式中、R3 およびR4 は同一又は異なっていてもよ
く、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、炭素
数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ
基、炭素数2〜10のアルキルカルボニル基、又は炭素
数2〜10のアルコキシカルボニル基を示す。)で表わ
されるスチレン化合物とを反応させることを特徴とする
一般式(4)
【0015】
【化13】 (式中R1 ,R2 ,R3 およびR4 は一般式(1)およ
び(2)中のR1 ,R2,R3 およびR4 にそれぞれ対
応する。)で表わされるビシクロラクトン化合物の製造
方法である。
【0016】更に本発明は、一般式(4)で表わされる
ビシクロラクトン化合物を脱水素触媒下で加熱すること
を特徴とする上記一般式(3)で表わされるビフェニル
−4−カルボン酸誘導体の製造方法である。
【0017】また更に本発明は、一般式(4)で表わさ
れるビシクロラクトン化合物を酸触媒下でアルコール又
は水と反応させてラクトン環を開環させた後、脱水素触
媒の存在下で加熱することを特徴とする一般式(5)
【0018】
【化14】 (式中R1 ,R2 ,R3 およびR4 は上記一般式(1)
および(2)中のR1 ,R2 ,R3 およびR4 にそれぞ
れ対応し、R5 は水素原子または炭素数1〜6のアルキ
ル基を示す。)で表わされるビフェニル−4−カルボン
酸誘導体の製造方法である。
【0019】以下、本発明を詳細に説明する。
【0020】本発明の各製造方法は上記のものである
が、これらを反応式でまとめると次のように示すことが
できる。
【0021】
【化15】 以下に経路A、経路B、経路B’、経路C、および経路
Dについて、さらに詳しく述べる。経路A クマリン酸誘導体(1)とスチレン化合物(2)を反応
させてビフェニル−4−カルボン酸誘導体(3)を直接
得る方法である。
【0022】本反応には、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン、ビフェニルエーテル、エチレングリコールジメチル
エーテル、1,4−ジオキサン、ジグリム、1,3−ジ
メチル−2−イミダゾリジノン等の有機溶媒を使用する
ことができるが、必ずしも溶媒が必要ではなく、無溶媒
反応も可能である。
【0023】本反応においては、クマリン酸誘導体
(1)とスチレン化合物(2)との仕込量はモル比で
1:1〜1:20とすることが好ましく、より好ましく
は1:1〜1:10である。
【0024】脱水素触媒には、パラジウム、ロジウム、
銀、白金、クロム、ニッケル、又はルテニウムおよびこ
れらの金属の炭素粉末担持体を用いることが有効で、無
触媒反応に比較して短時間で反応が完結する。
【0025】触媒の添加量は通常(1)又は(2)の化
合物に対して0.1〜10%(モル)程度とすることが
好ましい。
【0026】反応温度は100℃ないし250℃、好ま
しくは130℃ないし170℃であり、反応時間は6時
間以上、好ましくは10時間以上要する。なお、ベノゾ
キノン、1,2−ナフトキノン、ニトロベンゼン等の水
素受容体を添加することによっても、反応時間を短縮す
ることができる。経路B 本経路は、クマリン酸誘導体(1)とスチレン化合物
(2)を出発原料とし、ビシクロラクトン体(4)を環
状付加反応(ディールスアルダー反応)によって得る反
応である。
【0027】無触媒下で経路Aと同様にして反応を行う
ものである。ただし、反応温度は60℃ないし160
℃、好ましくは80℃ないし140℃である。窒素雰囲
気下、つまり酸素の存在しない系で反応する必要があ
る。本反応の場合、一部ビフェニル−4−カルボン酸誘
導体(3)が生成する場合がある。経路B’ 経路Bと同様、ビシクロラクトン体(4)を得る反応で
あるが、ジエチルエーテル、エチレングリコールジメチ
ルエーテル等のエーテル系溶媒を用い、1ないし7モル
/lの濃度の無水過塩素酸リチウムを含む系を用いるこ
とが好ましく、0℃ないし50℃で反応させるものであ
る。
【0028】反応は乾燥した溶媒を用い、脱酸素系の雰
囲気で行う必要がある。経路C 経路Bまたは経路B’によって得たビシクロラクトン体
(4)を用いて、ビフェニル−4−カルボン酸誘導体
(3)を得ることができる。
【0029】上記反応経路A,B及びCの関係は、反応
経路Bが起こった後に、反応経路Cが起こる。つまり、
反応経路Aは、BとCの1ポット反応である。よって化
合物(4)を目的として合成するには、反応を途中で止
めるような方法になる。又経路Bのみを行ないたいとき
には、脱水素触媒不在下、酸素不在下で行なうと化合物
(4)の収率が高くなる。経路D ビシクロラクトン体(4)からビフェニル−4−カルボ
ン酸誘導体(5)を得る方法である。R5 が水素原子の
場合は水を溶媒として、またR5 がアルキル基の場合は
対応するアルコールを溶媒として用い、塩酸、硫酸、p
−トルエンスルホン酸等の酸触媒下50℃ないし100
℃に加熱攪拌することにより、一般式(6)
【0030】
【化16】 (式中R1 〜R5 は一般式(5)のR1 〜R5 にそれぞ
れ対応する)で表わされる誘導体にした後、経路Aと同
様な条件下で反応させることによってビフェニル−4−
カルボン酸誘導体(5)を得ることができる。
【0031】次に、一般式(1)〜(6)中のR1 〜R
5 の具体的置換基の例を挙げる。
【0032】R1 は、水酸基、又はメチル基、エチル
基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、
n−オクチル基、n−デシル基、n−テトラデシル基、
n−オクタデシル基等の炭素数1〜20のアルキル基で
ある。
【0033】R2 ,R3 およびR4 としては、水素原
子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、ニトロ基、
水酸基、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プ
ロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル
基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−オクチル
基、n−ヘプチル基、n−ノニル基、n−デシル基等の
炭素数1〜10のアルキル基、メトキシ基、エトキシ
基、n−プロピルオキシ基等の炭素数1〜6のアルコキ
シ基、アセチル基、エチルカルボニルオキシ基、n−プ
ロピルカルボニルオキシ基、n−ヘキシルカルボニルオ
キシ基等の炭素数2〜7のアルキルカルボニルオキシ
基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n
−プロピルオキシカルボニル基、n−ヘキシルオキシカ
ルボニル基等の炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基
が挙げられる。
【0034】R5 は水素原子又はメチル基、エチル基、
n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、n−
ヘキシル基等の炭素数1〜6のアルキル基である。
【0035】
【実施例】以下に実施例によって本発明をさらに具体的
に説明する。なお実施例中の「部」は重量部を示すもの
とする。 (実施例1)クマリン酸メチル200部、スチレン67
6部および10%パラジウム炭素500部をm−キシレ
ン5000部に入れ、加熱還流下10時間反応した。反
応後室温まで冷却し、10%パラジウム炭素を濾別回収
し、濾液を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィー(展開溶媒はn−ヘキサンとベンゼン
の2:1体積比の混合溶媒を使用した)により精製し、
ビフェニル−4−カルボン酸メチル196部(収率71
%)を得た。本化合物の融点は110℃〜114℃であ
った。
【0036】IRスペクトル(クロロホルム中);17
20cm-1,1610cm-1 1 H−NMRスペクトル(重クロロホルム中)δ/ppm
;3.92(3H,s),7.25−7.80(5H,m),7.60(2H,d, J=8.6
Hz),8.10(2H,d, J=8.6Hz)。 (実施例2)実施例1において、スチレンの代りに4−
メチルスチレンを用いて全く同様に反応及び処理したと
ころ、4’−メチルビフェニル−4−カルボン酸メチル
を234部(収率79%)を得た。本化合物の融点は1
21℃〜123℃であった。
【0037】IRスペクトル(クロロホルム中);17
20cm-1,1610cm-1 1 H−NMRスペクトル(重クロロホルム中)δ/ppm
;2.39(3H,s),3.92(3H,s),7.24(2H,d, J=8.2Hz),
7.53(2H,d, J=8.2Hz),7.62(2H,d, J=8.8Hz),8.08(2
H,d, J=8.8Hz)。 (実施例3)実施例1において、スチレンの代りに4−
メトキシスチレンを用いて全く同様に反応及び処理した
ところ、4’−メトキシビフェニル−4−カルボン酸メ
チルを268部(収率85%)を得た。本化合物の融点
は179℃〜181℃であった。
【0038】IRスペクトル(クロロホルム中);17
20cm-1,1610cm-1 1 H−NMRスペクトル(重クロロホルム中)δ/ppm
;3.85(3H,s),3.93(3H,s),6.96(2H,d, J=8.8Hz),
7.57(2H,d, J=8.8Hz),7.60(2H,d, J=8.7Hz),8.08(2
H,d, J=8.7Hz)。 (実施例4)実施例1において、スチレンの代りに4−
クロルスチレンを用いて全く同様に反応及び処理したと
ころ、4’−クロルビフェニル−4−カルボン酸メチル
を246部(収率77%)を得た。本化合物の融点は1
10℃〜114℃であった。
【0039】IRスペクトル(クロロホルム中);17
20cm-1,1610cm-1 1 H−NMRスペクトル(重クロロホルム中)δ/ppm
;3.94(3H,s),7.40(4H,s),7.60(2H,d, J=8.8Hz),
8.11(2H,d, J=8.8Hz) (実施例5)実施例1において、スチレンの代りに4−
ニトロスチレンを用いて全く同様に反応及び処理したと
ころ、4’−ニトロビフェニル−4−カルボン酸メチル
を210部(収率63%)を得た。本化合物の融点は1
98℃〜200℃であった。
【0040】IRスペクトル(クロロホルム中);17
30cm-1,1610cm-1 1 H−NMRスペクトル(重クロロホルム中)δ/ppm
;3.97(3H,s),7.69(2H,d, J=8.8Hz),7.77(2H,d, J
=8.8Hz),8.18(2H,d, J=8.8Hz),8.83(2H,d, J=8.8H
z)。 (実施例6)6−メチルクマリン酸メチル200部、ス
チレン620部、および10%パラジウム炭素500部
をメシチレン6500部に入れ、加熱還流下20時間反
応した。反応後室温まで冷却し、10%パラジウム炭素
を濾別回収し、濾液を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒はn−ヘキサン
とベンゼンの2:1体積比の混合溶媒を使用した)によ
り精製し、下記構造式
【0041】
【化17】 で示される3−メチルビフェニル−4−カルボン酸メチ
ルを184部(収率68%)を得た。本化合物の融点は
64℃〜67℃であった。
【0042】IRスペクトル(クロロホルム中);30
75cm-1,3040cm-1,2960cm-1,1720c
m-1,1620cm-1 1 H−NMRスペクトル(重クロロホルム中)δ/ppm
;2.65(3H,s),3.86(3H,s),7.15〜7.65(7H,m),7.97
(1H,d, J=8.8Hz) (実施例7)実施例1において、スチレンの代りに4−
n−デシルスチレンを用いて全く同様に反応及び処理を
した。ただし反応時間のみ20時間に延長した。下記化
学構造式
【0043】
【化18】 で示される4’−n−デシルビフェニル−4−カルボン
酸メチル287部(収率64%)を無色結晶として得
た。
【0044】IRスペクトル(クロロホルム中);30
50cm-1,2960cm-1,1720cm-1,1620cm-1 1 H−NMRスペクトル(重クロロホルム中)δ/ppm
;0.9(3H,brt) ,2.7-1.0(18H,m),3.90(3H,s),7.25
(2H,d, J=8.2Hz),7.53(2H,d, J=8.2Hz),7.64(2H,d,
J=8.8Hz),8.10(2H,d, J=8.8Hz)。 (実施例8〜12)実施例1と同様にして、表1に示す
クマリン酸誘導体とスチレン誘導体を用いて反応及び処
理を行った。結果も表1に合わせて示した。
【0045】
【表1】 (実施例13) (A)クマリン酸メチル101部、スチレン341部を
トルエン1500部に溶解し、窒素雰囲気下で14時間
加熱還流した。反応後冷却し、減圧下にて溶媒であるト
ルエンを留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィー(展開溶媒;ベンゼン:エーテル=20:1体
積混合溶媒)にて精製して、無色油状物の下記化学構造
【0046】
【化19】 で示されるビシクロラクトン体の162部(収率96
%)を得た。本化合物の各スペクトルデータは次の通り
である。
【0047】IRスペクトル(クロロホルム中);17
65cm-1,1720cm-1,1640cm-1 マススペクトル(EIMS)m/e;259(M+
1),214,183,155,1041 H−NMRスペクトル(重クロロホルム中)を図1に
示す。
【0048】(B)本ビシクロラクトン体258部、1
0%パラジウム炭素500部をm−キシレン10000
部に入れ、3時間加熱還流したのち、室温まで冷却し、
10%パラジウム炭素を濾別回収した。濾液を減圧下濃
縮し、実施例1と全く同じ方法で精製したところ、ビフ
ェニル−4−カルボン酸メチルが151部(収率71
%)得られた。融点、IRスペクトル、H1 −NMRス
ペクトルは実施例1で示した値と全く同一であった。 (実施例14) (A)実施例13(A)において、スチレンの代りに4
−メチルスチレンを用いて全く同様に反応及び処理した
ところ、下記化学構造式
【0049】
【化20】 で示されるビシクロラクトン体を得た(収率78%)。
【0050】融点;135℃〜136℃ IRスペクトル(クロロホルム中);1765cm-1,1
725cm-1,1640cm-1 (B)上記(A)で得たビシクロラクトン体を用い実施
例13(B)と同様にして反応及び処理したところ、
4’−メチルビフェニル−4−カルボン酸メチルが得ら
れた(収率78%)。融点、IRスペクトル、 1H−N
MRスペクトルは実施例2で示した値と全く同一であっ
た。 (実施例15) (A)実施例13(A)において、スチレンの代りに4
−メトキシスチレンを用いて全く同様に反応及び処理し
たところ、下記化学構造式
【0051】
【化21】 で示されるビシクロラクトン体を得た(収率95%)。
【0052】融点;123℃〜125℃ IRスペクトル(クロロホルム中);1770cm-1,1
725cm-1,1640cm-1,1620cm-1 (B)上記(A)で得たビシクロラクトン体を用い実施
例13(B)と同様にして反応及び処理したところ、
4’−メトキシビフェニル−4−カルボン酸メチルが得
られた(収率83%)。融点、IRスペクトル、 1H−
NMRスペクトルは実施例3で示した値と全く同一であ
った。 (実施例16) (A)実施例13(A)において、スチレンの代りに4
−クロルスチレンを用いて全く同様に反応及び処理した
ところ、下記化学構造式
【0053】
【化22】 で示されるビシクロラクトン体を得た(収率48%)。
【0054】融点;140℃〜142℃ IRスペクトル(クロロホルム中);1770cm-1,1
730cm-1,1650cm-1 (B)上記(A)で得たビシクロラクトン体を用い、実
施例13(B)と同様にして反応及び処理したところ、
4’−クロルビフェニル−4−カルボン酸メチルが得ら
れた(収率71%)。融点、IRスペクトル、 1H−N
MRスペクトルは実施例4で示した値と全く同一であっ
た。 (実施例17) (A)実施例13(A)において、スチレンの代りに4
−ニトロスチレンを用いて全く同様に反応及び処理した
ところ、下記化学構造式
【0055】
【化23】 で示されるビシクロラクトン体を得た(収率15%)。
【0056】融点;141℃〜142℃ IRスペクトル(クロロホルム中);1770cm-1,1
730cm-1,1645cm-1,1610cm-1 (B)上記(A)で得たビシクロラクトン体を用い、実
施例13(B)と同様にして反応及び処理したところ、
4’−ニトロビフェニル−4−カルボン酸メチルが得ら
れた(収率72%)。融点、IRスペクトル、 1H−N
MRスペクトルは実施例5で示した値と全く同一であっ
た。 (実施例18) (A)無水過塩素酸リチウム521部と無水エーテル9
80部に溶解した溶液にクマリン酸メチル7.7部及び
4−メトキシスチレン33.6部を加え、室温下、窒素
雰囲気中で96時間攪拌した。反応後、水1000部を
加え分液した。エーテル層に無水硫酸ナトリウム100
部を加え一夜放置後、濾過して濾液を得た。これを、減
圧下濃縮して、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー(展開溶媒はn−ヘキサン:酢酸エチル=85:1
5体積比の混合溶媒)にて精製したところ、実施例15
(A)で得られたビシクロラクトン体と同一の構造の化
合物を11.9部(収率82%)を得た。
【0057】(B)上記(A)で得たビシクロラクトン
体を用い、実施例15(B)と全く同様に反応したとこ
ろ、結果も全く同じであった。 (実施例19) (A)実施例13(A)で得られたビシクロラクトン体
310部をメタノール5000部に溶解し、濃塩酸50
部を加え、3時間加熱還流し、冷却後、減圧下メタノー
ルを留去したところ、下記化学構造式
【0058】
【化24】 で示される化合物を300部得た。
【0059】IRスペクトル(クロロホルム中);36
00cm-1,1740cm-1,1660cm-1 1 H−NMRスペクトル(重クロロホルム中)δ/ppm
;1.9 〜2.2(2H,m) ,2.60(1H,s),3.4 〜3.65(2H,
m),3.57(3H,s),3.82(3H,s),4.63(1H,t, J=2.9Hz),
7.05(1H,d, J=1.8Hz),7.26(5H,s) (B)上記(A)で得られた化合物300部をm−キシ
レン5000部に溶解し、10%パラジウム炭素500
部を加え、4時間加熱攪拌還流した。反応後室温まで冷
却し、10%パラジウム炭素を濾別後、濾液を減圧下濃
縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(展開溶媒はn−ヘキサン:酢酸エチル=10:1の体
積比の混合溶媒)により精製し、下記化学構造式
【0060】
【化25】 で示されるビフェニル−4−カルボン酸誘導体210部
(収率65%)を得た。
【0061】IRスペクトル(クロロホルム中);17
30cm-1,1620cm-1 1 H−NMRスペクトル(重クロロホルム中)δ/ppm
;3.66(3H,s),3.95(3H,s),7.0 〜7.5(6H,m) ,8.17
(1H,dd., J=7.8Hz,1.8Hz),8.49(1H,d, J=1.8Hz) (実施例20) (A)実施例15(A)で得られたビシクロラクトン体
300部を用いた以外は、実施例19(A)と全く同じ
反応および処理を行ない、下記化学構造式
【0062】
【化26】 で示される化合物301部(収率91%)を無色油状物
として得た。
【0063】IRスペクトル(クロロホルム中);36
10cm-1,1740cm-1,1720cm-1,1660c
m-1,1620cm-1 1 H−NMRスペクトル(重クロロホルム中)δ/ppm
;2.06(2H,m),2.87(1H,brs),3.45(2H,m),3.58(3H,
s),3.81(3H,s),3.84(3H,s),4.63(1H,brt),6.82(2H,
d, J=8.8Hz),7.05(1H,d, J=1.6Hz),7.16(2H,d, J=
8.8Hz) (B)上記(A)で得られた化合物300部を実施例1
7(B)と全く同様に反応および処理したところ、下記
化学構造式
【0064】
【化27】 で示されるビフェニル−4−カルボン酸誘導体164部
(収率58%)を得た。
【0065】IRスペクトル(クロロホルム中)δ/pp
m ;1730cm-1,1620cm-1 1 H−NMRスペクトル(重クロロホルム中)δ/ppm
;3.70(3H,s),3.84(3H,s),3.94(3H,s),6.93(2H,d,
J=8.8Hz),7.28(2H,d, J=8.8Hz),7.43(1H,d,J=7.6H
z),8.15(1H,d,d, J=7.6Hz,1.8Hz),8.44(1H,d, J=1.
8Hz)
【0066】
【発明の効果】本発明は、クマリン酸誘導体とスチレン
化合物とからビフェニル−4−カルボン酸誘導体を得る
ようにしたので、簡単かつ安価に同誘導体を製造でき
る。上記方法によれば収率は高く、かつ有害な副生物も
ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例13により製造したビシクロラ
クトン体の 1H−NMRスペクトル(重クロロホルム
中)である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C07C 67/32 C07C 67/333 67/333 67/347 67/347 69/76 A 69/76 69/94 69/94 201/12 201/12 205/57 205/57 C07D 493/08 B C07D 493/08 C07B 61/00 300 // C07B 61/00 300 B01J 23/74 321 (56)参考文献 特開 昭64−79137(JP,A) 特開 昭64−75445(JP,A) 特開 平4−9340(JP,A) 特開 昭49−10292(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 63/00 C07C 67/00 C07C 69/00 C07C 201/00 C07C 205/00 C07D 493/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 (式中R1は水素原子、又は炭素数が1〜20のアルキ
    ル基、R2は水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、水酸
    基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコ
    キシ基、炭素数2〜7のアルキルカルボニル基、又は炭
    素数2〜7のアルコキシカルボニル基を示す。)で表わ
    されるクマリン酸誘導体と、一般式(2) 【化2】 (式中、R3およびR4は同一又は異なっていてもよく、
    水素原子、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、炭素数1
    〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、
    炭素数2〜10のアルキルカルボニル基、又は炭素数2
    〜10のアルコキシカルボニル基を示す。)で表わされ
    るスチレン化合物とを反応させることを特徴とする一般
    式(3) 【化3】 (式中R1,R2,R3およびR4は一般式(1)および
    (2)中のR1,R2,R3およびR4にそれぞれ対応す
    る。)で表わされるビフェニル−4−カルボン酸誘導体
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 反応を脱水素触媒の存在下で行なう請求
    項1記載のビフェニル−4−カルボン酸誘導体の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 脱水素触媒がパラジウム、ロジウム、
    銀、白金、クロム、ニッケル、又はルテニウム、もしく
    はこれらのいずれかの金属の炭素粉末担持体からなる請
    求項2記載のビフェニル−4−カルボン酸誘導体の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 一般式(1) 【化4】 (式中R1は水素原子、又は炭素数が1〜20のアルキ
    ル基、R2は水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、水酸
    基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコ
    キシ基、炭素数2〜7のアルキルカルボニル基、又は炭
    素数2〜7のアルコキシカルボニル基を示す。)で表わ
    されるクマリン酸誘導体と、一般式(2) 【化5】 (式中、R3およびR4は同一又は異なっていてもよく、
    水素原子、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、炭素数1
    〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、
    炭素数2〜10のアルキルカルボニル基、又は炭素数2
    〜10のアルコキシカルボニル基を示す。)で表わされ
    るスチレン化合物とを反応させることを特徴とする一般
    式(4) 【化6】 (式中R1,R2,R3およびR4は一般式(1)および
    (2)中のR1,R2,R3およびR4にそれぞれ対応す
    る。)で表わされるビシクロラクトン化合物の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 請求項4の一般式(4)で表わされるビ
    シクロラクトン化合物を脱水素触媒下で加熱することを
    特徴とする請求項1記載の一般式(3)で表わされるビ
    フェニル−4−カルボン酸誘導体の製造方法。
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