JPH07100355A - 界面活性剤 - Google Patents

界面活性剤

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JPH07100355A
JPH07100355A JP5269681A JP26968193A JPH07100355A JP H07100355 A JPH07100355 A JP H07100355A JP 5269681 A JP5269681 A JP 5269681A JP 26968193 A JP26968193 A JP 26968193A JP H07100355 A JPH07100355 A JP H07100355A
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fatty acid
ester
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Takeshi Nakamura
武嗣 中村
Nobuyuki Aoi
暢之 青井
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 食品,化粧品,医薬品および工業分野におい
て完全な可溶化物や安定な乳化物の製造が可能となる界
面活性剤を提供する。 【構成】 低重合度のポリグリセリンが少なく、かつ重
合度の分布が狭いポリグリセリンと脂肪酸を原料にして
得られるポリグリセリン脂肪酸エステルよりなる界面活
性剤は、完全な可溶化物や安定な乳化物の製造に適し、
今まで不可能であった製品の製造が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は表面張力を低下させる能
力の高い界面活性剤に関するもので、乳化,可溶化,分
散,洗浄,防食,潤滑,帯電防止,ぬれの目的で食品添
加物,化粧品用,医薬用及び工業用の界面活性剤として
利用できる。
【0002】
【従来の技術】乳化または可溶化剤として従来,種々の
化合物,例えばポリオキシエチレンアルキルエ−テル,
ポリオキシエチレン多価アルコ−ル脂肪酸エステル,ポ
リオキシエチレンアルキルフェニルエ−テル等の酸化エ
チレン系の非イオン界面活性剤,ソルビタン脂肪酸エス
テル,ショ糖脂肪酸エステル,ポリグリセリン脂肪酸エ
ステル,ポリグリセリン縮合リシノール酸エステル等の
食品用界面活性剤が知られている。その中でもポリグリ
セリン脂肪酸エステルやポリグリセリン縮合リシノール
酸エステルは人体、環境への安全性と、多種類の組成を
得るこことができるために汎用性が高いために最も有用
な界面活性剤である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ポリグリセリン脂肪酸
エステルやポリグリセリン縮合リシノール酸エステルの
原料として用いられるポリグリセリンは一般にはグリセ
リンを原料として水酸化ナトリウムなど触媒存在加熱下
に脱水縮合し、必要に応じて蒸留,脱色,脱臭,イオン
交換樹脂処理などにより精製して得られる。脱水縮合の
終点は通常その水酸基価を測定した結果をもって決定さ
れる。市場に流通しているポリグリセリンはこの水酸基
価より計算した平均の重合度によって4量体ポリグリセ
リン6量体ポリグリセリン,10量体ポリグリセリンと
呼ばれている。しかし、実際には重合度1から10以上
までの種々のグリセリン重合物の混合物である。一般に
これらポリグリセリンと脂肪酸をエステル化反応によっ
てエステルを合成する場合、グリセリンの重合度によっ
てその反応性が異なり低重合度のポリグリセリンが選択
的にエステル化される。その結果、得られるエステルは
目標よりも多くの脂肪酸とのエステル結合をもつ低重合
度のポリグリセリンエステルとエステル結合を持たない
未反応の高重合度のポリグリセリンの混合物となる。そ
のために本来有する乳化,可溶化力を発揮することがで
きないものであった。例えばビタミンEなどの脂溶性の
ビタミン,カロチンといった有用物質を飲料として製造
する場合、既存の食品用界面活性剤では透明可溶化する
ことができず、保存安定性の良い製品を製造することが
できなかった。また、他の界面活性剤、例えばポリオキ
シエチレンソルビタンエステルは医薬品や化粧品を製造
する際に使用できるが、ビタミンEなどの脂溶性のビタ
ミン,カロチンといった有用物質を飲料として製造する
場合、単独では十分な可溶化能力がないためエタノール
などの助剤を要する。そのため多量に飲用すると酩酊状
態になり、特に若年者の場合に社会問題になっている。
更には、化粧品業界では親水性の乳化剤としてポリオキ
シエチレン誘導体が使用されているが、皮膚刺激性など
安全性に問題があり代替品が求められているが、従来の
ポリグリセリンエステルやショ糖脂肪酸エステルでは性
能が不十分であり代替できないものである。
【0004】
【問題を解決するための手段】本発明者らは上記の点に
鑑み,鋭意研究の結果本発明に至った。即ち,本発明は
低重合度のポリグリセリンが少なく、かつ重合度の分布
が狭いポリグリセリンと脂肪酸を原料にして得られるポ
リグリセリン脂肪酸エステルよりなる界面活性剤に関
し、詳しくは「重合度4以上のポリグリセリンを70%
以上含むポリグリセリンと脂肪酸とのエステルを含有す
る界面活性剤」に関するものである。以下詳細に本発明
を説明する。本発明の界面活性剤とは親油性物質と親水
性物質を混合する際に安定化の目的で添加する物質で、
強い界面活性能を持つものである。これらの物質はその
分子内に親油性の官能基と親水性の官能基の両方を有す
るもので、水の表面張力を低下させるものである。本発
明のポリグリセリンとはグリセリンを脱水縮合するなど
して得られる分子内に水酸基とエーテル結合を有してお
りその他の官能基を有しない物質である。ポリグリセリ
ンは通常グリセリンをアルカリ触媒下に常圧あるいは減
圧下に加熱して得られ、使用の目的によって窒素、水蒸
気などの気体を通じて低沸点成分などを除去したり、イ
オン交換樹脂、イオン交換膜などによって使用した触媒
などイオン成分を除去したり、活性炭など吸着剤を用い
て色成分,臭成分を除去したり、水素添加などにより還
元処理を行ったり、あるいはまた、分子蒸留,精留によ
って沸点によって分画するなどして精製される。
【0005】一般にグリセリンを原料としてポリグリセ
リンを製造した場合、脱水縮合に際して分子内縮合や6
員環や8員環など好ましくない副生成物が多く発生する
ので、これら副生成物が発生しないようにグリシドー
ル,エピクロルヒドリン,モノクロロヒドリンなどを原
料として合成,精製して得られるポリグリセリンが好ま
しい。更に、ポリグリセリンと脂肪酸を反応する際に、
一般に低分子量のポリグリセリンは高分子量のポリグリ
セリンに比べて脂肪酸との反応性が高いので広い分子量
の分布をもつポリグリセリンを原料とした場合には均一
なエステルを製造することができない。したがって、で
きるだけ狭い分子量分布を持つポリグリセリンが好まし
く、例えばグリセリンもしくはその重合体の部分アルコ
ラートとハロゲン化炭化水素もしくはオキシハロゲン化
炭化水素を原料にして脱ハロゲン化アルカリ金属塩反応
によって得ることができる。製造方法を例示すると第一
工程として、ジグリセリン1モルとして、水酸化ナトリ
ウム1モルを加えて加熱脱水してジグリセリンモノアル
コラートを生成し、第二工程として得られたジグリセリ
ンモノアルコラート2モルにジクロロヒドリン1モルを
添加して加熱すると容易に重合度5のポリグリセリン1
モルが得られる。
【0006】同様にジグリセリンのかわりに重合度3の
ポリグリセリンを用いれば7量体ポリグリセリンが、ジ
グリセリンのかわりに重合度5のポリグリセリンを用い
れば重合度11のポリグリセリンを得ることができる。
また、これら工程中にて高粘度となるので各種溶媒を共
存させることは工業化する際に有利となる。これら溶媒
の選定にあたっては反応をさまたげないもの,あるいは
副反応を生起させることのないことが条件となるが、実
際には反応の原料として使用するグリセリンもしくはそ
の重合体を過剰に仕込み、脱ハロゲン化アルカリ金属塩
反応の後、遊離のグリセリンもしくはその重合体を除去
すれば簡便であり、残存溶媒について特別の考慮をする
必要もない。例えば、重合度5のポリグリセリンを製造
するにあたって、ジグリセリンを過剰として反応を行な
い、最後に0.5Torr以下、190℃以上にて蒸留
を行なえば良い。この際、残存するジグリセリンは少な
い方が良いが、30%以下とすれば実用的には十分であ
る。あるいはまた別法として、ジクロロヒドリン1モル
のかわりにモノクロロヒドリン2モルを用いて同様の反
応を進めることもできる。この場合、得られるポリグリ
セリンは原料のグリセリンもしくはその重合体より1重
合度だけ大きいものとなる。本発明のポリグリセリンの
重合度は重合度が低いと十分な界面活性効果が得られな
いので重合度4以上のポリグリセリンを70%以上含む
ポリグリセリンが好ましい。また重合度が高すぎると粘
度が非常に高くなり取扱に問題が発生するので重合度4
以上11以下のポリグリセリンを60%以上含むポリグ
リセリンがさらに好ましい。また、前述したように分子
量分布は狭いほうが好ましいので重合度5、7あるいは
11のポリグリセリンを40%以上含むポリグリセリン
が最も好ましい。
【0007】従来、ポリグリセリンの重合度とはグリセ
リンを脱水縮合すると分子内の水酸基2モルがエーテル
結合1モルに変換することに着目して基準油脂試験法に
より水酸基価を測定してその平均の重合度を計算したも
のとして理解されてきた。これは、従来市場に供給され
ているポリグリセリンは低分子から高分子まで広い分子
量分布をもち、また分子内脱水縮合された環状物など複
雑な組成をもっているため、それぞれの成分を定量する
ことが実質的に不可能であったためであった。しかしな
がら、この様な重合度の測定法を用いたのでは、これら
ポリグリセリンより得られるポリグリセリンエステルの
特性を考えるうえで不適切である。よって本発明におけ
るポリグリセリンの重合度は、ポリグリセリン誘導体と
なし、その上でGC法(ガスクロマトグラフィー)にて
分離定量を行ない求めるものとした。GC法による分析
は、例えばメチルシリコンなど低極性液相を化学結合せ
しめたフューズドシリカキャピラリー管を用いて100 ℃
〜250 ℃まで10℃/分の昇温分析を行なえば、容易に実
施することができる。また、ガスクロマトグラム上のピ
ークの重合度の同定は、例えばガスクロマトグラフを二
重収束マススペクトログラフに導入し、ケミカルアイオ
ニゼーションなどの方法によりイオン化して測定し、次
にその親イオンの分子量よりガスクロマトグラム上のピ
ークの分子量を求め、更に化学式よりグリセリンの重合
度を求めることにより簡単に行うことができる。
【0008】本発明の脂肪酸とは天然の動植物より抽出
した油脂を加水分解し、分離してあるいは分離せずに精
製して得られるカルボン酸を官能基として含む物質の総
称であって特に限定するものではない。あるいは石油な
どを原料にして化学的に合成して得られる脂肪酸であっ
てもよい。あるいはまた、これら脂肪酸を水素添加など
して還元したものや、水酸基を含む脂肪酸を縮重合して
得られる縮合脂肪酸や、不飽和結合を有する脂肪酸を加
熱重合して得られる重合脂肪酸であってもよい。これら
脂肪酸の選択に当たっては求める製品の効果を勘案して
適宜決めればよい。環境問題等を考慮するならば天然の
動植物由来の脂肪酸が好ましくまた、経時安定性を望む
ならば不飽和二重結合を2以上有しない脂肪酸が好まし
い。本発明のポリグリセリンと脂肪酸とは公知の方法に
よってエステル化される。例えばアルカリ触媒下、酸触
媒下、あるいは無触媒下にて、常圧あるいは減圧下エス
テル化することができる。また、ポリグリセリンと脂肪
酸の仕込み量は製品の目的によって適宜選択しなくては
ならない。例えば親水性の界面活性剤を得ようとすれば
ポリグリセリンの水酸基価と脂肪酸の分子量から計算に
より等モルになるように重量を計算して仕込めばよく、
親油性の界面活性剤を得ようとすれば脂肪酸のモル数を
増加させればよい。得られたポリグリセリン脂肪酸エス
テルは製品の使用上の要求によって精製してもよい。精
製の方法は公知のいかなる方法でもよく特に限定するも
のではない。たとえば、活性炭や活性白土などにて吸着
処理したり、水蒸気、窒素などをキャリアーガスとして
用いて減圧下処理を行ったり、あるいは酸やアルカリを
用いて洗浄を行ったり、分子蒸留を行ったりして精製し
てもよい。
【0009】本発明のポリグリセリン脂肪酸エステルに
他の成分を加えて製品の取扱を容易にすることができ
る。例えば製品の粘度を低下させるためにエタノール、
プロピレングリコール、グリセリン、ポリグリセリン、
水、液糖、油脂などの一種あるいは二種以上を添加して
溶解あるいは乳化してもよい。あるいは乳糖、デキスト
リンなどの多糖類やカゼイネートなど蛋白質を添加して
粉末化してもよい。使用の目的によっては本発明のポリ
グリセリン脂肪酸エステルと他の界面活性剤を混合して
界面活性剤製剤としてもよい。使用できる界面活性剤は
グリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪
酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステルなどの非イ
オン界面活性剤や両性界面活性剤、アニオン界面活性
剤、カチオン界面活性剤などを例示することができる。
本発明のポリグリセリン脂肪酸エステルに最終製品を構
成する他の成分を加えて中間製品としてもよい。例えば
オレイン酸、イソステアリン酸、パルミチン酸、ラウリ
ン酸、カプリン酸、カプリル酸、縮合リシノール酸、縮
合12ーヒドロキシステアリン酸の一種あるいは二種以
上とポリグリセリンの等モルでのエステルにビタミンE
などの油溶性ビタミン、ベータ・カロチンなどの油溶性
色素、高度不飽和脂肪酸などの油溶性生理活性物質を混
合して水溶性の油溶性ビタミン、油溶性色素、油溶性生
理活性物質として製品化することもできる。以下に実施
例を示して本発明を具体的に説明するが,本発明がこれ
らによって限定されるものではない。
【0010】
【実施例】
実施例1 5リットルの四ツ口フラスコにジグリセリン3300g
と50%水酸化ナトリウム水溶液800gを入れ、窒素
気流下で水を除去しながら140℃まで加熱した。水の
留出が終わった後ジクロロヒドリン640gを2時間か
けて滴下した。滴下後120℃で2時間攪拌する。これ
を分子蒸留にて過量のジクリセリンを除去後水に希釈し
て活性炭,イオン交換樹脂で脱色,脱塩し、水を除いて
ポリグリセリンを得た。本品をTMS化し、前記のGC
法により分析を行なったところ、重合度5の成分が60
%であった。
【0011】実施例2 1リットルの四ツ口フラスコにリシノール酸500gと
水酸化ナトリウム0.8gを入れ、窒素気流下で生成水
を除去しながら210℃で反応して縮合リシノール酸を
得た。この縮合物の酸価は95であった。この縮合リシ
ノール酸30gと実施例1で得られたポリグリセリン2
70gを500ミリリットルの四ツ口フラスコに入れ、
窒素気流下で生成水を除去しながら250℃で反応して
ポリグリセリン縮合リシノール酸エステルを得た。この
エステルの酸価は0.3であった。
【0012】実施例3 1リットルの四ツ口フラスコにリシノール酸500gと
水酸化ナトリウム0.8gを入れ、窒素気流下で生成水
を除去しながら210℃で反応して縮合リシノール酸を
得た。この縮合物の酸価は33.8であった。ここへ実
施例1で得られたポリグリセリン60.5gを加え、窒
素気流下で生成水を除去しながら250℃で反応してポ
リグリセリン縮合リシノール酸エステルを得た。このエ
ステルの酸価は0.2であった。
【0013】実施例4 500ミリリットルの四ツ口フラスコに実施例1で得た
ポリグリセリン210g,イソステアリン酸90gおよ
びリン酸三カリウム0.1gを入れ、窒素気流下で生成
水を除去しながら250℃で反応し、反応後0.3ミリ
リットルのリン酸を加えてポリグリセリンイソステアリ
ン酸エステルを得た。このエステルの酸価は1.2であ
った。
【0014】実施例5 実施例1で得られたポリグリセリン225.2gとステ
アリン酸74.2gから実施例4と全く同じ工程により
ポリグリセリンステアリン酸エステルを得た。このエス
テルの酸価は1.0であった。
【0015】実施例6 実施例1で得られたポリグリセリン225.2gとオレ
イン酸74.2gから実施例4と全く同じ工程によりポ
リグリセリンオレイン酸を得た。このエステルの酸価は
1.0であった。
【0016】比較例1 実施例1で得られたポリグリセリンのかわりに太陽化学
製グレートオイル#500(グリセリン8%,ジグリセ
リン20%,重合度3のポリグリセリン20%,重合度
4から11のポリグリセリン49%,重合度11より大
きなポリグリセリン3%)を用いた他は実施例2と全く
同じ工程によりポリグリセリン縮合リシノール酸エステ
ルを得た。
【0017】比較例2 実施例1で得られたポリグリセリンのかわりに太陽化学
製グレートオイル#500を用いた他は実施例3と全く
同じ工程によりポリグリセリン縮合リシノール酸エステ
ル得た。
【0018】比較例3 実施例1で得られたポリグリセリンのかわりに太陽化学
製グレートオイル#500を用いた他は実施例4と全く
同じ工程によりポリグリセリンイソステアリン酸エステ
ル得た。
【0019】比較例4 実施例1で得られたポリグリセリンのかわりに太陽化学
製グレートオイル#500を用いた他は実施例5と全く
同じ工程によりポリグリセリンステアリン酸エステルを
得た。
【0020】比較例5 実施例1で得られたポリグリセリンのかわりに太陽化学
製グレートオイル#500を用いた他は実施例6と全く
同じ工程によりポリグリセリンオレイン酸エステルを得
た。
【0021】試験例1 市販の80%純度ビタミンE0.13重量部に実施例2
で得られたポリグリセリン脂肪酸エステル0.4重量部
を加え、加熱してよく混合した。その一部0.063重
量部をとり、加温した水100ミリリットルを加えてよ
く攪拌し、分光光度計でその濁度を波長650nmの吸
光度として測定した。実施例2で得られたポリグリセリ
ン脂肪酸エステルのかわりに比較例1で得られたポリグ
リセリン脂肪酸エステル,ポリオキシエチレンモノラウ
リン酸エステル(10モル付加物)およびショ糖モノラ
ウリン酸エステルで同様に試験したところ、実施例2で
得られたポリグリセリン脂肪酸エステルで可溶化を行な
った溶液は完全に透明で吸光度0.007であったのに
対し、比較例1で得られたポリグリセリン脂肪酸エステ
ルでは吸光度0.305,ショ糖ラウリン酸エステルで
は0.205といずれも白濁状態で、ポリオキシエチレ
ンモノラウリン酸エステルは0.083で半透明状態で
あった。
【0022】試験例2 大豆白絞油280重量部に実施例3で得られたポリグリ
セリン縮合リシノール酸エステル1.2重量部を溶解し
ホモミキサーで5000rpmで攪拌下10%塩化ナト
リウム溶液280重量部を加え、その後10000rp
mで2分間攪拌しW/O乳化物を得た。実施例3ポリグ
リセリン縮合リシノール酸エステルのかわりに比較例2
で得られたポリグリセリン縮合リシノール酸エステルを
用い同様に試験を行いW/O乳化物を得た。両乳化物を
60℃で3日間静置保存したところ、比較例2で得られ
たポリグリセリン縮合リシノール酸エステルでは水層の
分離が見られたのに対し、実施例3で得られたポリグリ
セリン縮合リシノール酸エステルでは水層の分離は全く
認められなかった。
【0023】試験例3 水100重量部に実施例4で得られたポリグリセリンイ
ソステアリン酸エステル1.5重量部を溶解し、ホモミ
キサーで5000rpmで攪拌下ホホバ油50重量部を
加え、その後10000rpmで2分間攪拌しO/W乳
化物を得た。実施例4ポリグリセリンイソステアリン酸
エステルのかわりにポリオキシエチレンソルビタンモノ
ステアリン酸エステル(10モル付加物)を用いて同様
にO/W乳化物を得、両乳化物各1ミリリットルを水1
00ミリリットルに添加したところ、ポリグリセリンイ
ソステアリン酸エステルを用いた乳化物は水に均一に分
散したのに対し、ポリオキシエチレンソルビタンモノス
テアリン酸エステルは水の表面で油層の分離が認められ
た。
【0024】試験例4 水100重量部に実施例5で得られたポリグリセリンス
テアリン酸エステル1重量部を加え、60℃で加温溶解
した。これをホモミキサーにて5000rpmで攪拌
下、60℃に加温した大豆白絞油100重量部を加え、
その後10000rpmで2分間攪拌しO/W乳化物を
得た。比較例4で得られたポリグリセリンステアリン酸
エステルも同様に操作し、得られた2つの乳化物を60
℃で12時間放置したところ、比較例4で得られたポリ
グリセリンステアリン酸エステルでは油層の分離が見ら
れたのに対し、実施例5で得られたポリグリセリンステ
アリン酸エステルでは分離が認められなかった。
【0025】試験例5 実施例6で得られたポリグリセリンオレイン酸エステル
10重量部にグリセリン20重量部を加えて50℃に加
温した。これをガラス棒で攪拌しつつ50℃に加温した
シリコン油80重量部を徐々に加えて乳化組成物を得
た。これを40℃で1ヵ月静置保存したところ、変化は
認められなかった。一方、比較例5で得られたポリグリ
セリンオレイン酸エステルおよびポリオキシエチレンソ
ルビタンモノオレイン酸エステル(10モル付加物)で
同様に操作したところ、シリコン油添加途中で油層の分
離が起こり乳化組成物を調製することはできなかった。
【0026】
【発明の効果】上記実施例で証明した様に本発明によれ
ば、本発明の界面活性剤は水の表面張力を大きく下げる
ことができ、食品,医薬品,化粧品の分野で今まで不可
能であった完全な可溶化物や安定な乳化物の製造が可能
となることは明白である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // A61K 7/00 N

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重合度4以上のポリグリセリンを70%
    以上含むポリグリセリンと脂肪酸とのエステルを含有す
    る界面活性剤。
  2. 【請求項2】 重合度4以上、11以下のポリグリセリ
    ンを60%以上含むポリグリセリンと脂肪酸とのエステ
    ルを含有する請求項1記載の界面活性剤。
  3. 【請求項3】 重合度5のポリグリセリンを30%以上
    含むポリグリセリンと脂肪酸とのエステルを含有する請
    求項1記載の界面活性剤。
  4. 【請求項4】 重合度7のポリグリセリンを30%以上
    含むポリグリセリンと脂肪酸とのエステルを含有する請
    求項1記載の界面活性剤。
  5. 【請求項5】 重合度11のポリグリセリンを30%以
    上含むポリグリセリンと脂肪酸とのエステルを含有する
    請求項1記載の界面活性剤。
  6. 【請求項6】 グリセリンもしくはその重合体の部分ア
    ルコラートとハロゲン化炭化水素もしくはオキシハロゲ
    ン化炭化水素を原料にして脱ハロゲン化アルカリ金属塩
    反応によって得られるポリグリセリンと脂肪酸とのエス
    テルを含有する請求項1記載の界面活性剤。
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