JP3226264B2 - 乳化安定化剤 - Google Patents

乳化安定化剤

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JP3226264B2 JP31105297A JP31105297A JP3226264B2 JP 3226264 B2 JP3226264 B2 JP 3226264B2 JP 31105297 A JP31105297 A JP 31105297A JP 31105297 A JP31105297 A JP 31105297A JP 3226264 B2 JP3226264 B2 JP 3226264B2
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優子 堤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は水中油型乳化組成物
に配合して優れた乳化安定化機能を発揮する乳化安定化
剤に係わるものである。更に詳しくは、前記乳化組成物
中に配合することによって、その乳化安定性を著しく向
上させる機能をもち、かつ安全性も極めて高く、食品、
化粧品、医薬品、農薬、飼料等の幅広い分野の水中油型
乳化組成物に利用できる部分エステル化生成物からなる
乳化安定化剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、水と油脂、炭化水素あるいは溶剤
等とを均一に乳化し安定化する目的で種々の乳化剤や乳
化安定化剤と呼ばれる原材料が用いられてきた。一般
に、乳化剤には、乳化性能として、水と油のように極性
が大きく異なる物質間の界面張力を低下させて乳化粒子
を微細化しやすくさせ、かつ安定に保つ機能が必要とな
る。この機能は親水性物質および親油性物質の種類や配
合比率等の条件によっても様々に異なり、このため使用
する乳化剤については適合条件を詳細に検討する必要が
あり、通常は複数の乳化剤を組み合わせて用いることが
多い。さらに、特に人体に係わるような分野、例えば食
品、化粧品、医薬品等の製品では安全性が高いことも要
求される。
【0003】水中油型乳化組成物において、乳化能力が
極めて高く汎用的に使用されている乳化剤として、例え
ば、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルがあ
るが、安全性の点での問題が指摘されている。一方、安
全性が極めて高いポリグリセリン脂肪酸エステルはその
乳化力において完全に満足できるものではない。
【0004】乳化安定化能が不足する処方系において
は、補助的手段として乳化安定化剤が用いられる。この
代表的なものにセタノールやコレステロールがある。セ
タノールは乳化系の界面に配向して液晶を形成し、界面
を硬くすることにより乳化系全体の流動性を失わしめて
乳化状態を安定化する。しかし、セタノールだけでは安
定化機能は不十分であるうえ、温度変化により分離しや
すい。また、乳化系が硬くなる結果、乳化組成物のきめ
も荒くなりやすい。一方、コレステロールは界面張力を
低下させて乳化粒子を細かくすることに寄与するが、安
定させる乳化系が限定され、さらに乳化物の粘度は増大
しないためにクリーミング現象を生じやすい。また、こ
れらとは別に乳化系の粘度を上昇させることにより乳化
安定性を増強させるキサンタンガム、カルボキシエチル
セルロース、カルボキシビニルポリマー等の高分子系素
材がある。これらはいずれも外相(水)を増粘させて安
定化させるものであるが、乳化組成物が糊状になった
り、ぬめり感等の使用感から敬遠されることが多い。
【0005】このように、これまではある目的のために
乳化処方系が設計される場合、該処方を種々に調整する
ことにより前記欠点を補いながら全体をまとめあげて所
望の物性、感触へ仕上げていくプロセスを経ていた。し
かしながら、従来の乳化関連資材を用いる範囲では、感
触が柔らかく、きめが細かい上に乳化安定性が優れてい
る乳化組成物を作り出すことは非常に困難を伴う作業で
あった。
【0006】本発明者らは、かかる実情に鑑み、水中油
型を主体とする乳化系において乳化安定性を向上させる
ために、従来と異なる位置づけで使用できる材料の開発
に取り組んだ。すなわち、水中油型乳化系において少量
添加することで乳化安定化の機能を発揮し、かつ乳化系
の物性をあまり変化させないような機能を有する材料の
開発を目指して、種々の物質のスクリーニングを行っ
た。その結果、特定のオリゴエステル化物が、乳化助剤
と乳化安定剤の両方の機能を満たし、乳化物の粘度の増
加を伴わないにもかかわらず乳化状態を非常に安定化さ
せるすることを見い出した。本発明はかかる知見に基づ
いて完成したものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、乳化処方系に添加することによって、あるいは
他の乳化剤を用いずに水中油型乳化系を極めて安定なも
のとする機能を有する乳化安定化剤を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、多価アルコー
ル、脂肪酸および二塩基酸を構成要素とするオリゴエス
テル化物が乳化組成物の安定性にとって有用であること
を見出した。さらに詳細に検討を行った結果、この中で
特定の条件を満たすものが従来にはない極めて優れた乳
化安定化機能を発現することを見い出し、本発明を完成
するに至った。すなわち、本発明によれば、(1)グリ
セリン重合物と、(2)12−ヒドロキシステアリン酸
および/またはリシノール酸のこれらのうちの1種また
は2種以上の混合物、およびこれらの脂肪酸の分子間オ
リゴエステル化物と、(3)炭素数9〜20の脂肪族飽
和二塩基酸とのエステル化生成物であって、(1)の1
モルに対して(3)が0.3〜0.5モルであるエステ
ル化生成物からなる乳化安定化剤が提供される。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明のエステル化生成物を製造
するための必須原料成分としては、まず、グリセリン重
合物がある。本発明において、グリセリン重合物の好適
な重合度は平均重合度として5以上のものをさすが、と
りわけ平均重合度が6以上のものが好ましく、さらには
10程度までのグリセリン重合物であり、具体的にはペ
ンタグリセリン、ヘキサグリセリン、オクタグリセリ
ン、デカグリセリン等を例示でき、これらは単独もしく
は任意の組み合わせの混合物として使用できる。
【0010】次に、脂肪酸は、ヒドロキシ脂肪酸として
12−ヒドロキシステアリン酸および/またはリシノー
ル酸のこれらのうちの1種または2種以上の混合物を必
須とする。水酸基とカルボキシル基の両官能基を有して
いるため、容易に分子間オリゴエステルを形成できる。
このオリゴエステルを形成した場合においても、本発明
においてはなんら問題なく、乳化安定機能を発現でき
る。よって、本発明における必須の脂肪酸としては、1
2−ヒドロキシステアリン酸、オリゴエステル化12−
ヒドロキシステアリン酸、リシノール酸、オリゴエステ
ル化リシノール酸、12−ヒドロキシステアリン酸・リ
シノール酸混合オリゴエステル化物などを例としてあげ
ることができ、本発明ではこれらを単独で使用しあるい
は任意の組み合わせの混合物で使用してもさしつかえな
い。なお、本発明においては、過度のオリゴエステル化
はグリセリン重合物との反応において障害となる場合が
あるので、平均重合度2〜8、好ましくは平均重合度2
〜4の分子間オリゴエステルを使用することが望まし
い。
【0011】また二塩基酸としては、炭素数が9〜20
の脂肪族飽和状二塩基酸であることを必須とする。不飽
和結合を有するものや炭素数が8未満の二塩基酸を用い
た場合のエステル化生成物では乳化安定化機能が低下
し、また炭素数が21を超える二塩基酸は工業的原料と
して入手しにくい。したがって本発明では、ノナン二
酸、デカン二酸、ドデカン二酸、オクタデカン二酸、エ
イコサン二酸等の二塩基酸を単独または任意に混合して
使用すればよい。これらのうち望ましいものはエイコサ
ン二酸である。
【0012】前記原料は適宜に組み合わせて用いること
ができ、本発明のエステル化生成物を得るには、次に述
べる方法がある。すなわち、グリセリン重合物、ヒドロ
キシ脂肪酸および二塩基酸を同時にオリゴエステル化反
応するか、ヒドロキシ脂肪酸を先にオリゴエステル化せ
しめた後、グリセリン重合物と二塩基酸を加えてオリゴ
エステル化反応する方法がある。さらには、グリセリン
重合物とヒドロキシ脂肪酸、あるいはグリセリン重合物
とオリゴエステル化させたヒドロキシ脂肪酸をまずエス
テル化せしめ、これをさらに二塩基酸とオリゴエステル
化反応あるいはエステル交換反応をさせる方法もある。
また、グリセリン重合物と二塩基酸とをまずオリゴエス
テル化せしめ、次いでこれをヒドロキシ脂肪酸あるいは
オリゴエステル化させたヒドロキシ脂肪酸とエステル化
反応させる方法がある。これらの方法のうち、好ましく
はグリセリン重合物と二塩基酸とをまずオリゴエステル
化せしめ、次いでこれをヒドロキシ脂肪酸とエステル化
反応させる方法が、同じ比率で合成を試みた場合にも最
も好ましい結果が得られる。
【0013】二塩基酸はグリセリン重合物に対して30
〜50%のモル比で使用することが重要である。30モ
ル%未満では通常の乳化剤の機能に近くなり、本発明で
特徴的な乳化安定化機能が発現しなくなり、50モル%
超過すなわち平均オリゴマー度が二量体を超えた場合に
は単なる高粘性またはワックス状の油剤として働くよう
になる。
【0014】エステル化反応は、前記各原料を適当な反
応容器に仕込み、酸、アルカリまたは金属触媒の存在下
あるいは非存在下、好ましくは該反応に不活性な有機溶
媒または/および気体中で、100〜240℃にて数時
間〜20時間程度まで、副生する水を除去しながら行
う。またエステル交換反応は、金属アルコラートまたは
リパーゼ等の触媒を用い、20〜140℃にて数十分〜
数十時間行う。前記反応経過は、反応系中の酸価あるい
は遊離状態の酸成分の組成を測定することにより評価で
き、これにより反応の終了時点を決定すればよい。
【0015】なお、エステル化反応を完全に終結させず
に遊離のカルボキシル基をオリゴエステル構造中に残す
ことも可能だが、本発明ではほぼ完全にエステル基とす
ることが望ましい。エステル化反応物またはエステル交
換反応物は、未反応のグリセリン重合物、ヒドロキシ脂
肪酸および/または二塩基酸を含むことがあり、この他
に副生するヒドロキシ脂肪酸、比較的低分子量の部分エ
ステル化物等が混在することがあるため、要すればこれ
らを水洗、アルカリ脱酸、シリカゲル等の吸着剤処理等
の公知の方法で分離除去し、さらに要すれば脱色、脱臭
処理を施して精製する。
【0016】かくして得られる本発明のエステル化生成
物は、グリセリン重合物、ヒドロキシ脂肪酸および二塩
基酸が直鎖状または/および分枝状にオリゴエステル化
された混合物であり、常温において高粘性液体〜ワック
ス状となる。本発明のエステル化生成物の水酸基価は、
原料の配合割合すなわちグリセリン重合物の反応モル当
量と脂肪酸および二塩基酸の各反応モル当量とから容易
に算出でき調節できる。また反応温度、反応時間、反応
の進行にともなう生成水の量によっても調節可能であ
る。
【0017】本発明のエステル化生成物は、これを単独
あるいは任意に混合して、親油性物質および水、必要に
応じて親水性物質(多価アルコール、糖類等)を主体と
する混合物に添加して極めて安定な水中油型乳化組成物
を形成することができる。ここに、親油性物質としては
流動パラフィン、スクワラン、マイクロクリスタリンワ
ックス等の炭化水素、大豆油、ゴマ油、米胚芽油、サフ
ラワー油、パーム油、オリーブ油、ホホバ油、マカデミ
アナッツ油、アボガド油、月見草油、ヒマシ油、ミンク
油、牛脂等の動植物油脂やその硬化油や分別油、カルナ
ウバワックス、キャンデリラワックス、ミツロウ、ライ
スワックス等のワックス類、イソプロピルミリステー
ト、トリオクタン酸グリセリド、ジオクタン酸ネオペン
チルグリコールエステル、ジカプリン酸ネオペンチルグ
リコールエステル、イソノナン酸イソノニル、パルミチ
ン酸イソオクチル等の合成エステルやシリコーンオイル
等を例示することができる。
【0018】前記親油性物質に対して本発明のエステル
化生成物を0.1〜10重量%、好ましくは1〜5重量
%添加し、要すれば約80℃程度に加温して攪拌・溶解
した油相を、常温あるいは加温した状態で攪拌下の水相
に添加し乳化させる。あるいは、本発明のエステル化生
成物を水相に添加する、さらには本発明のエステル化生
成物を油相及び水相の両相にともに添加する方法も可能
である。乳化方法としては上記のような通常の乳化法の
ほか、ショ糖、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセ
リン、1,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−
ブタンジオール、プロピレングリコール、ジプロピレン
グリコール、ポリエチレングリコール、ヘキシレングリ
コール、ソルビトール等のアルコール類に本発明のエス
テル化生成物を添加したのち、油相を加えるD相乳化法
や転相乳化法も用いることができる。このようにして得
られた水中油型乳化組成物は常温において油分や水分の
分離をおこしにくく極めて安定な処方物であり、系全体
が均一状態を保持する。
【0019】なお、本発明の乳化安定化機能を有する油
剤を含む乳化物組成物は、油分と水分と前記エステル化
生成物の単独または混合物とのみを配合してなるものが
基本であるが、本発明の目的を逸脱しない範囲で、これ
にさらに適量の従来既知の乳化剤、例えばポリオキシエ
チレンおよび/またはポリオキシプロピレン付加アルキ
ルエーテル、ポリオキシエチレンおよび/またはポリオ
キシプロピレン付加アルキルアリルエーテル、ポリオキ
シエチレンおよび/またはポリオキシプロピレン付加ア
ルキルエステル、ポリオキシエチレンおよび/またはポ
リオキシプロピレン付加ソルビタン脂肪酸エステル、ソ
ルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、
ポリグリセリン脂肪酸エステル等の非イオン界面活性
剤、脂肪酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、脂肪族
アルコールリン酸エステル塩、脂肪酸アミドスルホン酸
塩、アルキルアリルスルホン酸塩等の陰イオン界面活性
剤、脂肪族アミン塩、第四級アンモニウム塩等の陽イオ
ン界面活性剤や両性界面活性剤等を配合することができ
る。その他、必要に応じて脂肪酸、アルコール類、無機
塩類、ワックス類、高分子化合物、顔料、色素、香料等
の成分を配合することも可能である。
【0020】
【実施例】以下の合成例及び実施例において、%は重量
基準である。 合成例1 攪拌機、温度計、ガス吹込管および水分離器を取付けた
四ツ口フラスコに、デカグリセリン150g(0.2モ
ル、ただし固形分換算)およびエイコサン二酸27.4
g(0.08モル)を仕込み、触媒としてp−トルエン
スルホン酸を対仕込量0.1%、還流溶媒としてキシレ
ンを対仕込量5%加え、窒素ガス気流中、180〜20
0℃で、酸価の低下が認められなくなるまで5時間、エ
ステル化反応を行わせた。さらに室温まで冷却後、12
−ヒドロキシステアリン酸180g(0.6モル)を加
え、さらに反応を進める。酸価の低下が認められなくな
るまで6時間、エステル化反応を行い、反応終了後、白
土および活性炭を各1%加え、減圧下にて脱色処理して
ろ過、さらに水蒸気吹き込みによる脱臭処理を施して、
本発明のエステル化生成物(試料No.1とする)28
0gを得た。このものは酸価0.2、水酸基価376.
9であった。
【0021】比較合成例1 原料として、デカグリセリン150g(0.2モル、た
だし固形分換算)、エイコサン二酸44.5g(0.1
3モル)および12−ヒドロキシステアリン酸180g
(0.6モル)を用いるほかは同様に操作、処理し、エ
ステル化生成物(試料No.9)310gを得た。この
ものは酸価0.1、水酸基価338.9であった。
【0022】合成例2〜8、比較合成例2〜6 前記同様の方法により各種ポリグリセリン、ヒドロキシ
脂肪酸および二塩基酸を組み合わせて合成例(試料N
o.2〜8)、比較合成例(試料No.10〜16)の
エステル化生成物を得た。なお、オリゴエステル化12
−ヒドロキシステアリン酸の合成は、合成例1の反応装
置を使用し、12−ヒドロキシステアリン酸300gに
対し、触媒としてp−トルエンスルホン酸を対仕込量
0.1%、還流溶媒としてキシレンを対仕込量5%加
え、窒素ガス気流中、180℃にて毎時間酸価を測定
し、酸化が50を切った時点でエステル化反応を終了さ
せる。今回は7時間反応を行った。室温まで冷却後、必
要量をエステル化原料として予め用意した。オリゴエス
テル化リシノール酸もオリゴエステル化12−ヒドロキ
システアリン酸の合成と同様に行った。
【0023】エステル化反応の原料配合およびエステル
化生成物の性状、分析値をまとめて表1、表2に示す。
なお、表中の原料は次のものを用いた。また、原料配合
における数値はモル数を示す。 デカグリセリン:阪本薬品工業(株)製、商品名「ポリ
グリセリン#750」 ヘキサグリセリン:阪本薬品工業(株)製、商品名「ポ
リグリセリン#500」 エイコサン二酸:岡村製油(株)製、商品名「SL−2
0」 セバシン酸:和光純薬工業(株)製、商品名「セバシン
酸」 12−ヒドロキシステアリン酸:川研ファインケミカル
(株)製、商品名「ヒドロキシスセアリン」 リシノール酸:川研ファインケミカル(株)製、商品名
「リシノール酸」
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】実施例1〜10、比較例1〜11(通常の
水中油型乳化機能の評価) 合成例1〜8および比較合成例1〜8で得られたエステ
ル化生成物について水中油型乳化組成物における能力を
以下の方法により評価した。すなわち、合成例1〜8で
得たエステル化生成物(試料No.1〜8)のいずれか
1gを80℃の水59gに添加、攪拌して均一に溶解ま
たは分散させ、さらにホモミキサー(特殊機化工業┻
製、TKホモミキサー)を用いて3000rpm の攪拌下
で、80℃に加熱したトリオクタン酸グリセリル(日清
製油製、商品名「TIO」)40gを徐々に添加した。
添加終了後さらに5分間攪拌を行った後、攪拌を続けな
がら30℃まで冷却し、水中油型乳化物を調製した。得
られた乳化物を目盛付きシリンダーに入れ、調製直後、
および20℃にて24時間保存時の状態を観察した(実
施例1〜8)。この結果を表3に示す。また、比較合成
例1〜8で得たエステル化生成物(試料No.9〜1
6)および既存の乳化剤各種についても同様にして乳化
物を調製し乳化能評価を行った(比較例1〜8および比
較例9〜11)。この結果を表4および表5に示す。さ
らに、前記既存乳化剤と本発明のエステル化生成物(試
料No.1)とを併用した場合についても同様にして乳
化物を調製し乳化能評価を行った(実施例9、10)。
この結果を表6に示す。
【0027】なお、表3〜表5において評価指標は次の
基準および計算方法によるものである。 (乳化状態) ◎・・・・全体に均一な乳化物 ○・・・・表面に若干油滴が認められる乳化物 △・・・・表面にかなり油滴が認められる乳化物 ×・・・・ほとんど乳化せず
【0028】
【表3】
【0029】
【表4】
【0030】
【表5】 使用原料 ポリオキシエチレンソルビタンステアレート(PO
E):花王(株)製、商品名「レオドールTW−S12
0」 ソルビタンモノオレート:日清製油(株)製、商品名
「コスモール82」 脂肪酸:花王(株)製、商品名「LUNAC S98」 グリセリン脂肪酸エステル(MG):理研ビタミン
(株)製、商品名「ポエムS100」 セタノール:花王(株)製、商品名「カルコール68」
【0031】
【表6】
【0032】表3〜表6に示したデータから、本発明の
エステル化生成物(試料No.1〜8)は、従来の乳化
剤を使用して得た乳化状態をさらに安定化させ、該乳化
状態を長期に維持できることが明らかになった。これ
は、比較合成例で調製したエステル化生成物(試料N
o.9〜16)や従来既知の乳化剤を使用して作成した
水中油型乳化物の場合に比べて顕著な効果があり、また
従来既知の乳化剤を使用して作成した水中油型乳化物の
乳化状態を安定化させる乳化安定化剤として本発明の生
成物が有用であることを意味する。
【0033】実施例12〜15(ゲル乳化法による水中
油型乳化機能の評価) 合成例1、3、5および7で得たエステル化生成物(試
料No.1、3、5および7)のいずれか1gをグリセ
リン10g、水2gと80℃で混合し、さらにディスパ
ーミキサー(特殊機化工業(株)製)2000rpm の攪
拌下で、80℃に加熱したトリオクタン酸グリセリル
(日清製油(株)製、商品名「TIO」)30gを徐々
に添加した。添加終了後5分間攪拌を行いゲル状とした
後、さらに80℃に加熱したイオン交換水57gを徐々
に攪拌下で添加した。その後攪拌しながら30℃まで冷
却し、水中油型乳化物を得た。得られた乳化物を目盛付
きシリンダーに入れ、調製直後、および20℃にて10
日後の状態を観察した。この結果を表7に示す。
【0034】
【表7】 注)乳化状態を表す記号、離水率:表3と同じ。 乳化粒子径:平均粒子径を表示。COULTER 社製、N4型サブミクロン 粒子分析装置で測定。 表7のデータから、本発明のエステル化生成物は、ゲル
乳化法による乳化が可能であり 非常に均一で安定な水
中油型乳化物を形成することが確認された。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、グリセリン重合物と、
12−ヒドロキシステアリン酸、リシノール酸の1種ま
たは2種の混合物、およびこれらの脂肪酸の分子間オリ
ゴエステル化物と、炭素数9〜20の脂肪族飽和二塩基
酸とのエステル化生成物であって、グリセリン重合物:
脂肪族飽和二塩基酸=1:0.3〜0.5(モル比率)
である組成物からなる水中油型乳化組成物の乳化安定化
剤を提供できる。この乳化安定化剤を水中油型乳化系の
処方中に少量添加することで、均一かつ非常に安定性の
高い水中油型乳化組成物を得ることができる。また本発
明のエステル化生成物は、既知の乳化剤に添加して非常
に安定な乳化状態を形成するだけではなく、単独で用い
ても良好な乳化状態を作ることが可能であり、安全性も
極めて高い。かかる乳化安定化機能を有する本発明のエ
ステル化生成物は、化粧品、医薬品等の身体に関わる分
野のほか一般工業用としても広範囲の産業の乳化製品に
応用することができ、極めて有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−109153(JP,A) 特開 平10−175818(JP,A) 特開 平10−305222(JP,A) 特開 平7−187947(JP,A) 特開 昭60−199833(JP,A) 特開 平4−178316(JP,A) 特開 平7−184544(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01F 17/00 A23L 1/035 A61K 7/00 A61K 9/107

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)グリセリン重合物と、(2)12
    −ヒドロキシステアリン酸および/またはリシノール酸
    のこれらのうちの1種または2種以上の混合物、および
    これらの脂肪酸の分子間オリゴエステル化物と、(3)
    炭素数9〜20の脂肪族飽和二塩基酸とのエステル化生
    成物であって、(1)の1モルに対して(3)が0.3
    〜0.5モルであるエステル化生成物からなる乳化安定
    化剤。
  2. 【請求項2】 グリセリン重合物が平均重合度5〜10
    のものである請求項1に記載の乳化安定化剤。
  3. 【請求項3】 12−ヒドロキシステアリン酸またはリ
    シノール酸の分子間オリゴエステル化物が平均重合度2
    〜8のものである請求項1に記載の乳化安定化剤。
JP31105297A 1997-10-28 1997-10-28 乳化安定化剤 Expired - Fee Related JP3226264B2 (ja)

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