JPH0663426A - 製粉方法及び装置 - Google Patents

製粉方法及び装置

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JPH0663426A
JPH0663426A JP3246788A JP24678891A JPH0663426A JP H0663426 A JPH0663426 A JP H0663426A JP 3246788 A JP3246788 A JP 3246788A JP 24678891 A JP24678891 A JP 24678891A JP H0663426 A JPH0663426 A JP H0663426A
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barley
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利彦 佐竹
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覺 佐竹
Takeshi Ishii
健 石井
Keiyuu Tokui
圭裕 徳井
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Satake Engineering Co Ltd
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    • B02CRUSHING, PULVERISING, OR DISINTEGRATING; PREPARATORY TREATMENT OF GRAIN FOR MILLING
    • B02CCRUSHING, PULVERISING, OR DISINTEGRATING IN GENERAL; MILLING GRAIN
    • B02C9/00Other milling methods or mills specially adapted for grain
    • B02C9/04Systems or sequences of operations; Plant
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B02CRUSHING, PULVERISING, OR DISINTEGRATING; PREPARATORY TREATMENT OF GRAIN FOR MILLING
    • B02BPREPARING GRAIN FOR MILLING; REFINING GRANULAR FRUIT TO COMMERCIAL PRODUCTS BY WORKING THE SURFACE
    • B02B5/00Grain treatment not otherwise provided for
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  • Cereal-Derived Products (AREA)
  • Disintegrating Or Milling (AREA)
  • Screw Conveyors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 精麦して製粉する製粉方法であって、精麦時
に麦粒縦溝内に入り込んだ麩粉を除去し、製粉特性を向
上させる。 【構成】 精選工程10、加水工程7、精麦工程1及び
調質工程4を備えてなる製紛装置において、前記精麦工
程1の後工程に洗麦工程2を設ける。 【効果】 精白麦を洗浄することにより、縦溝内に入り
込んだ麩粉が給水して容易に洗い流されるとともに、洗
浄水による加水効果もある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は小麦等の製粉に係り、特
に、前処理として精麦を行う製粉方法及び装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】製粉とは、小麦等を挽(ひ)き砕いて、
製粉となる胚乳部(重量換算約84%)と、胚乳部の外
側に数層からなる皮部(同13.5%)及び胚芽(同
2.5%)とを分別しながら、灰分(不良成分)を多く
含む皮部の混在がないように胚乳部分を粉末状で採取す
ることであるが、胚乳部と皮部とを完全に分離すること
は非常に困難であり、皮部の混入の比較的少ない製品の
採取率(歩留り)は通常75%程度である。
【0003】ところで、前述のように、原料となる麦粒
(以下「原麦」という)を直接挽砕する製粉方法(原麦
製粉)に対し、原麦の表皮を剥(はく)離して胚乳部を
露出させた後挽砕する製粉方法(精麦製粉)が特開昭6
2−87250号公報等で周知である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】精麦して製粉すること
によりロール機などの台数を減らして製粉効率を向上さ
せ得るが、次の問題点があった。すなわち、精麦は、通
常、多孔壁からなる除糠(こう)精白筒に、金剛砂から
なる研削精白転子を内装して精白室を形成し、この精白
室において麦粒の縦溝部(クリース)以外の表皮を削り
取ることにより行われるが、剥離した表皮(麩=ふす
ま)が前記縦溝部内に入り込んでしまい、製粉特性を劣
化させるという欠点がある。
【0005】この発明は前記問題点にかんがみ、精麦
後、縦溝部内に入り込んだ麩粉を容易に除去することの
できる製粉方法及び装置を提供することを技術的課題と
する。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
本発明の製粉方法は、精麦した麦粒を洗浄して製粉する
ものである。
【0007】前記製粉方法を実施するための装置として
は、精選工程、加水工程、精麦工程及び調質工程を備え
てなる製粉装置であって、精麦工程の後工程に洗麦工程
を設けるとよい。
【0008】また、前記洗麦工程の後工程に撹拌工程を
設けると効果的である。
【0009】更に、洗麦工程における洗麦装置として
は、一端に給米路を、他端に排米路を形成した機枠内
に、前記給米路と排米路とに連通する内筒を回転自在に
横設し、該内筒の終端側を多孔壁の水切り部となすとと
もに前記給米路内に洗浄水を給水する水管を設け、前記
内筒には正又は逆転するスクリューを内装し、内筒とス
クリューとは麦粒を排穀路側に移送するよう、同方向に
異速回転させるよう形成される。
【0010】
【作用】原料麦は精選された後加水され、精麦されて縦
溝部以外の表皮が除去されるが、剥離した麩粉が前記縦
溝部内に入り込む。この麩粉を洗浄により取り除くとと
もに加水を施し、調質した後に製粉を行う。
【0011】洗麦直後の精白麦はグルテンの作用によ
り、精白麦どうしで固着しやすいので、撹拌工程によっ
て所定時間撹拌を行う。
【0012】請求項4記載の洗麦装置によれば、給米路
に洗浄水と共に供給された精白麦は、回転する内筒内に
流入して遠心力により内筒の内面に拡がる。このとき、
スクリューは正(移送方向)又は逆(反移送方向)のい
ずれかに回転する。すなわち、スクリューが正回転の場
合は、スクリューと内筒とは同方向で、かつスクリュー
の方が速く回転し、スクリューが逆回転の場合は、スク
リューと内筒は同方向で、かつ内筒の方が速く回転す
る。そして、スクリューが正回転の場合は、内筒よりも
速く回転するスクューによって麦粒が排米路側に移送さ
れ、スクリューが逆回転の場合は、スクリューよりも速
く回転する内筒により、停止した状態となったスクリュ
ー羽根に誘導されて麦粒が排米路側に移送されることに
なる。このように、スクリューが正・逆いずれの回転の
場合も麦粒は排米路側に移送される間に、縦溝内の麩粉
が吸水するとともに撹拌作用により溝内から流れ出やす
い状態となり、内筒の終端部に形成した水切り部におい
て遠心脱水される際、水と共に強制的に内筒外に排除さ
れる。
【0013】
【実施例】本発明の好適な実施例を図面に基づいて説明
する。挽砕装置5の前工程には(図1参照)、精麦装置
1、洗麦装置2、撹拌装置3及び調質装置としてのテン
パリングタンク4が順に連設され、更に、精麦装置1の
前工程に精選装置6及び加水装置7が配設される。以
下、各々について説明する。
【0014】まず、精選装置6であるが、原料小麦を貯
蔵するサイロ(図示せず)等から取出された小麦に混入
するわらごみ、草木片、ひもくず、ほこり等の比較的軽
いきょう雑物を除去する粗選機10並びに金属片や小石
を除去する石抜機11などからなり、製粉工程の最先の
工程として配置される。
【0015】精選装置6の次には搬送経路W1を介して
(ダンプナ)7が配設される。加水装置7は一端に供給
口12aを、他端に排出口12bを有する円筒トラフ1
2内にスクリューコンベア13を設けるとともに、該内
筒トラフ12上部にシャワーノズル14を臨ませてな
り、該シャワーノズル14はヒータ15及び電磁弁16
を介して水タンク17に連絡される。この加水装置7は
次工程の精麦のための加水を行うことを目的とするもの
であり、主として麦粒表面に水分を添加するよう、電磁
弁16によって水分添加量が設定される。
【0016】次に、加水装置7の後工程の精麦装置につ
いて図2を参照しながら説明する。本実施例の精麦装置
1は研削式精麦機20と摩擦式精麦機21とからなる。
研削式精麦機20は、多孔壁からなる除糠精白筒22内
を貫通する主軸23を設けるとともに該主軸23には、
金剛砂からなる研削精白転子(ミリングロール)24を
軸着し、研削精白転子24と除糠精白筒22とのなす間
隙(げき)を精白室25となす。そして、この精白室2
5の一側部を供給口26に、他側部を排出口27に各々
連絡し、供給口26の上方には供給ホッパ28を設ける
とともに、排出口27には分銅29で付勢された押圧蓋
(がい)30を装着し、また、供給口26付近には、表
面ら螺(ら)旋翼を形成した送穀転子(フィールドロー
ル)31を主軸23に軸着して回転自在に設ける。更
に、除糠精白筒22の周囲を集糠室32となすととも
に、集糠室32の下部は集糠ホッパ33を介して集糠ダ
クト34に連結される。この集糠ダクト34は図外のバ
ッグフィルタ及びファンに接続してある。
【0017】前記研削式精麦機20の排出口27に設け
た排出樋は、揚穀機35を介して摩擦式精麦機21の供
給ホッパ36に連絡されるが、揚穀機35の吐出部に切
換弁37を設けて前記研削式精麦機20の供給ホッパ2
8に至る循環路38を形成してもよい。前記摩擦式精麦
機21は、多孔壁で、かつ、6角筒などの多角状に形成
された除糠精白筒40内を貫通する中空主軸41を回転
自在に横設するとともに、一端を開口した中空主軸41
には、表面のほぼ中空主軸に形成した撹拌突起42並び
にこの撹拌突起42に沿って穿(せん)設した噴風溝
(スリット)43を備えた摩擦精白転子44を軸着す
る。該摩擦精白転子44は中空状となし、摩擦精白転子
44内の中空主軸41の周面には通気孔45が多数設け
られる。また、前記摩擦精白転子44と除糠精白筒33
との間隙を精白室46となし、該精白室46の一側部は
供給口47に、他側部は排出口48に各々連通させ、供
給口47の上方には供給ホッパ36を設けるとともに、
排出口48には分銅49で付勢された押圧蓋50を装着
する。更に、供給口47付近には、表面に螺旋翼を形成
した送穀転子51を中空主軸41に軸着して回転自在に
設けるとともに、前記除糠精白筒40の周囲には集糠室
52を形成し、該集糠室52の下部は集糠ホッパ53を
介して集糠ダクト54及び集糠ファン55に連絡され
る。
【0018】次に、摩擦式精麦機21における水分添加
装置における水分添加装置について説明する。中空主軸
41の開口端には二流体ノズル56のノズル口を臨ま
せ、一端を該二流体ノズル56に接続されたエア間57
はエアフィルタ58を介して空気圧縮機59に連結さ
れ、同様に、二流体ノズル56に一端を接続した送水管
64は、電磁弁60、流量計61及び流量調節弁62を
介して水タンク63に連結される。
【0019】精麦装置1の後工程には洗麦装置2が配設
される。一端に供給樋102を、他端に排出樋103を
各々設けた円筒形の機枠101内に、一対の軸受10
4,105を介して内筒106を回転自在に横設する。
内筒106の一端開口は、供給樋102とこれに接続す
る傾斜状の供給シュート107とで形成される給米路1
08に連通するとともに、他端開口は、排出樋103で
形成される排米路110に連通し、前記給米路108に
は流量調節手段としての電磁弁125を備えた水管10
9の他端を臨ませる。水管109の他端は水タンク12
6に連絡するとともに、水管109にはヒータ127を
介在させてある。また、前記内筒106の終端側は多孔
壁111で形成して水切り部112となすとともに、そ
れ以外の内筒106内部を浸漬部113となす。水切り
部112の周囲は隔壁114によって排水室115とな
し、排水室115下端の排水口116の下方には排水樋
117を配設する。
【0020】更に、内筒6内全長にわたって樹脂などか
らなるスクリュー羽根118を有するスクリュー119
を横設する。すなわち、機枠101の両端に軸受120
とブッシュ121とでスクリュー軸122を回転自在に
支持し、スクリュー軸122の給米路108側端部には
受動プーリ123を軸着する。他方、内筒106の外周
壁に受動プーリ124を形成し、これら受動プーリ12
3,124とモータ125の両軸部に軸着した同径の一
対のモータプーリ126,127とをVベルト128,
129によって連動・連結する。前記受動プーリ12
3,124は、スクリュー119の方が内筒106より
も高速回転するよう、スクリュー119の受動プーリ1
23の方が内筒106の受動プーリ124よりも小径に
形成される。また、スクリュー羽根118と内筒106
との間隙は0.3mm程度となすとともに、水切り部1
12の多孔壁111は米粒が露出しないよう形成するの
は言うまでもない。なお、機枠1底部には適宜、水抜孔
130を穿設するとよい。
【0021】次に撹拌装置3であるが、撹拌装置3は上
送用スクューコンベア77と横送りスクリューコンベア
78とからなり、上送用スクリューコンベア77の下部
に設けた供給口79と洗麦装置2の排米路110、並び
に上送用スクリューコンベア77の上部に設けた排出口
80と横送りスクリューコンベア78の供給口81とは
各々連結される。上送用スクリューコンベア77は立設
したトラフ82内にスクリュー83を回転可能に設ける
とともに、横送りスクューコンベア58は横設したトラ
フ84内にスクリュー85を回転可能に設けてある。な
お、横送りスクリューコンベア78のスクリュー85に
は、撹拌バー85aを設けてもよい。
【0022】横送りスクリーコンベア78の排出口86
は、調質装置としてのテンパリングタンク4の供給口8
7に連結される。供給口87には回転する飛散用羽根8
8が垂設され、タンク底には一対のロータリーバルブ8
9が横設される。更に、ロータリーバルブ89の下方に
は受樋90を設けるとともに、受樋90内には排出用ス
クリューコンベア91を設け、排出用スクリューコンベ
ア91の搬送終端部はバケットエレベーター92の供給
部に接続する。
【0023】バケットエレベーターヘ92の吐出口は横
送りスクリューコンベア96を介して挽砕装置5の調整
タンク93に連絡され、調整タンク93の下方には1番
ブレーキロール機94を設け、以下、複数のロール機、
シフター及びピュリファイヤー等(いずれも図示せず)
が適宜設けられる。なお、調整タンク93には水分添加
ノズル95を設ける場合がある。
【0024】次に上記実施例における具体的作動につい
て説明する。原料タンクなどから取り出された原料小麦
は、粗選機10により大きょう雑物を除去するととも
に、石抜機11などによって小石や金属片などを取り除
いて精選される。精選処理された異物が除去された原麦
は、最初に加水装置7に供給され、シャワーノズル14
による加水を受ける。水分添加量は、麦粒表皮部に浸透
する程度でよく、麦重量に対して1〜2%となるよう電
磁弁16などで調節される。また、冬季などの水温が低
い場合は、ヒーター15によって水温を上昇させると水
分の浸透が容易となる。加水を施されて原麦は、スクリ
ュー13によって撹拌・搬送される間に、しだいに表皮
部に浸透していく。そして、揚穀機で搬送されて精麦装
置1に移送される。
【0025】精麦装置1においては、まず、研削式精麦
機20の供給ホッパー28に投入され、送穀転子31に
よって精白室25に送られて研削精白転子24による精
白作用を受ける。すなわち、比較的大きな周速度(例え
ば600mm/min以上)で回転する研削精白転子2
4周面の金剛砂により、麦粒の縦溝部以外の表皮が微細
に砕かれながら削り取られる。麦粒の表皮部は、加水装
置7の水分添加により湿潤軟化しているので研削作用が
効果的に施される。そして、精白室25から押圧蓋30
に抗して吐出する麦粒は、揚穀機35に搬送されて摩擦
式精麦機21の供給ホッパー36に投入され、送穀転子
51によって精白室46内へ送られる。摩擦式精麦機2
1の精白室46は比較的高圧(例えば平均圧力1平方セ
ンチメートル当たり200g以上)となし、前記研削式
精麦機20の研削精白転子24の約半分以下の周速度で
回転する摩擦精白転子44の撹拌突起42により、麦粒
どうしの粒々摩擦を生じる。このとき、二流体ノズル5
6のノズル口から中空主軸41内に噴出する霧は、中空
主軸41の周面に設けた通気孔45を経て摩擦精白転子
44内中空部に流入し、噴風溝43から精白室46内に
噴き出され、再び麦粒に添加することになる。これによ
り、麦粒の表面は加湿されて摩擦力が増大し、表面に残
留または付着する表皮が一掃されるとともに研磨作用を
生じる。除去された表皮(麩)は、噴風溝43からの噴
風により除糠精白筒40から漏出し、集糠ファン55に
よってバッグィルタなどへ搬送される。
【0026】摩擦式精麦機21の排出口48から吐出す
る麦粒(精白粒)は、次に、洗麦装置2の供給樋102
に供給される。洗麦装置102においては、モータ12
5を起動させると、スクリュー119及び内筒106が
同時に同方向へ回転を開始する。回転数は、例えば内筒
106が毎分1600回転で、スクリュー119が毎分
1720回転とする。供給樋102には図外のホッパー
などから投入された精白麦粒が流下するとともに、水管
109から水を供給する。水の供給量は精白麦粒の供給
量の50〜100%とし、本実施例においては精白麦の
流量を毎時200キログラムとし、水は毎時200リッ
トル供給した。
【0027】このような条件の下で本装置の運転を開始
すると、供給樋102内を落下する精白麦粒は、供給シ
ュート107を流下する間に水と接触し、そのまま内筒
106内の浸漬部113へ流れ込む。内筒106は毎分
1600回転しているので、精白麦とは遠心力によって
内筒106の内周壁に沿って広がり、横断面の状態はほ
ぼ環状になる。一方、スクリュー119は毎分1720
回転であるので、スクリュー119が毎分120回転で
精白麦粒と水とを移送することになる。このため、水中
に浸漬された精白麦粒は、緩やかに撹拌されながら約4
〜5秒で浸漬部113を通過することになり、この間
に、精白された麦粒表面から給水が行なわれるとともに
精白麦粒の縦溝内に入り込んだ麩粉が吸水して前記溝内
から流れ出やすい状態になる。したがって、浸漬部11
3では麩粉が吸水するだけの時間があればよく、スクリ
ュー119の回転数を変えることにより、浸漬部113
の通過時間は適宜設定可能である。
【0028】浸漬部113を通過した精白麦及び洗浄済
みの水は、次に、水切り部112を1〜2秒で通過する
間に、遠心力により水が多孔壁111から吹き飛ばさ
れ、この水と共に、麦粒縦溝内の吸水して流出しやすく
なった麩粉や小麦粒表面に残留する麩粉が強制的に吹き
飛ばされる。こうして、麩粉が全て除去されて水切りさ
れた精白麦、つまり、洗麦された精白麦は、排出樋10
3内を落下して排出され、他方、麩粉の溶け込んだ汚濁
水は、排水室115内に吹き飛ばされた後、排水樋11
7を経て排出される。
【0029】このように、洗麦装置2により、麦粒の縦
溝部内に入り込んだ麩粉を除去するのであるが、洗麦中
に精麦粒表面から急速的に吸水し、含水率が4〜5%上
昇することになり、ほぼ製粉に適する含水率となる。な
お、後述する撹拌装置3において再び加水するように形
成し、1〜2%ずつ段階的に加水することもできる。
【0030】また、上記実施例とは逆に、スクリュー1
19を搬送方向の反対方向に、例えば毎分1600回転
させるととももに、内筒106をスクリュー119と同
方向であって、かつスクリュー119よりも速い、例え
ば毎分1720回転とすることもできる。この場合は、
上記実施例に比べ、比重の違いにより水の方が麦粒より
も速く移送される傾向が是正され、麦粒と水とは、高速
で回転する円筒106との回転差によって停止した状態
となるスクリュー羽根118に誘導されて移送される間
に十分浸漬作用を受けることができて効果的である。
【0031】洗麦機2を通過した麦粒は、撹拌装置3と
しての上送用スクリューコンベア77の供給口79へ送
り込まれる。洗麦により水分を添加された精麦粒の表面
は、グルテン及びでんぷんの作用によってべとついた状
態になるが、一定時間スクリュー83による撹拌作用を
受けるので麦粒どうしが固着することなく上送される。
そして、撹拌されながら上送する間に、麦粒内部への水
分の浸透を助長する。なお、洗麦装置2において、ヒー
ター127を起動させて温水による洗麦を行うことにと
より、効果的な洗浄及び加水となる。
【0032】こうして、上送用スクリューコンベア77
の上端に至った精麦粒は、排出口80から横送りスクリ
ューコンベア78内に送り込まれ、更に、横送りスクリ
ューコンベア78のスクリュー85及び撹拌バー85a
による撹拌作用を受けながら搬送される。そして、横送
りスクリューコンベア58の搬送終端側に至った精麦粒
のほとんどは、表面に付着した水分を吸収して乾いた状
態となり、排出口86から流出し、飛散用羽根88によ
って飛散されながらテンパリングタンク4内へ張り込ま
れる精麦粒は、既に固着することのない乾いた粒子とな
っている。この撹拌装置2による撹拌作用は20分程度
行われる。
【0033】テンパリングタンク4内の精麦粒は、その
ままの状態で4〜6時間放置して、短時間の「ねかし」
を行い、麦の粒子全体を均一の水分分布状態となして製
粉性を向上させる。
【0034】テンパリングタンク4での「ねかし」を終
えた麦粒は、ロターリーバルブ89,89の回転によっ
て受樋90内に流出し、排出94スクリューコンベア9
1及びバケットエレベーター92によって横送りスクリ
ューコンベア96に送られた後、挽砕装置5の調整タン
ク93内に投入される。前記横送りスクリューコンベア
96内を通過する精麦粒は、再び撹拌・流動されながら
麦粒間への水分の均一浸透及びほぐし作用が行われる。
そして、挽砕装置5の1番ブレーキロール機94におい
て最初の挽砕が行われる0.5〜2.5時間前に、再び
水分添加ノズル95による霧状の水分添加を受ける。
【0035】挽砕装置5におけるその後の具体的な作用
は省略するが、各種のブレーキロール機で逐次、段階的
に原麦を挽き割って粗粒としての胚乳部を取り出すとと
もに各種シフターによって分級し、更に、ピュリファイ
ヤーによって精選・純化した後、ロール機(スムースロ
ール)によって粉砕して上がり粉を抽出する。
【0036】このように、精麦して洗浄したものと、精
麦して洗浄しなかったもの及び原麦を洗浄したものの累
積灰分曲線を図4に示す。これによると、精麦小麦を洗
浄することにより、一等粉(0.4%灰分)歩留りが未
処理のものに比べ11.53%増加し、特等粉(0.3
3%灰分)が33.4%採取できた。これは、精麦の洗
浄処理により、縦溝部の麩が剥離しやすくなったものと
思われる。
【0037】
【発明の効果】以上述べたように本発明の製粉方法及び
装置は、精麦した麦粒を洗浄することにより、精麦時に
麦粒の縦溝内に入り込んだ表皮(麩)粉を洗浄とともに
洗い出すことができ、製粉特性が向上する。
【0038】洗麦装置として、回転する内筒内にスクリ
ューを設け、円筒の終端側に多孔壁からなる水切り部を
形成することにより、吸水して縦溝内から流れでやすく
なった麩粉を、水切り部において遠心脱水により強制的
に除去することができ、簡単な構成で容易に縦溝内の麩
部を取り除くことが可能となる。特に、前記スクリュー
を反搬送方向に駆動させるとともに内筒をこれと同方向
で、かつスクリューよりも高速に回転させることによ
り、一気に流出する傾向にある洗浄水をスクリュユー羽
根によってせき止める作用が生じ、麦粒の洗浄が効果的
に行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す概略正面図である。
【図2】図1における精麦装置の一実施例を示す、一部
破断の拡大正面図である。
【図3】図1における洗麦装置の一実施例を示す拡大断
面図である。
【図4】累積灰分曲線を示すグラフである。
【符号の説明】
1 精米装置 2 洗麦装置 3 撹拌装置 4 テンパリングタンク(調質装置) 5 挽砕装置 6 精選装置 7 加水装置 10 精選機 11 石抜機 12 円筒トラフ 13 スクリューコンベア 14 シャワーノズル 15 ヒータ 16 電磁弁 17 水タンク 20 研削式精麦機 21 摩擦式精麦機 22 除糠精白筒 23 主軸 24 研削精白転子 25 精白室 26 供給口 27 排出口 28 供給ホッパー 29 分銅 30 押圧蓋 31 送穀転子 32 集糠室 33 集糠ホッパ 34 集糠ダクト 35 揚穀機 36 供給ホッパ 37 切換弁 38 循環路 40 除糠精白筒 41 中空主軸 42 撹拌突起 43 噴風溝 44 摩擦精白転子 45 通気孔 46 精白室 47 供給口 48 排出口 49 分銅 50 押圧蓋 51 送穀転子 52 集糠室 53 集糠ホッパ 54 集糠ダクト 55 集糠ファン 56 二流体ノズル 57 エア管 58 エアフィルタ 59 空気圧縮機 60 電磁弁 61 流量計 62 流量調節弁 63 水タンク 77 上送用スクリューコンベア 78 横送りスクリューコンベア 79 供給口 80 排出口 81 供給口 82 トラフ 83 スクリュー 84 トラフ 85 スクリュー 86 排出口 87 供給口 88 飛散用羽根 89 ロータリーバルブ 90 受樋 91 排出用スクリューコンベア 92 バケットエレベータ 93 調整タンク 94 1番ブレーキロール機 95 水分添加ノズル 96 横送りスクリューコンベア 101 機枠 102 供給樋 103 排出樋 104 軸受 105 軸受 106 内筒 107 シュート 108 給米路 109 水管 110 排米路 111 多孔壁 112 水切り部 113 浸漬部 114 隔壁 115 排水室 116 排水口 117 排水樋 118 スクリュー羽根 119 スクリュー 120 軸受 121 ブッシュ 122 スクリュー軸 123 受動プーリ 124 受動プーリ 125 モータ 126 モータプーリ 127 モータプーリ 128 Vベルト 129 Vベルト

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原麦を精麦して製粉する製粉方法におい
    て、精麦した麦粒を洗浄することを特徴とする製粉方
    法。
  2. 【請求項2】 精選工程、加水工程、精麦工程及び調質
    工程を備えてなる製粉装置において、前記精麦工程の後
    工程に洗麦工程を設けたことを特徴とする製粉装置。
  3. 【請求項3】 前記洗麦工程の後工程に撹拌工程を設け
    てなる請求項2記載の製粉装置。
  4. 【請求項4】 前記洗麦工程は、一端に給米路を、他端
    に排米路を形成した機枠内に、前記給穀路と排穀路とに
    連通する内筒を回転自在に横設し、該内筒の終端側を多
    孔壁の水切り部となすとともに前記給米路内に洗浄水を
    給水する水管を設け、前記内筒には正又は逆転するスク
    リューを内装し、内筒とスクリューとは麦粒を排穀路側
    に移送するよう、同方向に異速回転させてなる精麦装置
    からなる請求項2又は3記載の製粉装置。
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