JP4392642B2 - とうもろこしの胚芽除去装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、とうもろこしの胚芽を除去する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
とうもろこしを利用する工業には、食品工業、飼料工業、醸造工業、澱粉工業などがある。飼料用を除けば、前処理を行なって、胚芽、尖帽及び皮部から胚乳部を分離し胚乳部を得ることが必要である。
【0003】
従来、とうもろこしの胚乳を胚芽などから分離する方法及びその装置として、特公昭57-41894号公報に開示されているものが知られている。この構成を述べると、円筒状の作業室に設けられた多数の羽根を有するローターの急速な回転により、もたらされた渦流状態で、とうもろこしを移動させ、破砕し、胚芽を羽根に沿って外方に指向している縁部によって分離する方法及びその装置である。その作用を述べると、従来の方法と同じ品質でもって必要なモータ効率を30〜40%だけ低下させることが可能である。一方において、さらさらした螺旋状の生成物層を維持することによって、しかも、この層を環状形でのみ許容し、かつ運動させることによって、他方、作業をロータから出ている羽根若しくは縁部によって行うことによって、磨砕を低減し、かつ意図された摘芽の効果を改善し、微細部分を最少限に抑えて十分な摘芽をを達することが可能となるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来のとうもろこしの胚乳を胚芽などから分離する方法及びその装置では、胚乳の収率をよくするためその微粉砕区分を少なくするため種々工夫されている。しかしながら、破砕若しくは粉砕法で行う限り、収率の向上はせいぜい数%以上は得られないという報告がある(特公昭62-51582参照)。
【0005】
そこで、特公昭62-51582号公報に開示されているものは、とうもろこしを実質的に破砕若しくは粉砕することなく、とうもろこし各部の硬度差を利用し、硬度の低い、軟らかい胚芽等を特定の周速でかき混ぜる刃で削り取り、硬い胚乳を削り残し、同時に生成した胚芽等からなる副生した糠と胚乳を篩い分けて、胚乳を得るものである。
【0006】
しかしながら、上記特公昭62-51582号公報では特定の周速でかき混ぜる刃を備えた横形円筒形ケーシングにより胚芽の削り取りを行い、また、特公昭57-41894号公報では円筒状の作業室に設けられた多数の羽根によりとうもろこしを破砕し、胚芽を除去しているのである。したがって、胚芽除去のため専用の回転刃又は専用の回転羽根を備えた装置を設置する必要があり、設備コストが増大する虞(おそれ)があった。
【0007】
本発明は上記問題点にかんがみ、安価でかつ、胚乳の収率を向上することが可能なとうもろこしの胚芽除去装置を提供することを技術的課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、
多孔壁部を有する円筒ケーシング内に、攪拌転子を軸着した主軸を回転自在に配設するとともに、前記円筒ケーシングと前記攪拌転子との間隙を胚芽除去室に形成した胚芽除去部を複数連座し、該複数の胚芽除去部によりとうもろこしを表皮部、胚乳部及び胚芽部とに削り分けて分級を行うとうもろこしの胚芽除去装置であって、
前記複数連座した胚芽除去部のうち、少なくともいずれかの胚芽除去部は、多孔壁部を有する上送式竪型円筒ケーシング内に、攪拌転子を軸着した主軸を回転自在に立設した竪型胚芽除去部に形成する、
という技術的手段を講じた。
【0009】
これにより、少なくともいずれかの胚芽除去部は、竪型の胚芽除去部に形成することで、とうもろこしを上送して繰り込むため、供給側付近では、大きな圧力(約530gf/cm2)が生じてとうもろこしの胚乳部に予備破壊が起き、次に、高速に回転する攪拌転子の中間部から排出部付近では、小さな圧力(約200〜300gf/cm)でとうもろこしの胚乳部が大きく割られるので、胚乳部は粉砕されるが胚芽は破壊されることなく、効率よく胚芽を取り出すことができる。
【0010】
また、前記竪型胚芽除去部は、上送式円筒ケーシング内に中空状の主軸の上部に攪拌転子を、前記主軸の下部に螺旋転子をそれぞれ軸着し、前記主軸の周面に通孔を穿接するとともに、攪拌転子の長手方向に攪拌突起を形成し、該攪拌突起に沿って開口した噴風孔に、通孔からの空気が噴風孔から胚芽除去室に流通するように形成するよう、前記主軸の上部に送風装置を設けると、粉砕された胚乳部が、主軸の上部に設けた送風装置の風により竪型円筒ケーシングを通過し、精品として円滑に機外に取り出されるため、その後のシフター等により胚乳の取り分けをスムーズに行うことができる。
【0011】
さらに、前記複数連座した胚芽除去部のうち、いずれかの胚芽除去部は、多孔壁部を有する横型円筒ケーシング内に、攪拌転子を軸着した主軸を回転自在に横設した横型胚芽除去部に形成すると、高速に回転する攪拌転子によってとうもろこしの表皮部、つまり、先端帽部(Cap)、果皮(Pericarp)及び外種皮(Testa)が直ちに剥離され、胚乳部がむき出しにされ、次工程の、胚乳部を粉砕しながら胚芽を摘出することが容易にできるものである。
【0012】
そして、複数連座した胚芽除去部からなるとうもろこしの胚芽除去装置であって、連座した胚芽除去部の間に、攪拌螺旋を内設した横送樋と、該横送樋に臨ませた超音波ノズルとを備えた水分添加装置を介在させると、例えば、表皮が除去されて胚乳部がむき出しとなったとうもろこしであれば、胚乳部だけに水分が浸透して湿潤軟化され、次工程の、胚乳部を粉砕しながら胚芽を摘出することが容易にできるものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
図2Aはとうもろこしの概略縦断面図であるが、とうもろこしは全体が果皮(Pericarp)100及び外種皮(Testa)101で囲繞され、内方へ向って3層をなしている。すなわち、糊粉粒(Alearone)102、硬質胚乳(Horny endosperm)103及び軟質胚乳(Soft endosperm)104からなり、更に、面積上約1/3を占める内方中心部分は本来の胚芽(Germ)105である。最下部は先端帽部(Cap)106で終わっている。
【0014】
また、図2Bはとうもろこしの断層概略図の一部を示すものであるが、前記果皮(Pericarp)は縦方向細胞(Longitudinal cells)107、横方向細胞(Transversal cells)108及び管状細胞(Tubular cells)109からなり、前記外種皮(Testa)101と糊粉粒(Alearone)102との間には残余細胞(Nucellar cells(remnant))110が存在することが分かる。
【0015】
上記のようなとうもろこしの摘芽は、製粉業界においては最も困難な破砕工程として知られており、とうもろこしの胚芽を1個1個きれいに、かつ、できる限り損傷を少なくして粒から解離または分離されなければならない。
【0016】
また、胚芽はその特別な性質により、特に高い脂肪含有量により弾性的な態様を示し、これに対し、胚乳はずっと砕けやすい。つまり、とうもろこしを胚乳と胚芽とに分離することも困難な破砕工程である。
【0017】
そこで、本発明者らは、複数個の円筒ケーシングを構成したうえで、まず、とうもろこしを横型円筒ケーシングに通過させ、次いで、とうもろこしを上送式竪型円筒ケーシングに通過させることにより、最も理想的な摘芽が行われることを知り得たのである。
【0018】
以下、本発明の実施の形態につき、図面を参照して説明する。
【0019】
図1は本発明のとうもろこし胚芽除去装置の全体を示す図であり、このとうもろこし胚芽除去装置1は、横形円筒ケーシングを主要部とする第1胚芽除去部2と、上送式竪型円筒ケーシングを主要部とする第2胚芽除去部3と、第1胚芽除去部2と第2胚芽除去部3とを連絡する揚穀部4とから構成される。
【0020】
第1胚芽除去部2は、機枠5上部に多孔壁部を有する除糠筒6が横設され、除糠筒6内には一部中空状の主軸7に攪拌転子8を回転自在に軸着し、除糠筒6と攪拌転子8との間隙(げき)を胚芽除去室9に形成してある。更に、主軸7には供給口10側に螺旋転子11が軸着され、主軸7の周面には通孔12を穿接してある。そして、攪拌転子8の長手方向に攪拌突起8aを形成するとともに、攪拌突起8aに沿って噴風孔13を開口し、通孔12からの空気や水分が胚芽除去室9に流通するように形成する。更に、主軸7の開口端部(他端は閉口してある)には水分添加装置14の超音波ノズル15を臨ませてある。超音波ノズル15は、配水管22を介して水タンク23に、エア管24を介して空気加圧機25にそれぞれ連絡してある。また、配水管22にはヒータ26を装着する場合もある。また、供給口10にはエアシリンダ16と連動するシャッタ板17及び供給ホッパ18が設けてあり、排出部19には、自動抵抗装置20に連絡した抵抗板21が設けられ、除糠筒6の下方には集糠ホッパ27が設けてある。
【0021】
揚穀部4を介して設置された第2胚芽除去部3は、機枠28上に多孔壁部を有する胚乳除去筒29を立設し、胚乳除去筒29内には中空状の主軸30の上部に攪拌転子31を回転自在に軸着し、胚乳除去筒29と攪拌転子31との間隙(げき)を胚乳除去室32に形成してある。更に、主軸30には底部に螺旋転子33が軸着され、主軸30の周面には通孔34を穿接してある。そして、攪拌転子31の長手方向に攪拌突起31aを形成するとともに、攪拌突起31aに沿って噴風孔35を開口し、通孔34からの空気が胚乳除去室32に流通するように形成する。つまり、主軸30の上部に主送風管36を介して設けた送風装置37の風が通孔34から胚乳除去室32に流通するのである。また、胚乳除去筒29の周囲は回収ダクト38に連絡した回収室39に形成してある。
【0022】
螺旋転子33の下部には、螺旋状の供給コンベア40を臨ませ、供給ホッパー41からの処理物を順次螺旋転子33へ供給する構成となっている。供給コンベア40は軸に取り付けたプーリ42とモータに取り付けたプーリ43とをVベルト44により連絡している。また、主軸30下部に軸着したプーリ45と駆動モータ46に軸着したプーリ47との間はVベルト48により連絡している。
【0023】
胚芽排出部49には、吐出する胚芽を規制して胚芽除去率を調節する自動抵抗調節装置50を設けてあり、自動抵抗調節装置50には抵抗板51を連結して設けてある。更に、胚芽排出部49には芽を取り出せるように排出樋52を接続する。
【0024】
次に、上記構成の作用を説明する。
【0025】
胚芽除去装置1の第1胚芽除去部2における供給ホッパ18に供給されたとうもろこしは、ホッパ18内に設けた原料有無検出センサが「原料あり」を検出すると、エアシリンダ16が収縮動作してシャッター17が開き、第1胚芽除去部2に順次供給されることになる。
【0026】
第1胚芽除去部2では供給されたとうもろこしが螺旋転子11によって胚芽除去室9に送り込まれ、高速に回転する攪拌転子8によってとうもろこしの表皮部、つまり、先端帽部(Cap)106、果皮(Pericarp)100及び外種皮(Testa)101(いずれも図2A参照)が直ちに剥離され、胚乳部がむき出しにされる。このとき、第1胚芽除去部2では、水分添加装置14が付設してあり、超音波ノズル15から噴射される湿風が主軸7に設けた通孔12及び攪拌転子8から胚芽除去室9内に噴出すると、胚芽除去室9内を流動するとうもろこし表面に加水が行われ、とうもろこしの表面が湿潤軟化されて表皮部を容易に剥離することができる。また、ヒータ26によって温湿風とした場合は表皮部の湿潤軟化時間を短縮することができる。そして、剥離された表皮部は糠分となり、添加水分とともに除糠筒6を通過し、集糠ホッパ27から機外に排出されることになる。
【0027】
胚乳部がむき出しにされたとうもろこしは、排出部19から揚穀部4に供給され、次工程の第2胚芽除去部3に投入される。
【0028】
第2胚芽除去部3の供給ホッパー41に投入されたとうもろこしは、供給コンベア40の駆動により、螺旋転子33底部に供給される。螺旋転子33の回転によりとうもろこしは、立設した胚乳除去室29に上送され、立設した胚乳除去室29で高速に回転する攪拌転子31によって胚乳部を除去する。つまり、糊粉粒(Alearone)102、硬質胚乳(Horny endosperm)103及び軟質胚乳(Soft endosperm)104(いずれも図2A参照)からなる胚乳部は、砕けやすい性質を持っており、胚乳部を粉砕しながら除去することで内方中心部分の本来の胚芽(Germ)105を容易に摘出することができるものである。
【0029】
粉砕された胚乳部は、主軸30の上部に設けた送風装置37の風により胚乳除去筒29を通過し、回収室39を経て回収ダクト38により精品として機外に取り出される。その後、適宜なシフター等により胚乳の取り分けが行われる。この取り分けにより、高い確率で低脂肪含有のひき割り胚乳(Samp胚乳)を生産することができる。また、不要な胚乳の混合がないことから、シフター等による胚乳の取り分けにおいて、リダクション工程とピュリフィケーション(純化)工程の短縮が可能である。
【0030】
胚乳部が取り除かれた胚芽(Germ)は、上部の胚芽排出部49に到達し、自動抵抗調節装置50の抵抗板51により流出が抑制され、抵抗板51の抑制を変更することにより胚芽除去率が調節される。そして、胚芽(Germ)は抵抗板51に抗して流出し排出樋52を経て機外へ排出される。
【0031】
図3は上記第2胚芽除去部3における胚乳除去室29の圧力分布図であるが、螺旋転子33底部の供給側では、供給コンベア40及び螺旋転子33の回転によりとうもろこしを上送して繰り込むため、螺旋転子33付近において大きな圧力(約530gf/cm2)が生じ、とうもろこしの胚乳部に予備破壊が起きるのである。次に、高速に回転する攪拌転子28の中間部から胚芽排出部49においては小さな圧力(約200〜300gf/cm)でとうもろこしの胚乳部を大きく割り、胚乳部は粉砕されるが胚芽(Germ)は破壊されずに効率よく胚芽排出部49から取り出すことができる。
【0032】
図4は別の実施形態を示すとうもろこし胚芽除去装置の全体を示す図であり、胚芽除去装置は横形円筒ケーシングを主要部とする第1胚芽除去部2の後工程に、揚穀機53を介して水分添加装置54を配設し、更に、該水分添加装置54の後工程に、揚穀機55を介して上送式竪型円筒ケーシングを主要部とする第2胚芽除去部3を配設したものである。この第1胚芽除去部2及び第2胚芽除去部3は図1と同様のものを使用するので、その説明は省略する。
【0033】
水分添加装置54は、供給口56と排出口57との間に攪拌螺旋58を内設した横送樋59を横設し、横送樋59には超音波ノズル60を臨ませた水分添加部61を形成し、超音波ノズル60には配水管62を介して水タンク63を連結させる。配水管62にはヒータ64を装着する場合もある。符号65は配水管62に介在させたポンプである。
【0034】
次に、上記構成の作用を説明する。
【0035】
第1胚芽除去部2では供給されたとうもろこしが螺旋転子11によって胚芽除去室9に送り込まれ、高速に回転する攪拌転子8によってとうもろこしの表皮部、つまり、先端帽部(Cap)106、果皮(Pericarp)100及び外種皮(Testa)101(いずれも図2A参照)が直ちに剥離され、胚乳部がむき出しにされる。このとき、水分添加装置14によりとうもろこしの表面が湿潤軟化されて表皮部を容易に剥離することができる。
【0036】
胚乳部がむき出しにされたとうもろこしは、揚穀機53を介して水分添加装置54の横送樋59内に供給され、水分添加部61において超音波ノズル60からの微粒子の水分添加を受け、攪拌されながら排出口57から揚穀機55の供給部に至る。このとき、胚乳部がむき出しとなったとうもろこしは、胚乳部だけに水分が浸透して湿潤軟化される。なお、ヒータ64をオンして温湿風とした場合は、水分量を減らしても短時間に、かつ、より確実に胚乳部が軟化する。
【0037】
胚乳部だけが軟化されたとうもろこしは、揚穀機55から第2胚芽除去部3に供給される。そして、第2胚芽除去部3に投入されたとうもろこしは、供給コンベア40の駆動により、螺旋転子33底部に供給される。螺旋転子33の回転によりとうもろこしは、立設した胚乳除去室29に上送され、立設した胚乳除去室29で高速に回転する攪拌転子31によって胚乳部が除去される。つまり、糊粉粒(Alearone)102、硬質胚乳(Horny endosperm)103及び軟質胚乳(Soft endosperm)104(いずれも図2A参照)からなる胚乳部は、水分添加により、更に砕けやすい性質を持っており、胚乳部をむらなく粉砕しながら除去することで内方中心部分の本来の胚芽(Germ)105だけを容易に摘出することができるのである。
【0038】
粉砕された胚乳部は、主軸30の上部に設けた送風装置37の風により胚乳除去筒29を通過し、回収室39を経て回収ダクト38により精品として機外に取り出される。その後、適宜なシフター等により胚乳の取り分けが行われる。この取り分けにより、高い確率で低脂肪含有のひき割り胚乳(Samp胚乳)を生産することができる。また、不要な胚乳の混合がないことから、シフター等による胚乳の取り分けにおいて、リダクション工程とピュリフィケーション(純化)工程の短縮が可能である。
【0039】
胚乳部が取り除かれた胚芽(Germ)は、上部の胚芽排出部49に到達し、自動抵抗調節装置50の抵抗板51により流出が抑制され、抵抗板51の抑制を変更することにより胚芽除去率が調節される。そして、胚芽(Germ)は抵抗板51に抗して流出し排出樋52を経て機外へ排出される。
【0040】
【実施例】
本発明装置で得られた胚乳と従来装置で得られた胚乳について、胚芽除去率を表す指標としてFatを測定した比較結果を表1に示す。Fatについては、値が低いほど胚芽除去が達成されていると判断され、本発明装置では胚芽除去効率が向上したことが分かる。
【表1】
Figure 0004392642
【0041】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、多孔壁部を有する円筒ケーシング内に、攪拌転子を軸着した主軸を回転自在に配設するとともに、前記円筒ケーシングと前記攪拌転子との間隙を胚芽除去室に形成した胚芽除去部を複数連座し、該複数の胚芽除去部によりとうもろこしを表皮部、胚乳部及び胚芽部とに削り分けて分級を行うとうもろこしの胚芽除去装置であって、前記複数連座した胚芽除去部のうち、少なくともいずれかの胚芽除去部は、多孔壁部を有する上送式竪型円筒ケーシング内に、攪拌転子を軸着した主軸を回転自在に立設した竪型胚芽除去部に形成する、という技術的手段を講じたので、少なくともいずれかの胚芽除去部は、竪型の胚芽除去部に形成することで、とうもろこしを上送して繰り込むため、供給側付近では、大きな圧力が生じてとうもろこしの胚乳部に予備破壊が起き、次に、高速に回転する攪拌転子の中間部から排出部付近では、小さな圧力でとうもろこしの胚乳部が大きく割られるので、胚乳部は粉砕されるが胚芽は破壊されることなく、効率よく胚芽を取り出すことができる。
【0042】
また、前記竪型胚芽除去部は、上送式円筒ケーシング内に中空状の主軸の上部に攪拌転子を、前記主軸の下部に螺旋転子をそれぞれ軸着し、前記主軸の周面に通孔を穿接するとともに、攪拌転子の長手方向に攪拌突起を形成し、該攪拌突起に沿って開口した噴風孔に、通孔からの空気が噴風孔から胚芽除去室に流通するように形成するよう、前記主軸の上部に送風装置を設けると、粉砕された胚乳部が、主軸の上部に設けた送風装置の風により竪型円筒ケーシングを通過し、精品として円滑に機外に取り出されるため、その後のシフター等により胚乳の取り分けをスムーズに行うことができる。
【0043】
さらに、前記複数連座した胚芽除去部のうち、いずれかの胚芽除去部は、多孔壁部を有する横型円筒ケーシング内に、攪拌転子を軸着した主軸を回転自在に横設した横型胚芽除去部に形成すると、高速に回転する攪拌転子によってとうもろこしの表皮部、つまり、先端帽部(Cap)、果皮(Pericarp)及び外種皮(Testa))が直ちに剥離され、胚乳部がむき出しにされ、次工程の、胚乳部を粉砕しながら胚芽を摘出することが容易にできるものである。
【0044】
そして、複数連座した胚芽除去部からなるとうもろこしの胚芽除去装置であって、連座した胚芽除去部の間に、攪拌螺旋を内設した横送樋と、該横送樋に臨ませた超音波ノズルとを備えた水分添加装置を介在させると、例えば、表皮が除去されて胚乳部がむき出しとなったとうもろこしであれば、胚乳部だけに水分が浸透して湿潤軟化され、次工程の、胚乳部を粉砕しながら胚芽を摘出することが容易にできるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のとうもろこし胚芽除去装置の全体を示す図である。
【図2】(A)はとうもろこしの概略縦断面図であり、(B)はとうもろこしの断層概略図の一部を示すものである。
【図3】第2胚芽除去部における胚芽除去室の圧力分布図である。
【図4】別の実施形態を示すとうもろこし胚芽除去装置の全体を示す図である。
【符号の説明】
1 とうもろこし胚芽除去装置
2 第1胚芽除去部
3 第2胚芽除去部
4 揚穀機
5 機枠
6 除糠筒
7 主軸
8 攪拌転子
9 胚芽除去室
10 供給口
11 螺旋転子
12 通孔
13 噴風孔
14 水分添加装置
15 超音波ノズル
16 エアシリンダ
17 シャッタ板
18 供給ホッパ
19 排出部
20 自動抵抗装置
21 抵抗板
22 配水管
23 水タンク
24 エア管
25 空気加圧機
26 ヒータ
27 集糠ホッパ
28 機枠
29 胚乳除去筒
30 主軸
31 攪拌転子
32 胚乳除去室
33 螺旋転子
34 通孔
35 噴風孔
36 主送風管
37 送風装置
38 回収ダクト
39 回収室
40 供給コンベア
41 供給ホッパー
42 プーリ
43 プーリ
44 Vベルト
45 プーリ
46 駆動モータ
47 プーリ
48 Vベルト
49 胚芽排出部
50 自動抵抗調節装置
51 抵抗板
52 排出樋
53 揚穀機
54 水分添加装置
55 揚穀機
56 供給口
57 排出口
58 攪拌螺旋
59 横送樋
60 超音波ノズル
61 水分添加部
62 配水管
63 水タンク
64 ヒータ
65 ポンプ
100 果皮(Pericarp)
101 外種皮(Testa)
102 糊粉粒(Alearone)
103 硬質胚乳(Horny endosperm)
104 軟質胚乳(Soft endosperm)
105 胚芽(Germ)
106 先端帽部(Cap)
107 縦方向細胞(Longitudinal cells)
108 横方向細胞(Transversal cells)
109 管状細胞(Tubular cells)
110 残余細胞(Nucellar cells(remnant))

Claims (5)

  1. 多孔壁部を有する円筒ケーシング内に、攪拌転子を軸着した主軸を回転自在に配設するとともに、前記円筒ケーシングと前記攪拌転子との間隙を胚芽除去室に形成した胚芽除去部を複数連座し、該複数の胚芽除去部によりとうもろこしを表皮部、胚乳部及び胚芽部とに削り分けて分級を行うとうもろこしの胚芽除去装置であって、
    前記複数連座した胚芽除去部のうち、少なくともいずれかの胚芽除去部は、多孔壁部を有する上送式竪型円筒ケーシング内に、攪拌転子を軸着した主軸を回転自在に立設した竪型胚芽除去部に形成したことを特徴とするとうもろこしの胚芽除去装置。
  2. 前記竪型胚芽除去部は、上送式円筒ケーシング内に中空状の主軸の上部に攪拌転子を、前記主軸の下部に螺旋転子をそれぞれ軸着し、前記主軸の周面に通孔を穿接するとともに、攪拌転子の長手方向に攪拌突起を形成し、該攪拌突起に沿って開口した噴風孔に、通孔からの空気が噴風孔から胚芽除去室に流通するように形成するよう、前記主軸の上部に送風装置を備えてなる請求項1記載のとうもろこしの胚芽除去装置。
  3. 前記複数連座した胚芽除去部のうち、いずれかの胚芽除去部は、多孔壁部を有する横型円筒ケーシング内に、攪拌転子を軸着した主軸を回転自在に横設した横型胚芽除去部に形成してなる請求項1又は2記載のとうもろこしの胚芽除去装置。
  4. 前記横型胚芽除去部は、横型円筒ケーシング内に横設した中空状の主軸には螺旋転子と攪拌転子とをそれぞれ回転自在に軸着し、前記主軸の周面に通孔を穿接するとともに、攪拌転子の長手方向に攪拌突起を形成し、該攪拌突起に沿って開口した噴風孔に、通孔からの空気が胚芽除去室に流通するように形成し、更に、主軸の開口端部には水分添加装置の超音波ノズルを臨ませてなる請求項3記載のとうもろこしの胚芽除去装置。
  5. 複数連座した胚芽除去部からなるとうもろこしの胚芽除去装置であって、連座した胚芽除去部の間に、攪拌螺旋を内設した横送樋と、該横送樋に臨ませた超音波ノズルとを備えた水分添加装置を介在させてなる請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のとうもろこしの胚芽除去装置。
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