JPH0686943A - 製粉方法及び装置 - Google Patents

製粉方法及び装置

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JPH0686943A
JPH0686943A JP34808291A JP34808291A JPH0686943A JP H0686943 A JPH0686943 A JP H0686943A JP 34808291 A JP34808291 A JP 34808291A JP 34808291 A JP34808291 A JP 34808291A JP H0686943 A JPH0686943 A JP H0686943A
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JP
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wheat
water
grains
milling
barley
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JP34808291A
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English (en)
Inventor
Toshihiko Satake
利彦 佐竹
Satoru Satake
覺 佐竹
Takeshi Ishii
健 石井
Yoshihiro Tokui
圭裕 徳井
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Satake Engineering Co Ltd
Original Assignee
Satake Engineering Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 洗麦に使用した洗浄水の廃水処理設備を不用
とする。 【構成】 加水装置7と調質装置133と精麦装置1と
挽砕装置5とからなる製粉装置において、前記精麦装置
1の後工程に、精麦重量に対して20%以下の洗浄水を
供給する洗麦装置2を連絡する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は小麦等の製粉に係り、特
に、前処理として精麦を行う製粉方法及び装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】製粉とは、小麦等を挽(ひ)き砕いて、
製粉となる胚乳部(重量換算約84%)と、胚乳部の外
側に数層からなる皮部(同13.5%)及び胚芽(同
2.5%)とを分別しながら、灰分(不良成分)を多く
含む皮部の混在がないように胚乳部分を粉末状で採取す
ることであるが、胚乳部と皮部とを完全に分離すること
は非常に困難であり、皮部の混入の比較的少ない製品の
採取率(歩留り)は通常75%程度である。
【0003】ところで、前述のように、原料となる麦粒
(以下「原麦」という)を直接挽砕する製粉方法(原麦
製粉)に対し、原麦の表皮を剥(はく)離して胚乳部を
露出させた後挽砕する製粉方法(精麦製粉)が特開昭6
2−87250号公報等で周知である。
【0004】前記製粉方法においては、精麦して製粉す
ることによりロール機などの台数を減らして製粉効率を
向上させ得るが、次の問題点があった。すなわち、精麦
は、通常、多孔壁からなる除糠(こう)精白筒に、金剛
砂からなる研削精白転子を内装して精白室を形成し、こ
の精白室において麦粒の縦溝部(クリース)以外の表皮
を削り取ることにより行われるが、剥離した表皮(麩=
ふすま)が前記縦溝部内に入り込んでしまい、製粉特性
を劣化させるという欠点があった。そこで、精麦後、縦
溝部内に入り込んだ麩粉を容易に除去することのできる
製粉方法及び装置を、本出願人は既に提案している(特
願平3−246788)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の製粉方
法及び装置においては、比較的多量の水を洗麦に使用し
ているため、これをそのまま下水道または河川に放流す
ると公害問題となる。そのため、廃水処理設備が必要と
なるが、これは、建設費用及び維持費用が大きな負担と
なるとともに、大きな設備用地を必要とするという欠点
があった。
【0006】この発明は上記のような欠点を解消して、
廃水処理設備を必要としない製粉方法及び装置を提供す
ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】原料麦に加水し、調質し
た後精麦し、精麦後の精白麦粒を洗浄水により洗浄した
後挽砕する製粉方法において、前記洗浄水の供給量を精
白麦重量に対して20%以下とする。
【0008】原料麦に加水する加水装置と、加水した麦
粒を調質する調質装置と、調質した麦粒を搗精する精麦
装置と、精麦粒を挽砕する挽砕装置とからなる製粉装置
において、前記精麦装置の後工程に、精麦重量に対して
20%以下の洗浄水を供給する洗麦装置を連絡する。
【0009】前記製粉装置において、前記精麦装置によ
る搗精歩留りが85乃至92%とする。
【0010】前記製粉装置において、前記洗麦装置に加
水する洗浄水を麦粒重量比で3乃至10%とする。
【0011】
【作用】原料麦は加水装置により加水された後、調質装
置により調質され、調質された麦粒は精麦装置により搗
精される。精麦装置により麦粒の縦溝部以外の表皮が除
去されるが、剥離した麩粉が前記縦溝部内に入り込み、
この麩粉は洗麦装置で加水される、精白麦重量に対して
20%以下の少量の洗浄水により取り除かれる。麩粉が
取り除かれて清浄となった麦粒は、挽砕装置により挽砕
されてから上り粉に仕上げられる。
【0012】前記精麦装置による搗精歩留りを85乃至
92%に、また、前記洗麦装置に加水する洗浄水を麦粒
重量比で3乃至10%とすることにより、より効率的か
つ効果的な製粉を行うことができる。
【0013】
【実施例】本発明の好適な実施例を図面に基づいて説明
する。挽砕装置5の前工程には(図1参照)、精麦装置
1、洗麦装置2、撹拌装置3及び調質装置としてのテン
パリングタンク4が順に連設され、更に、精麦装置1の
前工程に精選装置6、加水装置7及びテンパリングタン
ク133が配設される。以下、各々について説明する。
【0014】まず、精選装置6であるが、原料小麦を貯
蔵するサイロ(図示せず)等から取出された小麦に混入
するわらごみ、草木片、ひもくず、ほこり等の比較的軽
いきょう雑物を除去する粗選機10並びに金属片や小石
を除去する石抜機11などからなり、製粉工程の最先の
工程として配置される。
【0015】精選装置6の次には搬送経路W1を介して
加水装置(ダンプナ)7が配設される。加水装置7は一
端に原麦の供給口12aを、他端に排出口12bを有す
る円筒トラフ12内にスクリューコンベア13を設ける
とともに、該円筒トラフ12上部にシャワーノズル14
を臨ませてなり、該シャワーノズル14はヒータ15及
び電磁弁16を介して水タンク17に連絡される。この
加水装置7は次工程の精麦のための加水を行うことを目
的とするものであり、主として麦粒表面に麦粒重量に対
し1〜3%の水分を添加するよう、電磁弁16によって
水分添加量が設定される。
【0016】加水装置7の排出口12bは、調質装置と
してのテンパリングタンク133の供給口87に連結さ
れる。供給口87には回転する飛散用羽根88が垂設さ
れ、タンク底には一対のロータリーバルブ89が横設さ
れる。更に、ロータリーバルブ89の下方には受樋90
を設けるとともに、受樋90内には排出用スクリューコ
ンベア91を設け、排出用スクリューコンベア91の搬
送終端部は研削式精米機20の供給ホッパー28に接続
する。テンパンリングタンク133は必ずしも必要ない
が流量バランスを保つことや硬質小麦の場合のテンパリ
ングに有効である。
【0017】次に、テンパリングタンク133の後工程
の精麦装置について図2を参照しながら説明する。本実
施例の精麦装置1は研削式精麦機20と摩擦式精麦機2
1とからなる。研削式精麦機20は、多孔壁からなる除
糠精白筒22内を貫通する主軸23を設けるとともに該
主軸23には、金剛砂からなる研削精白転子(ミリング
ロール)24を軸着し、研削精白転子24と除糠精白筒
22とのなす間隙(げき)を精白室25となす。そし
て、この精白室25の一側部を供給口26に、他側部を
排出口27に各々連絡し、供給口26の上方には供給ホ
ッパ28を設けるとともに、排出口27には分銅29で
付勢された押圧蓋(がい)30を装着し、また、供給口
26付近には、表面ら螺(ら)旋翼を形成した送穀転子
(フィードロール)31を主軸23に軸着して回転自在
に設ける。更に、除糠精白筒22の周囲を集糠室32と
なすとともに、集糠室32の下部は集糠ホッパ33を介
して集糠ダクト34に連結される。この集糠ダクト34
は図外のバッグフィルタ及びファンに接続してある。
【0018】前記研削式精麦機20の排出口27に設け
た排出樋は、揚穀機35を介して摩擦式精麦機21の供
給ホッパ36に連絡されるが、揚穀機35の吐出部に切
換弁37を設けて前記研削式精麦機20の供給ホッパ2
8に至る循環路38を形成してもよい。前記摩擦式精麦
機21は、多孔壁で、かつ、6角筒などの多角状に形成
された除糠精白筒40内を貫通する中空主軸41を回転
自在に横設するとともに、一端を開口した中空主軸41
には、表面のほぼ中空主軸に形成した撹拌突起42並び
にこの撹拌突起42に沿って穿(せん)設した噴風溝
(スリット)43を備えた摩擦精白転子44を軸着す
る。該摩擦精白転子44は中空状となし、摩擦精白転子
44内の中空主軸41の周面には通気孔45が多数設け
られる。また、前記摩擦精白転子44と除糠精白筒33
との間隙を精白室46となし、該精白室46の一側部は
供給口47に、他側部は排出口48に各々連通させ、供
給口47の上方には供給ホッパ36を設けるとともに、
排出口48には分銅49で付勢された押圧蓋50を装着
する。更に、供給口47付近には、表面に螺旋翼を形成
した送穀転子51を中空主軸41に軸着して回転自在に
設けるとともに、前記除糠精白筒40の周囲には集糠室
52を形成し、該集糠室52の下部は集糠ホッパ53を
介して集糠ダクト54及び集糠ファン55に連絡され
る。
【0019】次に、摩擦式精麦機21における水分添加
装置について説明する。中空主軸41の開口端には二流
体ノズル56のノズル口を臨ませ、一端を該二流体ノズ
ル56に接続されたエア間57はエアフィルタ58を介
して空気圧縮機59に連結され、同様に、二流体ノズル
56に一端を接続した送水管64は、電磁弁60、流量
計61及び流量調節弁62を介して水タンク63に連結
される。
【0020】精麦装置1の後工程には洗麦装置2が配設
される。一端に供給樋102を、他端に排出樋103を
各々設けた円筒形の機枠101内に、一対の軸受10
4,105を介して内筒106を回転自在に横設する。
内筒106の一端開口は、供給樋102とこれに接続す
る傾斜状の供給シュート107とで形成される給米路1
08に連通するとともに、他端開口は、排出樋103で
形成される排米路110に連通し、前記給米路108に
は流量調節手段としての電磁弁130を備えた水管10
9の他端を臨ませる。水管109の他端は水タンク13
0に連絡するとともに、水管109にはヒータ130を
介在させてある。また、前記内筒106の終端側は多孔
壁111で形成して水切り部112となすとともに、そ
れ以外の内筒106内部を浸漬部113となす。水切り
部112の周囲は隔壁114によって排水室115とな
し、排水室115下端の排水口116の下方には排水樋
117を配設する。そして、排出樋117は給水路13
4を介して加水装置7の水タンク17に連絡している。
【0021】更に、内筒6内全長にわたって樹脂などか
らなるスクリュー羽根118を有するスクリュー119
を横設する。すなわち、機枠101の両端に軸受120
とブッシュ121とでスクリュー軸122を回転自在に
支持し、スクリュー軸122の給米路108側端部には
受動プーリ123を軸着する。他方、内筒106の外周
壁に受動プーリ124を形成し、これら受動プーリ12
3,124とモータ125の両軸部に軸着した同径の一
対のモータプーリ126,127とをVベルト128,
129によって連動・連結する。前記受動プーリ12
3,124は、スクリュー119の方が内筒106より
も高速回転するよう、スクリュー119の受動プーリ1
23の方が内筒106の受動プーリ124よりも小径に
形成される。また、スクリュー羽根118と内筒106
との間隙は0.3mm程度となすとともに、水切り部1
12の多孔壁111は米粒が露出しないよう形成するの
は言うまでもない。なお、機枠1底部には適宜、水抜孔
130を穿設するとよい。
【0022】次に撹拌装置3であるが、撹拌装置3は上
送用スクューコンベア77と横送りスクリューコンベア
78とからなり、上送用スクリューコンベア77の下部
に設けた供給口79と洗麦装置2の排米路110、並び
に上送用スクリューコンベア77の上部に設けた排出口
80と横送りスクリューコンベア78の供給口81とは
各々連結される。上送用スクリューコンベア77は立設
したトラフ82内にスクリュー83を回転可能に設ける
とともに、横送りスクューコンベア58は横設したトラ
フ84内にスクリュー85を回転可能に設けてある。な
お、横送りスクリューコンベア78のスクリュー85に
は、撹拌バー85aを設けてもよい。
【0023】横送りスクリーコンベア78の排出口86
は、調質装置としてのテンパリングタンク4の供給口8
7に連結される。供給口87には回転する飛散用羽根8
8が垂設され、タンク底には一対のロータリーバルブ8
9が横設される。更に、ロータリーバルブ89の下方に
は受樋90を設けるとともに、受樋90内には排出用ス
クリューコンベア91を設け、排出用スクリューコンベ
ア91の搬送終端部はバケットエレベーター92の供給
部に接続する。
【0024】バケットエレベーター92の吐出口は横送
りスクリューコンベア96を介して挽砕装置5の調整タ
ンク93に連絡され、調整タンク93の下方には1番ブ
レーキロール機94を設けてある。以下、製粉部分には
複数のロール機、シフター及びピュリファイヤー等(い
ずれも図示せず)が適宜設けられる。なお、調整タンク
93には水分添加ノズル95を設ける場合がある。
【0025】次に上記実施例における具体的作動につい
て説明する。以下において、原粒麦は水分11%で供給
量を1,000kg(乾物890kg、水分110k
g)とする。原料タンクなどから取り出された原料小麦
は、粗選機10により大きょう雑物を除去するととも
に、石抜機11などによって小石や金属片などを取り除
いて精選される。精選処理された異物が除去された原麦
は、最初に加水装置7に供給され、シャワーノズル14
による加水を受ける。水分添加量は、麦粒表皮部に浸透
する程度でよく、麦重量に対して1%〜3%でよいが説
明の便宜上3%添加で説明する。水量は、麦重量に対し
て3%(水分30kg)となるよう電磁弁16などで調
節され、この水分添加により麦粒の水分は約13.6%
(乾物890kg、水分140kg)となる。また、冬
季などの水温が低い場合は、ヒーター15によって水温
を上昇させると水分の浸透が容易となる。加水を施され
て原麦は、スクリュー13によって撹拌・搬送される間
に、しだいに表皮部に浸透していく。そして、麦粒は揚
穀機で搬送されてから、飛散用羽根88によって飛散さ
れながらテンパリンタンク133内へ張り込まれる。
【0026】テンパリングタンク133内の麦粒は、そ
のままの状態で5〜20分間放置されて、短時間の調質
を行い、麦の粒子全体が均一の水分分布状態となり精麦
性が向上される。
【0027】テンパリングタンク4での調質を終えた麦
粒は、ロターリーバルブ89,89の回転によって受樋
90内に流出し、排出94スクリューコンベア91から
精麦装置1へ送られる。
【0028】精麦装置1においては、まず、研削式精麦
機20の供給ホッパー28に投入され、送穀転子31に
よって精白室25に送られて研削精白転子24による精
白作用を受ける。すなわち、比較的大きな周速度(例え
ば600mm/min以上)で回転する研削精白転子2
4周面の金剛砂により、麦粒の縦溝部以外の表皮が微細
に砕かれながら削り取られる。麦粒の表皮部は、加水装
置7の水分添加及びテンパリングタンク133の調質に
より湿潤軟化しているので研削作用が効果的に施され
る。そして、精白室25から押圧蓋30に抗して吐出す
る麦粒は、揚穀機35に搬送されて摩擦式精麦機21の
供給ホッパー36に投入され、送穀転子51によって精
白室46内へ送られる。摩擦式精麦機21の精白室46
は比較的高圧(例えば平均圧力1平方センチメートル当
たり200g以上)となし、前記研削式精麦機20の研
削精白転子24の約半分以下の周速度で回転する摩擦精
白転子44の撹拌突起42により、麦粒どうしの粒々摩
擦を生じる。このとき、二流体ノズル56のノズル口か
ら中空主軸41内に噴出する霧は、中空主軸41の周面
に設けた通気孔45を経て摩擦精白転子44内中空部に
流入し、噴風溝43から精白室46内に噴き出され、再
び麦粒に添加することになる(麦重量に対して0.5%
の水分添加)。これにより、麦粒の表面は加湿されて摩
擦力が増大し、表面に残留または付着する表皮が一掃さ
れるとともに研磨作用を生じる。除去された糠(麩)
は、噴風溝43からの噴風により除糠精白筒40から漏
出し、集糠ファン55によってバッグィルタから貯留タ
ンク(図示せず)へ搬送される。なお、洗麦装置2で効
果的な洗麦を行うためには、精麦装置1での搗精歩留り
を85〜92%(但し、水分を除いた乾物のみの歩留
り)にするとよい。
【0029】精麦装置1へ供給される麦粒は、加水装置
で3%、摩擦式精麦機21で0.5%それぞれ加水され
るが、精麦装置1での搗精により加水された水分は、ほ
とんど糠に吸収され、洗麦装置2へ供給される麦粒(精
白粒)の水分は11.5%程度(乾物795kg、水分
103kg)となる。そして、精麦装置1から排出され
た糠の水分は30.7%(乾物95kg、水分42k
g)となり、この高水分糠は乾燥装置(図示せず)によ
り乾燥されて、糠(麩)製品として売却が可能となる。
【0030】摩擦式精麦機21の排出口48から吐出す
る麦粒(精白粒)は、次に、洗麦装置2の供給樋102
に供給される。洗麦装置102においては、モータ12
5を起動させると、スクリュー119及び内筒106が
同時に同方向へ回転を開始する。回転数は、例えば内筒
106が毎分1600回転で、スクリュー119が毎分
1720回転とする。供給樋102には図外のホッパー
などから投入された精白麦粒が流下するとともに、水管
109から水を供給する。加水量は精白麦重量に対して
5〜10%程度が適当であり、本実施例においては8%
(水分72kg)を供給する。
【0031】このような条件の下で本装置の運転を開始
すると、供給樋102内を落下する精白麦粒は、供給シ
ュート107を流下する間に水と接触し、そのまま内筒
106内の浸漬部113へ流れ込む。内筒106は毎分
1600回転しているので、精白麦とは遠心力によって
内筒106の内周壁に沿って広がり、横断面の状態はほ
ぼ環状になる。一方、スクリュー119は毎分1720
回転であるので、スクリュー119が毎分120回転で
精白麦粒と水とを移送することになる。このため、水中
に浸漬された精白麦粒は、緩やかに撹拌されながら約4
〜5秒で浸漬部113を通過することになり、この間
に、精白された麦粒表面から給水が行なわれるとともに
精白麦粒の縦溝内に入り込んだ麩粉が吸水して前記溝内
から流れ出やすい状態になる。したがって、浸漬部11
3では麩粉が吸水するだけの時間があればよく、スクリ
ュー119の回転数を変えることにより、浸漬部113
の通過時間は適宜設定可能である。
【0032】浸漬部113を通過した精白麦及び洗浄済
みの水は、次に、水切り部112を1〜2秒で通過する
間に、遠心力により水が多孔壁111から吹き飛ばさ
れ、この水と共に、麦粒縦溝内への吸水により除去され
やすくなった麩粉や小麦粒表面に残留する麩粉が強制的
に吹き飛ばされる。こうして、麩粉が全て除去されて水
切りされた水分15.4%(乾物795kg、水分14
5kg)の精白麦、つまり、洗麦された精白麦は、排出
樋103内を落下して排出される。他方、麩粉の溶け込
んだ廃水は、排水室115内に吹き飛ばされた後、排水
樋117を経て排出される。そして、廃水(水分30k
g)は溶け込んでいる麩粉を可能な限り除去した後、給
水路134を介して加水装置7の水タンク17に供給さ
れて、原料小麦の加水に再利用される。なお、廃水は全
量を加水装置7に戻すのでなく、一部を摩擦式精麦機2
1の加水に利用してもよい。
【0033】なお、本実施例における摩擦式精麦機21
による洗麦とは、ともに少量の水を麦粒に加水する点で
は類似しているが、その作用は大きく異なる。つまり、
加水精麦における加水は、麦粒表皮の剥離を容易にする
とことが目的であり、洗麦における加水は、精麦によっ
て麦粒の縦溝部に入り込んだ麩粉を洗浄して除去すると
同時に精麦後の麦粒の水分を、挽砕に適した高水分(例
えば15〜17%)に加水保持することが目的である。
また、加水精麦は分銅の加圧手段により精白室を高圧状
態とし、麦粒どうしの粒々摩擦により精麦するものであ
り、洗麦は麦粒が浸漬部を非加圧状態で移送されるとき
水洗いするものである。
【0034】洗麦機2を通過した麦粒は、撹拌装置3と
しての上送用スクリューコンベア77の供給口79へ送
り込まれる。洗麦により水分を添加された精麦粒の表面
は、グルテン及びでんぷんの作用によってべとついた状
態になるが、一定時間スクリュー83による撹拌作用を
受けるので麦粒どうしが固着することなく上送される。
そして、撹拌されながら上送する間に、麦粒内部への水
分の浸透を助長する。なお、洗麦装置2において、ヒー
ター132を起動させて温水による洗麦を行うことにと
より、効果的な洗浄及び加水となる。
【0035】こうして、上送用スクリューコンベア77
の上端に至った精麦粒は、排出口80から横送りスクリ
ューコンベア78内に送り込まれ、更に、横送りスクリ
ューコンベア78のスクリュー85及び撹拌バー85a
による撹拌作用を受けながら搬送される。そして、横送
りスクリューコンベア58の搬送終端側に至った精麦粒
のほとんどは、表面に付着した水分を吸収して乾いた状
態となり、排出口86から流出し、飛散用羽根88によ
って飛散されながらテンパリングタンク4内へ張り込ま
れる精麦粒は、既に固着することのない乾いた粒子とな
っている。この撹拌装置2による撹拌作用は20分程度
行われる。
【0036】テンパリングタンク4内の精麦粒は、その
ままの状態で4〜6時間放置して、短時間の調質を行
い、麦の粒子全体を均一の水分分布状態となして製粉性
を向上させる。
【0037】テンパリングタンク4での調質を終えた麦
粒は、ロターリーバルブ89,89の回転によって受樋
90内に流出し、排出94スクリューコンベア91及び
バケットエレベーター92によって横送りスクリューコ
ンベア96に送られた後、挽砕装置5の調整タンク93
内に投入される。前記横送りスクリューコンベア96内
を通過する精麦粒は、再び撹拌・流動されながら麦粒間
への水分の均一浸透及びほぐし作用が行われる。そし
て、挽砕装置5の1番ブレーキロール機94において最
初の挽砕が行われる0.5〜2.5時間前に、再び水分
添加ノズル95による霧状の水分添加を受ける。
【0038】挽砕装置5におけるその後の具体的な作用
は省略するが、各種のブレーキロール機で逐次、段階的
に原麦を挽き割って粗粒としての胚乳部を取り出すとと
もに各種シフターによって分級し、更に、ピュリファイ
ヤーによって精選・純化した後、ロール機(スムースロ
ール)によって粉砕して上がり粉を抽出する。
【0039】なお、本実施例においては、加水装置7で
の加水量を麦重量に対して3%、洗麦装置2での加水量
を麦粒重量に対して8%としているが、加水量はこれに
限られず種々に組み合わせることが可能である。また、
精麦装置1の形態は研削、研削、摩擦というように種々
に組み合わせてもよい。また、本実施例においては、洗
麦後の廃水は加水装置7に戻す構成としたが、精麦によ
り生じた糠に直接加水させてもよい。
【0040】
【発明の効果】本発明における製粉方法及び装置によれ
ば、原料麦を加水調質した後精麦し、精麦後の精白麦粒
の洗浄に使用した水の供給量を、精白麦重量に対して2
0%以下とする構成により、洗麦に使用した水のうち、
精白した麦粒に吸収される以外はほとんど糠に吸収させ
て排出する。そのため、従来必要とされた洗浄済み廃水
の処理設備が不用となり、廃水処理設備の建設費用及び
その維持費用を不必要にすることができ、さらに、大き
な設備用地を確保する必要がない。
【0041】また、搗精歩留りを82乃至92%とし、
洗麦装置に加水する洗浄水が麦粒重量比で3乃至10%
とすることにより、効果的な洗麦が可能となり、良質な
製粉粒を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す概略正面図である。
【図2】図1における精麦装置の一実施例を示す、一部
破断の拡大正面図である。
【図3】図1における洗麦装置の一実施例を示す拡大断
面図である。
【符号の説明】
1 精麦装置 2 洗麦装置 3 撹拌装置 4 テンパリングタンク(調質装置) 5 挽砕装置 6 精選装置 7 加水装置 10 精選機 11 石抜機 12 円筒トラフ 13 スクリューコンベア 14 シャワーノズル 15 ヒータ 16 電磁弁 17 水タンク 20 研削式精麦機 21 摩擦式精麦機 22 除糠精白筒 23 主軸 24 研削精白転子 25 精白室 26 供給口 27 排出口 28 供給ホッパー 29 分銅 30 押圧蓋 31 送穀転子 32 集糠室 33 集糠ホッパ 34 集糠ダクト 35 揚穀機 36 供給ホッパ 37 切換弁 38 循環路 40 除糠精白筒 41 中空主軸 42 撹拌突起 43 噴風溝 44 摩擦精白転子 45 通気孔 46 精白室 47 供給口 48 排出口 49 分銅 50 押圧蓋 51 送穀転子 52 集糠室 53 集糠ホッパ 54 集糠ダクト 55 集糠ファン 56 二流体ノズル 57 エア管 58 エアフィルタ 59 空気圧縮機 60 電磁弁 61 流量計 62 流量調節弁 63 水タンク 64 送水管 77 上送用スクリューコンベア 78 横送りスクリューコンベア 79 供給口 80 排出口 81 供給口 82 トラフ 83 スクリュー 84 トラフ 85 スクリュー 86 排出口 87 供給口 88 飛散用羽根 89 ロータリーバルブ 90 受樋 91 排出用スクリューコンベア 92 バケットエレベータ 93 調整タンク 94 1番ブレーキロール機 95 水分添加ノズル 96 横送りスクリューコンベア 101 機枠 102 供給樋 103 排出樋 104 軸受 105 軸受 106 内筒 107 シュート 108 給米路 109 水管 110 排米路 111 多孔壁 112 水切り部 113 浸漬部 114 隔壁 115 排水室 116 排水口 117 排水樋 118 スクリュー羽根 119 スクリュー 120 軸受 121 ブッシュ 122 スクリュー軸 123 受動プーリ 124 受動プーリ 125 モータ 126 モータプーリ 127 モータプーリ 128 Vベルト 129 Vベルト 130 電磁弁 131 水タンク 132 ヒータ 133 テンパリングタンク 134 給水路

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原料麦に加水調質した後精麦し、精麦後
    の精白麦粒を洗浄水により洗浄した後挽砕する製粉方法
    において、前記洗浄水の供給量を精白麦重量に対して2
    0%以下としたことを特徴とする製粉方法。
  2. 【請求項2】 原料麦に加水する加水装置と、加水した
    麦粒を調質する調質装置と、調質した麦粒を搗精する精
    麦装置と、精麦粒を挽砕する挽砕装置とからなる製粉装
    置において、前記精麦装置の後工程に、精麦重量に対し
    て20%以下の洗浄水を供給する洗麦装置を連絡したこ
    とを特徴とする製粉装置。
  3. 【請求項3】 前記精麦装置による搗精歩留りが85乃
    至92%である請求項2記載の製粉装置。
  4. 【請求項4】 前記洗麦装置に加水する洗浄水が麦粒重
    量比で3乃至10%である請求項2又は3記載の製粉装
    置。
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