JPH06226117A - 小麦粉の生産方法 - Google Patents
小麦粉の生産方法Info
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- JPH06226117A JPH06226117A JP5037439A JP3743993A JPH06226117A JP H06226117 A JPH06226117 A JP H06226117A JP 5037439 A JP5037439 A JP 5037439A JP 3743993 A JP3743993 A JP 3743993A JP H06226117 A JPH06226117 A JP H06226117A
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Abstract
ることなく、小麦の抗張力を増加させるとともに伸展性
を減少し、製パン性を改良する。 【構成】 原料小麦の含水率を14乃至16%とするよ
う水分添加して少なくとも4時間放置し、その後、35
乃至45℃に穀温上昇を制御しながら精麦した後30分
以内に製粉する。
Description
に挽砕工程の前処理として小麦に精白作用を加えて表皮
物質を剥離除去し製パン性の向上を目的とした小麦の改
質を行う小麦粉の生産方法に関する。
加工は、テンパリング等により水分調整された原料小麦
を、その外皮物質を剥ぐことなく、そのまま挽砕して、
製品粉(小麦粉)となる胚乳部と、この製品粉に混入す
ると好ましくない皮部及び胚芽とに分別するものであ
る。このとき灰分を多く含む皮部(外皮物質)が胚乳部
に混入すると製品粉の品質が低下するので、皮部の混在
が少ないように胚乳部分を粉末状で採取して製品粉の採
取率(歩留り)を高める努力がなされているが、歩留り
は通常75%程度である。
質を挽砕に先だって剥離・除去する技術が古くから研究
されおり、特公昭39−25314号公報や特公昭32
−8665号公報に開示されている。これらの技術は、
まず、精麦作用よって穀粒から不用の外皮構成物をでき
るだけ多く除去して、挽砕によって砕かれる皮部を製品
粉となる胚乳部(小麦粉)に混入することなく効率良く
容易に分別することを目的としている。
物質の効果的除去を目的としたものであり、特に、特公
昭33−38199号公報に詳細に開示されているもの
は、加水された小麦を、加水後10乃至20分以内に精
麦することを要旨としている。これは外皮物質にのみ水
分を吸収させて外皮物質を軟弱化させその状態で精麦す
ることを目的としたものである。
性状を変化させて小麦粉製品の品質改良、特に製パン性
の改良を目的としたものではない。
来技術を見れば、小麦粉の抗張力を増加するとともに伸
展性を減少するためには従来から次のような多くの方法
が知られている。その一つには臭素酸カリウムやアスコ
ルビン酸といった品質改良剤を添加して小麦粉のタンパ
ク質を酸化させることが文献などで明らかである。また
コンディショニング工程を設けて小麦の熱調質を行い、
熱で酸化作用を加えることにより蛋白分解を遅らせてた
んぱく質内のグルテンを引き締めることなどが明らかで
ある。
リウムやアスコルビン酸といった品質改良剤を添加する
ことなく、また、従来用いられている温調質、熱調質又
はスタビライザー調質等のコンディショニングのための
特別の工程を用いることなく、製品粉の抗張力を増加す
るとともに伸展性を減少させて、製パン性を改良しよう
とするものである。
れた小麦の外皮物質を剥離除去して得られる精白麦を挽
砕ふるい分けして小麦粉を生産する方法であって、タン
パク質の含有量が12%以上の精選された原料小麦に対
し、加水後の含水率が14乃至16%となるよう加水
し、加水後の小麦を少なくとも4時間のテンパリングを
行い、該テンパリングした小麦に、穀温が35乃至45
℃となるよう制御して小麦の外皮物質を剥離除去する精
麦作用を加えたあと、該精麦作用により得られた精白麦
を挽砕ふるい分けする小麦粉の生産方法により前記課題
を解決するための手段とした。
30分以内に挽砕作用を施す小麦粉の生産方法により前
記課題を解決するための手段とした。
料小麦は、その含水率が測定される。この時の含水率は
通常11乃至13%の範囲である。原料小麦の品種及び
性状と前記含水率に基づき、加水後の含水率が14乃至
16%となるよう加水量が決定され、加水装置により全
原料小麦に均一に加水され撹拌される。そして、表層に
付着した水分及び表皮から浸透した水分は次第にアリュ
−ロン層以下まで浸透するよう、また均一になるようテ
ンパリングが施される。このようにして水分は内部に浸
透してアリュ−ロン層をこえて胚乳部に達し、小麦の品
種あるいは環境条件によって異なるが、早いものは4時
間後には小麦粒全体がほぼ均一な状態になる。
回、精麦装置を通過させると、小麦粒の外皮物質が除去
されると共に小麦粒自体の温度つまり穀温が10乃至2
5℃上昇する。この温度上昇量は小麦粒の初期温度及び
外気温度に大きく作用されるが、精麦工程における負荷
調整又は冷却空気若しくは加熱空気の供給量調整などに
よって、穀温を一定の範囲に制御することができる。
リングによる小麦胚乳部の水分とによって、胚乳部のタ
ンパク質の性質に変化をもたらすことになる。つまりこ
のタンパク質の性質の変化とは、製パン性に適した、小
麦粉の抗張力が増加し伸展性が減少することであり、精
麦工程における制御された穀温の上昇が、蛋白質を酸化
させる従来の熱調質と同じ作用を与えている。
適正な制御範囲は35乃至45℃が望ましい。この制御
範囲が45℃を越えるとタンパク質の変化が著しく、逆
に製パン性を低下させるだけでなく、余り高温に制御し
ようとすると小麦に与える精麦時の圧力が大きくなり精
麦ではなく圧砕になってしまう。逆に制御範囲が35℃
以下であるとタンパク質に酸化作用を与えるにいたらな
い。これらの温度の制御は小麦の品種や水分によって適
正な温度に制御されることが肝要である。
削式精麦とを併用して行うことがある。また、先のテン
パリングとは別に精麦工程前に加水装置を設けて2%程
度の加水により小麦の表面に水分を補うこともあり、最
終的に適切な水分の状態の小麦を精麦工程に投入できる
ようにするとよい。
を一定時間内に挽砕工程に送ることにより、製パン性に
適したタンパク質の状態を保持することができる。つま
り、従来小麦の品種や水分などに合わせて行われてきた
添加剤の投入量の制限や、熱調質時の温度と時間の設定
と同じように、許容される精麦後の経過時間はこの場合
最大30分以内となる。この30分を越えるとタンパク
質の変化が著しく長時間の経過は逆に製パン性の低下を
招く結果となる。また長時間経過することにより小麦内
部(胚乳部)の水分を飛散させることにもなり挽砕にお
ける製粉特性の低下は避けられない。
粒の内部にあるでんぷん粉を包んでいる数層から成る組
織であり、最外層から、外表皮、柔組織、横細胞、内表
皮、種皮、外胚乳および糊粉層の順に構成されており、
一般に麸層と称されているものである。
する。挽砕装置5の前工程には(図1参照)、精麦装置
1が連設されるとともに、精麦装置1の前工程に精選装
置6及び加水装置7が配設され、更に、前記加水装置
7、精麦装置1の直後にはそれぞれ調質装置4A〜4B
を設ける。以下、各々について説明する。
(図示せず)等から取出された小麦に混入するわらご
み、草木片、ひもくず、ほこりその他の比較的軽いきょ
う雑物を除去する粗選機10並びに金属片や小石を除去
する石抜機11などからなり、製粉工程の最先の工程と
して配置される。
した搬送経路W1を介して加水装置(ダンプナ)7が配
設される。加水装置7は一端に原料小麦の供給口12a
を、他端に排出口12bを各々有する円筒トラフ12内
にスクリューコンベア13を横設するとともに、該円筒
トラフ12上部にシャワーノズル14を臨ませてあり、
該シャワーノズル14はヒータ15及び流量調節機能を
有する電磁弁16を介して水タンク17に接続される。
この加水装置7は挽砕工程のための加水を行うことを目
的とするものであり、水分測定装置8で測定した加水前
の含水率と、あらかじめ設定された加水後の含水率とに
基づいて小麦粒重量に対し必要量の水分を添加するよ
う、電磁弁16によって水分添加量が設定される。この
加水装置7の排出口12bは調質装置4Aに連結され
る。
からなり、前記排出口12bはテンパリングタンク13
3の供給口87に連結される。供給口87には回転する
飛散用羽根88が垂設され、タンク底には一対のロータ
リーバルブ89が横設される。更に、ロータリーバルブ
89の下方には受樋90を設けるとともに、受樋90内
には排出用スクリューコンベア91を横設し、排出用ス
クリューコンベア91の搬送終端部は精麦装置1に接続
する。なお、前記テンパンリングタンク133は加水後
の小麦粒の内層胚乳部に水分を均一に浸透させるため、
少なくとも4時間静置できる容量が必要である。
がら説明する。本実施例の精麦装置1は摩擦式精麦機2
0と研削式精麦機21とからなる。
角などの多角状に形成された除糠精白筒40内を貫通す
る中空主軸41を回転自在に横設するとともに、一端を
開口した中空主軸41には、撹拌突起42と噴風溝(ス
リット)43を備えた摩擦精白転子44を軸着する。該
摩擦精白転子44は中空状となし、摩擦精白転子44内
の中空主軸41の周面には通気孔45が多数設けられ
る。また、前記摩擦精白転子44と除糠精白筒40との
間隙を精白室46となし、前記研削式精麦機21と同様
に、該精白室46の一側部は供給口47に、他側部は排
出口48に各々連通させ、供給口47の上方には供給ホ
ッパ36を設けるとともに、排出口48には分銅49で
付勢された押圧蓋50を装着する。更に、供給口47付
近には、螺旋翼を形成した送穀転子51を中空主軸41
に軸着して回転自在に設けるとともに、前記除糠精白筒
40の周囲には集糠室52を形成し、該集糠室52の下
部は集糠ホッパ53を介して集糠ダクト54及び集糠フ
ァン55に連絡する。
装置について説明する。中空主軸41の開口端には二流
体ノズル56のノズル口を臨ませ、一端を該二流体ノズ
ル56に接続されたエア管57は、エアフィルタ58を
介して空気圧縮機59に連結され、同様に、二流体ノズ
ル56に一端を接続した送水管64は、電磁弁60、流
量計61及び流量調節弁62を介して水タンク63に連
結される。
穀機35を介して研削式精麦機21の供給ホッパ28に
連絡されるが、揚穀機35の吐出部に切換弁37を設け
て前記摩擦式精麦機20の供給ホッパ36に戻る循環路
38を形成してもよい。
角などの多角状に形成された除糠精白筒22内を貫通す
る主軸23を設けるとともに該主軸23には、金剛砂か
らなる研削精白転子(ミリングロール)24を軸着し、
研削精白転子24と除糠精白筒22とのなす間隙を精白
室25となす。そして、この精白室25の一側部を供給
口26に、他側部を排出口27に各々連絡し、供給口2
6の上方には供給ホッパ28を設けるとともに、排出口
27には分銅29で付勢された押圧蓋30を装着し、ま
た、供給口26付近には、螺旋翼を形成した送穀転子
(フィードロール)31を主軸23に軸着して回転自在
に設ける。更に、前記除糠精白筒22の周囲を集糠室3
2となすとともに、集糠室32の下部は集糠ホッパ33
を介して集糠ダクト34に連結される。この集糠ダクト
34は図外のバッグフィルタ及びファンに接続してあ
る。この場合、摩擦式精麦機20と同様に研削式精麦機
21にも水分添加装置を設けることもある。
出口27は調質装置4Bの供給口87に連結される。こ
の調質装置4Bはテンパリングタンク133からなり精
麦後の精白麦を後工程の都合で一時貯留するために設け
られたもので、精白麦の穀温を35乃至45℃に30分
以内保持する温調機能を有することもある。このテンパ
リングタンク133の排出部は挽砕装置5に連絡され
る。以下、挽砕装置5には複数のロール機、シフター及
びピュリファイヤー等(いずれも図示せず)が適宜設け
られる。なお、調整タンク93には水分添加ノズル95
を設ける場合がある。
いて説明する。ただし、原料小麦は水分13%とし、供
給量を1,000kg(乾物870kg、水分130k
g)とする。原料タンクなどから取り出された原料小麦
は、粗選機10によって大きょう雑物を除去するととも
に、石抜機11によって小石や金属片などを取り除いて
精選される。精選処理された異物が除去された原料小麦
は、最初に加水装置7に供給され、シャワーノズル14
による加水を受ける。水分添加量は、麦粒表皮部から胚
乳部に浸透する程度であり、最終的に麦重量に対して1
4%〜16%の含水率でよいが説明の便宜上本実施例に
おいては4%添加とする。添加水量は、麦重量に対して
4%(40kg)となるよう電磁弁16で調節され、こ
の水分添加により麦粒の水分は約16.3%(乾物87
0kg、水分170kg)となる。また、冬季などにあ
って水温が低い場合は麦粒に水分が浸透しにくいが、ヒ
ーター15によって水温を上昇させると水分の浸透が容
易となる。加水を施された原料小麦は、スクリュー13
によって撹拌・搬送される間に、しだいに表皮部に浸透
していく。そして、麦粒は揚穀機で搬送されてから、調
質装置4Aの飛散用羽根88によって拡散されながらテ
ンパリングタンク133内へ張り込まれる。
のままの状態で少くとも4時間放置して調質を行い、こ
れにより、麦の粒子内部(胚乳部)全体が均一の水分分
布状態となり製粉特性が向上される。
ターリーバルブ89,89の回転によって受樋90内に
流出し、排出用スクリューコンベア91から精麦装置1
へ送られる。
機20の供給ホッパー36に投入され、送穀転子51に
よって精白室46に送られて摩擦精白転子44による精
麦作用を受ける。すなわち、摩擦式精麦機20の精白室
46を400〜600m/minの周速度で回転する摩
擦精白転子44とその撹拌突起42で比較的高圧で撹拌
され、麦粒どうしの粒々摩擦により精麦する。このと
き、二流体ノズル56のノズル口から中空主軸41内に
噴出する霧は、中空主軸41の周面に設けた通気孔45
を経て摩擦精白転子44内中空部に流入し、噴風溝43
から精白室46内に噴き出され、再び麦粒に添加するこ
とになる(麦重量に対して0.5%の水分添加)。これ
により、麦粒の表面は加湿されて摩擦力が増大し、麦粒
表面の表皮どうしで摩擦されることにより剥離作用を生
じるとともに、剥離した表皮と添加水分とにより麦粒表
面は摩擦されてより表面のきれいな麦粒となる。このよ
うに摩擦除去された糠(麩)は、噴風溝43からの噴風
により除糠精白筒40から漏出し、集糠ファン55によ
ってバッグフィルタから貯留タンク(図示せず)へ搬送
される。
−トと呼ばれている部分の直前までの剥離を目的として
いる。また、この剥離をより効率よくおこなうために摩
擦精麦の直前に小麦の表面への水分添加と2分程度のテ
ンパリングをおこなうこともある。
る麦粒(精白粒)は、揚穀機35に搬送されて研削式精
麦機20の供給ホッパー28に投入され、送穀転子31
によって精白室25内へ送られる。
度の周速度(例えば400〜600m/min)で回転
する研削精白転子24周面の金剛砂により、麦粒の縦溝
部以外の表皮が微細に砕かれながら削り取られる。麦粒
の表皮部は、加水装置7の水分添加及びテンパリングタ
ンク133の調質により水分保持・軟化しているので研
削作用が効果的に施される。また、除糠精白筒22が6
角などの多角状に形成されているので角面においてかく
はん作用を受け、中程度の周速度により麦粒の周囲を均
一に細かく研削作用が施されることになる。ここでは麦
粒のアリュ−ロン層直前までの研削を目的としている。
また、この剥離をより効率よくおこなうために研削の直
前に小麦の表面への水分添加と2分程度のテンパリング
をおこなうこともある。
精麦作用による穀温上昇の制御について説明する。まず
摩擦式精麦機20においては水分添加装置の流量調節弁
62の調節や集糠ファン55により発生する集糠風量の
調節により穀温の上昇を制御することが可能である。ま
た研削式精麦機21においても集糠風量の調節により精
麦による穀温上昇を制御することができる。これらの制
御は精白室25、46あるいは排出口27、48等に温
度センサ−(図示せず)を設け、風量調節弁(図示せ
ず)や摩擦式精麦機20に見られる水分添加装置との連
動により容易に実現でき、本実施例においてはその詳細
は省略する。
吐出する麦粒は、次に、調質装置4Bのテンパリングタ
ンク133に投入されるのであるが、前記精麦装置1を
通過することにより35〜45℃に温度上昇した麦粒
は、そのままテンパリングタンク133内に貯留され
る。これにより精麦で変化した麦粒内胚乳部のタンパク
質の性質、つまり小麦の抗張力を増加するとともに伸展
性を減少させて製パン性が向上した性質を調質装置4B
において保持し、精麦後30分以内に挽砕装置5の調整
タンク93内に投入される。精麦後30分以内に挽砕装
置5に投入するようにしたのは、30分を経過するとタ
ンパク質の性質の再変と製粉性の低下を招くことが明か
で製パン性に悪影響を及ぼすからである。したがって精
麦後必ず調質装置4Bに貯留する必要は無く、可能であ
れば精麦後直ちに挽砕装置5に投入しても良い。
作用は省略するが、各種のブレーキロール機で逐次、段
階的に原料小麦を挽き割って粗粒としての胚乳部を取り
出すとともに各種シフターによって分級し、更に、ピュ
リファイヤーによって精選・純化して上がり粉を抽出す
る。
の加水量を麦重量に対して4%としているが、加水量は
これに限られず種々に組み合わせることが可能である。
また、精麦装置1の形態は摩擦・研削、研削というよう
に種々に組み合わせてもよい。
けて、精麦によって麦粒の縦溝部に入り込んだ麩粉を洗
浄して除去すると同時に精麦後の麦粒の水分を、挽砕に
適した高水分(たとえば17%)に再度加水保持するこ
ともある。また比較的高温に保持された麦粒温度を強制
的に下げることを目的として設けることもある。
と精麦後の穀温保持の限界時間とについて、試験結果に
基づいて以下に説明する。まず、精麦時における穀温上
昇の制御について以下の試験を行った。
は、精麦装置1から排出される精白麦の穀温を、30℃
から50℃まで5℃おきに制御したときに得られる精白
麦をそれぞれ挽砕し、それぞれの小麦粉によって製パン
試験を行った。表1にその結果を示した。
0、35、40、45、50℃の5種類に設定し、精白
麦の穀温がそれぞれの穀温になるよう精麦装置1の精麦
作用を制御した。それぞれの温度において得られた小麦
を挽砕ふるい分けし製パン用の小麦粉とした。
ンダ−試験結果等を参考にして、パン生地(ドウ)が同
じ状態になるよう調整する。製パン試験の判定はSV値
(Specific Volume)で比較して行っ
た。
されることから、該当するSV値が5以上のものは表1
から明らかなように、精麦作用を受けた時の穀温の範囲
が35℃から45℃の間となる。穀温が35℃を下回る
とSV値は4.73(30℃)あるいは穀温が45℃を
超えるとSV値は4.63(50℃)である。通常SV
値に0.1以上の差があると外観に大きな差を生じるだ
けにその差は歴然としている。ちなみに精麦後の穀温が
40℃になるよう制御したときのSV値が一番大きい値
を示している。
タンパク質の性質を変えるに至らないつまりタンパク質
が熱酸化するに至らないということであり、逆に45℃
を超えると過剰に変化していまい製パン性には適さない
タンパク質の性質となってしまうのである。
は、前記試験をふまえて精麦装置1から排出される精白
麦の穀温が40℃となるように精麦装置を制御し、精麦
後もその穀温を保持するよう複数の保温時間を設け、そ
の後精白麦をそれぞれ挽砕し、それぞれの小麦粉によっ
て製パン試験を行った。表2にその結果を示した。
になるよう精麦装置1の精麦作用を制御した。その後こ
の精白麦を5分、30分、60分それぞれ経過した後、
小麦を挽砕ふるい分けして製パン用の小麦粉とした。
ンダ−試験結果等を参考にして、パン生地(ドウ)が同
じ状態になるよう調整する。製パン試験の判定はSV値
(Specific Volume)で比較して行っ
た。
されることから、該当するSV値が5以上のものは表2
から明らかなように、精麦作用を受けた後の経過時間が
30分以内となる。この時間が30分を超えるとSV値
は4.69(60分)である。通常SV値に0.1以上
の差があると外観に大きな差を生じるだけにその差は歴
然としている。ちなみに精麦後の経過時間が長くなれば
なるほどSV値は下がる傾向を示している。精麦後に長
時間経過して挽砕すると、精麦時の穀温上昇と、精麦に
よる外皮物質の剥離除去により、小麦の水分は時間経過
とともに飛散し変化していく。結果的には製粉性の低下
と損傷でん粉の発生を招くことになる。したがって精麦
から次の挽砕工程までは30以内に処理されるべきであ
り、この時間内であれば製パン性への影響は避けること
ができる。
けて排出される精白麦の穀温を、任意の温度に制御する
ことにより、精麦と同時にその上昇する穀温によって小
麦の胚乳部に含まれるタンパク質の変化をコントロ−ル
することができる。また、その精白麦を30分以内に挽
砕ふるい分けすることにより、タンパク質の変質を招い
たり、水分の飛散による製粉特性の低下を招いたりする
こともなくなった。
率にばらつきのある原料小麦を、加水により14〜16
%水分とし、加水後少なくとも4時間放置することによ
って麦粒内部まで水分を均一に浸透させ、原料小麦間の
水分むらをなくした後精麦するので、精麦工程での精麦
と同時にその穀温上昇によって胚乳部のタンパク質に精
麦熱による酸化作用が加えられ変化し、その結果従来の
コンディショニングによる熱調湿と同じ効果である小麦
粉生地の抗張力を増加させるとともに伸展性を減少させ
て、小麦の製パン性の向上を得ることができる。
の温度を、タンパク質の変化に適した35乃至45℃に
制御するので、小麦の精麦により小麦粉に不要な外皮物
質の除去と同時に、小麦に合わせたタンパク質の性質の
変化が効果的に行われる。
するようにしたので不必要に小麦の変質や製粉性の低下
を招くことがない。
破断の拡大正面図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 精選された小麦の外皮物質を剥離除去し
て得られる精白麦を挽砕ふるい分けして小麦粉を生産す
る方法であって、タンパク質の含有量が12%以上の精
選された原料小麦に対し、加水後の含水率が14乃至1
6%となるよう加水し、加水後の小麦を少なくとも4時
間のテンパリングを行い、該テンパリングした小麦に、
穀温が35乃至45℃となるよう制御して小麦の外皮物
質を剥離除去する精麦作用を加えたあと、該精麦作用に
より得られた精白麦を挽砕ふるい分けすることを特徴と
する小麦粉の生産方法。 - 【請求項2】 請求項1記載の小麦粉の生産方法であっ
て、前記精麦作用を加えた後の精白麦に30分以内に挽
砕作用を施すことを特徴とする小麦粉の生産方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03743993A JP3180934B2 (ja) | 1993-02-01 | 1993-02-01 | 小麦粉の生産方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03743993A JP3180934B2 (ja) | 1993-02-01 | 1993-02-01 | 小麦粉の生産方法 |
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JP03743993A Expired - Fee Related JP3180934B2 (ja) | 1993-02-01 | 1993-02-01 | 小麦粉の生産方法 |
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JP (1) | JP3180934B2 (ja) |
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