JP3180934B2 - 小麦粉の生産方法 - Google Patents
小麦粉の生産方法Info
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Description
り、特に、挽砕(ばんさい)工程の前処理として小麦に
精白作用を加えて表皮物質を剥(はく)離除去する製粉
方法であって、更に詳しくは、製パン性の向上を目的と
した小麦粉の生産方法に関する。
加工は、テンパリング等により水分調整された原料小麦
を、その外皮物質を剥(は)がすことなく、そのまま挽
砕して、製品粉(小麦粉)となる胚(はい)乳部と、こ
の製品粉に混入すると好ましくない皮部及び胚芽とに分
別するものである。このとき、灰分を多く含む皮部(外
皮物質)が胚乳部に混入すると製品粉の品質が低下する
ので、皮部の混在が少ないように胚乳部分を粉末状で採
取して製品粉の採取率(歩留り)を高める努力がなされ
ているが、歩留りは通常75%程度である。
物質を挽砕に先だって剥離・除去する(精麦)技術が古
くから研究されており、例えば特公昭39−25314
号公報や特公昭32−8665号公報に開示されてい
る。これらの技術は、まず、精麦作用によって穀粒から
不要の外皮構成物をできるだけ多く除去して、挽砕によ
って砕かれる皮部を製品粉となる胚乳部(小麦粉)に混
入することなく効率よく容易に分別することを目的とし
ている。
物質の効果的除去を目的としたものであり、特に、特公
昭33−38199号公報に詳細に開示されているもの
は、加水された小麦を、加水後10乃至20分以内に精
麦することを要旨としている。これは、外皮物質にのみ
水分を吸収させて外皮物質を軟弱化させ、その状態で精
麦することを目的としたものである。
品質改良、特に製パン性の改良を目的としたものではな
い。
従来技術として、小麦粉の抗張力を増加するとともに伸
展性を減少するために、従来から次のような多くの方法
が知られている。その一つには、臭素酸カリウムやアス
コルビン酸といった品質改良剤を添加して小麦粉のタン
パク質を酸化させることが文献などで明らかである。ま
た、コンディショニング工程を設けて小麦の熱調質を行
い、熱で酸化作用を加えることによりタンパク分解を遅
らせてタンパク質内のグルテンを引き締めることなどが
知られている。
リウムやアスコルビン酸といった品質改良剤を添加する
ことなく、また、従来用いられている温調質、熱調質又
はスタビライザー調質等のコンディショニングのための
特別の工程を用いることなく、小麦粉の生産方法におけ
る製パン性を改良しようとするものである。
め本発明は、精選された小麦の外皮物質を剥離除去して
得られる精白麦を挽砕ふるい分けして小麦粉を生産する
方法であって、原料小 麦に対して加水後の含水率が14
乃至16%となるよう加水し、加水後の小麦に対して少
なくとも4時間のテンパリングを行い、該テンパリング
した小麦の外皮物質を剥離除去する精麦作用の制御によ
って穀温を35乃至45℃となすとともに、該精麦後3
0分以内に挽砕ふるい分けする、という技術的手段を講
じたものである。
を取り除かれた原料小麦は、まず、その含水率が測定さ
れる。この時の含水率は、通常、11乃至13%の範囲
である。そこで、原料小麦の品種、性状及び前記含水率
に基づき、加水後の含水率が14乃至16%となるよう
加水量が決定され、加水装置により全原料小麦に均一に
加水され、撹拌される。そして、表層に付着した水分及
び表皮から浸透した水分は、次第にアリュ−ロン層以下
まで浸透するよう、また、均一になるようテンパリング
が施される。このようにして、水分は内部に浸透してア
リュ−ロン層を越えて胚乳部に達し、小麦の品種あるい
は環境条件によって異なるが、早いものは4時間後には
小麦粒全体がほぼ均一な水分分布状態になる。
回、精麦装置を通過させると、小麦粒の外皮物質が除去
されるとともに小麦粒自体の温度、つまり穀温が10乃
至25℃上昇する。この温度上昇量は、小麦粒の初期温
度及び外気温度に大きく作用されるが、精麦工程におけ
る負荷調整又は冷却空気若しくは加熱空気の供給量調整
などによって、穀温を一定の範囲に制御することができ
る。
ンパリングによる小麦胚乳部の水分とによって、胚乳部
のタンパク質の性質に変化をもたらすことになる。つま
り、このタンパク質の性質の変化とは、製パン性に適し
た、小麦粉の抗張力の増加と伸展性の減少であり、精麦
工程において制御された穀温の上昇が、タンパク質を酸
化させる従来の熱調質と同じ作用を与えていることにな
る。
の適正な制御範囲は35乃至45℃が望ましい。この制
御範囲が45℃を越えるとタンパク質の変化が著しく、
かえって製パン性を低下させるだけでなく、あまり高温
に制御しようとすると小麦に与える精麦時の圧力が大き
くなり、精麦ではなく圧砕になってしまう。逆に、制御
範囲が35℃以下であるとタンパク質に酸化作用を与え
るに至らない。これらの温度の制御は、小麦の品種や水
分によって適正に制御されることが肝要である。
研削式精麦とを併用して行うことがある。また、先のテ
ンパリングとは別に精麦工程前に加水装置を設けて2%
程度の加水により小麦の表面に水分を補うこともあり、
最終的に適切な水分の状態の小麦を精麦工程に投入でき
るようにするとよい。
麦を一定時間内に挽砕工程に送ることにより、製パン性
に適したタンパク質の状態を保持することができる。つ
まり、従来、小麦の品種や水分などに合わせて行われて
きた添加剤の投入量の制限や、熱調質時の温度と時間の
設定と同じように、許容される精麦後の経過時間は、こ
の場合最大30分以内となる。この30分を越えるとタ
ンパク質の変化が著しくなり、長時間の経過は逆に製パ
ン性の低下を招く結果となる。また、長時間経過するこ
とにより小麦内部(胚乳部)の水分を飛散させることに
もなり、挽砕における製粉特性の低下は避けられない。
粒の内部にあるデンプン粉を包んでいる数層から成る組
織のことであり、最外層から、外表皮、柔組織、横細
胞、内表皮、種皮、外胚乳及び糊(こ)粉層の順に構成
されており、一般に麸(ふすま)層と称されているもの
である。
て説明する。挽砕装置5の前工程には(図1参照)、精
麦装置1が連設されるとともに、精麦装置1の前工程に
精選装置6及び加水装置7が配設され、さらに、前記加
水装置7及び精麦装置1の直後にはそれぞれ調質装置4
A、4Bを設ける。以下、各々について説明する。
(図示せず)等から取り出された小麦に混入するわらご
み、草木片、ひもくず、ほこりその他の比較的軽いきょ
う雑物を除去する粗選機10及び金属片や小石を除去す
る石抜機11を備え、製粉工程の最先の工程として配置
される。
た搬送経路W1を介して加水装置(ダンプナ)7が配設
される。加水装置7は一端に原料小麦の供給口12a
を、他端に排出口12bを各々有する円筒トラフ12内
にスクリューコンベア13を横設するとともに、該円筒
トラフ12上部にシャワーノズル14を臨ませてあり、
該シャワーノズル14はヒータ15及び流量調節機能を
有する電磁弁16を介して水タンク17に接続される。
この加水装置7は、挽砕工程のための加水を行うことを
目的とするものであり、水分測定装置8で測定した加水
前の含水率と、あらかじめ設定された加水後の含水率と
に基づいて、小麦粒重量に対し必要量の水分を添加する
よう、電磁弁16によって水分添加量が設定される。こ
の加水装置7の排出口12bは調質装置4Aに連結され
る。
からなり、前記排出口12bはテンパリングタンク13
3の供給口87に連結される。供給口87には回転する
飛散用羽根88が垂設され、タンク底には一対のロータ
リーバルブ89が横設される。さらに、ロータリーバル
ブ89の下方にはホッパ状の受樋(ひ)90を設けると
ともに、受樋90内には排出用スクリューコンベア91
を横設し、排出用スクリューコンベア91の搬送終端部
は後工程の精麦装置1に接続する。なお、前記テンパリ
ングタンク133は、加水後の小麦粒の内層胚乳部に水
分を均一に浸透させるため、少なくとも4時間静置でき
る容量が必要である。
がら説明する。本実施例の精麦装置1は摩擦式精麦機2
0と研削式精麦機21とからなる。
角などの多角状に形成された除糠(こう)精白筒40内
を貫通する中空主軸41を回転自在に横設するととも
に、一端を開口した中空主軸41には、撹拌突起42と
噴風溝(スリット)43を備えた摩擦精白転子44を軸
着する。該摩擦精白転子44は中空状となし、摩擦精白
転子44内の中空主軸41の周面には通気孔45が多数
設けられる。また、前記摩擦精白転子44と除糠精白筒
40との間隙を精白室46となし、該精白室46の一側
部は供給口47に、他側部は排出口48に各々連通さ
せ、供給口47の上方には供給ホッパ36を設けるとと
もに、排出口48には分銅49で付勢された押圧蓋(が
い)50を装着する。さらに、供給口47付近には、螺
(ら)旋翼を形成した送穀転子51を中空主軸41に軸
着して回転自在に設けるとともに、前記除糠精白筒40
の周囲には集糠室52を形成し、該集糠室52の下部は
集糠ホッパ53を介して集糠ダクト54及び集糠ファン
55に連絡する。
装置について説明する。中空主軸41の開口端には二流
体ノズル56のノズル口を臨ませ、一端を該二流体ノズ
ル56に接続されたエア管57は、エアフィルタ58を
介して空気圧縮機59に連結され、同様に、二流体ノズ
ル56に一端を接続した送水管64は、電磁弁60、流
量計61及び流量調節弁62を介して水タンク63に連
結される。
穀機35を介して研削式精麦機21の供給ホッパ28に
連絡されるが、揚穀機35の吐出部に切換弁37を設け
て前記摩擦式精麦機20の供給ホッパ36に戻る循環路
38を形成してもよい。
角などの多角状に形成された除糠精白筒22内を貫通す
る主軸23を設けるとともに、該主軸23には金剛砂か
らなる研削精白転子(ミリングロール)24を軸着し、
研削精白転子24と除糠精白筒22とのなす間隙を精白
室25となす。そして、この精白室25の一側部を供給
口26に、他側部を排出口27に各々連絡し、供給口2
6の上方には供給ホッパ28を設けるとともに、排出口
27には分銅29で付勢された押圧蓋30を装着し、ま
た、供給口26付近には、螺旋翼を形成した送穀転子
(フィードロール)31を主軸23に軸着して回転自在
に設ける。さらに、前記除糠精白筒22の周囲を集糠室
32となすとともに、集糠室32の下部は集糠ホッパ3
3を介して集糠ダクト34に連結される。この集糠ダク
ト34は図外のバッグフィルタ及びファンに接続してあ
る。なお、この研削式精麦機21にも、摩擦式精麦機2
0と同様に水分添加装置を設けることもある。
出口27は調質装置4Bの供給口87に連結される。こ
の調質装置4Bはテンパリングタンク133からなり、
精麦後の精白麦を後工程の都合で一時貯留するために設
けられたもので、精白麦の穀温を35乃至45℃に30
分以内保持する温調機能を有することもある。このテン
パリングタンク133の排出部は挽砕装置5に連絡され
る。以下、挽砕装置5には複数のロール機、シフター及
びピュリファイヤー等(いずれも図示せず)が適宜設け
られる。なお、挽砕装置5の1番ブレーキロール機94
用の調整タンク93には水分添加ノズル95を設ける場
合がある。
いて説明する。ただし、原料小麦の水分は13%とし、
供給量を1,000kg(乾物870kg、水分130
kg)とする。原料タンクなどから取り出された原料小
麦は、粗選機10によって大きょう雑物を除去するとと
もに、石抜機11によって小石や金属片などを取り除い
て精選される。精選処理されて異物が除去された原料小
麦は、次に、加水装置7に供給され、シャワーノズル1
4による加水を受ける。水分添加量は、麦粒表皮部から
胚乳部に浸透する程度であり、最終的に麦重量に対して
14%〜16%の含水率でよいが、説明の便宜上、本実
施例においては4%添加とする。添加水量は、麦重量に
対して4%(40kg)となるよう電磁弁16で調節さ
れ、この水分添加により麦粒の水分は約16.3%(乾
物870kg、水分170kg)となる。また、冬季な
どにあって水温が低い場合は麦粒に水分が浸透しにくい
が、ヒーター15によって水温を上昇させると水分の浸
透が容易となる。加水を施された原料小麦は、スクリュ
ー13によって撹拌・搬送される間に、しだいに表皮部
に浸透していく。そして、麦粒は揚穀機で搬送されてか
ら、調質装置4Aの飛散用羽根88によって拡散されな
がらテンパリングタンク133内へ張り込まれる。
のままの状態で少なくとも4時間放置して調質を行い、
これにより、麦の粒子内部(胚乳部)全体が均一の水分
分布状態となり、製粉特性が向上される。
対のロータリーバルブ89の回転によって受樋90内に
流出し、排出用スクリューコンベア91から精麦装置1
へ送られる。
機20の供給ホッパ36に投入され、送穀転子51によ
って精白室46に送られて摩擦精白転子44による精麦
作用を受ける。すなわち、摩擦式精麦機20の精白室4
6を400〜600m/minの周速度で回転する摩擦
精白転子44とその撹拌突起42により比較的高圧で撹
拌され、主として麦粒どうしの粒々摩擦により精麦す
る。このとき、二流体ノズル56のノズル口から中空主
軸41内に噴出する霧は、中空主軸41の周面に設けた
通気孔45を経て摩擦精白転子44内の中空部に流入
し、噴風溝43から精白室46内に噴き出され、再び麦
粒に添加することになる(麦重量に対して約0.5%の
水分添加)。これにより、麦粒の表面は加湿されて摩擦
力が増大し、麦粒表面の表皮どうしで互いに摩擦し合う
ことにより剥離作用を生じるとともに、剥離した表皮と
添加水分とによって麦粒表面はよりきれいになる。この
ように摩擦除去された糠(麩)は、噴風溝43からの噴
風により除糠精白筒40から漏出し、集糠ファン55に
よってバッグフィルタから貯留タンク(図示せず)へ搬
送される。
−ト(種皮)と呼ばれている部分の直前までの剥離を目
的としている。また、この剥離をより効率よく行なうた
めに、摩擦精麦の直前に小麦の表面への水分添加と2分
程度のテンパリングを行なうこともある。
る麦粒(精白粒)は、揚穀機35に搬送されて後段の研
削式精麦機20の供給ホッパ28に投入され、送穀転子
31によって精白室25内へ送られる。
度の周速度(例えば、400〜600m/min)で回
転する研削精白転子24周面の金剛砂により、麦粒の縦
溝部以外の表皮が微細に砕かれながら削り取られる。麦
粒の表皮部は、加水装置7の水分添加及びテンパリング
タンク133での調質により水分を保持し、軟化してい
るので研削作用が効果的に施される。また、除糠精白筒
22が6角などの多角筒状に形成されているので、角面
において撹拌作用を受け、中程度の周速度により麦粒の
周囲が均一に、細かく研削作用を施されることになる。
ここでは、麦粒のアリュ−ロン層(糊粉層)直前までの
研削を目的としている。なお、この剥離をより効率よく
行なうため、研削の直前に小麦の表面への水分添加と2
分程度のテンパリングを行なうこともある。
作用による穀温上昇の制御について説明する。まず、摩
擦式精麦機20においては、水分添加装置の流量調節弁
62の調節や集糠ファン55により発生する集糠風量の
調節により穀温の上昇を制御することが可能である。ま
た、研削式精麦機21においても、集糠風量の調節によ
り精麦による穀温上昇を制御することができる。これら
の制御は、精白室25、46あるいは排出口27、48
等に温度センサ−(図示せず)を設け、該温度 センサー
と風量調節弁(図示せず)や摩擦式精麦機20に見られ
る水分添加装置との連動により容易に実現できるもので
あり、本実施例においてはその詳細は省略する。
押圧蓋30に抗して吐出する麦粒は、次に、調質装置4
Bのテンパリングタンク133に投入されるのである
が、前記精麦装置1を通過することにより35〜45℃
に温度上昇した麦粒は、そのままテンパリングタンク1
33内に貯留される。これにより、精麦で変化した麦粒
内胚乳部のタンパク質の性質、つまり、小麦の抗張力を
増加するとともに伸展性を減少させ、製パン性が向上し
た性質を調質装置4Bにおいて保持し、精麦後30分以
内に挽砕装置5の調整タンク93内に投入される。精麦
後30分以内に挽砕装置5に投入するようにしたのは、
30分を経過すると、タンパク質の性質の再変と製粉性
の低下を招き、製パン性に悪影響を及ぼすからである。
したがって、精麦後の麦粒を必ず調質装置4Bに貯留す
る必要はなく、可能であれば、精麦後直ちに挽砕装置5
に投入してもよい。
は省略するが、各種のブレーキロール機で逐次、段階的
に原料小麦を挽(ひ)き割って粗粒としての胚乳部を取
り出し、各種シフターによって分級するとともに、ピュ
リファイヤーによって精選・純化して上がり粉を抽出す
る。
の加水量を麦重量に対して4%としているが、加水量は
これに限られず種々に組み合わせることが可能である。
また、精麦装置1の形態は種々に組み合わせてもよい。
設けて、精麦によって麦粒の縦溝部に入り込んだ麩粉を
洗浄して除去するとともに、精麦後の麦粒の水分を、挽
砕に適した高水分(たとえば17%)に再度加水保持す
ることもある。また、比較的高温に保持された麦粒温度
を、強制的に下げることを目的として設けることもあ
る。
と精麦後の穀温保持の限界時間とについて、試験結果に
基づいて以下に説明する。精麦時における穀温上昇の制
御について以下の試験を行った。
ては、精麦装置1から排出される精白麦の穀温を、30
℃から50℃まで5℃おきに制御したときに得られる精
白麦をそれぞれ挽砕し、それぞれの小麦粉によって製パ
ン試験を行った。表1にその結果を示した。
0、35、40、45、50℃の5種類に設定し、精白
麦の穀温がそれぞれの穀温になるよう精麦装置1の精麦
作用を制御した。それぞれの温度において得られた小麦
を挽砕ふるい分けし製パン用の小麦粉とした。
ンダ−試験結果等を参考にして、パン生地(ドウ)が同
じ状態になるよう調整する。製パン試験の判定はSV値
(Specific Volume)で比較して行っ
た。
されることから、該当するSV値が5以上のものは表1
から明らかなように、精麦作用を受けた時の穀温の範囲
が35℃から45℃の間となる。穀温が35℃を下回る
とSV値は4.73(30℃)であり、一方、穀温が4
5℃を超えるとSV値は4.63(50℃)である。通
常、SV値に0.1以上の差があると外観に大きな差を
生じるだけに、その差は歴然としている。ちなみに、精
麦後の穀温が40℃になるよう制御したときのSV値が
一番大きい値を示している。
胚乳部のタンパク質の性質を変えるに至らない、つま
り、タンパク質が熱酸化するに至らないということであ
り、逆に、45℃を超えると過剰に変化していまい、製
パン性には適さないタンパク質の性質となってしまうの
である。
ては、前記試験を踏まえて、精麦装置1から排出される
精白麦の穀温が40℃となるように精麦装置を制御し、
精麦後もその穀温を保持するよう複数の保温時間を設
け、その後、精白麦をそれぞれ挽砕し、それぞれの小麦
粉によって製パン試験を行った。表2にその結果を示し
た。
℃になるよう精麦装置1の精麦作用を制御した。その
後、この精白麦を5分、30分、60分それぞれ経過し
た後、小麦を挽砕ふるい分けして製パン用の小麦粉とし
た。
ンダ−試験結果等を参考にして、パン生地(ドウ)が同
じ状態になるよう調整する。製パン試験の判定はSV値
(Specific Volume)で比較して行っ
た。
されることから、該当するSV値が5以上のものは表2
から明らかなように、精麦作用を受けた後の経過時間が
30分以内となる。この時間が30分を超えるとSV値
は4.69(60分)である。通常、SV値に0.1以
上の差があると外観に大きな差を生じるだけに、その差
は歴然としている。ちなみに、精麦後の経過時間が長く
なればなるほどSV値は下がる傾向を示している。精麦
後に長時間経過して挽砕すると、精麦時の穀温上昇と、
精麦による外皮物質の剥離除去とにより、小麦の水分は
時間経過とともに飛散し、減少していく。そして、結果
的には製粉性の低下と損傷でん粉の発生を招くことにな
る。したがって、精麦から次の挽砕工程までは30分以
内に処理されるべきであり、この時間内であれば製パン
性への影響は避けることができる。
受けて排出される精白麦の穀温を、任意の温度に制御す
ることにより、精麦と同時に、その上昇する穀温によっ
て、小麦の胚乳部に含まれるタンパク質の変化をコント
ロ−ルすることができる。また、その精白麦を30分以
内に挽砕ふるい分けすることにより、タンパク質の変質
を招いたり、水分の飛散による製粉特性の低下を招いた
りすることもなくなった。
率にばらつきのある原料小麦を、加水により14〜16
%水分とし、加水後少なくとも4時間放置することによ
って麦粒内部まで水分を均一に浸透させ、原料小麦間の
水分むらをなくした後に精麦するので、精麦工程での精
麦と同時にその穀温上昇によって胚乳部のタンパク質に
精麦熱による酸化作用が加えられて変化し、その結果、
従来のコンディショニングによる熱調湿と同じ効果であ
る小麦粉生地の抗張力を増加させるとともに伸展性を減
少させて、小麦の製パン性の向上を実現することができ
る。
の温度を、タンパク質の変化に適した35乃至45℃に
制御するので、小麦の精麦により小麦粉に不要な外皮物
質の除去と同時に、小麦に合わせたタンパク質の性質の
変化が効果的に行われる。
入するようにしたので、不必要に小麦の変質や製粉性の
低下を招くことがない。
破断の拡大正面図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 精選された小麦の外皮物質を剥離除去し
て得られる精白麦を挽砕ふるい分けして小麦粉を生産す
る方法であって、原料小麦に対して加水後の含水率が1
4乃至16%となるよう加水し、加水後の小麦に対して
少なくとも4時間のテンパリングを行い、該テンパリン
グした小麦の外皮物質を剥離除去する精麦作用の制御に
よって穀温を35乃至45℃となすとともに、該精麦後
30分以内に挽砕ふるい分けすることを特徴とする小麦
粉の生産方法。
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