JPH07102334B2 - 湿式製粉方法及びその装置 - Google Patents

湿式製粉方法及びその装置

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JPH07102334B2
JPH07102334B2 JP10485388A JP10485388A JPH07102334B2 JP H07102334 B2 JPH07102334 B2 JP H07102334B2 JP 10485388 A JP10485388 A JP 10485388A JP 10485388 A JP10485388 A JP 10485388A JP H07102334 B2 JPH07102334 B2 JP H07102334B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は小麦等の製粉に係り、特に湿式製粉方法及び
その装置に関する。
〔従来の技術〕
製粉とは小麦等を挽(ひ)き砕いて、製品となる胚乳部
(重量換算約84.0%)と、胚乳部の外側に数層からなる
皮部(同13.5%)及び胚芽(同2.5%)とを分別しなが
ら、灰分(不良成分)を多く含む皮部の混在がないよ
う、胚乳部粉を粉末状で採取することであるが、胚乳部
と皮部とを完全に分離することは非常に困難であり、皮
部の混入の比較的少ない製品の採取率(歩留り)は通常
75%程度である。
ところで、挽砕効率を上げ、歩留りを向上させるため、
通常、製粉の前処理として原麦の含水率(11〜13%)を
挽砕最適水分である15〜16%に上昇させるため、加水及
び調質(ねかし)が行われる。すなわち、精選を終えた
原粒となる麦粒(以下「原麦」という)の洗浄を兼ねて
ウォッシャーによる加水を行うとともに、原料タンク内
に張り込み、室温で24〜48時間、いわゆるねかしを行う
ことによって水分を小麦内部へゆっくり浸透させる(テ
ンパリング)。こうして水分調整した麦粒は、さらに製
粉性及び二次加工性の向上のための加熱調質工程等(コ
ンディショニング)を経て、挽砕工程に入る前に再び加
水を施すことが行われている。
〔発明が解決しようとする問題点) このように、挽砕前に調質を行うことにより、胚乳部を
柔かくし、皮部を強靭(じん)にして皮部の損傷を防ぐ
とともに、皮部を胚乳部から剥(はく)離しやすくなる
のであるが、挽砕工程において、幾度となくロールによ
って破砕及び粉砕され、かつ、シフター(ふるい)及び
ピューリファィヤー(風選式純化装置)を何回も通過す
る間に、胚乳部及び皮部からしだいに水分が放出され、
前記テンパリング及びコンディショニングといった挽砕
前工程での加水効果が薄れる。その結果、胚乳部から皮
部の剥離が悪くなるとともに、皮部が細かく損傷されて
胚乳部との分離が不完全となり、製品価値を下げる、と
いう問題点があった。
本発明はこの点を解消しようとするものであり、効率的
な湿式製粉方法及びその装置を提供することを技術的課
題とする。
〔問題点を解決するための手段〕
前記問題点を解決するため、本発明の湿式製粉方法は挽
砕工程中の挽砕物に対して加湿を施すものであり、挽砕
に供する原麦は精麦されたものであると効果的である。
精麦方法としては、研削式精麦によって原麦の表皮を研
削した後、加湿精麦することにより、麦粒表面を研磨し
てもよく、あるいは、摩擦式精麦によって原麦の表面を
はぎ取った後、研削することもできる。
また、加水を施した後、精麦し、さらに調質した原麦を
挽砕してもよい。
そして、前記湿式設粉方法を実施するための装置として
は、粉砕ロール機、粉砕ロール機に付帯するシアター、
ピュリファイヤー、粉砕ロール機及び粉砕ロール機に付
帯するシフターからなり、破砕ロール機、粉砕ロール機
若しくは破砕ロール機と粉砕ロール機とに直接に又はそ
れらに至る流路中に、挽砕物に対する加湿装置を設けた
ものであり、破砕ロール機の前工程には除糠精白筒に精
白転子を内装して精白室を形成した精麦装置を設けると
効果的である。
精麦装置としては、研削式精麦機と加湿精麦機とからな
るもの、あるいは、摩擦式精麦機と研削式精麦機とを組
み合わせたものがある。
また、1番ブレーキングとしての破砕ロール機の前工程
には加水装置、精麦装置及び調質装置を順に連設して設
けることができる。
さらに、加湿装置は超音波振動素子を備えたものである
もの、あるいは2流体ノズルからなる加湿装置としても
よい。
〔作 用〕
上記のように構成された湿式製粉方法又は湿式製粉装置
においては、以下の働きがある。
破砕ロール機で逐次、段階的に原麦を挽き割って粗粒と
しての胚乳部を取り出し、胚乳粒子は破砕ロール機に付
帯するシフターによって大きさ別に分級され、さらに、
ピュリファイヤーによって胚乳粒子だけを精選純化され
た後、粉砕ロール機によって粉砕するとともに、粉砕ロ
ール機に付帯するシフターによって上り粉を抽出するの
であるが、粉砕ロール機、粉砕ロール機若しくは粉砕ロ
ール機と破砕ロール機とに直接に又はそれらに至る流路
中にあって、超音波振動素子又は2流体ノズルを備えた
加湿装置により挽砕物が加湿され、幾段ものロール機、
シフター及びピュリファイヤーを通過する間に失われる
水分を補うように働く。
粉砕ロールの前工程に設けた精白機によって原麦の腹面
の縦溝以外の皮部が剥離され、その後、破砕ロール機、
シフター、ピュリファイヤー、粉砕ロール機及びこれに
付帯したシフターによって破砕、分級、及び縦溝の皮部
の除去を行うとともに粉砕して上り粉が抽出される。
精麦が研削式と加湿精麦とを連座した場合は、比較的高
速に回転する研削精白転子周面の金剛砂の小切刃に原麦
が接触し、主に衝撃作用により原麦の皮部が極めて微細
に砕かれながら削り取られた後、加湿制度により麦粒表
面に付着又は残留する皮部(糠)を軟質化するととも
に、水分と共に除去する。
精麦が摩擦式と研削式とを連座した場合は、比較的高圧
状の精白室内において、精白転子の攪拌突起による攪拌
作用による粒々摩擦によって、場粒表面の硬い毛茸(も
うじょう)等を取り除いた後、研削精白転子による衝撃
作用によって皮部を削り取るように働く。
また、加水処理して皮部が軟質化した原麦は、精麦によ
って水分と共に皮部が取り除かれ、さらに、調質によっ
て水分を製粉に最適で、かつ均一な粒内分布状態とされ
た後、前記同様、各ロール機、これらに付帯するシフタ
ー及びピュリファイヤーによって上り粉が抽出される。
〔発明の実施例〕
以下、本発明の好適な実施例を図面に基づいて説明す
る。第1図において、挽砕前処理工程1は加水装置、、
精麦装置4及び調質装置5から構成されており、加水装
置3から順に説明する。加水装置(ダンプナー)3は、
供給口6及び排出口7を有するトラフ8、トラフ8内に
横架したスクリュー9並びにトラフ8に付設した水分添
加10からなり、水分添加部10には水槽11に連結した噴水
ノズル12が設けられ、トラフ8内の原麦に対して加水を
行うよう形成される。また、水槽11から噴水ノズル12に
至る水路には流量を調節可能な電磁弁13、及び供給され
る水を加温するヒーター14を介在させる。
次に、精麦装置4であるが(第3図参照)、精麦装置4
と加水装置3とは揚穀機15によって連結される。本実施
例の精麦装置4は研削式精麦機16と加湿精麦機17とから
なり、まず、研削式精麦機16について説明する。研削式
精麦機16は、多孔壁からなる除糠精白筒18内を貫通する
主軸19を回動自在に横設するとともに、主軸19には、表
面を金剛砂で形成した研削精白転子(ミリングロール)
20を軸着し、研削精白転子20と除糠精白筒18となす間隙
を精白室21に形成する。この精白室21の一側部には供給
口22を、他側部には排出口23を各々設け、供給口22の上
方には供給ホッパー24を設けるとともに、排出口23には
分銅25で付勢された押圧蓋26を設け、また、供給口22付
近には、表面に螺旋翼を形成した送穀転子(フィードロ
ール)27を主軸19に軸着して回転自在に設ける。さら
に、除糠精白筒18の周面を集糠室28となすとともに、集
糠室28の下部は集糠ホッパー29を介して集糠ダクト30に
連結される。集糠ダクト30は図外のバッグフイルター及
びファンに接続される。
前記研削式精麦機16の排出口23に設けた排出樋は、揚穀
機31を介して加湿精麦機17の供給ホッパー32に連絡され
る。この加湿精麦機17は、多孔壁からなり、かつ、6角
筒などの多角状に形成された除糠精白筒33内を貫通する
中空主軸34を回転自在に横設するとともに、一端を開口
した中空主軸34には、表面のほぼ長手方向に形成した攪
拌突起35及びこの攪拌突起35に沿って穿設した噴風溝
(スリット)36を備えた摩擦精白転子37を軸着する。摩
擦精白転子37は中空状となし、摩擦精白転子37内の中空
軸34周面には通気孔38が多数設けられる。また、摩擦精
白転子37と除糠精白筒33との間隙を精白室39となし、精
白室39の一側部には供給口40を、他側部には排出口41を
各々設け、供給口40の上方には供給ホッパー32を設ける
とともに、排出口41には分銅42で付勢された押圧蓋43を
設ける。供給口40付近には、表面に螺旋翼を形成した送
穀転子44を中空主軸34に軸着して回転自在に設けるとと
もに、除糠精白筒33の周面には集糠室45を形成し、集糠
室45の下部は集糠ホッパー46を介して集糠ダクト47及び
集糠ファン48に連絡される。
次に、加湿精麦機17における水分添加装置について説明
する。中空主軸34の開口端には二流体ノズル49のノズル
口を臨ませ、一端を二流体ノズル49に接続された送風管
50はエヤーフィルター51を介して空気圧縮機52に連結さ
れ、同じく、二流体ノズル49に一端を接続した送水管57
は、電磁弁53、流量計54及び流量調節弁55を介して水タ
ンク56に連結される。
加湿精麦機17の排出口41に設けた排出樋は、揚穀機57を
介して調質装置5に接続される。調質装置5について次
に述べる。本実施例において調質(コンディショニン
グ)とは広義の調質をいい、冷調質を含む概念である。
冷調質は通常、テンパリングと呼ばれ、加水装置3等に
よって加水された原麦をテンパリングビン(図示せず)
中において室温状態で高水分化するものであり(ねか
し)、これにより製粉性を向上させる。一方、狭義の調
質には温調質、熱調質又はスタビライザー調質があり、
原麦の水分が20%を越すような高水粉の場合は乾燥を行
うことも、ここでいう調質に含まれるものであり、つま
り、調質とは、原麦の水分その他の物理的・化学的性質
を挽砕、特に最初に原麦が供給されるロール機での粉砕
に最適な状態とするための処理工程をいう。
次に、挽砕工程2について説明する。まず、破砕ロール
機であるが、破砕ロール機は5段階、すなわち破砕ロー
ル機60A〜60Eから成り、これをブレーキング工程と称し
て破砕ロール機60A〜60Eを順に1番ブレーキ(1B)、2
番ブレーキ(2B)…、5番ブレーキ(5B)といい、破砕
ロール機60A〜60Eの各ブレーキロール60aは表面に鋸
(きょ)歯状の歯型が目立てされ、その歯数、歯型、歯
型の組合わせ及び歯の捩り角はブレーキング工程の各段
階で異なり、それぞれ対向異速回転するよう形成され
る。また、通常は一対のブレーキロール60aを2組組み
合わせて形成した複合ロール式の破砕ロール機60A〜60E
が用いられ(第2図参照)、ブレーキロール13の上方に
は供給口61を、同下方には排出口62を形成し、供給口61
にはブレーキロール60aの間げきに原料を均等に供給す
るフィードロール63が配設される。
破砕ロール機60A〜60Eの各供給口61には、麦粒あるいは
麦粒の破砕物(以下「ストック」という)を流下する供
給樋64A〜64Eが連結され、各供給樋64A〜64Eには麦粒又
はストックへ水分添加するための加湿装置が付設され
る。すなわち、一端を空気圧縮機(図示せず)へ接続し
た送風管65と、一端を水槽(図示せず)へ接続した送水
管65とを連結した2流体式の噴霧ノズル67A〜67E(第3
図中の加湿精麦機17における水分添加装置を参照)の各
ノズル口を供給樋64A〜64E内にそれぞれ臨ませてある。
破砕ロール機60A〜60Eの各排出口62と、破砕ロール機60
A〜60Eの各上方に設けたサイクロンコレクター68A〜68E
の入口とは空気輸送管としての上送管69A〜69Eによって
接続される。また、サイクロンコレクター68A〜68Eの下
端ホッパー部には回転式のエアロックバルブ70を各々装
着するとともに、サイクロンコレクター68A〜68Eの各内
筒の上端部は集塵ダクト71によって集塵ファン72AK入口
に接続される。そして、この集塵ファン72Aの吐出口は
バッグフィルター73Aに連結してある。
サイクロンコレクター68A〜68Eの各下方には、破砕ロー
ル機60A〜60Eによって破砕されたストックのふるい分け
を行うブレーキシフター74A〜74Eが配設され、順に1番
ブレーキシフター(1BS)…5番ブレーキシフター(5B
S)と呼ぶ。そして、1番ブレーキシフター74A及び2番
ブレーキシフター74Bには上段から順に、メッシュの小
さい粗金網75、メッシュの大きい細金網76、中細紗77及
び絹78の各ふるいが載設され、3番ブレーキシフター74
Cには中位のメッシュの中金網79、メッシュの大きい細
紗80及び絹78の各ふるいが載設され、4番ブレーキシフ
ター74Dには細金網76の下段に絹78が載設され、5番ブ
レーキシフター74Eには同様に細金網76、細紗80及び絹7
8が順次載設される。
以上がいわゆる、ブレーキング工程及び該ブレーキング
工程に付帯するブレーキシフター74A〜74Eからなるグレ
ーヂング工程であるが、これらの下方には、胚乳粒子と
皮部粒子との混在するストック中から胚乳粒子をより分
ける(純化する)ためのピュリフィケーション工程が設
けられる。すなわち、ふるいによる選別と風力選別とを
併用するピュリフィケーション工程は、ピュリファイヤ
ー81A〜81Dらなり、ピュリファイヤー81A〜81D底部には
各々供給部側から1番口82、2番口83及びオーバー口84
が設けられ、ピュリファイヤー81Aには比較的メッシュ
の小さい粗目ふるい85が、ピュリファイヤー81Dには比
較的メッシュの大きい細目ふるい86が、そしてピュリフ
ァイヤー81B及び同81Cには中目ふるい87が各々張設され
るとともに、前記ふるい85〜87は各々4つに区分され、
供給部側からオーバー口84に向けて順次目幅を大きく形
成してある。また、前記各ふるい85〜87はオーバー口84
側が低くなるよう3〜4゜傾斜してある。
次に、前記ピュリフィケーション工程の下方に設けられ
るレダクション工程について説明する。レダクション工
程には、対向異速回転する一対の滑面のスムースロール
88aを備えた粉砕ロール機88A〜88Gが設けられ(破砕ロ
ール機60A〜60Eとほぼ同様であるので、詳細は省略す
る)、各粉砕ロール機88A〜88Gの上方にはサイクロンコ
レクター89A〜89Gが設けられ、粉砕ロール機88A〜88Gの
各排出部とサイクロンコレクター89A〜89Gの入口とは上
送管90A〜90Gによって連結され、さらにサイクロンコレ
クター89A〜89Gの各内筒上端部は集塵ダクト91によって
集塵ファン72Bの入口に接続してある。そして、集塵フ
ァン72Bの吐出口はバックフィルター73Bに連結される。
ところで、レダクション工程においては上り粉を抽出す
ることが主目的であり、前述のピューリフィケーション
工程等から送られてくる純化された中間製品としてのス
トック(=セモリナ)を粉砕ロール機88A〜88C(これを
サイジングロール1SR〜3SRという)によって粉化して約
60μ以下の細かいストック(=ミドリングス)にするサ
イジング工程と、該サイジング工程で粉砕しやすくなっ
たミドリングスをさらに粉砕ロール機88D〜88G(これを
ミドリングロール1MR〜4MRという)によって粉にするミ
ドリング工程とから構成され(なお、サイジング工程の
最後段である粉砕ロール機88Cを特にテーリングロールT
Rと称す)、各粉砕ロール機88A〜88Gに付帯するシフタ
ーもサイジングシフター(SS)、テーリングシフター
(TS)及びミドリングシフター(MS)と称される。すな
わち、サイクロンコレクター89A〜89Bの下方にはエヤロ
ックバルブ92を介してサイジングシフター93A(1SS)及
び同93B(2SS)が、サイクロンコレクター89Cの下方に
はエヤロックバルブ92を介してテーリングシフター94
(TS)が、サイクロンコレクター89D〜89Gの下方にはエ
ヤロックバルブ92を介してミドリングシフター95A〜95D
(1MS〜4MS)が各々設けられる。そして、サイジングシ
フター93A及び同93Bには上段から細金網75、細紗76及び
絹78の各ふるいが載設され、テーリングシフター94には
粗紗96、細紗80及び絹78の各ふるいが載設され、ミドリ
ングシフター95A(1MS)には中粗紗97及び絹78が、同95
B(2MS)には中細紗77及び絹78が、同95C(3MS)には細
紗80及び絹78が、同95D(4MS)には絹78の各ふるいが張
設される。また、テーリング工程と呼ばれる粉砕ロール
機88Cには、送風管65及び送風管66と連結した噴霧ノズ
ル67Fを設けてある(第2図参照)。
ブレーキング工程及びレダクション工程の最後部には、
ストック中から圧ぺんされた大形の皮部(麩)を取り出
すため、金網円筒の中にブラシを回転自在に設けてなる
ブランダスター98A,98Bが設けられる。そして、その上
方にはブランダスター98A,98Bで麩を除去したストック
をさらに選別するダストシフター99が設けられ、ダスト
シフター99には細紗80及び絹78のふるいが載設してあ
る。また、ブランダスター98A,98Bとダスタシフター99
とを接続するため、エアロックバルブ70付きのサイクロ
ンコレクター68F及び上送管69Fが配設される。
次に、上記実施例における具体的作動につき、挽砕前処
理工程1から順に説明する。国内において標準的な水分
である13〜14%の原麦(異物等を除去して精選されたも
の)を、加水装置3の供給口6から投入するとともに、
噴水ノズル12から加水を行うと、トラフ8内の麦粒はス
クリュー9によって撹拌されながら搬送される間に、噴
水ノズル12からの加水を受ける。撹拌されながら加水を
受けた麦粒は、水分が皮部に吸水されて皮部を軟質化さ
せる。この水分添加部10における水分添加量は、例えば
フローメータ(図示せず)を設け、麦粒の流量に応じて
可変するよう形成するとよい。また、ヒーター14によっ
て添加水の温度を上げることで、より吸水効果を上昇さ
せることもある。
こうして、加水装置3によって皮部だけが軟質化した麦
粒は、揚穀機15で搬送されて精麦装置4に移送される。
精麦装置4においては、まず、研削式精麦機16の供給ホ
ッパー24に投入され、送穀転子27によって精白室21に送
られて研削精白転子20による精白作用を受ける。すなわ
ち、比較的大きな周速度(例えば600mm/min以上)で回
転する研削精白転子20周面の金剛砂により、縦溝以外の
麦粒の皮部が微細に砕かれながら削り取られる。そし
て、精白室21から押圧蓋26に抗して吐出する麦粒は、揚
穀機31に搬送されて加湿精麦機17の供給ホッパー32に投
入され、送穀転子44によって精白室39内へ送られる。精
白室39は比較的高圧(例えば平均圧力200g/cm2以上)と
なし、前記研削式精麦機16の研削精白転子20の約半分以
下の周速度で回転する摩擦精白転子37の攪拌突起35によ
り、麦粒どうしの粒々摩擦を生じる。このとき、二流体
ノズル49のノズル口から中空主軸34内に噴出する霧は、
中空主軸34の周面に設けた通気孔38を経て摩擦精白転子
37内中空部に流入し、噴風溝36から精白室39内に噴き出
され、これにより、麦粒の表面は加湿されて摩擦力が増
大し、表面に残留または付着する糠が一掃されるととも
に研磨作用を生じる。添加された水分は、噴風溝35から
の噴風により、糠と共に除糠精白筒33から漏出する。
加湿精麦機17の排出口41から吐出する麦粒(精白麦)
は、次に、揚穀機57に搬送されて調質装置5に移送され
る。調質装置55においては、麦粒を加湿装置(図示せ
ず)によって加湿し、テンパリングタンク等に張り込ん
で24〜48時間の「ねかし」を行い、麦粒内層まで水分の
均質化を図る。なお、前述したように、ここでは温調質
又は熱調質を含めて、1番ブレーキングに最も適した水
分である15〜16%とするものである。
調質装置5において調質された麦粒は、ブレーキング工
程の破砕ロール機60A(1B)に至る搬送路である供給樋6
4Aにおいて、噴霧ノズル67Aからの霧状の水分添加を施
され、30分〜2時間経過後、すなわち胚乳部内層まで水
分が浸透した時点で1番ブレーキングである破砕ロール
機60Aのブレーキロールにかけられ、麦粒は大きく展開
するように砕れる。このとき、16%程度に加水された麦
粒は、縦溝(皮部)が強靭化するとともに胚乳部が柔か
くなっているので、縦溝が細かく砕けることがなく、か
つ、比較的低圧力で胚乳部が砕かれる。こうして砕れた
ストックは、上送管69Aによって空気搬送され、サイク
ロンコレクター68Aによって空気と分離され、エヤロッ
クバルブ70を経て1番目のブレーキシフター74Aに供給
される。
1番目のブレーキシフター74Aではその振動により、胚
乳粒子そのもの、皮部の付着している胚乳粒子及び皮部
の細片等が混在する素粒子群(セモリナ)並びに中間粒
子群(ミドリングス)並びに細粒子群(ダンスト)並び
に製品としての上り粉(ブレーキ粉)等にグレーヂング
されるのであるが、最上段の粗金網75上に残ったストッ
ク(オーバーと称す)は、供給樋64Bを流下して破砕ロ
ール機60Bに供給され、2番ブレーキングが行われる。
この際、供給樋64Bにおいては、噴霧ノズル67Bからの霧
状の水分が供給されており、供給樋64Bを流下する前記
ストックをわずかに加湿し、破砕ロール機60A、上送管6
9A、サイクロンコレクター68A及びブレーキシフター74A
において失われた水分を補う。。
水分を補充されて再び16%程度になったストックは、破
砕ロール機60Bにおいて2番ブレーキングが行われ、上
送管69B及びサイクロンコレクター68Bを経てブレーキシ
フター(2BS)74Bに供給される。このブレーキシフター
74Bは前記ブレーキシフター(1BS)74Aと同じ構成であ
り、最上段の粗金網75上のストックはオーバーとして次
の破砕ロール機60Cに送られ、その下段の各細金網76上
のストック(コースセモリナと称す)は共にピューリフ
ァイ(純化)するためにピュリファイヤー81A(1P)に
送られ、その下段の各中細紗77上のストック(ファイン
セモリナと称す)は同様にピューリファイヤー(2P)81
Bに送られ、最下段の各絹78上のストック(コースミド
リングスと称す)はサイジング工程の粉砕ロール機88A
(1SR)に送られ、一方、各絹78のふるいをパスしたも
のは上り粉として抽出される。
前記ブレーキシフター74B(2BS)最上段の粗金網75上に
残ったストックは、供給樋64Cを流下して破砕ロール機6
0Cに投入され、3番ブレーキングを行うのであるが、こ
の供給樋64Cを流下するストックも噴霧ノズル67Cによる
加湿作用を受け、2番ブレーキング及び2番ブレーキシ
フターで失った水分を補い、16%程度の含水率で1番、
2番ブレーキングと同様に、皮部をいたずらに細分化す
ることなく効率的に開き割り、セモリナを製造する。
3番ブレーキングによって生成されたストックは、上送
管69Cによってサイクロンコレクター68Cに揚送され、エ
ヤーロックバルブ70を介してブレーキシフター74Cに供
給される。ブレーキシフター74Cでは、最上段の中金網7
9上のストックは4番ブレーキングに送られ、中段の細
紗80上のストックはサイジング工程の粉砕ロール機88B
(2SR)に送られ、最下段の絹78上のストックはテーリ
ング工程である粉砕ロール機90Cに送られ、最下段の絹7
8をパスしたものは上り粉となる。
3番目のブレーキシフター74C(3BS)の最上段の中金網
79上に残った皮部の多いストックは、供給樋64Dを流下
し、噴霧ノズル67Dによる加湿を施されて水分を補充
し、皮部を強靭にした後に4番ブレーキングである破砕
ロール機60Dに投入される。4番以降のブレーキングに
おいては、主として皮部の内側に残留する胚乳部の剥離
が行われ、破砕ロール機60D(4BR)を通過したストック
は、上送管69D及びサイクロンコレクター68Dを経てブレ
ーキシフター74D(4BS)に供給される。ブレーキシフタ
ー74Dの上段の細金網76上のストックは次のブレーキン
グに送られ、絹78上のストックはミドリング工程の最終
の粉砕ロール機(4MR)88Gに送られ、絹78をパスしたも
のは上り粉として抽出される。
4番目のブレーキシフター74D(4BS)の上段の細金網76
上のストックは、供給樋64Eを流下する間に噴霧ノズル7
4Eによる加湿作用を受け、前段のブレーキングで失われ
た水分の補充を受けた後、破砕ロール機60E(5BR)によ
って、皮部の内側に残留する胚乳部の剥離を行う。破砕
ロール機60Eを通過したストックは、上送管69E及びサイ
クロンコレクター68Eを経て最終のブレーキシフター74E
(5BS)に供給される。ブレーキシフター74Eの上段の細
金網76及び中段の細紗80上のストック又はブランダスタ
ー98Aに送られ、ブラシと金網との間で摩擦を受け、皮
部から剥脱した胚乳部の粒子をダストシフター99に送る
とともに胚乳部を取り除いた皮部は麩として機外に取り
出し、絹78上のストックは、ブレーキシフター74D(4B
S)の絹78上のストックと共にミドリング工程の最終粉
砕ロール機90G(4MR)に送り、絹78をパスしたものは上
り粉として抽出する。
ブランダスター98A,98Bから上送管69F及びサイクロンコ
レクター68Fを経てダストシフター99に供給された胚乳
部の粒子の内、細紗80及び絹78をパスして上り粉として
抽出されるもの以外は麩として機外に除去される。
次に、ピュリフィケーション工程及びレダクション工程
について説明する。ブレーキシフター74A(1BS)及びブ
レーキシフター74B(2BS)の各細金網76上からピューリ
ファイヤー81A(1P)に送られるコースセモリナは、前
後方向のわずかな振動及び粗目ふるい85の下方からの気
流による輸送作用によって流動層を形成するとともに比
重の大きいセモリナ粒子は下層へ沈み、比重の小さい皮
部の小片は上層に移動し(成層作用)、さらに、ふるい
の下方からの気流によって皮部の小片のみが浮き上がり
(分級作用)、粗目ふるい85の網目よりも小さいセモリ
ナ粒子は1番口82及び2番口83へ落下するというふるい
分け作用を受け、こうしてピュリファイヤー81A(1P)
の1番口82から落下するストック並びにブレーキシフタ
ー74A(1BS)及びブレーキシフター74B(2BS)の各絹78
上のストックは、サイジング工程における粉砕ロール機
88A(1SR)によって細かく粉砕される。
粉砕ロール機88A(1SR)によって粉砕されたストック
は、上送管90Aによってサイクロンコレクター89Aに揚送
され、エヤロックバルブ92を介してサイジングシフター
93A(1SS)に供給される。サイジングシフター93Aの上
段の細金網75上のストックはテーリング工程の粉砕ロー
ル機88C(TR)に送られ、同中段の細紗76上のストック
はピュリファイヤー81C(3P)に送られ、同下段の絹78
上のストックはピュリファイヤー81D(4P)に送られ、
絹78をパスしたものは上り粉として抽出される。
一方、ピュリファイヤー81B(2P)にはブレーキシフタ
ー74A(1BS)及びブレーキシフター74B(2BS)の各中細
紗77上のストック(ファインセモリナ)が供給され、ピ
ュリファイヤー81A〜81Dの各2番口83及びオーバー口84
から吐出するストック並びにブレーキシフター60C(3B
S)の細紗80上のストックは、サイジング工程の粉砕ロ
ール機88B(2SR)に送られる。粉砕ロール機88Bでは粉
砕ロール機88A(1SR)と同様に、ピユリフィケーション
されたセモリナを次のミドリング工程で粉砕しやすくす
るため、60μ以下の細かいセモリナ(ミドリングス)に
し、上送管90B及びサイクロンコレクター89Bを経てサイ
ジングシフター93B(2SS)に供給する。
サイジングシフター93Bでは、最上段の細金網75上のス
トックはサイジングシフター93A(1SS)の最上段の細金
網75上のストック及びブレーキシフター74C(3BS)の最
下段の絹78上のストックと共にテーリング工程の粉砕ロ
ール機88C(TR)に投入される。この粉砕ロール機88Cに
は噴霧ノズル67Fが設けられており、前段のサイジング
工程及び3番ブレーキシグフター74Cの絹78上から送ら
れてくる粗い皮部の多いストックに対して加湿を施しな
がら粉砕を行う。これにより、胚乳部の剥脱が容易にな
り、かつ、皮部が強靭化されるので細かく砕けることが
なく、後工程で中間の大きさの麩として取り出される。
なお、粉砕ロール機88Cには吸引ファンを設け、余分の
水分を除去するようにする場合もある。サイジングシフ
ター93Bの中断の細紗76上のストックは、ミドリング工
程の粉砕ロール機88F(3MR)に送られ、最下段の絹78上
のストックはミドリング工程の粉砕ロール機88E(2MR)
に送られ、絹31をパスしたものは上り粉として抽出され
る。
テーリング行程における粉砕ロール機41C(TR)によっ
て粉砕されたストックは、上送管90C及びサイクロンコ
レクター89Cを経てテーリングシフター94(TS)に供給
される。テーリングシフター94の上段の粗紗96上及び中
断の細紗80上のストックは、ミドリング行程の最終の粉
砕ロール機88G(4MR)に送られ、下段の絹78上のストッ
クはミドリング工程の粉砕ロール機88F(3MR)に送ら
れ、絹78をパスしたものは上り粉となる。
ミドリング工程の最初の粉砕ロール機88D(1MR)には、
ピュリファイヤー81B〜81Dの各1番口82からのストック
が供給され、粉砕される。粉砕を終えたストックは、上
送管90D及びサイクロンコレクター89Dを経てミドリング
シフター95A(1MS)に供給される。ミドリングシフター
95Aでは、上段の中粗紗97上のストックはテーリング工
程の粉砕ロール機88Cに送られ、下段の絹78上のストッ
クはサイジングシフター93B(2SS)の絹78上のストック
と共にミドリング工程の粉砕ロール機88E(2MR)に供給
され、絹78をパスしたものは上り粉となる。
前記粉砕ロール機88Eで粉砕されたストックは、上送管9
0E及びサイクロンコレクター89Eを経てミドリングシフ
ター95B(2MS)に供給され、ミドリングシフター95Bの
上段の中細紗77上のストックはテーリング工程の粉砕ロ
ール機88Cに送られ、下段の絹78上のストックは、サイ
ジングシフター93B(2SS)の中断の細紗76上のストック
及びテーリングシフター94の下段の絹78上のストックと
共にミドリング工程の粉砕ロール機88F(3MR)に投入さ
れ、絹78をパスしたものは上り粉となる。
前記粉砕ロール機88Fによって粉砕されたストックは、
上送管90F及びサイクロンコレクター89Fを経てミドリン
グシフター95C(3MS)に供給される。ミドリングシフタ
ー95Cでは、上段の細紗80上のストックはテーリング工
程の粉砕ロール機88Cに送られ、下段の絹78上のストッ
クは、テーリングシフター94の上段粗紗96上及び中断細
紗80上の各ストック並びにブレーキシフター74D(4BS)
及びブレーキシフター74E(5BS)の各下段の絹78上のス
トックと共に最終の粉砕ロール機88G(4MR)に送られ
る。
前記粉砕ロール機88Gによって粉砕されたストックは、
上送管90G及びサイクロンコレクター89Gを経て最終のミ
ドリングシフター95D(4MS)に送られ、絹78をパスした
ものを上り粉として抽出し、それ以外のストックはブラ
ンダスター98Bに送る。ブランダスター98Bでは、皮部か
ら剥脱した胚乳部の粒子を上送管69F及びサイクロンコ
レクター68Fを経てダストシフタター99に供給するとと
もに胚乳部を取り除いた皮部は麩として機外に取り出
す。ダストシフター99の上段の細紗80上及び下段の絹78
上の各ストックは麩と共に除去し、絹78をパスしたもの
を上り粉として抽出する。
なお、ミドリング工程における粉砕ロール機88D〜88G
(1MR〜4MR)の直後には、スムースロールによって押し
固められてフレークを形成したストックを解きほぐす補
助粉砕機を設ける場合がある。また、加湿装置としては
2流体式の噴霧ノズル67A〜67Fに限られず、例えば第2
図に示すように、水タンク101に連結するとともに超音
波振動素子102を内蔵した霧発生器103をファン104の入
口に接続するとともにファン104の吐出口を各ロール機
への供給樋又はロール機自体に接続し、挽砕物に対して
微粒子の水分を添加するように形成してもよい。
次に、第4図に基づき、精麦装置4の別の実施例につい
て説明する。この場合の精麦装置4は、摩擦式精麦機10
5と、前述した研削式精麦機16とを揚穀機106によって連
座したものであり、摩擦式精麦機105は揚穀機15によっ
て、前工程の加水装置3と連結される。摩擦式精麦機10
5は、多孔壁からなる除糠精白筒107内を貫通する主軸10
8を回転自在に横設し、主軸108には、複数の攪拌突起10
9を形成した摩擦精白転子110を軸着する。そして、摩擦
精白転子110と除糠精白筒107との間を精白室111とな
し、精白室111の一端には排出口112を、他端には供給口
113を臨ませ、供給口113付近には主軸108に軸着した螺
旋転子114を設けるとともに、供給口113上方には供給ホ
ッパー115を設ける。また、排出口112には、排出口112
に向けて押圧する押圧蓋116が分銅117によって付勢して
設けられ、除糠精白筒107の周囲に形成した集糠室117の
下部集糠ホッパー118となすとともに、集糠ホッパー118
は集糠ファン119に接続される。
一方の研削式製麦機116は、先の実施例と同様であるの
で、同一の符号を付して説明を省略し、以下、この実施
例における特有な作用について述べる。加水装置3によ
る加水を受けた麦粒は、揚穀機15によって摩擦式精麦機
105の供給ホッパー115に搬送され、螺旋転子114によっ
て精白室111内に送られる。精白室111内は押圧蓋116に
よって、比較的高圧状に保持され、麦粒どうしの粒々摩
擦、及び麦粒と除糠精白筒107との摩擦作用により、麦
粒表面上の硬い毛茸等が除去されるとともに表皮の一部
がはぎ取られる。
毛茸等を除去して精度しやすくなった麦粒は、揚穀機10
6によって研削式精麦機16に搬送され、研削精白転子20
による研削作用を受け、縦溝以外の表皮が除去される。
こうして精度が行われた麦粒は、先の実施例同様、調質
装置5による調質工程を経た後、挽砕工程2に移送され
る。
〔発明の効果〕
本発明の利点とするところは次のとおりである。すなわ
ち、挽砕工程の挽砕物に対して加湿を施すことにより、
挽砕工程中のロール機、搬送機及び分級装置等を挽砕物
が幾度となく通過する間に失われる水分を補充し、麦粒
が各ロール機で破砕又は粉砕されるときは、常に挽砕に
最適の水分とし、麦粒の皮部(糠)の強靭性を保持する
とともに胚乳部(でんぷん)を柔かくし、皮部が細分化
されて胚乳部中に混入することがなく、純度の高い、良
質で柔かい胚乳部を取り出して効率的に、かつ高歩留ま
りに、商品価値の高い上り粉を得ることができ、また、
各ロール機の発熱が抑制され、能率が向上する。
原麦を精麦して挽砕することにより、挽砕が非常に低負
荷で行えるとともに分級・純化が容易となり、より高品
質の上り粉となる。
精麦が研削式精麦と加湿精麦との場合は、加湿精度にお
ける研磨によって麦部表面の皮部が完全に払しょくさ
れ、一方、摩擦式精麦と研削式精麦とを組合せた場合
は、まず、摩擦式精麦によって麦粒表面の硬い毛茸が除
去されるので、その後の精麦が容易となる。
さらに、挽砕前処理工程として、加水、精麦及び調質を
行う場合は、加水により、次の精麦での皮部の剥離が容
易に行え、精麦後に再び加水して高水分化を行うことに
より、精麦で失った水分を補うとともに、麦粒内層部ま
で均一に水分の浸透を行って、胚乳部を柔かく、かつ縦
溝部の皮部に強靭性を持たせ、皮部の細分化を防いで皮
部と胚乳部との分離を容易にして、より純度の高い高品
質の上り粉を得ることができる。
挽砕物に対する加湿装置として超音波振動素子を備えた
加湿装置とした場合は、超微粒子の水分を供給すること
により、挽砕粒子全面に均一に水分添加を行える。ま
た、加湿装置は二流体ノズル式とした場合には、各ロー
ル機又は挽砕物の搬送路に容易に加湿装置を設けること
ができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明実施例の流れ線図、第2図は第1図にお
ける加湿装置の拡大断面図、第3図は第1図における精
米装置の拡大断面図、第4図は精米装置の別の実施例を
示す拡大断面図である。 1……挽砕前処理工程、2……挽砕工程、3……加水装
置、4……精麦装置、5……調質装置、6……供給口、
7……排出口、8……トラフ、9……スクリュー、10…
…水分添加部、11……タンク、12……噴水ノズル、13…
…電磁弁、14……ヒーター、15……揚穀機、16……研削
式精麦機、17……加湿精麦機、18……除糠精白筒、19…
…主軸、20……研削精白転子、21……精白室、22……供
給口、23……排出口、24……供給ホッパー、25……分
銅、26……押圧蓋、27……送穀転子、28……集糠室、29
……集糠ホッパー、30……集糠ダクト、31……揚穀機、
32……供給ホッパー、33……除糠精白筒、34……中空主
軸、35……撹拌突起、36……噴風溝、37……摩擦精白転
子、38……通気孔、39……精白室、40……供給口、41…
…排出口、42……分銅、43……押圧蓋、44……送穀転
子、45……集糠室、46……集糠ホッパー、47……集糠ダ
クト、48……集糠ファン、49……二流体ノズル、50……
送風管、51……エアーフィルター、52……空気圧縮機、
53……電磁弁、54……流量計、55……流量調節弁、56…
…水タンク、57……送水管、60A〜60E……破砕ロール
機、60a……ブレーキロール、61……供給口、62……排
出口、63……フィードロール、64A〜64E……供給樋、65
……送風管、66……送水管、67A〜67F……噴霧ノズル、
68A〜68F……サイクロンコレクター、69A〜69F……上送
管、70……エアロックバルブ、71……集塵ダクト、72A,
72B……集塵ファン、73A,73B……バックフィルター、74
A〜74E……ブレーキシフター、75……粗金網、76……細
金網、77……中細紗、78……絹、79……中金網、80……
細紗、81A〜81D……ピュリファイヤー、82……1番口、
83……2番口、84……オーバー口、85……粗目ふるい、
86……細目ふるい、87……中目ふるい、88a……スムー
ロール、88A〜88G……粉砕ロール機、89A〜89G……サイ
クロンコレクター、90A〜90G……上送管、91……集塵タ
ダクト、92……エアーロックバルブ、93A,93B……サイ
ジングシフター、94……テーリングシフター、95A〜95D
……ミドリングシフター、96……粗紗、97……中粗紗、
98A,98B……ブランダスター、99……ダストシフター、1
01……水タンク、102……超音波振動素子、103……霧発
生器、104……ファン、105……摩擦式精麦機、106……
揚穀機、107……除糠精白筒、108……主軸、109……攪
拌突起、110……摩擦精白転子、111……精白室、112…
…排出口、113……供給口、114……螺旋転子、115……
供給ホッパー、116……押圧蓋、117……集糠室、118…
…集糠ホッパー、119……集糠ファン。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】麦粒を段階的に挽砕してふるい分け、その
    皮部を除去するとともに胚乳部を取り出して粉末状で抽
    出する製粉方法であって、挽砕工程中の挽砕物に対して
    加湿を施すことを特徴とする湿式製粉方法。
  2. 【請求項2】麦粒は精麦した麦粒である請求項(1)記
    載の湿式製粉方法。
  3. 【請求項3】精麦は、研削式精麦によって表皮を研削し
    た後、加湿精麦によって研磨するものである請求項
    (2)記載の湿式製粉方法。
  4. 【請求項4】精麦は、摩擦式精麦と研削式精麦とを組み
    合わせたものである請求項(2)記載の湿式製粉方法。
  5. 【請求項5】精麦は加水を施した後、精麦し、さらに調
    質した麦粒である請求項(1)記載の湿式製粉方法。
  6. 【請求項6】麦粒を開披して胚乳部を取り出すための破
    砕ロール機と、胚乳粒子を大きさにより分級するシフタ
    ーと、胚乳粒子だけを精選純化するビュリファイヤー
    と、胚乳粒子を粉にするための粉砕ロール機及びこれに
    付帯するシフターとで構成され、前記粉砕ロール機、前
    記粉砕ロール機若しくは破砕ロール機と粉砕ロール機と
    に直接又はそれらに至る流路中に、挽砕物に対する加質
    装置を設けたことを特徴とする湿式製粉装置。
  7. 【請求項7】最初に麦粒が供給されるロール機の前工程
    には、多孔壁部を有する除糠精白筒に精白転子を内装
    し、その間隙を精白室に形成してなる精麦装置を設けた
    請求項(6)記載の湿式製粉装置。
  8. 【請求項8】精麦装置は、金剛砂からなる研削精白転子
    を備えた研削式精麦機と、精白室内の米粒を加湿するた
    めの水分添加装置を備えた加湿精麦機とから購入される
    精麦装置である請求項(6)記載の湿式製粉装置。
  9. 【請求項9】精麦装置は、精白転子の周面に攪拌突起を
    備えてなる摩擦式精麦機と、金剛砂からなる研削精白転
    子を備えた研削式精麦機とから構成される精麦装置であ
    る請求項(6)記載の湿式製粉装置。
  10. 【請求項10】最初に麦粒が供給される破砕ロール機の
    前工程には加水装置、精麦装置及び調質装置を順に連設
    してなる請求項(6)記載の湿式製粉装置。
  11. 【請求項11】挽砕物に対する加湿装置が超音波振動素
    子を備えた加湿装置である請求項(6)〜(10)のいず
    れかに記載の湿式製粉装置。
  12. 【請求項12】挽砕物に対する加湿装置が2流体ノズル
    からなる加湿装置である請求項(6)〜(10)のいずれ
    かに記載の湿式製粉装置。
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