JPH06242540A - ハロゲン化銀写真要素及びその製造方法 - Google Patents

ハロゲン化銀写真要素及びその製造方法

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JPH06242540A
JPH06242540A JP6008400A JP840094A JPH06242540A JP H06242540 A JPH06242540 A JP H06242540A JP 6008400 A JP6008400 A JP 6008400A JP 840094 A JP840094 A JP 840094A JP H06242540 A JPH06242540 A JP H06242540A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 少なくとも2つの特殊なタイプの緑色増感色
素を含む平板状ハロゲン化銀乳剤を有する写真要素及び
そのような要素の製造方法を提供する。 【構成】 該平板状ハロゲン化銀乳剤は、式Iの少なく
とも1つの緑色分光増感色素及び式IIの少なくとも1つ
の緑色分光増感色素を含有する。 【化1】 【化2】 上式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 、R6 、R8
9 、X1 、X2 、X3、X4 、X5 、M+ 及びN
+ は、明細書中に定義の通りである。該要素は、良好な
感光度、低いカブリ及び良好な保存安定性を有し、そし
て残留増感色素のレベルは低い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ハロゲン化銀写真要素
に関する。詳細には、本発明は、緑色増感色素の特別な
組み合わせを含有する平板状粒子乳剤を有するハロゲン
化銀写真要素に関する。
【0002】
【従来の技術】ハロゲン化銀写真要素は、感光性物質と
してハロゲン化銀結晶を含有する。ハロゲン化銀結晶
は、青色光に対してのみネガティブ感光度を有する。結
晶を別の波長の光に対して感光性となるようにするため
に、典型的には、分光増感色素もしくはシアニン型色素
を初めとするそのような色素の組み合わせを用いてそれ
らは着色される。これらの色素は光エネルギーを捕捉
し、そしてそれをハロゲン化銀に移動して潜像を形成せ
しめる。潜像は、感光材料が処理されるときに増幅でき
る。カラーシステムでは着色された画像色素により、そ
して黒白システムでは銀により写真感光材料に可視画像
が提供されるとはいえ、また要素の処理中に増感色素が
ほとんど除去されることが重要である。残留する増感色
素は、写真プリントの白色領域に変色及び汚染をもたら
す。
【0003】近年、写真効率における進歩は、いわゆる
平板状粒子の使用を通じて実現してきた。これらの粒子
の薄い平らな形状寸法は、同じ質量の銀についてより多
くの結晶を塗布することを許容する。この利点を用い
て、例えば、銀の総量を低減でき、又はこれらの粒子を
含有する写真要素より作製される写真の粒状性を低減で
きる。平板状粒子の別の利点は、銀の質量当たりの表面
積を増大することである。これは、銀の質量当たりの分
光増感色素の吸着量をより大きくする。このように、ハ
ロゲン化銀のネガティブ感光度の範囲を越えてより多く
の波長の光を吸収でき、更に緑色、赤色及び赤外光に対
するハロゲン化銀の感光度を増強できる。
【0004】しかしながら、容易に写真要素に平板状粒
子乳剤が使用されることはない。特に、化学増感(青色
光に対するそれらのネガティブ又は固有の応答を増強す
るために、ハロゲン化銀結晶に硫黄及び金を初めとする
不純物を添加すること)は、別の粒子型で行うよりも調
節が難しいこと、即ち、より高い写真感光度を達成する
ことは困難であることが認められている。この課題は、
色素の仕上げ(ダイ−イン−ザ−フィニッシュ,dye-in
-the-finish)として既知である技法を用いてしばしば解
決される。この技法では、化学増感剤を添加する前に、
分光増感色素が何らかの形でハロゲン化銀粒子に添加さ
れる。このように、色素は粒子の「仕上げ」を調節する
のを助け、そして応答の改良が達成される。そのような
技法は、リサーチ・ディスクロージャーI(Research D
isclosure I ) (以下本明細書で参照される)のパラグ
ラフIIIBに記載されている。
【0005】詳細には、より高い感光度は、まだ簡単に
達成されてはいない。一度、仕上げられたハロゲン化銀
粒子は写真要素に組み入れられるが、要素は、適当なス
ピード、コントラスト及びその目的とする適用のための
カブリを有するべきであり、且つこれらの性質は保存期
間中安定でなければならない。また例えば、酸素及び湿
気を初めとする環境要因に暴露される平板状粒子の表面
積が広いために、ダイ−イン−ザ−フィニッシュ技法を
用いてさえスピード及びカブリに関して安定な仕上げを
達成することは困難であることが多い。ほとんどのカラ
ー写真感光材料が赤感性、緑感性及び青感性層を有し、
そしてまた多くの黒白感光材料も緑色光に対して感光性
であるため、これは、緑色光に対して増感された平板状
乳剤の場合には特に重要である。これらの理由から、緑
色光に対して分光増感された平板状乳剤に用いるための
改良された色素及び色素の組み合わせが依然として必要
とされている。
【0006】また近年、より濃縮された処理溶液を用い
て短時間で処理できる写真感光材料を提供する必要が生
じている。処理時間がより短くなるにつれて、この処置
では、増感色素の保持により引き起こされる処理済写真
感光材料の汚染という問題が増大した。これは、平板状
乳剤では前述のように銀の質量当たりの増感色素の量が
増大するので、特に平板状乳剤を取り扱うときに生じ
る。より高レベルの増感色素とより短い処理時間の組み
合わせは、分光増感剤として有効に作用する多くの色素
が実際には使用できない程度にまで増感色素汚染をさら
に悪化させる。そのために、最適な感光度、許容される
レベルのカブリ、保存期間中の優れた安定性及び処理後
の残留色素を低レベルで提供する平板状ハロゲン化銀乳
剤用の分光増感色素もしくは色素の組み合わせがより一
層必要とされている。
【0007】最も一般的に用いられるクラスの緑色スペ
クトル領域についての分光増感剤は、オキサカルボシア
ニンクラスの色素である。それら自身により、これらの
色素は 525nm〜555nm 間の波長の光に対して良好な感光
度を提供する。またそれらの色素は別の色素と組み合わ
せて使用されている。例えば、ナフトキサゾールカルボ
シアニン色素及びベンズイミダゾールカルボシアニン色
素がオキサカルボシアニン色素と組み合わせて使用され
ている。また、イギリス特許第 1,231,079号明細書、米
国特許第 4,544,628号、同第 4,607,005号及び同第 4,7
01,405号明細書には、すべてオキサカルボシアニン色素
とベンズイミダゾールカルボシアニン色素の組み合わせ
の使用が記載されている。しかしながら、前記文献で
は、そのような平板状粒子乳剤における組み合わせを使
用していないし、又良好な感光度、低いカブリレベル、
良好な保存安定性及び処理後の低い残留色素レベルを提
供しない組み合わせを使用している。(また、EPA 1269
90には、保存性を改良された特殊なタイプのベンズイミ
ダゾール色素の組み合わせが記載されている。)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従って、良好な感光
度、低いカブリ、良好な保存安定性及び低レベルの残留
増感色素を提供し、そして化学増感処理の前に乳剤に添
加できる緑色増感色素を含む平板状ハロゲン化銀乳剤を
有する写真要素を提供することが望まれる。
【0009】
【課題を解決するための手段】数多くの実験の結果、本
発明者らは、或る非常に特殊な緑色増感色素の組み合わ
せのみが平板状ハロゲン化銀粒子乳剤を増感せしめるの
に使用できること、そして良好な感光度、低いカブリ、
良好な保存安定性及び低レベルの残留増感色素を提供
し、また化学増感処理の前に乳剤に添加できることを見
いだした。
【0010】従って、本発明は、次式Iの少なくとも1
つの緑色分光増感色素及び次式IIの少なくとも1つの緑
色分光増感色素を含有する平板状粒子ハロゲン化銀乳剤
を提供する。
【0011】
【化3】
【0012】上式中、R1 及びR2 は、同一もしくは異
なるものであり、そして置換もしくは非置換のC1又は
C2アルキル、置換もしくは非置換のC1又はC2アル
コキシ、ハロゲン、置換もしくは非置換のアミド又はカ
ルバモイル、又は置換もしくは非置換のアリールより選
ばれるが、但しR1 及びR2 が両方ともアリールである
ことはないこと並びにベンゾバック環(benzo back rin
gs)がさらに置換されていても置換されていなくてもよ
いことを条件とし、X3 は、置換もしくは非置換のC1
〜C3アルキル又はアルケニルであり、X1 及びX
2 は、酸もしくは酸塩置換C1〜C6アルキル(「C
1」、「C6」もしくは同様の語は存在する炭素原子の
数を意味するので、「C1〜C6」は炭素原子数1〜6
を意味する)又はアルケニルであり、それらはさらに置
換されていても又は置換されていなくてもよく、そして
+ は、電荷のバランスを保つために必要とされる陽イ
オンである。
【0013】
【化4】
【0014】上式中、R3 及びR4 は、同一もしくは異
なるものであり、そして置換もしくは非置換の炭素原子
数1〜4のアルキル又はアルケニルを表し、R5 及びR
6 は、同一もしくは異なるものであり、そして両方とも
強電子求引性基を表し、R8 及びR9 は、独立して水
素、ハロゲン、又は置換もしくは非置換のメチル又はエ
チル、あるいは強電子求引性基であり、X4 及びX
5 は、置換もしくは非置換のC1〜C6アルキル又はア
ルケニルであり、それらの少なくとも1つは、酸もしく
は酸塩置換基を有し、そしてN+ は、電荷のバランスを
保つために必要とされる陽イオンである。
【0015】更に本発明は、化学増感処理を行う前に、
平板状粒子ハロゲン化銀乳剤に、色素を添加せしめるこ
とを含んでなる前述のタイプの写真要素の製造方法を提
供する。
【0016】
【具体的な態様】上記式I中、好ましくはR1 及びR2
が、ハロゲン、特に塩素、又は置換もしくは非置換のア
リール(例えば、チエニル、フリル、フェニル及びピロ
リルなど)である。式I及び式IIに関して、X1
2 、X4 及びX5 についての酸もしくは酸塩置換基の
具体例としては、 -COO2 - 、スルホ基もしくは-CH2-CO-
NH-SO2-CH2- タイプの基、又は亜燐酸が挙げられる。ど
のような置換基であっても、式Iの色素はアニオン性で
あるべきであり、一方式IIのものは双極性(即ち、正味
電荷なし)又はアニオン性であってもよい。X1
2 、X4 及びX5 についての特定の具体例としては、
2−スルホエチル、3−スルホプロピル、4−スルホブ
チル、3−スルホペンチル、2−(スルホプロポキシ)
エチル及び2−スルファトエチルなどが挙げられる。既
に記載したとおり、X4 及びX5 の一方が前記タイプの
基であるべきであり、一方、他方のものは置換もしくは
非置換のC1〜C6アルキル又はアルケニル(「C
1」、「C6」もしくは同様の語は存在する炭素原子の
数を意味するので、「C1〜C6」は炭素原子数1〜6
を意味する)であってもよい。X3 については、それが
置換もしくは非置換のメチル又はエチルであることが特
に好ましい(エチル、特に非置換エチルが好ましい)。
3 及びR4 の具体例としては、特にメチル、エチル、
アリル及びブチルなどが挙げられ、それらのいずれもが
置換されていても又は置換されていなくてもよい(例え
ば、R3 もしくはR4 は2−ヒドロキシエチルもしくは
トリフルオロエチルでありうる)。
【0017】既に記載したとおり、R5 及びR6 は両方
とも強電子求引性基である。更に、R8 もしくはR9
強電子求引性基でありうるとはいえ、上記のとおりどち
らも必須であるわけではない。「強電子求引性基」と
は、少なくとも+0.30、好ましくは少なくとも+0.40、
そしてより好ましくは少なくとも+0.50であるハメット
パラシグマ定数(σp )を有するものを意味する。ハメ
ットσp 値は、AdvancedOrganic Chemistry 第3版,
J. March, (John Wiley Sons, NY; 1985)に論述されて
いる。下付き文字「p 」は、パラ位に置換基を有するも
ののσ値を測定することを表している。またσp の値
は、Hansch and Leo, Substituent Constants for Corr
elation Analysis in Chemistry & Biology, John Wile
y & Sons, NY(1979) に提供されている。適当な基とし
ては、アルコキシカルボニル、アルキルスルホニル及び
スルファモイルなどが挙げられる。強電子求引性基の特
定な具体例(それらのσp を括弧内に示す)としては、
カルバモイル(0.36)、エステル(0.45)、-CF3(0.5
4)、-SO2-NH2(0.57)、-CN (0.66)、-SOCF3(0.6
9)及び-SO2-CH3(0.72)が挙げられる。
【0018】上記式Iのバック環上に存在可能であるR
1 及びR2 以外の置換基については(「バック環」と
は、オキサゾール環と縮合したベンジル環を意味す
る)、そのような基としては、既知置換基、例えば、ハ
ロゲン(例えば、クロロ、フルオロ、ブロモ、ヨー
ド)、ヒドロキシ、C1〜C3アルコキシ(例えば、メ
トキシ、エトキシ)、置換もしくは非置換のC1〜C3
アルキル(例えば、メチル、トリフルオロメチル)、ア
ルケニル、チオアルキル(例えば、メチルチオもしくは
エチルチオ)、置換及び非置換のアリール(例えば、フ
ェニル、5−クロロフェニル、とはいえアリール基はあ
まり好ましくない)並びに当該技術分野で既知の別のも
のを挙げることができる。R1 〜R9 上の置換基として
は、ハロゲン及びヒドロキシなどを挙げることができ
る。
【0019】上記式I及びII中のM+ もしくはN+ の具
体例としては、ナトリウムイオン、カリウムイオン、ト
リエチルアンモニウムイオン及びピリジニウムイオンな
どが挙げられる。本発明の式I及び式IIの特定の色素の
具体例を以下に提供する。もちろん、これらの具体例は
式IもしくはIIの色素の範囲を限定するものではない。
Ph=フェニル、Et=エチル、Me=メチルであり、また下
記特定の色素のすべてが、酸もしくは酸塩置換基として
1 及びX2 、並びにX4 及びX5 のどちらか又は両方
に-SO3 - 、-CO2H 、-O-SO3 - もしくは -SSO3 - を有する
ことに注意されたい。
【0020】
【化5】
【0021】
【化6】
【0022】
【化7】
【0023】
【化8】
【0024】
【化9】
【0025】
【化10】
【0026】
【化11】
【0027】
【化12】
【0028】
【化13】
【0029】
【化14】
【0030】
【化15】
【0031】式I及びIIのものと類似の色素は当該技術
分野で周知である。それらは、Hamer, Cyanine Dyes a
nd Related Compounds, 1964 (出版社John Wiley & Son
s, New York, NY ) ; James, The Theory of the Phot
ographic Process 第4版,1977 ( Eastman Kodak Com
pany, Rochester, NY ) 及び米国特許出願番号第 676,9
13号明細書に論述された方法により合成できる。これら
の色素は、少なくとも1つの式Iの色素及び少なくとも
1つの式IIの色素を用いた組み合わせに使用される。式
Iの色素と式IIの色素の割合は、19:1〜1:5であ
りうるが、好ましくは9:1〜1:2である。色素は、
総量 0.1ミリモル/銀1モル〜5ミリモル/銀1モルで
使用できるが、好ましくは 0.5〜3.0 ミリモル/銀1モ
ルで使用される。色素は、ゼラチン分散物もしくは固形
粒子分散物として、水、水性酸もしくは有機溶剤への溶
液として添加できる。それらを添加する間中、乳濁状態
を維持しながらそれらをいずれかの順序で一方を添加し
た後もう一方を添加してもよく、又はそれらを両方とも
同時に別個に添加してもよく、あるいはそれらを予め混
合した後に添加してもよい。
【0032】色素の組み合わせは、緑色光に対して平板
状粒子乳剤を分光増感するために使用される。好ましく
は、化学増感剤を添加する前に、色素を乳剤に添加す
る。本明細書では、平板状粒子乳剤は、表面積のほとん
どを占める2つの実質的に平らで平行な面を、乳剤粒子
が有することを意味する。更に、乳剤粒子の総投影面積
の50パーセントを越える面積が、 0.3μm(青感性乳剤
については 0.5μm)未満の厚さを有し且つ25を越える
(好ましくは 100を越える)平均平板状性(T)を有す
る平板状粒子によって占められている。本明細書では、
「平板状性」なる語は、 T=ECD/t2 (上式中、ECDは、平板状粒子の平均等価円直径(av
erage equivalent circular diameter) をμmで示した
ものであり、そしてtは、平板状粒子の平均厚さをμm
で示したものである)として慣用が認められており、そ
の技術分野で使用される。
【0033】本発明に適する平板状粒子乳剤は、Wey 米
国特許第 4,399,215号明細書; Kofron 米国特許第 4,4
34,226号明細書; Maskasky 米国特許第 4,400,463号明
細書;及び Maskasky 米国特許第 4,713,323号明細書、
並びに許可された(allowed)米国特許出願:出願番号第
819,712号(1992年1月13日出願)、同第 820,168号
(1992年1月13日出願)、同第 762,971号(1991年9月
20日出願)、同第 763,013号(1992年1月13日出願)及
び米国特許係属出願番号第 763,030号明細書(1992年9
月20日出願)に開示されている。ハロゲン化銀の粒子径
は、写真組成物に有用であることが既知であるいずれか
の分布を有し、そして多分散もしくは単分散のどちらか
でありうる。
【0034】平板状乳剤は、いずれのハロゲン化物タイ
プ、例えば、塩化物、塩臭化物、臭化物、臭ヨウ化物も
しくは塩臭ヨウ化物であってもよいが、好ましくは構造
ヨウ化物(structured iodide)を包含する臭化銀もしく
は臭ヨウ化銀である。一般的には、ヨウ化物含有量は0
〜約20%であり、好ましくは0〜12%である。
【0035】本発明に使用しようとするハロゲン化銀粒
子は、当該技術分野で既知である方法、例えば、リサー
チ・ディスクロージャー(Research Disclosure)( Ken
nethMason Publications, Ltd., Emsworth, England) I
tem 308119, 1989年12月(以下本明細書ではリサーチ
・ディスクロージャーIと称する)及びJames, The The
ory of the Photographic Process に記載されるものに
従って調製できる。これらは、アンモニア性乳剤の調
製、中性もしくは酸性乳剤の調製及び当該技術分野で既
知の別のものを初めとする方法を包含する。一般的に
は、これらの方法は、水溶性銀塩と水溶性ハロゲン化物
塩とを保護コロイドの存在下で混合せしめること、及び
沈殿によりハロゲン化銀を生成せしめる間、温度、pAg
、pH値などを適当な値に調節することを含む。別の有
用な増感手段としては、米国特許第 4,810,626号明細書
に開示されているような迅速硫黄増感剤(DCT)又は
米国特許第 5,049,485号及び同第 5,049,484号明細書に
記載されている金錯体による増感が挙げられる。
【0036】本発明に使用しようとするハロゲン化銀
は、リサーチ・ディスクロージャーI及びそこに記載さ
れる文献に記載されているものを初めとする、当該技術
分野で既知の化合物及び技法を用いて都合良く化学増感
にかけてもよい。更に、H. Frieser ed., Die Grundlag
en Der Photographischen Prozesse mit Silberhalogen
iden, Akademische Verlagsgesellschaft, 675〜734 ペ
ージ(1968)に記載の方法も、化学増感に使用できる。
即ち、活性ゼラチンもしくは銀と反応できる硫黄を含有
する化合物(例えば、チオ硫酸塩、チオ尿素、メルカプ
ト化合物及びローダニン)を用いる硫黄増感プロセス;
還元性物質(例えば、第一錫塩、アミン、ヒドラジン誘
導体、ホルムアミジンスルフィン酸及びシラン化合物)
を用いる還元増感プロセス;貴金属化合物(例えば、周
期表の第VIII族金属の錯塩、例えば、Pt、Ir及びPdな
ど、並びに金錯塩)を用いる貴金属増感プロセスなど
を、単独で又は互いに組み合わせて適用できる。
【0037】本発明の写真要素は、典型的には、乳剤の
形でハロゲン化銀を提供する。一般的には、写真乳剤
は、写真要素の層として乳剤をコーティングするために
ベヒクルを含む。有用なベヒクルとしては、天然産物
質、例えば、タンパク質類、タンパク質誘導体類、セル
ロース誘導体類(例えば、セルロースエステル)、ゼラ
チン(例えば、アルカリ処理ゼラチン、例えば、ウシの
骨(cattle bone)もしくは獣の皮 (hide) のゼラチン、
又は酸処理ゼラチン、例えば、ブタの皮のゼラチン)、
ゼラチン誘導体類(例えば、アセチル化ゼラチン、フタ
ル化ゼラチン(phthalated gelatin) など)、並びに
サーチ・ディスクロージャーIに記載の別のものが挙げ
られる。また、ベヒクル及びベヒクルエキステンダーと
して有用なものは親水性水透過性コロイドである。これ
らは、合成ポリマー解膠剤類、キャリヤー類及び/又は
バインダー類、例えば、ポリ(ビニルアルコール)、ポ
リ(ビニルラクタム)類、アクリルアミドポリマー類、
ポリビニルアセタール類、アルキル及びスルホアルキル
のアクリレート類及びメタクリレート類のポリマー、加
水分解処理ポリビニルアセテート類、ポリアミド類、ポ
リビニルピリジン、メタクリルアミドコポリマー類など
リサーチ・ディスクロージャーIに記載)を包含す
る。ベヒクルは、写真乳剤に有用ないずれかの量で乳剤
中に存在できる。乳剤は、写真乳剤に有用であることが
既知であるいずれかの添加剤も包含できる。これらは、
化学増感剤、例えば、活性ゼラチン、硫黄、セレン、テ
ルル、金、白金、パラジウム、イリジウム、オスミウ
ム、レニウム、リン又はそれらの組み合わせを包含す
る。一般的には、化学増感は、リサーチ・ディスクロー
ジャー,1975年6月,item 13452及び米国特許第 3,77
2,031号明細書に具体的に示されるように、pAg レベル
5〜10、pHレベル3〜8、そして温度30℃〜80℃で実施
される。
【0038】事実上、いずれの型の乳剤(例えば、ネガ
型乳剤、例えば、カブらせていない内部潜像形成性乳剤
の表面感光性乳剤、直接ポジ乳剤、例えば、表面カブリ
乳剤又は例えば、リサーチ・ディスクロージャーIに記
載の別のもの)を使用してもよい。
【0039】本発明に使用される写真乳剤は、カブリの
発生を防止するために、又は写真感光材料の製造、保存
もしくは写真処理期間中にそれらの写真挙動を安定させ
るための種々化合物を含むことができる。例えば、カブ
リ防止剤もしくは安定剤として既知であるそれらの化合
物としては、アゾール類、例えば、ベンゾチアゾリウム
塩類、ニトロイミダゾール類、ニトロベンズイミダゾー
ル類、クロロベンズイミダゾール類、ブロモベンズイミ
ダゾール類、メルカプトチアゾール類、メルカプトベン
ゾチアゾール類、メルカプトベンズイミダゾール類、メ
ルカプトチアジアゾール類、アミノトリアゾール類、ベ
ンゾトリアゾール類、ニトロベンゾトリアゾール類、メ
ルカプトテトラゾール類(特に、1−フェニル−5−メ
ルカプトテトラゾール)など;メルカプトピリミジン
類;メルカプトトリアジン類;チオケト化合物類、例え
ば、オキサゾリンチオンなど;アザインデン類、例え
ば、トリアザインデン類、テトラアザインデン類(特
に、4−ヒドロキシ置換(1,3,3a,7) テトラア
ザインデン類)、ペンタアザインデン類など;ベンゼン
チオスルホン酸類;ベンゼンスルフィン酸類;ベンゼン
スルホン酸アミド類;アリールチオスルホネート類並び
に安定剤もしくはカブリ防止剤としての別のものなどが
挙げられる。また、ジスルフィドカブリ防止剤を使用し
てもよい。
【0040】乳剤中の別の添加剤としては、酸化された
現像主薬のスカベンジャー及びフィルター色素(固形粒
状フィルター色素を包含する)、例えば、米国特許第
4,855,221号、同第 4,857,446号、同第 4,988,611号、
同第 4,900,653号、同第 4,948,717号、同第 4,948,718
号、同第 4,950,586号及び同第 4,940,654号明細書に記
載のものが挙げられる。更なる添加剤としては、光吸収
性もしくは反射性顔料、ゼラチン硬膜剤を初めとするベ
ヒクル硬化剤、塗布助剤、色素生成性カプラー(一般的
には、本明細書中の式I及びIIの色素を用いて増感され
る乳剤の場合には、マゼンタ色素生成性カプラー)、並
びに現像改質剤、例えば、現像抑制剤放出型(DIR)
カプラー、タイムド現像抑制剤放出型カプラー、紫外線
吸収剤及び漂白促進剤などが挙げられる。これらの添加
剤及びそれらを乳剤及び別の写真層に含ませる方法は当
該技術分野で周知であり、そしてリサーチ・ディスクロ
ージャーI及びそこに記載された文献に開示されてい
る。乳剤は、蛍光増白剤、例えば、スチルベン蛍光増白
剤も含むことができる。そのような蛍光増白剤は当該技
術分野で周知である。
【0041】本発明の色素で増感されたハロゲン化銀を
含有する乳剤層は、別の乳剤層、下塗り層、フィルター
色素層、中間層もしくはオーバーコート層と同時に又は
順番に塗布することができ、それらの層のすべてが、写
真要素に含まれることが既知である種々の添加剤を含有
することができる。それらは、カブリ防止剤、酸化され
た現像主薬のスカベンジャー、DIRカプラー(このク
ラスはDIARカプラーを包含する)、帯電防止剤、光
学的蛍光増白剤、光吸収性もしくは光散乱性顔料などを
包含する。写真要素の層は、当該技術分野で周知の技法
を用いて支持体上に塗布できる。支持体は、透明であっ
てもよく、又は反射性(例えば、紙支持体)でありう
る。これらの技法は、浸漬もしくはディップコーティン
グ、ローラーコーティング、逆ロールコーティング、エ
アナイフコーティング、ドクターブレードコーティン
グ、ストレッチフローコーティング及びカーテンコーテ
ィングと名付けられている多くのものを包含する。要素
の塗布層は、チルセット又は乾燥あるいは両処理にかけ
てもよい。乾燥処理は、既知技法、例えば、伝導、対
流、輻射線加熱又はそれらの組み合わせにより促進でき
る。
【0042】本発明の写真要素は黒白又はカラーであり
うる。通常カラー写真要素は、3つの銀乳剤層もしくは
数組の層(各組の層が、スピードは異なるが同じスペク
トル感光性の乳剤から構成されることが多い):イエロ
ー色素生成性カラーカプラーと組合わさった青感性層;
マゼンタ色素生成性カラーカプラーと組合わさった緑感
性層;及びシアン色素生成性カラーカプラーと組合わさ
った赤感性層;を含有する。それらの色素生成性カプラ
ーは、典型的には水不混和性高沸点有機溶剤にそれらを
最初に溶解又は分散せしめ、次いで得られた混合物を乳
剤に分散せしめることにより、乳剤に混入される。適当
な溶剤としてはヨーロッパ特許出願第87119271.2号明細
書に記載のものが挙げられる。色素生成性カプラーは当
該技術分野で周知であり、例えば、リサーチ・ディスク
ロージャーIに開示されている。
【0043】本発明の写真要素は、通常リサーチ・ディ
スクロージャー,Item 34390, 1992年11月,に記載され
るような磁気記録材料を含む。本発明の組成物を含んで
なる写真要素は、例えば、リサーチ・ディスクロージャ
ーIもしくはJames, The Theory of the Photographic
Process 第4版,1977に記載されるもののような、いず
れかの数多くの周知写真プロセスで、いずれかの数多く
の周知処理組成物を利用して処理できる。リバーサルカ
ラー要素を処理する場合には、要素は最初に黒白現像主
薬で処理され、続いて発色現像主薬で処理される。その
ような処理方法は、例えば、米国特許第 4,892,804号明
細書に記載されるタイプの迅速処理方法を包含する。
【0044】本発明を、更に以下の実施例で具体的に説
明する。下記のすべての色素レベルは、特に断らない限
り銀1モル当たりのミリモルで表す。所定のすべてのハ
ロゲン化銀乳剤粒子径は、特に断らない限りディスク遠
心分離により得られた平均の数字である。
【0045】
【実施例】実施例1 沈殿処理中に 1.5%ヨウ化物塩を均一に添加し、70%の
臭化物を添加した時点で 1.5%ヨウ化物をAgI 種晶の形
で大量に添加することにより、等価円直径(ecd)1.07ミ
クロンで厚さ0.12ミクロンの臭ヨウ化銀乳剤(3%ヨウ
化物)を調製した。次いで、以下のように乳剤を分光化
学増感することにより試料1−1を調製した。
【0046】乳剤及びゼラチン(40g/kg)を40℃で溶融
した。チオシアン酸ナトリウム( 150mg/銀1モル)を
添加した。20分間放置した。ゼラチン分散物として色素
I−20( 0.659ミリモル/銀1モル)を添加した。VAg
を+91mVに調整した。テトラクロロ金(III)酸カリウム
(3mg/銀1モル)を添加した。2分間放置した。チオ
硫酸ナトリウム五水和物(6mg/銀1モル)を添加し
た。2分間放置した。ヨウ化3−メチルベンゾチアゾリ
ウム(30mg/銀1モル)を添加した。2分間放置した。
温度を、70℃まで5℃/3分間の速度で上昇させた。5
分間放置した。温度を、40℃まで5℃/3分間の速度で
低下させた。
【0047】次いで、乳剤を更なるゼラチンで希釈し
て、1,3,3a,7−テトラアザインデン(1.75g/
銀1モル)、カプラー分散物D−1、カプラー分散物D
−2、界面活性剤SF−1( 0.051重量%)及び界面活
性剤SF−2( 0.035重量%)と混合し、そして予めレ
ムジェット(remjet)ハレーション防止用バッキングを
塗布してゼラチンを4.89g/m2で下塗りした5ミル( 127
ミクロン)の酢酸セルロース支持体の上に塗布した。増
感した乳剤及びカプラーを、銀 807mg/m2 、ゲル1.61g/
m2、M−1 323mg/m2 及びM−2 32mg/m2 のレベルで
支持体上に塗布した。次いで乳剤層をゲル2.15g/m2でオ
ーバーコートし、そしてゲルの総量に基づいて1.75%の
ビス(ビニルスルホニルメチル)エーテルで硬化した。
色素I−20を単独で用いる代わりに第I表に列挙した
色素の組み合わせを使用したこと及び各色素を15分間の
間隔をあけて別個に添加した(まず始めに色素Iを添加
し次いで色素IIを添加した)ことを除いて、試料1−2
〜1−13を同様に調製した。
【0048】分散物D−1は、以下のもの: カプラーM−1 6重量% 2,4−ジ−t−ブチルフェノール 3重量% 9−オクタデセン−1−オール 3重量% 酢酸エチル 6重量% ゼラチン 8重量% トリ(イソプロピル)ナフタレンスルホン酸ナトリウム
塩 0.6重量% から構成され、プロピオン酸でpHを5.1 に調整し、残り
は水であった。
【0049】分散物D−2は、以下のもの: カプラーM−2 2.205重量% リン酸トリクレシル 4.410重量% リン酸トリエチル 3.31重量% 2−(2−ブトキシ)エトキシエチルアセテート 3.31
重量% トリエチルアミン 0.663重量% ゼラチン 10重量% トリ(イソプロピル)ナフタレンスルホン酸ナトリウム
塩 0.6重量% から構成され、プロピオン酸でpHを5.1 に調整し、残り
は水であった。界面活性剤SF−2はOlin 10G(商標)
である。
【0050】
【化16】
【0051】次いで、塗膜の自然老化を模擬実験するた
めに、各試料由来のストリップを1つずつ酸化的条件下
で3日間保存した。次いで老化したストリップを露光
し、そして酸化的処理を行っていない同一のストリップ
と共に処理した。ストリップを、WRATTEN(商標)9フィ
ルター及び 0.2 logE増加量の0〜4 logE段階タブレ
ットを介して1/50秒間5500K光源を用いて露光した。
次いでそれらを、漂白液の組成をプロピレンジアミン四
酢酸を含むように変えたことを除いて、Brit. J.Photo
g. Annual 1988, 196〜198 ページに記載されるKODAK
FLEXICOLOR C41(商標)プロセスを用いて処理した。
【0052】最低濃度を測定し、そして最低濃度(カブ
リ)を0.15越える濃度を与えるのに要する露光量の log
を 100倍したものとして写真スピードを求めた。また、
老化したストリップについてのスピード喪失量として、
酸化的に老化せしめたストリップと老化させていないス
トリップの間の感光度の差異を求めた。更に、定着、現
像、漂白、定着、安定剤の順序で同様の処理溶液を介し
て露光していないストリップを処理することにより、残
留色素汚染の測度を得た。次いでこれらのストリップ
を、走査型分光光度計を用いて彩色について分析した。
残留する色彩は残留増感色素によるものであり、それは
最大吸収波長(λmax )における光学濃度として記録し
た。データを第I表にまとめる。
【0053】
【表1】
【0054】
【化17】
【0055】
【化18】
【0056】第I表のデータは、幾つかの比較例(試料
1−7及び1−8)が老化によるスピード喪失が最低限
であることを示すが、それらは受け入れられないレベル
の残留増感色素を有することを具体的に示す。別の比較
例(1−2及び1−9〜1−13)は、老化により大量
にスピードを喪失する。更に、比較例1−10及び1−
11は、非常に高いカブリ及びより低いスピードを有す
る。本発明の色素の組み合わせのみが、単一の色素(1
−1)と比較して増強された写真感光度を示し、優れた
保存性を示し、そして全く増感色素汚染を示さない。
【0057】実施例2 単分散 100%AgBr平板状粒子乳剤(ecd 2.7ミクロン×
厚さ 0.125ミクロン,変動係数=9%)を用いて試料2
−1を調製した。以下のように乳剤を分光化学仕上げ
(増感)した。
【0058】乳剤及びゼラチン(40g/乳剤1kg)を40℃
で溶融した。色素I−1( 400mg/銀1モル)を添加し
た。20分間放置した。ジチオ硫酸金(I)ナトリウム
(5mg/銀1モル)を添加した。5分間放置した。チオ
シアン酸ナトリウム( 150mg/銀1モル)を添加した。
5分間放置した。仕上げ改質剤FM−1(16mg/銀1モ
ル)を添加した。5分間放置した。セレノシアン酸カリ
ウム( 0.5mg/銀1モル)を添加した。5分間放置し
た。温度を、70℃まで5℃/3分間の速度で上昇させ
た。12分間放置した。温度を、40℃まで速やかに低下さ
せた。ヨウ化カリウム( 300mg/銀1モル)を添加し
た。1,3,3a,7−テトラアザインデン( 2.2g/
銀1モル)を添加した。
【0059】色素II−19 400mgを添加し、ジチオ硫酸金
(I)ナトリウムを3mg/銀1モルに減らし、そしてヨ
ウ化カリウムを省いたことを除いて、試料2−2を同様
に調製した。 200mgの色素I−1を添加した5分後に 2
00mgの色素II−19を添加したことを除いて、試料2−3
を試料2−2と同様に調製した。乳剤を塗布用ゼラチン
で希釈した後、続いてラテックスポリマー、3,5−ジ
スルホカテコール二ナトリウム塩、2−メチル−2,4
−ペンタンジオール、 0.075%SF−1界面活性剤及び
0.037%Olin 10G(商標)界面活性剤を添加した。
【0060】これらの試料を、予めハレーション防止層
を塗布した7ミル( 177.8ミクロン)のポリエステル支
持体の上に塗布した。塗布レベルは、銀2.15g/m2、ゼラ
チン3.23g/m2、ラテックスポリマー0.54mg/m2 、3,5
−ジスルホカテコール二ナトリウム塩 108mg/m2 及び2
−メチル−2,4−ペンタンジオール 0.634mL/m2 であ
った。次いで同様の界面活性剤を用いて乳剤層をゲル 7
21mg/m2 でオーバーコートし、そして総ゼラチン量の1
%のレベルでビス(ビニルスルホニルメチル)エーテル
を用いて硬化した。
【0061】試料を、Corning(商標)4010フィルター及
び段階間の増加量 0.2 logEの0〜4 logE段階タブレ
ットを介して0.01秒間2850Kタングステン光源を用いて
露光した。露光したストリップを RP-X-OMAT(商標)化
学処理法で処理した。最低濃度(カブリもしくはDmin
と称される)を 0.2越える濃度を与えるのに必要な log
露光量を 100倍したものとして、写真スピードを求め
た。安定性についての試験として、各試料のフィルムス
トリップを16週間周囲条件下に放置し、次いで露光して
再度処理した。スピードの変化を第II表に示す。結果を
第II表に示す。
【0062】
【表2】
【0063】第II表中のデータは、試料2−3の色素の
組み合わせが、不利なカブリ増強を生じることなく優れ
たスピードを提供することを示す。また、試料2−3に
おける残留増感色素汚染のレベルは、試料2−1のもの
と比較して著しく低減され、そしてすべての試料が最低
限の保存によるスピード喪失を示す。
【0064】実施例3 三酢酸セルロースフィルム支持体に以下の層を順に塗布
することにより(付着量はg/m2である)、多層写真フィ
ルム要素を製造した。 層1(ハレーション防止層):銀( 0.215g)を含有す
る黒色コロイド銀ゾル、シアン色素物質CD−1( 0.0
32)、マゼンタ色素物質MD−1( 0.022)、イエロー
色素物質YD−1( 0.129)及びゼラチン(2.44)を、
この層に含有させた。 層2(低感度(Lowest Sensitivity)赤感性層):この
層は、赤色増感した平板状粒子ヨウ臭化銀乳剤(ヨウ化
物 1.3%、直径0.50ミクロン×厚さ0.08ミクロン)(0.
22)及び赤色増感した平板状粒子ヨウ臭化銀乳剤(ヨウ
化物 4.5%、直径1.00ミクロン×厚さ0.09ミクロン)
(0.32)のブレンドを含むものであった。シアン色素生
成性カプラーC−1(0.54)及びBARカプラーB−1
(0.09)をこの層に入れた。またゼラチン(1.78)を含
ませた。 層3(中感度(Medium Sensitivity)赤感性層):この
層は、赤色増感した平板状粒子ヨウ臭化銀乳剤(ヨウ化
物 4.5%、直径1.31ミクロン×厚さ0.12ミクロン)(0.
54)を含むものであった。またこの層は、シアン色素生
成性カプラーC−1(0.23)、シアン色素生成性マスキ
ングカプラーCM−1( 0.022)、DIRカプラーD−
1(0.05)及びBARカプラーB−1( 0.003)を含ま
せた。ゼラチン(1.66)を含ませた。 層4(高感度(Highest Sensitivity )赤感性層):こ
の層は、赤色増感した平板状粒子ヨウ臭化銀乳剤(ヨウ
化物 4.5%、直径2.70ミクロン×厚さ0.13ミクロン)
(1.08)を含むものであった。またこの層は、シアン色
素生成性カプラーC−1(0.17)、シアン色素生成性マ
スキングカプラーCM−1( 0.050)、DIRカプラー
D−1(0.05)及びBARカプラーB−1( 0.002)を
含ませた。ゼラチン(1.36)を含ませた。 層5(中間層):この層は、ゼラチン(1.33)を含むも
のであった。 層6(低感度緑感性層):この層は、緑色増感した平板
状粒子ヨウ臭化銀乳剤(ヨウ化物 1.3%、直径0.54ミク
ロン×厚さ0.08ミクロン)(0.59)及び緑色増感した平
板状粒子ヨウ臭化銀乳剤(ヨウ化物 4.5%、直径1.03ミ
クロン×厚さ0.09ミクロン)(0.32)のブレンドを含む
ものであった。またこの層は、マゼンタ色素生成性カプ
ラー:M−1(0.22)及びM−2(0.09)のブレンドを
含むものであった。またこの層は、BARカプラーB−
2(0.03)及びゼラチン(1.78)を取り入れたものであ
った。 層7(中感度緑感性層):この層は、緑色増感した平板
状粒子ヨウ臭化銀乳剤(ヨウ化物 4.5%、直径1.22ミク
ロン×厚さ0.11ミクロン)(0.97)、マゼンタ色素生成
性カプラーM−1(0.09)及びM−2(0.03)のブレン
ド、並びにマゼンタ色素生成性マスキングカプラーMM
−1(0.09)を含むものであった。またこの層は、DI
RカプラーD−2(0.02)及びBARカプラーB−1
( 0.003)及びゼラチン(1.48)を取り入れたものであ
った。 層8(高感度緑感性層):この層は、緑色増感した平板
状粒子ヨウ臭化銀乳剤(ヨウ化物 4.5%、直径2.23ミク
ロン×厚さ0.13ミクロン)(0.97)、マゼンタ色素生成
性カプラーM−1(0.09)及びM−2(0.03)のブレン
ド、並びにマゼンタ色素生成性マスキングカプラーMM
−1(0.05)を含むものであった。またこの層は、DI
RカプラーD−2(0.01)、DIRカプラーD−3(0.
01)、BARカプラーB−1( 0.003)及びゼラチン
(1.33)を取り入れたものであった。 層9(イエローフィルター層):この層は、イエロー色
素物質YD−2(0.11)及びゼラチン(1.33)を含むも
のであった。 層10(低感度青感性層):この層は、青色増感した平
板状粒子ヨウ臭化銀乳剤(ヨウ化物 1.3%、直径0.54ミ
クロン×厚さ0.08ミクロン)(0.16)、青色増感した平
板状粒子ヨウ臭化銀乳剤(ヨウ化物 4.5%、直径1.02ミ
クロン×厚さ0.09ミクロン)(0.27)及び青色増感した
平板状粒子ヨウ臭化銀乳剤(ヨウ化物 4.5%、直径1.38
ミクロン×厚さ0.11ミクロン)(0.38)のブレンドを含
むものであった。またこの層は、イエロー色素生成性カ
プラーY−1(0.91)、DIRカプラーD−4(0.05)
及びBARカプラーB−1( 0.003)並びにゼラチン
(2.60)を取り入れたものであった。 層11(高感度青感性層):この層は、青色増感した伝
統的な3−D粒子ヨウ臭化銀乳剤(ヨウ化物12%、 1.0
ミクロン)(0.38)及び青色増感した平板状粒子ヨウ臭
化銀乳剤(ヨウ化物 4.5%、直径3.53ミクロン×厚さ0.
14ミクロン)(0.38)を含むものであった。またこの層
は、イエロー色素生成性カプラーY−1(0.27)、DI
R D−4(0.04)、BAR B−1( 0.005)及びゼ
ラチン(1.97)を取り入れたものであった。 層12(UVフィルター層):この層は、色素UV−1
(0.11)、UV−2(0.11)及び増感していない臭化銀
リップマン(Lippman)乳剤(0.22)を含むものであっ
た。ゼラチン(1.11)を含ませた。 層13(保護層):この層は、ゼラチン(0.92)及び艶
消ポリメチレンメタクリレートビーズ( 0.054)を含む
ものであった。
【0065】総ゼラチン量の1.75重量%の硬膜剤を塗布
することでこのフィルムを硬化した。界面活性剤、塗布
助剤、酸化された現像主薬のスカベンジャー、可溶性吸
収色素及び安定剤を、当該技術分野で慣行されているよ
うに、この試料の種々の層に添加した。
【0066】
【化19】
【0067】
【化20】
【0068】
【化21】
【0069】
【化22】
【0070】
【化23】
【0071】
【化24】
【0072】
【化25】
【0073】
【化26】
【0074】
【化27】
【0075】
【化28】
【0076】上記多層要素において、M−1とM−2を
一緒に容易にM−3と置き換えることができるとはい
え、M−3を特定の多層要素に使用しなかった場合に以
下のデータが得られたことに注目されたい。層6、7及
び8の乳剤(低感度、中感度及び高感度緑感性層)を、
色素I−20対色素S−1を3対1の割合で用いて分光増
感した。5500 deg Kの光源に対して段階的ウェッジを
介して像様露光したとき、これら2つの物質は、緑色光
に対して極めて等しい写真応答を具体的に示した(スト
リップの処理方法は実施例1と同様であった)。また、
試料3−1及び3−2を、6ヶ月間78°F(25.6℃)、
相対湿度50%で保存し、同時に同じストリップを0°F
(−17.8℃)、相対湿度50%で保存した。次いで、前記
のようにストリップを露光して処理した。試料3−1の
78°F(25.6℃)で保存したストリップは、0°F(−
17.8℃)で保存した参照と比較して0.12 logEの緑色ス
ピード喪失を示した。しかしながら、試料3−2(本発
明)の78°F(25.6℃)で保存したストリップ(本発
明)は、その0°F(−17.8℃)で保存した参照と比較
してわずか0.05 logEの緑色スピード喪失を示した。
【0077】
【発明の効果】本発明は、少なくとも2つの特殊なタイ
プの緑色増感色素を含む平板状ハロゲン化銀乳剤を有す
る写真要素及びそのような要素の製造方法を提供する。
該要素は、良好な感光度、低いカブリ、良好な保存安定
性及び低レベルの残留増感色素を有する。
フロントページの続き (72)発明者 メルビン エム.ケストナー アメリカ合衆国,ニューヨーク 14468, ヒルトン,パーマ センター ロード 590 (72)発明者 スティーブン ジョージ リンク アメリカ合衆国,ニューヨーク 14612, ロチェスター,リンコート パーク 80

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次式Iの少なくとも1つの緑色分光増感
    色素 【化1】 (上式中、 R1 及びR2 は、同一もしくは異なるものであり、そし
    て置換もしくは非置換のC1又はC2アルキル、置換も
    しくは非置換のC1又はC2アルコキシ、ハロゲン、置
    換もしくは非置換のアミド、カルバモイル、又は置換も
    しくは非置換のアリールより選ばれるが、但しR1 及び
    2 が両方ともアリールであることはないこと並びにベ
    ンゾバック環(即ち、式中に示されるベンゾ環は5員複
    素環と縮合している)がさらに置換されていても置換さ
    れていなくてもよいことを条件とし、 X3 は、置換もしくは非置換のC1〜C3アルキル又は
    アルケニルであり、 X1 及びX2 は、酸もしくは酸塩置換C1〜C6アルキ
    ル又はアルケニルであり、それらはさらに置換されてい
    ても又は置換されていなくてもよく、そしてM+ は、電
    荷のバランスを保つために必要とされる陽イオンであ
    る)及び次式IIの少なくとも1つの緑色分光増感色素 【化2】 (上式中、 R3 及びR4 は、同一もしくは異なるものであり、そし
    て置換もしくは非置換の炭素原子数1〜4のアルキル又
    はアルケニルを表し、 R5 及びR6 は、同一もしくは異なるものであり、そし
    て両方とも強電子求引性基を表し、 R8 及びR9 は、独立して水素、ハロゲン、又は置換も
    しくは非置換のメチル又はエチル、あるいは強電子求引
    性基であり、 X4 及びX5 は、置換もしくは非置換のC1〜C6アル
    キル又はアルケニルであり、それらの少なくとも1つ
    は、酸もしくは酸塩置換基を有し、そしてN+ は、電荷
    のバランスを保つために必要とされる陽イオンである)
    を含有する平板状粒子ハロゲン化銀乳剤を含んでなるハ
    ロゲン化銀写真要素。
  2. 【請求項2】 化学増感処理を行う前に、平板状粒子ハ
    ロゲン化銀乳剤に、少なくとも1つの式Iの緑色分光増
    感色素及び少なくとも1つの式IIの緑色分光増感色素を
    添加せしめることを含んでなる、請求項1記載の写真要
    素の製造方法。
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