JP2881504B2 - ハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高感度で、かつ鮮鋭性と
粒状性を改良した高画質の画像を有するハロゲン化銀写
真感光材料に関し、さらに圧力減感やローラーマークな
どの機械的圧力による画像劣化がなく、診断性の高い医
療用ハロゲン化銀写真感光材料に関するものである。
【0002】
【発明の背景】近年、感光材料は迅速処理化に併行して
高感度、高画質の要請が益々強くなってきており、例え
ば医療用ハロゲン化銀写真感光材料の場合には、少ない
X線量で高い検出能を有した高画質の感光材料が求めら
れている。
【0003】一般にハロゲン化銀写真感光材料の感度と
鮮鋭性は、ハロゲン化銀粒子自体が支配している要素が
高い。そのため従来より粒子に関する多くの改良提案が
成されている。例えば高感度化、高画質化を図るべく、
ハロゲン化銀粒子1個当たりの感度/サイズ比を向上さ
せた平板状ハロゲン化銀粒子に関する特開昭58‐111935
号、同58‐111936号、同58‐111937号、同58‐113927号
及び同59‐99433号などが開示されている。該平板状ハ
ロゲン化銀粒子は、体積当たりの表面積が大きいため粒
子表面に多くの分光増感色素を吸着させることが可能で
その結果、高感度を得られる特長を有している。
【0004】更に該平板状ハロゲン化銀粒子内部に高沃
度コアを設けた特開昭63‐92942号、或は双晶面を有し
た平板状粒子乳剤に関する特開昭63‐163451号などが感
度、粒状性を改良するとしている。
【0005】しかしながら、これら技術のいずれも感度
と画質の両立には限界があり、更なる性能向上には新た
な技術の開発が望まれていた。
【0006】
【発明の目的】従って本発明の第1の目的は、高感度で
画像の鮮鋭性、粒状性が優れた高画質のハロゲン化銀写
真感光材料を提供することである。本発明の第2の目的
は、感光材料がローラーや、取り扱い時の外的圧力によ
りカブリや減感などの障害がないハロゲン化銀写真感光
材料を提供することである。その他の目的は以下の明細
から明らかとなる。
【0007】
【発明の構成】本発明の上記の目的は、以下により達成
されることを見い出し、本発明を成すに至った。
【0008】即ち、支持体の少なくとも一方の側に、少
なくとも1層のハロゲン化銀乳剤層を有するハロゲン化
銀写真感光材料において、該ハロゲン化銀乳剤層が過酸
化水素で処理されたゼラチンを含む保護コロイド中で調
製された双晶よりなる平均アスペクト比が3以上の平板
状ハロゲン化銀粒子であって、かつ該粒子が化学増感前
に増感色素を添加して分光増感されているハロゲン化銀
写真感光材料により達成される。以下、本発明を詳述す
る。
【0009】写真用乳剤においては、使用するゼラチン
が化学増感に大きな影響を有すると同時にハロゲン化銀
粒子の晶相形成、長に関与することは、ゼラチン特性
として物理抑制度に象徴されるように甚大なものがあ
り、かつゼラチンは抽出その他の条件でも大きく変化す
ることが知られている。ゼラチンの特性の1つに透過率
がある。写真用ゼラチンとしては透過率が92%以上好ま
しくは94%以上の透過率を有していることが好ましい。
【0010】ゼラチンの透過率を高めるために濾過によ
り夾雑物をとり除く方法や、ゼラチンに過酸化水素を作
用させることにより漂白させる方法が知られている。
【0011】ゼラチンに過酸化水素を作用させる方法
は、過酸化水素によりゼラチン中の不純物やある種のア
ミノ酸を酸化させ、不活性なゼラチンを作る一般的な方
法である。
【0012】本発明においては、過酸化水素で処理して
透過率を高めたゼラチンを用いた乳剤が、より本発明の
目的効果を高めることが判った。
【0013】透過率を高めるために、添加する過酸化水
素の量はゼラチン1kg当り0.1〜50gが好ましく、より好
ましくは0.1〜30g、さらに好ましくは0.1〜10gである。
過酸化水素でゼラチンを処理する時のpHは5.6より高p
Hが好ましく、特に6.0〜12.0が好ましい。
【0014】又、この時の温度は35℃〜70℃が好まし
く、特に好ましいのは40℃〜65℃である。過酸化水素処
理は、ゼラチン製造工程の抽出後よりゲル化させるまで
の間であれば、どの段階に行っても良い。
【0015】次に前記の過酸化水素処理したゼラチンを
用いた本発明に係る乳剤の好ましい調製手順を説明す
る。 本発明のハロゲン化銀乳剤の製造方法としては、
単分散性の種結晶上にハロゲン化銀を析出させる方法が
好ましく用いられる。特に好ましくは特開昭61-6643号
に記載の単分散性球型双晶種乳剤を肥大させる成育工程
を設ける方法が挙げられる。すなわち本発明のハロゲン
化銀写真乳剤の調製工程として、時系列的に、 (イ) 前記ハロゲン化銀粒子の結晶核を生成する核粒
子生成工程、 (ロ) 該核粒子からのハロゲン化銀種粒子を形成する種
粒子形成工程、 (ハ) 種粒子を肥大させる成育工程 を設ける。
【0016】ここで本発明における核粒子生成工程と
は、保護コロイド液中に水溶性銀塩が添加開始された時
点から、新しい結晶核が実質的に発生しなくなるまでの
期間だけでなく、その後に粒子の成長期間を含んでもよ
く、種粒子形成工程以前の工程と定義される。
【0017】上記の成育工程における成長条件は酸性
法、中性法、アンモニア法のいずれでもよく、特開昭61
-6643号、同61-14630号、同61-112142号、同62-157024
号、同62-18556号、同63-92942号、同63-151618号、同6
3-1613451号、同63-220238号、同63-1613451号、同63-2
20238号及び同63-311244号等による公知の方法を用いる
ことができる。
【0018】又、副物もしくは過剰塩類その他の不要
成分の除去には常法によるフロキュレーション法、ヌー
デル水洗法等を用いることができる。
【0019】本発明で用いられるハロゲン化銀の平均沃
化銀含有率は0.1〜45モル%が好ましく、より好ましく
は0.5〜25モル%、特に好ましくは1〜20モル%であ
る。
【0020】本発明に係るハロゲン化銀粒子は、化学増
感前の工程に分光増感色素を添加して分光増感される。
化学増感前の工程とは、ハロゲン化銀粒子の調製である
物理熟成工程から過剰塩類を除去する脱塩工程と、それ
に続く化学熟成における化学増感剤添加までの任意の時
期でよい。好ましくは物理熟成工程で、特に好ましくは
物理熟成工程の終了時が挙げられる。本発明に用いられ
る分光増感色素の種類は、特に限定することなく従来公
知のすべての増感色素を用いることができる。本発明に
係る双晶とは、一つの粒子内に一つ以上の双晶面を有す
るハロゲン化銀結晶を言う。双晶の形態の分類はクライ
ンとモイザーによる報文 Photographishe Korresponden
z 99巻99頁、同100巻,57頁に詳しく述べられている。
【0021】本発明において、ハロゲン化銀粒子が双晶
よりなるとは、ハロゲン化銀粒子の全投影面積の少なく
とも70%が双晶面をもつ粒子からできているものを言
い、好ましくは75%以上、特に好ましくは80%以上が双
晶面をもつ粒子からなる場合を指す。
【0022】本発明に係る双晶は{111}面から成るも
の、{100}面から成るもの、或は両者より成るものの
いずれでもよいが{111}面から成るものであることが
好ましい。
【0023】更に本発明に係る双晶は、好ましくは二つ
の対向する平行な主平面を有する平板状粒子である。又
前記平板状ハロゲン化銀粒子の厚みを分母とする直径と
の比(アスペクト比と称す)の平均値は3〜20が好まし
く、より好ましくは3〜15、特に好ましくは4〜13であ
る。
【0024】この平均値は、全平板状粒子の断面比を平
均することにより得られるが、全平板状粒子の厚みの平
均値に対する全平板状粒子の直径の平均値の比として求
めてもよい。
【0025】平板状ハロゲン化銀粒子の直径は、主平面
と同じ投影面積を有する円の直径で示されるが、0.1〜
5.0μmが好ましく、より好ましくは0.2〜4.0μm、特に
好ましくは0.3〜3.0μmである。
【0026】本発明に係るハロゲン化銀乳剤は粒子サイ
ズ分布が単分散性であることが好ましい。本発明のハロ
ゲン化銀写真感光材料に用いられる乳剤は、沃臭化銀、
沃塩化銀、沃塩臭化銀などいずれのハロゲン化銀であっ
てもよいが特に高感度のものが得られるという点では、
沃臭化銀であることが好ましい。
【0027】本発明に係るハロゲン化銀乳剤は、平均ア
スペクト比が3以上の平板状粒子である。
【0028】かかる平板状粒子の利点は、分光増感効率
の向上、画像の粒状性及び鮮鋭性の改良などが得られる
として例えば、英国特許2,112,157号、米国特許4,439,5
20号、同4,433,048号、同4.414,310号、同4,434,226
号、特開昭58-113927号、同58-127921号、同63-138342
号、同63-284272号、同63-305343号などで開示されてお
り、乳剤はこれらの公報に記載の方法により調製するこ
とができる。
【0029】上述した乳剤は、粒子表面に潜像を形成す
る表面潜像型あるいは粒子内部に潜像を形成する内部潜
像型、表面と内部に潜像を形成する型のいずれの乳剤で
あってもよい。これらの乳剤は、物理熟成あるいは粒子
調製の段階でカドミウム塩、鉛塩、亜鉛塩、タリウム
塩、イリジウム塩又はその錯塩、ロジウム塩またはその
錯塩、鉄塩又はその錯塩などを用いてもよい。乳剤は可
溶性塩類を除去するためにヌーデル水洗法、フロキュレ
ーシヨン沈降法などの水洗方法がなされてよい。好まし
い水洗法としては、例えば特公昭35-16086号記載のスル
ホ基を含む芳香族炭化水素系アルデヒド樹脂を用いる方
法、又は特開昭63-158644号記載の凝集高分子剤例示G
3,G8などを用いる方法が特に好ましい脱塩法として
挙げられる。
【0030】本発明に係る乳剤は、物理熟成または化学
熟成前後の工程において、各種の写真用添加剤を用いる
ことができる。公知の添加剤としては、例えばリサーチ
・デイスクロージャーNo.17643(1978年12月)、同No.18
716(1979年11月)及び同No.308119(1989年12月)に記
載された化合物が挙げられる。これら三つのリサーチ・
デイスクロージャーに示されている化合物種類と記載箇
所を次表に掲載した。 添加剤 RD-17643 RD-18716 RD-308119 頁 分類 頁 分類 頁 分類 化学増感剤 23 III 648 右上 996 III 増感色素 23 IV 648〜649 996〜8 IV 減感色素 23 IV 998 B 染料 25〜26 VIII 649〜650 1003 VIII 現像促進剤 29 XXI 648 右上 カブリ抑制剤・安定剤 24 IV 649 右上 1006〜7 VI 増白剤 24 V 998 V 硬膜剤 26 X 651 左 1004〜5 X 界面活性剤 26〜7 XI 650 右 1005〜6 XI 帯電防止剤 27 XII 650 右 1006〜7 XIII 可塑剤 27 XII 650 右 1006 XII スベリ剤 27 XII マット剤 28 XVI 650 右 1008〜9 XVI バインダー 26 XXII 1009〜4 XXII 支持体 28 XVII 1009 XVII 本発明に係る感光材料に用いることのできる支持体と
しては、例えば前述のRD-17643の28頁及びRD-308119の1
009頁に記載されているものが挙げられる。
【0031】適当な支持体としてはプラスチックフィル
ムなどで、これら支持体の表面は塗布層の接着をよくす
るために、下塗層を設けたり、コロナ放電、紫外線照射
などを施してもよい。
【0032】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明の態様はこれらによって限定されるもの
ではない。
【0033】実施例1 石灰処理したオセインゼラチンを45℃で抽出して2等分
し、一方はそのままでオセインゼラチンAとし、他の一
方は過酸化水素処理を施しオセインゼラチンBとした。
【0034】比較乳剤E−1の調製 (種乳剤S−1の調製) A1:オセインゼラチンA40g、臭化カリウム23.7g、界
面活性剤10ml※、水で4000ml B1:硝酸銀600g、水で803ml C1:オセインゼラチン16.1g、臭化カリウム420g、水で
803ml D1:アンモニア水(28%)235ml 特開昭62-160128号に記載の装置を用い、混合用撹拌ペ
ラの下部への供給ノズルをB1液、C1液の各々が6本と
なるようにセットした。平均温度40℃、430rpmで高速撹
拌したA液にB液とC液をダブルジェット法にて流速6
2.8ml/minで添加した。添加開始後4分46秒から除々に
流速を上げ最終の速度は105ml/minで総添加時間を10分
45秒となるようにした。添加中pBrは臭化カリウムで1.3
に保った。添加終了から30分後に液温を平均20℃、撹拌
回転数を460rpmとしD1液を1分で添加し、5分間のオ
ストワルド熟成を行なった。熟成時の臭化カリウム濃度
は0.028モル/l、アンモニア濃度は0.63モル/l、pH
は11.7であった。
【0035】その後、直ちにpHが5.7になるまで酢酸を
加えて中和し熟成を停止し、常法により脱塩、水洗を行
った。得られた種乳剤S-1を電子顕微鏡で観察したとこ
ろ平均粒径0.32μm、粒径の変動係数は34%の球形粒子
であった。
【0036】ひき続きこの種乳剤S-1を用い以下に示す
溶液を用い主として平板双晶よりなるハロゲン化銀乳剤
E-1を調製した。
【0037】A2:オセインゼラチンA 16g、界面活性
剤3ml※、種乳剤S-1 0.27モル相当、水で1000ml B2:オセインゼラチンA 5g、臭化カリウム307g、沃
化カリウム8g、水で880ml C2:硝酸銀448g、水で880ml D2:オセインゼラチンA 2.7g、臭化カリウム19g、水
で500ml E2:硝酸銀27g、水で530ml ※界面活性剤(10%メタノール溶液) (CH2CH2CH2O)p〔(CH2CH2O)mCOCH2CH2COONa〕2 p=17 m=2.7 75℃で激しく攪拌したA2液にB2液とC2液を38分でダ
ブルジェット法にて添加した。B2液とC2液の添加速度
は初期と最終で2.4倍になるよう直線的に増加させた。
その後、D2液とE2液を6分間等速添加した。
【0038】但し、添加中はpAgを10に保った。添加終
了後、pHを6.0に合わせ後記の分光増感色素(A)を銀
1モル当たり400mg添加し30分間撹拌を続けた。その
後、過剰塩類を除去するため、デモール(花王アトラス
社製)水溶液及び硫酸マグネシウム水溶液を用いて脱塩
した。
【0039】得られた乳剤E-1は、40℃にてpAgが8.5、p
Hは5.90で電子顕微鏡観察では平均粒径1.20μm、平均
厚さ0.57μm、粒径の変動係数28%でありアスペクト比
が2以上の平板状粒子の占める割合が80%で、アスペク
ト比が2以上である粒子の平均アスペクト比は2.2であ
った。
【0040】本発明の乳剤E-2の調製 オセインゼラチンを過酸化水素処理したBにした以外は
比較乳剤E-1の種乳剤S-1と同様の方法で種乳剤S-2を調
製した。熟成時の臭化カリウムの濃度は0.026モル/l、
アンモニア濃度は0.63モル/l、pHは11.6であった。こ
の種乳剤S-2を電子顕微鏡で観察したところ、平均粒径
が0.20μm、粒径の変動係数は18%の球形粒子であっ
た。
【0041】ひき続きこの種乳剤S-2を用い前記の比較
乳剤E-1と同様の方法で平板双晶よりなるハロゲン化銀
乳剤のE-2を調製した。脱塩後、40℃にてpAg 8.5、pH
5.90で電子顕微鏡観察では平均粒径1.60μm平均厚さ0.3
2μm、粒径の変動係数が19%であり、アスペクト比2以
上の平板状粒子の占める割合が85%でアスペクト比2以
上である粒子の平均アスペクト比は5.0であった。
【0042】本発明の乳剤E-3の調製 オストワルド熟成時の平均温度を15℃とした以外は、前
記のE-2に用いた種乳剤S-2と同様の方法で種乳剤S-3を
調製した。熟成時の臭化カリウム濃度は0.026モル/l、
アンモニア濃度は0.63モル/l、pHは11.7であった。
この種乳剤S-3を電子顕微鏡で観察したところ平均粒径
0.18μm、粒径の変動係数20%の球形粒子であった。
【0043】ひき続きこの種乳剤S-3を用い前記の比較
乳剤E-1と同様の方法で平板双晶よりなるハロゲン化銀
乳剤E-3を調製した。脱塩後40℃にてpHが5.91、pAgが
8.5で電子顕微鏡観察では平均粒径1.98μm、平均厚さ0.
21μm、粒径の変動係数21%であり、アスペクト比2以
上の平板状粒子の占める割合が90%でアスペクト比2以
上である粒子の平均アスペクト比は9.7であった。
【0044】 比較乳剤E-4の調製 種乳剤S-3を用い 脱塩前の分光増感色素を添加しない以
外は比較乳剤E-1と同様の方法で平板双晶よりなるハロ
ゲン化銀乳剤E-4を調製した。
【0045】脱塩後、40℃においてpAg 8.5、pH5.90の
乳剤を得た。得られた乳剤を電子顕微鏡で観察したとこ
ろ平均粒径が1.98μm、平均厚さ0.21μm、粒径の変動係
数21%であり、アスペクト比2以上の平板状粒子の占め
る割合が90%でアスペクト比2以上である粒子の平均ア
スペクト比は9.7であった。
【0046】 本発明の乳剤E-5の調製 種乳剤S-3を、オセインゼラチンをB(過酸化水素処理
したもの)にした以外は比較乳剤E-1と同様の方法で平
板双晶よりなるハロゲン乳剤E-5を調製した。脱塩後、4
0℃においてpAg 8.5、pH5.91の乳剤を得た。得られた
乳剤を電子顕微鏡で観察したところ平均粒径が2.0
m、平均厚さ0.20μm、粒径の変動係数20%であり、アス
ペクト比2以上の平板状粒子の占める割合が90%でアス
ペクト比2以上である粒子の平均アスペクト比は11.2で
あった。
【0047】得られた乳剤各々に対し後記する分光増感
色素(A)と(B)を200:1の重量比で合計の量をハ
ロゲン化銀1モル当り800mgとして添加した後にチオシ
アン酸アンモニウム塩を銀1モル当り2.4×10-3モル、
及び最適量の塩化金酸とハイポを添加して化学熟成を行
い、その後、4-ヒドロキシ-6-メチル-1,3,3a,7-テトラ
ザインデンの2×10-2モルを加え安定化した。
【0048】次いで後述する乳剤添加剤、及び石灰処理
ゼラチンを加えて乳剤塗布液した。 分光増感色素(A) 5,5′-ジクロロ-9-エチル-3,3′-ジ-(3-スルホプロピ
ル)オキサカルボシアニンナトリウム塩の無水物 分光増感色素(B) 5,5′-ジ-(ブトキシカルボニル)-1,1′-ジエチル-3,3′
-ジ-(4-スルホブチル)ベンゾイミダゾロカルボシアニン
ナトリウム塩の無水物又、保護層塗布液も後記のごとく
調製した。
【0049】得られた塗布液を、厚さ175μmの下引き済
みポリエチレンテレフタレートベースの両面に、支持体
側から、ハロゲン化銀乳剤層、保護層の順でスライドホッ
パー型コーターを用い2層同時塗布した。乳剤層は片面
当たり銀量が1.6g/m2、ゼラチンが1.8g/m2で、保護層
はゼラチンが片面当たり1.1g/m2になるよう塗布した。
なお、乳剤に用いた添加剤は次のとおりである。添加量
はハロゲン化銀1モル当たりの量で示す。
【0050】 1,1-ジメチロール-1-ブロム-1-ニトロメタン 70mg t-ブチル-カテコール 400mg ポリビニルピロリドン(分子量10,000) 1.0g スチレン-無水マレイン酸共重合体 2.5g ニトロフェニル-トリフェニルホスホニウムクロリド 50mg 1,3-ジヒドロキシベンゼン-4-スルホン酸アンモニウム 4g 2-メルカプトベンツイミダゾール-5-スルホン酸ナトリウム 15mg
【0051】
【化1】
【0052】 C4H9OCH2CH(OH)CH2N(CH2COOH)2 1g 1-フェニル-5-メルカプトテトラゾール 15mg 又保護層液に用いた添加物は次のとおりである。添加
量は塗布液1リットル当たりの量で示す。
【0053】 石灰処理イナートゼラチン 68g 酸処理ゼラチン 2g ソジウム-i-アミル-n-デシルスルホサクシネート 0.3g ポリメチルメタクリレート(面積平均粒径3.5μmのマット剤) 1.1g 二酸化ケイ素粒子(面積平均粒径1.2μmのマット剤) 0.5g ルドックスAM (デュポン社製) (コロイドシリカ) 30g (CH2=CHSO2CH2)2O 500mg C4F9SO3K 2mg C12H25CONH(CH2CH2O)5H 2.0g 2,4-ジ-ノニールフェノールポリエチレンエーテル(PEG平均重合度12) 0.4g 2,4-ジ-ノニールフェノールポリエチレンエーテルスルホン酸 ナトリウム(PEG平均重合度12) 1.0g
【0054】
【化2】
【0055】得られた試料を蛍光増感紙KO-250(コニカ
〔株〕製)の間に挟み、管電圧90KVP、20mAで照射時
間:50msecでアルミ階段を介して露光を行った後、KX-5
00自動現像機を用いてXD-90現像液で35℃,30秒間現像
を行い、XFにて定着(いづれもコニカ〔株〕製)を行っ
た後、常法に従い水洗、乾燥を行って得られた試料につ
いてベース濃度+カブリ濃度+1.0の濃度を得るのに要
した露光量の逆数を求め感度とした。表中の感度は試料
No.1感度を100とした場合の相対感度で示した。 鮮鋭性の評価 鮮鋭性(MTF)はフンクテストチャートSMS5853(コニカ
メディカル〔株〕製)を用い、センシトメトリーと同一
管電圧、増感紙、処理条件で処理した。露光量はフンク
テストチャートによりできる濃淡の平均濃度で1.30±0.
02になるよう各試料とも露光した。数値が大きい程鮮鋭
性の優れることを表す。
【0056】 圧力減感性の評価 試料を温度23℃、RH36.5%下で2時間調湿後、その条件
下で曲率半径が2cmで約280°折り曲げた。次いで3分
後にアルミウェッジを用いて管電圧80KV、管電流100mA
の条件下でX線を0.06秒照射し、前記のセンシトメトリ
ーと同様に現像処理してから目視評価した。
【0057】粒状性の評価 圧力減感の評価用に作成した上記の試料を使って、粒状
性の目視評価した。
【0058】尚、圧力減感及び粒状性の目視評価は、5
段階法で表し、5が最も良好で1が最も優れないことを
表す。
【0059】得られた結果を次の表1に示す。
【0060】
【表1】
【0061】表1から明らかなように、本発明に係るハ
ロゲン化銀写真感光材料は、高感度で鮮鋭性及び粒状性
が優れ、かつ圧力減感性が改良されることが分かる。
【0062】
【発明の効果】本発明により、画像の粒状性を劣化する
ことなく高感度、高鮮鋭性のハロゲン化銀写真感光材料
が得られた。さらに本発明により圧力減感性を改良でき
た。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体の少なくとも一方の側に、少なく
    とも1層のハロゲン化銀乳剤層を有するハロゲン化銀写
    真感光材料において、該ハロゲン化銀乳剤層が、過酸化
    水素で処理されたゼラチンを含む保護コロイド中で調製
    された双晶よりなる平均アスペクト比が3以上の平板状
    ハロゲン化銀粒子であって、かつ該粒子が、化学増感前
    の工程に増感色素により分光増感されていることを特徴
    とするハロゲン化銀写真感光材料。
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