JP3664447B2 - ハロゲン化銀写真乳剤の製造方法 - Google Patents
ハロゲン化銀写真乳剤の製造方法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明はハロゲン化銀写真乳剤の製造方法に関し、詳しくは高感度、低カブリで、かつ耐圧性及び粒状性を改良したハロゲン化銀写真乳剤の製造方法に関するものである。
【0002】
【発明の背景】
近年、写真技術の発達に伴い、ハロゲン化銀写真感光材料の高感度化、高画質化と併せて短時間での迅速処理化も強く望まれている。
【0003】
例えば医療用X線写真感光材料の分野では、診断回数の急増や検査項目の増加により、撮影枚数の増加と診断結果をできるだけ早く知る必要から迅速処理化が望まれており、特に血管造影撮影、術中撮影などでは短時間で、より高画質の画像を得る必要がある。
【0004】
このような高感度化、高画質化及び迅速処理化の要請に応えるものとして、近時、平板状ハロゲン化銀粒子からなる感光材料が挙げられている。該粒子は比表面積が大きいために分光増感色素を多量に吸着できる。そのため分光増感性を向上できることと併せてX線用感光材料におけるクロスオーバー光を軽減できる利点があり、高感度で、かつ高鮮鋭性を得られる特長を有している。
【0005】
しかしながら、一般に直径/厚み比の大きな平板状粒子は、その形状のために外力に対して弱い欠点を有し、例えば感光材料の取り扱い時に生ずる折れ曲がりや、搬送時における機械的応力が加えられた場合、筋状に黒化したり、カブリを発生したり、減感したりするなどの重大な故障を招き、医療用X線フィルムの場合、診断上大きな問題となる。
【0006】
従来より写真感光材料の外的圧力に対する感応性を防止する手段としては大別して2つの方法が提案されている。その一つは乳剤膜に外的圧力が加わったときハロゲン化銀粒子に伝わる力を物理的に緩和する方法であり、他の一つはハロゲン化銀結晶自体の耐圧感度を低減させる方法である。
【0007】
前者の方法としては、例えば乳剤層のバインダー成分であるゼラチン、親水性ポリマー、ラテックスなどの使用或はゼラチンの可塑剤、又はハロゲン化銀粒子に吸着性の化合物を用いるなどの技術が開示されており、いずれも結晶表面を被覆する方法が提案されている。しかしこれらの技術では現像速度や乾燥速度を遅くし時代の要請に逆行することになり好ましくない。
【0008】
後者のハロゲン化銀結晶サイドからのアプローチとしては、例えば平板状粒子の内側に高沃化銀層を設け、耐圧性を改良する特開昭59-99433号、或は平板状粒子の中心領域の沃化物含量を、外領域より高くすることによって耐圧性を改良する特開昭61-14636号などが開示されている。
【0009】
しかしながら沃化物によるこれらの方法は、耐圧性にて若干の改良は認められるものの、現像性に著しい影響を与え、例えば粒子全体の平均沃化銀含有率を低下すると現像が過多となり、その結果、粒状性を劣化するという問題が惹起される。
【0010】
X線用写真感光材料に於ける粒状性の劣化は、誤診につながることから現像性を左右する該方法は好ましくなく、新たな対応が望まれていた。
【0011】
【発明の目的】
従って本発明の目的は、粒状性を劣化することなく圧力耐性を改良した高感度、高画質のハロゲン化銀写真感光材料を得るための、ハロゲン化銀写真乳剤の製造方法を提供することである。
【0012】
【発明の構成】
本発明の上記の目的は、以下の本発明の構成により達成されることを見いだした。
【0013】
1.2.0モル%以下の沃化銀を含有する平板状である沃臭化銀乳剤の製造方法において、該乳剤が予め調整された単分散双晶でありかつ平板状であるハロゲン化銀種粒子を含む親水性コロイド溶液中で、可溶性銀塩及び可溶性ハライド塩溶液を同時混合することによって調整され、かつ下記の(1)及び(2)を満足することを特徴とするハロゲン化銀写真乳剤の製造方法。
【0014】
(1)反応容器中に添加される可溶性銀塩及び可溶性ハライド塩溶液の容量の和が、予め反応容器中に存在するハロゲン化銀種粒子を含む親水性コロイド溶液の2倍以上10倍以下である。
【0015】
(2)予め反応容器中に存在する種粒子を含む親水性コロイド溶液中の種粒子容積濃度が、ハロゲン化銀として0.5%以上5.0%以下である。
【0016】
2.ハロゲン化銀粒子が単分散双晶粒子からなることを特徴とする上記の1項記載のハロゲン化銀写真乳剤の製造方法。
【0017】
以下、本発明を詳述する。
【0018】
本発明において製造される沃臭化銀乳剤は、沃化銀が2.0モル%以下、好ましくは2.0〜0.05モル%の沃化銀を含有する沃臭化銀乳剤である。
【0019】
本発明のハロゲン化銀乳剤中のハロゲン化銀粒子内のハロゲン分布に関しては、均一組成でも、内部と外部が異質なハロゲン組成からなるものでもよく、層状構造(コア/シェル構造)をなしていてもよい。
【0020】
本発明におけるハロゲン化銀乳剤の粒子形成は、予め形成させておいたハロゲン化銀乳剤を種乳剤として用い、それから更に粒子成長させる方法による。
【0021】
本発明のハロゲン化銀乳剤は、酸性法、中性法、アンモニア法などのいずれの方法を用いて調製されてもよく、可溶性銀塩(例えば硝酸銀水溶液、アンモニア性硝酸銀溶液)と、可溶性ハロゲン塩(例えばKBr、KIなどの水溶液)との反応方式としては同時混合法(ダブルジェット法)が用いられる。ダブルジェット法の一つの形式として、ハロゲン銀が生成する液相中のpAgを一定に保つ方法即ちコントロールダブルジェット法を用いることができる。この方法によれば結晶形が規則的で粒子サイズが均ーに近いハロゲン化銀乳剤が得られる。
【0022】
本発明において、同時混合法で反応容器中に添加される可溶性銀塩及び可溶性ハライド塩溶液の総量は、予め反応容器中に存在するハロゲン化銀種粒子を含む親水性コロイド溶液の2倍以上10倍以下であり、より好ましくは2倍以上5倍以下である。又、予め反応容器中に存在する種粒子を含む親水性コロイド溶液中の種粒子容積濃度は、ハロゲン化銀として0.5%以上5.0%以下であり、より好ましくは0.6%以上3.0%以下である。ここで言う種粒子容積濃度とは、下記式で定義されたものとする。
種粒子容積濃度=ハロゲン化銀粒子の体積(ml)×100/反応容器中に予め存在する親水性コロイド溶液の体積(ml)
本発明における好ましい高度の単分散乳剤は、下記式で定義され分布の広さが30%以下のものが好ましく、特に20%以下のものが好ましい。
【0023】
分布の広さ(%)=粒径標準偏差/平均粒径×100
本発明に用いられるハロゲン化銀粒子の形状は任意であり、球状でも平板状であってもよい。好ましくは全投影面積の50%が厚さ0.3μm未満で、かつ、(粒子直径)/(粒子厚み)の比が2:1以上である単分散の双晶粒子であり、好ましくは全投影面積の50%以上が厚さ0.2μm未満で、かつ、(粒子直径)/(粒子厚み)の比が5:1〜8:1である単分散の双晶粒子である。
本発明における粒径とは、粒子の投影像を同面積の円像に換算したときの直径を指す。又、粒子厚みとは平板状粒子の互いに対向する二つの主平面間の距離を言う。粒子の投影面積は、この粒子面積の和から求めることができる。
【0024】
全投影面積及び粒子直径を求めるための投影面積は、粒子の重なりが生じない程度に試料台上に分布されたハロゲン化銀結晶サンプルを、電子顕微鏡で1万倍〜5万倍に拡大して撮影し、そのプリント上の粒子直径又は投影時の面積を実測することによって得ることができる。(測定個数は無差別に1000以上とする。)
粒子の厚さは、電子顕微鏡によって試料を斜めから観察することにより得られる。
【0025】
本発明に係るハロゲン化銀乳剤は、バインダーとしてハロゲン化銀粒子を包むための種々の親水性コロイドが用いられる。この目的のためには、ゼラチンをはじめとして例えばポリビニルアルコール、ポリアクリルアミドなどの合成ポリマーや、コロイド状アルブミン、ポリサッカライド、セルローズ誘導体などの写真用バインダーが用いられてよい。
【0026】
本発明に係るハロゲン化銀写真乳剤は、公知の方法を用いて製造することができる。例えばリサーチ・ディスクロージャー(RD)No.17643(1978年12月),22〜23頁の“Emulsion Preparation and Types”に記載の方法、或は同(RD)No.18716(1979年11月),648頁に記載の方法、或はT.H.James著“The Theory of the Photographic process”第4版、Macmillan社刊(1977年)38〜104頁に記載の方法、G.F.Duffin著“Photographic Emulsion Chemistry”、Focal Press社刊(1966年)、P.Glafkides著“Chimie et Physique Photographique”Paul Montel社刊(1967年)或はV.L.Zelikman他著“Making And Coating Photographic Emulsion" Focal Press社刊(1964)などに記載の方法を参考にして調製することができる。
【0027】
乳剤は可溶性塩類を除去するためにヌーデル水洗法、フロキュレーション沈降法などを用いてよく、好ましい水洗法としては例えば、特公昭35-16086号記載のスルホ基を含む芳香族炭化水素系アルデヒド樹脂を用いる方法、又は特開昭63-158644号記載の高分子凝集剤である例示G-3、G-8などを用いる脱塩法を挙げることができる。
【0028】
本発明のハロゲン化銀写真乳剤によるハロゲン化銀写真感光材料は、乳剤の物理熟成又は化学熟成前後の工程で、各種の写真用添加剤を用いることができる。このような工程で使用できる化合物としては例えば、前記の(RD)No.17643、(RD)No.18716及び(RD)No.308119(1989年12月)に記載されている各種の化合物が挙げられる。これら3つの(RD)に記載されている化合物の種類と記載箇所を下記に掲載した。
【0029】
本発明のハロゲン化銀写真感光材料に用いられる支持体としては、上記のRDに記載されているものが挙げられるが、適当な支持体としてはプラスチックフィルムなどで、支持体表面は塗布層の接着性をよくするために下引き層を設けたりコロナ放電や紫外線照射などが施されてもよい。
【0030】
本発明の感光材料の写真処理は例えば、前記のRD-17643のXX〜XXI、29〜30頁或は同308119のXX〜XXI、1011〜1012頁に記載されているような処理液による処理がなされてよい。
【0031】
白黒写真処理での現像剤としては、ジヒドロキシベンゼン類(例えばハイドロキノン)、3-ピラゾリドン類(例えば1-フェニル-3-ピラゾリドン)、アミノフェノール類(例えばN-メチル-P-アミノフエノール)などを単独もしくは組合せて用いることができる。なお、現像液には公知の例えば保恒剤、アルカリ剤、pH緩衡剤、カブリ防止剤、硬膜剤、現像促進剤、界面活性剤、消泡剤、色調剤、硬水軟化剤、溶解助剤、粘性付与剤などを必要に応じて用いてもよい。
【0032】
定着液にはチオ硫酸塩、チオシアン酸塩などの定着剤が用いられ、さらに硬膜剤として水溶性のアルミニウム塩例えば硫酸アルミニウム或はカリ明ばんなどを含んでいてもよい。その他保恒剤、pH調整剤、硬水軟化剤などを含有していてもよい。
【0033】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に説明するが、本発明は以下述べる実施例により限定されるものではない。
【0034】
実施例1
1)種乳剤の調製
以下の方法により六角平板状種乳剤を調製した。
【0035】
溶液A
オセインゼラチン 60.2g
蒸留水 20l
ポリイソプロピレン-ポリエチレンオキシ
ジコハク酸エステルナトリウム塩(10%エタノール水溶液) 5.6ml
KBr 26.8g
10%H2SO4 144ml
溶液B
2.5N AgNO3水溶液 3500ml
溶液C
KBr 1029g
Kl 29.3g
蒸留水で3500mlにする
溶液D
1.75N KBr水溶液 下記銀電位制御量
35℃で特公昭58-58288号、同58-58289号に記載の混合撹拌機を用いて溶液Aに溶液B及び溶液Cの各々64.1mlを同時混合法により2分を要して添加し、核形成を行った。
【0036】
溶液B及び水溶液Cの添加を停止した後、60分の時間を要して溶液Aの温度を60℃に上昇させ、再び溶液Bと溶液Cを同時混合法により、各々68.5ml/minの流量で50分間添加した。この間の銀電位(飽和銀-塩化銀電極を比較電極として銀イオン選択電極で測定)を溶液Dを用いて+6mvになるように制御した。
【0037】
添加終了後3%KOHによってpHを6に合わせ直ちに脱塩、水洗を行った。得られた乳剤を種乳剤Em-0とする。この乳剤はハロゲン化銀粒子の全投影面積の90%以上が最大隣接辺比が1.0〜2.0の六角平板粒子によりなり、六角平板粒子の平均厚さは0.07μm、平均直径(円直径換算)は0.5μmであることが電子顕微鏡により判明した。
【0038】
2)平板状乳剤の調製
以下の4種類の溶液を用いて1.53モル%のAglを含有する本発明の平板状沃臭化銀乳剤EM-1を調製した。
【0039】
溶液A′
オセインゼラチン 29.4g
種乳剤 Em-0 0.588モル相当
ポリイソプロピレン-ポリエチレンオキシ
-ジコハク酸エステルナトリウム塩(10%エタノール水溶液) 2.5ml
蒸留水で4800mlとする。
【0040】
溶液B′
3.5NAgNO3 水溶液 2360ml
溶液C′
KBr 968g
KI 20.6g
蒸留水で2360mlにする
溶液D′
1.75N KBr水溶液 下記銀電位制御量
60℃において、特公昭58-58288号、同58-58289号明細書に示される混合撹拌機を用いて溶液A′に溶液B′及び溶液C′の全量を同時混合法により21.26ml/minの流速で111分を要して添加し成長を行った。
【0041】
この間の銀電位を溶液D′を用いて+25mvになるように制御した。添加終了後、下記の分光増感色素の(A)と(B)をハロゲン化銀1モル当たり各々300mgと15mg添加した。
【0042】
増感色素(A)5,5′-ジクロロ-9-エチル-3,3′-ジ-(3-スルホプロピル)オキサカルボシアニンナトリウム塩無水物
増感色素(B)5,5′-ジ-(ブトキシカルボニル)-1,1′-ジエチル-3,3′-ジ-(4-スルホブチル)ベンゾイミダゾロカルボシアニンナトリウム塩の無水物
次いで過剰な塩類を除去するため、前記と同様のデモール水溶液及び硫酸マグネシウム水溶液を用いて沈殿脱塩を行い、オセインゼラチン92.2gを含むゼラチン水溶液を加え撹拌再分散した。
【0043】
EM-1の粒子約3000個を電子顕微鏡により観察・測定し形状を分析した。結果を表1に示す。
【0044】
実施例2
実施例1において溶液A′の量を表1に示すように蒸留水量を調整することによって変化させることにより、平板状沃臭化銀乳剤EM-2〜8を作成した。
【0045】
電子顕微鏡による形状の分析結果を表1に示す。
【0046】
実施例3
実施例2において溶液A′の量及び溶液B′、溶液C′の濃度を表1に示すように調整することにより、平板状沃臭化銀乳剤EM-9〜11を作成した。
【0047】
電子顕微鏡による形状の分析結果を表1に示す。
【0048】
実施例4
実施例1において溶液C′の臭化カリウム及び沃化カリウムの量を表1に示すように調整することにより、平均沃化銀含量の異なる平板状沃臭化銀乳剤EM-12〜14を作成した。
【0049】
電子顕微鏡による形状の分析結果及び平均沃化銀含量を表1に示す。
【0050】
それぞれの乳剤について増感色素(A)及び(B)をハロゲン化銀1モル当たり各々140mgと1.4mg添加した後、チオシアン酸アンモニウム塩を銀1モル当たり7.0×10-4モル、及び適当な量の塩化金酸とハイポを添加して化学熟成を行い、平均粒径0.06μmのAgI微粒子乳剤を6×10-4モル/AgIモル添加後、4-ヒドロキシ-6-メチル-1,3,3a,7-テトラザインデン3×10-2モルで安定化した。
【0051】
乳剤にはそれぞれ以下の添加剤を加えた。添加量はハロゲン化銀1モル当たりの量で示す。
【0052】
t-ブチル-カテコール 400mg
ポリビニルピロリドン(分子量 10,000) 1.0g
スチレン-無水マレイン酸共重合体 2.5g
ジエチレングリコール 5g
トリメチロールプロパン 10g
ニトロフェニル-トリフェニルホスホニウムクロリド 50mg
1,3-ジヒドロキシベンゼン-4-スルホン酸アンモニウム 4g
2-メルカプト-ベンツイミダゾール-5-スルホン酸ナトリウム 15mg
C4H9OCH2CH(OH)CH2N(CH2COOH)2 1g
【0053】
【化1】
【0054】
また保護層液に用いた添加剤は次の通りである。添加量はゼラチン1g当たりの量で示す。
【0055】
二酸化ケイ素粒子
面積平均粒径7μmのポリメチルメタクリレートからなるマット剤 7mg
コロイドシリカ(平均粒径0.013μm) 70mg
2,4-ジクロロ-6-ヒドロキシ-1,3,5-トリアジンナトリウム塩 30mg
(CH2=CHSO2−CH2−)2O 36mg
i-アミル-n-デシルスルホサクシネートナトリウム塩 7mg
【0056】
【化2】
【0057】
以上の塗布液を、厚さ180μmの下引き処理済のブルーに着色したポリエチレンテレフタレートフィルムベース上に、両面に均一に塗布、乾燥して表2に示すように試料1〜13を作成した。
【0058】
また塗布ゼラチンは、両面で3.0g/m2になるように全試料について調整を行った。各試料について塗布銀量は片面分として2.0g/m2になるように調整した。
【0059】
なお表1の中で条件▲2▼とは(溶液Bの量+溶液Cの量)/(溶液Aの量)を表し、条件▲3▼とは溶液Aのなかのハロゲン化銀濃度を表す。
【0060】
又、乳剤No.EM-14は凝集粒子が発生してしまい評価ができなかった。
【0061】
【表1】
【0062】
[感度の評価]
得られた試料をX線写真用増感紙KO-250ではさみ、ペネトロルメータB型を介してX線照射後SRX-501自動現像機を用いXD-SR現像処理にて35℃で45秒処理を行った。(いずれもコニカ〔株〕製)
上記のように現像した各試料について、感度を評価した。感度は試料No.1がカブリ+1.0の濃度を与えるのに要した爆射エネルギー量の逆数を100とした場合の相対値で示した。
【0063】
[圧力カブリの評価]
13mm×35mmの各試料について、23℃、相対湿度42%の恒温恒湿下に約1時間保ち、この条件下で、曲率半径4mmにて折り曲げ、未露光のまま現像した。このときの折り曲げによって生じた黒化部分の濃度とカブリ濃度との差をΔDとして、圧力カブリの目安とした。つまり、この値が小さい程、圧力カブリ耐性がよいことになる。
【0064】
[粒状性の評価]
得られた試料を光で一面に露光し、黒化濃度0.6〜0.8の領域の20cm×20cmの現像試料で目視で下記の5段階評価を行った。
【0065】
5:非常に良好
4:良好
3:実用可
2:実用する範囲内でざらついている
1:ザラつきひどく実用不可
以下の結果を表2に示す。
【0066】
【表2】
【0067】
表から明らかなように本発明によれば、圧力カブリが著しく改良され、かつ画像の粒状性が良好な高感度で低カブリのハロゲン化銀写真感光材料を得られることが分かる。
【0068】
【発明の効果】
本発明により、高感度、低カブリで、かつ耐圧性及び粒状性を改良したハロゲン化銀写真乳剤による感光材料を得られた。
【産業上の利用分野】
本発明はハロゲン化銀写真乳剤の製造方法に関し、詳しくは高感度、低カブリで、かつ耐圧性及び粒状性を改良したハロゲン化銀写真乳剤の製造方法に関するものである。
【0002】
【発明の背景】
近年、写真技術の発達に伴い、ハロゲン化銀写真感光材料の高感度化、高画質化と併せて短時間での迅速処理化も強く望まれている。
【0003】
例えば医療用X線写真感光材料の分野では、診断回数の急増や検査項目の増加により、撮影枚数の増加と診断結果をできるだけ早く知る必要から迅速処理化が望まれており、特に血管造影撮影、術中撮影などでは短時間で、より高画質の画像を得る必要がある。
【0004】
このような高感度化、高画質化及び迅速処理化の要請に応えるものとして、近時、平板状ハロゲン化銀粒子からなる感光材料が挙げられている。該粒子は比表面積が大きいために分光増感色素を多量に吸着できる。そのため分光増感性を向上できることと併せてX線用感光材料におけるクロスオーバー光を軽減できる利点があり、高感度で、かつ高鮮鋭性を得られる特長を有している。
【0005】
しかしながら、一般に直径/厚み比の大きな平板状粒子は、その形状のために外力に対して弱い欠点を有し、例えば感光材料の取り扱い時に生ずる折れ曲がりや、搬送時における機械的応力が加えられた場合、筋状に黒化したり、カブリを発生したり、減感したりするなどの重大な故障を招き、医療用X線フィルムの場合、診断上大きな問題となる。
【0006】
従来より写真感光材料の外的圧力に対する感応性を防止する手段としては大別して2つの方法が提案されている。その一つは乳剤膜に外的圧力が加わったときハロゲン化銀粒子に伝わる力を物理的に緩和する方法であり、他の一つはハロゲン化銀結晶自体の耐圧感度を低減させる方法である。
【0007】
前者の方法としては、例えば乳剤層のバインダー成分であるゼラチン、親水性ポリマー、ラテックスなどの使用或はゼラチンの可塑剤、又はハロゲン化銀粒子に吸着性の化合物を用いるなどの技術が開示されており、いずれも結晶表面を被覆する方法が提案されている。しかしこれらの技術では現像速度や乾燥速度を遅くし時代の要請に逆行することになり好ましくない。
【0008】
後者のハロゲン化銀結晶サイドからのアプローチとしては、例えば平板状粒子の内側に高沃化銀層を設け、耐圧性を改良する特開昭59-99433号、或は平板状粒子の中心領域の沃化物含量を、外領域より高くすることによって耐圧性を改良する特開昭61-14636号などが開示されている。
【0009】
しかしながら沃化物によるこれらの方法は、耐圧性にて若干の改良は認められるものの、現像性に著しい影響を与え、例えば粒子全体の平均沃化銀含有率を低下すると現像が過多となり、その結果、粒状性を劣化するという問題が惹起される。
【0010】
X線用写真感光材料に於ける粒状性の劣化は、誤診につながることから現像性を左右する該方法は好ましくなく、新たな対応が望まれていた。
【0011】
【発明の目的】
従って本発明の目的は、粒状性を劣化することなく圧力耐性を改良した高感度、高画質のハロゲン化銀写真感光材料を得るための、ハロゲン化銀写真乳剤の製造方法を提供することである。
【0012】
【発明の構成】
本発明の上記の目的は、以下の本発明の構成により達成されることを見いだした。
【0013】
1.2.0モル%以下の沃化銀を含有する平板状である沃臭化銀乳剤の製造方法において、該乳剤が予め調整された単分散双晶でありかつ平板状であるハロゲン化銀種粒子を含む親水性コロイド溶液中で、可溶性銀塩及び可溶性ハライド塩溶液を同時混合することによって調整され、かつ下記の(1)及び(2)を満足することを特徴とするハロゲン化銀写真乳剤の製造方法。
【0014】
(1)反応容器中に添加される可溶性銀塩及び可溶性ハライド塩溶液の容量の和が、予め反応容器中に存在するハロゲン化銀種粒子を含む親水性コロイド溶液の2倍以上10倍以下である。
【0015】
(2)予め反応容器中に存在する種粒子を含む親水性コロイド溶液中の種粒子容積濃度が、ハロゲン化銀として0.5%以上5.0%以下である。
【0016】
2.ハロゲン化銀粒子が単分散双晶粒子からなることを特徴とする上記の1項記載のハロゲン化銀写真乳剤の製造方法。
【0017】
以下、本発明を詳述する。
【0018】
本発明において製造される沃臭化銀乳剤は、沃化銀が2.0モル%以下、好ましくは2.0〜0.05モル%の沃化銀を含有する沃臭化銀乳剤である。
【0019】
本発明のハロゲン化銀乳剤中のハロゲン化銀粒子内のハロゲン分布に関しては、均一組成でも、内部と外部が異質なハロゲン組成からなるものでもよく、層状構造(コア/シェル構造)をなしていてもよい。
【0020】
本発明におけるハロゲン化銀乳剤の粒子形成は、予め形成させておいたハロゲン化銀乳剤を種乳剤として用い、それから更に粒子成長させる方法による。
【0021】
本発明のハロゲン化銀乳剤は、酸性法、中性法、アンモニア法などのいずれの方法を用いて調製されてもよく、可溶性銀塩(例えば硝酸銀水溶液、アンモニア性硝酸銀溶液)と、可溶性ハロゲン塩(例えばKBr、KIなどの水溶液)との反応方式としては同時混合法(ダブルジェット法)が用いられる。ダブルジェット法の一つの形式として、ハロゲン銀が生成する液相中のpAgを一定に保つ方法即ちコントロールダブルジェット法を用いることができる。この方法によれば結晶形が規則的で粒子サイズが均ーに近いハロゲン化銀乳剤が得られる。
【0022】
本発明において、同時混合法で反応容器中に添加される可溶性銀塩及び可溶性ハライド塩溶液の総量は、予め反応容器中に存在するハロゲン化銀種粒子を含む親水性コロイド溶液の2倍以上10倍以下であり、より好ましくは2倍以上5倍以下である。又、予め反応容器中に存在する種粒子を含む親水性コロイド溶液中の種粒子容積濃度は、ハロゲン化銀として0.5%以上5.0%以下であり、より好ましくは0.6%以上3.0%以下である。ここで言う種粒子容積濃度とは、下記式で定義されたものとする。
種粒子容積濃度=ハロゲン化銀粒子の体積(ml)×100/反応容器中に予め存在する親水性コロイド溶液の体積(ml)
本発明における好ましい高度の単分散乳剤は、下記式で定義され分布の広さが30%以下のものが好ましく、特に20%以下のものが好ましい。
【0023】
分布の広さ(%)=粒径標準偏差/平均粒径×100
本発明に用いられるハロゲン化銀粒子の形状は任意であり、球状でも平板状であってもよい。好ましくは全投影面積の50%が厚さ0.3μm未満で、かつ、(粒子直径)/(粒子厚み)の比が2:1以上である単分散の双晶粒子であり、好ましくは全投影面積の50%以上が厚さ0.2μm未満で、かつ、(粒子直径)/(粒子厚み)の比が5:1〜8:1である単分散の双晶粒子である。
本発明における粒径とは、粒子の投影像を同面積の円像に換算したときの直径を指す。又、粒子厚みとは平板状粒子の互いに対向する二つの主平面間の距離を言う。粒子の投影面積は、この粒子面積の和から求めることができる。
【0024】
全投影面積及び粒子直径を求めるための投影面積は、粒子の重なりが生じない程度に試料台上に分布されたハロゲン化銀結晶サンプルを、電子顕微鏡で1万倍〜5万倍に拡大して撮影し、そのプリント上の粒子直径又は投影時の面積を実測することによって得ることができる。(測定個数は無差別に1000以上とする。)
粒子の厚さは、電子顕微鏡によって試料を斜めから観察することにより得られる。
【0025】
本発明に係るハロゲン化銀乳剤は、バインダーとしてハロゲン化銀粒子を包むための種々の親水性コロイドが用いられる。この目的のためには、ゼラチンをはじめとして例えばポリビニルアルコール、ポリアクリルアミドなどの合成ポリマーや、コロイド状アルブミン、ポリサッカライド、セルローズ誘導体などの写真用バインダーが用いられてよい。
【0026】
本発明に係るハロゲン化銀写真乳剤は、公知の方法を用いて製造することができる。例えばリサーチ・ディスクロージャー(RD)No.17643(1978年12月),22〜23頁の“Emulsion Preparation and Types”に記載の方法、或は同(RD)No.18716(1979年11月),648頁に記載の方法、或はT.H.James著“The Theory of the Photographic process”第4版、Macmillan社刊(1977年)38〜104頁に記載の方法、G.F.Duffin著“Photographic Emulsion Chemistry”、Focal Press社刊(1966年)、P.Glafkides著“Chimie et Physique Photographique”Paul Montel社刊(1967年)或はV.L.Zelikman他著“Making And Coating Photographic Emulsion" Focal Press社刊(1964)などに記載の方法を参考にして調製することができる。
【0027】
乳剤は可溶性塩類を除去するためにヌーデル水洗法、フロキュレーション沈降法などを用いてよく、好ましい水洗法としては例えば、特公昭35-16086号記載のスルホ基を含む芳香族炭化水素系アルデヒド樹脂を用いる方法、又は特開昭63-158644号記載の高分子凝集剤である例示G-3、G-8などを用いる脱塩法を挙げることができる。
【0028】
本発明のハロゲン化銀写真乳剤によるハロゲン化銀写真感光材料は、乳剤の物理熟成又は化学熟成前後の工程で、各種の写真用添加剤を用いることができる。このような工程で使用できる化合物としては例えば、前記の(RD)No.17643、(RD)No.18716及び(RD)No.308119(1989年12月)に記載されている各種の化合物が挙げられる。これら3つの(RD)に記載されている化合物の種類と記載箇所を下記に掲載した。
【0029】
本発明のハロゲン化銀写真感光材料に用いられる支持体としては、上記のRDに記載されているものが挙げられるが、適当な支持体としてはプラスチックフィルムなどで、支持体表面は塗布層の接着性をよくするために下引き層を設けたりコロナ放電や紫外線照射などが施されてもよい。
【0030】
本発明の感光材料の写真処理は例えば、前記のRD-17643のXX〜XXI、29〜30頁或は同308119のXX〜XXI、1011〜1012頁に記載されているような処理液による処理がなされてよい。
【0031】
白黒写真処理での現像剤としては、ジヒドロキシベンゼン類(例えばハイドロキノン)、3-ピラゾリドン類(例えば1-フェニル-3-ピラゾリドン)、アミノフェノール類(例えばN-メチル-P-アミノフエノール)などを単独もしくは組合せて用いることができる。なお、現像液には公知の例えば保恒剤、アルカリ剤、pH緩衡剤、カブリ防止剤、硬膜剤、現像促進剤、界面活性剤、消泡剤、色調剤、硬水軟化剤、溶解助剤、粘性付与剤などを必要に応じて用いてもよい。
【0032】
定着液にはチオ硫酸塩、チオシアン酸塩などの定着剤が用いられ、さらに硬膜剤として水溶性のアルミニウム塩例えば硫酸アルミニウム或はカリ明ばんなどを含んでいてもよい。その他保恒剤、pH調整剤、硬水軟化剤などを含有していてもよい。
【0033】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に説明するが、本発明は以下述べる実施例により限定されるものではない。
【0034】
実施例1
1)種乳剤の調製
以下の方法により六角平板状種乳剤を調製した。
【0035】
溶液A
オセインゼラチン 60.2g
蒸留水 20l
ポリイソプロピレン-ポリエチレンオキシ
ジコハク酸エステルナトリウム塩(10%エタノール水溶液) 5.6ml
KBr 26.8g
10%H2SO4 144ml
溶液B
2.5N AgNO3水溶液 3500ml
溶液C
KBr 1029g
Kl 29.3g
蒸留水で3500mlにする
溶液D
1.75N KBr水溶液 下記銀電位制御量
35℃で特公昭58-58288号、同58-58289号に記載の混合撹拌機を用いて溶液Aに溶液B及び溶液Cの各々64.1mlを同時混合法により2分を要して添加し、核形成を行った。
【0036】
溶液B及び水溶液Cの添加を停止した後、60分の時間を要して溶液Aの温度を60℃に上昇させ、再び溶液Bと溶液Cを同時混合法により、各々68.5ml/minの流量で50分間添加した。この間の銀電位(飽和銀-塩化銀電極を比較電極として銀イオン選択電極で測定)を溶液Dを用いて+6mvになるように制御した。
【0037】
添加終了後3%KOHによってpHを6に合わせ直ちに脱塩、水洗を行った。得られた乳剤を種乳剤Em-0とする。この乳剤はハロゲン化銀粒子の全投影面積の90%以上が最大隣接辺比が1.0〜2.0の六角平板粒子によりなり、六角平板粒子の平均厚さは0.07μm、平均直径(円直径換算)は0.5μmであることが電子顕微鏡により判明した。
【0038】
2)平板状乳剤の調製
以下の4種類の溶液を用いて1.53モル%のAglを含有する本発明の平板状沃臭化銀乳剤EM-1を調製した。
【0039】
溶液A′
オセインゼラチン 29.4g
種乳剤 Em-0 0.588モル相当
ポリイソプロピレン-ポリエチレンオキシ
-ジコハク酸エステルナトリウム塩(10%エタノール水溶液) 2.5ml
蒸留水で4800mlとする。
【0040】
溶液B′
3.5NAgNO3 水溶液 2360ml
溶液C′
KBr 968g
KI 20.6g
蒸留水で2360mlにする
溶液D′
1.75N KBr水溶液 下記銀電位制御量
60℃において、特公昭58-58288号、同58-58289号明細書に示される混合撹拌機を用いて溶液A′に溶液B′及び溶液C′の全量を同時混合法により21.26ml/minの流速で111分を要して添加し成長を行った。
【0041】
この間の銀電位を溶液D′を用いて+25mvになるように制御した。添加終了後、下記の分光増感色素の(A)と(B)をハロゲン化銀1モル当たり各々300mgと15mg添加した。
【0042】
増感色素(A)5,5′-ジクロロ-9-エチル-3,3′-ジ-(3-スルホプロピル)オキサカルボシアニンナトリウム塩無水物
増感色素(B)5,5′-ジ-(ブトキシカルボニル)-1,1′-ジエチル-3,3′-ジ-(4-スルホブチル)ベンゾイミダゾロカルボシアニンナトリウム塩の無水物
次いで過剰な塩類を除去するため、前記と同様のデモール水溶液及び硫酸マグネシウム水溶液を用いて沈殿脱塩を行い、オセインゼラチン92.2gを含むゼラチン水溶液を加え撹拌再分散した。
【0043】
EM-1の粒子約3000個を電子顕微鏡により観察・測定し形状を分析した。結果を表1に示す。
【0044】
実施例2
実施例1において溶液A′の量を表1に示すように蒸留水量を調整することによって変化させることにより、平板状沃臭化銀乳剤EM-2〜8を作成した。
【0045】
電子顕微鏡による形状の分析結果を表1に示す。
【0046】
実施例3
実施例2において溶液A′の量及び溶液B′、溶液C′の濃度を表1に示すように調整することにより、平板状沃臭化銀乳剤EM-9〜11を作成した。
【0047】
電子顕微鏡による形状の分析結果を表1に示す。
【0048】
実施例4
実施例1において溶液C′の臭化カリウム及び沃化カリウムの量を表1に示すように調整することにより、平均沃化銀含量の異なる平板状沃臭化銀乳剤EM-12〜14を作成した。
【0049】
電子顕微鏡による形状の分析結果及び平均沃化銀含量を表1に示す。
【0050】
それぞれの乳剤について増感色素(A)及び(B)をハロゲン化銀1モル当たり各々140mgと1.4mg添加した後、チオシアン酸アンモニウム塩を銀1モル当たり7.0×10-4モル、及び適当な量の塩化金酸とハイポを添加して化学熟成を行い、平均粒径0.06μmのAgI微粒子乳剤を6×10-4モル/AgIモル添加後、4-ヒドロキシ-6-メチル-1,3,3a,7-テトラザインデン3×10-2モルで安定化した。
【0051】
乳剤にはそれぞれ以下の添加剤を加えた。添加量はハロゲン化銀1モル当たりの量で示す。
【0052】
t-ブチル-カテコール 400mg
ポリビニルピロリドン(分子量 10,000) 1.0g
スチレン-無水マレイン酸共重合体 2.5g
ジエチレングリコール 5g
トリメチロールプロパン 10g
ニトロフェニル-トリフェニルホスホニウムクロリド 50mg
1,3-ジヒドロキシベンゼン-4-スルホン酸アンモニウム 4g
2-メルカプト-ベンツイミダゾール-5-スルホン酸ナトリウム 15mg
C4H9OCH2CH(OH)CH2N(CH2COOH)2 1g
【0053】
【化1】
【0054】
また保護層液に用いた添加剤は次の通りである。添加量はゼラチン1g当たりの量で示す。
【0055】
二酸化ケイ素粒子
面積平均粒径7μmのポリメチルメタクリレートからなるマット剤 7mg
コロイドシリカ(平均粒径0.013μm) 70mg
2,4-ジクロロ-6-ヒドロキシ-1,3,5-トリアジンナトリウム塩 30mg
(CH2=CHSO2−CH2−)2O 36mg
i-アミル-n-デシルスルホサクシネートナトリウム塩 7mg
【0056】
【化2】
【0057】
以上の塗布液を、厚さ180μmの下引き処理済のブルーに着色したポリエチレンテレフタレートフィルムベース上に、両面に均一に塗布、乾燥して表2に示すように試料1〜13を作成した。
【0058】
また塗布ゼラチンは、両面で3.0g/m2になるように全試料について調整を行った。各試料について塗布銀量は片面分として2.0g/m2になるように調整した。
【0059】
なお表1の中で条件▲2▼とは(溶液Bの量+溶液Cの量)/(溶液Aの量)を表し、条件▲3▼とは溶液Aのなかのハロゲン化銀濃度を表す。
【0060】
又、乳剤No.EM-14は凝集粒子が発生してしまい評価ができなかった。
【0061】
【表1】
【0062】
[感度の評価]
得られた試料をX線写真用増感紙KO-250ではさみ、ペネトロルメータB型を介してX線照射後SRX-501自動現像機を用いXD-SR現像処理にて35℃で45秒処理を行った。(いずれもコニカ〔株〕製)
上記のように現像した各試料について、感度を評価した。感度は試料No.1がカブリ+1.0の濃度を与えるのに要した爆射エネルギー量の逆数を100とした場合の相対値で示した。
【0063】
[圧力カブリの評価]
13mm×35mmの各試料について、23℃、相対湿度42%の恒温恒湿下に約1時間保ち、この条件下で、曲率半径4mmにて折り曲げ、未露光のまま現像した。このときの折り曲げによって生じた黒化部分の濃度とカブリ濃度との差をΔDとして、圧力カブリの目安とした。つまり、この値が小さい程、圧力カブリ耐性がよいことになる。
【0064】
[粒状性の評価]
得られた試料を光で一面に露光し、黒化濃度0.6〜0.8の領域の20cm×20cmの現像試料で目視で下記の5段階評価を行った。
【0065】
5:非常に良好
4:良好
3:実用可
2:実用する範囲内でざらついている
1:ザラつきひどく実用不可
以下の結果を表2に示す。
【0066】
【表2】
【0067】
表から明らかなように本発明によれば、圧力カブリが著しく改良され、かつ画像の粒状性が良好な高感度で低カブリのハロゲン化銀写真感光材料を得られることが分かる。
【0068】
【発明の効果】
本発明により、高感度、低カブリで、かつ耐圧性及び粒状性を改良したハロゲン化銀写真乳剤による感光材料を得られた。
Claims (1)
- 2.0モル%以下の沃化銀を含有する平板状である沃臭化銀乳剤の製造方法において、該乳剤が予め調整された単分散双晶でありかつ平板状であるハロゲン化銀種粒子を含む親水性コロイド溶液中で、可溶性銀塩及び可溶性ハライド塩溶液を同時混合することによって調整され、かつ下記の(1)及び(2)を満足することを特徴とするハロゲン化銀写真乳剤の製造方法。
(1)反応容器中に添加される可溶性銀塩及び可溶性ハライド塩溶液の容量の和が、予め反応容器中に存在するハロゲン化銀種粒子を含む親水性コロイド溶液の2倍以上10倍以下である。
(2)予め反応容器中に存在する種粒子を含む親水性コロイド溶液中の種粒子容積濃度が、ハロゲン化銀として0.5%以上5.0%以下である。
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