JP3191190B2 - ハロゲン化銀写真乳剤の製造方法 - Google Patents

ハロゲン化銀写真乳剤の製造方法

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JP3191190B2 JP08624093A JP8624093A JP3191190B2 JP 3191190 B2 JP3191190 B2 JP 3191190B2 JP 08624093 A JP08624093 A JP 08624093A JP 8624093 A JP8624093 A JP 8624093A JP 3191190 B2 JP3191190 B2 JP 3191190B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ハロゲン化銀写真乳剤
の製造方法に関し、更に詳しくは低カブリ、かつ高感度
であり、しかもセーフライトカブリ性の改良されたハロ
ゲン化銀写真乳剤の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ハロゲン化銀写真感光材料の消費
量は、増加の一途をたどっている。このためハロゲン化
銀写真感光材料の現像処理枚数が増加し、一層の現像処
理の迅速化、つまり同一時間内での処理量を増加させる
ことが要求されている。
【0003】上記の傾向は、どの感光材料の分野でも言
えることであるが、例えば医療用X線感光材料の分野で
は、診断回数の急増や検査項目の増加により、X線写真
撮影枚数が増加している一方、診断結果をできるだけ早
く受信者に知らせる必要があり、このため迅速処理化が
望まれている。特に血管造影撮影、術中撮影等は、本質
的に少しでも短時間で写真を見る必要がある。
【0004】上記の医療界の要望を満たすには、診断の
自動化(撮影、搬送など)を促進すると共に、X線フィル
ムを一層迅速に処理する必要がある。
【0005】しかし、超迅速処理を行うと、高pH、高温
(30〜40℃)で現像処理することが多く画質の劣化が問題
となる。
【0006】このような、高画質化の流れとともに、上
記迅速処理化の要請に対して、近時平板状ハロゲン化銀
粒子が用いられている。平板状ハロゲン化銀粒子は比表
面積が大きいために、増感色素を多量に吸着でき、従っ
て分光感度を高くすることができ、さらにXレイ用感光
材料におけるようなクロスオーバー光を顕著に減少させ
るとともに、光散乱が少なく解像力の高い画像が得られ
るという特徴がある。従ってこのような平板状粒子を使
用することにより、高感度で高画質のハロゲン化銀写真
感光材料が期待されるが、本発明者の検討によれば、必
ずしもそのように単純ではなく、例えば暗室用の安全光
(赤色セーフライト)に対する耐性が悪くなりカブリを
発生しやすくなるという大きな欠点を有していることが
わかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記のような問題に対
して、本発明の課題は、低カブリかつ高感度であり、し
かもセーフライトカブリ性の改良されたハロゲン化銀写
真乳剤の製造方法で、従って例えば迅速処理した場合で
も良好な画像が得られる写真用ハロゲン化銀乳剤の製造
方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の上記課題は、2.
0モル%以下の沃化銀を含有するハロゲン化銀乳剤の製
造方法において、該乳剤が予め調整したハロゲン化銀種
粒子を含む親水性コロイド溶液中に可溶性銀塩及び可溶
性ハライド塩溶液を同時混合することによって調整さ
れ、かつ下記の〜を満足することを特徴とするハロ
ゲン化銀写真乳剤の製造方法により達成される。
【0009】 反応容器に添加される可溶性銀塩及び
可溶性ハライド塩溶液の容量の和が、予め反応容器中に
存在する種粒子を含む親水性コロイド溶液の2倍以上10
倍以下である。
【0010】 予め反応容器中に存在する種粒子を含
む親水性コロイド溶液中の種粒子容積濃度がハロゲン化
銀として0.5%以上5%以下である。
【0011】 予め反応容器中に存在する該親水性コ
ロイド溶液中の親水性コロイドの重量比が1.5重量%以
上であり、かつ該親水性コロイド溶液中に前記一般式
[I](化1)の化合物を前記式(1)を満足する条件で
含有する。
【0012】尚、上記ハロゲン化銀粒子は単分散双晶粒
子からなることが望ましい。
【0013】以下、本発明についてさらに具体的に説明
する。
【0014】ハロゲン化銀粒子は一般に、該粒子を含有
するハロゲン化銀乳剤の形で製造され、使用される。本
発明に用いられるハロゲン化銀粒子の形状は任意であ
り、例えば、球状でも、また、平板状であってもよい。
好ましくは全投影面積の50%が厚さ0.3μm未満、かつ粒
子直径/粒子厚さの比が2:1以上である単分散の双晶
粒子であり、より好ましくは全投影面積の50%以上が厚
さ0.2μm未満かつ粒子直径/粒子厚さの比が5:1〜
8:1である単分散の双晶粒子である。
【0015】本発明において、粒径とは、粒子の投影像
を同面積の円像に換算したときの直径である。粒子厚さ
とは、平板状粒子の互いに対向する2つの主平面間の距
離を言う。粒子の投影面積は、この粒子面積の和から求
めることができる。全投影面積及び粒子直径を求めるた
めの投影面積は、いずれも、粒子の重なりが生じない程
度に試料台上に分布されたハロゲン化銀結晶サンプル
を、電子顕微鏡で1万倍〜5万倍に拡大して撮影し、そ
のプリント上の粒子直径叉は投影時の面積を実測するこ
とによって得ることができる。(測定個数は無差別に100
0個以上あることとする。) 粒子の厚さは電子顕微鏡に
よって試料を斜めから観察することにより得ることがで
きる。
【0016】本発明の特に好ましい高度の単分散乳剤は (粒径標準偏差)/(平均粒径)×100=(分布の広さ)(%) によって定義した分布の広さが30%以下のものであり、
更に好ましくは20%以下のものである。
【0017】ここに粒径測定方法は前述の測定方法に従
うものとし、平均粒径は単純平均とする。
【0018】(平均粒径)=Σdini/Σni 単分散乳剤を得る方法としては、種粒子を含むゼラチン
溶液中に、水溶性銀塩溶液と水溶性ハライド溶液をpAg
及びpHの制御下ダブルジェット法によって得る方法が
あり、このような手段を用いることができる。
【0019】添加速度の決定に当たっては、特開昭54-4
8521号、同58-49938号を参考にできる。
【0020】本発明において、双晶とは、一つの粒子内
に一つ以上の双晶面を有するハロゲン化銀結晶を意味す
る。双晶の形態の分類はクラインとモイザーによる報文
「ホトグラフィシェ・コレスポンデンツ」(Photographi
sche Korrespondenz)99巻99頁、同100巻57頁に詳しく述
べられている。双晶の二つ以上の双晶面は互いに平行で
あっても平行でなくてもよい。双晶面は、直接電子顕微
鏡で観察できることができるが、ハロゲン化銀を樹脂中
に分散して固め超薄切片試料として断面から観察するこ
ともできる。
【0021】本発明に係るハロゲン化銀乳剤を構成する
上記ハロゲン化銀双晶粒子は、主として2枚以上の平行
な双晶面を有するものであることが好ましく、より好ま
しくは偶数枚、特に好ましくは2枚の双晶面を有するも
のである。
【0022】ここで、主として2枚以上の平行な双晶面
を有する双晶から成るとは、2枚以上の平行な双晶面を
有する双晶粒子数が大粒径粒子から数えたとき個数にし
て50%以上、好ましくは60%以上、特に好ましくは70%
以上の場合である。
【0023】本発明における単分散双晶とは、該双晶粒
子の粒径の分布の広さが30%以下のものであり、更に好
ましくは20%以下のものである。
【0024】本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤のハ
ロゲン化銀組成は、沃化銀を2.0モル%以下、好ましく
は2.0〜0.05モル%含有する沃臭化銀、沃塩臭化銀のい
ずれのハロゲン化銀を用いてもよい。
【0025】また、粒子内のハロゲン分布に関しては、
均一組成でも、内部と外部が異質なハロゲン組成からな
るものでもよく、層状構造(コア/シェル構造)をなし
ていてもよい。
【0026】本発明において用いるハロゲン化銀乳剤の
形成は、あらかじめ形成させておいたハロゲン化銀乳剤
を種乳剤として用いて、それから更に粒子を成長させる
方法による。また、本発明に使用できるハロゲン化銀写
真乳剤は、酸性法、中性法、アンモニア法等のいずれの
方法をとってもよいが、可溶性銀塩と可溶性ハロゲン塩
を反応させる形式としてはダブルジェット法(同時混合
法)を用いる。同時混合法の一つの形式としてハロゲン
化銀の生成する液相中のpAgを一定に保つ方法、即ち、
いわゆるコントロールド・ダブルジェット法を用いるこ
ともできる。この方法によると結晶形が規則的で粒子サ
イズが均一に近いハロゲン化銀乳剤が得られる。
【0027】本発明において、ダブルジェット法で添加
される可溶性銀塩溶液及び可溶性ハライド塩溶液の総量
は、あらかじめ反応容器中に存在する種粒子を含む親水
性コロイド溶液の2倍以上10倍以下である。より好まし
くは2倍以上5倍以下である。
【0028】本発明において、反応容器中にあらかじめ
存在する親水性コロイド溶液中の種粒子濃度はハロゲン
化銀として0.5%以上5%以下である。より好ましくは0.
6%以上3%以下である。
【0029】ここで種粒子濃度は以下の式で定義される
ものとする。
【0030】(種粒子濃度)(%)=(ハロゲン化銀種粒子の
体積)(ml)×100/(反応容器中にあらかじめ存在する親
水性コロイド溶液の体積)(ml) 本発明に係るハロゲン化銀乳剤は、バインダーとしてハ
ロゲン化銀を包むための種々の親水性コロイドが用いら
れる。この目的のためには、ゼラチンをはじめとして例
えばポリビニルアルコール、ポリアクリルアミドなどの
合成ポリマーや、コロイド状アルブミン、ポリサッカラ
イド、セルローズ誘導体などの写真用バインダーが用い
られてよい。
【0031】本発明において、予め反応容器中に存在す
る種粒子を含む親水性コロイド中の親水性コロイドの重
量比は1.5重量%以上であり、より好ましくは2.0〜3.5
重量%である。
【0032】本発明に用いられる前記一般式[I]のA
で表される置換基としては、例えばスルホン酸基、カル
ボキシ基、アルキル基、アリール基、アルキルカルボニ
ル基、アリールカルボニル基、アルケニルカルボニル基
等を挙げることができる。これらの基はそれぞれ置換基
を有するものも含む。
【0033】一般式[I]のBで表される置換基として
は、例えばスルホン酸基、カルボキシ基、アルキル基、
アリール基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニ
ル基、アルケニルカルボニル基等を挙げることができ
る。これらの基はそれぞれ置換基を有するものも含む。
【0034】次に一般式[I]で表される化合物の具体
例を示すが、当然のことながら本発明はこれらに限定さ
れるものではない。
【0035】
【化2】
【0036】
【化3】
【0037】本発明に係るハロゲン化銀写真乳剤の製造
方法において、前記一般式[I]の化合物は予め反応容
器中に存在する種粒子を含む親水性コロイド溶液中に下
記式(1)を満足する条件で含有される。
【0038】式(1) 0.005≦(銀1モルに対する一般式[I]の重量[g])
/(粒子成長時のpAg)<0.015 また、前記化合物の添加に際しては、写真性能に影響を
及ぼさない有機溶媒(例えばメタノール、アセトン等)
に溶解して添加するのが好ましい。
【0039】本発明の実施に際して用いられるハロゲン
化銀乳剤は、ハロゲン化銀粒子の成長の終了後に、適当
な方法によって可溶性塩類を除去して化学増感に適する
pAgイオン濃度にすることができる。凝集法やヌードル
水洗法など、リサーチ・ディスクロージャー17643号(Re
search Disclosure 17643号)記載の方法を用いてよく、
好ましい水洗法としては例えば、特公昭35-16086号記載
のスルホ酸を含む芳香族炭化水素系アルデヒド樹脂を用
いる方法、叉は特開昭63-158644号記載の高分子凝集剤
である例示G−3、G−8などを用いる脱塩法を挙げる
ことができる。
【0040】化学増感する場合は、通常のイオウ増感、
還元増感、貴金属増感及びそれらの組み合わせが用いら
れる。さらに具体的な化学増感剤としては、アリルチオ
カルバミド(Allyl tio-carbamide)、チオ尿素、チオサ
ルフェート、チオエーテルやシスチンなどの硫黄増感
剤;ポタシウムクロロオーレイト、オーラスチオサルフ
ェートやポタシウムクロロパラデート(Potassium chlor
o palladate)などの貴金属増感剤;塩化スズ、フェニル
ヒドラジンやレタクトンなどの還元増感剤などを挙げる
ことができる。
【0041】本発明の実施に際して用いられる写真乳剤
は、シアニン色素類その他によって分光増感されてもよ
い。増感色素は単独に用いてもよいが、それらの組み合
わせを用いてもよく、増感色素の組み合わせは特に強色
増感の目的でしばしば用いられる。
【0042】本発明のハロゲン化銀感光材料は、その塗
布液中に通常用いられる写真用硬膜剤、例えばアルデヒ
ド系、アジリジン系(例えばPBレポート19,921、米国特
許第2,950,197号、同第2,964,404号、同第2,983,611
号、同第3,271,175号の各明細書、特公昭46-40898号、
特開昭51-91315号の各公報に記載のもの)、イソオキサ
ゾール系(例えば米国特許第331,609号明細書に記載のも
の)、エポキシ系(例えば米国特許第3,047,394号、西独
特許第1,085,663号、英国特許第1,033,518号の各明細
書、特公昭48-35495号公報に記載のもの)、ビニルスル
ホン系(例えばPBレポート19,920、西独特許第1,100,942
号、英国特許第1,251,091号、特願昭45-54236号、同48-
110996号、米国特許第353,964号、同第3,490,911号の各
明細書に記載のもの)、アクリロイル系(例えば特願昭48
-27949号、米国特許第3,640,720号の各明細書に記載の
もの)、カルボジイミド系(例えば米国特許第2,938,892
号明細書、特公昭46-38715号公報、特願昭49-15095号明
細書に記載のもの)、その他マレイミド系、アセチレン
系、メタンスルホン酸エステル系、トリアジン系、高分
子型の硬膜剤が使用できる。また、増粘剤として例えば
米国特許第3,167,410号、ベルギー特許第558,143号の各
明細書に記載のもの、ゼラチン可塑剤としてポリオール
類(例えば米国特許第2,960,404号明細書、特公昭43-493
9号、特開昭48-63715号の各公報のもの)、さらにはラテ
ックス類として米国特許第766,979号、フランス特許第
1,395,544号の各明細書、特公昭48-43125号公報に記載
されるもの、マット剤として英国特許第1,221,980号明
細書に記載のものなどを用いることができる。
【0043】また、本発明のハロゲン化銀写真感光材料
の構成要素層中には、所望の塗布助剤を用いることがで
き、例えばサポニン或いはスルホコハク酸系界面活性剤
として例えば英国特許第548,532号、特願昭47-89630号
の各明細書、あるいはアニオン性界面活性剤として例え
ば特公昭43-18166号公報、米国特許第3,514,293号、フ
ランス特許第2,025,688号の各明細書、特公昭43-10247
号公報に記載のものが使用できる。
【0044】上記の写真乳剤には感光材料の製造工程、
保存中或いは処理中の感度低下やカブリの発生を防ぐた
めに種々の化合物を添加することができる。それらの化
合物は4-ヒドロキシ-6-メチル-1,3,3a,7-テトラザイン
デン、3-メチル-ベンゾチアゾール、1-フェニル-3-メル
カプトテトラゾールをはじめ、多くの複素環化合物、含
水銀化合物、メルカプト化合物、金属塩類など極めて多
くの化合物が古くから知られている。
【0045】使用できる化合物の一例は、ケイ・ミース
(K.Mees)著ザ・セオリー・オブ・ザ・フォトグラフィッ
ク・プロセス(The Theory of the Photographic Proces
s)(第3版、1966年)に原文献を挙げて記されているほ
か、特開昭49-81024号、同50-6306号、同50-19429号、
米国特許3,850,639号に記載されているような当業界で
よく知られたカブリ防止剤はいずれも用いることができ
る。
【0046】その他、本発明の実施に際しては、写真技
術において用いられる各種の技術を適用することができ
る。
【0047】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。な
お、当然のことながら、本発明は以下述べる実施例によ
り限定されるものではない。
【0048】実施例1 (種乳剤の調整)以下の方法により六角平板種乳剤を作成
した。
【0049】 <溶液A> オセインゼラチン 60.2g 蒸留水 20.0l 例示化合物I-2 10%メタノール水溶液 5.6ml KBr 26.8g 10%H2SO4 144ml <溶液B> 2.5N AgNO3水溶液 3500ml <溶液C> KBr 1029g KI 29.3g 蒸留水で 3500mlにする <溶液D> 1.75N KBr水溶液 下記銀電位制御量 35゜Cにおいて、特公昭58-58288号、同58-58289号明細書
に示される混合撹拌機を用いて、溶液Aに溶液B及び溶
液Cの各々64.1mlを同時混合法により2分の時間を要し
て添加し、核形成を行った。
【0050】溶液B及び溶液Cの添加を停止した後、60
分の時間を要して溶液Aの温度を60゜Cに上昇させ、再び
溶液Bと溶液Cを同時混合法により、各々68.5ml/minの
流量で50分間添加した。この間の銀電位(飽和銀-塩化銀
電極を比較電極として銀イオン選択電極で測定)を溶液
Dを用いて+6mVになるように制御した。添加終了後3
%KOHによってpHを6に合わせ、直ちに脱塩、水洗
を行い種乳剤EM−0とした。このように作成した種乳
剤EM−0は、ハロゲン化銀粒子の全投影面積の90%以
上が最大隣接辺比が1.0〜2.0の六角平板粒子よりなり、
六角平板の平均厚さ0.07μm、平均直径(円直径換算)は
0.5μmであることが電子顕微鏡観察により判明した。
【0051】(平板乳剤の調製)下記、表1〜表4に示
す3種類の溶液を用いて平板状沃臭化銀乳剤EM−1〜
82を作成した。
【0052】60℃において、特公昭58-58288号、同58-5
8289号明細書に示される混合撹拌機を用いて、溶液Aに
溶液B及び溶液Cの全量を同時混合法により添加終了時
の流速が添加開始時の流速の3倍になるように110分の
時間を要し添加成長を行った。
【0053】この間の銀電位を1.75N臭化カリウム水溶
液を用いて表1〜表4に示すpAgになるように制御し
た。
【0054】
【表1】
【0055】
【表2】
【0056】
【表3】
【0057】
【表4】
【0058】添加終了後、下記増感色素(A)及び
(B)を各々300mg/Ag1モル、15mg/Ag1モル添加した
後、過剰な塩類を除去するため、デモール(花王アトラ
ス社製)水溶液及び硫酸マグネシウム水溶液を用いて沈
澱脱塩を行い、オセインゼラチン92.2gを含むゼラチン
水溶液を加え2500mlとして、撹拌再分散した。
【0059】増感色素(A):5,5′-ジクロロ-9-エチ
ル-3,3′-ジ-(3ースルホプロピル)オキサカルボシアニ
ン塩 無水物 増感色素(B):5,5′-ジ-(ブトキシカルボニル)-1,
1′-ジエチル-3,3′-ジ-(4-スルホブチル)ベンゾイミ
ダゾロカルボシアニン-ナトリウム塩無水物 各々の粒子約3000個を電子顕微鏡により観察・測定し形
状を分析した。結果を表5〜表8に示す。
【0060】
【表5】
【0061】
【表6】
【0062】
【表7】
【0063】
【表8】
【0064】条件 :(反応容器に添加する可溶性
銀塩と可溶性ハライド溶液の容量の和)/(予め反応容
器中に存在する種粒子を含む親水性コロイド溶液) 条件 :予め反応容器中に存在する種粒子を含む親
水性コロイド溶液中の種粒子容積濃度 条件−1:予め反応容器中に存在する親水性コロイド
溶液中の親水性コロイドの重量比 条件−2:(銀1モルに対する一般式[I]の重量
[g])/(粒子成長時のpAg) (試料の作成)それぞれの乳剤について増感色素(A)及
び(B)を各々140mg/Ag1モル、1.4mg/Ag1モル添加し
た後、チオシアン酸アンモニウム塩を銀1モル当たり7.
0×10-4モル、及び適当な量の塩化金酸とハイポを添加
して化学熟成を行い、平均粒径0.06μmのAgI微粒子
乳剤を6×10-4モル/Ag1モル添加後、4-ヒドロキシ-6-
メチル-1,3,3a,7-テトラザインデン 3×10-2モルで安定
化した。
【0065】それぞれの乳剤には、後記の各種添加剤を
加えた。
【0066】乳剤液(感光性ハロゲン化銀塗布液)に用い
た添加剤は次のとおりである。添加量はハロゲン化銀1
モル当たりの量で示す。
【0067】 化合物A 150mg t-ブチル-カテコール 400mg ポリビニルピロリドン(分子量10,000) 1.0g スチレン-無水マレイン酸供重合体 2.5g トリメチロールプロパン 10g ジエチレングリコール 5g ニトロフェニル-トリフェニル-ホスホニウムクロリド 50mg 1,3-ジヒドロキシベンゼン-4-スルホン酸アンモニウム 4g 2-メルカプトベンツイミダゾール-5-スルホン酸ナトリウム 1.5mg 化合物B 70mg n-C4H9OCH2CH(OH)CH2N(CH2COOH)2 1g
【0068】
【化4】
【0069】また保護層液に用いた添加剤は次のとおり
である。添加量はゼラチン1g当たりの量で示す。
【0070】 面積平均粒径7μmのポリメチルメタクリレートからなるマット剤 7mg コロイドシリカ(平均粒径0.013μm) 70mg 2,4-ジクロロ-6-ヒドロキシ-1,3,5-トリアジンナトリウム塩 30mg (CH2=CHSO2-CH2-)2O 36mg 化合物C 12mg 化合物D 2mg 化合物E 7mg 化合物F 15mg 化合物G 5mg F19C9-O-(CH2CH2O)10CH2CH2-OH 3mg
【0071】
【化5】
【0072】以上の塗布液を、厚さ180μmの下引き処理
済のブルーに着色したポリエチレンテレフタレートフィ
ルムベース上に、両面に均一に塗布、乾燥して表5〜表
8に示すように試料1〜82を作成した。
【0073】また塗布ゼラチンは両面で3.0g/m2になる
ように全試料について調整を行った。各試料について塗
布銀量は片面分として2.0g/m2になるように調整した。
【0074】得られた試料について下記方法で評価し
た。
【0075】[感度の評価]得られた試料をX線写真用
増感紙KO-250ではさみ、ペネトロメータB型を介してX
線照射後SRX-501自動現像機を用いXD-SR現像処理液にて
35℃で45秒処理を行った。(いずれもコニカ(株)製) 上記のようにして現像した各試料について、感度を評価
した。感度は試料1がカブリ+1.0の濃度を与えるのに
要した爆射エネルギー量の逆数を100とした相対値で示
した。
【0076】[セーフライト性の評価]各試料を図1に
示す透過率を有した赤色フィルターを通して、白色電球
光で試料の上方1.2mから30分間照射し、前記と同様に現
像し、カブリの増加値を測定してセーフライト性とし
た。値が小さいほどセーフライト耐性が優れることを表
す。
【0077】得られた結果を表5〜表8に示す。
【0078】表5〜表8の結果から、本発明のハロゲン
化銀乳剤を使用した試料は低カブリ、高感度で、かつセ
ーフライト性が改良されていることがわかる。
【0079】
【発明の効果】本発明により、低カブリかつ高感度であ
り、しかもセーフライトカブリ性の改良されたハロゲン
化銀写真乳剤の製造方法で、従って例えば迅速処理した
場合でも良好な画像が得られる写真用ハロゲン化銀乳剤
の製造方法を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】赤フィルターの透過率を示すグラフ

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2.0モル%以下の沃化銀を含有するハロ
    ゲン化銀乳剤の製造方法において、該乳剤が予め調整し
    たハロゲン化銀種粒子を含む親水性コロイド溶液中に可
    溶性銀塩及び可溶性ハライド塩溶液を同時混合すること
    によって調整され、かつ下記の〜を満足することを
    特徴とするハロゲン化銀写真乳剤の製造方法。 反応容器に添加される可溶性銀塩及び可溶性ハライ
    ド塩溶液の容量の和が、予め反応容器中に存在する種粒
    子を含む親水性コロイド溶液の2倍以上10倍以下であ
    る。 予め反応容器中に存在する種粒子を含む親水性コロ
    イド溶液中の種粒子容積濃度がハロゲン化銀として0.5
    %以上5%以下である。 予め反応容器中に存在する該親水性コロイド溶液中
    の親水性コロイドの重量比が1.5重量%以上であり、か
    つ該親水性コロイド溶液中に下記一般式[I]の化合物を
    下記式(1)を満足する条件で含有する。 【化1】 〔式中、A、Bは水素原子または置換基を表す。pは15
    〜25の整数であり、m、nは(m+n)/p=0.24〜0.4
    5を満足する整数である。〕 式(1) 0.005≦(銀1モルに対する一般式[I]の重量[g])/(粒子
    成長時のpAg)<0.015
  2. 【請求項2】 該ハロゲン化銀粒子が単分散双晶粒子か
    らなることを特徴とする請求項1記載のハロゲン化銀写
    真乳剤の製造方法。
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