JPH06186658A - 高感度のハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents

高感度のハロゲン化銀写真感光材料

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JPH06186658A
JPH06186658A JP33746692A JP33746692A JPH06186658A JP H06186658 A JPH06186658 A JP H06186658A JP 33746692 A JP33746692 A JP 33746692A JP 33746692 A JP33746692 A JP 33746692A JP H06186658 A JPH06186658 A JP H06186658A
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silver halide
silver
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halide photographic
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Kazuyoshi Goen
一賀 午菴
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高感度、高カバリングパワーでありかつ圧力
特性・粒状性の改良された感光材料で、従って例えば迅
速処理した場合でも良好な画像が得られるハロゲン化銀
写真感光材料を提供すること。 【構成】支持体の少なくとも一方の側に、少なくとも1
層のハロゲン化銀写真乳剤層を有するハロゲン化銀写真
感光材料において、該ハロゲン化銀乳剤層中に含有され
るハロゲン化銀粒子の全投影面積の70%以上が粒子直径
/粒子厚さの比が2以上8以下の単分散双晶であり、か
つ該ハロゲン化銀乳剤層が下記式に相当する条件で構成
されることを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。 0.8≦(塗布銀量[g/m2])/{(ハロゲン化銀比重)×(平均
粒子厚さ[μm])}<1.5

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はハロゲン化銀写真感光材
料に関し、更に詳しくは高感度であってカバリングパワ
ーも高く、しかも画質(圧力特性、粒状性)の改良された
ハロゲン化銀写真感光材料を提供することである。
【0002】
【発明の背景】近年、ハロゲン化銀写真感光材料の消費
量は、増加の一途をたどっている。このためハロゲン化
銀写真感光材料の現像処理枚数が増加し、一層の現像処
理の迅速化、つまり同一時間内での処理量を増加させる
ことが要求されている。
【0003】上記の傾向は、どの感光材料の分野でも言
えることであるが、例えば医療用X線感光材料の分野で
は、診断回数の急増や検査項目の増加により、X線写真
撮影枚数が増加している一方、診断結果をできるだけ早
く受信者に知らせる必要があり、このため迅速処理化が
望まれている。特に血管造影撮影、術中撮影等は、本質
的に少しでも短時間で写真を見る必要がある。
【0004】上記の医療界の要望を満たすには、診断の
自動化(撮影、搬送など)を促進すると共に、X線フィル
ムを一層迅速に処理する必要がある。
【0005】しかし、超迅速処理を行うと、高pH、高温
(30〜40℃)で現像処理することが多く画質の劣化が問題
となる。
【0006】このような、高画質化の流れとともに、上
記迅速処理化の要請に対して、近時平板状ハロゲン化銀
粒子が用いられている。平板状ハロゲン化銀粒子は比表
面積が大きいために、増感色素を多量に吸着でき、従っ
て分光感度を高くすることができ、さらにXレイ用感光
材料におけるようなクロスオーバー光を顕著に減少させ
るとともに、光散乱が少なく解像力の高い画像が得られ
るという特徴がある。
【0007】しかしながらこのような平板状粒子の大き
な欠点は、圧力によりカブリが発生するという問題であ
る。これは感光材料を扱う時に生ずる折れ曲がりなどで
黒化したり、自動現像機等における搬送中に感光材料が
こすられることで筋状のカブリが発生するもので、Xレ
イフィルムの場合、診断上大きな問題となる。
【0008】このため以前から様々な手段により圧力特
性を改良することが検討されてきている。圧力特性につ
いては、内部に沃化銀含有率の高い沃臭化銀相を有する
コア/シェル型のハロゲン化銀から成る乳剤を用いるこ
とにより、若干の改良はなされるが、不充分であり、こ
れは却って粒子内全体の平均沃化銀含有率が比較的低
く、現像性が速すぎるため、粒状性が劣化するという欠
点があり、必ずしも満足すべきものではない。
【0009】粒状性の劣化は写真性能上重要な問題であ
り、例えば撮影したフィルムで直接読影するX線写真に
おいては誤診につながることもあり得る。よって上記の
ような問題をもつ粒子を含有する乳剤は、例えばX線写
真用感光材料等粒状性が大きな問題となる感光材料用の
乳剤として好ましくない。
【0010】また塗布銀量を減らすことにより圧力特性
は改良されるが、当然のことながら得られる濃度が低下
してしまい最適の写真性能を得ることが困難である。
【0011】更にカバリングパワーを増大させるために
特開昭63-35336には規則的に単粒子層を塗布する方法が
開示されているが、これは一旦固体粒子膜をつくり、該
粒子膜を支持体上に移し取るという塗布方法であり、工
業的には非常に困難で実用性に欠ける。
【0012】
【発明の目的】本発明は、上記従来技術の問題点を解決
し、高感度、高カバリングパワーでありかつ圧力特性・
粒状性の改良された感光材料で、従って例えば迅速処理
した場合でも良好な画像が得られるハロゲン化銀写真感
光材料を提供することを目的とする。
【0013】
【発明の構成】上記本発明の目的は、支持体の少なくと
も一方の側に、少なくとも1層のハロゲン化銀写真乳剤
層を有するハロゲン化銀写真感光材料において、該ハロ
ゲン化銀乳剤層中に含有されるハロゲン化銀粒子の全投
影面積の70%以上が粒子直径/粒子厚さの比が2以上8
以下の単分散双晶であり、かつ該ハロゲン化銀乳剤層が
下記式に相当する条件で構成されることを特徴とするハ
ロゲン化銀写真感光材料によって達成される。
【0014】0.8≦(塗布銀量[g/m2])/{(ハロゲン化銀
比重)×(平均粒子厚さ[μm])}<1.5 ここで、上記式は単位面積当たりに含まれるハロゲン化
銀粒子の全投影面積を表した式である。
【0015】また、上記式中のハロゲン化銀比重は以下
の式で求められる。
【0016】(ハロゲン化銀比重)={5.96×(沃化銀含量
(%))+6.417×(臭化銀含量(%))+5.56×(塩化銀含量
(%))}/100 (ハロゲン化銀粒子)ハロゲン化銀粒子は一般に、該粒
子を含有するハロゲン化銀乳剤の形で製造され、使用さ
れる。
【0017】ハロゲン化銀乳剤に用いられるハロゲン化
銀粒子の形状は全投影面積の70%以上が粒子直径/粒
子厚さの比が2以上8以下である単分散の双晶である。
好ましくは全投影面積の50%以上が厚さ0.3μm未満かつ
粒子直径/粒子厚さの比が3:1以上である単分散の双
晶粒子であり、より好ましくは全投影面積の50%以上が
0.2μm未満かつ粒子直径/粒子厚さの比が5〜8である
単分散の双晶粒子である。
【0018】本発明において、粒子直径とは、粒子の投
影像を同面積の円像に換算したときの直径である。粒子
厚さとは、平板状粒子の互いに対向する2つの主平面間
の距離を言う。
【0019】粒子の投影面積は、この粒子面積の和から
求めることができる。全投影面積及び粒子直径を求める
ための投影面積は、いずれも、粒子の重なりが生じない
程度に試料台上に分布されたハロゲン化銀結晶サンプル
を、電子顕微鏡観察することにより得ることができる。
粒子の厚さは電子顕微鏡によって試料を斜めから観察す
ることにより得ることができる。
【0020】本発明において、粒径とは、粒子の投影像
を同面積の円像に換算したときの直径である。
【0021】粒径は、例えば該粒子を電子顕微鏡で1万
倍〜5万倍に拡大して撮影し、そのプリント上の粒子直
径叉は投影時の面積を実測することによって得ることが
できる。(測定個数は無差別に1000個以上あることとす
る。) 本発明の特に好ましい高度の単分散乳剤は (粒径標準偏差)/(平均粒径)×100=(分布の広さ)(%) によって定義した分布の広さが30%以下のものであり、
更に好ましくは20%以下のものである。
【0022】ここに粒径測定方法は前述の測定方法に従
うものとし、平均粒径は単純平均とする。
【0023】(平均粒径)=Σdini/Σni 単分散乳剤を得る方法としては、種粒子を含むゼラチン
溶液中に、水溶性銀塩溶液と水溶性ハライド溶液をpAg
及びpHの制御下ダブルジェット法によって得る方法があ
り、このような手段を用いることができる。
【0024】添加速度の決定に当たっては、特開昭54-4
8521号、同58-49938号を参考にできる。
【0025】本発明において、双晶とは、一つの粒子内
に一つ以上の双晶面を有するハロゲン化銀結晶を意味す
る。双晶の形態の分類はクラインとモイザーによる報文
「ホトグラフィシェ・コレスポンデンツ」(Photographi
sche Korrespondenz)99巻99頁、同100巻57頁に詳しく述
べられている。双晶の二つ以上の双晶面は互いに平行で
あっても平行でなくてもよい。双晶面は、直接電子顕微
鏡で観察できることができるが、ハロゲン化銀を樹脂中
に分散して固め超薄切片試料として断面から観察するこ
ともできる。
【0026】本発明に係るハロゲン化銀乳剤を構成する
上記ハロゲン化銀双晶粒子は、主として2枚以上の平行
な双晶面を有するものであることが好ましく、より好ま
しくは偶数枚、特に好ましくは2枚の双晶面を有するも
のである。
【0027】ここで、主として2枚以上の平行な双晶面
を有する双晶から成るとは、2枚以上の平行な双晶面を
有する双晶粒子数が大粒径粒子から数えたとき個数にし
て50%以上、好ましくは60%以上、特に好ましくは70%
以上の場合である。
【0028】本発明のハロゲン化銀乳剤中のハロゲン化
銀粒子のハロゲン化銀組成は任意である。
【0029】即ちハロゲン化銀として、臭化銀、沃臭化
銀、沃塩臭化銀、塩臭化銀及び塩化銀等のいずれのハロ
ゲン化銀を用いてもよい。好ましいハロゲン化銀は30モ
ル%以下の沃化銀を含む、沃臭化銀若しくは沃塩臭化銀
である。特に好ましいのは20モル%の沃化銀を含む沃臭
化銀である。
【0030】更に、粒子内のハロゲン分布に関しては、
均一組成でも、内部と外部が異質なハロゲン組成からな
るものでもよく、層状構造(コア/シェル構造)をなして
いてもよい。
【0031】(脱塩)本発明の実施に際して用いられるハ
ロゲン化銀乳剤は、ハロゲン化銀粒子の成長の終了後
に、適当な方法によって化学増感に適するpAgイオン濃
度にすることができる。例えば凝集法やヌードル水洗法
など、リサーチ・ディスクロージャー17643号(Research
Disclosure 17643号)記載の方法で行うことができる。
【0032】(化学増感)化学増感する場合は、通常のイ
オウ増感、還元増感、貴金属増感及びそれらの組み合わ
せが用いられる。さらに具体的な化学増感剤としては、
アリルチオカルバミド(Allyl tio-carbamide)、チオ尿
素、チオサルフェート、チオエーテルやシスチンなどの
硫黄増感剤;ポタシウムクロロオーレイト、オーラスチ
オサルフェートやポタシウムクロロパラデート(Potassi
um chloro palladate)などの貴金属増感剤;塩化スズ、
フェニルヒドラジンやレタクトンなどの還元増感剤など
を挙げることができる。
【0033】(分光増感)本発明の実施に際して用いら
れる写真乳剤は、シアニン色素類その他によって分光増
感されてもよい。増感色素は単独に用いてもよいが、そ
れらの組み合わせを用いてもよく、増感色素の組み合わ
せは特に強色増感の目的でしばしば用いられる。
【0034】(親水性コロイド)本発明に用いる写真乳
剤中には、各種の親水性コロイドを結合剤として使用す
ることができる。
【0035】この目的に用いられるコロイドとしては、
例えばゼラチン、コロイド状アルブミン、ポリサッカラ
イド、セルローズ誘導体、合成樹脂、例えばポリビニル
アルコール誘導体を含むポリビニル化合物、アクリルア
ミドポリマー等、一般に写真分野で使用される親水性コ
ロイドを挙げることができる (塗布)本発明のハロゲン化銀感光材料は、その塗布液中
に通常用いられる写真用硬膜剤、例えばアルデヒド系、
アジリジン系(例えばPBレポート19,921、米国特許第2,9
50,197号、同第2,964,404号、同第2,983,611号、同第3,
271,175号の各明細書、特公昭46-40898号、特開昭51-91
315号の各公報に記載のもの)、イソオキサゾール系(例
えば米国特許第331,609号明細書に記載のもの)、エポキ
シ系(例えば米国特許第3,047,394号、西独特許第1,085,
663号、英国特許第1,033,518号の各明細書、特公昭48-3
5495号公報に記載のもの)、ビニルスルホン系(例えばPB
レポート19,920、西独特許第1,100,942号、英国特許第
1,251,091号、特願昭45-54236号、同48-110996号、米国
特許第353,964号、同第3,490,911号の各明細書に記載の
もの)、アクリロイル系(例えば特願昭48-27949号、米国
特許第3,640,720号の各明細書に記載のもの)、カルボジ
イミド系(例えば米国特許第2,938,892号明細書、特公昭
46-38715号公報、特願昭49-15095号明細書に記載のも
の)、その他マレイミド系、アセチレン系、メタンスル
ホン酸エステル系、トリアジン系、高分子型の硬膜剤が
使用できる。また、増粘剤として例えば米国特許第3,16
7,410号、ベルギー特許第558,143号の各明細書に記載の
もの、ゼラチン可塑剤としてポリオール類(例えば米国
特許第2,960,404号明細書、特公昭43-4939号、特開昭48
-63715号の各公報のもの)、さらにはラテックス類とし
て米国特許第766,979号、フランス特許第1,395,544号の
各明細書、特公昭48-43125号公報に記載されるもの、マ
ット剤として英国特許第1,221,980号明細書に記載のも
のなどを用いることができる。
【0036】また、本発明のハロゲン化銀写真感光材料
の構成要素層中には、所望の塗布助剤を用いることがで
き、例えばサポニン或いはスルホコハク酸系界面活性剤
として例えば英国特許第548,532号、特願昭47-89630号
の各明細書、あるいはアニオン性界面活性剤として例え
ば特公昭43-18166号公報、米国特許第3,514,293号、フ
ランス特許第2,025,688号の各明細書、特公昭43-10247
号公報に記載のものが使用できる。
【0037】上記の写真乳剤には感光材料の製造工程、
保存中或いは処理中の感度低下やカブリの発生を防ぐた
めに種々の化合物を添加することができる。それらの化
合物は4-ヒドロキシ-6-メチル−1,3,3a,7-テトラザイン
デン、3-メチル-ベンゾチアゾール、1-フェニル-3-メル
カプトテトラゾールをはじめ、多くの複素環化合物、含
水銀化合物、メルカプト化合物、金属塩類など極めて多
くの化合物が古くから知られている。
【0038】使用できる化合物の一例は、ケイ・ミース
(K.Mees)著ザ・セオリー・オブ・ザ・フォトグラフィッ
ク・プロセス(The Theory of the Photographic Proces
s)(第3版、1966年)に原文献を挙げて記されているほ
か、特開昭49-81024号、同50-6306号、同50-19429号、
米国特許3,850,639号に記載されているような当業界で
よく知られたカブリ防止剤はいずれも用いることができ
る。
【0039】本発明のハロゲン化銀写真感光材料には、
他に必要に応じて、アンチハレーション層、中間層、フ
ィルター層などを設けることができる。
【0040】本発明の写真感光材料において写真乳剤層
その他の層は、写真感光材料に通常用いられている可撓
性支持体の片面または両面に塗布されて具体化されるこ
とができる。支持体は染料や顔料を用いて着色されてよ
い。遮光の目的で照色にしてもよい。これらの支持体の
表面は、一般に写真乳剤層等との接着をよくするために
下塗処理される。支持体表面は下塗処理の前または後
に、コロナ放射、紫外線照射、火焔処理等を施してもよ
い。詳しくは、リサーチ・ディスクロージャー、第176
巻P.25の「Supports」の項に記載のものが用いられる。
【0041】本発明の写真感光材料において、写真乳剤
層その他の親水性コロイド層は種々の塗布法により支持
体上または他の層上に塗布できる。塗布には、ディップ
塗布法、ローラー塗布法、カーテン塗布法、押しだし塗
布法、スライド・ホッパー法などを用いることができ
る。詳しくは、リサーチ・ディスクロージャー、第176
巻、P.27-28の「Coating procedures」の項に記載されて
いる方法を用いうる。
【0042】その他、本発明の実施に際しては、写真技
術において用いられる各種の技術を適用することができ
る。
【0043】
【実施例】以下本発明の実施例について説明する。な
お、当然のことながら、本発明は以下述べる実施例によ
り限定されるものではない。
【0044】(実施例-1) (種乳剤の調整)以下の方法により六角平板種乳剤を作成
した。
【0045】 <溶液A> オセインゼラチン 60.2g 蒸留水 20.0l ポリイソプロピレン-ポリエチレンオキシ-ジコハク酸エステル ナトリウム塩10%エタノール水溶液 5.6ml KBr 26.8g 10%H2SO4 144ml <溶液B> 2.5N AgNO3水溶液 3500ml <溶液C> KBr 1029g KI 29.3g 蒸留水で 3500mlにする <溶液D> 1.75N KBr水溶液 下記銀電位制御量 35゜Cにおいて、特公昭58-58288号、同58-58289号明細書
に示される混合撹拌機を用いて、溶液Aに溶液B及び溶
液Cの各々64.1mlを同時混合法により2分の時間を要し
て添加し、核形成を行った。
【0046】溶液B及び溶液Cの添加を停止した後、60
分の時間を要して溶液Aの温度を60℃に上昇させ、再び
溶液Bと溶液Cを同時混合法により、各々68.5ml/min
の流量で50分間添加した。この間の銀電位(飽和銀-塩化
銀電極を比較電極として銀イオン選択電極で測定)を溶
液Dを用いて+6mVになるように制御した。添加終了後
3%KOHによってpHを6に合わせ、直ちに脱塩、水洗を
行い種乳剤EM-0とした。このように作成した種乳剤EM-
0は、ハロゲン化銀粒子の全投影面積の90%以上が最大
隣接辺比が1.0〜2.0の六角平板粒子よりなり、六角平板
の平均厚さ0.07μm、平均直径(円直径換算)は0.5μmで
あることが電子顕微鏡観察により判明した。
【0047】(実施例-2) (本発明の平板乳剤の調整)以下の4種類の溶液を用いて
1.53モル%AgIを含有する本発明の平板状沃臭化銀乳剤
EM-1を作成した。
【0048】 <溶液A> オセインゼラチン 29.4g ポリイソプロピレン-ポリエチレンオキシ-ジコハク酸エステル ナトリウム塩10%エタノール水溶液 2.5ml 種乳剤EM-0 0.588モル相当 蒸留水で 1400mlとする <溶液B> 3.50N AgNO3水溶液 2360ml <溶液C> KBr 963g KI 27.4g 蒸留水で 2360mlとする <溶液D> 1.75N KBr水溶液 下記銀電位制御量 60℃において、特公昭58-58288号、同58-58289号明細書
に示される混合撹拌機を用いて、溶液Aに溶液B及び溶
液Cの全量を同時混合法により21.26ml/minの流速で11
1分の時間を要し添加成長を行った。
【0049】この間の銀電位を溶液Dを用いて+25mVに
なるように制御した。
【0050】添加終了後、下記増感色素(A)及び(B)を
各々300mg/Ag1モル、15mg/Ag1モル添加した後、
【0051】
【化1】
【0052】過剰な塩類を除去するため、デモール(花
王アトラス社製)水溶液及び硫酸マグネシウム水溶液を
用いて沈澱脱塩を行い、オセインゼラチン92.2gを含む
ゼラチン水溶液を加え、撹拌再分散した。
【0053】EM-1の粒子約3000個を電子顕微鏡により
観察・測定し形状を分析した。結果を表-1に示す。
【0054】(実施例-3)実施例-2において溶液Bと溶
液Cの混合中の銀電位を変化させることにより、粒子直
径/粒子厚さの比の異なる平板状沃臭化銀乳剤EM-2〜
8を作成した。
【0055】電子顕微鏡による形状の分析結果を表1に
示す。
【0056】
【表1】
【0057】(実施例-4)それぞれの乳剤について増感
色素(A)及び(B)を各々140mg/Ag1モル、1.4mg/Ag1モ
ル添加した後、チオシアン酸アンモニウム塩を銀1モル
当たり7.0×10-4モル、及び適当な量の塩化金酸とハイ
ポを添加して化学熟成を行い、平均粒径0.06μmのAgI微
粒子乳剤を6×10-4モル/Ag1モル添加後、4-ヒドロキシ
-6-メチル-1,3,3a,7-テトラザインデン3×10-2モルで
安定化した。
【0058】それぞれの乳剤には、後記の各種添加剤を
加えた。
【0059】乳剤液(感光性ハロゲン化銀塗布液)に用い
た添加剤は次のとおりである。添加量はハロゲン化銀1
モル当たりの量で示す。
【0060】
【化2】
【0061】 t-ブチル−カテコール 400mg ポリビニルピロリドン(分子量10,000) 1.0g スチレン-無水マレイン酸供重合体 2.5g トリメチロールプロパン 10g ジエチレングリコール 5g ニトロフェニル-トリフェニル-ホスホニウムクロリド 50mg 1,3-ジヒドロキシベンゼン-4-スルホン酸アンモニウム 4g 2-メルカプトベンツイミダゾール-5-スルホン酸ナトリウム 1.5mg
【0062】
【化3】
【0063】 C4H9OCH2CH(OH)CH2N(CH2COOH)2 1g また保護層液に用いた添加剤は次のとおりである。添加
量はゼラチン1g当たりの量で示す。
【0064】 二酸化ケイ素粒子 面積平均粒径7μmのポリメチルメタクリレートからなるマット剤 7mg コロイドシリカ(平均粒径0.013μm) 70mg 2,4-ジクロロ-6-ヒドロキシ-1,3,5-トリアジンナトリウム塩 30mg (CH2=CHSO2-CH2-)2O 36mg
【0065】
【化4】
【0066】以上の塗布液を、厚さ180μmの下引き処理
済のブルーに着色したポリエチレンテレフタレートフィ
ルムベース上に、両面に均一に塗布、乾燥して表2に示
すように試料1〜30を作成した。
【0067】また塗布ゼラチンは両面で3.0g/m2になる
ように全試料について調整を行った。各試料について塗
布銀量は片面分として表2に示すように調整した。
【0068】[感度の評価]得られた試料をX線写真用増
感紙KO-250ではさみ、ペネトロメータB型を介してX線
照射後SRX-501自動現像機を用いXD-SR現像処理液にて35
℃で45秒処理を行った。(いずれもコニカ(株)製) 上記のようにして現像した各試料について、感度を評価
した。感度は試料1がカブリ+1.0の濃度を与えるのに
要した爆射エネルギー量の逆数を100とした相対値で示
した。
【0069】結果を表2に示す。
【0070】[カバリングパワーの評価]各試料について
最大濃度となるような露光を与えた後、コダックD-90
現像液を用いて20℃で5分間現像し、続いてエース・フ
ィックス定着液(コニカ(株)製)で定着5分、毎分2リッ
トルの流水で水洗10分、自然乾燥を行い、現像済試料を
得た。得られた試料を蛍光X線分析法により銀量(g/
m2)を測定し、濃度を銀量で割ってカバリングパワーを
求めた。
【0071】 カバリングパワー(CP)=最大濃度/銀量×100 結果は表2に示す。
【0072】[圧力カブリの評価]13mm×35mmの各試料に
ついて、約1時間、23℃、相対湿度42%の恒温恒湿に保
ち、この条件下で、曲率半径4mmにて折り曲げ、未露光
のまま現像した。このときの折り曲げによって生じた黒
化部分の濃度とかぶり濃度との差をDとして、圧力カブ
リの目安とした。つまり、この値が小さい程、圧力カブ
リ耐性がよいことになる。
【0073】測定結果を表2及び表3に示す。
【0074】[粒状性の評価]得られた試料を光で一面に
露光し黒化濃度 0.6〜0.8の領域の20cm×20cmの現像試
料で目視評価を行った。5段階評価で 5:非常に良好 4:良好 3:実用可 2:実用する範囲内でざらついている 1:ザラつきひどく実用不可 とした。
【0075】測定結果を、表2及び表3に示す。
【0076】
【表2】
【0077】
【表3】
【0078】表2及び表3に示すように、本発明のハロ
ゲン化銀写真感光材料は、高感度、高カバリングパワー
であり、かつ圧力カブリ、粒状性が改良されている。こ
れに対し、本発明外の比較の試料は、感度、カバリング
パワー、圧力カブリ、粒状性の全てあるいはいずれかの
性能が劣っていることがわかる。
【0079】
【発明の効果】本発明によれば、高感度、高カバリング
パワーでありかつ圧力特性・粒状性の改良された感光材
料で、従って例えば迅速処理した場合でも良好な画像が
得られるハロゲン化銀写真感光材料を提供することがで
きる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体の少なくとも一方の側に、少なく
    とも1層のハロゲン化銀写真乳剤層を有するハロゲン化
    銀写真感光材料に於いて、該ハロゲン化銀乳剤層中に含
    有されるハロゲン化銀粒子の全投影面積の70%以上が粒
    子直径/粒子厚さの比が2以上8以下の単分散双晶であ
    り、かつ該ハロゲン化銀乳剤層が下記式に相当する条件
    で構成されることを特徴とするハロゲン化銀写真感光材
    料。 0.8≦(塗布銀量[g/m2])/{(ハロゲン化銀比重)×(平均
    粒子厚さ[μm])}<1.5
JP33746692A 1992-12-17 1992-12-17 高感度のハロゲン化銀写真感光材料 Pending JPH06186658A (ja)

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