JPH09160183A - X線画像形成方法 - Google Patents

X線画像形成方法

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JPH09160183A
JPH09160183A JP7316685A JP31668595A JPH09160183A JP H09160183 A JPH09160183 A JP H09160183A JP 7316685 A JP7316685 A JP 7316685A JP 31668595 A JP31668595 A JP 31668595A JP H09160183 A JPH09160183 A JP H09160183A
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JP
Japan
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emulsion
silver halide
solution
mol
silver
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Application number
JP7316685A
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English (en)
Inventor
Tetsuya Suzuki
哲也 鈴木
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Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハロゲン化銀写真感光材料を、イットリウム
タンタレイト系蛍光体を主成分とする蛍光増感紙を密着
してX線露光し、高感度で、高鮮鋭性、高コントラスト
かつ粒状性の良好な画像が得られるX線画像形成方法の
提供。 【解決手段】 支持体の一方の側に2層以上のハロゲン
化銀乳剤層を有し、支持体から最も近い乳剤層に塗設さ
れている乳剤の感度が他の乳剤層に塗設されている乳剤
の感度より20%以上高いことを特徴とするハロゲン化
銀写真感光材料をイットリウムタンタレイト系蛍光体を
主成分とする蛍光増感紙を密着し、X線露光することを
特徴とするX線画像形成方法により達成。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医用X線撮影の画
像形成方法に関し、詳しくは高感度で、高鮮鋭性、高コ
ントラストで粒状性の良好な画像が得られるX線画像形
成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】医用X線撮影においては、X線による人
体への被爆線量低減のために高感度なシステムが望まれ
ている。更に四肢骨、血管造影などの画像としては高鮮
鋭で高コントラストなシステムが好ましい。イットリウ
ムタンタレイト系蛍光体の発光は、一般に広く利用され
ているタングステン酸カルシウム系蛍光体の発光に比べ
発光強度は高く被爆線量の低減に有利ではあるが、感光
波長のピークが紫外光領域に位置するため、乳剤層中の
ゼラチンバインダー等の吸収が強く、結果的に得られる
画像は低コントラストでしかも粒状性が劣化してしまう
という欠点を有しており、改良が望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のような問題に対
して、本発明の課題は、ハロゲン化銀写真感光材料(以
下、単に感光材料という)を、イットリウムタンタレイ
ト系蛍光体を主成分とする蛍光増感紙を密着してX線露
光し、高感度で、高鮮鋭性、高コントラストかつ粒状性
の良好な画像が得られるX線画像形成方法を提供するこ
とにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の上記課題は、下
記手段により達成される。
【0005】 支持体の一方の側に2層以上のハロゲ
ン化銀乳剤層を有し、支持体から最も近い乳剤層に塗設
されている乳剤の感度が他の乳剤層に塗設されている乳
剤の感度より20%以上高いことを特徴とする感光材料
をイットリウムタンタレイト系蛍光体を主成分とする蛍
光増感紙を密着し、X線露光することを特徴とするX線
画像形成方法。
【0006】 支持体の一方の側に2層以上のハロゲ
ン化銀乳剤層を有し、支持体から最も遠い乳剤層に紫外
線吸収剤を含有する感光材料をイットリウムタンタレイ
ト系蛍光体を主成分とする蛍光増感紙を密着し、X線露
光することを特徴とするX線画像形成方法。
【0007】 支持体の一方の側に2層以上のハロゲ
ン化銀乳剤層を有し、支持体から最も近い乳剤層に塗設
されている乳剤が、セレン増感されたアスペクト比2以
上50以下の平板状粒子を含む感光材料をイットリウム
タンタレイト系蛍光体を主成分とする蛍光増感紙を密着
し、X線露光することを特徴とするX線画像形成方法。
【0008】以下、本発明について具体的に説明する。
【0009】本発明に使用されるイットリウムタンタレ
イト系蛍光体を主成分とする蛍光増感紙は、特開昭55
−28095号、特開平4−300993号等に記載さ
れているイットリウムタンタレイト蛍光体を用いた増感
紙又は蛍光体と支持体に塗設した増感紙が好ましいが、
これらに限定されるものではない。
【0010】また、本発明に使用される感光材料は、支
持体の一方の側に2層以上のハロゲン化銀乳剤層を有
し、好ましくは2層以上10層以下さらに好ましくは2
層以上5層以下、特に2層のハロゲン化銀乳剤層を有す
ることが好ましい。また、上記、本発明に使用される感
光材料の支持体から最も近いハロゲン化銀乳剤層の感度
が他のハロゲン化銀乳剤層に塗設されている乳剤の感度
より20%以上高いことが好ましく、さらには35%以
上、特に50%以上高いことが好ましい。
【0011】本発明に係る感光材料のハロゲン化銀乳剤
は、正常晶粒子、即ち立方体、8面体、14面体のよう
な全て等方的に成長したもの、或は球形のような多面的
な結晶型のもの、又は双晶面のような面欠陥を有した双
晶からなるもの、或はそれらの混合型または複合型であ
ってもよいが、好ましくは平板状ハロゲン化銀粒子が挙
げられる。
【0012】本発明に用いられる感光材料に用いる乳剤
は、公知の方法で製造できる。例えばリサーチ・ディス
クロージャー(RD)No.17643(1978年1
2月),22〜23頁の“Emulsion Prep
aration and Types”に記載の方法、
或は同(RD)No.18716(1979年11
月),648頁に記載の方法で調製することができる。
【0013】更に本発明に用いられる感光材料に用いる
乳剤は、例えばT.H.James著“The The
ory of the Photographic p
rocess”第4版、Macmillan社刊(19
77年)38〜104頁に記載の方法、G.F.Duf
fin著“Photographic Emulsio
n Chemistry”、Focal Press社
刊(1966年)、P.Glafkides著“Chi
mie et Physique Photograp
hique”Paul Montel社刊(1967
年)或はV.L.Zelikman他著“Making
And Coating Photographic
Emulsion” Focal Press社刊
(1964)などに記載の方法により調製することがで
きる。
【0014】即ち、酸性法、アンモニア法、中性法など
の溶液条件にて順混合法、逆混合法、ダブルジェット
法、コントロール・ダブルジェット法などの混合条件、
コンバージョン法、コア/シェル法などの粒子調製条件
およびこれらの組合わせ法を用いて製造することができ
る。
【0015】これらのハロゲン化銀粒子の粒径は0.2
μmから3.0μmの範囲が好ましく、0.3μmから
2.0μmがさらに好ましい。
【0016】本発明に用いられるハロゲン化銀粒子の粒
径分布は、狭い分布を有した単分散乳剤或は広い分布を
有した多分散乳剤のいずれであってもよく、これらを併
用してもよい。ハロゲン化銀の結晶構造は内部と外部が
異なったハロゲン化銀組成からなっていてもよく、例え
ば高沃化銀のコア部分に低沃化銀のシェル層を被覆して
明確な2層構造を有したもの、或はさらに沃化銀含量が
異なる殻層を設ける3層以上の構造を有したコア/シェ
ル型単分散乳剤であってもよい。
【0017】高沃度部の沃化銀含量は5〜40モル%
で、特に好ましくは10〜30モル%である。本発明で
単分散であるとは粒径のバラツキ(標準偏差)を平均粒
径で割った値(変動係数)が好ましくは30%以内、よ
り好ましくは20%以内であることを言う。
【0018】かかる単分散乳剤の製法は公知で、例えば
J.Phot.Sci,12.242〜251,(19
63)、特開昭48−36890号、同52−1636
4号、同55−142329号、同58−49938
号、英国特許1,413,748号、米国特許3,57
4,628号、同3,655,394号などに詳しく記
載されている。上記の単分散乳剤を得るための方法とし
て例えば種晶を用い、この種晶を成長核として銀イオン
及びハライドイオンを供給し成長させた乳剤を用いても
よい。上記のコア/シェル型乳剤の製法は公知で、例え
ばJ.Phot.Sci,24.198.(197
6)、英国特許1,027,146号、米国特許3,5
05,068号、同4,444,877号或は特開昭6
0−143331号などに記載の方法を参考にすること
ができる。
【0019】本発明に好ましく用いられる平板状ハロゲ
ン化銀粒子の平均粒径は0.3〜3.0μmが好まし
く、特に好ましくは0.5〜2.0μmである。
【0020】本発明に用いられる平板状ハロゲン化銀粒
子は、粒子直径/厚さ(アスペクト比と呼ぶ)の平均値
(平均アスペクト比と呼ぶ)が2.0以上であり、好ま
しくは2.0〜50.0、特に好ましくは2.2〜1
0.0である。
【0021】本発明に用いられる平板状ハロゲン化銀粒
子の平均厚さは0.5μm以下が好ましく、特に好まし
くは0.3μm以下である。
【0022】本発明において、平板状ハロゲン化銀粒子
の粒径は、ハロゲン化銀粒子の電子顕微鏡写真の観察か
ら粒子の投影面積に等しい面積を有する円の直径として
定義される。
【0023】本発明において、ハロゲン化銀粒子の厚さ
は、平板状ハロゲン化銀粒子を構成する二つの平行な面
の距離のうち最小のもの即ち、主平面間の距離と定義さ
れる。
【0024】平板状ハロゲン化銀粒子の厚さは、カーボ
ンレプリカ法によるハロゲン化銀粒子の影の付いた電子
顕微鏡写真又はハロゲン化銀乳剤を支持体に塗布し乾燥
したサンプル断層の電子顕微鏡写真から求めることがで
きる。
【0025】平均アスペクト比を求めるためには、最低
100サンプルの測定を行う。
【0026】本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤にお
いて、平板状ハロゲン化銀粒子が全ハロゲン化銀粒子に
占める割合は50%以上であり、好ましくは60%以
上、特に好ましくは70%以上である。平板状ハロゲン
化銀乳剤は単分散性であるものが好ましく用いられ、粒
径の変動係数が20%以内の範囲に含まれるものが特に
好ましく用いられる。
【0027】本発明に用いられる平板状ハロゲン化銀乳
剤は、塩化銀、臭化銀、沃化銀、塩臭化銀、沃臭化銀等
ハロゲン組成は任意であるが、高感度という点から沃臭
化銀が好ましく、平均沃化銀含有率は、0.1〜5.0
モル%であって特に好ましくは0.5〜3.0モル%で
ある。
【0028】又、本発明に用いられる平板状ハロゲン化
銀乳剤は、ハロゲン組成が粒子内で均一であってもよ
く、沃化銀が局在したものであってもよいが、粒子の最
表面に局在したものが好ましく用いられる。
【0029】平板状ハロゲン化銀乳剤の製造方法は、特
開昭58−113926号、同58−113927号、
同58−113934号、同62−1855号、ヨーロ
ッパ特許219,849号、同219,850号等を参
考にすることもできる。
【0030】又、単分散性の平板状ハロゲン化銀乳剤の
製造方法として、特開昭61−6643号を参考にする
ことができる。
【0031】高アスペクト比を持つ単分散性の平板状沃
臭化銀乳剤の製造方法としては、核形成工程において、
pBrが3以下に保たれたゼラチン水溶液に硝酸銀水溶
液を添加するシングルジェット法又は硝酸銀水溶液とハ
ロゲン化物水溶液をダブルジェット法により添加して種
晶を発生させ、次に熟成工程及びさらにダブルジェット
法により成長工程を経ることによって得ることができ
る。
【0032】平板状ハロゲン化銀粒子の大きさ及び形成
は、粒子形成時の温度、銀電位、pH、銀塩水溶液及び
ハロゲン化物水溶液の添加速度などによってコントロー
ルできる。
【0033】平板状ハロゲン化銀乳剤のハロゲン化銀組
成比は、添加するハロゲン化物水溶液の組成すなわち塩
化物臭化物及び沃化物の比を変えることによりコントロ
ールすることができる。
【0034】又、平板状ハロゲン化銀乳剤の製造時に、
必要に応じてアンモニア、チオエーテル、チオ尿素等の
ハロゲン化銀溶剤を用いることができる。
【0035】上述した乳剤は、粒子表面に潜像を形成す
る表面潜像型あるいは粒子内部に潜像を形成する内部潜
像型、表面と内部に潜像を形成する型のいずれの乳剤で
有ってもよい。これらの乳剤は、物理熟成あるいは粒子
調製の段階で鉄塩、カドミウム塩、鉛塩、亜鉛塩、タリ
ウム塩、ルテニウム塩、オスミウム塩、イリジウム塩又
はその錯塩、ロジウム塩またはその錯塩などを添加し、
ハロゲン化銀乳剤粒子中に混入させてもよい。
【0036】本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤は過
剰な可溶性塩類を除去するためにヌーデル水洗法、フロ
キュレーション沈降法などの水洗方法がなされてよい。
好ましい水洗法としては、例えば特公昭35−1608
6号記載のスルホ基を含む芳香族炭化水素系アルデヒド
樹脂を用いる方法、又は特開昭63−158644号記
載の凝集高分子剤例示G3、G8などを用いる方法が特
に好ましい脱塩法として挙げられる。
【0037】本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤は化
学増感することが好ましい。本発明に係るハロゲン化銀
乳剤の高感度化のための増感法としてはカルコゲン増感
及び金増感を併用することが好ましい。特に金増感と硫
黄増感及びセレン増感の併用は増感効果が顕著であるだ
けでなく、カブリ抑制効果も得られるので好ましい。
【0038】金増感には、金増感剤として例えば塩化金
酸塩、金チオ尿素錯塩、カリウムクロロオーレート、オ
ーリックトリクロライド、カリウムオーリックチオシア
ネート、カリウムヨードオーレート、テトラシアノオー
リックアミド、アンモニウムオーロチオシアネート、ピ
リジルトリクロロゴールドなどが挙げられる。これら金
増感剤の添加量は種々の条件下で広範囲に変化できるが
目安としては、ハロゲン化銀1モル当たり5×10-7
5×10-3モルが好ましく、2×10-6〜4×10-4
ルが更に好ましい。
【0039】硫黄増感には増感剤として例えばチオ硫酸
塩、アリルチオカルバミドチオ尿素、アリルイソチアシ
アネート、シスチン、p−トルエンチオスルホン酸塩、
ローダニンなどが挙げられる。その他米国特許1,57
4,944号、同3,656,955号、ドイツ特許
1,422,869号、特公昭56−24937号、特
開昭55−45016号などに記載されている硫黄増感
剤も用いることができる。硫黄増感剤の添加量は乳剤の
感度を効果的に増大させるに十分な量でよい。この量は
pH、温度、ハロゲン化銀粒子の大きさなど種々の条件
下で広範囲に変化できるが目安としては、ハロゲン化銀
1モル当たり10-7〜10-1モルが好ましい。更にセレ
ン増感を併用することが好ましい。セレン増感剤として
は、従来公知の化合物を用いることができる。即ち、通
常不安定型セレン化合物及び/又は非不安定型セレン化
合物を添加して高温、好ましくは40℃以上で乳剤を一
定時間攪拌することにより用いられる。
【0040】具体的な不安定型セレン増感剤としては、
イソセレノシアネート類(例えばアリルイソセレノシア
ネートのごとき脂肪族イソセレノシアネート類)、セレ
ノ尿素類、セレノケトン類、セレノアミド類、セレノカ
ルボン酸類(例えば2−セレノプロピオン酸、2−セレ
ノ酪酸)、セレノエステル類、ジアシルセレニド類(例
えばビス−3−クロロ−2,6−ジメトキシベンゾイル
セレニド)、セレノフォスフェート類、ホスフィンセレ
ニド類、コロイド状金属セレンなどが挙げられる。
【0041】不安定型セレン化合物の好ましい類型を上
に述べたが、これらは限定的なものではない。当業技術
者には、写真用乳剤の増感剤として不安定型セレン化合
物といえば、セレンが不安定で有る限りにおいて該化合
物の構造はさして重要なものではなく、セレン増感剤分
子の有機部分はセレンを担持し、それを不安定な形で乳
剤中に存在せしめる以外何らの役割を持たないことが一
般に理解されている。
【0042】本発明においては、かかる広範な概念の不
安定セレン化合物が有利に用いられる。本発明で用いら
れる非不安定型セレン化合物としては例えば亜セレン
酸、セレンシアン化カリウム、セレナゾール類、セレナ
ゾール類の四級塩、ヂアリールセレニド、ヂアリールヂ
セレニド、ジアルキルセレニド、ジアルキルジセレニ
ド、2−セレナゾリジンジオン、2−セレノオキサゾリ
ジンチオンおよびこれらの誘導体が挙げられる。
【0043】セレン増感剤の使用量は、使用するセレン
化合物、ハロゲン化銀粒子、化学熟成条件等により変わ
るが、一般に好ましくはハロゲン化銀1モル当たり1×
10-8以上である。より好ましくは1×10-8モル以
上、1×10-3モル以下を、化学増感時に添加する。添
加方法は、使用するセレン化合物の性質に応じて、水ま
たは、タノール、エタノールなどの有機溶媒の単独また
は混合溶媒に溶解して添加する方法、或いは、ゼラチン
溶液と予め混合して添加する方法でもよく、特開平4−
140739号に開示されている方法である有機溶媒可
溶性の重合体との混合溶液の乳化分散物の形態で添加す
る方法でもよい。
【0044】また、テルル増感を併用することもでき
る。具体的なテルル増感剤としては、コロイド状テル
ル、テルロ尿素類(例えばアリルテルロ尿素、N,N−
ジメチルテルロ尿素、テトラメチルテルロ尿素、N−カ
ルボキシエチル−N′,N′−ジメチルテルロ尿素、
N,N′−ジメチルエチレンテルロ尿素、N,N′−ジ
フェニルエチレンテルロ尿素)、イソテルロシアナート
類(例えばアリルイソテルロシアナート)、テルロケト
ン類(例えばテルロアセトン、テルロアセトフェノ
ン)、テルロアミド類(例えばテルロアセトアミド、
N,N−ジメチルテルロベンズアミド)、テルロヒドラ
ジド(例えばN,N′,N′−トリメチルテルロベンズ
ヒドラジド)、テルロエステル(例えばt−ブチル−t
−ヘキシルテルロエステル)、ホスフィンテルリド類
(例えばトルブチルホスフィンテルリド、トリシクロヘ
キシルホスフィンテルリド、トリイソプロピルホスフィ
ンテルリド、ブチル−ジイソプロピルホスフィンテルリ
ド、ジブチルフェニルホスフィンテルリド)、他のテル
ル化合物(例えば英国特許1,295,462号記載の
負電荷のテルライドイオン含有ゼラチン、ポタシウムテ
ルリド、ポタシウムテルロシアナート、テルロペンタチ
オネートナトリウム塩、アリルテルロシアネート)等が
挙げられる。
【0045】これらの本発明で用いることができるテル
ル増感剤の使用量は、使用するハロゲン化銀粒子、化学
熟成条件等により変わるが、一般にハロゲン化銀1モル
当たり10-8〜10-2モルが好ましく、より好ましくは
10-7〜5×10-3モル程度を用いる。化学増感の条件
としては、特に制限はないが、pAgとしては好ましく
は6〜11、より好ましくは7〜10であり、温度とし
ては好ましくは40〜95℃、より好ましくは45〜8
5℃である。
【0046】さらに還元増感を併用することもできる。
還元増感とはハロゲン化銀乳剤に還元増感剤を添加する
方法、銀熟成と呼ばれるpAg1〜7の低pAgの雰囲
気で成長させるあるいは熟成させる方法、高pH熟成と
呼ばれるpH8〜11の高pHの雰囲気で成長させるあ
るいは熟成させる方法のいずれを選ぶことができるが、
還元増感剤を添加する方法が還元増感のレベルを微妙に
調節できる点で好ましい方法である。
【0047】還元増感剤として第一錫塩、アミンおよび
ポリアミン類、ヒドラジン誘導体、ホルムアミジンスル
フィン酸、シラン化合物、ボラン化合物などが公知であ
る。本発明の還元増感にはこれら公知の還元増感剤を選
んで用いることができ、また2種以上の化合物を併用す
ることもできる。還元増感剤として塩化第一錫、二酸化
チオ尿素、ジメチルアミンボランが好ましい化合物であ
る。これらの還元増感剤の添加量は乳剤製造条件に依存
するので添加量を選ぶ必要があるが、ハロゲン化銀1モ
ル当り10-7〜10-3モルの範囲が適当である。これら
の還元増感剤は水あるいはアルコール類、グリコール
類、ケトン類、エステル類、アミド類などの溶媒に溶か
し添加される。
【0048】還元増感は、アスコルビン酸又はその誘導
体の一種によって施されることが特に好ましい。アスコ
ルビン酸およびその誘導体(以下、「アスコルビン酸化
合物」という。)の具体例としては以下のものが挙げら
れる。
【0049】 (A−1) L−アスコルビン酸 (A−2) L−アスコルビン酸ナトリウム (A−3) L−アスコルビン酸カリウム (A−4) DL−アスコルビン酸 (A−5) D−アスコルビン酸ナトリウム (A−6) L−アスコルビン酸−6−アセテート (A−7) L−アスコルビン酸−6−パルミテート (A−8) し−アスコルビン酸−6−ベンゾエート (A−9) L−アスコルビン酸−6−ジアセテート (A−10)L−アスコルビン酸−5,6−O−イソプ
ロビリデン 前記のアスコルビン酸化合物を本発明のハロゲン化銀乳
剤に添加するには、それらを直接乳剤中に分散してもよ
いしあるいは水、メタノール、エタノール等の溶媒の単
独もしくは混合容媒に溶解して添加してもよい。
【0050】アスコルビン酸化合物は従来還元増感剤が
好ましく用いられている添加量に比較して多量用いるこ
とが望ましい。例えば特公昭57−33572号には
「還元剤の量は通常銀イオンgにつき0.75×10-2
ミリ当量(8×10-4モル/Ag×モル)を超えない。
硝酸銀1kgにつき0.1〜10mgの量(アスコルビ
ン酸として、10-7〜10-5モル/Ag×モル)が多く
の場合効果的である。」(換算値は発明者による)と記
述されている。US−2,487,850には「還元増
感剤として錫化合物の用いることのできる添加量として
1×10-7〜44×10-6モル」と記載している。また
特開昭57−179835号には2酸化チオ尿素の添加
量としてハロゲン化銀1モル当り約0.01mg〜約2
mg、塩化第一錫として約0.01mg〜約3mgを用
いるのが適当であると記載している。アスコルビン酸化
合物は乳剤の粒子サイズ、ハロゲン組成、乳化調製の温
度、pH,pAgなどの要因によって好ましい添加量が
依存するが、ハロゲン化銀1モル当り5×10-5モル〜
1×10-1モルの範囲から選ぶことが望ましい。さらに
好ましくは5×10-4モル〜1×10-2モルの範囲から
選ぶことが好ましい。特に好ましいのは1×10-3モル
〜1×10-2モルの範囲から選ぶことである。
【0051】さらに、アスコルビン酸化合物を用いて還
元増感する方法は、他の還元増感の方法と組み合せるこ
とができる。
【0052】一方、本発明に使用される感光材料は、支
持体の一方の側に2層以上のハロゲン化銀乳剤層を有
し、支持体から最も近いハロゲン化銀乳剤層の乳剤がセ
レン増感されたアスペクト比2以上50以下の平板状粒
子を含有することが好ましく、さらにセレン増感された
アスペクト比2以上20以下の平板状粒子を含むことが
好ましい。
【0053】本発明の実施に際して化学増感(化学熟
成)を停止させるには、乳剤の安定性などを考慮する
と、化学熟成停止剤を用いる方法が好ましい。この化学
熟成停止剤としては、ハロゲン化物(例えば臭化カリウ
ム、塩化ナトリウム等)カブリ防止剤または安定剤とし
て知られている有機化合物(例えば4−ヒドロキシ−6
−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデンなど)
が挙げられる。これらは単独でもしくは複数の化合物を
併用して用いるもよい。
【0054】本発明において、ハロゲン化銀乳剤は、物
理熟成または化学熟成前後の工程において、各種の写真
用添加剤を用いることができる。公知の添加剤として
は、例えばリサーチ・ディスクロージャー(RD)N
o.17643(1978年12月)23〜29頁、同
No.18716(1979年11月)648〜651
頁および同No.308119(1989年12月)9
96〜1009頁に記載された化合物が挙げられる。
【0055】本発明の紫外線吸収剤について説明する。
本発明の紫外線吸収剤は、紫外線領域(200〜400
nm)に分光吸収特性を有するものである。ハロゲン化
銀写真感光材料に好ましく用いられる代表的な紫外線吸
収剤としては、特公昭48−5496号、同50−25
337号、同50−10726号、同48−41572
号、同48−30493号、同49−26138号、同
49−26139号、同49−26538号公報、特開
昭58−185677号公報、米国特許第3,253,
921号、同3,271,156号、同4,236,0
13号、同4,308,194号などに記載されている
ベンゾトリアゾール化合物、米国特許第3,284,2
03号、特公昭50−10726号、同48−3049
3号、米国特許第2,719,086号、同2,76
3,657号、同2,875,053号、同4,27
1,307号、同4,256,626号などに記載のベ
ンゾフェノン化合物類、特公昭56−21141号、同
48−30492号、特公昭63−53541号公報、
米国特許第4,235,999号などに記載の桂皮酸系
化合物、特公昭57−19768号、同57−3704
4号、同57−19767号、同57−46773号、
特開昭53−131837号、特公平1−53455
号、特公昭61−57619号、同57−19771
号、同58−26016号公報、米国特許第4,24
7,627号、欧州特許第127,259号、同12
7,819号、同27,242号等に記載のあるブタジ
ェン系化合物、さらにチアゾリドン系化合物などが挙げ
られる。
【0056】本発明の中で使用する紫外線吸収剤の好ま
しい化合物としては、ベンゾトリアゾール化合物があげ
られる。
【0057】以下に、この化合物の代表的な基本骨格と
化合物例を示す。
【0058】
【化1】
【0059】ただし、EWGは電子吸引性置換基(例え
ば、シアノ基、エステル基、アミド基、スルホニル基、
カルボニル基等)を表す。
【0060】化合物例
【0061】
【化2】
【0062】
【化3】
【0063】
【化4】
【0064】
【化5】
【0065】
【化6】
【0066】
【化7】
【0067】
【化8】
【0068】本発明の紫外線吸収剤は、水溶性のものや
油溶性のもの、あるいはラテックス状のものなど全てを
含むが、これらをハロゲン化銀写真感光材料の構成層中
に適用する方法は、水あるいはメタノール、エタノー
ル、アセトン、ジメチルアセトン、ジオキサン、メチル
エチルケトン、アセトニトリル、酢酸メチル、酢酸エチ
ルなどの有機溶剤又は水と前記有機溶媒との混合溶媒に
溶解したのち乳剤中に添加する。場合によっては下記の
分散用界面活性剤を併用してもよい。
【0069】また、紫外線吸収剤が油溶性の場合は、前
記の低沸点有機溶剤と水溶性で高沸点の有機溶剤(例え
ばブチルフタレート、ジオクチルフタレート、トリクレ
ジルフォスフェート、トリヘキシルフォスヘート、トリ
オクチルフォスフェート、トリシクロヘキシルフォスヘ
ート、トリフェニルフォスヘート、ジオクチルフェニル
フォスヘート、オレイン酸ヘキシル、グルタル酸ジヘキ
シル、クエン酸ブチル、ミリスチン酸ブチル、ブタンジ
オールジベンゾエート、N,N−ジエチルラウリルアミ
ド、ベヘン酸、オクタデシルアルコール、塩素化ポリエ
チレンなど、さらに分散用界面活性剤(アニオン性、ノ
ニオン性、カチオン性、両性の界面活性剤で、例えばス
ルホン酸系、硫酸エステル系、カルボン酸系、硫酸エス
テル系、カルボン酸系、リンゴ酸系、硼酸系ポリアルキ
レンオキサイド系、ポリグルセリン系、カウボキシベタ
イン系、スルホベタイン系、アンモニウム系、ピリジウ
ム系など)を用いて可溶化、あるいは乳化分散して乳剤
中に添加すればよい。
【0070】本発明の中では紫外線吸収剤の添加方法と
しては、水と前記有機溶媒との混合溶媒に溶解したのち
に乳剤中に添加する方法が好ましい。本発明に用いられ
る前記紫外線吸収剤の使用量は、感光材料1m2当たり
0.005〜6gでよく、好ましくは0.01〜5gで
ある。
【0071】用いられる紫外線吸収剤は単独でもよく、
また2種類以上を混合して用いてもよい。さらに本発明
に係る感光材料は、支持体の一方の側に2層以上のハロ
ゲン化銀乳剤層を有し、本発明の紫外線吸収剤は支持体
から最も遠いハロゲン化銀乳剤層に含有させることが好
ましい。
【0072】本発明に係る感光材料に用いることのでき
る支持体としては、例えば前述のRD−17643の2
8頁およびRD−308119の1009頁に記載され
ているものが挙げられる。
【0073】また、好ましい添加位置としては本発明の
感光材料の製造工程中のいずれでも良いが、乳剤の化学
増感工程以降の工程が好ましく、特に乳剤塗布の調液工
程に添加することが好ましい。
【0074】適当な支持体としてはポリエチレンテレフ
タレートフィルムなどで、これら支持体の表面は塗布層
の接着をよくするために、下塗層を設けたり、コロナ放
電、紫外線照射などを施してもよい。
【0075】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。当
然のことながら、本発明は以下に述べる実施例により限
定されるものではない。
【0076】実施例1 (沃化銀微粒子の調製) <溶液A> オセインゼラチン 100g KI 8.5g 蒸留水で2000mlにする <溶液B> AgNO3 360g 蒸留水で605mlにする <溶液C> KI 352g 蒸留水で605mlにする 反応容器に溶液Aを加え、40℃に保ち撹拌しながら溶
液B及び溶液Cを同時混合法により30分を要して定速
で添加した。添加中のpAgは常法のpAg制御手段で
13.5に保った。生成した沃化銀は平均粒径0.06
μmのβ−AgIとγ−AgIの混合物であった。この
乳剤を沃化銀微粒子乳剤と呼ぶ。
【0077】(分光増感色素の固体微粒子分散物の調
製)下記、分光増感色素(A)及び(B)を40:60
の比率で予め27℃に調温した水に加え、高速撹拌機
(ディゾルバー)で3500rpmにて30〜120分
間撹拌することによって分光増感色素の固体微粒子状の
分散物を得た。このとき増感色素(A)の濃度が2%に
なるように調製した。
【0078】
【化9】
【0079】(六角平板状種乳剤の調製)以下の方法に
より沃化銀含量2.0モル%の六角平板状種乳剤Em−
Aを作成した。
【0080】 <溶液A> オセインゼラチン 60.2g 蒸留水 20.0l HO−(CH2CH2O)n−[CH(CH3)CH2O]17 −(CH2CH2O)mH (n+m=5〜7) 10%メタノール溶液 5.6ml KBr 26.8g 10%H2SO4 144ml <溶液B> AgNO3 1487.5g 蒸留水で3500mlにする <溶液C> KBr 1029g KI 29.3g 蒸留水で3500mlにする <溶液D> 1.75N KBr水溶液 下記電位制御量 35℃において、特公昭58−58288号、同58−
58289号に示された混合撹拌機を用いて、溶液Aに
溶液B及び溶液Cの各々64.1mlを同時混合法に2
分の時間を要して添加し、核形成を行った。溶液B及び
溶液Cの添加を停止した後、60分の時間を要して溶液
Aの温度を60℃に上昇させ、再び溶液Bと溶液Cを同
時混合法により各々68.5ml/minの流量で50
分間添加した。この間の銀電位(飽和銀−塩化銀電極を
比較電極として銀イオン選択電極で測定)を溶液Dを用
いて+6mVになるように制御した。添加終了後、3%
KOHによってpHを6に合わせ、直ちに脱塩、水洗を
行い種乳剤Em−Aとした。このように作成した種乳剤
Em−Aはハロゲン化銀粒子の全投影面積の90%以上
が最大隣接辺比が1.0〜2.0の六角平板粒子よりな
り、六角平板の平均厚さ0.07μm、平均直径(円直
径換算)0.5μm、変動係数は25%であることが電
子顕微鏡観察により判明した。
【0081】(平板状乳剤Em−1の調製)以下の5種
類の溶液を用いて1.3モル%の沃化銀を含有する平板
状沃臭化銀乳剤Em−1を調製した。
【0082】 <溶液A> オセインゼラチン 29.4g HO−(CH2CH2O)n−[CH(CH3)CH2O]17 −(CH2CH2O)mH (n+m=5〜7) 10%メタノール溶液 1.25ml 種乳剤Em−A 1.91モル相当 蒸留水で3000mlとする <溶液B> 3.50N AgNO3水溶液 1976ml <溶液C> KBr 823g 蒸留水で1976mlとする <溶液D> 沃化銀微粒子乳剤 0.077モル相当 <溶液E> 1.75 KBr水溶液 下記電位制御量 60℃において、特公昭58−58288号、同58−
58289号に示された混合撹拌機を用いて、溶液A、
溶液B及び溶液Cの各々110mlと溶液Dの全量を同
時混合法(トリプルジェット法)により添加終了時の流
速が添加開始時の流速の2倍になるように40分の時間
を要して第1被覆層の添加成長を行った。その後、引き
続き溶液B、及び溶液Cの残り全量をダブルジェット法
により添加終了時の流速が添加開始時の流速の1.5倍
になるように105分の時間を要して第2被覆層の添加
成長を行った。
【0083】この間の銀電位は溶液Dを用いて+20m
Vになるように制御した。添加終了後、過剰な塩類を除
去するため、以下に示す方法で沈澱脱塩を行った。
【0084】1.混合終了した反応液を40℃にして、
凝集ゼラチン剤を20g/AgX1モル加え、56wt
%酢酸を加えてpHをおとし、静置し、デカンテーショ
ンを行う。
【0085】2.40℃の純水1.8 l/AgX1モ
ルを加え、10分間撹拌させた後、静置、デカンテーシ
ョンを行う。
【0086】3.上記2の工程をもう1回繰り返す。
【0087】4.後ゼラチン15g/AgX1モルと炭
酸ナトリウム、水を加え、pH6.0にして分散させ、
450cc/AgX1モルに仕上げる。
【0088】Em−1の粒子約1000個を電子顕微鏡
により観察、測定し形状を分析したところ、平均円相当
直径1.52μm、粒子厚さ0.21μmの平板状粒子
であり変動係数は24%、平均アスペクト比は7.24
であった。
【0089】(単分散立方晶種乳剤Em−Bの調製) <溶液A> オセインゼラチン 30g KBr 1.25g 硝酸(0.1N) 150ml 蒸留水で 7700mlとする <溶液B> KBr 6g KI 0.16g 蒸留水で 740mlとする <溶液C> KBr 680g KI 20g 蒸留水で 2480mlとする <溶液D> 硝酸銀 8.4g 硝酸(0.1N) 32ml 蒸留水で 740mlとする <溶液E> 硝酸銀 991.6g 硝酸(0.1N) 80ml 蒸留水で 2480mlとする 60℃で激しく撹拌した溶液Aに、溶液Bと溶液Dをダ
ブルジェット法により10分間かけて添加した。そし
て、溶液Cと溶液Eをダブルジェット法により140分
間かけて添加した。このとき初期添加流量は最終添加流
量の1/8で、時間とともに直線的に増感せしめた。こ
れら液を添加せしめている間は、pH=2、pAg=8
に一定に調製した。添加終了後に炭酸ナトリウムでpH
を6まで上げ、KBr 150gを加えた後に、直ちに
脱塩、水洗を行って、平均粒径0.3μmの沃化銀2モ
ル%を含む沃臭化銀の単分散立方晶種乳剤Em−Bを得
た。電子顕微鏡観察によれば、双晶の発生率は個数で1
%以下であった。
【0090】(正常晶コア/シェル乳剤Em−2の調
製)以下の5種類の溶液を用いて2.0モル%AgIを
含有する正常晶乳剤EM−2を作成した。
【0091】 <溶液A> オセインゼラチン 75.5g HO−(CH2CH2O)n−[CH(CH3)CH2O]17 −(CH2CH2O)mH (n+m=5.7) 10%メタノール水溶液 15ml 種乳剤Em−B 0.40モル相当 蒸留水で4000mlとする <溶液B> AgNO3 46.2g AgNO3と等モル量のアンモニア溶液と蒸留水を加えて259mlとする <溶液C> AgNO3 647.6g AgNO3と等モル量のアンモニア溶液と蒸留水を加えて1088mlとする <溶液D> KBr 22.6g KI 13.5g 蒸留水で259mlにする <溶液E> KBr 453.3g 蒸留水で1088mlにする 反応釜内に溶液Aを40℃に保ち、さらにアンモニア水
と酢酸を加えpHを9.5に調整した。アンモニア性銀
イオン液にてpAgを7.3に調製後、pHとpAgを
一定に保ちつつ溶液Bと溶液Dをダブルジェット法で添
加し、沃化銀30モル%を含む沃臭化銀層を形成せしめ
た。酢酸とKBrを用いてpHを9.0、pAgを9.
0に調製した後に溶液Cと溶液Eを同時に添加し成長
後、粒径の90%にあたるまで成長させた。このときの
pHは、9.0から8.20まで徐々に下げた。KBr
液を加え、pAgを11にした後にさらに溶液Cと溶液
Eを加えてpHを徐々に8まで下げながら成長せしめ、
沃化銀2モル%の沃臭化銀乳剤を得た。
【0092】添加終了後、過剰な塩類を除去するため、
Em−1と同様の方法で沈澱脱塩を行い、オセインゼラ
チン92.2gを含むゼラチン水溶液を加え2500m
lとして、撹拌再分散し、Em−2とした。
【0093】EM−2の粒子約1000個を電子顕微鏡
により観察・測定し形状を分析したところ、平均粒子直
径0.51μm、分布の広さが12%の単分散球状粒子
であった。
【0094】次に、得られた乳剤を以下の方法で分光増
感及び化学増感を施した。
【0095】乳剤を50℃にした後、増感色素(A)が
銀1モル当たり40mgになるように、上記固体微粒子
分散物を加えた後に、チオシアン酸アンモニウム塩を銀
1モル当たり4.0×10-4モル、及び塩化金酸3.2
×10-6モルとチオ硫酸ナトリウム3.4×10-5モル
添加し、その40分後に、上記沃化銀微粒子乳剤を1.
7×10-3モル/Ag1モル添加後、4−ヒドロキシ−
6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデン(T
AI)1.2×10-2モルで安定化した。
【0096】次に乳剤Em−1及びEm−2にセレン増
感を施した乳剤Em−3及びEm−4を調製した。即
ち、チオシアン酸アンモニウム、塩化金酸、チオ硫酸ナ
トリウムとともに下記セレン増感剤を7.0×10-6
ル添加した以外は乳剤Em−1及びEm−2と同様にし
て化学増感を行い、セレン増感した。
【0097】
【化10】
【0098】Em−1にセレン増感を施した乳剤をEm
−3とし、Em−2にセレン増感を施した乳剤をEm−
4とした。
【0099】(試料の作成)得られたそれぞれの乳剤
に、下記の各種添加剤を加えて乳剤液(感光性ハロゲン
化銀塗布液)とした。添加量はハロゲン化銀1モル当た
りの量で示す。
【0100】尚、本発明の紫外線吸収剤UV−1は、表
3に示すように乳剤液に添加した。
【0101】 t−ブチル−カテコール 400mg ポリビニルピロリドン(分子量10.000) 1.0g スチレン無水マレイン酸共重合体 2.5g トリメチロールプロパン 10g ジエチレングリコール 5g ニトロフェニル−トリフェニルホスホニウムクロリド 50mg 1,3−ジヒドロキシベンゼン−4−スルホン酸アンモニウム 4g 2−メルカプトベンズインダゾール−5−スルホン酸ナトリウム 1.5mg n−C49OCH2CH(OH)CH2N(CH2COOH)2 1g
【0102】
【化11】
【0103】また保護層に用いた添加剤は次の通りであ
る。添加量はゼラチン1g当たりの量で示す。
【0104】保護層用塗布液 面積平均粒径7μmのポリメチルメタクリレートからなるマット剤 7mg コロイドシリカ(平均粒径0,013μm) 70mg 2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−1,3,5−トリアジンナトリウム塩 30mg
【0105】
【化12】
【0106】 (CH2=CHSO2CH22O(硬膜剤) 36mg 以上の塗布液を、厚さ175μmの下引き処理済のブル
ーに着色したポリエチレンテレフタレートフィルムベー
ス上に感度の異なる乳剤2層と保護層1層を両面に均一
に塗布、乾燥して試料5〜20を作成した。尚、ハロゲ
ン化銀乳剤層の銀付量はいずれも1.15g/m2とし
た。個々の(Em−1〜4)の写真性能及び画質の評価
を行うために各乳剤の単層(片面当たり銀付量2.3g
/m2)及び保護層の塗布試料No.1〜4を作成し
た。
【0107】<センシトメトリー(写真性能)の評価>
得られた試料をそれぞれ2枚の蛍光増感紙、即ち比較用
増感紙NR−160(コニカ[株]製、蛍光体:タング
ステン酸カルシウム)及び本発明に係る蛍光増感紙ウル
トラビジョンファーストディーテルUVFD(Du P
ont社製、蛍光体:イットリウムタンタルオキサイ
ド)を挟み、アルミウェッジを介して管電圧80Kv
p、管電流100mA、0.05秒間のX線を照射し
た。
【0108】次いで自動現像機SRX201(コニカ
[株]製)を用いて下記処方の現像液、定着液で処理し
た。
【0109】 現像液処方 PartA(12l仕上げ用) 水酸化カリウム 450g 亜硫酸カリウム(50%溶液) 2280g ジエチレントリアミン5酢酸 120g 重炭酸水素ナトリウム 132g 5−メチルベンゾトリアゾール 1.2g 1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール 0.2g ハイドロキノン 340g 水を加えて 5000mlに仕上げる PartB(12l仕上げ用) 氷酢酸 170g トリエチレンングリコール 185g 1−フェニルー2−ピラゾリドン 22g 5−ニトロインダゾール 0.4g スターター 氷酢酸 120g 臭化カリウム 225g 水を加えて 1.0lに仕上げる 定着液処方 PartA(18l仕上げ用) チオ硫酸アンモニウム 6000g 亜硫酸ナトリウム 110g 酢酸ナトリウム・3水塩 450g クエン酸ナトリウム 50g グルコン酸 70g 1−(N,N−ジメチルアミノ)−エチル−5−メルカプトテトラゾール 18g PartB(18l仕上げ用) 硫酸アルミニウム 800g 現像液の調製は水約5lにPartA、PartBを同
時添加し、撹拌溶解しながら水を加えて12lに仕上
げ、氷酢酸でpHを10.40に調整した。これを現像
補充液1lに対して前記のスターターを20ml/l添
加し、pHを10.26に調整し、使用液とする。
【0110】定着液の調製は水約5lにPartA、P
artBを同時添加し、撹拌溶解しながら水を加えて1
8lに仕上げ、硫酸とNaOHを用いてpHを4.4に
調整した。これを定着補充液とする。
【0111】尚、処理温度はそれぞれ現像35℃、定着
33℃、水洗20℃、乾燥50℃、処理時間はDry
to Dryで90秒である。
【0112】現像処理して得られた各試料の感度及びコ
ントラストを評価した。結果を表1〜3に示す。
【0113】<感度、コントラストの評価>感度はカブ
リ+1.0の濃度を与える露光量の逆数で表し、試料N
o.2の蛍光増感紙NR−160を使用した場合の感度
を100とした時の相対感度で示した。
【0114】また、コントラストは特性曲線において、
最低濃度+0.25〜最低濃度+2.0までの傾きを
(平均グラジエンドG)として表したものである。
【0115】<鮮鋭性及び粒状性の評価>感度を評価し
た各蛍光増感紙/感光材料の組み合わせについて、京都
科学製胸部ファントームを120KVp(3mm厚のア
ルミニウム等価フィルタ装着)のX線源を用い、距離1
40cmの位置にファントームを置き、その後ろにグリ
ッドレシオ8:1の散乱防止グリッド、その後ろに感光
材料と蛍光増感紙を置き撮影を行った。
【0116】何れの写真も肺野の最も濃度の高い部分が
1.8±0.5になるようにX線露光量を露光時間を変
えることにより調節した。得られた写真について目視で
観察し、粒状性と鮮鋭性を下記の評価基準で評価した。
【0117】粒状性評価基準 A:殆ど目立たない B:若干目立つ C:目立ち読影に若干支障あり D:非常に目立ち読影に支障あり 鮮鋭性評価基準 A:非常にシャープ B:良好だが僅かにボケがある C:僅かにボケがあるが読影に支障はない D:ボケが目立ち読影に若干支障あり E:ボケにより読影困難
【0118】
【表1】
【0119】
【表2】
【0120】
【表3】
【0121】表1〜3の結果から本発明の試料は、高感
度で、高鮮鋭性、高コントラストかつ粒状性の良好な画
像が得られることがわかる。
【0122】
【発明の効果】本発明により、ハロゲン化銀写真感光材
料を、イットリウムタンタレイト系蛍光体を主成分とす
る蛍光増感紙を密着してX線露光し、高感度で、高鮮鋭
性、高コントラストかつ粒状性の良好な画像が得られる
X線画像形成方法を提供することができた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G21K 4/00 G21K 4/00 M

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体の一方の側に2層以上のハロゲン
    化銀乳剤層を有し、支持体から最も近い乳剤層に塗設さ
    れている乳剤の感度が他の乳剤層に塗設されている乳剤
    の感度より20%以上高いことを特徴とするハロゲン化
    銀写真感光材料をイットリウムタンタレイト系蛍光体を
    主成分とする蛍光増感紙を密着し、X線露光することを
    特徴とするX線画像形成方法。
  2. 【請求項2】 支持体の一方の側に2層以上のハロゲン
    化銀乳剤層を有し、支持体から最も遠い乳剤層に紫外線
    吸収剤を含有するハロゲン化銀写真感光材料をイットリ
    ウムタンタレイト系蛍光体を主成分とする蛍光増感紙を
    密着し、X線露光することを特徴とするX線画像形成方
    法。
  3. 【請求項3】 支持体の一方の側に2層以上のハロゲン
    化銀乳剤層を有し、支持体から最も近い乳剤層に塗設さ
    れている乳剤が、セレン増感されたアスペクト比2以上
    50以下の平板状粒子を含むハロゲン化銀写真感光材料
    をイットリウムタンタレイト系蛍光体を主成分とする蛍
    光増感紙を密着し、X線露光することを特徴とするX線
    画像形成方法。
JP7316685A 1995-12-05 1995-12-05 X線画像形成方法 Pending JPH09160183A (ja)

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