JPH06317874A - ハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料

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JPH06317874A
JPH06317874A JP10840693A JP10840693A JPH06317874A JP H06317874 A JPH06317874 A JP H06317874A JP 10840693 A JP10840693 A JP 10840693A JP 10840693 A JP10840693 A JP 10840693A JP H06317874 A JPH06317874 A JP H06317874A
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silver halide
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emulsion
dry
drying
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JP10840693A
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Yasuo Taima
恭雄 當間
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 高感度であり、しかも乾燥カブリ及びセーフ
ライトカブリが改良されたハロゲン化銀写真感光材料を
提供する。 【構成】 支持体の両側に少なくとも1層の感光性ハロ
ゲン化銀乳剤層と非感光性親水性コロイド層を有するハ
ロゲン化銀写真感光材料において、該乳剤粒子がセレン
増感剤で増感され、かつ該乳剤層を有する側の含水率
(含水量/全親水性コロイド重量)が500%から50%に
なる範囲を下記式(I)に該当する方法で乾燥すること
を特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。 式(I)2.0≦T/(DB−WB)≦10.0 上記式(I)中、T,DB,WBはそれぞれ T : 乾燥時間(秒) DB: 乾燥風の平均乾球温度(℃)で28℃以上45℃以
下 WB: 乾燥風の平均湿球温度(℃)で18℃以上38℃以

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高感度のハロゲン化銀写
真感光材料に関し、詳しくは高感度であり、しかも乾燥
カブリ及びセーフライトカブリが改良されたハロゲン化
銀写真感光材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、感材、特に医療用レントゲン感光
材料においては、高感度化の要望が益々強くなってきて
いる。感材の感度を上げるための化学増感剤である硫黄
化合物に代わって、最近では更に高感度化が可能である
セレン化合物による増感(以下セレン増感と記述)も数
多く研究開発されている。しかしながら、セレン増感に
は、高感度化という効果の反面、塗布乾燥工程において
カブリが発生しやすくなるという好ましからぬ欠点を有
していた。
【0003】このような塗布乾燥工程でのカブリ発生
(以下乾燥カブリ)を抑制するために、一般にグリセリ
ン、ジエチレングリコール、トリメチルプロパン等の多
価アルコールを添加したり、各種ラテックスを添加する
技術が知られている。しかしながらこのような技術は、
感材の生産性を向上させるため、高速で塗布を行ない、
短時間で乾燥工程を終了しようとするには十分ではなか
った。
【0004】また、セレン増感を行った感材には、セー
フライトカブリが発生しやすいという欠点がある。ここ
でいうセーフライトカブリとは、感材を取り扱ったとき
にセーフライト(安全光)の下に長時間さらされたこと
によって生じるカブリである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的
は、高感度であり、しかも乾燥カブリ及びセーフライト
カブリが改良されたハロゲン化銀写真感光材料を提供す
ることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、支
持体の両側に少なくとも1層の感光性ハロゲン化銀乳剤
層と非感光性親水性コロイド層を有するハロゲン化銀写
真感光材料において、該乳剤粒子がセレン増感剤で増感
され、かつ該乳剤層を有する側の含水率(含水量/全親
水性コロイド重量)が500%から50%になる範囲を下記
式(I)に該当する方法で乾燥することを特徴とするハ
ロゲン化銀写真感光材料によって達成された。
【0007】式(I) 2.0≦T/(DB−WB)≦10.0 上記式(I)中、T,DB,WBはそれぞれ T : 含水率(含水量/全親水性コロイド重量)が50
0%から50%に減少するまでの乾燥時間(秒) DB: 含水率(含水量/全親水性コロイド重量)が50
0%から50%に減少するまでの乾燥風の乾球温度(℃)
で28℃以上45℃以下 但し、500%から50%に減少するまでの間に乾燥条件を
連続または、段階的に変化する場合はその間の平均乾球
温度 WB: 含水率(含水量/全親水性コロイド重量)が50
0%から50%に減少するまでの乾燥風の湿球温度(℃)
で18℃以上38℃以下 但し、500%から50%に減少するまでの間に乾燥条件を
連続または、段階的に変化する場合はその間の平均湿球
温度 以下、本発明を詳述する。
【0008】本発明は、セレン増感処理された高感度の
感光材料において、本発明者が鋭意研究を行った結果、
乳剤層を有する側の含水率(含水量/全親水性コロイド
重量)が500%から50%になる範囲を上記式(I)に該
当する方法で乾燥することにより、乾燥カブリが改良さ
れ、更にセーフライトカブリも改良されるという予期せ
ぬ効果が得られたことにより、成されるに至ったもので
ある。
【0009】本発明に関わるハロゲン化銀乳剤はセレン
増感処理されている。セレン増感処理されているとは、
本発明に関わる平板状ハロゲン化銀粒子の任意の部位に
セレン増感核を有することを意味し、特に好ましい部位
としては粒子の表面及び/又は表面近傍があげられる。
本発明において表面近傍とは最も近い粒子表面から60nm
以下の深さを意味する。
【0010】本発明の粒子の表面近傍の目標とする部位
にセレン増感処理する方法としては、例えば粒子の成長
工程を一時的に休止し、セレン増感剤を添加して殻層表
面にセレン増感処理を施した後に再び成長工程を継続す
る方法が好ましい。
【0011】また本発明のハロゲン化銀の成長に伴って
セレン増感剤を数回に分けて添加しても、一定時間連続
して添加してもよい。
【0012】本発明に係るセレン増感は、従来公知の方
法にて、実施することができる。すなわち、通常、不安
定型セレン化合物および/または非不安定型セレン化合
物を添加して、高温、好ましくは40℃以上で乳剤を一定
時間撹拌することにより行われる。特公昭44-15748号に
記載の不安定セレン増感剤を用いるセレン増感が好まし
く用いられる。具体的な不安定セレン増感剤としては、
アリルイソセレノシアネートの如き脂肪族イソセレノシ
アネート類、セレノ尿素類、セレノケトン類、セレノア
ミド類、セレノカルボン酸類およびエステル類、セレノ
フォスフェート類がある。特に好ましい不安定セレン化
合物は以下に示される。
【0013】コロイド状金属セレン 有機セレン化合物(セレン原子が共有結合により有機
化合物の炭素原子に2重結合しているもの) a.イソセレノシアネート類 例えば、アリルイソセレノシアネートの如き脂肪族イソ
セレノシアネート b.セレノ尿素類(エノール型を含む) 例えば、セレノ尿素、及びメチル、エチル、プロピル、
イソプロピル、ブチル、ヘキシル、オクチル、ジオクチ
ル、テトラメチル、N-(βカルボキシエチル)-N,N′-
ジメチル、N,N-ジメチル、ジエチル、ジメチル等の脂肪
族セレノ尿素;フェニル、トリル等の芳香族基を1個又
はそれ以上もつ芳香族セレノ尿素;ピリジル、ベンゾチ
アゾリル等の複素環式基をもつ複素環式セレノ尿素。
【0014】特に好ましいセレノ尿素類としてはN,N′-
4置換セレノ尿素である。好ましい置換基は、R、RC
O−、ArCO−であり、Rはアルキル基もしくはパー
フルオロアルキル基であり(C数1〜7が好ましい)、
Arはハロゲン又は、低級アルコキシ基で置換されても
よいフェニル基である。
【0015】c.セレノケトン類 例えば、セレノアセトン、セレノアセトフェノン、アル
キル基が=C=Seに結合したセレノケトン、セレノベ
ンゾフェノン、 d.セレノアミド類 例えば、セレノアミド e.セレノカルボン酸およびエステル類 例えば、2-セレノプロピオン酸、3-セレノ酪酸、メチル
-3-セレノブチレート その他 a.セレナイド類 例えば、ジエチルセレナイド、ジエチルジセレナイド、
トリフェニルフォスフィンセレナイド b.セレノフォスフェート類 例えば、トリ-p-トリセレノフォスフェート、トリ-n-ブ
チルセレノフォスフェート 不安定型セレン化合物の好ましい類型を上に述べたがこ
れらは限定的なものではない。当業技術者には写真乳剤
の増感剤としての不安定型セレン化合物といえば、セレ
ンが不安定である限りに於いて該化合物の構造はさして
重要なものではなく、セレン増感剤分子の有機部分はセ
レンを担持し、それを不安定な形で乳剤中に存在せしめ
る以外何らの役割をもたぬことが一般に理解されてい
る。本発明に於いては、かかる広範な概念の不安定セレ
ン化合物が有利に用いられる。
【0016】特公昭46-4553号、特公昭52-34492号およ
び特公昭52-34491号に記載の非不安定型セレン増感剤を
用いるセレン増感も用いられる。非不安定型セレン化合
物には例えば亜セレン酸、セレノシアン化カリウム、セ
レナゾール類、セレナゾール類の4級アンモニウム塩、
ジアリールセレニド、ジアリールジセレニド、2-チオセ
レナゾリジンジオン、2-セレノオキサゾリジンジオンお
よびこれらの誘導体等が含まれる。
【0017】特公昭52-38408号に記載の非不安定型セレ
ン増感剤、チオセレナゾリジンジオン化合物も有効であ
る。
【0018】これらのセレン増感剤は水またはメタノー
ル、エタノールなどの有機溶媒の単独または混合溶媒に
溶解し化学増感時に添加される。使用されるセレン増感
剤は1種に限られず上記セレン増感剤の2種以上を併用
して用いることができる。不安定セレン化合物と非不安
定セレン化合物の併用は好ましい。
【0019】本発明に使用されるセレン増感剤の添加量
は、用いるセレン増感剤の活性度、ハロゲン化銀の種類
や大きさ、熟成の温度および時間などにより異なるが、
好ましくは、ハロゲン化銀1モル当り1×10-8モル以上
である。より好ましくは1×10-7モル以上5×10-5モル
以下である。
【0020】セレン増感は、ハロゲン化銀溶剤の存在下
で行うことにより、より効果的である。
【0021】本発明で用いることができるハロゲン化銀
溶剤としては米国特許第3,271,157号、同3,531,289号、
同3,574,628号、特開昭54-1019号、同54-158917号等に
記載された有機チオエーテル類、特開昭53-82408号、
同55-77737号、同55-2982号に記載されたチオ尿素誘
導体、特開昭53-144319号に記載された酸素又は硫黄
原子と窒素原子とにはさまれたチオカルボニル基を有す
るハロゲン化銀溶剤、特開昭54-100717号に記載された
イミダゾール類、亜硫酸塩、チオシアネート等が
挙げられる。
【0022】特に好ましい溶剤としては、チオシアン酸
塩およびテトラメチルチオ尿素がある。また用いられる
溶剤の量は種類によっても異なるが、例えばチオシアン
酸塩の場合、好ましい量はハロゲン化銀1モル当り1×
10-4モル以上1×10-2モル以下である。
【0023】セレン増感処理を施す場合の乳剤の温度
は、45℃以上が好ましい。
【0024】本発明に係るハロゲン化銀写真感光材料の
ハロゲン化銀乳剤は、正常晶粒子、即ち立方体、8面
体、14面体のような全て等方的に成長したもの、或は球
形のような多面的な結晶型のもの、又は双晶面のような
面欠陥を有した双晶からなるもの、或はそれらの混合型
または複合型であってもよいが、好ましくは平板状ハロ
ゲン化銀粒子が挙げられる。
【0025】これらのハロゲン化銀粒子の粒径は0.2μm
から3.0μmの範囲が好ましく、0.3μmから2.0μmが更に
好ましい。
【0026】本発明のハロゲン化銀写真感光材料に用い
られる乳剤は、公知の方法で製造できる。例えばリサー
チ・ディスクロージャー(RD)No.17643(1978年12月),22
〜23頁の“Emulsion Preparation and Types”に記載の
方法、或は同(RD)No.18716(1979年11月),648頁に記載
の方法で調製することができる。
【0027】本発明のハロゲン化銀写真感光材料に用い
られる乳剤は、例えばT.H.James著“The Theory of the
Photographic process”第4版、Macmillan社刊(1977
年)38〜104頁に記載の方法、G.F.Duffin著“Photograph
ic Emulsion Chemistry”、Focal Press社刊(1966年)、
P.Glafkides著“Chimie et Physique Photographique”
Paul Montel社刊(1967年)或はV.L.Zelikman他著“Makin
g And Coting Photographic Emulsion" Focal Press社
刊(1964)などに記載の方法により調製することができ
る。
【0028】即ち、酸性法、アンモニア法、中性法など
の溶液条件にて順混合法、逆混合法、ダブルジェット
法、コントロール・ダブルジェット法などの混合条件、
コンバージョン法、コア/シェル法などの粒子調製条件
およびこれらの組合わせ法を用いて製造することができ
る。
【0029】本発明のハロゲン化銀粒子の粒径分布は、
狭い分布を有した単分散乳剤或は広い分布を有した多分
散乳剤のいずれであってもよく、これらを併用してもよ
い。ハロゲン化銀の結晶構造は内部と外部が異なったハ
ロゲン化銀組成からなっていてもよく、例えば高沃化銀
のコア部分に低沃化銀のシェル層を被覆して明確な2層
構造を有した、あるいは更に沃化銀含有の異なる殻層を
設け、3層以上の構造を有したコア/シェル型単分散乳
剤であってもよい。
【0030】高沃度部の沃化銀含量は20〜40モル%で、
特に好ましくは20〜30モル%である。
【0031】本発明で単分散であるとは、粒径のバラツ
キ(標準偏差)を平均粒径で割った値(変動係数)が、
好ましくは30%以内、より好ましくは20%以内であるこ
とをいう。
【0032】かかる単分散乳剤の製法は公知で、例えば
J.Phot.Sci,12.242〜251,(1963)、特開昭48-36890号、
同52-16364号、同55-142329号、同58-49938号、英国特
許1,413,748号、米国特許3,574,628号、同3,655,394号
などに詳しく記載されている。
【0033】上記の単分散乳剤を得るための方法として
例えば種晶を用い、この種晶を成長核として銀イオン及
びハライドイオンを供給し成長させた乳剤を用いてもよ
い。
【0034】上記のコア/シェル型乳剤の製法は公知
で、例えばJ.Phot.Sci,24.198.(1
976)、英国特許1,027,146号、米国特許3,
505,068号、同4,444,877号或は特開昭60-143331号など
に記載の方法を参考にすることができる。
【0035】本発明に好ましく用いられる平板状ハロゲ
ン化銀粒子の平均粒径は0.3〜3.0μmが好ましく、特に
好ましくは0.5〜1.5μmである。
【0036】本発明の平板状ハロゲン化銀粒子は、粒子
直径/厚さ(アスペクト比と呼ぶ)の平均値(平均アス
ペクト比と呼ぶ)が2.0以上であり、好ましくは2.0〜2
0.0、特に好ましくは2.2〜8.0である。
【0037】本発明の平板状ハロゲン化銀粒子の平均厚
さは0.5μm以下が好ましく、特に好ましくは0.3μm以下
である。
【0038】かかる平板状粒子の利点は、分光増感効率
の向上、画像の粒状性及び鮮鋭性の改良などが得られる
として例えば、英国特許2,112,157号、米国特許4,439,5
20号、同4,433,048号、同4,414,310号、同4,434,226号
などに開示されており、乳剤はこれら明細書記載の方法
により調製することができる。
【0039】本発明において、平板状ハロゲン化銀粒子
の粒径は、ハロゲン化銀粒子の電子顕微鏡写真の観察か
ら粒子の投影面積に等しい面積を有する円の直径として
定義される。
【0040】本発明において、ハロゲン化銀粒子の厚さ
は、平板状ハロゲン化銀粒子を構成する二つの平行な面
の距離のうち最小のもの(即ち、主平面間の距離)と定
義される。
【0041】平板状ハロゲン化銀粒子の厚さは、ハロゲ
ン化銀粒子の影の付いた電子顕微鏡写真又はハロゲン化
銀乳剤を支持体に塗布し乾燥したサンプル断層の電子顕
微鏡写真から求めることができる。
【0042】平均アスペクト比を求めるためには、最低
100サンプルの測定を行う。
【0043】本発明のハロゲン化銀乳剤において、平板
状ハロゲン化銀粒子が全ハロゲン化銀粒子に占める割合
は50%以上であり、好ましくは60%以上、特に好ましく
は70%以上である。
【0044】本発明の平板状ハロゲン化銀乳剤は単分散
性であるものが好ましく用いられ、粒径の変動係数が20
%以内の範囲に含まれるものが特に好ましく用いられ
る。
【0045】本発明に係る平板状ハロゲン化銀乳剤は、
塩化銀、臭化銀、沃化銀、塩臭化銀、沃臭化銀等ハロゲ
ン組成は任意であるが、高感度という点から沃臭化銀が
好ましく、平均沃化銀含有率は、0.1〜5.0モル%であっ
て特に好ましくは0.5〜3.0モル%である。
【0046】又、本発明に係る平板状ハロゲン化銀乳剤
は、ハロゲン組成が粒子内で均一であってもよく、沃化
銀が局在したものであってもよいが、粒子の最表面に局
在したものが好ましく用いられる。
【0047】平板状ハロゲン化銀乳剤の製造方法は、特
開昭58-113926号、同58-113927号、同58-113934号、同6
2-1855号、ヨーロッパ特許219,849号、同219,850号等を
参考にすることもできる。
【0048】又、単分散性の平板状ハロゲン化銀乳剤の
製造方法として、特開昭61-6643号を参考にすることが
できる。
【0049】高アスペクト比を持つ平板状の沃臭化銀乳
剤の製造方法としては、pBrが2以下に保たれたゼラチ
ン水溶液に硝酸銀水溶液又は硝酸銀水溶液とハロゲン化
物水溶液を同時に添加して種晶を発生させ、次にダブル
ジェット法により成長させることによって得ることがで
きる。
【0050】平板状ハロゲン化銀粒子の大きさ及び形状
は、粒子形成時の温度銀電位、pH、銀塩及びハロゲン
化物水溶液の添加速度等によってコントロールできる。
【0051】平板状ハロゲン化銀乳剤の平均沃化銀含有
率は、添加するハロゲン化物水溶液の組成すなわち塩化
物、臭化物及び沃化物の比を変えることによりコントロ
ールすることができる。
【0052】又、平板状ハロゲン化銀乳剤の製造時に、
必要に応じてアンモニア、チオエーテル、チオ尿素等の
ハロゲン化銀溶剤を用いることができる。
【0053】本発明に用いるハロゲン化銀乳剤は、分光
増感されていてよい。例えば、オルソ増感、パンクロ増
感さらには赤外分光増感を行うことができる。
【0054】上述した乳剤は、粒子表面に潜像を形成す
る表面潜像型あるいは粒子内部に潜像を形成する内部潜
像型、表面と内部に潜像を形成する型のいずれの乳剤で
有ってもよい。これらの乳剤は、物理熟成あるいは粒子
調製の段階で鉄塩、カドミウム塩、鉛塩、亜鉛塩、タリ
ウム塩、ルテニウム塩、オスミウム塩、イリジウム塩又
はその錯塩、ロジウム塩またはその錯塩などを用いても
よい。
【0055】乳剤は可溶性塩類を除去するためにヌーデ
ル水洗法、フロキュレーション沈降法などの水洗方法が
なされてよい。好ましい水洗法としては、例えば特公昭
35-16086号記載のスルホ基を含む芳香族炭化水素系アル
デヒド樹脂を用いる方法、又は特開昭63-158644号記載
の凝集高分子剤例示G3、G8などを用いる方法が特に
好ましい脱塩方法として挙げられている。
【0056】本発明の乾燥条件は、短時間でかつ乾燥に
よるカブリ発生の少ない感光材料を製造するのに非常に
有効であることが判った。
【0057】本発明において含水率とは、本発明の乳剤
層を含む側に塗設された全親水性コロイド層に含有され
る水分量を該親水性コロイド層中の全親水性コロイド量
で除した値(即ち、含水量/全親水性コロイド量)に10
0を乗じたパーセント(%)で示される。
【0058】本発明の感材の乾燥工程において、塗布試
料の含水率が500%を越えている領域の乾燥条件として
は、乾燥による温度上昇によって感光材料の塗布層が融
解しない条件であり、かつ風圧(即ち、乾燥風による圧
力)で塗布層が変形しない条件であれば写真性能に大き
な問題を生じることは非常に少ない。
【0059】従って、生産性の面から、含水率が500%
を超えている領域では塗布層が融解したり、乾燥風によ
って乾燥ムラが生じたりしない範囲でできる限り短時間
が好ましい。
【0060】含水率が1000%以上の領域の好ましい乾燥
条件としては、乾球温度28℃以上40℃以下で湿球温度12
℃以上25℃以下の範囲が好ましく、短時間の乾燥のため
には、乾球温度と湿球温度の差は12℃以上21℃以下が好
ましい。含水率が1000%未満から500%を超える領域に
おいては乾球温度30℃以上42℃以下で湿球温度18℃以上
28℃以下の範囲が好ましく、乾球温度と湿球温度の差は
12℃以上21℃以下が好ましい。更に短時間の乾燥のため
に乾球温度と湿球温度の差は10℃以上20℃以下が好まし
い。
【0061】含水率が500%から50%に減少する領域の
乾燥風の乾球温度は、28℃以上45℃以下、且つ湿球温度
は18℃以上38℃以下が好ましい。
【0062】また、乾燥風の感光材料に対しての熱伝達
係数[Kcal/m2・hr・℃]は乾燥開始から終了までの間30
〜120の範囲が好ましく、50〜90の範囲がより好まし
い。
【0063】通常含水率500%以上の乾燥工程では、乾
燥速度を速くするために乾球温度と湿球温度の差を12℃
以上で乾燥する場合が多いので、乾球温度を28℃以下に
設定すると、乾球温度と湿球温度の差を12℃以上とる場
合、湿球温度が低くなりすぎて所望の乾燥風を作り出す
ことが困難になる。
【0064】含水率が500%を超える乾燥工程でより
も、500%以下の乾燥工程で、乾球および湿球温度が低
温になると乾燥カブリが発生することが判った。また、
含水率500%以下から50%に至る乾燥工程の乾球温度が4
5℃を超える高温でも乾燥によるカブリが非常に発生し
易くなることを発見した。
【0065】更に含水率500%以下から50%に至る乾燥
工程の乾球温度と湿球温度が上記の条件を満たしても、
乾燥時間を短縮のために乾球温度と湿球温度を高くし過
ぎるとカブリが大きくなり、また乾球温度と湿球温度の
差が15℃以下で、かつ本発明の条件内であっても、やは
り乾燥時間を短縮のために乾燥風量を増して急速乾燥す
るとカブリが上昇することから式(I)により求めた値
が10.0を超えるとカブリは発生しなくくなるが、乾燥時
間Tの値が大きく、式(I)の値が10.0を超えた場合は
生産性が非常に落ち、(DB−WB)の値が小さく、1
0.0を超えた場合は湿度が高い乾燥風を強い風圧で供給
することが必要になり、好ましくない。更に2.0未満で
はどうしても乾燥によるカブリ発生を避けられなくなる
ことが判った。
【0066】本発明に係るハロゲン化銀粒子を含有する
写真感光材料の塗布試料の乾燥を短時間かつカブリ発生
を抑制して生産するためには本発明の式(I)に該当す
る乾燥条件を満たす条件で乾燥させることが乾燥時間の
短縮とカブリ発生抑制という2つの面から最も好ましい
範囲であることを発見した。
【0067】含水率50%未満から乾燥終了して集積する
までの条件は乾球温度20℃以上40℃以下で相対湿度35%
以上70%以下の条件であることが好ましい。
【0068】本発明のDBの平均乾球温度及びWBの平
均湿球温度とは以下のようにして求めたものである。
【0069】含水率500%以下50%以上の領域内の乾燥
工程でDBを変化させる場合は、含水率500%から50%
まで乾燥させるまでに要した総時間に対する各DB温度
の占める時間の比率の積の合計から所謂荷重平均値とし
て求める。
【0070】含水率500%以下50%以上の領域内の乾燥
工程の平均DBが本発明の範囲であれば良く、この領域
の一部に本発明以外の条件になっていてもよい。
【0071】含水率500%以下50%以上の領域内の乾燥
工程でWBを変化させる場合は、含水率500%から50%
まで乾燥させるまでに要した総時間に対する各WB温度
の占める時間の比率の積の合計から所謂荷重平均値とし
て求める。
【0072】含水率500%以下50%以上の領域内の乾燥
工程の平均WBが本発明の範囲であれば良く、この領域
の一部に本発明以外の条件になっていてもよい。
【0073】本発明のハロゲン化銀乳剤は、化学増感さ
れることが好ましい。
【0074】本発明に係るハロゲン化銀乳剤の増感法と
してカルコゲン増感及び金増感を併用することが好まし
い。特に金増感と硫黄増感の併用は増感効果が顕著であ
るだけでなく、カブリ抑制効果も得られるので好まし
い。
【0075】硫黄増感には増感剤として例えばチオ硫酸
塩、アリルチオカルバミドチオ尿素、アリルイソチアシ
アネート、シスチン、p-トルエンチオスルホン酸塩、ロ
ーダニンなどが挙げられる。その他米国特許1,574,944
号、同3,656,955号、ドイツ特許1,422,869号、特公昭56
-24937号、特開昭55-45016号などに記載されている硫黄
増感剤も用いることができる。硫黄増感剤の添加量は乳
剤の感度を効果的に増大させるに十分な量でよい。この
量はpH、温度、ハロゲン化銀粒子の大きさなど種々の
条件下で広範囲に変化できるが目安としては、ハロゲン
化銀1モル当たり10-7〜10-1モルが好ましい。
【0076】金増感には、金増感剤として例えば塩化金
酸塩、金チオ尿素錯塩、カリウムクロロオーレート、オ
ーリックトリクロライド、カリウムオーリックチオシア
ネート、カリウムヨードオーレート、テトラシアノオー
リックアミド、アンモニウムオーロチオシアネート、ピ
リジルトリクロロゴールドなどが挙げられる。これら金
増感剤の添加量は種々の条件下で広範囲に変化できるが
目安としては、ハロゲン化銀1モル当たり5×10-7〜5
×10-3モルが好ましく、2×10-6〜4×10-4モルが更に
好ましい。
【0077】本発明においては還元増感及び水素増感法
を用いることができる。還元増感剤としては第一錫塩、
アミン類、ホルムアミンジスルフィン酸、シラン化合
物、ボラン化合物、アスコルビン酸及びその誘導体等を
用いることができる。
【0078】還元増感剤の添加量は、化合物の還元性及
びハロゲン化銀の種類、溶解条件等の乳剤製造条件によ
って異なるが、ハロゲン化銀1モル当り1×10-8〜1×
10-2モルの範囲が適当である。
【0079】本発明に係る乳剤の化学熟成温度は、任意
に決められるが好ましくは20〜90℃の範囲で、好ましく
は30〜80℃で、より好ましくは45〜70℃である。
【0080】本発明においては、本発明に係るハロゲン
化銀乳剤(以後、親粒子乳剤)の化学増感工程の終了前
に、親粒子乳剤よりも溶解度積が小さいハロゲン化銀微
粒子乳剤が添加されることが好ましい。
【0081】親粒子乳剤よりも溶解度積が小さいとは、
溶解度積をKSPで表すと KSP=[Ag+]・[X-] ここで[Ag+]は銀イオン濃度、[X-]はハロゲンイ
オン濃度を表す。従って、親粒子が塩化銀の場合、ハロ
ゲン化銀微粒子は臭化銀、又は沃化銀である。
【0082】勿論、KSPの値が親粒子よりもハロゲン化
銀微粒子のほうが小さくなれば、これらハロゲンイオン
の混晶であっても良い。
【0083】本発明に係るハロゲン化銀微粒子の種類と
しては、AgBr,AgI,AgClBr,AgBr
I,AgClI,AgClBrIがあるが、実質的に感
光性を有しないハロゲン化銀微粒子が好ましい。
【0084】上記したハロゲン化銀微粒子の粒径として
は0.1μm以下が好ましく、0.07μm以下が更に好まし
く、0.05μm以下が特に好ましい。
【0085】ハロゲン化銀微粒子としては、沃化銀微粒
子が好ましく用いられる。
【0086】沃化銀に関しては、一般に立方晶系のγ−
AgIと六方晶系のβ−AgIが知られているが、本発
明に用いた場合の沃化銀微粒子としては、いずれの結晶
構造であってもよく、また、これらの混合物であっても
よい。
【0087】またハロゲン化銀微粒子として臭化銀、塩
化銀又はこれら岩塩構造を主とする固溶体を用いた場
合、例えばAgBr9010のような微粒子を用いた場合に
は、これらの微粒子は、実質的に双晶面を有しない無双
晶のいわゆる正常晶か、又は双晶面を1枚有する一重双
晶であることが好ましい。
【0088】本発明で用いるハロゲン化銀微粒子は単分
散性が良好であることが好ましく、ダブルジェット法に
より、温度、pH、pAgを制御しながら調製することが
好ましい。
【0089】ハロゲン化銀微粒子の添加量としては、親
粒子乳剤の平均粒径をd(μm)としたとき、親粒子乳
剤1モル当たり1/100dモル以下が好ましく、更には
親粒子乳剤1モル当たり1/20000d〜1/300dモルの
範囲が好ましく、最も好ましくは、親粒子乳剤1モル当
たり1/5000d〜1/500dモルである。
【0090】本発明において化学増感(化学熟成)を停
止させるには乳剤の安定性等を考慮すると、化学熟成停
止剤を用いる方法が好ましい。この化学熟成停止剤とし
ては、ハロゲン化物(例えば臭化カリウム、塩化ナトリ
ウム等)、カブリ防止剤または安定剤として知られてい
る有機化合物(例えば4-ヒドロキシ-6-メチル-1,3,3a,7
-テトラザインデン等)が知られている。これらは単独
でもしくは複数の化合物を併用して用いられている。
【0091】ハロゲン化銀微粒子を添加する際の親粒子
乳剤液の温度は、30〜80℃の範囲が好ましく、更には40
〜65℃の範囲が特に好ましい。
【0092】本発明に係る乳剤は、物理熟成または化学
熟成前後の工程において、各種の写真用添加剤を用いる
ことができる。公知の添加剤としては、例えばリサーチ
・ディスクロージャー(RD)No.17643(1978年12月)、
同No.18716(1979年11月)及び同No.308119(1989年12
月)に記載された化合物が挙げられる。これら三つのリ
サーチ・ディスクロージャーに示されている化合物種類
と記載箇所を以下に掲載した。
【0093】 添加剤 RD-17643 RD-18716 RD-308119 頁 分類 頁 分類 頁 分類 化学増感剤 23 III 648 右上 996 III 増感色素 23 IV 648〜649 996〜8 IV 減感色素 23 IV 998 B 染料 25〜26 VIII 649〜650 1003 VIII 現像促進剤 29 XXI 648 右上 カブリ抑制剤・安定剤 24 IV 649 右上 1006〜7 VI
【0094】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
する。
【0095】実施例 (種乳剤の調製)以下の方法により六角平板状種乳剤を
作成した。
【0096】 <溶液A> オセインゼラチン 60.2g 蒸留水 20.0l ポリイソプロピレンオキシ-ポリエチレンオキシ -ジコハク酸エステルナトリウム塩10%エタノール水溶液 5.6ml KBr 26.8g 10%H2SO4 144ml <溶液B> AgNO3 1487.5g 蒸留水で 3500mlとする <溶液C> KBr 1029g KI 29.3g 蒸留水で 3500mlとする <溶液D> 1.75N KBr水溶液 下記銀電位制御量 35℃において特公昭58-58288号、同58-58289号明細書に
記載の混合撹拌機を用いて、溶液Aに溶液B及び溶液C
の各々64.1mlを同時混合法により2分間で添加し核形成
を行った。
【0097】溶液B及び溶液Cの添加を停止した後、60
分間で溶液Aの温度を60℃に上昇させ、再び溶液Bと溶
液Cを同時混合法により、各々68.5ml/minの流量で50分
間添加した。この間の銀電位(飽和銀-塩化銀電極を比
較電極として銀イオン選択電極で測定)を溶液Dを用い
て+6mVになるように制御した。添加終了後3%KOH
にてpHを6に合わせ、直ちに脱塩、水洗を行い種乳剤
EM-0を得た。得られた種乳剤EM-0は、ハロゲン化
銀粒子の全投影面積の90%以上は最大隣接辺比が1.0〜
2.0の六角平板状粒子よりなり、六角平板の厚さ0.07μ
m、平均直径(円直径換算)は0.5μmであることが電子顕
微鏡観察により判明した。
【0098】(本発明の平板状乳剤の調製)以下の4種
類の溶液を用いて1.53モル%のAgIを含有する本発明
に係わる平板状沃臭化銀乳剤EM-1を作成した。
【0099】 <溶液A> オセインゼラチン 29.4g ポリイソプロピレンオキシ-ポリエチレンオキシ -ジコハク酸エステルナトリウム塩10%エタノール水溶液 2.5ml 種乳剤EM-0 0.588モル相当 蒸留水で 1400mlとする <溶液B> AgNO3 1404.2g 蒸留水で 2360mlとする <溶液C> KBr 963g KI 27.4g 蒸留水で 2360mlとする <溶液D> 1.75N KBr水溶液 下記銀電位制御量 60℃において特公昭58-58288号、同58-58289号明細書に
記載の混合撹拌機を用いて、溶液Aに溶液B及び溶液C
の全量を同時混合法により21.26ml/minの流速で111分間
で添加して成長を行った。
【0100】この間の銀電位を溶液Dを用いて+25mVに
なるように制御した。
【0101】ついで過剰な塩類を除去するため、デモー
ルN(花王アトラス社製)水溶液及び硫酸マグネシウム水
溶液を用いて沈澱脱塩を行い、オセインゼラチン92.2g
を含むゼラチン水溶液を加え撹拌再分散してEM-1と
した。
【0102】得られたEM-1を55℃で撹拌保持しなが
ら下記増感色素(A),(B)を銀1モル当りそれぞれ
200mg,14mg添加し、その10分後に化学増感剤として銀
1モル当りチオシアン酸アンモニウム60mg,塩化金酸1.
45mg、およびチオ硫酸ナトリウム、セレン増感剤N,N-ジ
メチルセレノウレアを表1に示す量添加して化学熟成を
行った。その後、4-ヒドロキシ-6-メチル-1,2,3,7-テト
ラザインデン2×10-2モルを加えて安定化し、表1に示
すように乳剤EM-2〜EM-5を得た。
【0103】
【表1】
【0104】増感色素(A) 5,5′-ジクロロ-9-エチル-3,3′-ジ-(3-スルホプロピ
ル)-オキサカルボシアニンナトリウム塩 増感色素(B) 5,5′-ジ-(ブトキシカルボニル)-1,1′-ジ-エチル-3,
3′-ジ-(4-スルホブチル)-ベンゾイミダゾロカルボシア
ニンナトリウム塩 EM-1の粒子約3000個を電子顕微鏡により観察・測定
し形状を分析した結果、平均粒子厚さが0.25μm、平均
粒子直径が1.05μmで分布の広さが18%の六角平板状粒
子であることが判明した。
【0105】それぞれの乳剤には、下記の各種添加剤を
加えた。乳剤に用いた添加剤は次の通りで添加量はハロ
ゲン化銀1モル当たりの量で示す。
【0106】 1-フェニル-5-メルカプトテトラゾール 10mg 1-トリメチロールプロパン 14g t-ブチル−カテコール 68mg ポリビニルピロリドン(分子量10,000) 850mg スチレン-無水マレイン酸共重合体 2.0g ニトロフェニル-トリフェニルホスホニウムクロリド 50mg 1,3-ジヒドロキシベンゼン-4-スルホン酸アンモニウム 1.7g 1,1ジメチロール-1-ブロム-1-ニトロメタン 6.2mg nC4H9OCH2CH(OH)CH2N(CH2COOH)2 700mg
【0107】
【化1】
【0108】また保護層液に用いた添加剤は次のとおり
である。添加量はゼラチン1g当たりの量で示す。
【0109】 平均粒径5μmのポリメチルメタクリレートからなるマット剤 21mg 平均粒径3μmのポリメチルメタクリレートからなるマット剤 28mg グリオキザール 50mg
【0110】
【化2】
【0111】以上の塗布液を、厚さ180μmの下引き処理
済みのブルーに着色したポリエチレンテレフタレートフ
ィルムベース上に、両面に均一に塗布し、表2,3に示
す条件で乾燥して試料を作成した。
【0112】また塗布銀量は、片面当たり2.0g/m2
ゼラチンは片面当たり3.5g/m2になるように全試料に
ついて調整を行った。
【0113】
【表2】
【0114】
【表3】
【0115】感度の評価 得られた試料をX線写真用増感紙KO-250(コニカ〔株〕
製)で挟み、ペネトロメータB型を介してX線照射後、
自動現像機を用い次に示す条件で現像処理を行った。
【0116】次に本発明に用いた現像液及び定着液の組
成を示す。
【0117】 現像液処方 Part-A(10.8l仕上げ用) 水酸化カリウム 340g 亜硫酸カリウム(50%溶液) 2150g ジエチレンテトラアミン5酢酸 32.3g 炭酸水素ナトリウム 108g 5-メチルベンゾトリアゾール 150mg 1-フェニル-5-メルカプトテトラゾール 15mg ハイドロキノン 280g 水を加えて 3600ml に仕上げる Part-B(10.8l仕上げ用) 氷酢酸 158g トリエチレングリコール 144g 1-フェニル-3-ピラゾリドン 19.5g 5-ニトロインダゾール 0.32g n-アセチル-D,L-ペニシラミン 0.11g スターター処方(1.0l仕上げ用) 氷酢酸 138g 臭化カリウム 325g 5-メチルベンゾトリアゾール 1.5g CH3N(C3H6NHCONHC2H4SC2H5)2 20mg 水を加えて 1.0lに仕上げる スターターは現像液1.0l当たり20ml添加した。
【0118】 定着液処方 Part-A(16.4l仕上げ用) チオ硫酸アンモニウム(70wt/vol%) 3460g 亜硫酸ナトリウム 150g 酢酸ナトリウム・3水塩 350g クエン酸ナトリウム 43g グルコン酸 33g ホウ酸 26g 氷酢酸 120g Part-B(16.4l仕上げ用) 硫酸アルミニウム 56g 硫酸(50wt%) 91g 処理工程 工程 処理温度(℃) 処理時間(秒) 補充量 挿入 −− 1.2 現像+渡り 35 14.6 270ml/m2 定着+渡り 33 8.2 430ml/m2 水洗+渡り 18 7.2 7.0l/分 スクイズ 40 5.7 乾燥 50 8.1 合計 −− 45.0 用いた自動現像機の各槽の容量は現像槽が16リットル、
定着槽が10リットル、水洗槽が10リットルであり、クリ
ンカ205(株式会社日板研究所製造、販売、主成分Sio2,
Al2O3,Ag+イオンセラミックスの粒度1.0〜1.5mm、比重
2.5〜2.6)200gを20メッシュのポリエチレン製織布で縫
製製袋した袋に充填し、水洗槽の水洗水供給部付近に浸
漬させた。また、乾燥は赤外線ヒーター(ヒーター温度
220℃)と温風(60℃)を併用した。
【0119】なお赤外線センサーを用いフィルムの挿入
を検出した。四つ切10枚分のフィルム面積を検出し、四
つ切10枚分の補充量(現像液210ml、定着液320ml)を補
充した。
【0120】上記のようにして現像した各試料について
感度を評価した。感度は塗布液No.1の調製直後の感度
を100とした場合の相対感度で示し、カブリ+1.0の濃度
を与えるのに要した曝射エネルギー量の逆数から求めた
ものである。得られた結果を下記の表4に示す。
【0121】
【表4】
【0122】〈セーフライトカブリに対する評価〉未露
光試料を温度25℃,湿度50%RHで2時間調湿してから、
コニカ製オルソ用セーフライトフィルターを介して、20
Wの白色光1mの下で1時間試料を露光してから現像
し、未露光部と露光部の濃度の差を求めてSLΔFogと
し、結果を表4に示した。
【0123】表4の結果から、セレン増感をしていない
乳剤を使用している試料は、乾燥カブリが発生していな
いが、セーフライトカブリが高く、発明に係るセレン増
感を施した乳剤を使用している試料は式(I)のT/
(DB−WB)の値および/又はDB,DWの値が本発
明の範囲外にある乾燥条件,,では乾燥カブリが
高いことがわかる。また、条件は乾燥カブリの発生は
ないが、乾燥時間が長く、生産性に劣り、さらにセーフ
ライトカブリが高いことがわかる。
【0124】従って本発明に係るセレン増感を施した乳
剤を使用したハロゲン化銀写真感光材料は、本発明の乾
燥条件の範囲内でのみ乾燥カブリが発生せず、さらにセ
ーフライトカブリも発生しないことがわかる。
【0125】
【発明の効果】本発明によれば、高感度であり、しかも
乾燥カブリ及びセーフライトカブリが改良されたハロゲ
ン化銀写真感光材料を提供することができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体の両側に少なくとも1層の感光性
    ハロゲン化銀乳剤層と非感光性親水性コロイド層を有す
    るハロゲン化銀写真感光材料において、該乳剤粒子がセ
    レン増感剤で増感され、かつ該乳剤層を有する側の含水
    率(含水量/全親水性コロイド重量)が500%から50%
    になる範囲を下記式(I)に該当する方法で乾燥するこ
    とを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。 式(I) 2.0≦T/(DB−WB)≦10.0 上記式(I)中、T,DB,WBはそれぞれ T : 含水率(含水量/全親水性コロイド重量)が50
    0%から50%に減少するまでの乾燥時間(秒) DB: 含水率(含水量/全親水性コロイド重量)が50
    0%から50%に減少するまでの乾燥風の乾球温度(℃)
    で28℃以上45℃以下 但し、500%から50%に減少するまでの間に乾燥条件を
    連続または、段階的に変化する場合はその間の平均乾球
    温度 WB: 含水率(含水量/全親水性コロイド重量)が50
    0%から50%に減少するまでの乾燥風の湿球温度(℃)
    で18℃以上38℃以下 但し、500%から50%に減少するまでの間に乾燥条件を
    連続または、段階的に変化する場合はその間の平均湿球
    温度
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