JPH1078636A - X線画像形成方法及びハロゲン化銀写真感光材料の処理方法 - Google Patents

X線画像形成方法及びハロゲン化銀写真感光材料の処理方法

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JPH1078636A
JPH1078636A JP23522996A JP23522996A JPH1078636A JP H1078636 A JPH1078636 A JP H1078636A JP 23522996 A JP23522996 A JP 23522996A JP 23522996 A JP23522996 A JP 23522996A JP H1078636 A JPH1078636 A JP H1078636A
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halide photographic
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JP23522996A
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Masaaki Taguchi
雅昭 田口
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハロゲン化銀写真感光材料に、イットリウム
タンタレイト系蛍光体を主成分とする蛍光増感紙を密着
してX線露光して画像形成を行ったとき、高速処理が可
能で高感度、高コントラストかつ粒状性の良好な画像が
得られるX線画像形成方法の提供。 【解決手段】 ハロゲン化銀乳剤層に含まれるハロゲン
化銀粒子の体積平均粒径が0.7μm以下であり、分光
感度のピーク波長が500nm以下であるハロゲン化銀
写真感光材料と、イットリウムタンタレイト系蛍光体を
主成分とする蛍光増感紙とを密着してX線露光すること
を特徴とするX線画像形成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は医療用X線撮影の画
像形成方法及びハロゲン化銀写真感光材料の処理方法に
関し、詳しくはレギュラーハロゲン化銀写真感光材料を
用いて高速処理が可能で、かつ、高コントラストで粒状
性に優れた画像が得られるX線画像形成方法及びX線撮
影後のハロゲン化銀写真感光材料(以下単に感材ともい
う)の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近時、医療用画像診断の処理システムに
おける処理時間の短縮化が進んでいて、45秒処理が普
及しており、さらには30秒処理システムが登場してい
る。
【0003】しかしながら、このような処理システムで
処理できる感材は、オルソ感材、又はレーザーイメージ
ャー感材であり、分光感度のピーク波長が500nm以
下のレギュラー感材では90秒以上の処理時間を要して
いるのが現状である。
【0004】ところで、レギュラー感材は、オルソ感
材、又はレーザーイメージャー感材等に比して比較的に
明るい照明下で作業ができ、作業性に優れている等の利
点を有するため、X線撮影による医療用画像診断に多く
用いられている。
【0005】そこで、レギュラー感材を医療用画像診断
に用いる際の処理時間の短縮化が強く求められ、具体的
にはX線撮影後の現像性、定着性、及び乾燥性等の処理
性能の向上が要請されている。
【0006】そのためには、従来ハロゲン化銀粒子の小
粒径化及び/又は平板状粒子の使用により銀量を減量す
ること、さらにはバインダー量を減量する方法が知られ
ている。
【0007】上記方法では、ハロゲン化銀粒子の小粒径
化及び/又は平板状粒子の使用により現像銀のカバリン
グパワーが大きくなるので、その分、銀量を減量して現
像性、及び定着性を向上させようとするものであり、又
バインダー量を減量することにより現像性、及び定着性
の外に乾燥性を向上させようとするものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記ハ
ロゲン化銀粒子の小粒径化及び/又は平板状粒子の使用
により、感材の感度低下を招き、X線撮影時、より多く
のX線量を必要とし、患者のX線被爆量の増加を招き好
ましくない。
【0009】本発明は前記実情に鑑みて提案されたもの
であり、その目的とするところは、平板状粒子又は小粒
径のハロゲン化銀粒子を用いたレギュラー感材でも処
理、安定性が優れていて、迅速処理が可能であり、患者
に対してX線被爆線量の増加の必要がなく、かつ高コン
トラストで粒状性に優れた画像が得られるX線画像形成
方法及びハロゲン化銀写真感光材料の処理方法を提供す
ることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の前記の目的は以
下の構成により達成される。
【0011】(1)ハロゲン化銀乳剤層に含まれるハロ
ゲン化銀粒子の体積平均粒径が0.7μm以下であり、
分光感度のピーク波長が500nm以下であるハロゲン
化銀写真感光材料と、イットリウムタンタレイト系蛍光
体を主成分とする蛍光増感紙とを密着してX線露光する
ことを特徴とするX線画像形成方法。
【0012】(2)ハロゲン化銀写真感光材料の銀付き
量が4.5g/m2以下であることを特徴とする前記
(1)に記載のX線画像形成方法。
【0013】(3)前記(1)又は(2)に記載のX線
画像形成方法に用いたハロゲン化銀写真感光材料を、下
記式を満足する条件で処理することを特徴とするハロゲ
ン化銀写真感光材料の処理方法。
【0014】 式 L0.75×t=40〜90(0.7≦L≦4.0) 式中Lは自動現像機のフィルム挿入口の最初のローラー
対の接点からフィルム乾燥出口の最終ローラー対の接点
までの搬送経路の長さ(単位はm)を表す。tはLを通
過するのに要する時間(単位は秒)を表す。
【0015】(4)感光性ハロゲン化銀乳剤層に含まれ
るハロゲン化銀粒子が平均アスペクト比2以上の平板状
粒子であり、分光感度のピーク波長が500nm以下で
あるハロゲン化銀写真感光材料と、イットリウムタンタ
レイト系蛍光体を主成分とする蛍光増感紙とを密着して
X線露光することを特徴とするX線画像形成方法。
【0016】(5)ハロゲン化銀写真感光材料の銀付き
量が4.5g/m2以下であることを特徴とする前記
(4)に記載のX線画像形成方法。
【0017】(6)前記(4)又は(5)に記載のX線
画像形成方法に用いたハロゲン化銀写真感光材料を、下
記式を満足する条件で処理することを特徴とするハロゲ
ン化銀写真感光材料の処理方法。
【0018】 式 L0.75×t=40〜90(0.7≦L≦4.0) 式中Lは自動現像機のフィルム挿入口の最初のローラー
対の接点からフィルム乾燥出口の最終ローラー対の接点
までの搬送経路の長さ(単位はm)を表す。tはLを通
過するのに要する時間(単位は秒)を表す。
【0019】以下本発明のX線画像形成方法及び該画像
形成方法に用いられるハロゲン化銀感光材料の構成につ
いて説明する。
【0020】本発明に使用されるイットリウムタンタレ
イト系蛍光体を主成分とする蛍光増感紙は、特開昭55
−28095号、特開平4−300993号等に記載さ
れているイットリウムタンタレイト蛍光体を用いた増感
紙又は蛍光体を支持体に塗設した増感紙が好ましいが、
これらに限定されるものではない。さらに、上記イット
リウムタンタレイト系蛍光体はイットリウムの外にルテ
ニウム、又はガドリニウムを含んでもよい。
【0021】本発明のハロゲン化銀感光材料のハロゲン
化銀粒子は、正常晶粒子、即ち立方体、8面体、14面
体のような全て等方的に成長したもの、或は球形のよう
な多面的な結晶型のもの、又は双晶面のような面欠陥を
有した双晶からなるもの、或はそれらの混合型または複
合型であってもよく、又平板状ハロゲン化銀粒子であっ
てもよい。
【0022】上記ハロゲン化銀粒子の体積平均粒径(以
下単に平均粒径、又は平均直径ともいう)は0.7μm
以下であり、該ハロゲン化銀粒子の平均粒径が0.7μ
mより大きいとX線撮影後の処理に際して、現像銀のカ
バリングパワーが小さく、画像濃度が低下するため、高
速処理ができないといった問題がある。
【0023】以上のことから、ハロゲン化銀粒子の平均
粒径は0.7μm以下、好ましくは0.2μm以上であ
り、ハロゲン化銀粒子の電子顕微鏡写真の観察から、該
粒子の立方体に換算したときの一辺の長さとして定義さ
れる。
【0024】本発明に用いられる感光材料に用いる乳剤
は、公知の方法で製造できる。例えばリサーチ・ディス
クロージャー(RD)No.17643(1978年1
2月),22〜23頁の“Emulsion Prep
aration and Types”に記載の方法、
或は同(RD)No.18716(1979年11
月),648頁に記載の方法で調製することができる。
【0025】更に本発明に用いられる感光材料に用いる
乳剤は、例えばT.H.James著“The The
ory of the Photographic p
rocess”第4版、Macmillan社刊(19
77年)38〜104頁に記載の方法、G.F.Duf
fin著“Photographic Emulsio
n Chemistry”、Focal Press社
刊(1966年)、P.Glafkides著“Chi
mie et Physique Photograp
hique”Paul Montel社刊(1967
年)或はV.L.Zelikman他著“Making
And Coating Photographic
Emulsion”Focal Press社刊(1
964年)などに記載の方法により調製することができ
る。
【0026】即ち、酸性法、アンモニア法、中性法など
の溶液条件にて順混合法、逆混合法、ダブルジェット
法、コントロール・ダブルジェット法などの混合条件、
コンバージョン法、コア/シェル法などの粒子調製条件
及びこれらの組合わせ法を用いて製造することができ
る。
【0027】本発明に用いられるハロゲン化銀粒子の粒
径分布は、狭い分布を有した単分散乳剤或は広い分布を
有した多分散乳剤のいずれであってもよく、これらを併
用してもよい。ハロゲン化銀の結晶構造は内部と外部が
異なったハロゲン化銀組成からなっていてもよく、例え
ば高沃化銀のコア部分に低沃化銀のシェル層を被覆して
明確な2層構造を有したもの、或はさらに沃化銀含量が
異なる殻層を設ける3層以上の構造を有したコア/シェ
ル型単分散乳剤であってもよい。
【0028】高沃度部の沃化銀含量は好ましくは5〜4
0モル%で、特に好ましくは10〜30モル%である。
本発明で単分散であるとは粒径のバラツキ(標準偏差)
を平均粒径で割った値(変動係数)が好ましくは30%
以内、より好ましくは20%以内であることを言う。
【0029】かかる単分散乳剤の製法は公知で、例えば
J.Phot.Sci,12.242〜251,(19
63年)、特開昭48−36890号、同52−163
64号、同55−142329号、同58−49938
号、英国特許1,413,748号、米国特許3,57
4,628号、同3,655,394号などに詳しく記
載されている。上記の単分散乳剤を得るための方法とし
て例えば種晶を用い、この種晶を成長核として銀イオン
及びハライドイオンを供給し成長させた乳剤を用いても
よい。上記のコア/シェル型乳剤の製法は公知で、例え
ばJ.Phot.Sci,24.198.(197
6)、英国特許1,027,146号、米国特許3,5
05,068号、同4,444,877号或は特開昭6
0−143331号などに記載の方法を参考にすること
ができる。
【0030】本発明のX線用ハロゲン化銀写真感光材料
には平板状のハロゲン化銀粒子を用いる。平板状ハロゲ
ン化銀粒子は、粒子径/厚さ(アスペクト比と呼ぶ)の
平均値(平均アスペクト比と呼ぶ)が2.0以上であ
り、好ましくは2.0〜20.0、より好ましくは2.
0〜15.0、特に好ましくは3.0〜10.0であ
る。
【0031】本発明のX線用ハロゲン化銀写真感光材料
が平板状のハロゲン化銀粒子からなる場合、平均アスペ
クト比が2.0より小さいとX線撮影後の処理に際し
て、現像銀のカバリングパワーが小さく、画像濃度が低
下するため、高速処理ができないという問題を生ずる。
【0032】又、前記ハロゲン化銀粒子の平均アスペク
ト比を求めるための粒子厚は平板状ハロゲン化銀粒子を
構成する二つの平行な面の距離のうち最小のもの即ち、
主平面間の距離と定義され、カーボンレプリカ法による
ハロゲン化銀粒子の影の付いた電子顕微鏡写真又はハロ
ゲン化銀乳剤を支持体に塗布し乾燥したサンプル断層の
電子顕微鏡写真から求めることができる。
【0033】ここで、本発明に用いられる平板状ハロゲ
ン化銀粒子の平均厚さは、最低100のサンプルの平均
値として求められ、0.5μm以下が好ましく、特に好
ましくは0.3μm以下である。
【0034】次に、本発明のハロゲン化銀写真感光材料
はレギュラータイプであり、用いられるハロゲン化銀粒
子の分光感度のピーク波長は500nm以下、好ましく
は300nm〜450nmであり、ハロゲン化銀粒子の
分光感度のピーク波長が蛍光増感紙の発光波長のピーク
と一致することが最も好ましい。
【0035】本発明のイットリウムタンタレイト系蛍光
体を主成分とする蛍光増感紙は前記ハロゲン化銀粒子の
分光感度と一致すると共に、特に増感効果が大であるた
め、X線撮影後の高速処理を実現することができる。
【0036】次に本発明において、ハロゲン化銀写真感
光材料の銀付き量は4.5g/m2以下が好ましい。こ
こで言う銀付き量は両面の合計の銀付き量であり、いい
換えれば片面当たりの銀付き量が2.25g/m2以下
が好ましい。片面当たり2.0g/m2以下がより好ま
しく、1.8g/m2以下が更に好ましい。
【0037】ハロゲン化銀写真感光材料の銀付き量が
4.5g/m2より多いと、X線撮影後の処理に時間が
掛り過ぎ、かつ処理液の消費量が多くなり過ぎる。
【0038】本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤にお
いて、平板状ハロゲン化銀粒子が全ハロゲン化銀粒子に
占める割合は40重量%以上が好ましく、60重量%以
上がより好ましい。又平板状ハロゲン化銀乳剤は単分散
性であるものが好ましく用いられ、粒径の変動係数が2
0%以内の範囲に含まれるものが特に好ましく用いられ
る。
【0039】本発明に用いられる平板状ハロゲン化銀乳
剤は、塩化銀、臭化銀、沃化銀、塩臭化銀、沃臭化銀等
ハロゲン組成は任意であるが、高感度という点から沃臭
化銀が好ましく、平均沃化銀含有率は、0.1〜5.0
モル%であって特に好ましくは0.5〜3.0モル%で
ある。
【0040】又、本発明に用いられる平板状ハロゲン化
銀乳剤は、ハロゲン組成が粒子内で均一であってもよ
く、沃化銀が局在したものであってもよいが、粒子の最
表面に局在したものが好ましく用いられる。
【0041】平板状ハロゲン化銀乳剤の製造方法は、特
開昭58−113926号、同58−113927号、
同58−113934号、同62−1855号、ヨーロ
ッパ特許219,849号、同219,850号等を参
考にすることもできる。
【0042】又、単分散性の平板状ハロゲン化銀乳剤の
製造方法として、特開昭61−6643号を参考にする
ことができる。
【0043】高アスペクト比を持つ単分散性の平板状沃
臭化銀乳剤の製造方法としては、核形成工程において、
pBrが3以下に保たれたゼラチン水溶液に硝酸銀水溶
液を添加するシングルジェット法又は硝酸銀水溶液とハ
ロゲン化物水溶液をダブルジェット法により添加して種
晶を発生させ、次に熟成工程及びさらにダブルジェット
法により成長工程を経ることによって得ることができ
る。
【0044】平板状ハロゲン化銀粒子の大きさ及び形成
は、粒子形成時の温度、銀電位、pH、銀塩水溶液及び
ハロゲン化物水溶液の添加速度などによってコントロー
ルできる。
【0045】平板状ハロゲン化銀乳剤のハロゲン化銀組
成比は、添加するハロゲン化物水溶液の組成すなわち塩
化物臭化物及び沃化物の比を変えることによりコントロ
ールすることができる。
【0046】又、平板状ハロゲン化銀乳剤の製造時に、
必要に応じてアンモニア、チオエーテル、チオ尿素等の
ハロゲン化銀溶剤を用いることができる。
【0047】上述した乳剤は、粒子表面に潜像を形成す
る表面潜像型あるいは粒子内部に潜像を形成する内部潜
像型、表面と内部に潜像を形成する型のいずれの乳剤で
有ってもよい。これらの乳剤は、物理熟成あるいは粒子
調製の段階で鉄塩、カドミウム塩、鉛塩、亜鉛塩、タリ
ウム塩、ルテニウム塩、オスミウム塩、イリジウム塩又
はその錯塩、ロジウム塩またはその錯塩などを添加し、
ハロゲン化銀乳剤粒子中に混入させてもよい。
【0048】本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤は過
剰な可溶性塩類を除去するためにヌーデル水洗法、フロ
キュレーション沈降法などの水洗方法がなされてよい。
好ましい水洗法としては、例えば特公昭35−1608
6号記載のスルホ基を含む芳香族炭化水素系アルデヒド
樹脂を用いる方法、又は特開昭63−158644号記
載の凝集高分子剤例示G3、G8などを用いる方法が特
に好ましい脱塩法として挙げられる。
【0049】本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤は化
学増感することが好ましい。本発明に係るハロゲン化銀
乳剤の高感度化のための増感法としてはカルコゲン増感
及び金増感を併用することが好ましい。特に金増感と硫
黄増感及びセレン増感の併用は増感効果が顕著であるだ
けでなく、カブリ抑制効果も得られるので好ましい。
【0050】金増感には、金増感剤として例えば塩化金
酸塩、金チオ尿素錯塩、カリウムクロロオーレート、オ
ーリックトリクロライド、カリウムオーリックチオシア
ネート、カリウムヨードオーレート、テトラシアノオー
リックアミド、アンモニウムオーロチオシアネート、ピ
リジルトリクロロゴールドなどが挙げられる。これら金
増感剤の添加量は種々の条件下で広範囲に変化できるが
目安としては、ハロゲン化銀1モル当たり5×10-7
5×10-3モルが好ましく、2×10-6〜4×10-4
ルが更に好ましい。
【0051】硫黄増感には増感剤として例えばチオ硫酸
塩、アリルチオカルバミドチオ尿素、アリルイソチアシ
アネート、シスチン、p−トルエンチオスルホン酸塩、
ローダニンなどが挙げられる。その他米国特許1,57
4,944号、同3,656,955号、ドイツ特許
1,422,869号、特公昭56−24937号、特
開昭55−45016号などに記載されている硫黄増感
剤も用いることができる。硫黄増感剤の添加量は乳剤の
感度を効果的に増大させるに十分な量でよい。この量は
pH、温度、ハロゲン化銀粒子の大きさなど種々の条件
下で広範囲に変化できるが目安としては、ハロゲン化銀
1モル当たり10-7〜10-1モルが好ましい。更にセレ
ン増感を併用することが好ましい。セレン増感剤として
は、従来公知の化合物を用いることができる。即ち、通
常不安定型セレン化合物及び/又は非不安定型セレン化
合物を添加して高温、好ましくは40℃以上で乳剤を一
定時間攪拌することにより用いられる。
【0052】具体的な不安定型セレン増感剤としては、
イソセレノシアネート類(例えばアリルイソセレノシア
ネートのごとき脂肪族イソセレノシアネート類)、セレ
ノ尿素類、セレノケトン類、セレノアミド類、セレノカ
ルボン酸類(例えば2−セレノプロピオン酸、2−セレ
ノ酪酸)、セレノエステル類、ジアシルセレニド類(例
えばビス−3−クロロ−2,6−ジメトキシベンゾイル
セレニド)、セレノフォスフェート類、ホスフィンセレ
ニド類、コロイド状金属セレンなどが挙げられる。
【0053】不安定型セレン化合物の好ましい類型を上
に述べたが、これらは限定的なものではない。当業技術
者には、写真用乳剤の増感剤として不安定型セレン化合
物といえば、セレンが不安定で有る限りにおいて該化合
物の構造はさして重要なものではなく、セレン増感剤分
子の有機部分はセレンを担持し、それを不安定な形で乳
剤中に存在せしめる以外何らの役割を持たないことが一
般に理解されている。
【0054】本発明においては、かかる広範な概念の不
安定セレン化合物が有利に用いられる。本発明で用いら
れる非不安定型セレン化合物としては例えば亜セレン
酸、セレンシアン化カリウム、セレナゾール類、セレナ
ゾール類の四級塩、ジアリールセレニド、ジアリールジ
セレニド、ジアルキルセレニド、ジアルキルジセレニ
ド、2−セレナゾリジンジオン、2−セレノオキサゾリ
ジンチオンおよびこれらの誘導体が挙げられる。
【0055】セレン増感剤の使用量は、使用するセレン
化合物、ハロゲン化銀粒子、化学熟成条件等により変わ
るが、一般に好ましくはハロゲン化銀1モル当たり1×
10-8以上である。より好ましくは1×10-8モル以
上、1×10-3モル以下を、化学増感時に添加する。添
加方法は、使用するセレン化合物の性質に応じて、水ま
たは、メタノール、エタノールなどの有機溶媒の単独ま
たは混合溶媒に溶解して添加する方法、或いは、ゼラチ
ン溶液と予め混合して添加する方法でもよく、特開平4
−140739号に開示されている方法である有機溶媒
可溶性の重合体との混合溶液の乳化分散物の形態で添加
する方法でもよい。
【0056】また、テルル増感を併用することもでき
る。具体的なテルル増感剤としては、コロイド状テル
ル、テルロ尿素類(例えばアリルテルロ尿素、N,N−
ジメチルテルロ尿素、テトラメチルテルロ尿素、N−カ
ルボキシエチル−N′,N′−ジメチルテルロ尿素、
N,N′−ジメチルエチレンテルロ尿素、N,N′−ジ
フェニルエチレンテルロ尿素)、イソテルロシアナート
類(例えばアリルイソテルロシアナート)、テルロケト
ン類(例えばテルロアセトン、テルロアセトフェノ
ン)、テルロアミド類(例えばテルロアセトアミド、
N,N−ジメチルテルロベンズアミド)、テルロヒドラ
ジド(例えばN,N′,N′−トリメチルテルロベンズ
ヒドラジド)、テルロエステル(例えばt−ブチル−t
−ヘキシルテルロエステル)、ホスフィンテルリド類
(例えばトリブチルホスフィンテルリド、トリシクロヘ
キシルホスフィンテルリド、トリイソプロピルホスフィ
ンテルリド、ブチル−ジイソプロピルホスフィンテルリ
ド、ジブチルフェニルホスフィンテルリド)、他のテル
ル化合物(例えば英国特許1,295,462号記載の
負電荷のテルライドイオン含有ゼラチン、ポタシウムテ
ルリド、ポタシウムテルロシアナート、テルロペンタチ
オネートナトリウム塩、アリルテルロシアネート)等が
挙げられる。
【0057】これらの本発明で用いることができるテル
ル増感剤の使用量は、使用するハロゲン化銀粒子、化学
熟成条件等により変わるが、一般にハロゲン化銀1モル
当たり10-8〜10-2モルが好ましく、より好ましくは
5×10-7〜5×10-3モル程度を用いる。化学増感の
条件としては、特に制限はないが、pAgとしては好ま
しくは6〜11、より好ましくは7〜10であり、温度
としては好ましくは40〜95℃、より好ましくは45
〜85℃である。
【0058】さらに還元増感を併用することもできる。
還元増感とはハロゲン化銀乳剤に還元増感剤を添加する
方法、銀熟成と呼ばれるpAg1〜7の低pAgの雰囲
気で成長させるあるいは熟成させる方法、高pH熟成と
呼ばれるpH8〜11の高pHの雰囲気で成長させるあ
るいは熟成させる方法のいずれを選ぶことができるが、
還元増感剤を添加する方法が還元増感のレベルを微妙に
調節できる点で好ましい方法である。
【0059】還元増感剤として第一錫塩、アミンおよび
ポリアミン類、ヒドラジン誘導体、ホルムアミジンスル
フィン酸、シラン化合物、ボラン化合物などが公知であ
る。
【0060】本発明の還元増感にはこれら公知の還元増
感剤を選んで用いることができ、また2種以上の化合物
を併用することもできる。還元増感剤として塩化第一
錫、二酸化チオ尿素、ジメチルアミンボランが好ましい
化合物である。これらの還元増感剤の添加量は乳剤製造
条件に依存するので添加量を選ぶ必要があるが、ハロゲ
ン化銀1モル当り10-7〜10-3モルの範囲が適当であ
る。これらの還元増感剤は水あるいはアルコール類、グ
リコール類、ケトン類、エステル類、アミド類などの溶
媒に溶かし添加される。
【0061】還元増感は、アスコルビン酸又はその誘導
体の一種によって施されることが特に好ましい。アスコ
ルビン酸およびその誘導体(以下、「アスコルビン酸化
合物」という。)の具体例としては以下のものが挙げら
れる。
【0062】 (A−1) L−アスコルビン酸 (A−2) L−アスコルビン酸ナトリウム (A−3) L−アスコルビン酸カリウム (A−4) DL−アスコルビン酸 (A−5) D−アスコルビン酸ナトリウム (A−6) L−アスコルビン酸−6−アセテート (A−7) L−アスコルビン酸−6−パルミテート (A−8) L−アスコルビン酸−6−ベンゾエート (A−9) L−アスコルビン酸−6−ジアセテート (A−10) L−アスコルビン酸−5,6−O−イソ
プロビリデン 前記のアスコルビン酸化合物を本発明のハロゲン化銀乳
剤に添加するには、それらを直接乳剤中に分散してもよ
いしあるいは水、メタノール、エタノール等の溶媒の単
独もしくは混合容媒に溶解して添加してもよい。
【0063】アスコルビン酸化合物は、従来還元増感剤
の好ましい添加量に比較して多量用いることが望まし
い。例えば特公昭57−33572号には「還元剤の量
は通常銀イオン1gにつき0.75×10-2ミリ当量
(8×10-4モル/AgXモル)を超えない。硝酸銀1
kgにつき0.1〜10mgの量(アスコルビン酸とし
て、10-7〜10-5モル/AgXモル)が多くの場合効
果的である。」(換算値は発明者による)と記述されて
いる。米国特許2,487,850には「還元増感剤と
して錫化合物の用いることのできる添加量として1×1
-7〜44×10-6モル」と記載している。また特開昭
57−179835号には2酸化チオ尿素の添加量とし
てハロゲン化銀1モル当り約0.01mg〜約2mg、
塩化第一錫として約0.01mg〜約3mgを用いるの
が適当であると記載している。アスコルビン酸化合物は
乳剤の粒子サイズ、ハロゲン組成、乳化調製の温度、p
H,pAgなどの要因によって好ましい添加量が依存す
るが、ハロゲン化銀1モル当り5×10-5モル〜1×1
-1モルの範囲から選ぶことが望ましい。さらに好まし
くは5×10-4モル〜1×10-2モルの範囲から選ぶこ
とが好ましい。特に好ましいのは1×10-3モル〜1×
10-2モルの範囲から選ぶことである。
【0064】本発明の実施に際して化学増感(化学熟
成)を停止させるには、乳剤の安定性などを考慮する
と、化学熟成停止剤を用いる方法が好ましい。この化学
熟成停止剤としては、ハロゲン化物(例えば臭化カリウ
ム、塩化ナトリウム等)カブリ防止剤または安定剤とし
て知られている有機化合物(例えば4−ヒドロキシ−6
−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデンなど)
が挙げられる。これらは単独でもしくは複数の化合物を
併用して用いるもよい。
【0065】本発明において、ハロゲン化銀乳剤は、物
理熟成または化学熟成前後の工程において、各種の写真
用添加剤を用いることができる。公知の添加剤として
は、例えばリサーチ・ディスクロージャー(RD)N
o.17643(1978年12月)23〜29頁、同
No.18716(1979年11月)648〜651
頁および同No.308119(1989年12月)9
96〜1009頁に記載された化合物が挙げられる。
【0066】本発明のハロゲン化銀写真感光材料におい
て、ハロゲン化銀乳剤層を支持する支持体としては、セ
ルロースアセテートフィルム、ポリカーボネートフィル
ム、ポリエチレンテレフタレートフィルム等が有り、そ
れら支持体の表面は塗布層の接着を良くするために、下
塗層を設けたり、コロナ放電、紫外線照射などを施して
も良い。
【0067】本発明において、ハロゲン化銀写真感光材
料を処理する際の搬送経路の長さLは0.7以上、4.
0以下(単位:m)が好ましい。Lが0.7未満の場合
は各処理工程が小さくなり感度及び/又はコントラスト
が低下する。さらに搬送ローラーの本数も少なくなるた
め搬送性が劣化する。またLが4.0を越える場合は、
搬送スピードが速くなりすぎて感光材料にスリキズを招
くことになり好ましくない。
【0068】ここで、Lはハロゲン化銀写真感光材料を
処理する装置(自動現像機)のフィルム挿入口の最初の
ローラー対の接点からフィルム乾燥出口の最終ローラー
対の接点までの搬送経路の長さ(単位はm)を表す。
【0069】又、Lを通過するのに要する時間をt(単
位は秒)としたとき、L0.75とtの積は40以上、90
以下であることが好ましい。
【0070】なお、この値が40未満では感度及びコン
トラストの低下、乾燥不良などの問題を生じ好ましくな
い。また、この値が90を越えると迅速処理が望まれる
昨今の情勢に逆行することになり好ましくない。
【0071】図1は上記ハロゲン化銀写真感光材料を処
理する装置の一例を示す図であり、図中1はハロゲン化
銀写真感光材料の装置への挿入の有無を検知するフィル
ム検知部であり、2はスクイズ部、3は乾燥部、4は乾
燥ファン、5は現像部、6は定着部、7は水洗部、8は
廃液コック、9は現像液及び定着液の補充ポンプ、10
は処理剤ボトル収納部、11はケミカルミキサーであ
る。
【0072】なお、前記乾燥部3では乾燥用ファン、ヒ
ートローラー又は赤外ヒーター等の乾燥手段が用いられ
るが、それらの手段の単独でも、組み合わせであっても
良い。又、前記搬送経路Lは、図1の最初のローラー対
A1とA2の接点aから最終ローラー対B1とB2の接
点bまでの経路を表す。
【0073】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。当
然のことながら、本発明は以下に述べる実施例により限
定されるものではない。
【0074】実施例1 (沃化銀微粒子の調製) <溶液A> オセインゼラチン 100g KI 8.5g 蒸留水で2000mlにする <溶液B> AgNO3 360g 蒸留水で605mlにする <溶液C> KI 352g 蒸留水で605mlにする 反応容器に溶液Aを加え、40℃に保ち撹拌しながら溶
液B及び溶液Cを同時混合法により30分を要して定速
で添加した。添加中のpAgは常法のpAg制御手段で
13.5に保った。生成した沃化銀は平均粒径0.06
μmのβ−AgIとγ−AgIの混合物であった。この
乳剤を沃化銀微粒子乳剤と呼ぶ。
【0075】(分光増感色素の固体微粒子分散物の調
製)下記、分光増感色素(A)及び(B)を40:60
の比率で予め27℃に調温した水に加え、高速撹拌機
(ディゾルバー)で3500rpmにて30〜120分
間撹拌することによって分光増感色素の固体微粒子状の
分散物を得た。このとき増感色素(A)の濃度が2%に
なるように調製した。
【0076】
【化1】
【0077】(六角平板状種乳剤の調製)以下の方法に
より沃化銀含量2.0モル%の六角平板状種乳剤Em−
Aを作成した。
【0078】 <溶液A> オセインゼラチン 60.2g 蒸留水 20.0ml HO−(CH2CH2)n−[CH(CH3)CH2O]17 −(CH2CH2O)mH (n+m=5〜7)10%メタノール溶液 5.6ml KBr 26.8g 10%H2SO4 144ml <溶液B> AgNO3 1487.5g 蒸留水で3500mlにする <溶液C> KBr 1029g KI 29.3g 蒸留水で3500mlにする <溶液D> 1.75N KBr水溶液 下記電位制御量 35℃において、特公昭58−58288号、同58−
58289号に示された混合撹拌機を用いて、溶液Aに
溶液B及び溶液Cの各々64.1mlを同時混合法に2
分の時間を要して添加し、核形成を行った。溶液B及び
溶液Cの添加を停止した後、60分の時間を要して溶液
Aの温度を60℃に上昇させ、再び溶液Bと溶液Cを同
時混合法により各々68.5ml/minの流量で50
分間添加した。この間の銀電位(飽和銀−塩化銀電極を
比較電極として銀イオン選択電極で測定)を溶液Dを用
いて+6mVになるように制御した。添加終了後、3%
KOHによってpHを6に合わせ、直ちに脱塩、水洗を
行い種乳剤Em−Aとした。このように作成した種乳剤
Em−Aはハロゲン化銀粒子の全投影面積の90%以上
が最大隣接辺比が1.0〜2.0の六角平板粒子よりな
り、六角平板の平均厚さ0.07μm、平均直径(円直
径換算)0.5μm、変動係数は25%であることが電
子顕微鏡観察により判明した。
【0079】(平板状乳剤Em−0及び1の調製)以下
の5種類の溶液を用いて1.3モル%の沃化銀を含有す
る平板状沃臭化銀乳剤Em−0を調製した。
【0080】 <溶液A> オセインゼラチン 29.4g HO−(CH2CH2O)n−[CH(CH3)CH2O]17 -(CH2CH2O)mH (n+m=5〜7)10%メタノール溶液 1.25ml 種乳剤Em−A 1.30モル相当 蒸留水で3000mlとする <溶液B> 3.50N AgNO3水溶液 2150ml <溶液C> KBr 896g 蒸留水で1976mlとする <溶液D> 沃化銀微粒子乳剤 0.077モル相当 <溶液E> 1.75N KBr水溶液 下記電位制御量 60℃において、特公昭58−58288号、同58−
58289号に示された混合撹拌機を用いて、溶液A、
溶液B及び溶液Cの各々110mlと溶液Dの全量を同
時混合法(トリプルジェット法)により添加終了時の流
速が添加開始時の流速の2倍になるように40分の時間
を要して第1被覆層の添加成長を行った。その後、引き
続き溶液B、及び溶液Cの残り全量をダブルジェット法
により添加終了時の流速が添加開始時の流速の1.5倍
になるように105分の時間を要して第2被覆層の添加
成長を行った。
【0081】この間の銀電位は溶液Dを用いて+20m
Vになるように制御した。添加終了後、過剰な塩類を除
去するため、以下に示す方法で沈澱脱塩を行った。
【0082】1.混合終了した反応液を40℃にして、
凝集ゼラチン剤を20g/AgX1モル加え、56wt
%酢酸を加えてpHをおとし、静置し、デカンテーショ
ンを行う。
【0083】2.40℃の純水1.8l/AgX1モル
を加え、10分間撹拌させた後、静置、デカンテーショ
ンを行う。
【0084】3.上記2の工程をもう1回繰り返す。
【0085】4.後ゼラチン15g/AgX1モルと炭
酸ナトリウム、水を加え、pH6.0にして分散させ、
450cc/AgX1モルに仕上げる。
【0086】Em−0の粒子約1000個を電子顕微鏡
により観察、測定し形状を分析したところ、平均円相当
直径1.72μm、粒子厚さ0.24μmの平板状粒子
であり変動係数は24%、平均アスペクト比は7.17
であった。
【0087】又、成長時の銀電位を変更した以外はEm
−0と同様にして、平均円相当直径1.32μm,粒子
厚0.40μm,変動係数24%、平均アスペクト比
3.3の平板状粒子Em−1を調整した。
【0088】 (単分散立方晶種乳剤Em−Bの調製) <溶液A> オセインゼラチン 30g KBr 1.25g 硝酸(0.1N) 150ml 蒸留水で7700mlとする <溶液B> KBr 6g KI 0.16g 蒸留水で740mlとする <溶液C> KBr 680g KI 20g 蒸留水で2480mlとする <溶液D> 硝酸銀 8.4g 硝酸(0.1N) 32ml 蒸留水で740mlとする <溶液E> 硝酸銀 991.6g 硝酸(0.1N) 80ml 蒸留水で2480mlとする 60℃で激しく撹拌した溶液Aに、溶液Bと溶液Dをダ
ブルジェット法により10分間かけて添加した。そし
て、溶液Cと溶液Eをダブルジェット法により140分
間かけて添加した。このとき初期添加流量は最終添加流
量の1/8で、時間とともに直線的に増感せしめた。こ
れら液を添加せしめている間は、pH=2、pAg=8
に一定に調製した。添加終了後に炭酸ナトリウムでpH
を6まで上げ、KBr150gを加えた後に、直ちに脱
塩、水洗を行って、平均粒径0.3μmの沃化銀2モル
%を含む沃臭化銀の単分散立方晶種乳剤Em−Bを得
た。電子顕微鏡観察によれば、双晶の発生率は個数で1
%以下であった。
【0089】(正常晶コア/シェル乳剤Em−2の調
製)以下の5種類の溶液を用いて2.0モル%AgIを
含有する正常晶乳剤EM−2を作成した。
【0090】 <溶液A> オセインゼラチン 75.5g HO−(CH2CH2O)n−[CH(CH3)CHO]17 −(CHCHO)mH (n+m=5.7)10%メタノール水溶液 15ml 種乳剤Em−B 0.40モル相当 蒸留水で4000mlとする <溶液B> AgNO3 46.2g AgNO3と等モル量のアンモニア溶液と蒸留水を加えて259mlとする <溶液C> AgNO3 647.6g AgNO3と等モル量のアンモニア溶液と蒸留水を加えて1088mlとする <溶液D> KBr 22.6g KI 13.5g 蒸留水で259mlにする <溶液E> KBr 453.3g 蒸留水で1088mlにする 反応釜内に溶液Aを40℃に保ち、さらにアンモニア水
と酢酸を加えpHを9.5に調整した。アンモニア性銀
イオン液にてpAgを7.3に調製後、pHとpAgを
一定に保ちつつ溶液Bと溶液Dをダブルジェット法で添
加し、沃化銀30モル%を含む沃臭化銀層を形成せしめ
た。酢酸とKBrを用いてpHを9.0、pAgを9.
0に調製した後に溶液Cと溶液Eを同時に添加し、成長
後の粒径の90%にあたるまで成長させた。このときの
pHは、9.0から8.20まで徐々に下げた。KBr
液を加え、pAgを11にした後にさらに溶液Cと溶液
Eを加えてpHを徐々に8まで下げながら成長せしめ、
沃化銀2モル%の沃臭化銀乳剤を得た。
【0091】添加終了後、過剰な塩類を除去するため、
Em−0と同様の方法で沈澱脱塩を行い、オセインゼラ
チン92.2gを含むゼラチン水溶液を加え2500m
lとして、撹拌再分散し、Em−2とした。
【0092】Em−2の粒子約1000個を電子顕微鏡
により観察、測定し形状を分析したところ、平均粒子直
径0.51μm、分布の広さが12%の単分散球状粒子
であった。
【0093】Em−2と同様にして、平均粒子直径の異
なる乳剤Em−3、Em−4、Em−5を調整した。
尚、沃化銀含有率はEm−2と同じ2mol%になるよ
うにし、乳剤Em−3、Em−4、Em−5の平均粒子
直径は各々0.42μ、0.72μ、1.0μ、であっ
た。
【0094】次に、得られた乳剤を以下の方法で分光増
感及び化学増感を施した。
【0095】乳剤を50℃にした後、増感色素(A)が
銀1モル当たり40mgになるように、上記固体微粒子
分散物を加えた後に、チオシアン酸アンモニウム塩を銀
1モル当たり4.0×10-4モル、及び適当量の塩化金
酸とチオ硫酸ナトリウムと下記セレン増感剤を7.0×
10-6モル添加し、その40分後に、上記沃化銀微粒子
乳剤を1.7×10-3モル/Ag1モル添加後、4−ヒ
ドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザイ
ンデン(TAI)1.2×10-2モルで安定化した。
【0096】
【化2】
【0097】(試料の作成)得られたそれぞれの乳剤
に、下記の各種添加剤を加えて乳剤液(感光性ハロゲン
化銀塗布液)とした。添加量はハロゲン化銀1モル当た
りの量で示す。
【0098】 t−ブチル−カテコール 400mg ポリビニルピロリドン(分子量10.000) 1.0g スチレン無水マレイン酸共重合体 2.5g トリメチロールプロパン 10g ジエチレングリコール 5g ニトロフェニル−トリフェニルホスホニウムクロリド 50mg 1,3−ジヒドロキシベンゼン−4−スルホン酸アンモニウム 4g 2−メルカプトベンズインダゾール−5−スルホン酸ナトリウム 1.5mg n−C49OCH2CH(OH)CH2N(CH2COOH)2 1g
【0099】
【化3】
【0100】また保護層に用いた添加剤は次の通りであ
る。添加量はゼラチン1g当たりの量で示す。
【0101】保護層用塗布液 面積平均粒径7μmのポリメチルメタクリレートからなるマット剤 7mg コロイドシリカ(平均粒径0.013μm) 70mg 2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−1,3,5−トリアジンナトリウム塩 30mg
【0102】
【化4】
【0103】 (CH2=CHSO2CH22O(硬膜剤) 36mg 以上の塗布液を、厚さ175μmの下引き処理済のブル
ーに着色したポリエチレンテレフタレートフィルムベー
ス上に乳剤層と保護層を両面に均一に塗布、乾燥して試
料を作成した。尚、ハロゲン化銀乳剤層の銀付量及びハ
ロゲン化銀乳剤の混合比率は表1に示した通りになるよ
う作成した。
【0104】またゼラチン付量は片面当たり、乳剤層
2.3g/m2、保護層1.0g/m2となるように調整
した。
【0105】<センシトメトリー(写真性能)の評価>
得られた試料をそれぞれ2枚の蛍光増感紙、即ち比較用
増感紙NR−160(コニカ(株)製、蛍光体:タング
ステン酸カルシウム)及び本発明に係る蛍光増感紙ウル
トラビジョンラピッドUV−R(Du Pont社製、
蛍光体:イットリウムタンタルオキサイド)を挟み、ア
ルミウェッジを介して管電圧80Kvp、管電流100
mA、0.05秒間のX線を照射した。
【0106】次いで自動現像機SRX501(コニカ
(株)製)を用いて下記処方の現像液、定着液で処理し
た。SRX501の搬送経路Lは1.95mである。
【0107】 <現像液処方> PartA(12l仕上げ用) 水酸化カリウム 450g 亜硫酸カリウム(50%溶液) 2280g ジエチレントリアミン5酢酸 120g 重炭酸水素ナトリウム 132g 5−メチルベンゾトリアゾール 1.2g 1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール 0.2g ハイドロキノン 340g 水を加えて 5000mlに仕上げる PartB(12l仕上げ用) 氷酢酸 170g トリエチレングリコール 185g 1−フェニル−2−ピラゾリドン 22g 5−ニトロインダゾール 0.4g スターター 氷酢酸 120g 臭化カリウム 225g 水を加えて 1.0lに仕上げる <定着液処方> PartA(18l仕上げ用) チオ硫酸アンモニウム 6000g 亜硫酸ナトリウム 110g 酢酸ナトリウム・3水塩 450g クエン酸ナトリウム 50g グルコン酸 70g 1−(N,N−ジメチルアミノ)−エチル−5−メルカプトテトラゾール 18g PartB(18l仕上げ用) 硫酸アルミニウム 800g 現像液の調製は水約5lにPartA、PartBを同
時添加し、撹拌溶解しながら水を加えて12lに仕上
げ、氷酢酸でpHを10.40に調整した。これを現像
補充液1lに対して前記のスターターを20ml/l添
加し、pHを10.26に調整し、使用液とする。
【0108】定着液の調製は水約5lにPartA、P
artBを同時添加し、撹拌溶解しながら水を加えて1
8lに仕上げ、硫酸とNaOHを用いてpHを4.4に
調整した。これを定着補充液とする。
【0109】なお、処理温度はそれぞれ現像33℃、定
着33℃、水洗20℃、乾燥50℃、処理時間はDry
to Dryで90秒及び45秒である。但し45秒
処理の際は現像温度は35℃とした。
【0110】現像処理して得られた各試料の感度及びコ
ントラストを評価した。結果を表1、表2及び表3に示
す。
【0111】<感度、コントラストの評価>感度はカブ
リ+1.0の濃度を与える露光量の逆数で表し、試料N
o.1の蛍光増感紙NR−250を使用した場合の感度
を100とした時の相対感度で示した。
【0112】また、コントラストは特性曲線において、
最低濃度+0.25〜最低濃度+2.0までの傾きを
(平均グラジエンドG)として表したものである。
【0113】<粒状性の評価>感度を評価した各蛍光増
感紙/感光材料の組み合わせについて、京都科学製胸部
ファントームを120KVp(3mm厚のアルミニウム
等価フィルタ装着)のX線源を用い、距離140cmの
位置にファントームを置き、その後ろにグリッドレシオ
8:1の散乱防止グリッド、その後ろに感光材料と蛍光
増感紙を置き撮影を行った。
【0114】何れの写真も肺野の最も濃度の高い部分が
1.8±0.5になるようにX線露光量を露光時間を変
えることにより調節した。得られた写真について目視で
観察し、粒状性を下記の評価基準で評価した。
【0115】粒状性評価基準 A:殆ど目立たない B:若干目立つ C:目立ち読影に若干支障あり D:非常に目立ち読影に支障あり
【0116】
【表1】
【0117】
【表2】
【0118】
【表3】
【0119】表1〜3の結果から本発明の試料は、高速
処理を行っても感度低下がなく高感度であり、高コント
ラストかつ粒状性の良好な画像が得られることがわか
る。
【0120】
【発明の効果】実施例で実証された如く、本発明のX線
画像形成方法及びX線撮影後のハロゲン化銀写真感光材
料の処理方法によれば、該ハロゲン化銀写真感光材料に
イットリウムタンタレイト系蛍光体を主成分とする蛍光
増感紙を密着してX線露光を行って画像形成を行ったと
き、高速処理が可能であり、高感度、高コントラストか
つ粒状性の良好な画像が得られる等、優れた効果を有す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】ハロゲン化銀写真感光材料を処理する装置の一
例を示す図。
【符号の説明】
1 フィルムの検知部 2 スクイズ部 3 乾燥部 5 現像部 6 定着部 7 水洗部 9 現像液及び定着液の補充ポンプ 10 処理剤ボトル収納部 11 ケミカルミキサー A1,A2 最初のローラー対 B1,B2 最終ローラー対 a 最初のローラー対A1とA2の接点 b 最終のローラー対B1とB2の接点
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G21K 4/00 G21K 4/00 A

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハロゲン化銀乳剤層に含まれるハロゲン
    化銀粒子の体積平均粒径が0.7μm以下であり、分光
    感度のピーク波長が500nm以下であるハロゲン化銀
    写真感光材料と、イットリウムタンタレイト系蛍光体を
    主成分とする蛍光増感紙とを密着してX線露光すること
    を特徴とするX線画像形成方法。
  2. 【請求項2】 ハロゲン化銀写真感光材料の銀付き量が
    4.5g/m2以下であることを特徴とする請求項1に
    記載のX線画像形成方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載のX線画像形成方
    法に用いたハロゲン化銀写真感光材料を、下記式を満足
    する条件で処理することを特徴とするハロゲン化銀写真
    感光材料の処理方法。 式 L0.75×t=40〜90(0.7≦L≦4.0) 式中Lは自動現像機のフィルム挿入口の最初のローラー
    対の接点からフィルム乾燥出口の最終ローラー対の接点
    までの搬送経路の長さ(単位はm)を表す。tはLを通
    過するのに要する時間(単位は秒)を表す。
  4. 【請求項4】 感光性ハロゲン化銀乳剤層に含まれるハ
    ロゲン化銀粒子が平均アスペクト比2以上の平板状粒子
    であり、分光感度のピーク波長が500nm以下である
    ハロゲン化銀写真感光材料と、イットリウムタンタレイ
    ト系蛍光体を主成分とする蛍光増感紙とを密着してX線
    露光することを特徴とするX線画像形成方法。
  5. 【請求項5】 ハロゲン化銀写真感光材料の銀付き量が
    4.5g/m2以下であることを特徴とする請求項4に
    記載のX線画像形成方法。
  6. 【請求項6】 請求項4又は5に記載のX線画像形成方
    法に用いたハロゲン化銀写真感光材料を、下記式を満足
    する条件で処理することを特徴とするハロゲン化銀写真
    感光材料の処理方法。 式 L0.75×t=40〜90(0.7≦L≦4.0) 式中Lは自動現像機のフィルム挿入口の最初のローラー
    対の接点からフィルム乾燥出口の最終ローラー対の接点
    までの搬送経路の長さ(単位はm)を表す。tはLを通
    過するのに要する時間(単位は秒)を表す。
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