JPH09127630A - ハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料

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JPH09127630A
JPH09127630A JP28512595A JP28512595A JPH09127630A JP H09127630 A JPH09127630 A JP H09127630A JP 28512595 A JP28512595 A JP 28512595A JP 28512595 A JP28512595 A JP 28512595A JP H09127630 A JPH09127630 A JP H09127630A
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silver
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plane
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JP28512595A
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Tetsuya Suzuki
哲也 鈴木
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高感度で迅速処理性に優れ、ローラーマー
ク、銀色調及び残色故障の改良されたハロゲン化銀写真
感光材料の提供。 【構成】 支持体上に少なくとも2層のハロゲン化銀乳
剤層を有するハロゲン化銀写真感光材料において、該乳
剤層のうち一層に塩化銀30〜100モル%で粒子表面
の30〜100%が{110}面からなるハロゲン化銀
粒子を含有し、他の少なくとも一層にアスペクト比2以
上の平板状ハロゲン化銀粒子を含有することを特徴とす
るハロゲン化銀写真感光材料により達成。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はハロゲン化銀写真感
光材料(以下、単に感光材料という)に関し、特に高感
度で迅速処理性に優れ、ローラーマーク、銀色調及び増
感色素の残留による残色故障の改良されたハロゲン化銀
写真感光材料に関する。
【0002】
【従来の技術】平板状ハロゲン化銀粒子を感光材料に用
いた場合、分光増感性、カバリングパワー(CP)、鮮
鋭性、粒状性等が改良されることが知られている。一
方、平板状粒子はその形状に起因してか耐圧性能例えば
スリキズ黒化、折曲げ黒化等の故障が発生しやすいとい
う欠点を有していることが知られている。更に近年、感
光材料の迅速処理化が市場ニーズの高まりもあって、ロ
ーラー搬送型自動現像処理機による迅速処理方法が急速
に普及している。平板状粒子を用いた感光材料は、この
迅速処理方法では処理中に搬送ローラーからの圧力によ
り、ローラーマーク故障が発生しやすいことが知られて
いる。
【0003】一方、近年、感光材料には互いに平行な双
晶面を有する平板状粒子が多用されるようになった。こ
れらの平板状粒子は主平面が{111}面で有り、その
形状は{111}面の格子構造から六角形や三角形をし
ている。ハロゲン化銀粒子に増感色素を多量に吸着させ
た場合、{100}面を有する粒子のほうが通常、分光
増感特性が良いことから、主平面が{100}の平板状
粒子の開発が望まれている。米国特許第4,063,9
51号には平行する2つの{100}面を主平面とする
アスペクト比1.5〜7の平板状粒子からなるハロゲン
化銀乳剤の製造方法が開示されている。更に米国特許第
4,386,156号には平行する2つの{100}面
を主平面とするアスペクト比8以上の臭化銀平板状粒子
からなるハロゲン化銀乳剤、及び製造方法が開示されて
おり、これらの技術は立方体のような{100}面で構
成されたハロゲン化銀粒子からなる乳剤に比べ感光材料
のコントラストを増加させ、最高濃度を高める効果を有
していることが示されている。
【0004】しかしながら、これらの平板状粒子乳剤を
使用した場合、分光増感性は良いが、迅速処理した場
合、脱色性が劣り残色故障を引き起こす場合が多く、更
に銀画像の色調がクリアーではなく黄色味を帯びた黒色
になってしまい、例えば直接銀画像を観察する医療用ハ
ロゲン化銀写真感光材料に用いた場合、観察者及び病変
の診断者に不快な印象を与えていた。また、ハロゲン化
銀感光材料の迅速処理化にはイオン結晶性を有し臭化銀
や沃化銀に比較して溶解度が高いことから塩化銀含有率
の高い乳剤を用いたほうが好ましいことが一般に知られ
ている。しかしながら、塩化銀乳剤の場合かぶり易く、
しかも写真感度が低いため例えば放射線の人体への影響
をなるべく少なくするために高感度が必要な医療用ハロ
ゲン化銀写真感光材料に用いることは困難であった。一
方、F.E.CLAES著THEJOURNAL OF
PHOTGRAPHIC SCIENCE,Vol.
21:39−50(1973)、J.E.MASKAS
KY著JOURNAL OF IMAGING SCI
ENCE,Vol.30:247−254(1936)
等に結晶面が{110}面からなる菱型12面体のハロ
ゲン化銀結晶粒子が記載されている。更に特開昭48−
5423号にはその粒子を用いたハロゲン化銀材料が開
示されており、{110}面を有する粒子は{100}
面を有する立方体粒子に比べカブリが低く、分光増感し
た際には吸収ピークがやや短波長側にシフトすることが
示されている。しかし{110}面を有する粒子は低カ
ブリではあるが感度が低く、特に分光増感した際には所
望の分光感度が得ることが困難であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のような問題に対
して、本発明の課題は、高感度で迅速処理性に優れ、ロ
ーラーマーク、銀色調及び増感色素の残留による残色故
障の改良されたハロゲン化銀写真感光材料を提供するこ
とにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の上記課題は、下
記手段により達成される。
【0007】 支持体上に少なくとも2層のハロゲン
化銀乳剤層を有するハロゲン化銀写真感光材料におい
て、該乳剤層のうち一層に塩化銀30〜100モル%で
粒子表面の30〜100%が{110}面からなるハロ
ゲン化銀粒子を含有し、他の少なくとも一層にアスペク
ト比2以上の平板状ハロゲン化銀粒子を含有することを
特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。
【0008】 塩化銀30〜100モル%で粒子表面
の30〜100%が{110}からなるハロゲン化銀粒
子が増感色素により分光増感されていることを特徴とす
る上記項に記載のハロゲン化銀写真感光材料。
【0009】 アスペクト比2以上の平板状ハロゲン
化銀粒子の主平面が{100}面であることを特徴とす
る上記項又は項に記載のハロゲン化銀写真感光材
料。
【0010】 アスペクト比2以上の平板状ハロゲン
化銀粒子の主平面が{111}面であることを特徴とす
る上記項又は項に記載のハロゲン化銀写真感光材
料。
【0011】以下、本発明について具体的に説明する。
【0012】本発明の感光材料は少なくも2層の乳剤層
を有し、このうち1層は、塩化銀30〜100モル%で
粒子表面の30〜100%が{110}面からなるハロ
ゲン化銀粒子を含有する。粒子表面の全てが{110}
面でそれらの面が同等面積の場合、粒子形状は一つの面
が菱形の正12面体となる。ハロゲン化銀結晶粒子の場
合、通常の晶癖は{100}面及び/又は{111}面
からなる。{110}面をもつハロゲン化銀結晶粒子を
得る為にはF.E.CLAES著THE JOURNA
L OF PHOTGRAPHIC SCIENCE,
Vol.21:39−50(1973)、J.E.MA
SKASKY著JOURNAL OFIMAGING
SCIENCE,Vol.30:247−254(19
36)、特開昭48−5423号等に示されているよう
に、特定の晶癖制御剤が必要となる。特に塩化銀含有率
が50%以上のハロゲン化銀粒子の場合{100}面の
立方体粒子が生成されやすくなり、特に{110}面又
は{111}面を生成するためには晶癖制御剤が必要と
なり、このことは笹井明著、日本写真学会誌47巻4号
255〜263ページ等に示されている。本発明におい
ても{110}面を有するハロゲン化銀粒子を得るため
にはこれら晶癖制御剤を好ましく使用することができ
る。
【0013】以下に上記晶癖制御剤の化合物例を示す
が、本発明の{110}面を有するハロゲン化銀を得る
ためにはこれらに限定されるものではない。
【0014】
【化1】
【0015】
【化2】
【0016】これら晶癖制御剤の添加量は最終的に生成
されるハロゲン化銀1モル当たり好ましくは5×10-3
〜0.5モル、特に好ましくは1×10-2〜0.1モル
である。添加位置としてはハロゲン化銀粒子の核発生工
程から成長工程が好ましく、特に成長工程が好ましい。
該晶癖制御剤は脱塩工程で水洗除去されることが好まし
いが、以後の工程で存在してもよく、最終的に塗布され
た乳剤即ち感光材料の乳剤層に存在していればよい。
【0017】本発明の{110}面を有するハロゲン化
銀粒子は、粒子表面の30〜100%が{110}面で
あり、更には50〜100%、特に70〜100%が
{110}面であることが好ましい。また、{110}
面以外の結晶面、即ち{100}面及び/又は{11
1}面等の結晶面を有しても良い。
【0018】本発明の{110}面を有するハロゲン化
銀結晶粒子は、塩化銀30〜100モル%であり、更に
は55〜100モル%、特に80〜100モル%である
ことが好ましい。
【0019】本発明の{110}面を有するハロゲン化
銀乳剤は該乳剤を含有する乳剤層の50%以上、好まし
くは70%以上、特に90%以上が好ましい。
【0020】本発明のハロゲン化銀写真感光材料は、
{110}面を有するハロゲン化銀乳剤を含有する乳剤
層以外の乳剤層の少なくとも一層にアスペクト比2以上
の平板状ハロゲン化銀粒子を含有する。上記したように
平板状粒子の利点は、分光増感効率の向上、画像の粒状
性及び鮮鋭性の改良などが得られることである。
【0021】本発明において、乳剤層に用いられる平板
状ハロゲン化銀粒子は、{100}面及び/又は{11
1}面からなる主平面を有するものが好ましい。
【0022】本発明に係る平板状ハロゲン化銀粒子の平
均粒径は、0.3〜3.0μmが好ましく、特に好まし
くは0.5〜1.5μmである。尚、本発明において平
板状ハロゲン化銀粒子の平均粒径とは、電子顕微鏡写真
の観察から{100}主平面の平板状粒子の場合、粒子
の主平面の投影面積に等しい面積を有する正方形の辺の
長さの平均として定義される。
【0023】{111}主平面の平板状粒子の場合、主
平面の投影面積に等しい面積を有する円の直径の平均と
して定義される。
【0024】本発明に係る平板状ハロゲン化銀粒子は、
粒径/厚さ(アスペクト比と呼ぶ)の平均値(平均アス
ペクト比と呼ぶ)が2.0以上であることが好ましく、
より好ましくは2.0〜20.0、特に好ましくは4.
0〜15.0である。平均アスペクト比を求めるために
は、最低100サンプルの測定を行う。
【0025】本発明に係る平板状ハロゲン化銀粒子の平
均厚さは、0.5μm以下が好ましく、特に好ましくは
0.3μm以下である。
【0026】本発明において、ハロゲン化銀粒子の厚さ
とは、主平面間の距離、即ち平板状ハロゲン化銀粒子を
構成する二つの平行な最も面積の大きい結晶面の距離の
うち最小のものとして定義される。
【0027】平板状ハロゲン化銀粒子の厚さは、カーボ
ンレプリカ法等によるハロゲン化銀粒子の影の付いた電
子顕微鏡写真又はハロゲン化銀乳剤を支持体に塗布し乾
燥したサンプル断層の電子顕微鏡写真から求めることが
できる。
【0028】本発明に係る平板状ハロゲン化銀粒子は、
主平面以外の、例えば、{110}面等の結晶面を有し
ていてもよい。
【0029】本発明に用いる平板状ハロゲン化銀乳剤
は、単分散性であるものが好ましく用いられ、粒径の変
動係数が20%以内の範囲に含まれるものが特に好まし
く用いられるが、粒径の異なる単分散性の平板状ハロゲ
ン化銀乳剤、或いは、粒子サイズ分布の広い多分散平板
状乳剤、更には、立方体、八面体、14面体等の正常晶
乳剤、及び双晶面を多数有する多重双晶乳剤を、本発明
の効果を低下させない範囲内で混合してもよい。
【0030】本発明でいう変動係数とは、粒径のバラツ
キ(標準偏差)を平均粒径で割った値を100倍した値
(%)で示される。
【0031】本発明に係る平板状ハロゲン化銀乳剤は、
塩化銀、臭化銀、塩臭化銀、沃臭化銀等ハロゲン化銀組
成は任意であるが、沃塩化銀、沃臭化銀、沃塩臭化銀が
好ましい。平均沃化銀含有率は3.0モル%以下、特に
1.5モル%以下が好ましい。また、本発明に係る平板
状ハロゲン化銀粒子は、そのハロゲン組成が粒子内で均
一であってもよく、内部に沃化銀の局在部分を有するコ
ア/シェル型粒子でもよく、更には粒子表面近傍に沃化
銀含有率の高い部分を有してもよい。
【0032】{100}主平面の平板状ハロゲン化銀乳
剤の製造方法は、米国特許4,063,951号、同
4,386,156号、同5,275,930号、同
5,314,798号等を参考にすることもできる。
【0033】平板状ハロゲン化銀粒子の大きさ及び形状
は、粒子形成時の温度、pAg(pBr、pCl)、p
H、銀塩及びハロゲン化物水溶液の添加速度等によって
コントロールできる。
【0034】本発明において、平板状ハロゲン化銀粒子
形成時のpAgは、5.0〜9.0が好ましい。
【0035】平板状ハロゲン化銀乳剤の平均沃化銀含有
率は、添加するハロゲン化物水溶液の組成即ち塩化物、
臭化物及び沃化物の比を変えることによりコントロール
することができる。
【0036】また、平板状ハロゲン化銀乳剤の製造時
に、必要に応じてアンモニア、チオエーテル、チオ尿素
等のハロゲン化銀溶剤を用いることもできる。
【0037】上述した本発明に係る乳剤は、粒子表面に
潜像を形成する表面潜像型、或いは粒子内部に潜像を形
成する内部潜像型、表面と内部に潜像を形成する型の何
れの乳剤であってもよい。また、これらの乳剤は、物理
熟成或いは粒子調製の段階で、鉄塩、カドミウム塩、鉛
塩、亜鉛塩、タリウム塩、ルテニウム塩、オスミウム
塩、イリジウム塩又はその錯塩、ロジウム塩又はその錯
塩などを用いてもよい。
【0038】本発明に係る乳剤は可溶性塩類を除去する
(脱塩処理工程)ためにヌーデル水洗法、フロキュレー
ション沈降法などの水洗方法がなされてよい。好ましい
水洗法としては、例えば特公昭35−16086号記載
のスルホ基を含む芳香族炭化水素系アルデヒド樹脂を用
いる方法、又は特開昭63−158644号記載の凝集
高分子剤例示G3、G8などを用いる方法が特に好まし
い脱塩法として挙げられる。
【0039】ハロゲン化銀乳剤の調製時例えば分散媒中
に用いられる保護コロイドとして、及びその他の親水性
コロイド層のバインダーとしては、ゼラチンを用いるの
が有利であるが、それ以外の親水性コロイドも用いるこ
とができる。
【0040】例えばゼラチン誘導体、ゼラチンと他の高
分子とのグラフトポリマー、アルブミン、カゼイン等の
蛋白質;ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチ
ルセルロース、セルロース硫酸エステル類等の如きセル
ロース誘導体、アルギン酸ソーダ、澱粉誘導体などの糖
誘導体;ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール
部分アセタール、ポリ−N−ビニルピロリドン、ポリア
クリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリルアミド、ポ
リビニルイミダゾール、ポリビニルピラゾール等の単一
或いは共重合体の如き多種の合成親水性高分子物質を用
いることができる。
【0041】ゼラチンとしては石灰処理ゼラチンのほ
か、酸処理ゼラチンや、Bull.Soc.Sci.P
hot.Japan,No.16,P30(1966)
に記載されたような酸素処理ゼラチンを用いてもよく、
また、ゼラチンの加水分解物や酸素分解物も用いること
ができるが、本発明のハロゲン化銀乳剤の調製時には、
米国特許第4,713,323号に示されているよう
な、低メチオニン含有量即ち、ゼラチン1グラム当たり
30マイクロモル未満、特には12マイクロモル未満の
メチオン含有量のゼラチンが好ましく用いられる。
【0042】本発明に係るハロゲン化銀乳剤は、pH
4.0以上で貴金属増感、及びカルコゲン増感されるこ
とが好ましい。好ましいpHの範囲としては4.0以上
10.0以下で、更に好ましくは5.0以上8.0以下
である。貴金属増感としては金増感が好ましく、金化合
物、主に金−チオシアン錯塩などの金錯塩が増感剤とし
て用いられる。金以外の貴金属としては白金、イリジウ
ム、オスミウム、パラジウム、ロジウム、ルテニウム等
の錯塩を用いることができる。
【0043】金増感には、金増感剤として例えば塩化金
酸塩、金チオ尿素錯体、カリウムクロロオーレート、オ
ーリックトリクロライド、カリウムオーリックチオシア
ネート、カリウムヨードオーレート、テトラシアノオー
リックアミド、アンモニウムオーロチオシアネート、ピ
リジルトリクロロゴールドなどが挙げられる。これら金
増感剤の添加量は種々の条件下で広範囲に変化できる
が、目安としては、ハロゲン化銀1モル当たり5×10
-7〜5×10-3モルが好ましく、2×10-6〜4×10
-4モルが更に好ましい。
【0044】硫黄増感には、硫黄増感剤として例えばチ
オ硫酸塩、アリルチオカルバミドチオ尿素、アリルイソ
チアシアネート、シスチン、p−トルエンチオスルホン
酸塩、ローダニンなどが挙げられる。その他米国特許
1,574,944号、同3,656,955号、ドイ
ツ特許1,422,869号、特公昭56−24937
号、特開昭55−45016号などに記載されている硫
黄増感剤も用いることができる。硫黄増感剤の添加量は
乳剤の感度を効果的に増大させるに十分な量でよい。こ
の量は種々の条件、即ちハロゲン化銀粒子の大きさなど
広範囲に変化できるが、目安としては、ハロゲン化銀1
モル当たり5×10-8〜5×10-5モルが好ましい。
【0045】更にセレン増感及び/又はテルル増感する
ことが好ましい。セレン増感剤としては、従来公知の化
合物を用いることができる。即ち、通常不安定型セレン
化合物及び/又は非不安定型セレン化合物を添加して高
温、好ましくは40℃以上で乳剤を一定時間攪拌するこ
とにより用いられる。
【0046】不安定型セレン化合物としては、例えば特
公昭44−15748号、同43−13489号、特開
平2−130976号などに記載の化合物を用いること
ができる。具体的な不安定型セレン増感剤としては、イ
ソセレノシアネート類(例えばアリルイソセレノシアネ
ートのごとき脂肪族イソセレノシアネート類)、セレノ
尿素類、セレノケトン類、セレノアミド類、セレノカル
ボン酸類(例えば2−セレノプロピオン酸、2−セレノ
酪酸)、セレノエステル類、ジアシルセレニド類(例え
ばビス−3−クロロ−2,6−ジメトキシベンゾイルセ
レニド)、セレノフォスフェート類、ホスフィンセレニ
ド類、コロイド状金属セレンなどが挙げられる。
【0047】不安定型セレン化合物の好ましい類型を上
に述べたが、これらは限定的なものではない。当業技術
者には、写真用乳剤の増感剤として不安定型セレン化合
物といえば、セレンが不安定で有る限りにおいて該化合
物の構造はさして重要なものではなく、セレン増感剤分
子の有機部分はセレンを担持し、それを不安定な形で乳
剤中に存在せしめる以外何らの役割を持たないことが一
般に理解されている。本発明においては、かかる広範な
概念の不安定セレン化合物が有利に用いられる。本発明
で用いられる非不安定型セレン化合物としては例えば特
公昭46−4553号、同53−34492号、同52
−34491号などに記載の化合物が用いられる。非不
安定型セレン化合物としては例えば亜セレン酸、セレン
シアン化カリウム、セレナゾール類、セレナゾール類の
四級塩、ヂアリールセレニド、ヂアリールヂセレニド、
ジアルキルセレニド、ジアルキルジセレニド、2−セレ
ナゾリジンジオン、2−セレノオキサゾリヂンチオン及
びこれらの誘導体が挙げられる。以下本発明に好ましく
用いられるセレン化合物の具体例を示す。
【0048】
【化3】
【0049】
【化4】
【0050】セレン増感剤の使用量は、使用するセレン
化合物、ハロゲン化銀粒子、化学熟成条件等により変わ
るが、一般に好ましくはハロゲン化銀1モル当たり1×
10-8以上である。より好ましくは1×10-7モル以上
1×10-3モル以下を、化学増感時に添加する。添加方
法は、使用するセレン化合物の性質に応じて、水又はエ
タノールなどの有機溶媒の単独又は混合溶媒に溶解して
添加する方法、或いは、ゼラチン溶液と予め混合して添
加する方法でもよく、特開平4−140739号に開示
されている方法である有機溶媒可溶性の重合体との混合
溶液の乳化分散物の形態で添加する方法でもよい。
【0051】次に、本発明において化学増感に好ましく
用いられるテルル増感剤及びその増感法に関して述べ
る。用いられるテルル増感剤としては、米国特許3,7
72,031号、英国特許235,211号、カナダ特
許800,958号、J.Chem.Soc.Che
m.Commun.;635(1980)、ibid
1102(1979)、ibid 645(197
9)、J.Chem.Soc.Perkin Tran
s.;1,2191(1988)等に記載の化合物を用
いることが好ましい。
【0052】本発明において使用するハロゲン化銀乳剤
は、分光増感することができる。本発明に用いられる分
光増感色素としては、通常メチン色素が好ましく用いら
れるが、これにはシアン色素、メロシアニン色素、複合
シアニン色素、複合メロシアニン色素、ホロポーラーシ
アニン色素、ヘミシアニン色素、スチリル色素及びヘミ
オキソノール色素等が包含される。
【0053】例えば特願平3−95310号に記載され
ているようなオキサカルボシアニン、ベンゾイミダゾロ
カルボシアニン、ベンゾイミダゾロ−オキサカルボシア
ニン等が挙げられる。また、特開平6−332102号
に記載されている青色光域に増感効果を有する色素も好
ましく用いられる。これらの分光増感色素は、それぞれ
単一もしくは組み合わせて用いることができる。
【0054】分光増感色素の添加量は色素の種類や乳剤
条件によって一様ではないが、乳剤の銀1モル当たり1
0〜900mgが好ましく、60〜400mgが特に好
ましい。
【0055】分光増感色素は、化学熟成工程の終了前に
添加するのが好ましく、化学熟成工程の終了前に数回に
分けて添加してもよい。更に好ましくはハロゲン化銀粒
子の成長工程終了後から、化学熟成工程の終了前であ
り、特に化学熟成開始前が好ましい。
【0056】本発明の実施に際して化学増感(化学熟
成)を停止させるには、乳剤の安定性などを考慮する
と、化学熟成停止剤を用いる方法が好ましい。この化学
熟成停止剤としては、ハロゲン化物(例えば臭化カリウ
ム、塩化ナトリウム等)、カブリ防止剤又は安定剤とし
て知られている有機化合物(例えば4−ヒドロキシ−6
−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデンなど)
が挙げられる。これらは単独で、もしくは複数の化合物
を併用して用いてもよい。
【0057】本発明において、ハロゲン化銀乳剤は、物
理熟成又は化学熟成前後の工程において、各種の写真用
添加剤を用いることができる。公知の添加剤としては、
例えばリサーチ・ディスクロージャー(RD)No.1
7643(1978年12月)、同No.18716
(1979年11月)及び同No.308119(19
89年12月)に記載された化合物が挙げられる。これ
ら三つのリサーチ・ディスクロージャーに示されている
化合物種類と記載箇所を以下に掲載した。
【0058】 添加剤 RD−17643 RD−18716 RD−308119 頁 分類 頁 分類 頁 分類 化学増感剤 23 III 648右上 996 III 増感色素 23 IV 648〜649 996〜8 IVA 減感色素 23 IV 998 VB 染料 25〜26 VIII 649〜650 1003 VIII 現像促進剤 29 XIII 648右上 カブリ抑制剤・安定剤 24 IV 649右上 1006〜7 VI 増白剤 24 V 998 V 硬膜剤 26 X 651左 1004〜5 X 界面活性剤 26〜7 XI 650右 1005〜6 XI 帯電防止剤 27 XII 650右 1006〜7 XIII 可塑剤 27 XII 650右 1006 XII スベリ剤 27 XII マット剤 28 XVI 650右 1008〜9 XVI バインダー 26 XXII 1003〜4 IX 支持体 28 XVII 1009 XVII 本発明に係る感光材料に用いることのできる支持体とし
ては、例えば前述のRD−17643の28頁及びRD
−308119の1009頁に記載されているものが挙
げられる。
【0059】適当な支持体としてはポリエチレンテレフ
タレートフィルムなどで、これら支持体の表面は塗布層
の接着をよくするために、下塗層を設けたり、コロナ放
電、紫外線照射などを施してもよい。
【0060】
【実施例】以下、実施例により本発明の効果を例証す
る。
【0061】実施例1 以下の方法で乳剤EM−1を調製した。
【0062】(EM−1 比較立方体乳剤の調製) A1 不活性ゼラチン 320g 塩化ナトリウム 50g 水を加えて 10000ml B1 硝酸銀 1600g 水を加えて 8400ml C1 塩化ナトリウム 566g 水を加えて 8400ml 反応容器中でA1液を高速撹拌しながら60℃に保持
し、pHを5.8に調整した。このA1液にB1液とC
1液とを50分間かけてダブルジェット法で添加した。
添加流量は粒子の成長に伴い徐々に増加させた。この
間、反応容器内の銀電位を1Nの塩化ナトリウムを用い
て100mVに終始保持した。pHは5.8であった。
過剰な塩類を除去するため、デモール(花王アトラス社
製)水溶液、硫酸マグネシウム水溶液を用いて脱塩水洗
を行い、追加ゼラチンを加え50℃30分間再分散した
後冷却セットし、塩化銀100モル%の乳剤を得た。得
られた塩化銀乳剤を走査型電子顕微鏡で粒子形状を観察
したところ、平均粒径(平均1辺の長さ)0.6μm、
粒径の変動係数15%の単分散立方体粒子であった。こ
の乳剤をEM−1とした。
【0063】(EM−2の調製)以下の方法で乳剤EM
−2を調製した。
【0064】乳剤EM−1の調製法において、C1液を
1670ml添加終了した時点で下記溶液aを添加した
以外はEM−1と全く同様な方法で乳剤EM−2を調製
した。得られた乳剤を走査型電子顕微鏡で粒子形状を観
察したところ、平均粒径(投影円換算直径)0.64μ
m、粒径の変動係数19%、粒子表面の約93%以上が
{110}面の単分散菱型12面体粒子であった。
【0065】 溶液a 例示化合物C−2 35g 水で仕上げ 4000ml (EM−3の調製)以下の方法で乳剤EM−3を調製し
た。
【0066】乳剤EM−2の調製法において、C1液を
塩化ナトリウム386g、臭化カリウム336g、水仕
上げ8400mlに変更し、B1液及びC1液の添加時
間を全体的に×1.3に延長した以外はEM−2と全く
同様な方法で臭化銀:塩化銀=30:70の塩臭化銀乳
剤EM−3を調製した。得られた乳剤を走査型電子顕微
鏡で粒子形状を観察したところ、平均粒径(投影円換算
直径)0.64μm、粒径の変動係数19%、{10
0}面と{110}面とからなり、粒子表面の約38%
以上が{110}面の単分散粒子であった。
【0067】(EM−4 比較八面体乳剤の調製)以下
の方法で乳剤EM−4を調製した。
【0068】乳剤EM−1の調製法において、B1液を
1670ml添加終了した時点で下記溶液bを添加した
以外はEM−1と全く同様な方法で乳剤EM−4を調製
した。得られた乳剤を走査型電子顕微鏡で粒子形状を観
察したところ、平均粒径(投影円換算直径)0.65μ
m、粒径の変動係数17%,粒子表面の約95%以上が
{111}面の単分散8面体粒子であった。
【0069】 溶液b 例示化合物C−10 35g 水で仕上げ 4000ml (EM−5の調製)以下に示す溶液を用い、乳剤EM−
5を調製した。
【0070】 A5 不活性ゼラチン 170g 臭化カリウム 3.0g 水を加えて 7000ml B5 硝酸銀 1200g 水を加えて 2825ml C5 臭化カリウム 545g 塩化ナトリウム 145g 水を加えて 2825ml D5 例示化合物9 36.4g 水を加えて 4000ml 反応容器中でA5液を高速撹拌しながら60℃に保持し
た。このA5液にB5液とC5液とをダブルジェット法
で添加した。B5液を360ml添加終了した時点でD
5液を添加した。尚、B5液及びC5液の添加流量は粒
子の成長に伴い徐々に増加させた。この間、反応容器内
のpAgを2.5Nの臭化カリウムを用いて8.5に終
始保持した。pHは5.8であった。
【0071】EM−1と同様な方法で脱塩水洗を行い、
追加ゼラチンを加え冷却セットし、臭化銀:塩化銀=6
5:35の塩臭化銀乳剤を得た。得られた乳剤を走査型
電子顕微鏡で粒子形状を観察したところ、平均粒径(投
影円換算直径)0.59μm、粒径の変動係数15%、
粒子表面の約95%以上が{110}面の単分散菱型1
2面体粒子であった。
【0072】(EM−6の調製)以下に示す溶液を用
い、乳剤EM−6を調製した。
【0073】 A6 過酸化水素処理ゼラチン 350g 塩化ナトリウム 3.27g 沃化カリウム 0.25g 水を加えて 10000ml B6 硝酸銀 51g 水を加えて 150ml C6 塩化ナトリウム 17.5g 沃化カリウム 0.25g 水を加えて 150ml D6 硝酸銀 794.5g 水を加えて 9400ml E6 塩化ナトリウム 286.4g 水を加えて 10000ml 反応容器中でA6液を高速撹拌しながら40℃に保持し
た。このA6液にB6液とC6液とを30秒間かけてダ
ブルジェット法で添加した。添加終了後40℃で10分
間撹拌保持した。次にD6液、E6液を40ml/mi
nの速度で40分間ダブルジェット法で添加し80ml
/minの速度に上昇して100分間かけて添加した。
この間、反応容器内のpClを2.3、pHを5.8に
保持した。
【0074】EM−1と同様な方法で脱塩水洗を行い、
追加ゼラチンを加え冷却セットし、沃化銀0.3モル%
を含む沃塩化銀乳剤を得た。得られた乳剤を走査型電子
顕微鏡で粒子形状を観察したところ、平均の辺の長さ
1.3μm、辺長の変動係数18%、平均粒子厚0.1
4μm、アスペクト比9.3の主平面が四角形をした
{100}面からなる平板状粒子であった。この乳剤を
EM−6とした。
【0075】(EM−7の調製)以下に示す溶液を用
い、乳剤EM−7を調製した。
【0076】 A7 不活性ゼラチン 317g 水を加えて 6.3l B7 硝酸銀 1200g 水を加えて 1516ml C7 臭化カリウム 821g 水を加えて 1516ml 反応容器中でA6液を高速撹拌しながら40℃に保持
し、pHを5.8に調整した。このA6液にB6液とC
6液とを20分間かけてダブルジェット法で添加した。
添加終了後、反応容器内のpAgは7.3、pHは5.
8であった。次に3.5N硝酸銀水溶液を用いてpAg
を7.0に調整し、反応容器内の液温を60℃に上昇さ
せた後、60分間撹拌保持した。
【0077】過剰な塩類を除去するため、乳剤EM−1
と同様にデモール(花王アトラス社製)水溶液、硫酸マ
グネシウム水溶液を用いて脱塩水洗を行い、追加ゼラチ
ンを加え再分散した後、冷却セットし、臭化銀100モ
ル%の乳剤を得た。得られた乳剤を走査型電子顕微鏡で
粒子形状を観察したところ、平均の辺の長さ1.24μ
m、辺長の変動係数19%、平均粒子厚0.16μm、
アスペクト比7.75の主平面が四角形をした{10
0}面からなる平板状粒子であった。この乳剤をEM−
7とした。
【0078】(EM−8の調製)以下に示す溶液を用
い、乳剤EM−8を調製した。
【0079】 A8 不活性ゼラチン 247g 硫酸アデニン 1.313g 塩化ナトリウム 54.1g 水を加えて 10l B8 硝酸銀 120g 水を加えて 353ml C8 塩化ナトリウム 45.2g 水を加えて 353ml D8 硝酸銀 1080g 水を加えて 3180ml E8 塩化ナトリウム 410g 水を加えて 3180ml 反応容器中でA8液を高速撹拌しながら75℃に保持
し、pHを6.5に調整した。このA8液にB8液とC
8液とを5分間かけてダブルジェット法で添加した。更
にD8液とE8液を45分間かけてダブルジェット法で
添加した。尚、添加中の反応容器内はpCl=1.1に
保持した。
【0080】過剰な塩類を除去するため、デモール(花
王アトラス社製)水溶液、硫酸マグネシウム水溶液を用
いて脱塩水洗を行い、追加ゼラチンを加え50℃で30
分間再分散の後冷却セットし、塩化銀100モル%の乳
剤を得た。得られた乳剤を走査型電子顕微鏡で粒子形状
を観察したところ、平均粒径1.19μm、粒径の変動
係数20%、平均粒子厚0.22μm、アスペクト比
5.4の主平面が{111}面からなる平板状粒子であ
った。この乳剤をEM−8とした。
【0081】(六角平板双晶種乳剤の調製)以下の方法
により六角平板状種乳剤を調製した。
【0082】 A9 オセインゼラチン 24.2g 蒸留水 9657ml HO−[CH2CH2O]m−[CH(CH3)−CH2O]17 −[CH2CH2O]n−H (m+n=5.7分子量1700) (10%メタノール溶液) 6.78ml KBr 10.8g 10%硝酸 114ml B9 2.5N AgNO3水溶液 2825ml C9 KBr 824g KI 23.5g 蒸留水で2825mlにする D9 1.75N KBr水溶液 下記銀電位制御量 35℃で特公昭58−58288号、同58−5828
9号に示される混合撹拌機を用いてA9液にB9液及び
C9液の各々464.3mlを同時混合法により2分を
要して添加し、核形成を行った。
【0083】B9液及びC9液の添加を停止した後、6
0分の時間を要してA9液の温度を60℃に上昇させ、
3%KOHでpHを5.0に合わせた後、再びB9液と
C9液を同時混合法により、各々55.4ml/min
の流量で42分間添加した。この35℃から60℃への
昇温及びB9液、C9液による再同時混合の間の銀電位
(飽和銀−塩化銀電極を比較電極として銀イオン選択電
極で測定)をD9液を用いてそれぞれ+8mv及び+1
6mvになるよう制御した。
【0084】添加終了後3%KOHによってpHを6に
合わせ直ちに脱塩、水洗を行った。この種乳剤はハロゲ
ン化銀粒子の全投影面積の90%以上が最大隣接辺比が
1.0〜2.0の六角平板粒子よりなり、六角平板種粒
子の平均厚さは0.06μm、平均直径(円直径換算)
は0.57μmであることが電子顕微鏡により判明し
た。
【0085】(成長乳剤EM−9の調製)得られた六角
平板状種乳剤を成長乳剤の銀1モル当たり0.061モ
ル相当採り、液温60℃のポリプロピレンオキサイド
(PO)とポリエチレンオキサイド(EO)との共重合
体(EO/PO=0.33、分子量約1400)を含有
するゼラチン水溶液中に溶解、分散させた後に、引き続
いて最終的に形成される成長粒子の平均沃化銀含有率が
1.0モル%となるように調液した硝酸銀水溶液と臭化
カリウム及び沃化カリウムとのハライド溶液とをpH=
5.8、pAg=8.8、60℃で終始保持しながら、
コントロールド・ダブルジェット法により107分間添
加した。EM−1と同様な方法で脱塩水洗を行い、追加
ゼラチンを加え冷却セットし、沃化銀1.0モル%の沃
臭化銀乳剤を得た。得られた乳剤を電子顕微鏡で観察し
たところ、平均粒径1.15μm、平均厚さ0.26μ
m、平均アスペクト比4.4の主平面が六角形で{11
1}面の平板状乳剤EM−9を得た。
【0086】(乳剤の化学増感)引き続き、得られた乳
剤EM−1〜9を再溶解して50℃に撹拌保持した。そ
の後、下記増感色素を銀1モル当たり、増感色素(A)
が200mg、増感色素(B)が25mgとなる様に固
体微粒子状の分散物として添加した。30分後にセレン
増感剤(トリフェニルフォスフィンセレナイド)の分散
液、及びチオシアン酸アンモニウム、塩化金酸、及びチ
オ硫酸ナトリウムの混合水溶液を加え、40分後に沃化
銀微粒子乳剤を添加した。その後、化学増感を終了させ
るために安定剤として4−ヒドロキシ−6−メチル−
1,3,3a,7−テトラザインデンを適量添加し、冷
却し、それぞれの乳剤に最適な化学増感を施した。
【0087】下記分光増感色素(A)及び(B)の固体
微粒子状分散物は、特開平5−297496号に記載の
方法に準じて調製した。即ち上記分光増感色素の所定量
を予め27℃に調温した水に加え、高速撹拌機(ディゾ
ルバー)で、500rpmにて30〜120分間にわた
って撹拌することによって得た。
【0088】分光増感色素(A)及び(B)を以下に示
す。
【0089】・分光増感色素(A) 5,5′−ジクロ
ロ−9−エチル−3,3′−ジ−(スルホプロピル)オ
キサカルボシアニン−ナトリウム塩無水物 ・分光増感色素(B) 5,5′−ジ−(ブトキシカル
ボニル)−1,1′−ジエチル−3,3′−ジ−(4−
スルホブチル)ベンゾイミダゾロカルボシアニン−ナト
リウム塩無水物 トリフェニルフォスフィンセレナイドの分散液は、トリ
フェニルフォスフィンセレナイド120gを50℃の酢
酸エチル30kg中に添加して撹拌し、完全に溶解し、
写真用ゼラチン3.8kgを純水38kgに溶解し、ド
デシルベンゼンスルホン酸ナトリウム25重量%水溶液
93gを添加した液と混合して直径10cmのディゾル
バーを有する高速撹拌型分散機により50℃下において
分散翼周速40m/秒で30分間分散を行った。その後
速やかに減圧下で、酢酸エチルの残留濃度が0.3重量
%以下になるまで撹拌を行いつつ、酢酸エチルを除去し
た。その後、この分散液を純水で希釈して80kgに仕
上げた。
【0090】(試料の作製)以下の塗布液を、下引き処
理済のブルーに着色した厚さ175μmのポリエチレン
テレフタレート支持体の両面に支持体に近い側から横断
光遮光層、下層乳剤層、上層乳剤層、乳剤保護層の順に
同時にスライドホッパー型コーターを用いて重層塗布を
行い、乾燥して試料を作製した。
【0091】 第1層(横断光遮光層) 固体微粒子分散体染料(AH) 50mg/m2 ゼラチン 0.2g/m2 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 5mg/m2 化合物(I) 5mg/m2 2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−1,3,5 −トリアジンナトリウム塩 5mg/m2 コロイダルシリカ(平均粒径0.014μm) 10mg/m2 ラテックス(L) 0.2g/m2 ポリスチレンスルホン酸カリウム 50mg/m2 第2層(乳剤下層) 乳剤(表1参照) テトラクロロパラジウム(2)酸カリウム 100mg/m2 化合物(G) 0.5mg/m2 2,6−ビス(ヒドロキシアミノ)−4−ジエチルアミノ−1,3,5 −トリアジン 5mg/m2 t−ブチル−カテコール 130mg/m2 ポリビニルピロリドン(分子量10,000) 35mg/m2 スチレン−無水マレイン酸共重合体 80mg/m2 ポリスチレンスルホン酸ナトリウム 80mg/m2 トリメチロールプロパン 350mg/m2 ジエチレングリコール 50mg/m2 ニトロフェニル−トリフェニル−ホスホニウムクロリド 20mg/m2 1,3−ジヒドロキシベンゼン−4−スルホン酸アンモニウム 500mg/m2 2−メルカプトベンツイミダゾール−5−スルホン酸ナトリウム 5mg/m2 化合物(H) 0.5mg/m249OCH2CH(OH)CH2N(CH2COOH)2 350mg/m2 化合物(M) 5mg/m 化合物(N) 5mg/m2 ラテックス(L) 0.4g/m2 デキストラン 0.3g/m2 ソルビトール 0.1g/m2 第3層(乳剤上層) 第2層と同じ 但し、ゼラチン量は片面のトータル量が1.2g/m2
の量になる様に調整した。また、上記添加剤の量は片面
の乳剤下層と上層中に含まれる総量で表した。乳剤下層
と上層それぞれに含まれる量は、それぞれの銀量の比率
から求めることができる。
【0092】 第4層(保護下層) ゼラチン 0.2g/m2 ラテックス(L) 0.2g/m2 ポリアクリル酸ナトリウム(平均分子量50000) 30mg/m2 化合物(K) 15mg/m2 第5層(保護上層) ゼラチン 0.4g/m2 TAI 50mg/m2 ポリメチルメタクリレート(マット剤:平均粒径5.0μm) 50mg/m2 コロイダルシリカ(平均粒径0.014μm) 10mg/m2 ホルムアルデヒド 20mg/m2 化合物(P) 20mg/m2 2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−1,3,5 −トリアジンナトリウム塩 10mg/m2 ビス−ビニルスルホニルメチルエーテル 36mg/m2 ポリアクリルアミド(平均分子量10000) 0.1g/m2 デキストラン 0.1g/m2 ポリシロキサン(SI) 20mg/m2 化合物(I) 12mg/m2 化合物(J) 2mg/m2 化合物(S−1) 7mg/m2 化合物(O) 50mg/m2 化合物(S−2) 5mg/m2 化合物(F−1) 3mg/m2 化合物(F−2) 2mg/m2 化合物(F−3) 1mg/m
【0093】
【化5】
【0094】
【化6】
【0095】
【化7】
【0096】尚、素材の付量は片面分であり、塗布銀量
は片面分として1.6g/mになる様に調整した。
【0097】下記方法で評価を行った。
【0098】(センシトメトリー 写真性能の評価)塗
布乾燥した試料1〜40を温度23℃、55%RHで3
日間保存した後4分割し、その内の1つを感度測定用と
してX線写真用増感紙KO−250ではさみ、ペネトロ
メータB型を介してX線照射後、ローラー搬送型自動現
像機(SRX−501:コニカ(株)製)を用い下記組
成の現像液、定着液にて処理を行った。感度は試料1が
カブリ+1.0の濃度を与えるのに要した露光エネルギ
ー量の逆数を100とした相対値で表した。
【0099】(カブリ測定)上記残りの試料の内2つを
用い、一方は先条件で更に5日間保存した。残りの一方
を、高湿度下保存代用テストとして温度50℃、80%
RHで5日間保存した。これらの試料を未露光のまま下
記組成の現像液、定着液にて処理した後、カブリを測定
し、保存性の評価をした。カブリ値はフイルムベース濃
度を差し引いた正味のカブリ濃度を示す。
【0100】(ローラーマークの評価)上記得られた試
料の残る1つを四切サイズ1枚当たり(10×12イン
チ)黒化濃度が1.0になる様に一様露光した後、下記
の処理を行った。但し、この時使用した現像ラック、現
像から定着への渡りラックは故意に疲労させたものを用
いた。即ち、各ラックのローラーは疲労のため、約10
μm程度の凹凸が全面にできていた。処理後の試料には
この凹凸に起因する圧力のため、耐圧性の悪い試料には
細かい斑点状の濃度ムラが多数発生した。このレベルを
以下のランクによって目視評価した。
【0101】5 斑点の発生なし 4 斑点が僅かに発生しているが実用上問題にならない
レベル 3 斑点が少量発生しているが通常ラックでは発生しな
い許容限界レベル 2 斑点が発生しており、通常ラックでも時々発生する 1 斑点が多発しており、通常ラックでも常に発生して
いる。
【0102】(銀色調の評価)塗布試料を胸部ファント
ーム及び蛍光増感紙SRO−250(コニカ製)を用い
て管電圧90kVpでX線撮影した。撮影後、センシト
メトリーと同様な方法で現像処理した。得られた試料を
シャウカステン上で観察し、透過光による現像銀の色調
を下記の基準で目視評価した。
【0103】1:黄色味を帯びた黒色 2:やや黄色味を帯びた黒色 3:赤味を帯びた黒色 4:やや赤味を帯びた黒色 5:純黒調 評価1は実用外、評価5が最も良く、実用的には4以上
である。
【0104】(残色の評価)塗布試料を30.5cm×
25.4cmのサイズに断裁し、未露光のままセンシト
メトリーと同様な方法で現像処理し、残色の度合いを目
視にて下記の基準で評価した。
【0105】A:殆ど残色しない B:僅かに残色しているが気にならない C:残色したいるが実用許容範囲 D:残色が多く不可。
【0106】 (現像液処方)PartA(12l仕上げ用) 水酸化カリウム 450g 亜硫酸カリウム(50%溶液) 2280g ジエチレンテトラアミン5酢酸 120g 重炭酸水素ナトリウム 132g 5−メチルベンゾトリアゾール 1.2g 1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール 0.2g ハイドロキノン 340g 水を加えて5000mlに仕上げる。
【0107】PartB(12l仕上げ用) 氷酢酸 170g トリエチレングリコール 185g 1−フェニル−3−ピラゾリドン 22g 5−ニトロインダゾール 0.4gスターター 氷酢酸 120g 臭化カリウム 225g 水を加えて1000mlに仕上げる。
【0108】 (定着液処方)PartA(18l仕上げ用) チオ硫酸アンモニウム(70wt/vol%) 6000g 亜硫酸ナトリウム 110g 酢酸ナトリウム・3水塩 450g クエン酸ナトリウム 50g グルコン酸 70g 1−(N,N−ジメチルアミノ)−エチル−5−メルカプトテトラゾール 18gPartB 硫酸アルミニウム 800g 現像液の調製は水約5lにPartA、PartBを同
時添加し、撹拌溶解しながら水を加え12lに仕上げ氷
酢酸でpHを10.40に調整した。これを現像液と
し、又現像補充液は現像液と同じものを使用した。この
現像補充液に対して前記のスターターを20ml/l添
加しpHを10.26に調整し使用液とする。
【0109】定着液の調製は水約5lにPartA、P
artBを同時添加し、撹拌溶解しながら水を加え18
lに仕上げ、硫酸とNaOHを用いてpHを4.4に調
整した。これを定着液とし、又定着補充液は定着液と同
じものを使用した。
【0110】結果を表1、表2に示す。
【0111】
【表1】
【0112】
【表2】
【0113】表1、表2の結果から、本発明の試料は、
写真性能、ローラーマーク、銀色調及び残色のそれぞれ
について良好であることがわかる。
【0114】実施例2 実施例1で作製した試料をローラー搬送型自動現像機
(SRX−501:コニカ(株)製)を改造して搬送ス
ピードを速めたものを用いて実施例1と同様にして処理
を行い、写真性能及びローラーマークの評価を行った。
尚、以下の条件で各試料をランニング平衡に達するまで
処理しランニング平衡液1及び2を作製した。
【0115】 四切サイズ1枚当たり(10×12インチ)の現像液の
補充条件として、ランニング平衡液1及び2の補充量を
示す。尚、カッコ内はm2当たりの換算量を表す。
【0116】 補充条件 ランニング平衡液1 ランニング平衡液2 現像補充量 14.0ml 7.0ml (180ml/m2) (90ml/m2) 定着補充量 14.0ml 7.0ml (180ml/m2) (90ml/m2) 上記各試料をランニング平衡液1(条件1)及び2(条
件2)を用いて上記の条件で処理し、写真感度、ローラ
ーマーク、銀色調及び残色の評価を行った。その結果、
写真感度、ローラーマーク、銀色調及び残色の評価につ
いて、実施例1と同様良好な結果が得られた。
【0117】
【発明の効果】本発明により、高感度で迅速処理性に優
れ、ローラーマーク、銀色調及び増感色素の残留による
残色故障の改良されたハロゲン化銀写真感光材料を提供
することができた。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に少なくとも2層のハロゲン化
    銀乳剤層を有するハロゲン化銀写真感光材料において、
    該乳剤層のうち一層に塩化銀30〜100モル%で粒子
    表面の30〜100%が{110}面からなるハロゲン
    化銀粒子を含有し、他の少なくとも一層にアスペクト比
    2以上の平板状ハロゲン化銀粒子を含有することを特徴
    とするハロゲン化銀写真感光材料。
  2. 【請求項2】 塩化銀30〜100モル%で粒子表面の
    30〜100%が{110}からなるハロゲン化銀粒子
    が増感色素により分光増感されていることを特徴とする
    請求項1に記載のハロゲン化銀写真感光材料。
  3. 【請求項3】 アスペクト比2以上の平板状ハロゲン化
    銀粒子の主平面が{100}面であることを特徴とする
    請求項1又は2に記載のハロゲン化銀写真感光材料。
  4. 【請求項4】 アスペクト比2以上の平板状ハロゲン化
    銀粒子の主平面が{111}面であることを特徴とする
    請求項1又は2に記載のハロゲン化銀写真感光材料。
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