JPH08272020A - ハロゲン化銀乳剤及びそれを用いたハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀乳剤及びそれを用いたハロゲン化銀写真感光材料

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JPH08272020A
JPH08272020A JP7764595A JP7764595A JPH08272020A JP H08272020 A JPH08272020 A JP H08272020A JP 7764595 A JP7764595 A JP 7764595A JP 7764595 A JP7764595 A JP 7764595A JP H08272020 A JPH08272020 A JP H08272020A
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silver halide
solution
silver
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JP7764595A
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English (en)
Inventor
Tetsuya Suzuki
哲也 鈴木
Yoshihiro Haga
義広 羽賀
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Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は、高感度で露光時の湿度依存
性が小さく、かつローラー式自動現像機による迅速現像
処理時のローラーマークの発生の少ないハロゲン化銀乳
剤及びそれを用いたハロゲン化銀写真感光材料を提供す
ることにある。 【構成】 基板上に配向させて塗布したハロゲン化銀乳
剤のX線回析分析法において[222]面の回析線強度
に対する[220]面の回析線強度が8%未満であり、
かつセレン増感されていることを特徴とするハロゲン化
銀乳剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はハロゲン化銀乳剤及びそ
れを用いたハロゲン化銀写真感光材料に関し、詳しくは
高感度で露光時の湿度依存性が小さく、かつローラー式
自動現像機による迅速現像処理時のローラーマークの発
生の少ないハロゲン化銀乳剤及びそれを用いたハロゲン
化銀写真感光材料に関する。
【0002】
【従来の技術】ハロゲン化銀写真感光材料に使用するハ
ロゲン化銀乳剤は高感度化を謀るために各種の化学物質
を用いて化学増感処理を施す。その代表的な増感方法と
しては硫黄増感、セレン増感、還元増感、金等の貴金属
増感等が知られており、通常これらを組み合わせて化学
増感処理する。
【0003】上記の増感法のうち、セレン増感に関して
は著しい増感効果が得られるがカブリが高く、この欠点
を改良すべく下記の様なセレン増感に関する技術が知ら
れている。しかしながら、セレン増感されたハロゲン化
銀乳剤を用いた写真感光材料の写真性能は露光時の湿度
に左右され易く、形成した潜像が不安定であることが知
られており、改良技術の出現が望まれていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的
は、高感度で露光時の湿度依存性が小さく、かつローラ
ー式自動現像機による迅速現像処理時のローラーマーク
の発生の少ないハロゲン化銀乳剤及びそれを用いたハロ
ゲン化銀写真感光材料を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は下記
構成によって達成された。
【0006】(1)基板上に配向させて塗布したハロゲ
ン化銀乳剤のX線回析分析法において[222]面の回
析線強度に対する[220]面の回析線強度が8%未満
であり、かつセレン増感されていることを特徴とするハ
ロゲン化銀乳剤。
【0007】(2)アンモニア性硝酸銀水溶液を用いて
種乳剤を成長させるハロゲン化銀乳剤の成長工程におい
て、該成長工程のpHが7.5以下で行われることを特
徴とする(1)に記載のハロゲン化銀乳剤。
【0008】(3)支持体上の少なくとも一方の側にに
少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤層を有するハロゲン
化銀写真感光材料において、該ハロゲン化銀乳剤層を構
成するハロゲン化銀乳剤の少なくとも40%以上が
(1)および(2)に記載のハロゲン化銀乳剤から選ば
れる少なくとも一つであることを特徴とするハロゲン化
銀写真感光材料。
【0009】以下、本発明を具体的に説明する。
【0010】本発明に係るハロゲン化銀写真感光材料の
ハロゲン化銀乳剤は、正常晶粒子、のような全て等方的
に成長したもの、双晶面のような面欠陥を有した双晶か
らなるもの、或はそれらの混合型または複合型であって
もよい。
【0011】本発明における乳剤のX線回析線強度(ハ
ロゲン化銀粒子の面の規定)については、例えば、「ブ
レタン オブ ザ ソサエティ オブ サイエンティフ
ィック フォトグラフィー オブ ジャパン」、13
巻、5頁に記載されているように、基板上に配向させて
塗布したハロゲン化銀乳剤(ハロゲン化銀粒子を含む)
の粉末法X線回析分析法(粉末法)において、[11
1]面に対応する[222]面に帰属される回析線強度
に対し[110]に対応する[220]面に帰属される
回析線強度が8%未満、好ましくは5%未満、更に好ま
しくは3%未満である。
【0012】これらのハロゲン化銀粒子の粒径は0.2μm
から3.0μmの範囲が好ましく、0.3〜2.0μmがさらに好
ましい。ここで、粒径とは電子顕微鏡写真から求めた値
であり粒子の投影像を同面積の円像に換算したときの直
径を言う。
【0013】本発明のハロゲン化銀写真感光材料に用い
られる乳剤は、例えばリサーチ・ディスクロージャー(R
D)No.17643(1978年12月),22〜23頁の“Emulsion Prepa
ration and Types”に記載の方法、或は同(RD)No.18716
(1979年11月),648頁に記載の方法、およびT.H.James著
“The Theory of the Photographic process”第4版、M
acmillan社刊(1977年)38〜104頁に記載の方法、G.F.Duf
fin著“PhotographicEmulsion Chemistry”、Focal Pre
ss社刊(1966年)、P.Glafkides著“Chimie etPhysique P
hotographique”Paul Montel社刊(1967年)或はV.L.Zeli
kman他著“Making And Coating Photographic Emulsio
n" Focal Press社刊(1964)などに記載の方法等を参考に
調製することができる。
【0014】即ち、酸性法、アンモニア法、中性法など
の溶液条件にて順混合法、逆混合法、ダブルジェット
法、コントロール・ダブルジェット法などの混合条件、
コンバージョン法、コア/シェル法などの粒子調製条件
およびこれらの組合わせ法を用いて製造することができ
る。
【0015】本発明のハロゲン化銀乳剤の成長工程にお
いてアンモニア性硝酸銀水溶液を用いて酢酸等によりp
Hを7.5以下に終始制御するアンモニア法が好まし
く、より好ましくはpHを7.0以下に制御することが
好ましい。
【0016】本発明のハロゲン化銀粒子の粒径分布は、
狭い分布を有した単分散乳剤、或は広い分布を有した多
分散乳剤のいずれであってもよく、これらを併用しても
よいが単分散乳剤が好ましい。
【0017】ここで言う単分散であるとは、粒径のバラ
ツキ(標準偏差)を平均粒径で割った値(変動係数)に
100を乗じた値、即ち(標準偏差/平均粒径)×10
0=分布の広さ(%)が、好ましくは30%以内、より好
ましくは20%以内であることを言う。
【0018】かかる単分散乳剤の製法は公知で、例えば
J.Phot.Sci,12.242〜251,(1963)、特開昭48-36890号、
同52-16364号、同55-142329号、同58-49938号、英国特
許1,413,748号、米国特許3,574,628号及び同3,655,394
号などに詳しく記載されている。
【0019】上記の単分散乳剤を得るための方法として
例えば種晶を用い、この種晶を成長核として銀イオン及
びハライドイオンを供給し成長させた乳剤を用いてもよ
い。
【0020】ハロゲン化銀の結晶構造は内部と外部が異
なったハロゲン化銀組成からなっていてもよく、例えば
高沃化銀のコア部分に低沃化銀のシェル層を被覆して明
確な2層構造を有するか或はさらに沃化銀含有量の異な
る殻層を設け、3層以上の構造を有したコア/シェル型
単分散乳剤であってもよい。
【0021】上記のコア/シェル型乳剤の製法は公知
で、例えばJ.Phot.Sci,24.198.(1976)、英国特許1,027,
146号、米国特許3,505,068号、同4,444,877号或は特開
昭60-143331号などに記載の方法を参考にすることがで
きる。
【0022】ハロゲン化銀乳剤は、塩化銀、臭化銀、沃
化銀、塩臭化銀、沃臭化銀等ハロゲン組成は任意である
が、高感度という点から沃臭化銀が好ましく、平均沃化
銀含有率は、0.1〜5.0モル%であって特に好ましくは0.
5〜3.0モル%である。
【0023】又、本発明に係るハロゲン化銀乳剤は、ハ
ロゲン組成が粒子内で均一であってもよく、沃化銀が局
在したものであってもよい。
【0024】ハロゲン化銀粒子の大きさ及び形状は、粒
子形成時の温度、銀電位、銀塩及びハロゲン化物水溶液
の添加速度などによってコントロールできる。
【0025】ハロゲン化銀乳剤の製造時に、必要に応じ
てハロゲン化アルカリ、アンモニア、チオエーテル、チ
オ尿素等のハロゲン化銀溶剤を用いることができる。
【0026】上述した乳剤は、粒子表面に潜像を形成す
る表面潜像型あるいは粒子内部に潜像を形成する内部潜
像型、表面と内部に潜像を形成する型のいずれの乳剤で
有ってもよい。これらの乳剤は、物理熟成あるいは粒子
調製の段階で鉄塩、カドミウム塩、鉛塩、亜鉛塩、タリ
ウム塩、ルテニウム塩、オスミウム塩、イリジウム塩又
はその錯塩、ロジウム塩またはその錯塩などを用いても
よい。
【0027】乳剤は可溶性塩類を除去するために限外濾
過法、ヌーデル水洗法、フロキュレーション沈降法など
の水洗方法がなされてよい。好ましい水洗法としては、
例えば特公昭35-16086号記載のスルホ基を含む芳香族炭
化水素系アルデヒド樹脂を用いる方法、又は特開昭63-1
58644号記載の凝集高分子剤例示G3、G8などを用い
る方法が特に好ましい脱塩法として挙げられる。
【0028】本発明のハロゲン化銀乳剤は化学増感(化
学熟成)されることが好ましい。ハロゲン化銀乳剤の増
感法としてカルコゲン増感及び金増感を併用することが
好ましい。特に金増感と硫黄増感の併用は増感効果が顕
著であるだけでなく、カブリ抑制効果も得られるので好
ましい。
【0029】硫黄増感には増感剤として例えばチオ硫酸
塩、アリルチオカルバミドチオ尿素、アリルイソチアシ
アネート、シスチン、p-トルエンチオスルホン酸塩、ロ
ーダニンなどが挙げられる。その他米国特許1,574,944
号、同3,656,955号、ドイツ特許1,422,869号、特公昭56
-24937号、特開昭55-45016号などに記載されている硫黄
増感剤も用いることができる。硫黄増感剤の添加量は乳
剤の感度を効果的に増大させるに十分な量でよい。この
量はpH、温度、ハロゲン化銀粒子の大きさなど種々の
条件下で広範囲に変化できるが目安としては、ハロゲン
化銀1モル当たり10-7〜10-1モルが好ましい。
【0030】金増感には、金増感剤として例えば塩化金
酸塩、金チオ尿素錯塩、カリウムクロロオーレート、オ
ーリックトリクロライド、カリウムオーリックチオシア
ネート、カリウムヨードオーレート、テトラシアノオー
リックアミド、アンモニウムオーロチオシアネート、ピ
リジルトリクロロゴールドなどが挙げられる。これら金
増感剤の添加量は種々の条件下で広範囲に変化できるが
目安としては、ハロゲン化銀1モル当たり5×10-7〜5
×10-3モルが好ましく、2×10-6〜4×10-4モルが更に
好ましい。
【0031】本発明においては還元増感及び水素増感法
を用いることができる。還元増感剤としては第一錫塩、
アミン類、ホルムアミンジスルフィン酸、シラン化合
物、ボラン化合物、アスコルビン酸及びその誘導体等を
用いることができる。
【0032】還元増感剤の添加量は、化合物の還元性及
びハロゲン化銀の種類、溶解条件等の乳剤製造条件によ
って異なるが、ハロゲン化銀1モル当り1×10-8〜1×
10−2モルの範囲が適当である。
【0033】さらに本発明のハロゲン化銀乳剤は、セレ
ン増感される。さらに上記した他の増感法と併用するこ
とが好ましく、さらに硫黄増感法と金増感法との併用が
好ましい。
【0034】ここでセレン増感とは、従来公知の方法に
て、実施される。すなわち、通常、不安定型セレン化合
物および/または非不安定型セレン化合物を添加して、
高温、好ましくは40℃以上で乳剤を一定時間撹拌する
ことにより行われる。特公昭44-15748号に記載の不安定
セレン増感剤を用いるセレン増感が好ましく用いられ
る。具体的な不安定セレン増感剤としては、アリルイソ
セレノシアネートの如き脂肪族イソセレノシアネート
類、セレノ尿素類、セレノケトン類、セレノアミド類、
セレノカルボン酸類およびエステル類、セレノフォスフ
ェート類がある。特に好ましい不安定セレン化合物は以
下に示される。
【0035】コロイド状金属セレン 有機セレン化合物(セレン原子が共有結合により有機
化合物の炭素原子に2重結合しているもの) a.イソセレノシアネート類 例えば、アリルイソセレノシアネートの如き脂肪族イソ
セレノシアネートb.セレノ尿素類(エノール型を含
む) 例えば、セレノ尿素、及びメチル、エチル、プロピル、
イソプロピル、ブチル、ヘキシル、オクチル、ジオクチ
ル、テトラメチル、N-(βカルボキシエチル)-N,N′-
ジメチル、N,N-ジメチル、ジエチル、ジメチル等の脂肪
族セレノ尿素;フェニル、トリル等の芳香族基を1個又
はそれ以上もつ芳香族セレノ尿素;ピリジル、ベンゾチ
アゾリル等の複素環式基をもつ複素環式セレノ尿素。
【0036】特に好ましいセレノ尿素類としてはN,N′-
4置換セレノ尿素である。好ましい置換基は、R、RC
O−、ArCO−であり、Rはアルキル基もしくはパー
フルオロアルキル基であり(C数1〜7が好ましい)、
Arはハロゲン又は、低級アルコキシ基で置換されても
よいフェニル基である。
【0037】c.セレノケトン類 例えば、セレノアセトン、セレノアセトフェノン、アル
キル基が=C=Seに結合したセレノケトン、セレノベ
ンゾフェノン、 d.セレノアミド類 例えば、セレノアミド e.セレノカルボン酸およびエステル類 例えば、2-セレノプロピオン酸、3-セレノ酪酸、メチル
-3-セレノブチレート その他 a.セレナイド類 例えば、ジエチルセレナイド、ジエチルジセレナイド、
トリフェニルフォスフィンセレナイド b.セレノフォスフェート類 例えば、トリ-p-トリセレノフォスフェート、トリ-n-ブ
チルセレノフォスフェート 不安定型セレン化合物の好ましい類型を上に述べたがこ
れらは限定的なものではない。当業技術者には写真乳剤
の増感剤としての不安定型セレン化合物といえば、セレ
ンが不安定である限りに於いて該化合物の構造はさして
重要なものではなく、セレン増感剤分子の有機部分はセ
レンを担持し、それを不安定な形で乳剤中に存在せしめ
る以外何らの役割をもたぬことが一般に理解されてい
る。本発明に於いては、かかる広範な概念の不安定セレ
ン化合物が有利に用いられる。
【0038】特公昭46-4553号、特公昭52-34492号およ
び特公昭52-34491号に記載の非不安定型セレン増感剤を
用いるセレン増感も用いられる。非不安定型セレン化合
物には例えば亜セレン酸、セレノシアン化カリウム、セ
レナゾール類、セレナゾール類の4級アンモニウム塩、
ジアリールセレニド、ジアリールジセレニド、2-チオセ
レナゾリジンジオン、2-セレノオキサゾリジンジオンお
よびこれらの誘導体等が含まれる。
【0039】特公昭52-38408号に記載の非不安定型セレ
ン増感剤、チオセレナゾリジンジオン化合物も有効であ
る。
【0040】本発明に係る乳剤の化学熟成温度は、任意
に決められるが好ましくは20〜90℃の範囲で、好ましく
は30〜80℃で、より好ましくは35〜70℃である。
【0041】本発明のハロゲン化銀乳剤は分光増感する
ことができる。
【0042】本発明に用いられる分光増感色素としては
通常メチン色素が用いられるが、これにはシアン色素、
メロシアニン色素、複合シアニン色素、複合メロシアニ
ン色素、ホロポーラーシアニン色素、ヘミシアニン色
素、スチリル色素およびヘミオキソノール色素等が包含
される。
【0043】例えば特願平3-95310号に記載されている
ようなオキサカルボシアニン、ベンゾイミダゾロカルボ
シアニン、ベンゾイミダゾロ−オキサカルボシアニンな
どが挙げられる。また、特願平5-121484号に記載されて
いる青色光域に増感効果を有する色素も好ましく用いら
れる。これらの分光増感色素は、それぞれ単一もしくは
組み合わせて用いることができる。
【0044】分光増感色素の添加は、メタノールのよう
な有機溶媒に溶解した溶液として、またはゼラチン水溶
液等に固体分散して、添加することが好ましい。
【0045】分光増感色素の添加量は色素の種類や乳剤
条件によって一様ではないが、乳剤の銀1モル当たり10
mg〜900mgが好ましく、60mg〜400mgが特に好ましい。
【0046】分光増感色素は、化学熟成工程の終了前に
添加するのが好ましく、化学熟成工程の終了前に数回に
分けて添加しても良い。更に好ましくはハロゲン化銀粒
子の成長工程終了後から、化学熟成工程の終了前であ
り、特に化学熟成開始前が好ましい。
【0047】本発明において化学増感(化学熟成)を停
止させるには乳剤の安定性などを考慮すると、化学熟成
停止剤を用いる方法が好ましい。この化学熟成停止剤と
しては、ハロゲン化物(例えば臭化カリウム、塩化ナト
リウム等)カブリ防止剤または安定剤として知られてい
る有機化合物(例えば4-ヒドロキシ-6-メチル-1,3,3a,7
-テトラザインデンなど)が挙げられる。これらは単独
でもしくは複数の化合物を併用して用いるもよい。
【0048】本発明のハロゲン化銀写真感光材料におい
て、本発明以外のハロゲン化銀乳剤を混合した場合、本
発明に係るハロゲン化銀乳剤層を構成するハロゲン化銀
乳剤の少なくとも40%以上が本発明の乳剤であるこ
と、好ましくは50%以上、更に好ましくは60%以上
が本発明の乳剤であることが好ましい。
【0049】本発明に係る乳剤は、物理熟成(粒子形
成)または化学熟成前後の工程において、各種の写真用
添加剤を用いることができる。公知の添加剤としては、
例えばリサーチ・ディスクロージャー(RD)No.17643
(1978年12月)、同No.18716(1979年11月)及び同No.3
08119(1989年12月)に記載された化合物が挙げられ
る。これら三つのリサーチ・ディスクロージャーに示さ
れている化合物種類と記載箇所を以下に掲載した。
【0050】 添加剤 RD-17643 RD-18716 RD-308119 頁 分類 頁 分類 頁 分類 化学増感剤 23 III 648 右上 996 III 増感色素 23 IV 648〜649 996〜8 IVA 減感色素 23 IV 998 VB 染料 25〜26 VIII 649〜650 1003 VIII 現像促進剤 29 XXI 648 右上 カブリ抑制剤・安定剤 24 IV 649 右上 1006〜7 VI 増白剤 24 V 998 V 硬膜剤 26 X 651 左 1004〜5 X 界面活性剤 26〜7 XI 650 右 1005〜6 XI 帯電防止剤 27 XII 650 右 1006〜7 XIII 可塑剤 27 XII 650 右 1006 XII スベリ剤 27 XII マット剤 28 XVI 650 右 1008〜9 XVI バインダー 26 XXII 1003〜4 IX 支持体 28 XVII 1009 XVII 本発明に係る感光材料に用いることのできる支持体とし
ては、例えば前述のRD-17643の28頁及びRD-308119の100
9頁に記載されているものが挙げられる。
【0051】適当な支持体としてはポリエチレンテレフ
タレートフィルムなどで、これら支持体の表面は塗布層
の接着をよくするために、下塗層を設けたり、コロナ放
電、紫外線照射などを施してもよい。
【0052】
【実施例】以下、本発明を実施例にて説明するが本発明
はこれらによって限定されるものではない。
【0053】〈種乳剤Em−01の調製〉以下に示す溶
液を用いて正常晶種乳剤Em−01を調製した。
【0054】 A01 臭化カリウム 2.05g オセインゼラチン 100g HO(CH2CH2O)m-(CH(CH3)CH2O)17-(CH2CH2O)n-H (m+n≒5.7) (10%メタノール溶液) 16ml 水仕上げ 11.5l B01 臭化カリウム 65g 沃化カリウム 1.8g オセインゼラチン 55g 0.2N硫酸 38.5cc 水仕上げ 2.6l C01 臭化カリウム 950g 沃化カリウム 27g オセインゼラチン 75g 水仕上げ 3.0l D01 硝酸銀 95g 水仕上げ 2.7l E01 硝酸銀 1410g 水仕上げ 3.2l 反応釜にA01液を入れて60℃に保温し、他の液は23℃
で添加した。この際、B01液及びD01液をコントロ
ールダブルジェット法により、30分間かけて添加し、そ
の後、C01液及びE01液をコントロールダブルジェ
ット法により105分間かけて加えた。撹拌は、500rpmで
行った。流速は、粒子の成長に伴い、ハロゲン化銀粒子
の総表面積に比例して増加せしめ、添加液の流入の際に
新しい成長核が発生せず、かつ、いわゆるオストワルド
熟成をおこし粒径分布の広がらない流速で添加した。銀
イオン液及びハライドイオン液の添加時において、pAg
は臭化カリウム液を用いて8.3±0.05に調整し、pHは硫
酸を用いて2.0±0.1に調整した。
【0055】添加終了後pHを6.0に合わせてから常法に
従って脱塩水洗処理を行った。更に追加ゼラチンを加え
種乳剤Em−01を得た。
【0056】得られた種乳剤Em−01を電子顕微鏡観
察したところ、粒径が0.27μm、角がやや欠けた沃化銀
含量が2モル%の14面体、分布の広さ17%の単分散粒
子であった。
【0057】〈乳剤EM−1の調製〉はじめに以下の溶
液を調製した。
【0058】 A1 オセインゼラチン 10g 28%アンモニア水 668ml 56%酢酸 108ml 水仕上げ 7400ml B1 臭化カリウム 95.4g 沃化カリウム 57.0g オセインゼラチン 7.7g 水仕上げ 1070ml C1 臭化カリウム 1500g オセインゼラチン 40.8g 水仕上げ 3000ml D1 硝酸銀 197g 28%アンモニア水 158ml 水仕上げ 1080m
l E1 硝酸銀 1980g 28%アンモニア水 1610ml 水仕上げ 3632ml F1 臭化カリウム 606g 水で 1470ml G1 硝酸銀 153g 28%アンモニア水 124ml 水仕上げ 840ml A1液を40℃に保温し撹拌機で800rpmで撹拌を行った。
A1液のpHは酢酸を用いて9.90に調整し、これに種乳
剤Em−01を銀0.47モル相当採取して分散懸濁させ
た。その後、B1液を7分間かけて等速で添加しpAgを
7.3にした。更に、B1液、D1液を同時に20分間かけ
て添加した。この時のpAgは7.30一定とした。更に、10
分間かけて臭化カリウム溶液及び酢酸を用いてpH=8.8
3、pAg=9.0に調整した後、C1液、E1液を同時に30
分間かけて添加した。この時、添加開始時と添加終了時
の流入速度比は1:10であり、時間とともに流速を上昇
せしめた。又、流入量に比例してpHを8.83から8.00ま
で低下せしめた。
【0059】更に酢酸を加えてpHを6.0に調整した。次
に常法に従って脱塩水洗処理を行って過剰な塩を除去し
乳剤EM−1を得た。
【0060】得られた乳剤EM−1を電子顕微鏡にて観
察したところ、平均粒径0.98μm、粒径の変動係数16%
の平均沃化銀含有量2.5モル%の立方体型単分散沃臭化
銀粒子であった。
【0061】〈EM−2の調製〉EM−1の調製法にお
いてE1液添加開始後、本乳剤における添加総銀量の9
0%添加終了時から、4.37Nの臭化カリウム水溶液
860mlを一定流量で5分間かけて添加した。この臭
化カリウム溶液の添加以外は、EM−1と全て同様な方
法でEM−2を調製した。
【0062】得られた乳剤EM−2を電子顕微鏡観察し
たところ、平均粒径0.98μm、粒径の変動係数19
%、かつ、X線回析のピーク強度比{(222)/(2
20)}%が9.7である単分散沃臭化銀粒子であっ
た。
【0063】〈EM−3の調製〉EM−1の調製法にお
いてE1液添加開始後、本乳剤における添加総銀量の7
5%添加終了時から、4.37Nの臭化カリウム水溶液
1200mlを一定流量で7分間かけて添加した。この
臭化カリウム溶液の添加以外は、EM−1と全く同様な
方法でEM−3を調製した。
【0064】得られた乳剤EM−3を電子顕微鏡観察し
たところ、平均粒径0.98μm、粒径の変動係数20
%、かつ、X線回析のピーク強度比{(222)/(2
20)}%が2.8である単分散沃臭化銀粒子であっ
た。
【0065】〈EM−4の調製〉EM−1の調製法にお
いてE1液の添加開始後、本乳剤における添加総銀量の
65%添加終了時から、4.37Nの臭化カリウム水溶
液1800mlを一定流量で10分間かけて添加した。
この臭化カリウム溶液の添加以外は、EM−1と全く同
様な方法でEM−4を調製した。
【0066】得られた乳剤EM−4を電子顕微鏡観察し
たところ、平均粒径0.98μm、粒径の変動係数23
%、かつ、X線回析のピーク強度比{(222)/(2
20)}%が1.2を有する単分散沃臭化銀粒子であっ
た。
【0067】〈EM−5の調製〉引き続き、種乳剤Em
−01と以下に示す溶液を用い、ハロゲン化銀乳剤EM
−5を調製した。
【0068】 〔A2〕 オセインゼラチン 33.5g HO(CH2CH2O)m-(CH(CH3)CH2O)17-(CH2CH2O)n-H (m+n≒5.7) (10%メタノール溶液) 3.0ml 28%アンモニア水溶液 370ml 56%酢酸水溶液 530ml 水仕上げ 3310ml 〔B2〕 オセインゼラチン 6.1g 臭化カリウム 143.0g 沃化カリウム 86.0g 水仕上げ 1230ml 〔C2〕 オセインゼラチン 24.0g 臭化カリウム 2430g 水を加えて 4800ml 〔D2〕 硝酸銀 292g 28%アンモニア水溶液 238.5ml 水仕上げ 1230ml 〔E2〕 硝酸銀 3190g 28%アンモニア水溶液 2600ml 水仕上げ 5360ml 〔F2〕 種乳剤Em−1 0.71モル相当 〔G2〕 3.5N臭化カリウム水溶液 pAg制御用 〔H2〕 56%酢酸水溶液 pH制御用 液温75℃で激しく撹拌した溶液A2に、F2即ち種乳剤E
m−1を入れ、よく分散させ、溶液B2と溶液D2を85分
でコントロールド・ダブルジェット法にて添加した。
【0069】ここで、溶液B2、溶液D2の添加速度は臨
界成長速度に見合うように時間に対して関数様に変化さ
せ、成長している種結晶以外の小粒子の発生及びオスト
ワルト熟成により多分散化しないように適切な添加速度
で添加した。
【0070】その後、溶液C2と溶液E2を95分かけてコ
ントロールド・ダブルジェット法にて臨界成長速度に見
合うように時間に対して関数添加した。
【0071】また、溶液G2、H2を用いることにより、
粒子成長中、pAg7.8,pH7.0に終始保持した。
【0072】添加終了後、直ちに酢酸によりpHを6.0に
調整し、過剰な塩類を除法するため、デモールN(花王
アトラス社製)水溶液及び硫酸マグネシウム水溶液を用
いて沈澱脱塩を行い、追加ゼラチンを加え40℃において
pAg8.5、pH5.85の条件で再分散し、乳剤EM−5を得
た。
【0073】得られた乳剤EM−5を電子顕微鏡にて観
察したところ、平均粒径0.97μm、粒径の変動係数19%
の平均沃化銀含有量2.5モル%の立方体型単分散沃臭化
銀粒子であった。
【0074】〈EM−6の調製〉EM−5の調製法にお
いてE2液添加開始後、本乳剤における添加総銀量の9
0%添加終了時から、4.37Nの臭化カリウム水溶液
860mlを一定流量で5分間かけて添加した。この臭
化カリウム溶液の添加以外は、EM−5と全て同様な方
法でEM−6を調製した。
【0075】得られた乳剤EM−6を電子顕微鏡観察し
たところ、平均粒径0.97μm、粒径の変動係数20
%、かつ、X線回析のピーク強度比{(222)/(2
20)}%が8.5である単分散沃臭化銀粒子であっ
た。
【0076】〈EM−7の調製〉EM−5の調製法にお
いてE2液添加開始後、本乳剤における添加総銀量の7
5%添加終了時から、4.37Nの臭化カリウム水溶液
1200ccを一定流量で7分間かけて添加した。この
臭化カリウム溶液の添加以外は、EM−5と全く同様な
方法でEM−7を調製した。
【0077】得られた乳剤EM−7を電子顕微鏡観察し
たところ、平均粒径0.98μm、粒径の変動係数23
%、かつ、X線回析のピーク強度比{(222)/(2
20)}%が2.9である単分散沃臭化銀粒子であっ
た。
【0078】〈EM−8の調製〉EM−5の調製法にお
いてE2液の添加開始後、本乳剤における添加総銀量の
65%添加終了時から、4.37Nの臭化カリウム水溶
液1800ccを一定流量で10分間かけて添加した。
この臭化カリウム溶液の添加以外は、EM−5と全く同
様な方法でEM−8を調製した。
【0079】得られた乳剤EM−8を電子顕微鏡観察し
たところ、平均粒径0.98μm、粒径の変動係数25
%、かつ、X線回析のピーク強度比{(222)/(2
20)}%が1.5である単分散沃臭化銀粒子であっ
た。
【0080】〈種乳剤Em−1の調製〉以下の方法によ
り種乳剤Em−1を調製した。
【0081】 〔A3〕 オセインゼラチン 24.2g 蒸留水 9657ml HO(CH2CH2O)m-(CH(CH3)CH2O)17-(CH2CH2O)n-H (m+n≒5.7) (分子量1700) (10%メタノール水溶液) 6.78ml KBr 10.8g 10%硝酸 114ml 〔B3〕 2.5N AgNO3水溶液 2825ml 〔C3〕 KBr 824g KI 23.5g 蒸留水で2825mlにする 〔D3〕 1.75N KBr水溶液 下記銀電位制御量 35℃で特公昭58-58288号、同58-58289号明細書に示され
る混合撹拌機を用いて溶液A3に溶液B3及び溶液C3
各々464.3mlを同時混合法により2分を要して添加し、
核形成を行った。
【0082】溶液B3及び溶液C3の添加を停止した後、
60分の時間を要して溶液A3の温度を60℃に上昇させ、
3%KOHでpHを5.0に合わせた後、再び溶液B3と溶液C
3を同時混合法により、各々55.4ml/minの流量で42分間
添加した。この35℃から60℃への昇温及び溶液B3、C3
による再同時混合の間の銀電位(飽和銀-塩化銀電極を比
較電極として銀イオン選択電極で測定)を溶液D3を用い
てそれぞれ+5mv及び+12mvになるよう制御した。
【0083】添加終了後3%KOHによってpHを6に合わ
せ直ちに脱塩、水洗を行った。この種乳剤Em−1はハ
ロゲン化銀粒子の全投影面積の90%以上が最大隣接辺比
が1.0〜2.0の六角平板粒子よりなり、六角平板粒子の平
均厚さは0.05μm、平均直径(円直径換算)は0.55μmであ
ることが電子顕微鏡により判明した。
【0084】〈沃化銀微粒子乳剤の調製〉0.008モルの
沃化カリウムを含む5.2重量%のゼラチン溶液5000ml、
1.06モルの硝酸銀と沃化カリウムを含む水溶液をそれぞ
れ1500mlを一定流量で35分かけて添加した。この間、温
度は40℃に保持した。得られた沃化銀微粒子の平均粒径
は0.043μmでβ-AgIとγ-AgIの混合物であった。
【0085】〈EM−9の調製〉種乳剤Em−1と以下
に示す溶液を用い、本発明に係る双晶よりなるハロゲン
化銀乳剤EM−9を調製した。
【0086】 〔A4〕 オセインゼラチン 40.5g HO(CH2CH2O)m-(CH(CH3)CH2O)17-(CH2CH2O)n-H (m+n≒5.7) (10%メタノール溶液) 9.0ml 28%アンモニア水溶液 370ml 56%酢酸水溶液 537ml 水仕上げ 3472ml 〔B4〕 オセインゼラチン 27.0g 臭化カリウム 2732g 水仕上げ 5400ml 〔C4〕 硝酸銀 3477g 28%アンモニア水溶液 2835ml 水仕上げ 5850ml 〔D4〕 沃化銀微粒子乳剤 0.31モル相当 〔E4〕 種乳剤Em−1 0.42モル相当 〔F4〕 3.5N臭化カリウム水溶液 pAg制御用 〔G4〕 56%酢酸水溶液 pH制御用 液温75℃で激しく撹拌した溶液A4に、E4即ち種乳剤E
m−1を入れ、よく分散させ、溶液B4と溶液C4及びD
4を197分でコントロールド・トリプルジェット法にて添
加した。尚D4はB4の10%添加時で添加を終了した。
【0087】ここで、溶液B4、溶液C4および溶液D4
の添加速度は臨界成長速度に見合ったように時間に対し
て関数様に変化させ、成長している種結晶以外の小粒子
の発生及びオストワルト熟成により多分散化しないよう
に適切な添加速度で添加した。溶液D4即ち沃化銀微粒
子の供給は、溶液B4即ちアンモニア性硝酸銀水溶液と
の速度比(モル比)を0.33として粒径(添加時間)に対
して変化させた。
【0088】また、溶液F4、G4を用いることにより、
粒子成長中のpAg7.4,pH7.0に終始保持した。
【0089】添加終了後、直ちに酢酸によりpHを6.0に
調整し、過剰な塩類を除法するため、デモールN(花王
アトラス社製)水溶液及び硫酸マグネシウム水溶液を用
いて沈澱脱塩を行い、ゼラチンを加え40℃においてpAg
8.5、pH5.85の条件で再分散し、平均沃化銀含有率0.5
モル%の乳剤EM−9を得た。
【0090】得られた乳剤を電子顕微鏡にて観察したと
ころ、平行な双晶面を2枚有する平均粒径0.99μm、粒
径の変動係数20%、コア部の沃化銀含有量30モル%、平
均沃化銀含有量2.5モル%の立方体型単分散沃臭化銀コ
ア/シェル粒子であった。
【0091】〈EM−10の調製〉EM−9の調製法に
おいてC4液添加開始後、本乳剤における添加総銀量の
90%添加終了時から、4.37Nの臭化カリウム水溶
液900mlを一定流量で5分間かけて添加した。この
臭化カリウム溶液の添加以外は、EM−9と全て同様な
方法でEM−10を調製した。
【0092】得られた乳剤EM−10を電子顕微鏡観察
したところ、平均粒径0.99μm、粒径の変動係数2
0%、かつ、X線回析のピーク強度比{(222)/
(220)}%が7.2である単分散沃臭化銀粒子であ
った。
【0093】〈EM−11の調製〉EM−9の調製法に
おいてC4液の添加開始後、本乳剤における添加総銀量
の75%添加終了時から、4.37Nの臭化カリウム水
溶液1200mlを一定流量で7分間かけて添加した。
この臭化カリウム溶液の添加以外は、EM−9と全く同
様な方法でEM−11を調製した。
【0094】得られた乳剤EM−11を電子顕微鏡観察
したところ、平均粒径1.00μm、粒径の変動係数2
2%、かつ、X線回析のピーク強度比{(222)/
(220)}%が2.2である単分散沃臭化銀粒子であ
った。
【0095】〈EM−12の調製〉EM−9の調製法に
おいてC4液添加開始後、本乳剤における添加総銀量の
65%添加終了時から、4.37Nの臭化カリウム水溶
液1800mlを一定流量で10分間かけて添加した。
この臭化カリウム溶液の添加以外は、EM−9と全く同
様な方法でEM−12を調製した。
【0096】得られた乳剤EM−12を電子顕微鏡観察
したところ、平均粒径1.00μm、粒径の変動係数2
3%、かつ、X線回析のピーク強度比{(222)/
(220)}%が2.0である単分散沃臭化銀粒子であ
った。
【0097】〈EM−13の調製〉種乳剤Em−1と以
下に示す溶液を用い、本発明に係る双晶よりなるハロゲ
ン化銀乳剤を調製した。
【0098】 〔A5〕 オセインゼラチン 40.0g HO(CH2CH2O)m-(CH(CH3)CH2O)17-(CH2CH2O)n-H (m+n≒5.7) (10%メタノール溶液) 3.0ml 28%アンモニア水溶液 370ml 56%酢酸水溶液 285ml 水仕上げ 3430ml 〔B5〕 オセインゼラチン 24.0g 臭化カリウム 2430g 水仕上げ 4800ml 〔C5〕 硝酸銀 3443g 28%アンモニア水溶液 2770ml 水仕上げ 5790ml 〔D5〕 沃化銀微粒子乳剤 0.31モル相当 〔E5〕 種乳剤Em−1 0.42モル相当 〔F5〕 3.5N臭化カリウム水溶液 pAg制御用 〔G5〕 56%酢酸水溶液 pH制御用 液温45℃で激しく撹拌した溶液A5に、E5即ち種乳剤E
m−1を入れ、よく分散させ、溶液B5と溶液C5及びD
5を153分でコントロールド・トリプルジェット法にて添
加した。尚D5はB5の10%添加時で添加を終了した。
【0099】ここで、溶液B5、溶液C5および溶液D5
の添加速度は臨界成長速度に見合ったように時間に対し
て関数様に変化させ、成長している種結晶以外の小粒子
の発生及びオストワルト熟成により多分散化しないよう
に適切な添加速度で添加した。溶液D5即ち沃化銀微粒
子の供給は、溶液C5即ちアンモニア性硝酸銀水溶液と
の速度比(モル比)を0.33として粒径(添加時間)に対
して変化させた。
【0100】また、溶液F5、G5を用いることにより、
粒子成長中のpAg8.9に保持し、pHは溶液B5、溶液C5
の添加開始時に9.00、添加終了時に8.00になるように連
続的に変化させた。
【0101】添加終了後、直ちに酢酸によりpHを6.0に
調整し、過剰な塩類を除法するため、デモールN(花王
アトラス社製)水溶液及び硫酸マグネシウム水溶液を用
いて沈澱脱塩を行い、ゼラチンを加え40℃においてpAg
8.5、pH5.85の条件で再分散し、乳剤EM−13を得
た。
【0102】得られた乳剤を電子顕微鏡にて観察したと
ころ、平行な双晶面を2枚有する平均粒径0.99μm、粒
径の変動係数18%、コア部の沃化銀含有量30モル%、平
均沃化銀含有量2.5モル%の立方体型単分散沃臭化銀コ
ア/シェル粒子であった。
【0103】〈EM−14の調製〉EM−13の調製法
においてC5液添加開始後、本乳剤における添加総銀量
の90%添加終了時から、4.37Nの臭化カリウム水
溶液900mlを一定流量で5分間かけて添加した。こ
の臭化カリウム溶液の添加以外は、EM−13と全て同
様な方法でEM−14を調製した。
【0104】得られた乳剤EM−14を電子顕微鏡観察
したところ、平均粒径0.99μm、粒径の変動係数1
9%、かつ、X線回析のピーク強度比{(222)/
(220)}%が8.8である単分散沃臭化銀粒子であ
った。
【0105】〈EM−15の調製〉EM−13の調製法
においてC5液添加開始後、本乳剤における添加総銀量
の75%添加終了時から、4.37Nの臭化カリウム水
溶液1200mlを一定流量で7分間かけて添加した。
この臭化カリウム溶液の添加以外は、EM−13と全く
同様な方法でEM−15を調製した。
【0106】得られた乳剤EM−13を電子顕微鏡観察
したところ、平均粒径1.00μm、粒径の変動係数2
3%、かつ、X線回析のピーク強度比{(222)/
(220)}%が1.8である単分散沃臭化銀粒子であ
った。
【0107】〈EM−16の調製〉EM−13の調製法
においてC5液添加開始後、本乳剤における添加総銀量
の65%添加終了時から、4.37Nの臭化カリウム水
溶液1800mlを一定流量で10分間かけて添加し
た。この臭化カリウム溶液の添加以外は、EM−13と
全く同様な方法でEM−16を調製した。
【0108】得られた乳剤EM−16を電子顕微鏡観察
したところ、平均粒径1.01μm、粒径の変動係数2
5%、かつ、X線回析のピーク強度比{(222)/
(220)}%が0.9である単分散沃臭化銀粒子であ
った。
【0109】〈乳剤の化学増感〉得られた乳剤EM−1
〜EM−16を48℃にて撹拌保持しながら下記化合物
(a)、及び(b)を添加し、その10分後に銀1モル
当たりチオシアン酸アンモニウム52mg、塩化金酸
0.5mg、チオ硫酸ナトリウム1.7mg、及びトリ
フェニルフォスフィンセレナイド4×10-2mgとなる
ように添加した。その後、4−ヒドロキシ−6−メチル
−1,3,3a−テトラザインデン、3.5g及び1−
フェニル−5−メルカプトテトラゾール3mgを加えて
安定化した。尚、化合物(a)及び(b)は、それぞれ
の乳剤で最適な化学増感が施されるように添加量を20
mgから70mgの間で調整した。
【0110】
【化1】
【0111】〈塗布試料の作成〉得られた化学増感を施
した乳剤EM−1〜EM−16に後記した添加剤を加え
て乳剤層塗布液とした。また同時に後記の保護層塗布液
も調製した。尚、塗布量は片面当たり銀量が2.5g/
m2、ゼラチン付き量は1.85g/m2となるように2台のス
ライドホッパー型コーターを用い毎分80mのスピードで
支持体上に両面同時塗布を行い、2分20秒で乾燥し、そ
れぞれ塗布試料No.1〜No.16を得た。支持体としては
グリシジルメタクリレート50wt%、メチルアクリレート
10wt%、ブチルメタクリレート40wt%の3種モノマーか
らなる共重合体の濃度が10wt%になるように希釈して得
た共重合体水性分散液を下引き液とした175μmのX線フ
ィルム用の濃度0.15に青色着色したポリエチレンテレフ
タレートフィルムベースを用いた。
【0112】乳剤に用いた添加剤は次のとおりである。
添加量はハロゲン化銀1モル当たりの量で示す。
【0113】 1,1-ジメチロール-1-ブロム-1-ニトロメタン 70mg t-ブチル-カテコール 82mg ポリビニルピロリドン(分子量10,000) 1.0g スチレン-無水マレイン酸共重合体 2.5g ニトロフェニル-トリフェニルホスホニウムクロリド 50mg 1,3-ジヒドロキシベンゼン-4-スルホン酸アンモニウム 2.0g 2-メルカプトベンツイミダゾール-5-スルホン酸ナトリウム 1.5mg
【0114】
【化2】
【0115】 C4H9OCH2CH(OH)CH2N(CH2COOH)2 1g 1-フェニル-5-メルカプトテトラゾール 15mg ジエチレングリコール 7g デキストラン(平均分子量6万) 600mg ポリアクリル酸ナトリウム(平均分子量3.6万) 2.5g 次に保護層用塗布液として下記を調製した。添加剤は塗
布液1l当たりの量で示す。
【0116】 石灰処理イナートゼラチン 68g 酸処理ゼラチン 2g ソジウム-i-アミル-n-デシルスルホサクシネート 0.3g ポリメチルメタクリレート(面積平均粒径3.5μmのマット剤) 1.1g 二酸化ケイ素粒子(面積平均粒径1.2μmのマット剤) 0.5g ルドックスAM(デュポン社製)(コロイドシリカ) 30g (CH2=CHSO2CH2)2O(硬膜剤) 7mg グリオキザール40%水溶液(硬膜剤) 2.0ml
【0117】
【化3】
【0118】《写真性能の評価》 〈感度の評価〉露光する際の湿度の影響による感度の変
動について検討した。即ち、23℃、55%RH下に置いた試
料と、25℃、75%RHの暗室に1時間放置した試料とを、
それぞれ直ちに2枚の増感紙NR-160(コニカ〔株〕製)
で挟み、アルミウエッジを介して管電圧60kvp、管電流3
20mA、0.05秒間のX線を照射した。次いでローラ搬送型
自動現像機SRX−503を用い、現像液及び定着液のS
R−DF(いずれもコニカ〔株〕製)で現像定着した。
【0119】処理時間はdry to dryで90秒処理し感度を
求めた。なお処理中の温度は、現像が35℃、定着が33
℃、水洗20℃、乾燥は50℃で処理した。感度はカブリ+
1.0の濃度を与える露光量の逆数で表し、試料No.1の23
℃、55%RH下に置いた試料の感度を100とした相対感度
で示した。
【0120】また、感度変動(ΔS湿度)は、試料の
(23℃、55%RH下に置いたときの感度)−(25℃、75%
RHの暗室に1時間放置したときの感度)=感度変動(Δ
S湿度)としてもとめた。
【0121】〈ローラーマーク性の評価〉自動現像機の
ローラーによる圧力マーク=ローラーマークは、以下の
ようにして評価した。即ち、処理後の黒化濃度が0.8〜
1.2となるように均一露光した以外は感度の評価(セン
シトメトリー)の場合と同様な処理方法で処理した。そ
の時発生したローラーマークを目視により、次の5段階
に分類して評価した。
【0122】5:ローラーマークの発生なし 4:ごくわずかに発生あり 3:やや発生あり(実用許可内) 2:発生が多い(実用許可外) 1:発生が非常に多い 以上の諸結果を表1に示す。
【0123】
【表1】
【0124】表1から明らかなように、高感度化のため
にセレン増感を施しても、X線回析分析法において[2
22]面の回析線強度に対する[220]面の回析線強
度が8%未満の乳剤を乳剤層に有する本発明の試料は、
高感度で、露光時の湿度依存性が小さく、更にはローラ
ー式自動現像機による迅速現像処理時のローラーマーク
の発生が少ないことがわかる。更には、同様でしかも成
長工程のpHが7.5以下で行われた乳剤を乳剤層に有
する試料は本発明の効果を更に顕著に発揮することがわ
かる。
【0125】
【発明の効果】本発明により、高感度で露光時の湿度依
存性が小さく、かつローラー式自動現像機による迅速現
像処理時のローラーマークの発生の少ないハロゲン化銀
乳剤及びそれを用いたハロゲン化銀写真感光材料を提供
することができた。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に配向させて塗布したハロゲン化
    銀乳剤のX線回析分析法において[222]面の回析線
    強度に対する[220]面の回析線強度が8%未満であ
    り、かつセレン増感されていることを特徴とするハロゲ
    ン化銀乳剤。
  2. 【請求項2】 アンモニア性硝酸銀水溶液を用いて種乳
    剤を成長させるハロゲン化銀乳剤の成長工程において、
    該成長工程のpHが7.5以下で行われることを特徴と
    する請求項1に記載のハロゲン化銀乳剤。
  3. 【請求項3】 支持体上の少なくとも一方の側に少なく
    とも1層のハロゲン化銀乳剤層を有するハロゲン化銀写
    真感光材料において、該ハロゲン化銀乳剤層を構成する
    ハロゲン化銀乳剤の少なくとも40%以上が請求項1お
    よび2に記載のハロゲン化銀乳剤から選ばれる少なくと
    も一つであることを特徴とするハロゲン化銀写真感光材
    料。
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