JPH0784330A - ハロゲン化銀写真乳剤の製造方法及びハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀写真乳剤の製造方法及びハロゲン化銀写真感光材料

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JPH0784330A
JPH0784330A JP23181493A JP23181493A JPH0784330A JP H0784330 A JPH0784330 A JP H0784330A JP 23181493 A JP23181493 A JP 23181493A JP 23181493 A JP23181493 A JP 23181493A JP H0784330 A JPH0784330 A JP H0784330A
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JP
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silver halide
emulsion
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alkyl
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JP23181493A
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Tetsuya Suzuki
哲也 鈴木
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 感光材料の露光時の湿度依存性、或いは露光
から処理までの経時による感度変動のない高感度ハロゲ
ン化銀写真感光材料の提供。 【構成】 (1)ハロゲン化銀粒子が核形成終了時から化学
熟成終了時までの工程に、特定のイソチアゾリン-3-オ
ン化合物の少なくとも1種を添加することを特徴とする
ハロゲン化銀写真感光材料。 (2)ハロゲン化銀粒子が特定のイソチアゾリン-3-オン化
合物の少なくとも1種を予め添加したハロゲン化銀微粒
子を含有することを特徴とするハロゲン化銀写真感光材
料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は露光時の湿度依存性、及
び露光から処理までの経時による感度変動のない高感度
ハロゲン化銀写真感光材料に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ハロゲン化銀写真感光材料への要
請は益々多岐となっている。特にX線用ハロゲン化銀写
真感光材料においては、人体へのX線被爆量を少なく
し、より少ないX線量で、より多くの情報を迅速に得る
ことができる高感度、高画質で、かつ迅速処理性を有し
たハロゲン化銀写真感光材料が要求されている。
【0003】一方、ハロゲン化銀写真感光材料の写真性
能は、露光時の温湿度に左右されたり、形成した潜像が
不安定性を有することなどがよく知られている。
【0004】X線用ハロゲン化銀写真感光材料の場合も
例外でなく、例えば様々な環境下でX線露光されたり、
そのように露光して形成された潜像を有するフィルムが
直ちに現像されることなく、場合によっては露光後数時
間経過してから現像されることも少なくない。
【0005】そのためフィルム感度が減少して充分な濃
度や階調を有していなかったり、或いは潜像が増感して
露光オーバーになるなどの問題が発生し、その改良が望
まれていた。
【0006】従来、このような感光材料の露光依存性
や、潜像安定性に関しての対応技術としては例えば特開
平4-335336号、同4-335338号及び同5-134341号などが開
示されているが、高感度乳剤には満足する効果を得るま
でには至っていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的
は、感光材料の露光時の湿度依存性、或いは露光から処
理までの経時による感度変動のない高感度ハロゲン化銀
写真感光材料を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の問題点は以下の本
発明によって解決された。即ち、 (1)ハロゲン化銀乳剤粒子の核形成終了時から化学熟成
終了時までの工程に、下記一般式〔A〕で表される化合
物の少なくとも1種を添加することを特徴とするハロゲ
ン化銀写真乳剤の製造方法。
【0009】(2)支持体上に少なくとも1層のハロゲン
化銀乳剤層を有するハロゲン化銀写真感光材料におい
て、該乳剤層が(1)項記載のハロゲン化銀乳剤からなる
ことを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。
【0010】(3)下記一般式〔A〕で表される化合物か
ら選ばれる少なくとも1種を予めハロゲン化銀微粒子乳
剤に添加した後、該ハロゲン化銀微粒子乳剤をハロゲン
化銀乳剤粒子(親粒子乳剤)の化学熟成終了時までの工程
に添加することを特徴とするハロゲン化銀写真乳剤の製
造方法。
【0011】(4)支持体上に少なくとも1層のハロゲン
化銀乳剤層を有するハロゲン化銀写真感光材料におい
て、該乳剤層が(3)項記載のハロゲン化銀乳剤からなる
ことを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。によって
達成された。
【0012】
【化3】
【0013】式中、R1は水素原子、直鎖または分岐の
アルキル基、環状アルキル基、アルケニル基、アラルキ
ル基、アルコキシ基、アリール基、複素環基、カルバモ
イル基、チオカルバモイル基、スルファモイル基を表
し、R2、R3はそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、アル
キル基、環状アルキル基、アリール基、シアノ基、アル
キルチオ基、アリールチオ基、アルキルスルホキシド
基、アルキルスルホニル基及び複素環基を表す。またR
2とR3は互いに結合してベンゼン環を形成してもよい。
以下、本発明を詳述する。上記のうちアルキル基、環状
アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アルコキシ
基、アリール基、複素環基、カルバモイル基、チオカル
バモイル基及びスルファモイル基は置換基を有していて
もよい。
【0014】一般式〔A〕で表される化合物としては、
次の一般式〔A−1〕及び〔A−2〕で表される化合物
がより好ましく用いられる。
【0015】
【化4】
【0016】上記一般式〔A−1〕のR4において、ア
ルキル基及びアルケニル基の炭素数は1〜36、より好ま
しくは1〜18である。環状アルキル基の炭素数は3〜1
2、より好ましくは3〜6である。
【0017】式中、R4で表されるアルキル基は置換基
を有していてもよく置換分としては例えば、ハロゲン原
子(Br、Clなど)、ヒドロキシル基、アミノ基、アルキ
ルアミノ基などが挙げられる。
【0018】アリール基は置換基を有していてもよいフ
ェニル基が挙げられ、置換分としては例えば、ハロゲン
原子、ニトロ基、シアノ基などが挙げられる。カルバモ
イル基、チオカルバモイル基、及びスルファモイル基は
それぞれ置換基を有していてもよく置換分としては例え
ば、炭素数1〜8の置換または無置換のアルキル基、フ
ェニル基などが挙げられ、フェニル基にはハロゲン原
子、ニトロ基、シアノ基などが置換されていてもよい。
【0019】R4に置換してもよい複素環としては、
N、O、Sのうちのすくなくとも1つのフテロ原子を含
む5〜6員の複素環で、例えば、フリル基、チアゾリル
基、チエニル基などが挙げられ、これら複素環には例え
ば、炭素数1〜5のアルキル基、ハロゲン原子などが置
換されていてもよい。
【0020】次に前記一般式〔A−1〕で表される化合
物の代表的具体例を以下に示すが、本発明の化合物は、
これらに限定されるものではない。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】
【表3】
【0024】
【表4】
【0025】
【表5】
【0026】
【表6】
【0027】次に上記一般式〔A−2〕に於いて、R7
は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基例えば、メチル
基、エチル基、プロピル基、ブチル基など、炭素数1〜
4のアルコキシ基例えば、メトキシ基、エトキシ基、プ
ロポキシ基及びブトキシ基などが挙げられる。複素環と
しては例えば、前記一般式〔A−1〕のR4と同義のも
のが挙げられる。
【0028】R8、R9はそれぞれ同じかまたは異なって
もよい水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1
〜4のアルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ
基、などを挙げることができる。
【0029】次に前記一般式〔A−2〕で表される化合
物の代表的具体例を以下に示すが、本発明の化合物がこ
れに限定されるものではない。
【0030】
【表7】
【0031】本発明に係る上記一般式〔A〕の化合物
は、本発明と同一の出願人による特開平2-191943号に
て、ハロゲン化銀写真感光材料の帯電防止剤として開示
されている。しかしながら該技術はハロゲン化銀写真感
光材料の親水性コロイド層例えば乳剤層上の保護層に添
加含有せしめて帯電防止性を得る発明であり、本発明の
構成で言う特定の乳剤製造条件に一般式〔A〕の化合物
を添加する態様、或いはハロゲン化銀微粒子に一般式
〔A〕の化合物を添加して、感光材料の露光依存性或い
は潜像を安定化する構成とそれを示唆する記載は全くな
されていない。
【0032】これらの化合物は水または例えばアルコー
ル類(メタノール、エタノール、イソプロパノール等)、
ケトン類 (アセトン等)、グリコール類 (エチレングリ
コール、プロピレングリコール等)、エステル類 (酢酸
エチル等) 等の有機溶媒のうち写真性能に悪影響をおよ
ぼさない溶媒に溶解し、溶液として本発明に係る乳剤に
添加するのが好ましい。さらにハロゲン化銀微粒子乳剤
に本発明に係る化合物を予め添加しておき、その微粒子
乳剤を(親)乳剤に添加するのが好ましい。
【0033】本発明に係る化合物の添加時期は、ハロゲ
ン化銀乳剤の製造工程における物理熟成開始時から化学
熟成終了時までの任意の時期に添加してよいが、特にハ
ロゲン化銀結晶の核形成終了時から化学熟成終了時まで
の時期が好ましい。
【0034】本発明に用いられる一般式〔A−1〕で示
されるイソチアゾリン-3-オン化合物はハロゲン化銀1
モル当たり1×10-4〜100mgの範囲であるのが好まし
く、特に1×10-2〜10mgの範囲が好ましい。
【0035】又、一般式〔A−2〕で示される1,2-ベン
ズイソチアゾリン-3-オン化合物は、ハロゲン化銀1モ
ルに対して5×10-4〜50mgの範囲で含有させるのが好ま
しく、特に5×10-3〜5mgの範囲が好ましい。添加量は
写真感光材料の種類、添加する層、塗布方法等によって
上記の範囲外で用いても良いことは勿論である。なお、
本発明の化合物は単独もしくは数種類を同時に添加して
もよい。
【0036】前記一般式〔A〕で表される化合物は、例
えばフランス特許1555416号明細書記載の方法又は、そ
れに準じて容易に合成することができる。
【0037】本発明に係るハロゲン化銀写真感光材料の
ハロゲン化銀乳剤は、正常晶粒子、即ち立方体、8面
体、14面体のような全て等方的に成長したもの、或は球
形のような多面的な結晶型のもの、又は双晶面のような
面欠陥を有した双晶からなるもの、或はそれらの混合型
または複合型であってもよいが、好ましくは平行双晶面
を有する6面体型、8面体型、14面体又は平板状ハロゲ
ン化銀粒子が挙げられる。
【0038】これらのハロゲン化銀粒子の粒径は0.2μm
から3.0μmの範囲が好ましく、0.3〜2.0μmがさらに好
ましい。
【0039】本発明のハロゲン化銀写真感光材料に用い
られる乳剤は、公知の方法で製造できる。例えばリサー
チ・ディスクロージャー(RD)No.17643(1978年12月),22
〜23頁の“Emulsion Preparation and Types”に記載の
方法、或は同(RD)No.18716(1979年11月),648頁に記載
の方法で調製することができる。
【0040】本発明のハロゲン化銀写真感光材料に用い
られる乳剤は、例えばT.H.James著“The Theory of the
Photographic process”第4版、Macmillan社刊(1977
年)38〜104頁に記載の方法、G.F.Duffin著“Photograph
ic Emulsion Chemistry”、Focal Press社刊(1966年)、
P.Glafkides著“Chimie et Physique Photographique”
Paul Montel社刊(1967年)或はV.L.Zelikman他著“Makin
g And Coating Photographic Emulsion" Focal Press社
刊(1964)などに記載の方法により調製することができ
る。
【0041】即ち、酸性法、アンモニア法、中性法など
の溶液条件にて順混合法、逆混合法、ダブルジェット
法、コントロール・ダブルジェット法などの混合条件、
コンバージョン法、コア/シェル法などの粒子調製条件
およびこれらの組合わせ法を用いて製造することができ
る。
【0042】本発明のハロゲン化銀粒子の粒径分布は、
狭い分布を有した単分散乳剤或は広い分布を有した多分
散乳剤のいずれであってもよく、これらを併用してもよ
い。ハロゲン化銀の結晶構造は内部と外部が異なったハ
ロゲン化銀組成からなっていてもよく、例えば高沃化銀
のコア部分に低沃化銀のシェル層を被覆して明確な2層
構造を有するか或はさらに沃化銀含有量の異なる殻層を
設け、3層以上の構造を有したコア/シェル型単分散乳
剤であってもよい。
【0043】ここで言う単分散であるとは、粒径のバラ
ツキ(標準偏差)を平均粒径で割った値(変動係数)
が、好ましくは30%以内、より好ましくは20%であるこ
とを言う。
【0044】かかる単分散乳剤の製法は公知で、例えば
J.Phot.Sci,12.242〜251,(1963)、特開昭48-36890号、
同52-16364号、同55-142329号、同58-49938号、英国特
許1,413,748号、米国特許3,574,628号及び同3,655,394
号などに詳しく記載されている。
【0045】上記の単分散乳剤を得るための方法として
例えば種晶を用い、この種晶を成長核として銀イオン及
びハライドイオンを供給し成長させた乳剤を用いてもよ
い。
【0046】上記のコア/シェル型乳剤の製法は公知
で、例えばJ.Phot.Sci,24.198.(1976)、英国特許1,027,
146号、米国特許3,505,068号、同4,444,877号或は特開
昭60-143331号などに記載の方法を参考にすることがで
きる。
【0047】本発明に好ましく用いられる平板状ハロゲ
ン化銀粒子の平均粒径は0.3〜3.0μmが好ましく、特に
好ましくは0.5〜1.5μmである。
【0048】平板状ハロゲン化銀粒子は、粒子直径/厚
さ(アスペクト比と呼ぶ)の平均値(平均アスペクト比
と呼ぶ)が2.0以上であり、好ましくは2.0〜20.0、特に
好ましくは2.2〜8.0である。
【0049】平板状ハロゲン化銀粒子の平均厚さは0.5
μm以下が好ましく、特に好ましくは0.3μm以下であ
る。
【0050】かかる平板状粒子の利点は分光増感効率の
向上、画像の粒状性及び鮮鋭性の改良などが得られると
して例えば、英国特許2,112,157号、米国特許4,439,520
号、同4,433,048号、同4,414,310号、同4,434,226号な
どに開示されており、乳剤はこれら明細書記載の方法に
より調製することができる。
【0051】本発明において、平板状ハロゲン化銀粒子
の粒子直径、即ち粒径は、ハロゲン化銀粒子の電子顕微
鏡写真の観察から粒子の投影面積に等しい面積を有する
円の直径として定義される。
【0052】本発明において、ハロゲン化銀粒子の厚さ
は、平板状ハロゲン化銀粒子を構成する二つの平行な面
の距離のうち最小のもの即ち、主平面間の距離と定義さ
れる。
【0053】平板状ハロゲン化銀粒子の厚さは、ハロゲ
ン化銀粒子の影の付いた電子顕微鏡写真又はハロゲン化
銀乳剤を支持体に塗布し乾燥したサンプル断層の電子顕
微鏡写真から求めることができる。
【0054】平均アスペクト比を求めるためには、最低
100サンプルの測定を行う。
【0055】本発明のハロゲン化銀乳剤において、平板
状ハロゲン化銀粒子が全ハロゲン化銀粒子に占める割合
は50%以上であり、好ましくは60%以上、特に好ましく
は70%以上である。
【0056】平板状ハロゲン化銀乳剤は単分散性である
ものが好ましく用いられ、粒径の変動係数が20%以内の
範囲に含まれるものが特に好ましく用いられる。
【0057】平板状ハロゲン化銀乳剤は、塩化銀、臭化
銀、沃化銀、塩臭化銀、沃臭化銀等ハロゲン組成は任意
であるが、高感度という点から沃臭化銀が好ましく、平
均沃化銀含有率は、0.1〜5.0モル%であって特に好まし
くは0.5〜3.0モル%である。
【0058】又、本発明に係る平板状ハロゲン化銀乳剤
は、ハロゲン組成が粒子内で均一であってもよく、沃化
銀が局在したものであってもよい。
【0059】平板状ハロゲン化銀乳剤の製造方法は、特
開昭58-113926号、同58-113927号、同58-113934号、同6
2-1855号、ヨーロッパ特許219,849号、同219,850号等を
参考にすることもできる。
【0060】又、単分散性の平板状ハロゲン化銀乳剤の
製造方法として、特開昭61-6643号を参考にすることが
できる。
【0061】高アスペクト比を持つ平板状の沃臭化銀乳
剤の製造方法としては、pBrが3以下に保たれたゼラチ
ン水溶液に硝酸銀水溶液又は硝酸銀水溶液とハロゲン化
物水溶液を同時に添加して種晶を発生させ、次にダブル
ジェット法により成長させることによって得ることがで
きる。
【0062】平板状ハロゲン化銀粒子の大きさ及び形状
は、粒子形成時の温度、銀電位、pH、銀塩及びハロゲ
ン化物水溶液の添加速度などによってコントロールでき
る。
【0063】平板状ハロゲン化銀乳剤の平均沃化銀含有
率は、添加するハロゲン化物水溶液の組成すなわち塩化
物、臭化物及び沃化物の比を変えることによりコントロ
ールすることができる。
【0064】又、平板状ハロゲン化銀乳剤の製造時に、
必要に応じてアンモニア、チオエーテル、チオ尿素等の
ハロゲン化銀溶剤を用いることができる。
【0065】上述した乳剤は、粒子表面に潜像を形成す
る表面潜像型あるいは粒子内部に潜像を形成する内部潜
像型、表面と内部に潜像を形成する型のいずれの乳剤で
有ってもよい。これらの乳剤は、物理熟成あるいは粒子
調製の段階で鉄塩、カドミウム塩、鉛塩、亜鉛塩、タリ
ウム塩、ルテニウム塩、オスミウム塩、イリジウム塩又
はその錯塩、ロジウム塩またはその錯塩などを用いても
よい。
【0066】乳剤は可溶性塩類を除去するためにヌーデ
ル水洗法、フロキュレーション沈降法などの水洗方法が
なされてよい。好ましい水洗法としては、例えば特公昭
35-16086号記載のスルホ基を含む芳香族炭化水素系アル
デヒド樹脂を用いる方法、又は特開昭63-158644号記載
の凝集高分子剤例示G3、G8などを用いる方法が特に
好ましい脱塩法として挙げられる。
【0067】本発明のハロゲン化銀乳剤は化学増感(化
学熟成)されることが好ましい。ハロゲン化銀乳剤の増
感法としてカルコゲン増感及び金増感を併用することが
好ましい。特に金増感と硫黄増感の併用は増感効果が顕
著であるだけでなく、カブリ抑制効果も得られるので好
ましい。
【0068】硫黄増感には増感剤として例えばチオ硫酸
塩、アリルチオカルバミドチオ尿素、アリルイソチアシ
アネート、シスチン、p-トルエンチオスルホン酸塩、ロ
ーダニンなどが挙げられる。その他米国特許1,574,944
号、同3,656,955号、ドイツ特許1,422,869号、特公昭56
-24937号、特開昭55-45016号などに記載されている硫黄
増感剤も用いることができる。硫黄増感剤の添加量は乳
剤の感度を効果的に増大させるに十分な量でよい。この
量はpH、温度、ハロゲン化銀粒子の大きさなど種々の
条件下で広範囲に変化できるが目安としては、ハロゲン
化銀1モル当たり10-7〜10-1モルが好ましい。
【0069】金増感には、金増感剤として例えば塩化金
酸塩、金チオ尿素錯塩、カリウムクロロオーレート、オ
ーリックトリクロライド、カリウムオーリックチオシア
ネート、カリウムヨードオーレート、テトラシアノオー
リックアミド、アンモニウムオーロチオシアネート、ピ
リジルトリクロロゴールドなどが挙げられる。これら金
増感剤の添加量は種々の条件下で広範囲に変化できるが
目安としては、ハロゲン化銀1モル当たり5×10-7〜5
×10-3モルが好ましく、2×10-6〜4×10-4モルが更に
好ましい。
【0070】本発明においては還元増感及び水素増感法
を用いることができる。還元増感剤としては第一錫塩、
アミン類、ホルムアミンジスルフィン酸、シラン化合
物、ボラン化合物、アスコルビン酸及びその誘導体等を
用いることができる。
【0071】還元増感剤の添加量は、化合物の還元性及
びハロゲン化銀の種類、溶解条件等の乳剤製造条件によ
って異なるが、ハロゲン化銀1モル当り1×10-8〜1×
10-2モルの範囲が適当である。
【0072】さらに本発明においては、セレン増感を用
いることができる。さらに上記した他の増感法と併用す
ることも出来る。
【0073】ここでセレン増感とは、従来公知の方法に
て、実施される。すなわち、通常、不安定型セレン化合
物および/または非不安定型セレン化合物を添加して、
高温、好ましくは40℃以上で乳剤を一定時間撹拌するこ
とにより行われる。特公昭44-15748号に記載の不安定セ
レン増感剤を用いるセレン増感が好ましく用いられる。
具体的な不安定セレン増感剤としては、アリルイソセレ
ノシアネートの如き脂肪族イソセレノシアネート類、セ
レノ尿素類、セレノケトン類、セレノアミド類、セレノ
カルボン酸類およびエステル類、セレノフォスフェート
類がある。特に好ましい不安定セレン化合物は以下に示
される。
【0074】コロイド状金属セレン 有機セレン化合物(セレン原子が共有結合により有機
化合物の炭素原子に2重結合しているもの) a.イソセレノシアネート類 例えば、アリルイソセレノシアネートの如き脂肪族イソ
セレノシアネート b.セレノ尿素類(エノール型を含む) 例えば、セレノ尿素、及びメチル、エチル、プロピル、
イソプロピル、ブチル、ヘキシル、オクチル、ジオクチ
ル、テトラメチル、N-(βカルボキシエチル)-N,N′-
ジメチル、N,N-ジメチル、ジエチル、ジメチル等の脂肪
族セレノ尿素;フェニル、トリル等の芳香族基を1個又
はそれ以上もつ芳香族セレノ尿素;ピリジル、ベンゾチ
アゾリル等の複素環式基をもつ複素環式セレノ尿素。
【0075】特に好ましいセレノ尿素類としてはN,N′-
4置換セレノ尿素である。好ましい置換基は、R、RC
O−、ArCO−であり、Rはアルキル基もしくはパー
フルオロアルキル基であり(C数1〜7が好ましい)、
Arはハロゲン又は、低級アルコキシ基で置換されても
よいフェニル基である。
【0076】c.セレノケトン類 例えば、セレノアセトン、セレノアセトフェノン、アル
キル基が=C=Seに結合したセレノケトン、セレノベ
ンゾフェノン、 d.セレノアミド類 例えば、セレノアミド e.セレノカルボン酸およびエステル類 例えば、2-セレノプロピオン酸、3-セレノ酪酸、メチル
-3-セレノブチレート その他 a.セレナイド類 例えば、ジエチルセレナイド、ジエチルジセレナイド、
トリフェニルフォスフィンセレナイド b.セレノフォスフェート類 例えば、トリ-p-トリセレノフォスフェート、トリ-n-ブ
チルセレノフォスフェート 不安定型セレン化合物の好ましい類型を上に述べたがこ
れらは限定的なものではない。当業技術者には写真乳剤
の増感剤としての不安定型セレン化合物といえば、セレ
ンが不安定である限りに於いて該化合物の構造はさして
重要なものではなく、セレン増感剤分子の有機部分はセ
レンを担持し、それを不安定な形で乳剤中に存在せしめ
る以外何らの役割をもたぬことが一般に理解されてい
る。本発明に於いては、かかる広範な概念の不安定セレ
ン化合物が有利に用いられる。
【0077】特公昭46-4553号、特公昭52-34492号およ
び特公昭52-34491号に記載の非不安定型セレン増感剤を
用いるセレン増感も用いられる。非不安定型セレン化合
物には例えば亜セレン酸、セレノシアン化カリウム、セ
レナゾール類、セレナゾール類の4級アンモニウム塩、
ジアリールセレニド、ジアリールジセレニド、2-チオセ
レナゾリジンジオン、2-セレノオキサゾリジンジオンお
よびこれらの誘導体等が含まれる。
【0078】特公昭52-38408号に記載の非不安定型セレ
ン増感剤、チオセレナゾリジンジオン化合物も有効であ
る。
【0079】本発明に係る乳剤の化学熟成温度は、任意
に決められるが好ましくは20〜90℃の範囲で、好ましく
は30〜80℃で、より好ましくは35〜70℃である。
【0080】本発明においては、本発明に係るハロゲン
化銀乳剤(以後、親粒子乳剤)の化学熟成工程の終了前
に、親粒子乳剤よりも溶解度積が小さいハロゲン化銀微
粒子乳剤が添加されることが好ましい。
【0081】さらに一般式〔A〕で表される化合物を、
予めハロゲン化銀微粒子乳剤に添加せしめ、このハロゲ
ン化銀微粒子乳剤を親粒子乳剤の化学熟成工程の終了前
に添加することが好ましい。
【0082】親粒子乳剤よりも溶解度積が小さいとは、
溶解度積をKSPで表すと KSP=[Ag+]・[X-] ここで[Ag+]は銀イオン濃度、[X-]はハロゲンイ
オン濃度を表す。従って、親粒子が塩化銀の場合、ハロ
ゲン化銀微粒子は臭化銀、又は沃化銀である。
【0083】勿論、KSPの値が親粒子よりもハロゲン化
銀微粒子のほうが小さくなれば、これらハロゲンイオン
の混晶であっても良い。
【0084】本発明に係るハロゲン化銀微粒子の種類と
しては、AgBr,AgI,AgClBr,AgBr
I,AgClI,AgClBrIがあるが、実質的に感
光性を有しないハロゲン化銀微粒子が好ましい。
【0085】上記したハロゲン化銀微粒子の粒径として
は0.1μm以下が好ましく、0.07μm以下が更に好まし
く、0.05μm以下が特に好ましい。
【0086】ハロゲン化銀微粒子としては沃化銀微粒子
が好ましく用いられる。
【0087】沃化銀に関しては、一般に立方晶系のγ-
AgIと六方晶系のβ-AgIが知られているが、本発
明に用いる場合の沃化銀微粒子としては、いずれの結晶
構造であってもよく、また、これらの混合物であっても
よい。
【0088】ハロゲン化銀微粒子として臭化銀、塩化銀
又はこれら岩塩構造を主とする固溶体を用いた場合、例
えばAgBr9010のような微粒子を用いた場合には、こ
れらの微粒子は、実質的に双晶面を有しない無双晶のい
わゆる正常晶か、又は双晶面を1枚有する一重双晶であ
ることが好ましい。
【0089】本発明で用いるハロゲン化銀微粒子は単分
散性が良好であることが好ましく、ダブルジェット法に
より、温度、pH、pAgを制御しながら調製することが
好ましい。
【0090】ハロゲン化銀微粒子の添加量としては、親
粒子乳剤の平均粒径をd(μm)としたとき、親粒子乳
剤1モル当たり1/100dモル以下が好ましく、更には
親粒子乳剤1モル当たり1/20000d〜1/300dモルの
範囲が好ましく、最も好ましくは、親粒子乳剤1モル当
たり1/5000d〜1/500dモルである。
【0091】本発明において化学増感(化学熟成)を停
止させるには乳剤の安定性等を考慮すると、化学熟成停
止剤を用いる方法が好ましい。この化学熟成停止剤とし
ては、ハロゲン化物(例えば臭化カリウム、塩化ナトリ
ウム等)、カブリ防止剤または安定剤として知られてい
る有機化合物(例えば4-ヒドロキシ-6-メチル-1,3,3a,7
-テトラザインデン等)が知られている。これらは単独
でもしくは複数の化合物を併用して用いられている。
【0092】ハロゲン化銀微粒子を添加する際の親粒子
乳剤液の温度は、30〜80℃の範囲が好ましく、更には40
〜65℃の範囲が特に好ましい。
【0093】本発明に係る乳剤は、物理熟成または化学
熟成前後の工程において、各種の写真用添加剤を用いる
ことができる。公知の添加剤としては、例えばリサーチ
・ディスクロージャー(RD)No.17643(1978年12月)、
同No.18716(1979年11月)及び同No.308119(1989年12
月)に記載された化合物が挙げられる。これら三つの(R
D)に示されている化合物種類と記載箇所を下記に掲載し
た。
【0094】 添加剤 RD-17643 RD-18716 RD-308119 頁 分類 頁 分類 頁 分類 化学増感剤 23 III 648 右上 996 III 増感色素 23 IV 648〜649 996〜8 IVA 減感色素 23 IV 998 IVB 染料 25〜26 VIII 649〜650 1003 VIII 現像促進剤 29 XXI 648 右上 カブリ抑制剤・安定剤 24 IV 649 右上 1006〜7 VI 増白剤 24 V 998 V 硬膜剤 26 X 651 左 1004〜5 X 界面活性剤 26〜7 XI 650 右 1005〜6 XI 帯電防止剤 27 XII 650 右 1006〜7 XIII 可塑剤 27 XII 650 右 1006 XII スベリ剤 27 XII マット剤 28 XVI 650 右 1008〜9 XVI バインダー 26 XXII 1003〜4 IX 支持体 28 XVII 1009 XVII 本発明に係る感光材料に用いることのできる支持体とし
ては、例えば前述のRD-17643の28頁及びRD-308119の100
9頁に記載されているものが挙げられる。
【0095】適当な支持体としてはポリエチレンテレフ
タレートフィルムなどで、これら支持体の表面は塗布層
の接着をよくするために、下塗層を設けたり、コロナ放
電、紫外線照射などを施してもよい。
【0096】
【実施例】以下本発明の実施例について説明する。但し
当然のことではあるが本発明は以下述べる実施例により
限定されるものではない。
【0097】実施例1 以下に示す溶液を用い、臭化銀から成る種乳剤を調製し
た。
【0098】 〔A1〕 過酸化水素処理したオセインゼラチン 40g 臭化カリウム 23.7g HO(CH2CH2O)m(CH(CH3)CH2O)17(CH2CH2O)nH (m+n≒5.7)10%メタノール溶液 10ml 水を加えて 4000ml 〔B1〕 硝酸銀 600g 水を加えて 803ml 〔C1〕 過酸化水素処理したオセインゼラチン 16.1g 臭化カリウム 420g 水を加えて 803ml 〔D1〕 アンモニア水(28%) 235ml 特開昭62-160128号に開示されている装置を用い、混合
用撹拌ペラの下部への供給ノズルが、溶液B1用、溶液
1用、各々6本となる様に設置した。
【0099】温度40℃、回転数430rpmで高速撹拌された
溶液A1に、溶液B1と溶液C1とをコントロールド・ダ
ブルジェット法にて流速62.8ml/minで添加した。な
お、添加開始後4分46秒から徐々に流速を上げ、最終の
流速は105ml/minとなるように行った。総添加時間は10
分45秒であった。臭化カリウム溶液(3.5N)で、添加中
のpBrを1.3に保持した。
【0100】添加終了後、105分間で混合液の温度を20
℃に直線的に下げ、撹拌回転数を460rpmにして、溶液D
1を20秒間で添加して、5分間のオストワルド熟成を行
った。熟成時の臭素イオン濃度は0.025モル/l、アン
モニア濃度は0.63モル/l、pHは11.7であった。
【0101】その後、直ちにpHが5.6になるまで酢酸を
加えて中和して熟成を止め、過剰な塩類を除去するた
め、デモールN(花王アトラス社製)水溶液及び硫酸マ
グネシウム水溶液を用いて乳剤を沈殿させ、5分後に上
澄液を排除して脱塩水洗を行った。次に追加ゼラチン10
%水溶液を添加(工程)して50℃で30分間撹拌保持し
た。得られた乳剤を種乳剤Em−0とした。
【0102】Em−0を電子顕微鏡により観察したとこ
ろ、平均粒径0.24μm、粒径の変動係数17%の平行双晶
面を有する球型双晶粒子であることがわかった。
【0103】(種乳剤の成長)引き続き、以下に示す3
種の溶液と種乳剤Em−0を用いて成長乳剤を作成し
た。
【0104】 〔A2〕 オセインゼラチン 42.7g HO(CH2CH2O)m(CHCH2O)17(CH2CH2O)nH (m+n≒5.7)10%メタノール溶液 6ml アンモニア水(28%) 370.0ml 酢酸(56%) 90.0ml 水を加えて 3500ml 〔B2〕 オセインゼラチン 24.0g 臭化カリウム 2368g 沃化カリウム 50g 水を加えて 4700ml 〔C2〕 硝酸銀 3532g 水 2248ml アンモニア水(28%) 2880ml 〔種乳剤Em−0〕 銀0.83モル相当 液温40℃で激しく撹拌した溶液A2に、種乳剤Em−0を
入れ、よく分散させ、溶液B2と溶液C2を61分でコント
ロールド・ダブルジェット法にて添加した。この間、p
Hは9.85から8.0に直線的に制御し、pAgは9.9に終始保
持した。
【0105】添加終了後、直ちに酢酸によりpHを6.0に
調整し、過剰な塩類を除法するため前記と同様な方法で
脱塩した。次に乳剤を分散させるため50℃で撹拌しなが
ら追加ゼラチン10%水溶液を添加(工程)して50℃で
30分間撹拌した。
【0106】得られた乳剤を電子顕微鏡にて観察したと
ころ、平均粒径1.20μm、粒径の変動係数20%、(100)
面と(111)面とを有する14面体型の双晶粒子であっ
た。なお、粒子の切断面を観察したところ平行な双晶面
を2枚有していた。得られた乳剤をEM−1とした。
【0107】次に種乳剤Em−0と以下に示す3種の溶
液を用い本発明に係るハロゲン化銀乳剤を調製した。
【0108】 〔A2〕 オセインゼラチン 114.5g HO(CH2CH2O)m(CH(CH3)CH2O)17(CH2CH2O)nH (m+n≒5.7)10%メタノール溶液 40ml 水を加えて 10330ml 〔B2〕 オセインゼラチン 29.8g 臭化カリウム 1893.5g 沃化カリウム 40.5g 水を加えて 5430ml 〔C2〕 硝酸銀 2634g 水を加えて 5430ml (種乳剤Em−0) 1.09モル相当 液温65℃で激しく撹拌した溶液A2に、種乳剤Em−0を
入れ、よく分散させ、溶液B2と溶液C2を40分でコント
ロールド・ダブルジェット法にて添加した。この間、p
Hは5.8に直線的に制御し、pAgは9.9に終始保持した。
なお、溶液B2及び溶液C2の添加速度は、添加終了時の
速度が添加開始時の速さの2.3倍となるように直線的に
増加させた。
【0109】添加終了後、直ちに酢酸によりpHを6.0に
調整し、過剰な塩類を除法するため前記と同様の方法で
脱塩処理した。
【0110】ついで再分散のため、50℃で撹拌しながら
追加ゼラチン10%水溶液を添加(工程)して30分間撹
拌保持した。この乳剤をEM−2とした。
【0111】得られた乳剤を電子顕微鏡で観察したとこ
ろ、主平面が六角形をした平均粒径1.80μm、平均厚さ
0.72μm、平均アスペクト比2.5、粒径の変動係数19%の
平板状粒子であった。この粒子は主平面が(111)面で、
かつ(100)面を有していた。
【0112】ハロゲン化銀微粒子の調製 (沃化銀微粒子乳剤の調製)0.008モルの沃化カリウムを
含む5.2重量%のゼラチン溶液5000ml、1.06モルの硝酸
銀と沃化カリウムを含む水溶液を、それぞれ1500mlを一
定流量で35分かけて添加した。この間、温度は40℃に保
った。得られた沃化銀微粒子の平均粒径は0.043μmでβ
-AgIとγ-AgIの混合物であった。
【0113】(乳剤の化学増感)得られた乳剤EM−
1、EM−2をを温度55℃で撹拌保持し、化学増感剤と
して銀1モル当たりチオシアン酸アンモニム65mg、塩化
金酸1.45mg、チオ硫酸ナトリウム15.0mgをそれぞれ添加
した。さらにその30分後に上記の微粒子沃化銀乳剤をハ
ロゲン化銀1モル当たり1.37×10-3モル相当添加し撹拌
停滞させた後、4-ヒドロキシ-6-メチル-1,3,3a,7-テト
ラザインデン及び1-フェニル-5-メルカプトテトラゾー
ルを加えて安定化しそれぞれ最適に化学増感した。
【0114】得られた化学増感を施した乳剤EM−1及
びEM−2を後記した添加剤を加えて乳剤層塗布液とし
た。尚、本発明の化合物は表8に示す方法で添加した。
即ち、乳剤の脱塩処理後の追加ゼラチン水溶液に添加す
る方法、化学増感前に添加する方法、及び乳剤塗布液に
追加する方法である。また同時に後記の保護層塗布液も
調製した。尚、塗布量は片面当たり銀量が2.8g/m2
ゼラチン付き量は3.4g/m2となるように2台のスライ
ドホッパー型コーターを用い毎分80mのスピードで支持
体上に両面同時塗布を行い、2分20秒で乾燥し、それぞ
れ塗布試料No.1〜No.58を得た。支持体としてはグリシ
ジメタクリレート50wt%、メチルアクリレート10wt%、
ブチルメタクリレート40wt%の3種モノマーからなる共
重合体の濃度が10wt%になるように希釈して得た共重合
体水性分散液を下引き液とした175μmのX線フィルム用
の濃度0.15に青色着色したポリエチレンテレフタレート
フィルムベースを用いた。
【0115】乳剤に用いた添加剤は次のとおりである。
添加量はハロゲン化銀1モル当たりの量で示す。
【0116】 1,1-ジメチロール-1-ブロム-1-ニトロメタン 70mg t-ブチル-カテコール 400mg ポリビニルピロリドン(分子量10,000) 1.0g スチレン-無水マレイン酸共重合体 2.5g ニトロフェニル-トリフェニルホスホニウムクロリド 50mg 1,3-ジヒドロキシベンゼン-4-スルホン酸アンモニウム 4g 2-メルカプトベンツイミダゾール-5-スルホン酸ナトリウム 1.5mg
【0117】
【化5】
【0118】 C4H9OCH2CH(OH)CH2N(CH2COOH)2 1g 1-フェニル-5-メルカプトテトラゾール 15mg ジエチレングリコール 7g デキストラン(平均分子量6万) 600mg ポリアクリル酸ナトリウム(平均分子量3.6万) 2.5g 次に保護層用塗布液として下記を調製した。添加剤は塗
布液1l当たりの量で示す。
【0119】 石灰処理イナートゼラチン 68g 酸処理ゼラチン 2g ソジウム-i-アミル-n-デシルスルホサクシネート 0.3g ポリメチルメタクリレート(面積平均粒径3.5μmのマット剤) 1.1g 二酸化ケイ素粒子(面積平均粒径1.2μmのマット剤) 0.5g ルドックスAM(デュポン社製)(コロイドシリカ) 30g (CH2=CHSO2CH2)2O(硬膜剤) 7mg グリオキザール40%水溶液(硬膜剤) 2.0ml
【0120】
【化6】
【0121】感光材料を露光する際の湿度の影響による
感度変動については以下の試験法を用いた。
【0122】温度23℃、RH55%下に置いた試料と、温
度25℃、RH75%の雰囲気下の暗室に1時間放置した2
組のフィルム試料を、直ちに2枚の蛍光増感紙NR-160
(コニカ〔株〕製)で挟み、アルミウエッジを介して管電
圧50mA、0.05秒間のX線を照射した。
【0123】次いで自動現像機SRX-503で現像定着液SR-
DF(いずれもコニカ〔株〕製)を用い32℃、90秒処理し
た。感度変化(ΔS湿度)はカブリ濃度+1.0の濃度を与
える露光量の対数値の差で表した。ここで負の値は高い
湿度下(RH75%)での減感を表し、数値が大きいほど湿
度による感度変動の大きいことを表す。
【0124】又、感光材料を露光してから現像処理する
までの時間経過による感度の変動については以下の試験
法を用いた。
【0125】試料を上記の露光条件で露光してから5分
後に直ちに現像した試料と、露光後温度30℃、RH40%
下の雰囲気下に3時間放置してから現像した2組の試料
を作成した。感度変化(ΔS時間)はカブリ濃度+1.0の
濃度を与える露光量の対数値の差で表した。ここで正の
値は露光後の時間経過で増感することを表し、数値が大
きいほど露光後の時間経過による感度変動の大きいこと
を表す。
【0126】得られた結果を下記の表8に示す。なお本
発明に係る化合物は、脱塩処理後の工程、、の追
加ゼラチン溶液にそれぞれ予め添加したものと、55℃に
溶解した化学熟成前の乳剤に添加したものを本発明試料
とし、塗布前の乳剤塗布液に添加したものを比較試料と
した。
【0127】又、本発明の一般式〔A〕に類似の下記化
合物(a)及び(b)を用いて同様の添加方法で添加し比較試
料とした。
【0128】
【化7】
【0129】
【表8】
【0130】
【表9】
【0131】表から明らかなように本発明によれば、露
光時の湿度に対する感度の変動、或いは露光後の経時に
よる感度の変動が少なく、塗布工程に添加する従来法に
比較して優れた効果を得られることが分かる。さらに親
乳剤が14面体の双晶粒子或いは平板状粒子の場合にも効
果を有することが分かる。
【0132】実施例2 実施例1の微粒子沃化銀乳剤に本発明に係る一般式
〔A〕で示される化合物を予め添加し、この微粒子沃化
銀乳剤を実施例1と同様な方法でEM−1とEM−2に
添加した。添加量は親乳剤のEM−1とEM−2の銀1
モル当たり0.07mg、0.7mg、5.0mgとなるように添加した
ものを用いた。
【0133】他の一般式〔A〕の化合物の添加方法以外
の条件は実施例1と全く同様にして試料No.59〜82を作
成し、同様に評価した。得られた結果を下記に示す。
【0134】
【表10】
【0135】表から明らかなように、ハロゲン化銀微粒
子乳剤に本発明に係る化合物を添加した場合も、比較化
合物に比して本発明の試料が露光時の湿度或いは露光後
の経時による感度の変動が少ないことが分かる。
【0136】
【発明の効果】本発明によれば、露光時の湿度に対する
感度の変動(例えば減感)、或いは露光後の経時による感
度の変動(例えば増感)が少なく、塗布液に添加する従来
法に比較して優れた効果を得られ、写真性能の安定した
高感度ハロゲン化銀写真感光材料を得ることができた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03C 1/34

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハロゲン化銀乳剤粒子の核形成終了時か
    ら化学熟成終了時までの工程に、下記一般式〔A〕で表
    される化合物の少なくとも1種を添加することを特徴と
    するハロゲン化銀写真乳剤の製造方法。 【化1】 式中、R1は水素原子、直鎖または分岐のアルキル基、
    環状アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アルコ
    キシ基、アリール基、複素環基、カルバモイル基、チオ
    カルバモイル基、スルファモイル基を表し、R2、R3
    それぞれ水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、環状ア
    ルキル基、アリール基、シアノ基、アルキルチオ基、ア
    リールチオ基、アルキルスルホキシド基、アルキルスル
    ホニル基及び複素環基を表す。またR2とR3は互いに結
    合してベンゼン環を形成してもよい。
  2. 【請求項2】 支持体上に少なくとも1層のハロゲン化
    銀乳剤層を有するハロゲン化銀写真感光材料において、
    該乳剤層が請求項1記載のハロゲン化銀乳剤からなるこ
    とを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。
  3. 【請求項3】 下記一般式〔A〕で表される化合物から
    選ばれる少なくとも1種を予めハロゲン化銀微粒子乳剤
    に添加した後、該ハロゲン化銀微粒子乳剤をハロゲン化
    銀乳剤粒子(親粒子乳剤)の化学熟成終了時までの工程に
    添加することを特徴とするハロゲン化銀写真乳剤の製造
    方法。 【化2】 式中、R1は水素原子、直鎖または分岐のアルキル基、
    環状アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アルコ
    キシ基、アリール基、複素環基、カルバモイル基、チオ
    カルバモイル基、スルファモイル基を表し、R2、R3
    それぞれ水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、環状ア
    ルキル基、アリール基、シアノ基、アルキルチオ基、ア
    リールチオ基、アルキルスルホキシド基、アルキルスル
    ホニル基及び複素環基を表す。またR2とR3は互いに結
    合してベンゼン環を形成してもよい。
  4. 【請求項4】 支持体上に少なくとも1層のハロゲン化
    銀乳剤層を有するハロゲン化銀写真感光材料において、
    該乳剤層が請求項3記載のハロゲン化銀乳剤からなるこ
    とを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。
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