JPH07270960A - ハロゲン化銀写真乳剤及び感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀写真乳剤及び感光材料

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JPH07270960A
JPH07270960A JP6061187A JP6118794A JPH07270960A JP H07270960 A JPH07270960 A JP H07270960A JP 6061187 A JP6061187 A JP 6061187A JP 6118794 A JP6118794 A JP 6118794A JP H07270960 A JPH07270960 A JP H07270960A
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JP
Japan
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silver halide
emulsion
group
silver
selenium
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Application number
JP6061187A
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English (en)
Inventor
Tetsuya Suzuki
哲也 鈴木
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Konica Minolta Inc
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Konica Minolta Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高感度でカブリが低く、暗室内でのセーフラ
イトカブリ、迅速処理でローラマークの発生の抑えられ
たハロゲン化銀写真感光材料の提供。 【構成】 下記、一般式〔1〕〜〔3〕で表される化合
物、セレン化合物及び無機硫黄で増感されたハロゲン化
銀写真乳剤。またはそれらの乳剤が50%以上で構成され
たハロゲン化銀写真感光材料。 一般式〔1〕 R−SO2S−M、一般式〔2〕 R−SO2S−R
1、一般式〔3〕 R−SO2S−Ln−SSO2−R2 (式中、R、R1、R2は脂肪族基、芳香族基、ヘテロ環
基、Lは2価の連結基を示し、nは0又は1、Mはカチ
オンを示す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高感度でセーフライト
カブリの改良されたハロゲン化銀乳剤、及びそれを用い
たハロゲン化銀写真感光材料に関する。
【0002】
【従来の技術】ハロゲン化銀写真感光材料、及びそれに
用いられるハロゲン化銀乳剤は、通常、高感度化のため
に化学増感が施される。代表的な化学増感法としては、
硫黄増感法、金などによる貴金属増感法、還元増感法、
セレン増感法などがあり、一般にはこれらを組み合わせ
た増感法が知られている。セレン増感法は硫黄増感法よ
り増感効果が大きいが、カブリが発生しやすく暗室内の
セーフライト下においてカブリが著しく発生するといっ
た問題があった。さらに金増感法とセレン増感法を併用
すると著しい増感効果が得られるがカブリも著しく上昇
するという好ましくない問題もあった。特開平3-111838
号、特開平4-140738号にはセレン増感法におけるカブリ
の軽減技術が開示されている。しかしこれらの技術は実
用レベルまでカブリを低下できておらず、しかもセーフ
ライトカブリ、及びローラ式自動現像機による迅速処理
時に発生するローラマークの発生については殆ど改良さ
れていなかった。
【0003】セーフライトカブリがなく、迅速処理でロ
ーラマークのない高感度ハロゲン化銀写真感光材料の開
発が望まれていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、高感度でカブリが低く、暗室内でのセーフライトカ
ブリ、及び迅速処理時のローラマークの発生が著しく抑
えられたハロゲン化銀乳剤、及びそれを用いたハロゲン
化銀写真感光材料を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的は下記の本発
明により達成された。即ち、 1)上記、一般式〔1〕、〔2〕、〔3〕で表される化
合物の少なくとも1種を含有し、かつセレン化合物及び
無機硫黄で増感されていることを特徴とするハロゲン化
銀乳剤。
【0006】2)支持体上に少なくとも1層のハロゲン
化銀乳剤層を有するハロゲン化銀写真感光材料におい
て、該ハロゲン化銀乳剤層を構成する乳剤の少なくとも
50%以上が請求項1記載のハロゲン化銀乳剤であること
を特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。
【0007】3)セレン化合物を予め含有したハロゲン
化銀微粒子乳剤を添加することでセレン増感することを
特徴とするハロゲン化銀乳剤。
【0008】4)支持体上に少なくとも1層のハロゲン
化銀乳剤層を有するハロゲン化銀写真感光材料におい
て、該ハロゲン化銀乳剤層を構成する乳剤の少なくとも
50%以上が請求項3記載のハロゲン化銀乳剤であること
を特徴とするハロゲン化銀写真感光材料により達成され
た。
【0009】以下、本発明について詳細に説明する。
【0010】一般式〔1〕 R−SO2S−M 一般式〔2〕 R−SO2S−R1 一般式〔3〕 R−SO2S−Ln−SSO2−R2 (式中、R、R1、R2は脂肪族基、芳香族基、またはヘ
テロ環基を表す。Lは2価の連結基を示し、nは0又は
1であり、Mはカチオンを示す。) 一般式〔1〕、〔2〕、〔3〕において、R、R1、R2
で表される脂肪族基としては、アルキル基、アルケニル
基、アルキニル基などがあり、アルキル基としては、例
えばメチル、エチル、プロピル、i-プロピル、ブチル、
t-ブチル、ペンチル、シクロペンチル、ヘキシル、シク
ロヘキシル、オクチル、ドデシル等が挙げられる。これ
らのアルキル基は、更にハロゲン原子(例えば塩素、臭
素、弗素等)、アルコキシ基(例えばメトキシ、エトキ
シ、1,1-ジメチルエトキシ、ヘキシルオキシ、ドデシル
オキシ等)、アリールオキシ基(例えばフェノキシ、ナ
フチルオキシ等)、アリール基(例えばフェニル、ナフ
チル等)、アルコキシカルボニル基(例えばメトキシカ
ルボニル、エトキシカルボニル、ブトキシカルボニル、
2-エチルヘキシルカルボニル等)、アリールオキシカル
ボニル基(例えばフェノキシカルボニル、ナフチルオキ
シカルボニル等)、アルケニル基(例えばビニル、アリ
ル等)、複素環基(例えば2-ピリジル、3-ピリジル、4-
ピリジル、モルホリル、ピペリジン、ピペラジル、ピリ
ミジン、ピラゾリン、フリル等)、アルキニル基(例え
プロパギル)、アミノ基(例えばアミノ、N,N-ジメチル
アミノ、アニリノ等)、シアノ基、スルホアミド基(例
えばメチルスルホニルアミノ、エチルスルホニルアミ
ノ、ブチルスルホニルアミノ、オクチルスルホニルアミ
ノ、フェニルスルホニルアミノ等)等によって置換され
てもよい。
【0011】アルケニル基としては、例えばビニル、ア
リル等が挙げられ、アルキニル基としては、例えばプロ
バギルが挙げられる。
【0012】R、R1、R2で表される芳香族基として
は、例えばフェニル、ナフチル等が挙げられる。
【0013】R、R1、R2で表される複素環基とした
は、例えばピリジル基(例えば2-ピリジル、3-ピリジ
ル、4-ピリジル等)、チアゾリル基、オキサゾリル基、
イミダゾリル基、フリル基、チエニル基、ピロリル基、
ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、セレ
ナゾリル基、スルホラニル基、ピペリジニル基、ピラゾ
リル基、テトラゾリル基等が挙げられる。
【0014】上記アルケニル基、アルキニル基、芳香族
基、複素環基は、いずれもR、R1、R2で表されるアル
キル基、及びアルキル基の置換基として示した基と同様
な基によって置換することができる。
【0015】Lで表される2価の連結基は、アルキレン
基、アリレン基などが挙げられるが、これらの基は上述
したアルキル基の置換基で置換されてもよく、更に2つ
以上のアルキレン基がカルボニル基、アミノ基、スルホ
ニル基などで連結されてもよい。
【0016】Mで表される基は、好ましくは金属イオ
ン、又は有機カチオンである。金属イオンとしては、例
えばリチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオ
ン等が挙げられ、有機カチオンとしては、例えばアンモ
ニウムイオン(アンモニウム、テトラメチルアンモニウ
ム、テトラブチルアンモニウム等)、ホスホニウムイオ
ン(テトラフェニルホスホニウム)、グアニジル等が挙
げられる。
【0017】本発明に用いられる一般式〔1〕、
〔2〕、〔3〕で表される化合物は、ハロゲン化銀1モ
ルに対して10-7〜10-1モル、好ましくは10-6〜10-2
ル、より好ましくは10-5〜10-3モル添加される。
【0018】以下に本発明に係る一般式〔1〕、
〔2〕、〔3〕で表される化合物の具体例を挙げるが、
本発明はこれらに限定されるものではない。
【0019】
【化1】
【0020】
【化2】
【0021】
【化3】
【0022】本発明の一般式〔1〕、〔2〕、〔3〕で
表される化合物は、カブリ防止剤として知られており、
例えば S.Gahler著 Veroeff wiss.Photolab. Wollfen 1
0;63(1967)、米国特許3,047,393号等に示されている。
【0023】一般式〔1〕、〔2〕、〔3〕で表される
化合物は、よく知られた合成法で容易に合成することが
でき、また、市販品としても容易に入手することもでき
る。
【0024】これら一般式〔1〕、〔2〕、〔3〕で表
される化合物の添加時期としては、ハロゲン化銀粒子形
成工程、脱塩工程、化学熟成工程又は塗布液調製工程の
いずれでもよいが、好ましくは脱塩工程以後の工程で添
加することが好ましい。
【0025】本発明に係るハロゲン化銀乳剤は、セレン
化合物によりセレン増感される。
【0026】ここでセレン増感とは、従来公知の方法に
て実施される。即ち、通常の不安定型セレン化合物、お
よび/または非不安定型セレン化合物を添加して、高温
好ましくは40℃以上で乳剤を一定時間撹拌することによ
り行われる。特公昭44-15748号に記載の不安定セレン増
感剤を用いるセレン増感が好ましく用いられる。具体的
な不安定セレン増感剤としては、アリルイソセレノシア
ネートの如き脂肪族イソセレノシアネート類、セレノ尿
素類、セレノケトン類、セレノアミド類、セレノカルボ
ン酸類、及びエステル類、セレノフォスフェート類があ
る。特に好ましい不安定セレン化合物を以下に示す。
【0027】コロイド状金属セレン 有機セレン化合物(セレン原子が共有結合により有機
化合物の炭素原子に2重結合しているもの) a.イソセレノシアネート類 例えば、アリルイソセレノシアネートの如き脂肪族イソ
セレノシアネート b.セレノ尿素類(エノール型を含む) 例えば、セレノ尿素、及びメチル、エチル、プロピル、
イソプロピル、ブチル、ヘキシル、オクチル、ジオクチ
ル、テトラメチル、N-(βカルボキシエチル)-N,N′-ジ
メチル、N,N-ジメチル、ジエチル、ジメチル等の脂肪族
セレノ尿素;フェニル、トリル等の芳香族基を1個、又
はそれ以上もつ芳香族セレノ尿素;ピリジル、ベンゾチ
アゾリル等の複素環式基をもつ複素環式セレノ尿素。
【0028】特に好ましいセレノ尿素類としてはN,N′-
4置換セレノ尿素である。好ましい置換基は、R、RCO
−、ArCO−であり、Rはアルキル基もしくはパーフルオ
ロアルキル基であり(炭素数1〜7が好ましい)、Arは
ハロゲン又は、低級アルコキシ基で置換されてもよいフ
ェニル基である。
【0029】c.セレノケトン類 例えば、セレノアセトン、セレノアセトフェノン、アル
キル基が=C=Seに結合したセレノケトン、セレノベン
ゾフェノン、 d.セレノアミド類 例えば、セレノアミド e.セレノカルボン酸、およびエステル類 例えば、2-セレノプロピオン酸、3-セレノ酪酸、メチル
-3-セレノブチレート その他 a.セレナイド類 例えば、ジエチルセレナイド、ジエチルジセレナイド、
トリフェニルフォスフィンセレナイド b.セレノフォスフェート類 例えば、トリ-p-トリセレノフォスフェート、トリ-n-ブ
チルセレノフォスフェート 不安定型セレン化合物の好ましい類型を上に述べたがこ
れらは限定的なものではない。当業技術者には写真乳剤
の増感剤としての不安定型セレン化合物といえば、セレ
ンが不安定である限りに於いて、該化合物の構造はさし
て重要なものではなく、セレン増感剤分子の有機部分は
セレンを担持し、それを不安定な形で乳剤中に存在せし
める以外何らの役割をもたぬことが一般に理解されてい
る。本発明に於いては、かかる広範な概念の不安定セレ
ン化合物が有利に用いられる。
【0030】特公昭46-4553号、特公昭52-34491号およ
び特公昭52-34492号に記載の非不安定型セレン増感剤を
用いるセレン増感も用いられる。非不安定型セレン化合
物には、例えば亜セレン酸、セレノシアン化カリウム、
セレナゾール類、セレナゾール類の4級アンモニウム
塩、ジアリールセレニド、ジアリールジセレニド、2-チ
オセレナゾリジンジオン、2-セレノオキサゾリジンジオ
ンおよびこれらの誘導体等が含まれる。
【0031】特公昭52-38408号に記載の非不安定型セレ
ン増感剤、チオセレナゾリジンジオン化合物も有効であ
る。
【0032】本発明に係る乳剤の化学熟成温度は、任意
に決められるが好ましくは20〜90℃の範囲で、好ましく
は30〜80℃で、より好ましくは35〜70℃である。
【0033】本発明においては、本発明に係るセレン化
合物を、予めハロゲン化銀微粒子乳剤に添加せしめ、こ
のハロゲン化銀微粒子乳剤をハロゲン化銀乳剤(以後、
親乳剤)に添加することが好ましい。
【0034】ハロゲン化銀微粒子乳剤としては、親乳剤
より溶解度が小さいものが好ましく用いられる。
【0035】親乳剤よりも溶解度積が小さいとは、溶解
度積をKSPで表すと KSP=[Ag+]・[X-] ここで[Ag+]は銀イオン濃度、[X-]はハロゲンイオ
ン濃度を表す。従って、親乳剤が塩化銀の場合、ハロゲ
ン化銀微粒子は臭化銀、又は沃化銀である。
【0036】勿論、KSPの値が親乳剤よりもハロゲン化
銀微粒子のほうが小さくなれば、これらハロゲンイオン
の混晶であっても良い。
【0037】本発明に係るハロゲン化銀微粒子の種類と
しては、AgBr、AgI、AgClBr、AgBrI、AgClI、AgClBrIが
あるが、実質的に感光性を有しないハロゲン化銀微粒子
が好ましい。
【0038】上記したハロゲン化銀微粒子の粒径として
は0.1μm以下が好ましく、0.07μm以下が更に好まし
く、0.05μm以下が特に好ましい。
【0039】ハロゲン化銀微粒子としては沃化銀微粒子
が好ましく用いられる。
【0040】沃化銀に関しては、一般に立方晶系のγ-A
gIと六方晶系のβ-AgIが知られているが、本発明に用い
る場合の沃化銀微粒子としては、いずれの結晶構造であ
ってもよく、また、これらの混合物であってもよい。
【0041】ハロゲン化銀微粒子として臭化銀、塩化
銀、又はこれら復塩構造を主とする固溶体を用いた場
合、例えばAgBr90I10のような微粒子を用いた場合に
は、これらの微粒子は、実質的に双晶面を有しない無双
晶のいわゆる正常晶か、又は双晶面を1枚有する一重双
晶であることが好ましい。
【0042】本発明で用いるハロゲン化銀微粒子は単分
散性が良好であることが好ましく、ダブルジェット法に
より、温度、pH、pAgを制御しながら調製することが好
ましい。
【0043】ハロゲン化銀微粒子の添加量としては、親
乳剤の平均粒径をd(μm)としたとき、親乳剤1モル
当たり1/100dモル以下が好ましく、更には親乳剤1
モル当たり1/20000d〜1/300dモルの範囲が好まし
く、最も好ましくは、親乳剤1モル当たり1/5000d〜
1/500dモルである。
【0044】本発明における「無機硫黄」とは、他の元
素と化合物を形成していない、いわゆる単体の硫黄を意
味する。単体の硫黄、即ち単体硫黄(Elemental Sulfe
r)については「有機硫黄化学−合成反応編−」化学同
人社刊などに詳しく述べられている。
【0045】従って当業界において写真用添加剤として
知られている含硫黄化合物、例えば硫化物、硫酸(又は
その塩)、亜硫酸(又はその塩)、チオエーテル化合
物、チオ尿素化合物、メルカプト化合物、含硫黄複素環
化合物などは本発明における「無機硫黄」には含まな
い。
【0046】本発明において無機硫黄として用いられる
単体硫黄は、いくつかの同素体を有することが知られて
いるが、そのいずれの同素体を用いてもよい。これら同
素体のうち、室温において安定なのは斜方晶系に属する
α-硫黄であるが、本発明で用いられる無機硫黄は任意
であるが、このα-硫黄を用いることが好ましい。
【0047】本発明において、無機硫黄を添加するに
は、固体のまま添加してもよいが、溶液で添加する方が
好ましい。
【0048】無機硫黄は水には不溶であるが、二酸化炭
素、塩化硫黄、ベンゼン、ジエチルエーテール、エタノ
ールなどに可溶であることが知られており、これらの溶
媒に溶解して添加するのが好ましい。これらの溶媒のう
ち、取り扱い性や写真的影響などの面からメタノール、
エタノールなどが好ましく用いられる。
【0049】無機硫黄の添加量は、適用されるハロゲン
化銀乳剤の種類や期待する効果の大きさ等により適量が
異なるが、通常はハロゲン化銀1モル当たり1.0×10-5m
g〜10mgでよく、より好ましくは1.0×10-3mg〜5mgであ
る。添加は全量を一度に添加してもよいし、複数回に分
けて添加してもよい。
【0050】添加時期としては、本発明に係るハロゲン
化銀乳剤の製造工程のうち、いずれでもよいが、化学熟
成工程が好ましく、さらに上記したセレン化合物による
セレン増感剤と併用することで、本発明の効果が一層顕
著になるため好ましい。
【0051】本発明においては、金、白金、パラジュウ
ム、イリジウム等の貴金属増感法を併用することが好ま
しい。特に金増感法が好ましい。
【0052】金増感には、金増感剤として、例えば塩化
金酸塩、金チオ尿素錯塩、カリウムクロロオーレート、
オーリックトリクロライド、カリウムオーリックチオシ
アネート、カリウムヨードオーレート、テトラシアノオ
ーリックアミド、アンモニウムオーロチオシアネート、
ピリジルトリクロロゴールドなどが挙げられる。これら
金増感剤の添加量は種々の条件下で広範囲に変化できる
が目安としては、ハロゲン化銀1モル当たり5×10-7
5×10-3モルが好ましく、2×10-6〜4×10-4モルが更
に好ましい。
【0053】本発明においては還元増感、及び水素増感
法を用いることができる。還元増感剤としては第一錫
塩、アミン類、ホルムアミンジスルフィン酸、シラン化
合物、ボラン化合物、アスコルビン酸及びその誘導体等
を用いることができる。
【0054】還元増感剤の添加量は、化合物の還元性及
びハロゲン化銀の種類、溶解条件等の乳剤製造条件によ
って異なるが、ハロゲン化銀1モル当り1×10-8〜1×
10-2モルの範囲が適当である。
【0055】本発明に係るハロゲン化銀乳剤(親乳剤)
は、正常晶粒子、即ち立方体、8面体、14面体のような
全て等方的に成長したもの、或は球形のような多面的な
結晶型のもの、又は双晶面のような面欠陥を有した双晶
からなるもの、或はそれらの混合型、または複合型であ
ってもよいが、好ましくは平行双晶面を有する6面体
型、8面体型、14面体型、又は平板状ハロゲン化銀粒子
が挙げられる。
【0056】これらのハロゲン化銀粒子の粒径は0.2μm
から3.0μmの範囲が好ましく、0.3〜2.0μmがさらに好
ましい。
【0057】本発明のハロゲン化銀写真感光材料に用い
られる乳剤は、公知の方法で製造できる。例えばリサー
チ・ディスクロージャー(RD)No.17643(1978年12月),22
〜23頁の“Emulsion Preparation and Types”に記載の
方法、或は同(RD)No.18716(1979年11月),648頁に記載
の方法で調製することができる。
【0058】本発明のハロゲン化銀写真感光材料に用い
られる乳剤は、例えばT.H.James著“The Theory of the
Photographic process”第4版、Macmillan社刊(1977
年)38〜104頁に記載の方法、G.F.Duffin著“Photograph
ic Emulsion Chemistry”、Focal Press社刊(1966年)、
P.Glafkides著“Chimie et Physique Photographique”
Paul Montel社刊(1967年)或はV.L.Zelikman他著“Makin
g And Coating Photographic Emulsion" Focal Press社
刊(1964)などに記載の方法により調製することができ
る。
【0059】即ち、酸性法、アンモニア法、中性法など
の溶液条件にて順混合法、逆混合法、ダブルジェット
法、コントロールドダブルジェット法などの混合条件、
コンバージョン法、コア/シェル法などの粒子調製条
件、およびこれらの組合わせ法を用いて製造することが
できる。
【0060】本発明のハロゲン化銀粒子の粒径分布は、
狭い分布を有した単分散乳剤、或は広い分布を有した多
分散乳剤のいずれであってもよく、これらを併用しても
よい。ハロゲン化銀の結晶構造は内部と外部が異なった
ハロゲン化銀組成からなっていてもよく、例えば高沃化
銀のコア部分に低沃化銀又は、沃化銀を含まないシェル
層を被覆して明確な2層構造を有するか、或はさらに沃
化銀含有量の異なる殻層を設け、3層以上の構造を有し
たコア/シェル型単分散乳剤であってもよい。
【0061】ここで言う単分散であるとは、粒径のバラ
ツキ(標準偏差)を平均粒径で割った値(変動係数)
が、好ましくは30%以内、より好ましくは20%以内であ
ることを言う。
【0062】かかる単分散乳剤の製法は公知で、例えば
J.Phot.Sci,12.242〜251,(1963)、特開昭48-36890号、
同52-16364号、同55-142329号、同58-49938号、英国特
許1,413,748号、米国特許3,574,628号及び同3,655,394
号などに詳しく記載されている。
【0063】上記の単分散乳剤を得るための方法とし
て、例えば種晶を用い、この種晶を成長核として銀イオ
ン、及びハライドイオンを供給し成長させた乳剤を用い
てもよい。上記のコア/シェル型乳剤の製法は公知で、
例えばJ.Phot.Sci,24.198.(1976)、英国特許1,027,146
号、米国特許3,505,068号、同4,444,877号或は特開昭60
-143331号などに記載の方法を参考にすることができ
る。
【0064】本発明に好ましく用いられる平板状ハロゲ
ン化銀粒子の平均粒径は0.3〜3.0μmが好ましく、特に
好ましくは0.5〜1.5μmである。
【0065】平板状ハロゲン化銀粒子は、粒子直径/厚
さ(アスペクト比と呼ぶ)の平均値(平均アスペクト比
と呼ぶ)が2.0以上であり、好ましくは2.0〜20.0、特に
好ましくは2.2〜8.0である。
【0066】平板状ハロゲン化銀粒子の平均厚さは0.5
μm以下が好ましく、特に好ましくは0.3μm以下であ
る。
【0067】かかる平板状粒子の利点は分光増感効率の
向上、画像の粒状性、及び鮮鋭性の改良などが得られる
として、例えば英国特許2,112,157号、米国特許4,439,5
20号、同4,433,048号、同4,414,310号、同4,434,226号
などに開示されており、乳剤はこれら明細書記載の方法
により調製することができる。
【0068】本発明において、平板状ハロゲン化銀粒子
の粒子直径、即ち粒径はハロゲン化銀粒子の電子顕微鏡
写真の観察から粒子の投影面積に等しい面積を有する円
の直径として定義される。
【0069】本発明において、ハロゲン化銀粒子の厚さ
は、平板状ハロゲン化銀粒子を構成する二つの平行な面
の距離のうち最小のもの、即ち主平面間の距離と定義さ
れる。
【0070】平板状ハロゲン化銀粒子の厚さは、ハロゲ
ン化銀粒子の影の付いた電子顕微鏡写真、又はハロゲン
化銀乳剤を支持体に塗布し乾燥したサンプル断層の電子
顕微鏡写真から求めることができる。
【0071】平均アスペクト比を求めるためには、最低
100サンプルの測定を行う。
【0072】本発明のハロゲン化銀乳剤において、平板
状ハロゲン化銀粒子が全ハロゲン化銀粒子に占める割合
は50%以上であり、好ましくは60%以上、特に好ましく
は70%以上である。
【0073】平板状ハロゲン化銀乳剤は単分散性である
ものが好ましく用いられ、粒径の変動係数が20%以内の
範囲に含まれるものが特に好ましく用いられる。
【0074】平板状ハロゲン化銀乳剤は、塩化銀、臭化
銀、沃化銀、塩臭化銀、沃臭化銀等ハロゲン組成は任意
であるが、高感度という点から沃臭化銀が好ましく、平
均沃化銀含有率は0.1〜5.0モル%であって、特に好まし
くは0.5〜3.0モル%である。
【0075】又、本発明に係る平板状ハロゲン化銀乳剤
は、ハロゲン組成が粒子内で均一であってもよく、沃化
銀が局在したものであってもよい。
【0076】平板状ハロゲン化銀乳剤の製造方法は、特
開昭58-113926号、同58-113927号、同58-113934号、同6
2-1855号、ヨーロッパ特許219,849号、同219,850号等を
参考にすることもできる。
【0077】又、単分散性の平板状ハロゲン化銀乳剤の
製造方法として、特開昭61-6643号を参考にすることが
できる。
【0078】高アスペクト比を持つ平板状の沃臭化銀乳
剤の製造方法としては、pBrが3以下に保たれたゼラチ
ン水溶液に硝酸銀水溶液又は硝酸銀水溶液とハロゲン化
物水溶液を同時に添加して種晶を発生させ、次にダブル
ジェット法により成長させることによって得ることがで
きる。
【0079】平板状ハロゲン化銀粒子の大きさ、及び形
状は粒子形成時の温度、銀電位、pH、銀塩、及びハロ
ゲン化物水溶液の添加速度などによってコントロールで
きる。平板状ハロゲン化銀乳剤の平均沃化銀含有率は、
添加するハロゲン化物水溶液の組成、すなわち塩化物、
臭化物、及び沃化物の比を変えることによりコントロー
ルすることができる。
【0080】又、平板状ハロゲン化銀乳剤の製造時に、
必要に応じてアンモニア、チオエーテル、チオ尿素等の
ハロゲン化銀溶剤を用いることができる。
【0081】上述した乳剤は、粒子表面に潜像を形成す
る表面潜像型、あるいは粒子内部に潜像を形成する内部
潜像型、表面と内部に潜像を形成する型のいずれの乳剤
であってもよい。これらの乳剤は物理熟成、あるいは粒
子調製の段階で鉄塩、カドミウム塩、鉛塩、亜鉛塩、タ
リウム塩、ルテニウム塩、オスミウム塩、イリジウム塩
又はその錯塩、ロジウム塩、またはその錯塩などを用い
てもよい。
【0082】乳剤は可溶性塩類を除去するためにヌーデ
ル水洗法、フロキュレーション沈降法などの水洗方法が
なされてよい。好ましい水洗法としては、例えば特公昭
35-16086号記載のスルホ基を含む芳香族炭化水素系アル
デヒド樹脂を用いる方法、又は特開平2-7037号記載の凝
集高分子剤、例示G−3、G−8などを用いる方法が特
に好ましい脱塩法として挙げられる。
【0083】本発明において化学増感(化学熟成)を停
止させるには乳剤の安定性等を考慮すると、化学熟成停
止剤を用いる方法が好ましい。この化学熟成停止剤とし
ては、ハロゲン化物(例えば臭化カリウム、塩化ナトリ
ウム等)、カブリ防止剤または安定剤として知られてい
る有機化合物(例えば4-ヒドロキシ-6-メチル-1,3,3a,7
-テトラザインデン等)が知られている。これらは単独
もしくは複数の化合物を併用して用いられている。
【0084】本発明に係る乳剤は物理熟成、または化学
熟成前後の工程において、各種の写真用添加剤を用いる
ことができる。公知の添加剤としては、例えばリサーチ
・ディスクロージャー(RD)No.17643(1978年12月)、
同No.18716(1979年11月)及び同No.308119(1989年12
月)に記載された化合物が挙げられる。これら三つの(R
D)に示されている化合物種類と記載箇所を下記に掲載し
た。
【0085】 添加剤 RD-17643 RD-18716 RD-308119 頁 分類 頁 分類 頁 分類 化学増感剤 23 III 648 右上 996 III 増感色素 23 IV 648〜649 996〜8 IVA 減感色素 23 IV 998 IVB 染料 25〜26 VIII 649〜650 1003 VIII 現像促進剤 29 XXI 648 右上 カブリ抑制剤・安定剤 24 IV 649 右上 1006〜7 VI 増白剤 24 V 998 V 硬膜剤 26 X 651 左 1004〜5 X 界面活性剤 26〜7 XI 650 右 1005〜6 XI 帯電防止剤 27 XII 650 右 1006〜7 XIII 可塑剤 27 XII 650 右 1006 XII スベリ剤 27 XII マット剤 28 XVI 650 右 1008〜9 XVI バインダー 26 XXII 1003〜4 IX 支持体 28 XVII 1009 XVII 本発明に係る感光材料に用いることのできる支持体とし
ては、例えば前述のRD-17643の28頁及びRD-308119の100
9頁に記載されているものが挙げられる。
【0086】適当な支持体としてはポリエチレンテレフ
タレートフィルムなどで、これら支持体の表面は塗布層
の接着をよくするために、下塗層を設けたり、コロナ放
電、紫外線照射などを施してもよい。
【0087】
【実施例】以下本発明の実施例について説明する。但し
当然のことではあるが本発明は以下述べる実施例により
限定されるものではない。
【0088】実施例1 以下に示す溶液を用い、臭化銀から成る種乳剤を調製し
た。
【0089】 〔A1〕 過酸化水素処理したオセインゼラチン 40g 臭化カリウム 23.7g HO(CH2CH2O)m(CH(CH3)CH2O)17(CH2CH2O)nH (m+n≒5.7)10%メタノール溶液 10ml 水を加えて 4000ml 〔B1〕 硝酸銀 600g 水を加えて 803ml 〔C1〕 過酸化水素処理したオセインゼラチン 16.1g 臭化カリウム 420g 水を加えて 803ml 〔D1〕 アンモニア水(28%) 235ml 特開昭62-160128号に開示されている装置を用い、混合
用撹拌ペラの下部への供給ノズルが、溶液B1用、溶液
1用、各々6本となる様に設置した。
【0090】温度40℃、回転数430rpmで高速撹拌された
溶液A1に、溶液B1と溶液C1とをコントロールド・ダ
ブルジェット法にて流速62.8ml/minで添加した。な
お、添加開始後4分46秒から徐々に流速を上げ、最終の
流速は105ml/minとなるように行った。総添加時間は10
分45秒であった。臭化カリウム溶液(3.5N)で、添加
中のpBrを1.3に保持した。
【0091】添加終了後、105分間で混合液の温度を20
℃に直線的に下げ、撹拌回転数を460rpmにして、溶液D
1を20秒間で添加して、5分間のオストワルド熟成を行
った。熟成時の臭素イオン濃度は0.025モル/l、アン
モニア濃度は0.63モル/l、pHは11.7であった。
【0092】その後、直ちにpHが5.6になるまで酢酸を
加えて中和して熟成を止め、過剰の塩類を除去するた
め、デモールN(花王アトラス社製)水溶液、及び硫酸
マグネシウム水溶液を用いて乳剤を沈殿させ、5分後に
上澄液を排除して脱塩水洗を行った。次に追加ゼラチン
10%水溶液を添加して50℃で30分間撹拌保持した。得ら
れた乳剤を種乳剤Em−0とした。
【0093】Em−0を電子顕微鏡により観察したとこ
ろ、平均粒径0.24μm、粒径の変動係数17%の平行双晶
面を有する球型双晶粒子であることがわかった。
【0094】(種乳剤の成長)引き続き、以下に示す3
種の溶液と種乳剤Em−0を用いて成長乳剤を作成し
た。
【0095】 〔A2〕 オセインゼラチン 42.7g HO(CH2CH2O)m(CHCH2O)17(CH2CH2O)nH (m+n≒5.7)10%メタノール溶液 6ml アンモニア水(28%) 370.0ml 酢酸(56%) 90.0ml 水を加えて 3500ml 〔B2〕 オセインゼラチン 24.0g 臭化カリウム 2368g 沃化カリウム 50g 水を加えて 4700ml 〔C2〕 硝酸銀 3532g 水 2248ml アンモニア水(28%) 2880ml 〔種乳剤Em−0〕 銀0.83モル相当 液温40℃で激しく撹拌した溶液A2に、種乳剤Em−0を
入れ、よく分散させ、溶液B2と溶液C2を61分でコント
ロールド・ダブルジェット法にて添加した。この間、p
Hは9.85から8.0に直線的に制御し、pAgは9.9に終始保
持した。
【0096】添加終了後、直ちに酢酸によりpHを6.0に
調整し、過剰の塩類を除法するため前記と同様な方法で
脱塩した。次に乳剤を分散させるため50℃で撹拌しなが
ら追加ゼラチン10%水溶液を添加して50℃で30分間撹拌
した。
【0097】得られた乳剤を電子顕微鏡にて観察したと
ころ、平均粒径1.20μm、粒径の変動係数20%、(100)
面と(111)面とを有する14面体型の双晶粒子であっ
た。なお、粒子の切断面を観察したところ平行な双晶面
を2枚有していた。得られた乳剤をEM−1とした。
【0098】(乳剤の化学増感)得られた乳剤EM−1
を温度50℃で撹拌保持し、化学増感剤として銀1モル当
たりチオシアン酸アンモニム53mg、塩化金酸0.6mg、及
び表1に示すセレン増感剤、硫黄増感剤、更に表1に示
す本発明の化合物をそれぞれ添加した。その後30分間撹
拌停滞させた後、4-ヒドロキシ-6-メチル-1,3,3a,7-テ
トラザインデン、及び1-フェニル-5-メルカプトテトラ
ゾールを加えて安定化しそれぞれ最適に化学増感した。
【0099】得られた化学増感を施した乳剤に、後記し
た添加剤を加えて乳剤層塗布液とした。
【0100】また同時に、後記の保護層塗布液も調製し
た。尚、塗布量は片面当たり銀量が2.8g/m2、ゼラチ
ン付き量は3.4g/m2となるように2台のスライドホッ
パー型コーターを用い毎分80mのスピードで支持体上に
両面同時塗布を行い、2分20秒で乾燥し、それぞれ塗布
試料No.1〜No.13を得た。支持体にはグリシジメタクリ
レート50wt%、メチルアクリレート10wt%、ブチルメタ
クリレート40wt%の3種のモノマーからなる共重合体の
濃度が10wt%になるように希釈して得た共重合体水性分
散液を下引き液とした175μmのX線フィルム用の濃度0.
15に青色着色したポリエチレンテレフタレートフィルム
ベースを用いた。
【0101】乳剤に用いた添加剤は次のとおりである。
添加量はハロゲン化銀1モル当たりの量で示す。
【0102】 1,1-ジメチロール-1-ブロム-1-ニトロメタン 70mg t-ブチル-カテコール 400mg ポリビニルピロリドン(分子量10,000) 1.0g スチレン-無水マレイン酸共重合体 2.5g ニトロフェニル-トリフェニルホスホニウムクロリド 50mg 1,3-ジヒドロキシベンゼン-4-スルホン酸アンモニウム 4g 2-メルカプトベンツイミダゾール-5-スルホン酸ナトリウム 1.5mg
【0103】
【化4】
【0104】 C4H9OCH2CH(OH)CH2N(CH2COOH)2 1g 1-フェニル-5-メルカプトテトラゾール 15mg ジエチレングリコール 7g デキストラン(平均分子量6万) 600mg ポリアクリル酸ナトリウム(平均分子量3.6万) 2.5g 次に保護層用塗布液として下記を調製した。添加剤は塗
布液1l当たりの量で示す。
【0105】 石灰処理イナートゼラチン 68g 酸処理ゼラチン 2g ソジウム-i-アミル-n-デシルスルホサクシネート 0.3g ポリメチルメタクリレート(面積平均粒径3.5μmのマット剤) 1.1g 二酸化ケイ素粒子(面積平均粒径1.2μmのマット剤) 0.5g ルドックスAM(デュポン社製)(コロイドシリカ) 30g (CH2=CHSO2CH2)2O(硬膜剤) 7mg グリオキザール40%水溶液(硬膜剤) 2.0ml
【0106】
【化5】
【0107】センシトメトリー(写真性能の評価) センシトメトリーは試料を2枚の増感紙NR-160(コニカ
[株]製)で挟み、アルミニウムウエッジを介して管電
圧80kV、管電流50mA、0.05秒間X線を照射した。次いで
ローラ搬送型自動現像機SRX-503(コニカ[株]製)を
用い、現像液、定着液はSR-DF(コニカ[株]製)で現
像、定着を行った。
【0108】現像時間はDry to Dry(処理フィルムの先
端が自動現像機の挿入口先端にあるセンサーにかかった
時からフィルム排出口のセンサーに到達するまでの時間
を言う)で90秒で処理した。なお処理中の温度は、現像
が32℃、定着が33℃、水洗20℃、乾燥50℃で処理した。
感度はカブリ+1.0の濃度を与える露光量の逆数で表
し、試料No.1の感度を100とした相対感度で示した。
【0109】セーフライトの評価 図1に示す透過率をもつ赤色フィルタを通して白熱電球
光で、試料フィルムの上方1.2mから30分間照射した
後、センシトメトリーと同様の処理方法で現像処理し、
カブリの増加を測定した。
【0110】ローラマーク性の評価 自動現像機のローラによる圧力マーク=ローラマーク
は、以下のようにして評価した。即ち、塗布試料12.25
×30.5cmに切断し、処理後の濃度が1.0付近になるよう
に均一に露光し、センシトメトリー同様に処理した。こ
の時発生したローラマークを目視により、次の評価規準
で評価した。
【0111】評価規準 5:ローラマークの発生なし 4:ごくわずかにローラマークの発生あり 3:ローラマーク発生あり(実用許可内) 2:ローラマーク発生が多い(実用許可外) 1:ローラマーク発生が非常に多い これらの結果を表1,2に示した。
【0112】
【表1】
【0113】
【表2】
【0114】実施例2 次に種乳剤Em−0と以下に示す3種の溶液を用い本発
明に係るハロゲン化銀乳剤を調製した。
【0115】 〔A3〕 オセインゼラチン 114.5g HO(CH2CH2O)m(CH(CH3)CH2O)17(CH2CH2O)nH (m+n≒5.7)10%メタノール溶液 40ml 水を加えて 10330ml 〔B3〕 オセインゼラチン 29.8g 臭化カリウム 1893.5g 沃化カリウム 40.5g 水を加えて 5430ml 〔C3〕 硝酸銀 2634g 水を加えて 5430ml (種乳剤Em−0) 1.09モル相当 液温65℃で激しく撹拌した溶液A3に、種乳剤Em−0を
入れ、よく分散させ、溶液B3と溶液C3を40分でコント
ロールド・ダブルジェット法にて添加した。この間、p
Hは5.8に直線的に制御し、pAgは9.9に終始保持した。
なお、溶液B3及び溶液C3の添加速度は、添加終了時の
速度が添加開始時の速さの2.3倍となるように直線的に
増加させた。
【0116】添加終了後、直ちに酢酸によりpHを6.0に
調整し、過剰の塩類を除法するため前記と同様の方法で
脱塩処理した。
【0117】ついで再分散のため、50℃で撹拌しながら
追加ゼラチン10%水溶液を添加して30分間撹拌保持し
た。この乳剤をEM−2とした。
【0118】得られた乳剤EM−2を電子顕微鏡で観察
したところ、主平面が六角形をした平均粒径1.80μm、
平均厚さ0.72μm、平均アスペクト比2.5、粒径の変動係
数19%の平板状粒子であった。この粒子は主平面が
(111)面で、かつ(100)面を有していた。
【0119】ハロゲン化銀微粒子の調製 (沃臭化銀微粒子乳剤の調製)0.008モルの沃化カリウ
ムを含む5.2重量%のゼラチン溶液5000ml、1.06モルの
硝酸銀と沃化カリウムを含む水溶液のそれぞれ1500mlを
一定流量で35分かけて添加した。この間、温度は40℃に
保った。得られた沃化銀微粒子の平均粒径は0.043μmで
β-AgIとγAgIの混合物であった。
【0120】(乳剤の化学増感)得られた乳剤EM−
2、及び実施例1に示したEM−1をそれぞれ53℃で撹
拌保持し、化学増感剤として銀1モル当たりチオシアン
酸アンモニム53mg、塩化金酸0.6mg、無機硫黄を表3に
示す如く添加した。その後25分後、表3に示す本発明の
化合物、及び上記沃化銀微粒子乳剤に表3に示すセレン
化合物を予め添加し、40℃で50分間撹拌保持した沃化銀
微粒子乳剤を銀にして1.5×10-5モル相当添加して、ひ
き続き30分間撹拌停滞させた後、4-ヒドロキシ-6-メチ
ル-1,3,3a,7-テトラザインデン、及び1-フェニル-5-メ
ルカプトテトラゾールを加えて安定化し、それぞれ最適
に化学増感した。
【0121】これらの乳剤を用いて実施例1と同様に塗
布試料No.14〜No.31を作成し、同様なセンシトメトリ
ー、及びセーフライト性、ローラマークの評価を行っ
た。
【0122】結果を表3、表4に示す。
【0123】なお、比較試料No.21、No.22については実
施例1と同様の方法でセレン化合物を添加した。
【0124】
【表3】
【0125】
【表4】
【0126】
【発明の効果】表1〜表4に示すように、本発明により
高感度でカブリが低く、暗室内でのセーフライトカブ
リ、迅速処理でローラマークの発生の抑えられたハロゲ
ン化銀写真感光材料が得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】赤外フィルターのもつ透過率を示す図。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記、一般式〔1〕、〔2〕、〔3〕で
    表される化合物の少なくとも1種を含有し、かつセレン
    化合物、及び無機硫黄で増感されていることを特徴とす
    るハロゲン化銀乳剤。 一般式〔1〕 R−SO2S−M 一般式〔2〕 R−SO2S−R1 一般式〔3〕 R−SO2S−Ln−SSO2−R2 (式中、R、R1、R2は脂肪族基、芳香族基、またはヘ
    テロ環基を表す。Lは2価の連結基を示し、nは0又は
    1であり、Mはカチオンを示す。)
  2. 【請求項2】 支持体上に少なくとも1層のハロゲン化
    銀乳剤層を有するハロゲン化銀写真感光材料において、
    該ハロゲン化銀乳剤層を構成する少なくとも50%以上が
    請求項1記載のハロゲン化銀乳剤であることを特徴とす
    るハロゲン化銀写真感光材料。
  3. 【請求項3】 セレン化合物を予め含有したハロゲン化
    銀微粒子乳剤を添加することでセレン増感することを特
    徴とするハロゲン化銀乳剤。
  4. 【請求項4】 支持体上に少なくとも1層のハロゲン化
    銀乳剤層を有するハロゲン化銀写真感光材料において、
    該ハロゲン化銀乳剤層を構成する乳剤の少なくとも50%
    以上が請求項3記載のハロゲン化銀乳剤であることを特
    徴とするハロゲン化銀写真感光材料。
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