JP2001343717A - 平板状ハロゲン化銀乳剤の製造方法 - Google Patents

平板状ハロゲン化銀乳剤の製造方法

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JP2001343717A
JP2001343717A JP2000211556A JP2000211556A JP2001343717A JP 2001343717 A JP2001343717 A JP 2001343717A JP 2000211556 A JP2000211556 A JP 2000211556A JP 2000211556 A JP2000211556 A JP 2000211556A JP 2001343717 A JP2001343717 A JP 2001343717A
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Kazuyoshi Takahashi
和敬 高橋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハロゲン化銀乳剤の製造に際して、粒子形成
過程でハロゲン化銀微粒子の溶解を促進して厚さの薄い
平板粒子を形成させる方法を実現させること。 【解決手段】 反応容器にハロゲン化銀微粒子乳剤およ
び晶相制御剤を供給して平板状粒子からなるハロゲン化
銀写真乳剤を製造する方法において、保護コロイドにエ
ステル化ゼラチンを含み、晶相制御剤に特定構造のピリ
ジニウム塩またはビスピリジニウム塩を用い、かつ該晶
相制御剤は核形成時には反応容器中になく、物理熟成時
および成長時に反応容器中に存在させ、平板状ハロゲン
化銀粒子が、主平面が(111)面で臭化銀含有量が7
0%以上で、全ハロゲン化銀粒子の投影面積の60%以
上を占めることを特徴とする平板状ハロゲン化銀乳剤の
製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はハロゲン化銀(以
下、「AgX」と記す)乳剤の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】平板状ハロゲン化銀粒子(以下「平板状
粒子」という)は、その写真特性として次のような利点
を持っている。 1)体積に対する表面積の比率(以下比表面積という)
が大きく、多量の増感色素を表面に吸着させることがで
きるため、固有感度に対して、色増感感度が相対的に高
い。 2)平板状粒子を含む乳剤を塗布し、乾燥した場合、そ
の粒子が支持体表面に平行に配列するため塗布層の厚さ
を薄くでき、その写真感光材料のシャープネスが良い。 3)レントゲン写真システムでは、平板状粒子に増感色
素を加えると、ハロゲン化銀クロスオーバー光を顕著に
減少させることができ、画質の劣化を防止できる。 4)光散乱が少なく、解像力の高い画像が得られる。 5)ブルー光に対する感度が低いため、緑感光層また
は、赤感光層に用いた場合に乳剤中からイエローフィル
ターを除去できる。このように多くの利点を有するた
め、従来から高感度の市販感光材料に用いられてきてい
る。特公平6−44132号、特公平5−16015号
には、アスペクト比8以上の平板状粒子乳剤が開示され
ている。ここでいうアスペクト比とは、平板粒子の厚さ
に対する直径の比率で示される。さらに粒子の直径と
は、乳剤を顕微鏡または電子顕微鏡で観察した時、粒子
の投影面積と等しい面積を有する円の直径を指すものと
する。また厚みは平板状ハロゲン化銀を構成する二つの
平行な主表面の距離で示される。また、特公平4−36
374号には、緑感乳剤層、赤感乳剤層の少なくとも一
層に、厚さ0.3μ未満、直径0.6μ以上である平板
状粒子用いることにより、鮮鋭度と感度及び粒状性を向
上させたカラー写真感光材料が記載されている。
【0003】しかるに近年、ハロゲン化銀感光材料の高
感度化及び小フォーマット化が進み、より高感度で画質
の改良されたカラー感光材料が強く望まれている。その
ため、より高感度で、より粒状性の優れたハロゲン化銀
粒子乳剤が要求されており、従来の平板状ハロゲン化銀
乳剤では、これらの要求に応えるには、不十分であり、
より一層の性能向上がのぞまれていた。
【0004】また、アスペクト比の大きい平板粒子ほど
比表面積が大きくなるので上記の平板粒子の利点を大き
く活用することができる。即ちより大きい表面積により
多くの増感色素を吸着させることにより、1粒子当たり
の光の吸収量を多くすることができて、高感度を得るこ
とを可能にする。そのためこれまでより薄い平板粒子を
調製する方法が幾多研究されてきた。特公平5−126
96号にはゼラチン中のメチオニン基を酸化して無効化
したゼラチンを分散媒として用いて薄い平板粒子を調製
する方法が開示されている。特開平8−82883号に
はアミノ基及びメチオニン基を無効化したゼラチンを分
散媒として用いて薄い平板粒子を調製する方法が開示さ
れている。また特開平10−148897号にはゼラチ
ン中のアミノ基を化学修飾して、少なくとも2個以上の
カルボキシル基を導入したゼラチンを分散媒として用い
て薄い平板粒子調製する方法が開示されている。
【0005】平板粒子の調製においては、保護コロイド
水溶液を保持する反応容器に、銀塩水溶液とハライド水
溶液を添加するかわりにハロゲン化銀微粒子を添加して
核形成及び/又は成長を行う方法が好ましい。この方法
については、米国特許第4879208号、特開平1−
183644号、同2−44335号、同2−4353
5号、同2−68538号にその技術が開示されてい
る。また平均厚さ0.07μm未満の極薄平板粒子乳剤
の製造方法として欧州特許第507701A号、特開平
10−239787号に開示されている。該製造方法
は、ハロゲン化銀粒子の核形成及び/又は粒子成長を起
こさせる反応容器の外に混合器を設け、該混合器に銀塩
水溶液とハライド水溶液を供給して混合し、ハロゲン化
銀微粒子を形成し、ただちに該微粒子を反応容器に供給
し、該反応容器中で核形成及び/又は粒子成長を行わせ
ることを特徴とする製造法である。該混合器で生成した
極微粒子は反応容器に導入された後、撹拌によって反応
容器内にばらまかれ、その粒子サイズが微細であるた
め、容易に溶解し銀イオンとハライドイオンを放出し均
一な核形成及び/又は成長を起こさしめる。即ち高い均
一性を有し、且つ厚さが薄い平板粒子の製造が可能にな
った。該特許には平板粒子を調製した例が示されてお
り、平板の平均厚さは最小で0.042μmでありアス
ペクト比は最大で40であった。
【0006】特開平7−230133号、同8−870
87号、同8−87088号には、平板厚み0.07μ
m未満でAgBr含率が50モル%以上の極薄平板粒子
乳剤の製造法が開示されている。ここでは、該平板粒子
の成長時に成長制御剤(トリアミノピリミジン、または
5,7−ジヨード−8−ヒドロキシキノリン、または2
個のヨード置換基を有するフェノール類)を添加し、平
板粒子の厚さを薄く保ったまま成長させることを特徴と
している。
【0007】特開平10−104769号には、平板厚
み0.01〜0.3μmでAgBr含率が60モル%以
上の極薄平板粒子乳剤の製造法が開示されている。ここ
では、該平板粒子の形成前に成長制御剤(複素環窒素4
級塩基化合物を一分子中に一基以上含有する化合物)を
添加し、厚さの薄い平板粒子を形成することを特徴とし
ている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】厚さの薄い平板粒子を
調製することは、上記のように、重要な技術課題である
が、その目的で成長制御剤存在下でハロゲン化銀微粒子
を反応容器に供給して平板粒子を調製する際、該微粒子
の溶解が抑制され、平板粒子の成長が困難になるという
問題があり、その解決が求められていた。
【0009】本発明の目的は上記課題を解決することに
あり、具体的にはハロゲン化銀微粒子の溶解を促進し、
厚さの薄い平板粒子を形成する方法を実現しようとする
ものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、鋭意研究を
行った結果、下記(1)〜(4)によって本発明の課題
を達成することができた。即ち、 (1)反応容器にハロゲン化銀微粒子乳剤および晶相制
御剤を供給して平板状ハロゲン化銀粒子からなるハロゲ
ン化銀写真乳剤を製造する方法において、該微粒子乳剤
は保護コロイドとしてエステル化ゼラチンを含み、晶相
制御剤は下記一般式(I)、(II)或いは(III)から
選ばれる化合物であり、かつ該晶相制御剤は核形成時に
は反応容器中には存在せず、物理熟成時および成長時に
反応容器中に存在し、該平板状ハロゲン化銀粒子は主平
面が(111)面で臭化銀含有量が70%以上であり、
該乳剤中の全ハロゲン化銀粒子の投影面積の60%以上
を占めることを特徴とする平板状ハロゲン化銀乳剤の製
造方法。
【0011】
【化3】
【0012】一般式(I)において、R1はアルキル
基、アルケニル基、アラルキル基を表し、R2、R3、R
4、R5およびR6はそれぞれ水素原子または置換基を表
す。R2とR3、R3とR4、R4とR5、R5とR6は縮環し
てもよい。ただし、R2、R3、R4、R5及びR6の少な
くとも一つがアリール基を表す。X-は対アニオンを表
す。
【0013】
【化4】
【0014】一般式(II)及び一般式(III)において、
1、A2、A3及びA4は含窒素ヘテロ環を完成させるた
めの非金属原子群を表し、それぞれが同一でも異なって
いてもよい。Bは2価の連結基を表す。mは0または1
を表す。R1、R2はそれぞれアルキル基を表す。Xはア
ニオンを表す。nは0または1または2を表し、分子内
塩のときはnは0または1である。
【0015】(2)該平板粒子の粒子厚さが0.05μ
m未満で、円相当直径が0.6μm以上であることを特
徴とする(1)に記載のハロゲン化銀写真乳剤製造方
法。
【0016】(3)ハロゲン化銀粒子の核形成絵形成及
び/又は粒子成長を起こさせる反応容器の外に混合器を
設け、該混合器に水溶性銀塩の水溶液と水溶性ハライド
の水溶液を供給して混合し、ハロゲン化銀微粒子を形成
し、ただちに該微粒子を反応容器に供給し、該反応容器
中でハロゲン化銀粒子の核形成及び/又は成長を行わせ
ることを特徴とする(1)又は(2)に記載のハロゲン
化銀写真乳剤の製造方法。
【0017】(4)粒子成長時に、晶相制御剤として一
般式(I)、(II)或いは(III)で表わされる化合物
の少なくとも1種を連続して反応容器に添加することを
特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載のハロゲン
化銀写真乳剤の製造方法。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明におけるハロゲン化銀微粒
子乳剤の保護コロイドとして用いるエステル化ゼラチン
は、ゼラチンのカルボキシル基をアルコール(ROH)
で置換したものである。上記アルコールの化学式中、R
は炭素数1〜20の直鎖、分岐または環状のアルキル基
(例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、t−
ブチル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ヘキサ
デシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シク
ロヘキシル基)、炭素数2〜20のアルケニル基(例え
ば、アリル基、2−ブテニル基、3−ペンテニル基)、
炭素数7〜20のアラルキル基(例えば、ベンジル基、
フェネチル基)が好ましい。Rで表わされる各基は置換
されていてもよい。また、ゼラチンの平均分子量は10
00〜30万、好ましくは1000〜11万、より好ま
しくは1000〜6万である。本発明において微粒子の
保護コロイドとして用いられるエステル化ゼラチンの量
は、1〜200g/銀モル、好ましくは3〜150g/
銀モルである(「g/銀モル」は銀1モル当りのg数
で、以後この表記を用いる)。
【0019】本発明における平板状ハロゲン化銀粒子
(以下、「平板粒子」という)とは、2つの対向する平
行な主表面を有し該主表面の円相当直径(該主表面と同
じ投影面積を有する円の直径)が主表面の距離(即ち粒
子の厚み)より10倍以上大きな粒子をいう。本発明の
平板粒子を有する乳剤の平均粒子直径/粒子厚み比は3
0〜200が好ましく、50〜200であることがさら
にが好ましい。ここに、平均粒子直径/粒子厚みとは、
全平板粒子の粒子直径/厚み比を平均することにより得
られるが、簡便な方法としては、全平板粒子の平均直径
と、全平板粒子の平均厚みとの比として求めることも出
来る。
【0020】本発明の平板粒子の直径(円相当)は0.
6〜20μm、好ましくは0.8〜20μmである。粒
子厚みは好ましくは0.05μm未満、より好ましくは
0.01以上0.04μm未満、さらに好ましくは0.0
3〜0.01μmである。本発明の平板粒子の円相当径
及び粒子厚みの変動係数は30%以下、さらに、20%
以下、特に15%以下であることが好ましい。本発明に
於ける粒子直径、粒子厚みの測定は米国特許第4434
226号に記載の方法に如く粒子の電子顕微鏡写真より
求めることができる。即ち粒子の厚みの測定は、参照用
のラテックスとともに粒子の斜め方向から金属を蒸着
し、そのシャドーの長さを電子顕微鏡写真上で測定し、
ラテックスのシャドウの長さを参照にして計算すること
により容易に知ることができる。
【0021】平板粒子は、その主表面が(111)と
(100)の二つに大別されるが、本発明の平板粒子
は、(111)面である双晶面を少なくとも1枚含み、
双晶面と平行な(111)面を主表面とする平板粒子で
ある。双晶面とは(111)面の両側ですべての格子点
のイオンが鏡像関係にある場合に、この(111)面の
ことを指す。本発明における平板粒子は三角形平板粒子
でも六角形平板粒子でもよい。ただし、三角形平板粒子
とは、通常概念の三角形であるが、六角形の場合はその
隣接する長辺と短辺の比が5:1以上である平板粒子で
ある。六角形において、3回回転対称が成立していない
場合は、3組の長辺の平均値と、3組の短辺の平均値の
比が5:1以上の平板粒子である。六角形平板粒子と
は、六角形の隣接する長辺と短辺の比が5:1以下であ
る平板粒子であり、3回回転対称が成立していない場合
は、3組の長辺の平均値と、3組の短辺の平均値の比が
5:1以下の平板粒子である。
【0022】本発明の平板粒子の調製においては、保護
コロイド水溶液を保持する反応容器に、銀塩水溶液とハ
ライド水溶液を添加するかわりにハロゲン化銀微粒子を
添加して核形成/及び又は成長を行う。この方法につい
ては、米国特許第4879208号、特開平1−183
644号、同2−44335号、同2−43535号、
同2−68538号にその技術が開示されている。また
平板粒子形成におけるヨウ素イオンの供給法として、微
粒子ヨウ化銀(粒子径0.1μm以下、好ましくは0.0
6μm以下)乳剤を添加しても良く、この際、ヨウ化銀
微粒子の供給法として米国特許第4879208号に開
示されている製造法を用いることが好ましい。これらの
微粒子添加による核形成/及びまたは粒子成長を行う方
法において、特開平10−239787号、同11−7
6783号に開示された攪拌槽を貫通する回転軸を持た
ない攪拌羽根を攪拌槽内で回転駆動して調製した微細な
ハロゲン化銀粒子を反応容器に添加してハロゲン化銀粒
子の調製を行う方法が好ましい。本発明において、ハロ
ゲン化銀微粒子を形成する混合器への銀塩水溶液とハラ
イド水溶液の添加方法としては、各溶液は一定速度で添
加してもよいし、銀塩水溶液及び/又はハライド水溶液
の添加速度、添加量、添加濃度を上昇又は下降させる方
法を用いてもよい。また、各溶液は連続的に添加しても
よいし、また断続的に添加してもよい。銀塩水溶液及び
ハライド水溶液の濃度は0.001〜2.5mol/l
が好ましく、0.01〜1mol/lが更に好ましい。
また、各溶液の脈動が小さいことが好ましい。脈動と
は、短時間に流量が変動することを意味する。瞬間的な
流量の変動値[(最大値−最小値)/平均流量で表わさ
れる]が4%以下であることが好ましく、2%以下であ
ることがより好ましく、1%以下であることが特に好ま
しい。
【0023】平板粒子のハロゲン組成としては、臭化銀
含有率が70モル%以上のヨウ臭化銀、塩ヨウ臭化銀、
ヨウ臭塩化銀、塩臭化銀である。本発明の平板粒子のハ
ロゲン組成に関する構造については、X線回折、EPM
A(XMAという名称もある)法(電子線でハロゲン化
銀粒子を走査して、ハロゲン化銀組成を検出する方
法)、ESCA(X線を照射して粒子表面から出てくる
光電子を分光する方法)などを組み合わせることにより
確認できる。
【0024】また、本発明に関するハロゲン化銀乳剤に
おいては、ハロゲン化銀粒子間の沃化銀含有率がより均
一であることが好ましい。即ち、該ハロゲン化銀乳剤に
おけるヨウ化銀含有率の変動係数が30%以下であるこ
とが好ましく、20%以下であることがより好ましい。
【0025】本発明で(111)主表面型平板粒子を形成
する際用いられる、一般式(I)、(II)或いは(III)で表
わされる化合物の詳細を説明する。一般式(I)におい
て、R1は炭素数1〜20の直鎖、分岐または環状のア
ルキル基(例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル
基、t−ブチル基、n−オクチル基、n−デシル基、n
−ヘキサデシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル
基、シクロヘキシル基)、炭素数2〜20のアルケニル
基(例えば、アリル基、2−ブテニル基、3−ペンテニ
ル基)、炭素数7〜20のアラルキル基(例えば、ベン
ジル基、フェネチル基)が好ましい。R1で表される各
基は置換されていてもよい。置換基としては以下のR2
〜R6で表される置換可能な基と同義の置換基が挙げら
れる。
【0026】R2、R3、R4、R5およびR6はそれぞれ
同じであっても異なっていてもよく、水素原子またはこ
れを置換可能な基を表す。置換可能な基としては以下の
ものが挙げられる。ハロゲン原子、アルキル基、アルケ
ニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基、ヘ
テロ環基(例えば、ピリジル基、フリル基、イミダゾリ
ル基、ピペリジル基、モルホリノ基等)、アルコキシ
基、アリールオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、ウ
レイド基、ウレタン基、スルホニルアミノ基、スルファ
モイル基、カルバモイル基、スルホニル基、スルフィニ
ル基、アルキルオキシカルボニル基、アシル基、アシル
オキシ基、りん酸アミド基、アルキルチオ基、アリール
チオ基、シアノ基、スルホ基、カルボキシ基、ヒドロキ
シ基、ホスホノ基、ニトロ基、スルフィノ基、アンモニ
オ基(例えば、トリメチルアンモニオ基等)、ホスホニ
オ基、ヒドラジノ基等である。これらの基はさらに置換
されていてもよい。R2とR3、R3とR4、R4とR5、R
4とR6は縮環してキノリン環、イソキノリン環、アクリ
ジン環を形成してもよい。R2、R3、R4、R5とR6の各
置換基の炭素数は、1から20である。
【0027】X-は対アニオンを表す。対アニオンとし
ては例えば、ハロゲンイオン(クロルイオン、臭素イオ
ン)、硝酸イオン、硫酸イオン、p−トルエンスルホン
酸イオン、トリフロロメタンスルホン酸イオン等が挙げ
られる。一般式(I)において好ましくは、R1がアラ
ルキル基を表し、R2、R3、R4、R5およびR6の少な
くとも一つがアリール基を表す。一般式(I)において
より好ましくは、R1がアラルキル基を表し、R4がアリ
ール基を表し、X-がハロゲンイオンを表す。これらの
化合物例が特願平6−333780号の晶癖制御剤1〜
29に記載されているが、本発明はこれらに限定される
ものではない。
【0028】次に本発明で用いる一般式(II)及び(II
I)の化合物について詳細に説明する。A1、A2、A3
よびA4は、含窒素ヘテロ環を完成させるための非金属
元素を表し、酸素原子、窒素原子、硫黄原子を含んでも
よく、ベンゼン環が縮環してもかまわない。A1、A2
3およびA4で構成されるヘテロ環は置換基を有しても
よく、それぞれが同一でも異なっていてもよい。置換基
としてはアルキル基、アリール基、アラルキル基、アル
ケニル基、ハロゲン原子、アシル基、アルコキシカルボ
ニル基、アリールオキシカルボニル基、スルホ基、カル
ボキシ基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキ
シ基、アミド基、スルファモイル基、カルバモイル基、
ウレイド基、アミノ基、スルホニル基、シアノ基、ニト
ロ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基
を表す。好ましい例としては、A1、A2、A3およびA4
は5〜6員環(例えば、ピリジン環、イミダゾール環、
チアゾール環、オキサゾール環、ピラゾン環、ピリミジ
ン環など)を挙げることができる。さらに好ましい例と
してピリジン環を挙げることができる。Bは2価の連結
基を表す。2価の連結基とは、炭素数1から18のアル
キレン基、炭素数6から18のアリーレン基、炭素数1
から18のアルケニレン基、−SO2−、−SO−、−
O−、−S−、−CO−、−N(R‘)−(R’はアル
キル基、アリール基、水素原子を表す。)を単独または
組み合わせて構成されるものを表す。好ましい例として
は、Bはアルキレン、アルケニレンを挙げることができ
る。R1とR2は炭素数1以上20以下のアルキル基を表
す。R1とR2は同一でも異なっていてもよい。アルキル
基とは、置換あるいは無置換のアルキル基を表し、置換
基としては、A1、A2、A3およびA4の置換基として挙
げた置換基と同様である。好ましい例としては、R1
2はそれぞれ炭素数4〜10のアルキル基を表す。さ
らに好ましい例として置換あるいは無置換のアリール置
換アルキル基を表す。Xはアニオンを表す。例えば、塩
素イオン、臭素イオン、沃素イオン、硝酸イオン、硫酸
イオン、p−トルエンスルホナート、オギザラートを表
す。nは0または1を表し、分子内塩の場合にはnは0
である。一般式(II)または一般式(III)で表される
化合物の具体例が特開平2−32号に開示されている
(化合物例1〜42)が、本発明はこれらの化合物に限
定されるものではない。
【0029】本発明に用いる一般式(I)、(II)或いは(I
II)で表わされる化合物は、ハロゲン化銀結晶の(11
1)面に選択的に吸着する性質が顕著で、これを(11
1)晶相制御剤と呼ぶ。(111)主表面型の平板粒子形
成においてこれらの化合物を存在させると該化合物が平
板粒子の主表面に選択的に吸着し平板粒子の厚さ方向の
成長を抑制し、その結果薄い平板粒子を得ることができ
る。特開平10−104769号には、核形成(双晶形
成)時に、(111)面晶相制御剤を用いてより薄い平板
粒子を調製する方法が開示されているが、本発明におい
ては、該(111)晶相制御剤は、核形成時には存在さ
せず、熟成及び成長時に存在させる。より具体的に言う
と、該(111)双晶制御剤は、核形成終了後に添加す
るか、或いは引き続き行われる熟成時に添加される。さ
らに、平板粒子成長時にも該(111)晶相制御剤は存
在し、必要によって成長開始前、或いは成長中に該(1
11)双晶制御剤を添加することが好ましい。より好ま
しくは、該(111)晶相制御剤を平板粒子成長時に連
続的に添加する。
【0030】本発明に用いる一般式(I)、(II)或い
は(III)で表わされる化合物の添加量はハロゲン化銀
1モル当たり、5×10-4〜10-1モルであり、特に、
10 -3〜5×10-2モルであることが好ましい。
【0031】本発明で微粒子乳剤の保護コロイドとして
エステル化ゼラチンを使用するが、他にもゼラチンを使
用してもよい。使用するゼラチンとしては、アルカリ処
理でも酸処理でも良いが、通常アルカリ処理ゼラチンが
好ましく用いられる。特に不純物イオンや不純物を除去
した脱イオン処理や限外ろ過処理を施したアルカリ処理
ゼラチンを用いることが好ましい。アルカリ処理ゼラチ
ンの他、酸処理ゼラチン、ゼラチンのアミノ基を置換し
たフタル化ゼラチン、琥珀化ゼラチン、トリメリット化
ゼラチン、フェニルカルバミル化ゼラチン、炭素数が4
〜16の脂肪族炭化水素やゼラチンのカルボキシル基を
置換したエステル化ゼラチンのような誘導体ゼラチン、
低分子量ゼラチン(分子量1000〜8万で具体例とし
て、酵素で分解したゼラチン、酸及び/またはアルカリ
で加水分解したゼラチン、熱で分解したゼラチンを挙げ
ることができる)、高分子量ゼラチン(分子量11万〜
30万)メチオニン含量が50μモル/g以下のゼラチ
ン、チロシン含量が30μモル/g以下のゼラチン、酸
化処理ゼラチン、メチオニンがアルキル化によって不活
性化したゼラチンを用いることができるし、それらの二
種類以上の混合物を用いることもできる。本発明におい
て粒子形成行程で用いられるゼラチンの量は、1〜60
g/銀モル、好ましくは3〜40gである。本発明の化
学増感行程におけるゼラチンの濃度は1〜100g/銀
モルが好ましく、1〜70g/銀モルがより好ましい。
【0032】本発明に関するハロゲン化銀粒子は、粒子
を形成する過程及び/又は成長させる過程で、金属イオ
ンをドープすることができる。ドープする位置は内部及
び/又は表面である。金属ドーパントとしては、鉄塩、
コバルト塩、ニッケル塩、ルテニウム塩、カドミウム
塩、亜鉛塩、鉛塩、タリウム塩、エルビウム塩、ビスマ
ス塩、イリジウム塩、インジウム塩、ロジウム塩、又は
無機化合物及び/又は有機化合物を配位子とするその錯
塩が用いられる。
【0033】ハロゲン化銀粒子は、転位線を粒子内に有
してもよい。ハロゲン化銀粒子中に転位をコントロール
して導入する技術に関しては、特開昭63−22023
8号に記載がある。この公報によれば、平均粒子径/粒
子厚み比が2以上の平板状ハロゲン化銀粒子内部に特定
の高ヨード相を設け、その外側を該高ヨード相よりもヨ
ード含有率が低い相で覆うことによって転位を導入する
ことができる。この転位の導入により、感度の上昇、保
存性の改善、潜像安定性の向上、圧力カブリの減少等の
効果が得られる。この公報記載の発明によれば、転位は
主に平板粒子のエッジ部分に導入される。また、中心部
に転位が導入された平板粒子については、米国特許5,
238,796号公報に記載がある。さらに、特開平4
−348337号公報には、内部に転位を有する正常晶
粒子が開示されている同公報には正常晶粒子に塩化銀ま
たは塩臭化銀のエピタキシーを生成し、そのエピタキシ
ーを物理熟成及び/またはハロゲンによるコンバージョ
ンによって転位を導入できることが開示されている。こ
のような転位の導入によって、感度の上昇および圧力カ
ブリの減少という効果が得られた。ハロゲン化銀粒子中
の転位線は、例えば、J. F. Hamilton, Photo. Sci. En
g. 1967, 11, 57や、T. Shinozawa, J. Soc.Photo Sci.
JAPAN, 1972, 35, 213によって記載の低温での透過型
電子顕微鏡を用いた直接法により観察することができ
る。すなわち、乳剤から転位が発生するほどの圧力をか
けないように注意して取り出したハロゲン化銀粒子を電
子顕微鏡観察用のメッシュにのせ、電子線による損傷
(プリントアウト)を防ぐように試料を冷却した状態で
透過法により観察を行う。この時、粒子の厚みが厚いほ
ど電子線が透過しにくくなるので、高圧型(0.25μ
mの厚さに対し200keV以上)の電子顕微鏡を用い
た方がより鮮明に観察することができる。この様な方法
により得られた粒子の写真により、主平面に対し垂直な
面から見た場合の各粒子についての転位線の位置および
数を求めることができる。本発明は、ハロゲン化銀粒子
のうち、50%以上の個数の粒子が一粒子当たり1本以
上の転位線を含む場合に効果がある。
【0034】本発明で調製されたハロゲン化銀粒子をホ
スト粒子とし、エピタキシャル粒子を形成してもよい。
これについては、例えば、J. E. Masksky, J. Imag. Sc
i.,32, 166 (1988)、特開昭64−26837号、同6
4−26838号、同64−26840号、特開平1−
179140号、米国特許4865962号、同496
8595号の記載を参考にすることができる。また、該
ハロゲン化銀粒子をコアとし、内潜型粒子を形成しても
よく、あるいは、該粒子とはハロゲン組成の異なるハロ
ゲン化銀層を積層させ、いわゆるコア/シェル型粒子を
形成してもよい。これらについては特開昭59−133
542号、同63−151618号、米国特許3206
313号、同3317322号、同3367778号、
同3761276号、同4269927号等の記載を参
考にすることができる。
【0035】ハロゲン化銀粒子乳剤は次なる工程で、A
+塩およびX-塩の添加で生じた余分の塩を取り除く工
程が行われる。この際、水洗の前に粒子の沈降を促進す
るためにゼラチンを添加してもよい。水洗方法としては
従来から知られている方法、即ちヌーデル水洗法、
沈降剤を加えて乳剤を沈降させ水洗する方法、フタル
化ゼラチンのような変性ゼラチンを用いる方法、限外
濾過法、等(詳細は、G.F.Duffin, "Photographic Emul
sion Chemistry", Focal Press. London, 1966年、参
照)を用いることができる。
【0036】本発明に基づいてハロゲン化銀乳剤を製造
するに当って、粒子形成時から塗布時までに添加するこ
とのできる添加剤に特に制限はない。また、既知のあら
ゆる技術との組み合せを用いることができる。これらに
関しては、次の文献の記載を参考にすることができる。
結晶形成過程で成長を促進するために、また粒子形成お
よび/または化学増感時に化学増感を効果的にならしめ
るためにハロゲン化銀溶剤を用いることができる。しば
しば用いられるハロゲン化銀溶剤としては水溶性チオシ
アン酸塩、アンモニア、チオエーテル、チオ尿素などを
挙げることができる。例えばチオシアン酸塩(米国特許
2222264号、同2448534号、同33200
69号各公報など)、アンモニア、チオエーテル化合物
(例えば米国特許3271157号、同3574628
号、同3704130号、同4297439号、同42
76347号各公報など)、チオン化合物(例えば特開
昭53−144319号、同53−82408号、同5
5−77737号各公報など)、アミン化合物(例えば
特開昭54−100717号公報など)、チオ尿素誘導
体(例えば特開昭55−2982号公報)、イミダゾー
ル類(特開昭54−100717号公報)、置換メルカ
プトテトラソール(特開昭57−202531号公報)
などを挙げることができる。
【0037】本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤の製
造は、これまで知られているあらゆる方法を用いること
ができる。すなわち、ゼラチン水溶液を有する反応容器
に効率の良い撹拌のもとに銀塩水溶液およびハロゲン塩
水溶液を添加する。具体的方法としてはP.G1afkides著C
hemi et Phisique Photographique (Paul Montel社刊、
1967年)、G.F.Duffin著Photographic Emulsion Chemis
try (The Focal Press刊、1966年)、V.L.Zelikman et
al著Making And Coating Photographic Emulsion(the
Focal Press刊、1964年)などに記載された方法を用い
て調製することができる。すなわち、酸性法、中性法、
アンモニア法等のいずれでもよく、また、可溶性銀塩と
可溶性ハロゲン塩を反応させる形式としては、片側混合
法、同時混合法それらの組合せなどのいずれを用いても
よい。同時混合法の一つの形式として、ハロゲン化銀が
生成される液相中のpAgを一定に保つ方法、すなわ
ち、いわゆるコントロールド・ダブルジェット法を用い
ることもできる。また、英国特許1535016号公
報、特公昭48−36890号、同52−16364号
各公報等に記載されているような、硝酸銀やハロゲン化
アルカリ水溶液の添加速度を粒子成長速度に応じて変化
させる方法や、米国特許4242445号、特開昭55
−158124号などの各公報等に記載されているよう
な水溶液濃度を変化させる方法を用いて臨界過飽和度を
越えない範囲において早く成長させることが好ましい。
これらの方法は、再核発生を起こさず、ハロゲン化銀粒
子が均一に成長するため、好ましく用いられる。
【0038】反応容器に銀塩溶液とハロゲン塩溶液を添
加する代りに、あらかじめ調製された微粒子を反応容器
に添加して、核形成および/または粒子成長を起こさ
せ、ハロゲン化銀粒子を得る方法に関しては特開平1−
183644号、特開平1−183645号各公報、米
国特許4879208号公報、特開平2−44335
号、特開平2−43534号、特開平2−43535号
各公報に記載されている。この方法によれば、乳剤粒子
結晶内のハロゲンイオンの分布を高度に均一にすること
ができ、好ましい写真特性を得ることができる。さらに
本発明においては、種々の構造を持った乳剤粒子を用い
ることができる。粒子の内部(コア部)と外側(シェル
部)から成る、いわコア/シェル二重構造粒子、さらに
特開昭60−222844号公報に開示されているよう
な三重構造粒子や、それ以上の多層構造粒子が用いられ
る。乳剤粒子の内部に構造をもたせる場合、上述のよう
な包み込む構造だけでなく、いわゆる接合構造を有する
粒子を作ることもできる。これらの例は特開昭59−1
33540号、特開昭58−108526号各公報、欧
州特許199290A2号、特公昭58−24772
号、特開昭59−16254号各公報などに開示されて
いる。接合する結晶は、ホストとなる結晶と異なる組成
をもってホスト結晶のエッジやコーナー部、あるし)は
面部に接合して生成させることができる。このような接
合結晶はホスト結晶がハロゲン組成に関して均一であっ
ても、あるいはコア−シェル型の構造を有するものであ
っても形成させることができる。接合構造の場合には、
ハロゲン化銀同志の組み合わせは当然可能であるが、ロ
ダン銀、炭酸銀などの岩塩構造でない銀塩化合物をハロ
ゲン化銀と組み合わせ接合構造をとることが可能であれ
ば用いてもよい。
【0039】これらの構造を有するヨウ臭化銀粒子の場
合、例えばコア−シェル型の粒子において、コア部のヨ
ウ化銀含有量が高く、シェル部のヨウ化銀含有量が低く
ても、また逆に、コア部のヨウ化銀含有量が低く、シェ
ル部のヨウ化銀含有量が高い粒子でもよい。同様に接合
構造を有する粒子についても、ホスト結晶のヨウ化銀含
有率が高く、接合結晶のヨウ化銀含有率が相対的に低い
粒子であっても、その逆の粒子であってもよい。また、
これらの構造を有する粒子の、ハロゲン組成の異なる境
界部分は、明確な境界であっても、組成差により混晶を
形成して不明確な境界であってもよく、また積極的に連
続的な構造変化をつけたものでもよい。本発明に用いる
ハロゲン化銀乳剤は、欧州特許EP−0096727B
1、EP−0064412B1などに開示されているよ
うな、粒子に丸みをもたらす処理、あるいはドイツ特許
DE−2306447C2、特開昭60−221320
号公報に開示されているような表面の改質を行なっても
よい。
【0040】本発明における化学増感としては、硫黄増
感、セレン増感、テルル増感、といったカルコゲン増感
と、貴金属増感及び還元増感をそれぞれ単独あるいは組
み合わせて用いることができる。
【0041】硫黄増感においては、不安定硫黄化合物を
用い、P.Grafkides著、Chimie et Physique Photograph
ique (Paul Montel社刊、1987年、第5版)、Resea
rchDisclosure誌307巻307105号などに記載さ
れている不安定硫黄化合物を用いることができる。具体
的にはチオ硫酸塩(例えばハイポ)、チオ尿素類(例え
ばジフェニルチオ尿素、トリエチルチオ尿素、N−エチ
ル−N’−(4−メチル−2−チアゾリル)チオ尿素、
カルボキシメチルトリメチルチオ尿素)、チオアミド類
(例えば、チオアセトアミド)、ローダニン類(例え
ば、ジエチルローダニン、5−ベンジリデン−N−エチ
ル−ローダニン)、フォスフィンスルフィド類(例え
ば、トリメチルフォスフィンスルフィド)、チオヒダン
トイン類、4−オキソ−オキサゾリジン−2−チオン
類、ジポリスルフィド類(例えば、ジモルフォリンジス
ルフィド、シスチン、ヘキサチオカン−チオン)、メル
カプト化合物(例えば、システィン)、ポリチオン酸
塩、元素状硫黄などの公知の硫黄化合物および活性ゼラ
チンなども用いることができる。
【0042】セレン増感においては、不安定セレン化合
物を用い、特公昭43−13489号、同44−157
48号、特開平4−25832号、同4−109240
号の各公報などに記載されている不安定セレン化合物を
用いることができる。具体的には、コロイド状金属セレ
ン、セレノ尿素類(例えば、N,N−ジメチルセレノ尿
素、トリフルオロメチルカルボニル−トリメチルセレノ
尿素、アセチルートリメチルセレノ尿素)、セレノアミ
ド類(例えば、セレノアセトアミド、N,N−ジエチル
フェニルセレノアミド)、フォスフィンセレニド類(例
えば、トリフェニルフォスフィンセレニド、ペンタフル
オロフェニル−トリフェニルフォスフィンセレニド)、
セレノフォスフェート類(例えば、トリ−p−トリルセ
レノフォスフェート、トリ−n−ブチルセレノフォスフ
ェート)、セレノケトン類(例えば、セレノベンゾフェ
ノン)、イソセレノシアネート類、セレノカルボン酸
類、セレノエステル類、ジアシルセレニド類などを用い
ればよい。また更に、特公昭46−4553号、同52
−34492号各公報などに記載の非不安定セレン化合
物、例えば亜セレン酸、セレノシアン化カリウム、セレ
ナゾール類、セレニド類なども用いることができる。
【0043】テルル増感においては、不安定テルル化合
物を用い、カナダ特許800958号、英国特許129
5462号、同1396696号の各公報に記載されて
いる不安定テルル化合物を用いることができる。具体的
には、テルロ尿素類(例えば、テトラメチルテルロ尿
素、N,N’−ジメチルエチレンテルロ尿素、N,N’
−ジフェニルエチレンテルロ尿素)、フォスフィンテル
リド類(例えば、ブチル−ジイソプロピルフォスフィン
テルリド、トリブチルフォスフィンテルリド、トリブト
キシフォスフィンテルリド、エトキシ−ジフェニルフォ
スフィンテルリド)、ジアシル(ジ)テルリド類(例え
ば、ビス(ジフェニルカルバモイル)ジテルリド、ビス
(N−フェニル−N−メチルカルバモイル)ジテルリ
ド、ビス(N−フェニル−N−メチルカルバモイル)テ
ルリド、ビス(エトキシカルボニル)テルリド)、イソ
テルロシアナート類、テルロアミド類、テルロヒドラジ
ド類、テルロエステル類(例えば、ブチルヘキシルテル
ロエステル)、テルロケトン類(例えば、テルロアセト
フェノン)、コロイド状テルル、(ジ)テルリド類、そ
の他のテルル化合物(ポタシウムテルリド、テルロペン
タチオネートナトリウム塩)などを用いればよい。
【0044】貴金属増感については、前述のP.Grafkide
s著、Chimie et Physique Photographique (Paul Monte
l社刊、1987年、第5版)、Research Disclosure誌
307巻307105号などに記載されている金、白
金、パラジウム、イリジウムなどの貴金属塩を用いるこ
とができ、中でも特に金増感が好ましい。具体的には、
塩化金酸、カリウムクロロオーレート、カリウムオーリ
チオシアネート、硫化金、金セレナイドにくわえて米国
特許2642361号、同5049484号、同504
9485号各明細書などに記載の金化合物も用いること
ができる。還元増感については、前述のP.Grafkides
著、Chimie et Physique Photographique(Paul Montel
社刊、1987年、第5版)、Research Disclosure誌
307巻307105号などに記載されている公知の還
元性化合物を用いることができる。具体的には、アミノ
イミノメタンスルフィン酸(別名、二酸化チオ尿素)、
ボラン化合物(例えば、ジメチルアミンボラン)、ヒド
ラジン化合物(例えば、ヒドラジン、p−トリルヒドラ
ジン)、ポリアミン化合物(例えばジエチレントリアミ
ン、トリエチレンテトラミン)、塩化第1スズ、シラン
化合物、レダクトン類(例えば、アスコルビン酸)、亜
硫酸塩、アルデヒド化合物、水素ガスなどを用いればよ
い。また高pHや銀イオン過剰(いわゆる銀熟成)の雰
囲気で還元増感を施してもよい。
【0045】これらの化学増感は単独でも2種以上を組
合せてもよいが、組合せるときは特にカルコゲン増感と
金増感の組合せが好ましい。また、還元増感は、ハロゲ
ン化銀粒子の形成時に施すのが好ましい。本発明で用い
られるカルコゲン増感剤の使用量は、使用するハロゲン
化銀粒子、化学増感条件などにより変わるが、ハロゲン
化銀1モル当リ10-8〜10-2モル、好ましくは、10
-7〜5×10-3モル程度を用いる。本発明で用いられる
貴金属増感剤の使用量は、ハロゲン化銀1モル当り10
-7〜10-2モル程度を用いる。本発明における化学増感
の条件に特に制限はないが、pAgとしては6〜11、
好ましくは7〜10であり、pHとしては4〜10が好
ましく、温度としては40〜95℃が、さらには45〜
85℃が好ましい。
【0046】ハロゲン化銀乳剤は、通常分光増感され
る。分光増感色素としては、通常メチン色素が用いられ
る。メチン色素には、シアニン色素、メロシアニン色
素、複合シアニン色素、複合メロシアニン色素、ホロポ
ーラーシアニン色素、ヘミシアニン色素、スチリル色素
およびヘミオキソノール色素が含有される。これらの色
素類には、塩基性ヘテロ環として、シアニン色素類に通
常利用されるいずれの環のも適用できる。塩基性ヘテロ
環の例としては、ピロリン環、オキサゾール環、チアゾ
リン環、ピロール環、オキサゾール環、チアゾール環、
セレナゾール環、イミダゾール環、テトラゾール環およ
びピリジン環を挙げることができる。また、ヘテロ環に
脂環式炭化水素環や芳香族炭化水素環が結合した環も利
用できる。縮合環の例としては、インドレニン環、ベン
ズインドレニン環、インドール環、ベンズオキサゾール
環、ナフトオキサゾール環、ベンズイミダゾール環、ベ
ンゾゼレナゾール環およびキノリン環を挙げることがで
きる。これらの環の炭素原子に、置換基が結合していて
もよい。メロシアニン色素または複合メロシアニン色素
には、ケトメチレン構造を有する5員または6員のヘテ
ロ環を適用することができる。そのようなヘテロ環の例
としては、ピラゾリン−5−オン環、チオヒダントイン
環、2−チオオキサゾリジン−2、4−ジオン環、チア
ゾリジン−2,4−ジオン環、ローダニン環およびチオ
バルビツール酸環を挙げることができる。
【0047】増感色素の添加量は、ハロゲン化銀1モル
当たり0.001〜100ミリモルであることが望まし
く、0.01〜10ミリモルであることが更に好まし
い。増感色素は、好ましくは、化学増感中または化学増
感前(例えば、粒子形成時や物理熟成時)に添加され
る。増感色素とともに、それ自身分光増感作用を示さな
い色素、あるいは可視光を実質的に吸収しない物質であ
るって強色増感を示す物質を、ハロゲン化銀乳剤に添加
してもよい。このような色素または物質の例には、含窒
素複素環基で置換されたアミノスチル化合物(米国特許
2933390号および同3635721号各公報に記
載)、芳香族有機酸ホルムアルデヒド縮合物(米国特許
3743510号公報に記載)、カドミウム塩およびア
ザインデン化合物が含まれる。増感色素と上記色素また
は物質との組み合わせについては、米国特許36156
13号、同3615641号、同3617295号およ
び同3635721号各公報に記載がある。
【0048】ハロゲン化銀乳剤は、感光材料の製造工
程、保存中あるいは写真処理中のカブリを防止し、ある
いは写真性能を安定化させる目的で、種々の化合物を含
有させることができる。このような化合物の例には、ア
ゾール類(例、ベンゾチアゾリウム塩、ニトロインダゾ
ール類、トリアゾール類、ベンゾトリアゾール類、ベン
ゾイミダゾール類(特にニトロ−またはハロゲン置換
体);ヘテロ環メルカプト化合物類(例、メルカプトチ
アゾール類、メルカプトベンゾチアゾール類、メルカプ
トベンズイミダゾール類、メルカプトチアジアゾール
類、メルカプトテトラゾール類(特に、1−フェニル−
5−メルカプトテトラゾール)、メルカプトピリミジン
類);カルボキシル基やスルホン基などの水溶性基を有
する上記のヘテロ環メルカプト化合物類;チオケト化合
物(例、オキサゾリンチオン);アザインデン類(例、
テトラアザインデン類(特に、4−ヒドロキシ置換
(1,3,3a、7)テトラアザインデン類));ベン
ゼンチオスルホン酸類およびベンゼンスルフィン酸が含
まれる。一般にこれらの化合物は、カブリ防止剤または
安定剤として知られる。カブリ防止剤または安定剤の添
加時期は、通常、化学増感を施した後に行なわれる。し
かし、化学増感の途中または化学増感の開始以前の時期
の中から選ぶこともできる。すなわち、ハロゲン化銀乳
剤粒子形成過程において、銀塩溶液の添加中でも、添加
後から化学増感開始までの間でも、化学増感の途中(化
学増感時間中、好ましくは開始から50%までの時間内
に、より好ましくは20%までの時間内)でもよい。
【0049】ハロゲン化銀写真材料の層構成について特
に制限はない。ただし、カラー写真材料の場合は、青
色、緑色および赤色光を別々に記録するために多層構造
を有する。各ハロゲン化銀乳剤層は、高感度層と低感度
層の二層からなっていてもよい。実用的な層構成の例を
下記(1)〜(6)に挙げる。 BH/BL/GH/GL/RH/RL/S BH/BM/BL/GH/GM/GL/RH/RM/R
L/S BH/BL/GH/RH/GL/RL/S BH/ GH/RH/BL/GL/RL/S BH/BL/CL/GH/GL/RH/RL/S BH/BL/GH/GL/CL/RH/RL/S Bは青色感性層、Gは緑色感性層、Rは赤色感性層、H
は最高感度層、Mは中間感度層、Lは低感度層、Sは支
持体、CLは重層効果付与層である。保護層、フィルタ
ー層、中間層、ハレーション層、中間層、ハレーション
防止層や下引層のような非感光性層は省略してある。同
一感色性の高感度層と低感度層を逆転して配置してもよ
い。(3)については、米国特許4184876号公報
に記載がある。(4)については、RD−22534、特
開昭59−177551号および同59−177552
号各公報に記載がある。また、(5)と(6)について
は、特開昭61−34541号公報に記載がある。好ま
しい層構成は(1)、(2)および(4)である。
【0050】本発明のハロゲン化銀写真材料は、カラー
写真材料以外にも、X線用感光材料、黒白撮影用感光材
料、製版用感光材料や印画紙にも、同様に適用すること
ができる。ハロゲン化銀乳剤の種々の添加剤(例、バイ
ンダー、化学増感剤、分光増感剤、安定剤、ゼラチン硬
化剤、界面活性剤、帯電防止剤、ポリマーラテックス、
マット剤、カラーカプラー、紫外線吸収剤、退色防止
剤、染料)、写真材料の支持体および写真材料の処理方
法(例、塗布方法、露光方法、現像処理方法)について
は、リサーチディスクロージャー176巻、アイテム1
7643(RD−17643)、同187巻、アイテム1
8716(RD−18716)および同225巻、アイテ
ム22534(RD−22534)の記載を参考にするこ
とができる。これらリサーチ・ディスクロージャーの記
載を、以下の一覧表に示す。
【0051】
【表1】
【0052】ゼラチン硬化剤としては、例えば、活性ハ
ロゲン化合物(2,4−ジクロル−6−ヒトロキシ−
1,3,5−トリアジンおよびそのナトリウム塩など)
および活性ビニル化合物(1,3−ビスビニルスルホニ
ル−2−プロパノール、1,2−ビス(ビニルスルホニ
ルアセトアミド)エタンあるいはビニルスルホニル基を
側鎖に有するビニル形ポリマーなど)は、ゼラチンなど
親水性コロイドを早く硬化させ安定な写真特性を与える
ので好ましい。N−カルバモイルピリジニウム塩類(1
−モルホリノカルボニル−3−ピリジニオ)メタンスル
ホネナートなど)やハロアミジニウム塩類(1−(1−
クロロ−1−ピリジノメチレン)ピロリジニウム−2−
ナフタレンスルホナートなど)も硬化速度が早く優れて
いる。カラー写真材料は、RD. No.17643の28
〜29項、および同No.18716の651左欄〜右欄
に記載された通常の方法によって現像処理することがで
きる。カラー写真感光材料は、現像、漂白定着もしくは
定着処理の後に、通常、水洗処理または安定化処理を施
す。水洗工程は二槽以上の槽を向流水洗にし、節水する
のが一般的である。安定化処理としては水洗工程のかわ
りに特開昭57−8543号公報記載のような多段向流
安定化処理が代表例として挙げられる。
【0053】次に実施例を挙げて本発明を説明するが、
本発明はこれらによって限定されるものではない。
【0054】
【実施例】実施例1 乳剤1−A(比較用) 図1は、本発明の平板状ハロゲン化銀乳剤の製造方法に
使用する製造装置の一態様をしめす概略断面図である。
硝酸銀とアルカリハライドなどの反応液が液供給口12
と13からそれぞれ混合器10に導かれて、混合器の中で
ハロゲン化銀の微粒子が形成される。ついでこの微粒子
は、溶液は移出口16を経て反応容器1に供給されて粒
子成長にあずかるように組み立てられている。図1に示
した製造装置を用いて、下記のようにして平板粒子を調
製した。この実施例では核形成は反応容器で行い、粒子
成長は混合器で調製した微粒子を反応容器に添加して行
う方法を示す。反応容器1に水1.0リットルと酸化処
理を施した骨ゼラチン(メチオニン含量が5μmol/g)
0.5gとKBr0.38gを添加して溶解し20℃に
保った溶液中に攪拌しながら、反応容器1に0.29M
の硝酸銀水溶液20ccと0.29MのKBr水溶液2
0ccを40秒かけて添加した(核形成)。
【0055】温度を20℃から75℃に29分かけて上
昇させ、2分間放置した。温度上昇の途中で、アミノ基
を95%トリメリット化した10重量%骨ゼラチン溶液
495cc及びKBrを添加して反応容器1内の乳剤の
pBrを2.1にした(熟成)。その後混合器10に
0.53Mの硝酸銀水溶液942ccと、低分子量骨ゼ
ラチン(平均分子量2万)を5重量%含む0.59Mの
KBr水溶液942ccを42分かけて定量添加した。
混合器10で生成した微粒子乳剤は連続的に反応容器1
に添加された。(成長) 混合器10は特開平10−239787に記載の混合器
であり、混合器の容量は0.5cc、2つの攪拌羽根を
用い、攪拌回転数は上1000回転、下2000回転と
し、互いに逆方向に回転した。表2に得られた平板粒子
の厚み、サイズ、平板粒子と残存微粒子との比率を示
す。
【0056】乳剤1−B(比較) 0.02Mの晶相制御剤(1−ベンジル−4−フェニ
ル)ピリジニウムクロライド水溶液を、核形成終了3分
後に10mlを反応容器1に添加し、成長中に150m
lを42分かけて反応容器1に添加した以外は乳剤1−
Aの調製と同様に行なった。表2に得られた平板粒子の
特性(平板粒子の厚み、サイズ、平板粒子と残存微粒子
との比率)を示す。
【0057】乳剤1−C(本発明) 平板状粒子成長時の混合器への溶液添加を、0.53M
の硝酸銀溶液942ccとカルボキシル基を33%メチ
ルエステル化した低分子量骨ゼラチン(平均分子量2
万)を5重量%含む0.59MのKBr溶液942cc
を混合器10に定量添加し、形成したハロゲン化銀微粒
子乳剤を反応容器に連続添加とした以外は乳剤1−Bの
調製と同様に行なった。
【0058】
【化5】 (1−ベンジル−4−フェニル)ピリジニウムクロライ
【0059】
【表2】
【0060】表2において、銀量比とは、平板粒子と溶
け残った微粒子の臭化銀重量の比率である。表2の結果
から、本発明の乳剤1−Cを比較乳剤1−Aを比較する
と、晶相制御剤(1−ベンジル−4−フェニル)ピリジ
ニウムクロライド水溶液を添加した本発明の乳剤1−C
の方が、形成される平板粒子の厚さが薄いことが解っ
た。また、乳剤1−Cと比較乳剤1−Bを比較すると、
0.53Mの硝酸銀溶液とカルボキシル基を33%メチ
ルエステル化した低分子量骨ゼラチン(平均分子量2
万)を5重量%含む0.59MのKBr溶液から形成し
たハロゲン化銀微粒子を添加してハロゲン化銀平板粒子
を成長した乳剤1−Cの方が、溶け残る微粒子が少ない
ことが解った。
【0061】実施例2 調製後の実施例1の乳剤1−Aに予め0.02Mの晶相
制御剤(1−ベンジル−4−フェニル)ピリジニウムク
ロライド水溶液を80cc添加しておき、その後最適に
化学増感した試料を乳剤2−Aとする。また、調整後の
実施例1の乳剤1−B、1−Cをそれぞれ最適に化学増感
し、試料2−B、2−Cをた。化学増感にはチオ硫酸ナト
リウム、塩化金酸、チオシアン酸カリウムを組合せて用
いた。化学増感した試料を支持体の上に塗布し、写真性
の測定を行った。支持体にはトリアセチルセルロースを
使用した。センシメトリー用ウェッジを使用し、白光
(国際規格ISO5800に規定のC光源)の露光を与え、現
像液で20℃で5分間現像した。現像液は、メトール2
g、亜硫酸ナトリウム100g、ヒドロキノン9g、炭
酸ナトリウム55g、臭化カリウム5gを水で1Lに希
釈して用いた。続いて通常の停止、定着、水洗、乾燥処
理をし、得られた像の濃度(国際規格ISO-5に準拠した
光学系による透過濃度)の測定を行ってその特性曲線を
得た。これらの特性曲線からそれぞれの試料について、
最小濃度値(カブリ)、最大濃度値(Dmax)および最小
濃度値+0.5の濃度を与える露光量の逆数の対数値で
表わされる感度を求めた。これらの3評価項目とも試料
2−Aの値を基準に取り、各試料との差を算出して、そ
れぞれΔDmax、ΔFog、ΔS0.5と表記した。これらの
値を表3に示す。
【0062】
【表3】
【0063】表3の結果より本発明の乳剤2−Cは比較
乳剤2−A及び2−Bと比較すると、最大濃度Dmax及び感
度が増加することが解った。乳剤2−Cの方が2−Aより
も平板粒子の厚さが薄いため、等銀量/面積であるとき
粒子数が増加し、現像開始点が増加するためと考えられ
る。しかも、高感度化にもかかわらずかぶりの増加は2
−Bに対しては認められない。なお、図2は本実施例の乳
剤試料1-Cの透過型電子顕微鏡写真である。図2から明
らかなように、成長した粒子の殆どが(111)面を主平面
に持つ平板粒子であり、非平板粒子は若干散見されるも
ののせいぜい10%以下であり、したがって表2及び表3
に示された本発明の優れた平板粒子形成は、図2によっ
て視覚によっても確かめられた。なお、写真中の球状の
ラテックスの直径は0.2μmである。
【0064】実施例3 晶相制御剤として下記の化合物(a)〜(f)を用いる以外
は実施例2の乳剤試料2−Cと同様にして乳剤試料3-a
〜3-fを調製した。得られた各乳剤試料は、乳剤試料2
−Cと同様に比較試料2−Aに対して感度は0.5、最
高濃度は、0.6高く、しかもかぶりの増加は0.1以下であ
った。また、試料3-a〜3-fのいずれも平板粒子の厚み
は、0.02〜0.04μmの間にあり、平均円相当半
径は1.1〜1.3μmの間にあった。又、電子顕微鏡
写真の視野には残存微粒子は3-a〜3-fのいずれの試料も
観察されなかった。すなわち、いずれも乳剤試料2−C
と同様に発明目的に適った形状、厚み及び写真性能を示
した。
【0065】
【化6】
【0066】
【発明の効果】本発明のハロゲン化銀乳剤の製造方法に
より、製造過程で粒子形成にあずからない微粒子が溶解
した、平板粒子の厚さが薄く、かつ最大濃度(Dmax)
が高くカブリが少ない良好な平板粒子乳剤を形成するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のハロゲン化銀乳剤製造方法の実施の一
形態に用いる製造装置の構成を示す概略断面図である。
【図2】第2図は本発明の乳剤1−Cのハロゲン化銀粒
子の構造を示す電子顕微鏡写真である。
【符号の説明】
1 反応容器 2 保護コロイド水溶液 3 攪拌羽根 10 混合器 12、13 液供給口 16 液排出口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03C 1/035 G03C 1/035 A 1/047 1/047

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 反応容器にハロゲン化銀微粒子乳剤およ
    び晶相制御剤を供給して平板状ハロゲン化銀粒子からな
    るハロゲン化銀写真乳剤を製造する方法において、該微
    粒子乳剤は保護コロイドとしてエステル化ゼラチンを含
    み、晶相制御剤は下記一般式(I)、(II)或いは(II
    I)から選ばれる化合物であり、該晶相制御剤は核形成
    時には反応容器中には存在せず、物理熟成時および成長
    時に反応容器中に存在し、該平板状ハロゲン化銀粒子は
    主平面が(111)面で臭化銀含有量が70%以上であ
    り、該乳剤中の全ハロゲン化銀粒子の投影面積の60%
    以上を占めることを特徴とする平板状ハロゲン化銀乳剤
    の製造方法。 【化1】 (式中R1はアルキル基、アルケニル基、アラルキル基
    を表し、R2、R3、R4、R5およびR6はそれぞれ水素
    原子または置換基を表す。R2とR3、R3とR4、R 4
    5、R5とR6は縮環してもよい。ただし、R2、R3
    4、R5及びR6の少なくとも一つがアリール基を表
    す。X-は対アニオンを表す。) 【化2】 (式中A1、A2、A3及びA4は含窒素ヘテロ環を完成さ
    せるための非金属原子群を表し、それぞれが同一でも異
    なっていてもよい。Bは2価の連結基を表す。mは0ま
    たは1を表す。R1、R2はそれぞれアルキル基を表す。
    Xはアニオンを表す。nは0または1または2を表し、
    分子内塩のときはnは0または1である。)
  2. 【請求項2】 該平板粒子の粒子厚さが0.05μm未
    満で、円相当直径が0.6μm以上であることを特徴と
    する請求項1に記載のハロゲン化銀写真乳剤製造方法。
  3. 【請求項3】 ハロゲン化銀粒子の核形成及び/又は粒
    子成長を起こさせる反応容器の外に混合器を設け、該混
    合器に水溶性銀塩の水溶液と水溶性ハライドの水溶液を
    供給して混合し、ハロゲン化銀微粒子を形成し、ただち
    に該微粒子を反応容器に供給し、該反応容器中でハロゲ
    ン化銀粒子の核形成及び/又は成長を行わせることを特
    徴とする請求項1又は2に記載のハロゲン化銀写真乳剤
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 粒子成長時に、晶相制御剤として一般式
    (I)、(II)或いは(III)で表わされる化合物の少
    なくとも1種を連続して反応容器に添加することを特徴
    とする請求項1〜3のいずれかに記載のハロゲン化銀写
    真乳剤の製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6773876B2 (en) * 2001-02-02 2004-08-10 Fuji Photo Film Co., Ltd. Silver halide emulsion, production process thereof and novel pyridinium compound

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