JP2778861B2 - ハロゲン化銀写真用乳剤及び写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀写真用乳剤及び写真感光材料

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JP2778861B2 JP3221271A JP22127191A JP2778861B2 JP 2778861 B2 JP2778861 B2 JP 2778861B2 JP 3221271 A JP3221271 A JP 3221271A JP 22127191 A JP22127191 A JP 22127191A JP 2778861 B2 JP2778861 B2 JP 2778861B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は写真用ハロゲン化銀乳剤
及びそれを用いた写真感光材料に関する。
【0002】
【従来の技術】写真用のハロゲン化銀乳剤に求められる
基本性能は高感度でかぶりが低くかつ粒状が細かいこと
である。
【0003】乳剤の感度を高めるためには、(1)一つ
の粒子に吸収される光子数を増加させること、(2)光
吸収により発生した光電子が銀クラスター(潜像)に変
換する効率を高めること、及び(3)できた潜像を有効
に利用するために現像活性を高める必要がある。大サイ
ズ化は一つの粒子の吸収光子数を増加させるが、画質を
低下させる。現像活性を高めることも感度を高めるのに
有効な手段であるが、カラー現像のようなパラレル型の
現像の場合には一般に粒状悪化を伴なう。粒状悪化を伴
なわずに感度を増加させるには光電子を潜像に変換する
効率を高めること、つまり量子感度を高めることが一番
好ましい。量子感度を高めるためには再結合、潜像分散
などの非効率過程をできるだけ除去する必要がある。
【0004】このうち、再結合の防止に関しては、現像
活性のない小さな銀核をハロゲン化銀の内部あるいは表
面に作る還元増感の方法が有効であることが知られてい
る。
【0005】還元増感の試みは古くから検討されてい
る。
【0006】Carroll(キャロル)は米国特許第
2,487,850号において錫化合物が、Lowe
(ロウエ)らは同第2,512,925号においてポリ
アミン化合物が、Fallens(ファーレンス)らは
英国特許第789,823号において二酸化チオ尿素系
の化合物が還元増感剤として有用であることを開示し
た。さらにCollier(コリアー)はPhotog
raphic Science and Engine
ering23巻113ページ(1979)において色
々な還元増感方法によって作られた銀核の性質を比較し
ている。彼女はジメチルアミンボラン、塩化第一錫、ヒ
ドラジン、高いpH熟成、低pAg 熟成の方法を採用した。
還元増感の方法はさらに米国特許第2,518,698
号、同第3,201,254号、同第3,411,91
7号、同第3,779,777号、同第3,930,8
67号にも開示されている。還元増感剤の選択だけでな
く還元増感法の工夫に関して、特公昭57−33572
号、同58−1410号に述べられている。
【0007】還元増感の条件を強めることによって、再
結合のほとんどを除去することは可能である。
【0008】しかしながら、通常還元増感の条件を強め
ると正孔捕獲性の小さな銀核だけではなく電子捕獲性の
銀核が生成し、潜像の分散による感度低下がおこるため
かえって写真性能が低下してしまう。従って還元増感
は、その再結合防止の機能が十分に発揮される条件下で
使用することが非常に難しい状況にあった。
【0009】また、還元増感の条件が弱く、十分な正孔
捕獲性の銀核ができない場合、保存中に酸素などによる
銀核の漂白によって減感し易くなり、保存性が悪くな
る。
【0010】このような潜像の分散や保存性の問題は、
電子捕獲性の銀核よりも電子捕獲能力の大きな感光核を
粒子表面につくることにより解決すると思われるが、現
在知られている硫黄増感やセレン増感などの化学増感技
術では、そのような感光核をつくることができず、十分
な電子捕獲能力をもった感光核を形成する技術(化学増
感法)の開発が望まれていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、十分
な電子捕獲能力をもった感光核を粒子表面に形成するこ
とによって潜像の分散を抑え、還元増感より得られるメ
リットを十分に生かすことにより、高感度でかつ粒状性
が優れ、保存性の改良されたハロゲン化銀乳剤およびそ
れを用いた感光材料を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は下記の方
法により達成された。
【0013】(1)還元増感及びテルル増感を施された
ハロゲン化銀写真用乳剤。
【0014】(2)テルル増感が、下記化3に示される
一般式(I)又は下記化4に示される一般式(II)で表
わされる化合物を用いて施されたことを特徴とする上記
(1)のハロゲン化銀写真用乳剤。
【0015】
【化3】 一般式(I)中、R1 、R2 およびR3 は脂肪族基、芳
香族基、複素環基、OR4 、NR5 (R6 )、SR7
OSiR8 (R9 )(R10)、Xまたは水素原子を表
す。R4 およびR7 は脂肪族基、芳香族基、複素環基、
水素原子またはカチオンを表し、R5 およびR6 は脂肪
族基、芳香族基、複素環基または水素原子を表し、
8 、R9 およびR10は脂肪族基を表し、Xはハロゲン
原子を表す。
【0016】
【化4】 一般式(II)中、R11は脂肪族基、芳香族基、複素環基ま
たは−NR13(R14)を表し、R12は−NR
15(R16)、−N(R17)N(R18)R19または−OR
20を表す。R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19
およびR20は水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基
またはアシル基を表す。ここでR11とR15、R11
17、R11とR18、R11とR20、R13とR15、R13とR
17、R13とR18およびR13とR20は結合して環を形成し
てもよい。
【0017】(3)(1)ないし(2)のいずれかの写
真乳剤を含むハロゲン化銀写真感光材料。
【0018】以下に本発明をさらに詳細に説明する。 (還元増感)ハロゲン化銀乳剤の製造工程は粒子形成・
脱塩・化学増感・塗布などの工程に大別される。粒子形
成は核形成・熟成・成長などに分れる。これらの工程は
一律に行なわれるものでなく工程の順番が逆になった
り、一の工程が繰り返し行なわれたりする。還元増感を
ハロゲン化銀乳剤の製造工程中に施こすというのは基本
的にはどの工程で行なってもよいことを意味する。還元
増感は粒子形成の初期段階である核形成時でも物理熟成
時でも、成長時でもよく、また化学増感に先立って行っ
ても化学増感以降に行ってもよい。金増感を併用する化
学増感を行なう場合には好ましくないかぶりを生じない
よう化学増感に先立って還元増感を行なうのが好まし
い。最も好ましいのはハロゲン化銀粒子の成長中に還元
増感する方法である。ここで成長中とは、ハロゲン化銀
粒子が物理熟成あるいは水溶性銀塩と水溶性ハロゲン化
アルカリの添加によって成長しつつある状態で還元増感
を施こす方法も、成長途中に成長を一時止めた状態で還
元増感を施こした後にさらに成長させる方法も含有する
ことを意味する。
【0019】本発明の還元増感とはハロゲン化銀乳剤に
公知の還元剤を添加する方法、銀熟成と呼ばれるpAg 1
〜7の低pAg の雰囲気で成長させるあるいは熟成させる
方法、高pH熟成と呼ばれるpH8〜11の高pHの雰囲気で
成長させるあるいは熟成させる方法のいずれを選ぶこと
もできる。また2つ以上の方法を併用することもでき
る。
【0020】還元増感剤を添加する方法は還元増感のレ
ベルを微妙に調節できる点で好ましい方法である。
【0021】還元増感剤として第一錫塩、アミンおよび
ポリアミン類、ヒドラジン誘導体、ホルムアミジンスル
フィン酸、シラン化合物、ボラン化合物、アスコルビン
酸及びその誘導体などが公知である。本発明にはこれら
公知の化合物から選んで用いることができ、また2種以
上の化合物を併用することもできる。還元増感剤として
塩化第一錫、二酸化チオ尿素、ジメチルアミンボラン、
アスコルビン酸及びその誘導体が好ましい化合物であ
る。還元増感剤の添加量は乳剤製造条件に依存するので
添加量を選ぶ必要があるが、ハロゲン化銀1モル当り1
-7〜10-1モルの範囲が適当である。
【0022】還元増感剤は水あるいはアルコール類、グ
リコール類、ケトン類、エステル類、アミド類などの溶
媒に溶かし粒子形成中、化学増感前あるいは後に添加す
ることができる。乳剤製造工程のどの過程で添加しても
よいが、特に好ましいのは粒子成長中に添加する方法で
ある。あらかじめ反応容器に添加するのもよいが、粒子
形成の適当な時期に添加する方が好ましい。また水溶性
銀塩あるいは水溶性アルカリハライドの水溶液にあらか
じめ還元増感剤を添加しておき、これらの水溶液を用い
て粒子形成してもよい。また粒子形成に伴って還元増感
剤の溶液を何回かに分けて添加しても連続して長時間添
加するのも好ましい方法である。
【0023】本発明の還元増感はカブリ、保存性などと
両立させるためにはハロゲン化銀粒子内部に施し、ハロ
ゲン化銀粒子表面近くには還元増感核を余り多数存在さ
せないことがより好ましい。
【0024】具体的には、前述したようにハロゲン化銀
粒子の成長中に還元増感することにより粒子内部に還元
増感を施すことができる。また、ハロゲン化銀粒子表面
近くには還元増感核を余り多数存在させないためには、
次のような方法がある。
【0025】1.ハロゲン化銀粒子成長の後半では還元
増感を施さない。
【0026】2.粒子形成終了後、表面近くの還元増感
核を減らす、好ましくは、なくなるような処理をする、
好ましくは、粒子表面を酸化処理する。
【0027】より具体的には、1のためには、添加した
還元増感剤を粒子形成の途中段階までに完全に使い切
る、粒子形成の途中段階で残存している還元増感剤を酸
化処理等により失活させる、粒子形成後半で高pAg 、低
pHなどにすることにより、実質的に残存した還元増感剤
を失活させる、銀熟成、高pH熟成の場合には、粒子形成
後半を高pAg もしくは低pHとするなどである。
【0028】また、2のためには、高pAg もしくは低pH
熟成などによる方法、酸化剤を添加し熟成する方法など
が有効である。酸化剤としては公知のものが用いられ
る。
【0029】特に好ましい方法は下記の一般式(IV)〜
(VI)で表される少なくとも1つの化合物を添加する方
法である。これらの化合物は、粒子形成後還元増感核を
酸化するために用いても有効であるし、驚くべきことに
還元増感を施す粒子成長の途中段階から存在させても条
件さえ適切に選べば非常に有効な還元増感を施しつつ、
カブリ、保存性などと両立させる事ができる。
【0030】(IV)R−SO2 S−M (V)R−SO2 S−R1 (VI)R−SO2 S−Lm −SSO2 −R2 式中、R、R1 、R2 は同じでも異なってもよく、脂肪
族基、芳香族基、又はヘテロ環基を表し、Mは陽イオン
を表す。Lは二価の連結基を表し、mは0又は1であ
る。一般式(IV)ないし(VI)の化合物は、(IV)ない
し(VI)で示す構造から誘導される2価の基を繰り返し
単位として含有するポリマーであってもよい。また可能
なときはR、R1 、R2 、Lが互いに結合して環を形成
してもよい。
【0031】一般式(IV)、(V)および(VI)のチオ
スルフォン酸系化合物を更に詳しく説明すると、R、R
1 及びR2 が脂肪族基の場合、飽和又は不飽和の、直
鎖、分岐状又は環状の、脂肪族炭化水素基であり、好ま
しくは炭素数が1から22のアルキル基、炭素数が2か
ら22のアルケニル基、アルキニル基であり、これら
は、置換基を有していてもよい。アルキル基としては、
例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、
ヘキシル、オクチル、2−エチルヘキシル、デシル、ド
デシル、ヘキサデシル、オクタデシル、シクロヘキシ
ル、イソプロピル、t−ブチルがあげられる。
【0032】アルケニル基としては、例えばアリル、ブ
テニルがあげられる。
【0033】アルキニル基としては、例えばプロパルギ
ル、ブチニルがあげられる。
【0034】R、R1 及びR2 の芳香族基としては、単
環又は縮合環の芳香族基が含まれ、好ましくは炭素数が
6から20のもので、例えばフェニル、ナフチルがあげ
られる。これらは、置換されていてもよい。
【0035】R、R1 及びR2 のヘテロ環基としては、
窒素、酸素、硫黄、セレン、テルルから選ばれる元素を
少なくとも一つ有し、かつ炭素原子を少なくとも1つ有
する3ないし15員環のもので、好ましくは3〜6員環
が好ましく、例えばピロリジン、ピペリジン、ピリジ
ン、テトラヒドロフラン、チオフェン、オキサゾール、
チアゾール、イミダゾール、ベンゾチアゾール、ベンズ
オキサゾール、ベンズイミダゾール、セレナゾール、ベ
ンゾセレナゾール、テルラゾール、トリアゾール、ベン
ゾトリアゾール、テトラゾール、オキサジアゾール、チ
アヂアゾール環があげられる。
【0036】R、R1 及びR2 の置換基としては、例え
ばアルキル基(例えばメチル、エチル、ヘキシル)、ア
ルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、オクチルオ
キシ)、アリール基(例えば、フェニル、ナフチル、ト
リル)、ヒドロキシ基、ハロゲン原子(例えばフッ素、
塩素、臭素、沃素)、アリーロキシ基(例えば、フェノ
キシ)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、ブチル
チオ)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ)、ア
シル基(例えば、アセチル、プロピオニル、ブチリル、
バレリル)、スルホニル基(例えば、メチルスルホニ
ル、フェニルスルホニル)、アシルアミノ基(例えば、
アセチルアミノ、ベンゾイルアミノ)、スルホニルアミ
ノ基(例えば、メタンスルホニルアミノ、ベンゼンスル
ホニルアミノ)、アシロキシ基(例えば、アセトキシ、
ベンゾキシ)、カルボキシル基、シアノ基、スルホ基、
アミノ基、−SO2 SM基、(Mは1価の陽イオンを示
す)−SO2 1基があげられる。
【0037】Lで表わされる二価の連結基としては、
C、N、SおよびOから選ばれた少なくとも1種を含む
原子又は原子団である。具体的にはアルキレン基、アル
ケニレン基、アルキニレン基、アリーレン基、−O−、
−S−、−NH−、−CO−、SO2 −等の単独または
これらの組合せからなるものである。
【0038】Lは好ましくは二価の脂肪族基又は二価の
芳香族基である。Lは二価の脂肪族基としては例えば
(CH2 n (nは1〜12)、−CH2 −CH=CH
−CH2 −、−CH2 CCH2 −、下記化5に示され
る基、キシリレン基、などがあげられる。
【0039】
【化5】 Lの二価の芳香族基としては、例えばフェニレン基、ナ
フチレン基などがあげられる。
【0040】これらの置換基は、更にこれまで述べた置
換基で置換されていてもよい。
【0041】Mとして好ましくは、金属イオン又は有機
カチオンである。金属イオンとしては、例えばリチウム
イオン、ナトリウムイオン、カリウムイオンがあげられ
る。有機カチオンとしては、例えばアンモニウムイオン
(例えばアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テ
トラブチルアンモニウム)、ホスホニウムイオン(例え
ばテトラフェニルホスホニウム)、グアニジル基があげ
られる。
【0042】一般式(IV)ないし(VI)がポリマーであ
る場合、その繰り返し単位として例えば下記化6に示さ
れるものがあげられる。
【0043】
【化6】 これらのポリマーは、ホモポリマーでもよいし、他の共
重合モノマーとのコポリマーでもよい。
【0044】一般式(IV)、(V)又は(VI)で表され
る化合物の具体例を第A表および下記化7〜化17に示
すが、これらに限定されるわけではない。
【0045】第 A 表 (1−1) CH3 SO2 SNa (1−2) C2 5 SO2 SNa (1−3) C3 7 SO2 SK (1−4) C4 9 SO2 SLi (1−5) C6 13SO2 SNa (1−6) C8 17SO2 SNa (1−7) CH3 (CH2 3 CH(C2 5 )CH
2 SO2 S・NH4 (1−8) C1021SO2 SNa (1−9) C1225SO2 SNa (1−10) C1633SO2 SNa (1−11) (CH3 2 CHSO2 SK (1−12) t−C4 9 SO2 SNa (1−13) CH3 OCH2 CH2 SO2 S・Na
【0046】
【化7】
【0047】
【化8】
【0048】
【化9】
【0049】
【化10】
【0050】
【化11】
【0051】
【化12】
【0052】
【化13】
【0053】
【化14】
【0054】
【化15】
【0055】
【化16】
【0056】
【化17】 一般式(IV)、(V)および(VI)の化合物は、特開昭
54−1019;英国特許972,211;Journ
al of Organic Chemistry(ジ
ャーナル オブ オーガニック ケミストリー)53
巻、396頁(1988)及びChemical Ab
stracts(ケミカル アブストラクツ)59巻、
9776eに記載または引用されている方法で容易に合
成できる。
【0057】一般式(IV)、(V)又は(VI)で表わさ
れる化合物はハロゲン化銀1モル当り10-7から10-1
モル添加するのが好ましい。さらに10-6から10-2
特に10-5から10-3モル/モルAgの添加量が好まし
い。
【0058】一般式(IV)〜(VI)で表わされる化合物
を製造工程中に添加せしめるには、写真乳剤に添加剤を
加える場合に通常用いられる方法を適用できる。たとえ
ば、水溶性の化合物は適当な濃度の水溶液とし、水に不
溶または難溶性の化合物は水と混和しうる適当な有機溶
媒、たとえばアルコール類、グリコール類、ケトン類、
エステル類、アミド類などのうちで、写真特性に悪い影
響を与えない溶媒に溶解し、溶液として、添加すること
ができる。
【0059】一般式(IV)、(V)又は(VI)で表わさ
れる化合物は、ハロゲン化銀乳剤の粒子形成中、化学増
感前あるいは後の製造中のどの段階で添加してもよい。
好ましいのは還元増感が施こされる前、あるいは施こさ
れている時に、化合物が添加される方法である。特に好
ましいのは粒子成長中に添加する方法である。
【0060】あらかじめ反応容器に添加するのもよい
が、粒子形成の適当な時期に添加する方法が好ましい。
また、水溶性銀塩あるいは水溶性アルカリハライドの水
溶液にあらかじめ化合物(IV)〜(VI)を添加してお
き、これらの水溶液を用いて粒子形成してもよい。また
粒子形成に伴って化合物(IV)〜(VI)の溶液を何回か
に分けて添加しても連続して長時間添加するのも1つの
方法である。
【0061】本発明に対して最も好ましい化合物の一般
式は、一般式(IV)で表される化合物である。
【0062】(テルル増感)本発明で用いられるテルル
増感剤としては、米国特許第1,623,499号、同
3,320,069号、同3,772,031号、英国
特許第235,211号、同1,121,496号、同
1,295,462号、同1,396,696号、カナ
ダ特許第800,958号、ジャーナル・オブ・ケミカ
ル・ソサエティー・ケミカル・コミュニケーション
(J.Chem.Soc.Chem.Commun.)
635(1980)、ibid 1102(197
9)、ibid645(1979)、ジャーナル・オブ
・ケミカル・ソサエティ・パーキン・トランザクション
(J.Chem.Soc.Perkin Tran
s.)1,2191(1980)等に記載の化合物を用
いることが好ましい。
【0063】具体的なテルル増感剤としては、コロイド
状テルル、テルロ尿素類(例えばアリルテルロ尿素、
N,N−ジメチルテルロ尿素、テトラメチルテルロ尿
素、N−カルボキシエチル−N′,N′−ジメチルテル
ロ尿素、N,N′−ジメチルエチレンテルロ尿素、N,
N′−ジフェニルエチレンテルロ尿素)、イソテルロシ
アナート類(例えばアリルイソテルロシアナート)、テ
ルロケトン類(例えばテルロアセトン、テルロアセトフ
ェノン)、テルロアミド類(例えばテルロアセトアミ
ド、N,N−ジメチルテルロベンズアミド)、テルロヒ
ドラジド(例えばN′,N′−トリメチルテルロベンズ
ヒドラジド)、テルロエステル(例えばt−ブチル−t
−ヘキシルテルロエステル)、ホスフィンテルリド類
(例えばトリブチルホスフィンテルリド、トリシクロヘ
キシルホスフィンテルリド、トリイソプロピルホスフィ
ンテルリド、ブチル−ジイソプロピルホスフィンテルリ
ド、ジブチルフェニルホスフィンテルリド)、他のテル
ル化合物(例えば英国特許第1,295,462号記載
の負電荷のテルライドイオン含有ゼラチン、ポタシウム
テルリド、ポタシウムテルロシアナート、テルロペンタ
チオネートナトリウム塩、アリルテルロシアネート)等
があげられる。
【0064】これらのテルル化合物のうち、好ましくは
上記一般式(I)および(II)で示されるものがあげら
れる。
【0065】一般式(I)中、R1 、R2 およびR3
脂肪族基、芳香族基、複素環基、OR4 、NR
5 (R6 )、SR7 、OSiR8 (R9 )(R10)、X
または水素原子を表す。R4 およびR7 は脂肪族基、芳
香族基、複素環基、水素原子またはカチオンを表し、R
5 およびR6 は脂肪族基、芳香族基、複素環基または水
素原子を表し、R8 、R9 およびR10は脂肪族基を表
し、Xはハロゲン原子を表す。
【0066】次に一般式(I)について詳細に説明す
る。
【0067】一般式(I)において、R1 、R2
3 、R4 、R5 、R6 、R7 、R8 、R9 およびR10
で表される脂肪族基は好ましくは炭素数1〜30のもの
であって、特に炭素数1〜20の直鎖、分岐または環状
のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキ
ル基である。アルキル基、アルケニル基、アルキニル
基、アラルキル基としては、例えばメチル、エチル、n
−プロピル、イソプロピル、t−ブチル、n−オクチ
ル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロペンチル、
シクロヘキシル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニ
ル、プロパルギル、3−ペンチニル、ベンジル、フェネ
チルがあげられる。
【0068】一般式(I)において、R1 、R2
3 、R4 、R5 、R6 およびR7 で表される芳香族基
は好ましくは炭素数6〜30のものであって、特に炭素
数6〜20の単環または縮環のアリール基であり、例え
ばフェニル基、ナフチル基があげられる。
【0069】一般式(I)において、R1 、R2
3 、R4 、R5 、R6 およびR7 で表される複素環基
は窒素原子、酸素原子および硫黄原子のうち少なくとも
一つを含む3〜10員環の飽和もしくは不飽和の複素環
基である。これらは単環であってもよいし、さらに他の
芳香環もしくは複素環と縮合環を形成してもよい。複素
環基としては、好ましくは5〜6員環の芳香族複素環基
であり、例えばピリジル、フリル、チエニル、チアゾリ
ル、イミダゾリル、ベンズイミダゾリルがあげられる。
【0070】一般式(I)において、R4 およびR7
表されるカチオンはアルカリ金属、アンモニウムを表
す。
【0071】一般式(I)においてXで表されるハロゲ
ン原子は、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子およ
び沃素原子を表す。
【0072】また、この脂肪族基、芳香族基および複素
環基は置換されていてもよい。置換基として以下のもの
があげられる。
【0073】代表的な置換基としては例えば、アルキル
基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリ
ール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、
アシルアミノ基、ウレイド基、ウレタン基、スルホニル
アミノ基、スルファモイル基、カルバモイル基、スルホ
ニル基、スルフィニル基、アルキルオキシカルボニル
基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、アシルオ
キシ基、リン酸アミド基、ジアシルアミノ基、イミド
基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ハロゲン原子、
シアノ基、スルホ基、カルボキシ基、ヒドロキシ基、ホ
スホノ基、ニイロ基、およびヘテロ環基があげられる。
これらの基はさらに置換されていてもよい。
【0074】置換基が2つ以上あるときは同じでも異な
っていてもよい。
【0075】R1 、R2 、R3 は互いに結合してリン原
子と一緒に環を形成してもよく、また、R5 とR6 は結
合して含窒素複素環を形成してもよい。
【0076】一般式(I)中、好ましくはR1 、R2
よびR3 は脂肪族基または芳香族基を表し、より好まし
くはアルキル基または芳香族基を表す。
【0077】一般式(II)において、R11は脂肪族基、
芳香族基、複素環基または−NR13(R14)を表し、R
12は−NR15(R16)、−N(R17)N(R18)R19
たは−OR20を表す。R13、R14、R15、R16、R17
18、R19およびR20は水素原子、脂肪族基、芳香族
基、複素環基またはアシル基を表す。ここでR11
15、R11とR17、R11とR18、R11とR20、R13とR
15、R13とR17、R13とR18およびR13とR20は結合し
て環を形成してもよい。
【0078】次に一般式(II)について詳細に説明す
る。
【0079】一般式(II)において、R11、R13
14、R15、R16、R17、R18、R19およびR20で表さ
れる脂肪族基は好ましくは炭素数1〜30のものであっ
て、特に炭素数1〜20の直鎖、分岐または環状のアル
キル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基で
ある。アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラ
ルキル基としては、例えばメチル、エチル、n−プロピ
ル、イソプロピル、t−ブチル、n−オクチル、n−デ
シル、n−ヘキサデシル、シクロペンチル、シクロヘキ
シル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニル、プロパ
ルギル、3−ペンチニル、ベンジル、フェネチルがあげ
られる。
【0080】一般式(II)において、R11、R13
14、R15、R16、R17、R18、R19およびR20で表さ
れる芳香族基は好ましくは炭素数6〜30のものであっ
て、特に炭素数6〜20の単環または縮環のアリール基
であり、例えばフェニル基、ナフチル基があげられる。
【0081】一般式(II)において、R11、R13
14、R15、R16、R17、R18、R19およびR20で表さ
れる複素環基は窒素原子、酸素原子および硫黄原子のう
ち少なくとも一つを含む3〜10員環の飽和もしくは不
飽和の複素環基である。これらは単環であってもよい
し、さらに他の芳香環もしくは複素環と縮合環を形成し
てもよい。複素環基としては、好ましくは5〜6員環の
芳香族複素環基であり、例えばピリジル、フリル、チエ
ニル、チアゾリル、イミダゾリル、ベンズイミダゾリル
があげられる。
【0082】一般式(II)において、R13、R14
15、R16、R17、R18、R19およびR20で表されるア
シル基は好ましくは炭素数1〜30のものであって、特
に炭素数1〜20の直鎖または分岐のアシル基であり、
例えばアセチル、ベンゾイル、ホルミル、ピバロイル、
デカノイルがあげられる。
【0083】ここでR11とR15、R11とR17、R11とR
18、R11とR20、R13とR15、R13とR17、R13とR18
およびR13とR20が結合して環を形成する場合は例えば
アルキレン基、アリーレン基、アラルキレン基またはア
ルケニレン基があげられる。
【0084】また、この脂肪族基、芳香族基および複素
環基は一般式(I)であげた置換基で置換されていても
よい。
【0085】一般式(II)中、好ましくはR11は脂肪族
基、芳香族基または−NR13(R14)を表し、R12は−
NR15(R16)を表す。R13、R14、R15およびR16
脂肪族基または芳香族基を表す。
【0086】一般式(II)中、より好ましくはR11は芳
香族基または−NR13(R14)を表し、R12は−NR15
(R16)を表す。R13、R14、R15およびR16はアルキ
ル基または芳香族基を表す。ここで、R11とR15および
13とR15はアルキレン基、アリーレン基、アラルキレ
ン基またはアルケニレン基を介して環を形成することも
より好ましい。
【0087】下記化18〜化23に本発明の一般式
(I)および(II)で表される化合物の具体例を示す
が、本発明はこれに限定されるものではない。
【0088】
【化18】
【0089】
【化19】
【0090】
【化20】
【0091】
【化21】
【0092】
【化22】
【0093】
【化23】 本発明の一般式(I)および(II)で表される化合物は
既に知られている方法に準じて合成することができる。
例えばジャーナル オブ ケミカル・ソサエティ(J.
Chem.Soc.(A))2927(1969);ジ
ャーナル・オブ・オルガノメタリック・ケミストリー
(J.Organomet.Chem.)4,320
(1965);ibid,1,200(1963);i
bid,113,C35(1976);フォスフォラス
・サルファー(PhosphorusSulfur)1
5,155(1983);ヘミッシェ・ベンヒテ(Ch
em.Ber.)109,2996(1976);ジャ
ーナル・オブ・ケミカル・ソサイアティ・ケミカル・コ
ミュニケーション(J.Chem.Soc.Chem.
Commun.)635(1980);ibid,11
02(1979);ibid,645(1979);i
bid,820(1987);ジャーナル・オブ・ケミ
カル・ソサエティ・パーキン・トランザクション(J.
Chem.Soc.Perkin.Trans.)1,
2191(1980);ザ・ケミストリー・オブ・オル
ガノ・セレニウム・アンド・テルリウム・カンパウンズ
(TheChemistry of Organo S
elenium and Tellurium Com
pounds)2巻の216〜267(1987)に記
載の方法で合成することができる。
【0094】これまで、一般式(I)および(II)の化合
物をテルル増感剤として用いた具体的な例は報告されて
いない。よって、これらの化合物による増感作用および
カブリ、その他の写真作用を予測することはきわめて困
難であったが、本発明の化合物を用いることにより、顕
著な効果を得ることができた。
【0095】これらの本発明で用いるテルル増感剤の使
用量は、使用するハロゲン化銀粒子、化学熟成条件等に
より変わるが、一般にハロゲン化銀1モル当り10-8
10-2モル、好ましくは10-7〜5×10-3モル程度を
用いる。
【0096】本発明における化学増感の条件としては、
特に制限はないが、pAgとっしては6〜11、好まし
くは7〜10であり、温度としては40〜95℃、好ま
しくは50〜85℃である。
【0097】本発明に用いるハロゲン化銀粒子は臭化
銀、塩化銀、沃化銀、塩臭化銀、塩沃化銀、沃臭化銀、
塩沃臭化銀である。それ以外の銀塩、例えばロダン銀、
硫化銀、セレン化銀、炭酸銀、リン酸銀、有機酸銀が別
粒子として、あるいはハロゲン化銀粒子の一部分として
含まれていてもよい。現像・脱銀(漂白、定着および漂
白定着)工程の迅速化が望まれるときには塩化銀含有量
が多いハロゲン化銀粒子が望ましい。また適度に現像を
抑制させる場合には沃化銀を含有することが好ましい。
好ましい沃化銀含量は目的の感光材料によって異なる。
例えばX−レイ感材では0.1〜15モル%、グラフィ
ックアーツおよびマイクロ感材では0.1〜5モル%が
好ましい範囲である。カラーネガに代表される撮影感材
の場合には好ましくは、1〜30モル%の沃化銀を含む
ハロゲン化銀であり、さらに好ましくは5〜20モル
%、特に好ましくは8〜15%モル%である。沃臭化銀
粒子に塩化銀を含有させるのは格子ひずみを緩和させる
上で好ましい。
【0098】本発明のハロゲン化銀乳剤はその粒子中
に、ハロゲン組成に関して分布あるいは構造を有するこ
とが好ましい。その典型的なものは特公昭43−131
62号、特開昭61−215540号、特開昭60−2
22845号、特開昭60−143331号、特開昭6
1−75337号などに開示されているような粒子の内
部と表層が異なるハロゲン組成を有するコアーシェル型
あるいは二重構造型の粒子である。また単なる二重構造
でなく、特開昭60−222844号に開示されている
ような三重構造、あるいはそれ以上の多層構造にするこ
とや、コア−シェルの二重構造の粒子の表面に異なる組
成を有するハロゲン化銀を薄くつけたりすることができ
る。
【0099】粒子の内部に構造を持たせるには上述のよ
うな包み込む構造でけでなく、いわゆる接合構造を有す
る粒子をつくることができる。これらの例は特開昭59
−133540号、特開昭58−108526号、欧州
特許第199,290A2号、特公昭58−24772
号、特開昭59−16254号などに開示されている。
接合する結晶はホストとなる結晶と異なる組成をもって
ホスト結晶のエッジやコーナー部、あるいは面部に接合
して生成させることができる。このような接合結晶はホ
スト結晶がハロゲン組成に関して均一であってもあるい
はコア−シェル型の構造を有するものであっても形成さ
せることができる。
【0100】接合構造の場合にはハロゲン化銀同士の組
み合せは当然可能であるが、ロダン銀、炭酸銀などの岩
塩構造でない銀塩化合物をハロゲン化銀と組み合せ接合
構造をとることができる。また酸化鉛のような非銀塩化
合物も接合構造が可能であれば用いてもよい。
【0101】これらの構造を有する沃臭化銀等の粒子の
場合、コア部がシェル部より沃化銀含有量を高くさせる
ことはこのましい態様である。逆にコア部の沃化銀が低
く、シェル部が高い粒子が好ましい場合もある。同様に
接合構造を有する粒子についてもホスト結晶の沃化銀含
有率が高く、接合結晶の沃化銀含有率が相対的に低い粒
子であっても、その逆の粒子であってもよい。また、こ
れらの構造を有する粒子のハロゲン組成の異なる境界部
分は、明確な境界であっても、不明確な境界であっても
よい。また積極的に連続的な組成変化をつけたものも好
ましい態様である。
【0102】2つ以上のハロゲン化銀が混晶として、あ
るいは構造をもって存在するハロゲン化銀粒子の場合に
粒子間のハロゲン組成分布を制御することが重要であ
る。粒子間のハロゲン組成分布の測定法に関しては特開
昭60−254032号に記載されている。粒子間のハ
ロゲン分布が均一であることは望ましい特性である。特
に変動係数20%以下の均一性の高い乳剤は好ましい。
別の好ましい形態は粒子サイズとハロゲン組成に相関が
ある乳剤である。例として大サイズ粒子ほどヨード含量
が高く、一方、小サイズほどヨード含量が低いような相
関がある場合である。目的により逆の相関、他のハロゲ
ン組成での相関を選ぶことができる。この目的のために
組成の異なる2つ以上の乳剤を混合させることが好まし
い。
【0103】粒子の表面近傍のハロゲン組成を制御する
ことは重要である。表面近傍の沃化銀含有量を高くす
る、あるいは塩化銀含量を高くすることは、色素の吸着
性や現像速度を変えるので目的に応じて選ぶことができ
る。表面近傍のハロゲン組成を変える場合に、粒子全体
を包み込む構造でも、粒子の一部分にのみ付着させる構
造のどちらも選ぶことができる。例えば(100)面と
(111)面からなる14面体粒体の一方の面のみハロ
ゲン組成を変える、あるいは平板粒子の主平面と側面の
一方のハロゲン組成を変える場合である。
【0104】本発明に用いるハロゲン化銀粒子は双晶面
を含まない正常晶でも、日本写真学会編、写真工業の基
礎、銀塩写真編(コロナ社)、P.163に解説されて
いるような例、たとえば双晶面を一つ含む一重双晶、平
行な双晶面を2つ以上含む平行多重双晶、非平行な双晶
面を2つ以上含む非平行多重双晶などから目的に応じて
選んで用いることができる。また形状の異なる粒子を混
合させる例は米国特許第4,865,964号に開示さ
れているが、必要によりこの方法を選ぶことができる。
正常晶の場合には(100)面からなる立方体、(11
1)面からなる八面体、特公昭55−42737号、特
開昭60−222842号に開示されている(110)
面からなる12面体粒子を用いることができる。さら
に、Journal of Imaging Scie
nce 30巻247ページ1986年に報告されてい
るような(211)を代表とする(h11)面粒子、
(331)を代表とする(hh1)面粒子、(210)
面を代表する(nk0)面粒子と(321)面を代表と
する(nk1)面粒子も調製法に工夫を要するが目的に
応じて選んで用いることができる。(100)面と(1
11)面が一つの粒子に共存する14面体粒子、(10
0)面と(110)面が共存する粒子、あるいは(11
1)面と(110)面が共存する粒子など、2つの面あ
るいは多数の面が共存する粒子も目的に応じて選んで用
いることができる。
【0105】投影面積の円相当直径を粒子厚みで割った
値をアスペクト比と呼び、平板状粒子の形状を規定して
いる。アスペクト比が1より大きい平板状粒子は本発明
に使用できる。平板状粒子は、クリーブ著「写真の理論
と実際」Cleve,Photography The
ory and Practice(1930)、13
1頁;ガトフ著、フォトグラフィク・サイエンス・アン
ド・エンジニアリング(Gutoff,Photogr
aphic Science and Enginee
ring)、第14巻、248〜257頁(1970
年);米国特許第4,434,226号、同4,41
4,310号、同4,433,048号、同4,43
9,520号および英国特許第2,112,157号な
どに記載の方法により調製することができる。平板状粒
子を用いた場合、被覆力が上がること、増感色素による
色増感効率が上がることなどの利点があり、先に引用し
た米国特許第4,434,226号に詳しく述べられて
いる。粒子の全投影面積の80%以上の平均アスペクト
比として、1以上100未満が望ましい。より好ましく
は2以上20未満であり、特に好ましくは3以上10未
満である。平板粒子の形状として三角形、六角形、円形
などを選ぶことができる。米国特許第4,797,35
4号に記載されているような六辺の長さがほぼ等しい正
六角形は好ましい形態である。
【0106】平板粒子の粒子サイズとして投影面積の円
相当直径を用いることが多いが、米国特許第4,74
8,106号に記載されているような平均直径が0.6
ミクロン以下の粒子は高画質化にとって好ましい。ま
た、米国特許4,775,617号に記載されているよ
うな粒子サイズ分布の狭い乳剤も好ましい。平板粒子の
形状として粒子厚みを0.5ミクロン以下、より好まし
くは0.3ミクロン以下に限定するのは鮮鋭度を高める
上で好ましい。さらに粒子厚みの変動係数が30%以下
の厚みの均一性が高い乳剤も好ましい。さらに特開昭6
3−163451号に記載されている粒子の厚みと双晶
面の面間距離を規定した粒子も好ましいものである。
【0107】平板粒子の場合には透過型の電子顕微鏡に
より転位線の観察が可能である。転位線を全く含まない
粒子、数本の転位を含む粒子あるいは多数の転位を含む
粒子を目的に応じて選ぶことは好ましい。また粒子の結
晶方位の特定の方向に対して直線的に導入された転位あ
るいは曲った転位を選ぶこともできるし、粒子全体に渡
って導入する、あるいは粒子の特定の部分にのみ導入す
る、例えば粒子のフリンジ部に限定して転位を導入す
る、などのなかから選ぶことができる。転位線の導入は
平板粒子の場合だけでなく正常晶粒子あるいはジャガイ
モ粒子に代表される不定型粒子の場合にも好ましい。こ
の場合にも粒子の頂点、稜などの特定の部分に限定する
ことは好ましい形態である。
【0108】本発明に用いるハロゲン化銀乳剤は欧州特
許第96,727B1号、同64,412B1号などに
開示されているような粒子に丸みをもたらす処理、ある
いは西独特許第2,306,447C2号、特開昭60
−221320号に開示されているような表面の改質を
行ってもよい。
【0109】粒子表面が平坦な構造が一般的であるが、
意図して凹凸を形成することは場合によって好ましい。
特開昭58−106532号、特開昭60−22132
0号に記載されている結晶の一部分、例えば頂点あるい
は面の中央に穴をあける方法、あるいは米国特許第4,
643,966号に記載されているラッフル粒子がその
例である。
【0110】本発明に用いる乳剤の粒子のサイズは電子
顕微鏡を用いた投影面積の円相当直径、投影面積と粒子
厚みから算出する粒子体積の球相当直径あるいはコール
ターカウンター法による体積の球相当直径などにより評
価できる。球相当直径として0.05ミクロン以下の超
微粒子から、10ミクロンを越える粗大粒子のなかから
選んで用いることができる。好ましくは0.1ミクロン
以上3ミクロン以下の粒子を感光性ハロゲン化銀粒子と
して用いることである。
【0111】本発明に用いる乳剤は粒子サイズ分布の広
い、いわゆる多分散乳剤でも、サイズ分布の狭い単分散
乳剤でも目的に応じて選んで用いることができる。サイ
ズ分布を表わす尺度として粒子の投影面積円相当直径あ
るいは体積の球相当直径の変動係数を用いる場合があ
る。単分散乳剤を用いる場合、変動係数が25%以下、
より好ましくは20%以下、さらに好ましくは15%以
下のサイズ分布の乳剤を用いるのがよい。
【0112】単分散乳剤を粒子数あるいは重量で平均粒
子サイズの±30%以内に全粒子の80%以上が入るよ
うな粒子サイズ分布と規定する場合もある。また感光材
料が目標とする階調を満足させるために、実質的に同一
の感色性を有する乳剤層において粒子サイズの異なる2
種以上の単分散ハロゲン化銀乳剤を同一層に混合または
別層に重層塗布することができる。さらに2種類以上の
多分散ハロゲン化銀乳剤あるいは単分散乳剤と多分散乳
剤との組合わせを混合あるいは重層して使用することも
できる。
【0113】本発明に用いられる写真乳剤は、グラフキ
デ著「写真の物理と化学」、ポールモンテル社刊(P.
Glafkides,Chemie et Physi
que Photographique,Paul M
ontel,1967)、ダフィン著「写真乳剤化
学」、フォーカルプレス社刊(G.F.Duffin,
Photographic Emulsion Che
mistry(FocalPress,1966))、
ゼリクマンら著「写真乳剤の製造と塗布」、フォーカル
プレス社刊(V.L.Zelikman et a
l.,Makingand Coating Phot
ographic Emulsion,Focal P
ress,1964)などに記載された方法を用いて調
製することができる。すなわち、酸性法、中性法、アン
モニア法等のいずれでもよく、また可溶性銀塩と可溶性
ハロゲン塩を反応させる形式としては片側混合法、同時
混合法、それらの組合わせなどのいずれを用いてもよ
い。粒子を銀イオン過剰の下において形成させる方法
(いわゆる逆混合法)を用いることもできる。同時混合
法の一つの形式としてハロゲン化銀の生成する液相中の
pAgを一定に保つ方法、すなわちいわゆるコントロー
ルドダブルジェット法を用いることもできる。この方法
によると、結晶形が規則的に粒子サイスが均一に近いハ
ロゲン化銀乳剤が得られる。
【0114】乳剤調整用の反応容器にあらかじめ沈澱形
成したハロゲン化銀粒子を添加する方法、米国特許第
4,334,012号、同4,301,241号、同
4,150,994号は場合により好ましい。これらは
種結晶として用いることもできるし、成長用のハロゲン
化銀として供給する場合も有効である。後者の場合粒子
サイズの小さい乳剤を添加するのが好ましく、添加方法
として一度に全量添加、複数回に分割して添加あるいは
連続的に添加するなどのなかから選んで用いることがで
きる。また表面を改質させるために種々のハロゲン組成
の粒子を添加することも場合により有効である。
【0115】ハロゲン化銀粒子のハロゲン組成の大部分
あるいはごく一部分をハロゲン変換法によって変換させ
る方法は米国特許第3,477,852号、同4,14
2,900号、欧州特許第273,429号、同27
3,430号、西独公開特許第3,819,241号な
どに開示されており、有効な粒子形成法である。より難
溶性の銀塩に変換するのに可溶性ハロゲンの溶液あるい
はハロゲン化銀粒子を添加することができる。一度に変
換する、複数回に分割して変換する、あるいは連続的に
変換するなどの方法から選ぶことができる。
【0116】粒子成長を一定濃度、一定流速で可溶性銀
塩とハロゲン塩を添加する方法以外に、英国特許第1,
469,480号、米国特許第3,650,757号、
同4,242,445号に記載されているように濃度を
変化させる、あるいは流速を変化させる粒子形成法は好
ましい方法である。濃度を増加させる、あるいは流速を
増加させることにより、供給するハロゲン化銀量を添加
時間の一次関数、二次関数、あるいはより複雑な関数で
変化させることができる。また必要により供給ハロゲン
化銀量を減量することも場合により好ましい。さらに溶
液組成の異なる複数個の可溶性銀塩を添加する。あるい
は溶液組成の異なる複数個の可溶性ハロゲン塩を添加す
る場合に、一方を増加させ、もう一方を減少させるよう
な添加方式も有効な方法である。
【0117】可溶性銀塩と可溶性ハロゲン塩の溶液を反
応させる時の混合器は米国特許第2,996,287
号、同3,342,605号、同3,415,650
号、同3,785,777号、西独公開特許第2,55
6,885号、同2,555,364号に記載されてい
る方法のなかから選んで用いることができる。
【0118】熟成を促進する目的に対してハロゲン化銀
溶剤が有用である。例えば熟成を促進するのに過剰量の
ハロゲンイオンを反応器中に存在せしめることが知られ
ている。また他の熟成剤を用いることもできる。これら
の熟成剤は銀およびハロゲン化物塩を添加する前に反応
器中の分散媒中に全量を配合しておくことができるし、
ハロゲン化物塩、銀塩または解膠剤を加えると共に反応
器中に導入することもできる。別の変形態様として、熟
成剤をハロゲン化物塩および銀塩添加段階で独立して導
入することもできる。
【0119】アンモニア、チオシアン酸塩(ロダンカ
リ、ロダンアンモニウム等)、有機チオエーテル化合物
(例えば、米国特許第3,574,628号、同3,0
21,215号、同3,057,724号、同3,03
8,805号、同4,276,374号、同4,29
7,439号、同3,704,130号、同4,78
2,013号、特開昭57−104926号などに記載
の化合物。)、チオン化合物(例えば特開昭53−82
408号、同55−77737号、米国特許第4,22
1,863号などに記載されている四置換チオウレア
や、特開昭53−144319号に記載されている化合
物)や、特開昭57−202531号に記載されている
ハロゲン化銀粒子の成長を促進しうるメルカプト化合
物、アミン化合物(例えば特開昭54−100717号
など)等があげられる。
【0120】本発明の乳剤の調製時に用いられる保護コ
ロイドとして、及びその他のは親水性コロイド層のバイ
ンダーとしては、ゼラチンを用いるのが有利であるが、
それ以外の親水性コロイドも用いることができる。
【0121】例えばゼラチン誘導体、ゼラチンと他の高
分子とのグラフトポリマー、アルブミン、カゼイン等の
蛋白質;ヒドキシエチルセルロース、カルボキシメチル
セルロース、セルロース硫酸エステル類等の如きセルロ
ース誘導体、アルギン酸ソーダ、澱粉誘導体などの糖誘
導体;ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール部
分アセタール、ポリ−N−ビニルピロリドン、ポリアク
リル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリ
ビニルイミダゾール、ポリビニルピラゾール等の単一あ
るいは共重合体の如き多種の合成親水性高分子物質を用
いることができる。
【0122】ゼラチンとして石灰処理ゼラチンのほか、
酸処理ゼラチンやBull.Soc.Sci.Phot
o.Japan.No.16.P30(1966)に記載
されたような酵素処理ゼラチンを用いてもよく、また、
ゼラチンの加水分解物や酵素分解物も用いることができ
る。
【0123】本発明の乳剤は脱塩のために水洗し、新し
く用意した保護コロイド分散にすることが好ましい。水
洗の温度は目的に応じて選べるが、5°〜50℃の範囲
で選ぶことが好ましい。水洗時のpHも目的に応じて選べ
るが2〜10の間で選ぶことが好ましい。さらに好まし
くは3〜8の範囲である。水洗時のpAgも目的に応じ
て選べるが5〜10の間で選ぶことが好ましい。水洗の
方法としてヌードル水洗法、半透膜を用いた透析法、遠
心分離法、凝析沈降法、イオン交換法のなかから選んで
用いることができる。凝析沈降法の場合には硫酸塩を用
いる方法、有機溶剤を用いる方法、水溶性ポリマーを用
いる方法、ゼラチン誘導体を用いる方法などから選ぶこ
とができる。
【0124】本発明の乳剤調製時、例えば粒子形成時、
脱塩工程、化学増感時、塗布前に金属イオンの塩を存在
させることは目的に応じて好ましい。粒子にドープする
場合には粒子形成時、粒子表面の修飾あるいは化学増感
剤として用いる時は粒子形成後、化学増感終了前に添加
することが好ましい。粒子全体にドープする場合と粒子
のコアー部のみ、あるいはシェル部のみ、あるいはエピ
タシャル部分にのみ、あるいは基盤粒子にのみドープす
る方法も選べる。Mg、Ca、Sr、Ba、Al、S
c、Y、La、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、
Zn、Ga、Ru、Rh、Pd、Re、Os、Ir、P
t、Au、Cd、Hg、Tl、In、Sn、Pb、Bi
などを用いることができる。これらの金属はアンモニウ
ム塩、酢酸塩、硝酸塩、硫酸塩、燐酸塩、水酸塩あるい
は6配位錯塩、4配位錯塩など粒子形成時に溶解させる
ことができる塩の形であれば添加できる。例えばCdB
2 、CdCl2 、Cd(NO3 2 、Pb(NO3
2 、Pb(CH3 COO)2 、K3 [Fe(C
N)6 ]、(NH4 4 [Fe(CN)6 ]、K3 Ir
Cl6 、(NH4 3 RhCl6 、K4 Ru(CN)6
などがあげられる。配位化合物のリガンドとしてハロ、
アコ、シアノ、シアネート、チオシアネート、ニトロシ
ル、チオニトロシル、オキソ、カルボニルのなかから選
ぶことができる。これら金属化合物を1種類のみ用いて
もよいが2種あるいは3種以上を組み合せて用いてもよ
い。
【0125】上記金属化合物は水またはメタノール、ア
セトンなどの適当な溶媒に溶かして添加するのが好まし
い。溶液を安定化するためにハロゲン化水素水溶液(例
えばHCl、HBr)あるいはハロゲン化アルカリ(例
えばKCl、NaCl、KBr、NaBr)を添加する
方法を用いることができる。また必要に応じ酸、アルカ
リなどを加えてもよい。金属化合物は粒子形成前の反応
容器に添加しても粒子形成の途中で加えることもでき
る。また水溶液銀塩(例えばAgNO3 )あるいはハロ
ゲン化アルカリ水溶液(例えばNaCl、KBr、K
I)に添加しハロゲン化銀粒子形成中連続して添加する
こともできる。さらに水溶性銀塩、ハロゲン化アルカリ
とは独立の溶液を用意し粒子形成中の適切な時期に連続
して添加してもよい。さらに種々の添加方法を組み合せ
るのも好ましい。
【0126】米国特許第3,772,031号に記載さ
れているようなカルコゲン化合物を乳剤調製中に添加す
る方法も有用な場合がある。Te以外にもS、Se、シ
アン酸塩、チオシアン酸塩、セレノシアン酸、炭酸塩、
リン酸塩、酢酸塩を存在させてもよい。
【0127】本発明のハロゲン化銀粒子は、還元増感及
びテルル増感されていることが前提となっているが、硫
黄増感、セレン増感、金増感、パラジウム増感又は貴金
属増感などの増感法を組み合せることは好ましい。どの
工程で化学増感するかによって種々のタイプの乳剤を調
製することができる。粒子の内部に化学増感核をうめ込
むタイプ、粒子表面から浅い位置にうめ込むタイプ、あ
るいは表面に化学増感核を作るタイプがある。本発明の
乳剤は目的に応じて化学増感核の場所を選ぶことができ
るが、一般に好ましいのは表面近傍に少なくとも一種の
化学増感核を作った場合である。
【0128】本発明で好ましく併用しうる化学増感は金
増感、白金・パラジウム又はイリジウム化合物による増
感であり、リサーチ・ディスクロージャー、120巻、
1974年4月、12008;リサーチ・ディスクロー
ジャー、34巻、1975年6月、13452、米国特
許第2,642,361号、同3,297,446号、
同3,772,031号、同3,857,711号、同
3,901,714号、同4,266,018号、およ
び同3,904,415号、並びに英国特許第1,31
5,755号に記載される。特に好ましくは、pAg 5〜
10、pH5〜8および温度30〜80℃において、テル
ル増感に加え、硫黄、セレン、金、白金、パラジウム、
イリジウム増感の1つ又は複数を組合せる方法である。
貴金属増感においては、金、白金、パラジウム、イリジ
ウム等の貴金属塩を用いることができ、中でも特に金増
感、パラジウム増感および両者の併用が好ましい。金増
感の場合には、塩化金酸、カリウムクロロオーレート、
カリウムオーリチオシアネート、硫化金、金セレナイド
等の公知の化合物を用いることができる。パラジウム化
合物はパラジウム2価塩または4価の塩を意味する。好
ましいパラジウム化合物は、(R)2 Pd(X)6 また
は(R)2 Pd(X)4 で表わされる。ここでRは水素
原子、アルカリ金属原子またはアンモニウム基を表わ
す。Xはハロゲン原子を表わし塩素、臭素またはヨウ素
原子を表わす。
【0129】具体的には、K2 PdCl4 、(NH4
2 PdCl6 、Na2 PdCl4、(NH4 2 PdC
4 、Li2 PdCl4 、Na2 PdCl6 またはK2
PdBr4 が好ましい。金化合物およびパラジウム化合
物はチオシアン酸塩あるいはセレノシアン酸塩と併用す
ることが好ましい。
【0130】硫黄増感剤として、ハイポ、チオ尿素系化
合物、ロダニン系化合物および米国特許第3,857,
711号、同4,266,018号および同4,05
4,457号に記載されている硫黄含有化合物を用いる
ことができる。いわゆる化学増感助剤の存在下に化学増
感することもできる。有用な化学増感助剤には、アザイ
ンデン、アザピリダジン、アザピリミジンのごとき、化
学増感の過程でカブリを抑制し、且つ感度を増大するも
のとして知られた化合物が用いられる。化学増感は、化
学増感助剤改質剤の存在下で行うこともでき、そのよう
な改質剤の例は、米国特許第2,131,038号、同
3,411,914号、同3,554,757号、特開
昭58−126526号および前述ダフィン著「写真乳
剤化学」、138〜143頁に記載されている。
【0131】本発明の乳剤は金増感を併用することが好
ましい。金増感剤の好ましい量としてハロゲン化銀1モ
ル当たり1×10-4〜1×10-7モルである。さらに好
ましいのは10-5〜5×10-7モルである。パラジウム
化合物の好ましい範囲はハロゲン化銀1モル当り1×1
-3から5×10-7モルである。チオシアン化合物ある
いはセレノシアン化合物の好ましい範囲はハロゲン化銀
1モル当り5×10-2から1×10-6モルである。
【0132】本発明のハロゲン化銀粒子に対して使用す
る好ましい硫黄増感剤量はハロゲン化銀1モル当り1×
10-4〜1×10-7モルであり、さらに好ましいのは1
×10-5〜5×10-7モルである。
【0133】本発明に用いられる写真乳剤には、感光材
料の製造工程、保存中あるいは写真処理中のカブリを防
止し、あるいは写真性能を安定化させる目的で、種々の
化合物を含有させることができる。すなわちチアゾール
類、例えばベンゾチアゾリウム塩、ニトロイミダゾール
類、ニトロベンズイミダゾール類、クロロベンズイミダ
ゾール類、ブロモベンズイミダゾール類、メルカプトチ
アゾール類、メルカプトベンゾチアゾール類、メルカプ
トベンズイミダゾール類、メルカプトチアジアゾール
類、アミノトリアゾール類、ベンゾトリアゾール類、ニ
トロベンゾトリアゾール類、メルカプトテトラゾール類
(特に1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール)な
ど;メルカプトピリミジン類;メルカプトトリアジン
類;たとえばオキサドリンチオンのようなチオケト化合
物;アザインデン類、たとえばトリアザインデン類、テ
トラアザインデン類(特に4−ヒドロキシ置換(1,
3,3a,7)テトラアザインデン類)、ペンタアザイ
ンデン類などのようなカブリ防止剤または安定剤として
知られた、多くの化合物を加えることができる。たとえ
ば米国特許第3,954,474号、同3,982,9
47号、特公昭52−28660号に記載されたものを
用いることができる。好ましい化合物の一つに特開昭6
3−212932号に記載された化合物がある。かぶり
防止剤および安定剤は粒子形成前、粒子形成中、粒子形
成後、水洗工程、水洗後の分散時、化学増感前、化学増
感中、化学増感後、塗布前のいろいろな時期に目的に応
じて添加することができる。乳剤調製中に添加して本来
のかぶり防止および安定化効果を発現する以外に、粒子
の晶壁を制御する、粒子サイズを小さくする、粒子の溶
解性を減少させる、化学増感を制御する、色素の配列を
制御するなど多目的に用いることができる。
【0134】本発明に用いられる写真乳剤は、メチン色
素類その他によって分光増感されることが本発明の効果
を発揮するのに好ましい。用いられる色素には、シアニ
ン色素、メロシアニン色素、複合シアニン色素、複合メ
ロシアニン色素、ホロポーラーシアニン色素、ヘミシア
ニン色素、スチリル色素およびヘミオキソノール色素が
包含される。特に有用な色素は、シアニン色素、メロシ
アニン色素、および複合メロシアニン色素に属する色素
である。これらの色素類には、塩基性異節環核としてシ
アニン色素類に通常利用される核のいずれをも適用でき
る。すなわち、、ピロリン核、オキサゾリン核、チオゾ
リン核、ピロール核、オキサゾール核、チアゾール核、
セレナゾール核、イミダゾール核、テトラゾール核、ピ
リジン核など;これらの核に脂環式炭化水素環が融合し
た核;及びこれらの核に芳香族炭化水素環が融合した
核、即ち、インドレニン核、ベンズインドレニン核、イ
ンドール核、ベンズオキサゾール核、ナフトオキサゾー
ル核、ベンゾチアゾール核、ナフトチアゾール核、ベン
ゾセレナサゾール核、ベンズイミダゾール核、キノリン
核などが適用できる。これらの核は炭素原子上に置換さ
れていてもよい。
【0135】メロシアニン色素または複合メロシアニン
色素にはケトメチレン構造を有する核として、ピラゾリ
ン−5−オン核、チオヒダントイン核、2−チオオキサ
ゾリン−2,4−ジオン酸核、チアゾリジン2,4−ジ
オン核、ローダニン核、チオバルビツール酸核などの5
〜6員異節環核を適用することができる。
【0136】これらの増感色素は単独に用いてもよい
が、それらの組合せを用いてもよく、増感色素の組合せ
は特に、強色増感の目的でしばしば用いられる。その代
表例は米国特許第2,688,545号、同2,97
7,229号、同3,397,060号、同3,52
2,052号、同3,527,641号、同3,61
7,293号、同3,628,964号、同3,66
6,480号、同3,672,898号、同3,67
9,428号、同3,703,377号、同3,76
9,301号、同3,814,609号、同3,83
7,862号、同4,026,707号、英国特許第
1,344,281号、同1,507,803号、特公
昭43−4936号、同53−12,375号、特開昭
52−110,618号、同52−109,925号に
記載されている。
【0137】増感色素とともに、それ自身分光増感作用
をもたない色素あるいは可視光を実質的に吸収しない物
質であって、強色増感を示す物質を乳剤中に含んでもよ
い。
【0138】増感色素を乳剤中に添加する時期は、これ
まで有用であると知られている乳剤調製の如何なる段階
であってもよい。もっとも普通には化学増感の完了後塗
布前までの時期に行なわれるが、米国特許第3,62
8,969号、および同第4,225,666号に記載
されているように化学増感剤と同時期に添加し分光増感
を化学増感と同時に行なうことも、特開昭58−11
3,928号に記載されているように化学増感に先立っ
て行なうことも出来、またハロゲン化銀粒子沈澱生成の
完了前に添加し分光増感を開始することも出来る。更に
また米国特許第4,225,666号に教示されている
ようにこれらの前記化合物を分けて添加すること、即ち
これらの化合物の一部を化学増感に先立って添加し、残
部を化学増感の後で添加することも可能であり、米国特
許第4,183,756号に開示されている方法を始め
としてハロゲン化銀粒子形成中のどの時期であってもよ
い。
【0139】増感色素の添加量は、ハロゲン化銀1モル
当り、4×10-6〜8×10-3モルで用いることができ
るが、より好ましいハロゲン化銀粒子サイズ0.2〜
1.2μm の場合は約5×10-5〜2×10-3モルがよ
り有効である。
【0140】本技術に関する感光材料には、前記の種々
の添加剤が用いられるが、それ以外にも目的に応じて種
々の添加剤を用いることができる。
【0141】これらの添加剤は、より詳しくはリサーチ
ディスクロージャーItem 17643(1978年
12月)、同Item18716(1979年11月)
および同Item307105(1989年11月)に
記載されており、その該当個所を以下の表にまとめて示
した。
【0142】 添加剤種類 RD17643 RD18716 RD307105 1 化学増感剤 23頁 648 頁右欄 996頁 2 感度上昇剤 同 上 3 分光増感剤、 23〜24頁 648 頁右欄〜 996 右〜998 右 強色増感剤 649 頁右欄 4 増 白 剤 24頁 998右 5 かぶり防止剤 24〜25頁 649 頁右欄 998 右〜1000右 および安定剤 6 光吸収剤、 25〜26頁 649 頁右欄〜 1003左〜1003右 フィルター染料、 650 頁左欄 紫外線吸収剤 7 ステイン防止剤 25頁右欄 650 左〜 右欄 8 色素画像安定剤 25頁 9 硬 膜 剤 26頁 651 頁左欄 1004右〜1005左 10 バインダー 26頁 同 上 1003右〜1004右 11 可塑剤、潤滑剤 27頁 650 頁右欄 1006左〜1006右 12 塗布助剤、 26〜27頁 同 上 1005左〜1006左 表面活性剤 13 スタチック 27頁 同 上 1006右〜1007左 防止剤
【0143】
【実施例】以下に、本発明を実施例により詳細に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。 実施例1 平均ヨード含有率6モル%、平均円相当径0.9μm 、
平均アスペクト比6.03の平板状双晶沃臭化銀粒子を
形成する際に、粒子の体積の60%が形成されたのち
に、下記A−1〜A−8の方法で還元増感を施した乳剤
を作り、各々乳剤A−1〜A−8とした。A−3〜A−
7の方法において、化合物の添加量はハロゲン化銀粒子
形成終了時の該粒子のハロゲン化銀量を基準にしたもの
である。
【0144】還元増感方法: A−1 粒子体積の60%が形成された直後に二酸化チ
オ尿素をハロゲン化銀1モル当たり2×10-5モル添加
し、さらに、粒子形成終了直後に化7に示す化合物(1
−16)をハロゲン化銀1モル当たり1×10-4モル添
加し、10分間熟成して、粒子内部を還元増感した。
【0145】A−2 A−1の処理を二酸化チオ尿素の
量をハロゲン化銀1モルあたり1×10-4モル、化7に
示す化合物(1−16)を5×10-4モルで行なった。
【0146】A−3 粒子体積の60%が形成された直
後に、L−アスコルビン酸をハロゲン化銀1モル当たり
3×10-4モル添加し、80%が形成された直後にハロ
ゲン化銀1モル当たり3×10-5モルの表Aの化合物
(1−2)を添加して粒子内部を還元増感した。
【0147】A−4 A−3の処理のうちL−アスコル
ビン酸量をハロゲン化銀1モルあたり5×10-4モル、
表Aの化合物(1−2)を6×10-5モルで還元増感し
た。
【0148】A−5 粒子形成中に還元増感を行なわな
かった。
【0149】この様にして作成した乳剤A−1からA−
5を常法により水洗、分散し(還元増感以外の)化学増
感、分光増感を施していない未化学増感乳剤を得た。
【0150】これらの乳剤を60℃に昇温し、後記の表
1に示す化学増感剤を用いて1/100秒露光した時の
感度が最適になるように化学増感した。なお、コロイド
状テルルはカナダ特許800958号の実施例2の処方
で調製した。
【0151】トリアセチルセルロース支持体上に下記処
方の各層を支持体側から順次設けて塗布試料を作成し
た。乳剤層2に上記の化学増感を施した乳剤を用いて、
試料No.1〜25を作成した。 (最下層) バインダー:ゼラチン 1g/m2 定着促進剤: 下記化24に示されるE−1 1.2mg/m2
【0152】
【化24】 乳剤層1 円相当径0.4μの球状単分散沃臭化銀粒
子、変動係数13%、沃化物含量3モル% 塗布銀量: 1.5g/m2 バインダー:ゼラチン 1.6g/Ag 1g 下記化25に示される増感色素: 2.1mg/Ag1g
【0153】
【化25】 添加剤:C1835O−(CH2 CH2 O)20−H 5.8mg/Ag 1g 塗布助剤:ドデシルベンゼンスルホン酸 ナトリウム塩 0.07mg/m2 ポリp−スチレンスルホン酸 カリウム塩 0.7 mg/m2 乳剤層2 各種の乳剤 塗布銀量: 4.0g/m2 バインダー、添加剤、塗布助剤 乳剤層1と同じ (表面保護層) バインダー:ゼラチン 0.7 g/m2 塗布助剤:N−オレオイル−N−メチル タウリン酸ナトリウム塩 0.2 mg/m2 マット剤:ポリメチルメタクリレート 微粒子(平均粒子サイズ3μ) 0.13mg/m2 これらの試料はタングステン電球(色温度2854
K)に対して連続ウエッジを通して1〜10秒間露光し
てD−76の現像液で20℃,7分間現像し、定着液
(フジフィックス、富士写真フイルム(株)製)で定着
し、水洗・乾燥した。
【0154】得られた乳剤の感度は光学濃度がかぶりプ
ラス0.1となるのに要した露光量の逆数の相対値で示
した。
【0155】また、これらの試料について保存性を評価
した。保存性の評価は露光する前に温度50℃,相対湿
度80%の条件下で3日間保存することにより行った。
【0156】得られた結果を表1に示す。
【0157】
【表1】 表1から明らかなようにテルル増感を行なったものは、
還元増感条件を強めても感度低下がおこらず、最も高い
感度を示し、また、還元増感の条件を強めることによっ
て保存後の感度の低下が著しく小さくなった。
【0158】また、テルル増感としては、今回用いた新
規化合物の方がコロイド状テルルよりも高い感度を示し
た。 実施例2 平均ヨウド含有量が26モル%、平均球相当径約1μm
の2重双晶粒子を種晶にしてゼラチン水溶液中で、コン
トロールド・ダブルジェット法によりコア・シェル比が
1:2、シェルのヨウド含有率が平均で4モル%、粒子
全体の平均ヨウド含量が約11.4モル%になるように
して平均球相当径1.4μm の双晶粒子からなる沃臭化
銀乳剤を形成した。
【0159】このとき実施例1と同様な方法で還元増感
した乳剤と還元増感しない乳剤を作り、実施例1とまっ
たく同様の実験を行なったところ、この双晶二重構粒子
でも同様に、本発明の乳剤は良好な写真性能を示すこと
が確かめられた。 実施例3 平均ヨウド含量が8モル%、コア部のヨウド含量が20
モル%、それをとりかこむシェル部のヨウド含量が10
モル%で、さらに最外殻部のヨウド含量が6モル%であ
り、この3相の体積比率が2:1:1である単分散(こ
こでいう単分散とは、平均粒径を中心に±20%の粒径
範囲内に含まれるハロゲン化銀重量が、全ハロゲン化銀
粒子重量の60%以上であるものをいう)3重構造14
面体沃臭化銀粒子を形成した。このとき、粒子形成の6
0%が完了した時点から、実施例1とまったく同様に、
還元増感した乳剤と還元増感しない乳剤を作り、実施例
1とまったく同様の実験を行なったところ、実施例1,
2と同様にこの3重構造、14面体、単分散粒子の系で
も良好な写真性能が得られることが確かめられた。 実施例4 実施例1で調製した乳剤A−2を60℃に昇温し、表2
に示す化学増感剤を用いて、1/100秒露光した時の
感度が最適になるように化学増感し、得られた試料26
〜35を実施例1と同様に塗布、露光、現像し、写真性
を比較した。
【0160】得られた結果を表2に示す。
【0161】
【表2】 表2より明らかな通り、テルル増感を併用した方が金硫
黄増感や金セレン増感よりも感度が高かった。
【0162】また、テルル増感剤の中では今回使用した
新規化合物の方がコロイド状テルルやK2 Teよりも高
い感度を示した。 実施例5 下塗りを施した三酢酸セルロースフィルム支持体上に、
下記に示すような組成の各層を重層塗布し、多層カラー
感光材料である試料101〜107を作製した。
【0163】ただし、乳剤D,E,Hは表4に示した還
元増感、テルル増感を施した乳剤を用いた。 (感光層組成)各成分に対応する数字は、g/m2 単位
で表した塗布量を示し、ハロゲン化銀については、銀換
算の塗布量を示す。ただし増感色素については、同一層
のハロゲン化銀1モルに対する塗布量をモル単位で示
す。 (試料101) 第1層(ハレーション防止層) 黒色コロイド銀 銀 0.18 ゼラチン 1.40 第2層(中間層) 2,5−ジ−t−ペンタデシル 0.18 ハイドロキノン EX−1 0.18 EX−3 0.020 EX−12 2.0×10-3 U−1 0.060 U−2 0.080 U−3 0.10 HBS−1 0.10 HBS−2 0.020 ゼラチン 1.04 第3層(第1赤感乳剤層) 乳剤A 銀 0.25 乳剤B 銀 0.25 増感色素I 6.9×10-5 増感色素II 1.8×10-5 増感色素III 3.1×10-4 EX−2 0.17 EX−10 0.020 EX−14 0.17 U−1 0.070 U−2 0.050 U−3 0.070 HBS−1 0.060 ゼラチン 0.87 第4層(第2赤感乳剤層) 乳剤G 銀 1.00 増感色素I 5.1×10-5 増感色素II 1.4×10-5 増感色素III 2.3×10-4 EX−2 0.20 EX−3 0.050 EX−10 0.015 EX−14 0.20 EX−15 0.050 U−1 0.070 U−2 0.050 U−3 0.070 ゼラチン 1.30 第5層(第3赤感乳剤層) 乳剤D 銀 1.60 増感色素I 5.4×10-5 増感色素II 1.4×10-5 増感色素III 2.4×10-4 EX−2 0.097 EX−3 0.010 EX−4 0.080 HBS−1 0.22 HBS−2 0.10 ゼラチン 1.63 第6層(中間層) EX−5 0.040 HBS−1 0.020 ゼラチン 0.80 第7層(第1緑感乳剤層) 乳剤A 銀 0.15 乳剤B 銀 0.15 増感色素IV 3.0×10-5 増感色素V 1.0×10-4 増感色素VI 3.8×10-4 EX−1 0.021 EX−6 0.26 EX−7 0.030 EX−8 0.025 HBS−1 0.10 HBS−3 0.010 ゼラチン 0.63 第8層(第2緑感乳剤層) 乳剤C 銀 0.45 増感色素IV 2.1×10-5 増感色素V 7.0×10-5 増感色素VI 2.6×10-4 EX−6 0.094 EX−7 0.026 EX−8 0.018 HBS−1 0.16 HBS−3 8.0×10-3 ゼラチン 0.50 第9層(第3緑感乳剤層) 乳剤E 銀 1.20 増感色素IV 3.5×10-5 増感色素V 8.0×10-5 増感色素VI 3.0×10-4 EX−1 0.013 EX−11 0.065 EX−13 0.019 HBS−1 0.25 HBS−2 0.10 ゼラチン 1.54 第10層(イエローフィルター層) 黄色コロイド銀 銀 0.050 EX−5 0.080 HBS−1 0.030 ゼラチン 0.95 第11層(第1青感乳剤層) 乳剤A 銀 0.080 乳剤B 銀 0.070 乳剤F 銀 0.070 増感色素VII 3.5×10-4 EX−8 0.042 EX−9 0.72 HBS−1 0.28 ゼラチン 1.10 第12層(第2青感乳剤層) 乳剤G 銀 0.45 増感色素VII 2.1×10-4 EX−9 0.15 EX−10 7.0×10-3 HBS−1 0.050 ゼラチン 0.78 第13層(第3青感乳剤層) 乳剤H 銀 0.77 増感色素VII 2.2×10-4 EX−9 0.20 HBS−1 0.070 ゼラチン 0.69 第14層(第1保護層) 乳剤I 銀 0.20 U−4 0.11 U−5 0.17 HBS−1 5.0×10-2 ゼラチン 1.00 第15層(第2保護層) H−1 0.40 B−1(直径1.7μm ) 5.0×10-2 B−2(直径1.7μm ) 0.10 B−3 0.10 S−1 0.20 ゼラチン 1.20 更に、全層に保存性、処理性、圧力耐性、防黴・防菌
性、帯電防止性及び塗布性をよくするために、W−1、
W−2、W−3、B−4、B−5、F−1、F−2、F
−3、F−4、F−5、F−6、F−7、F−8、F−
9、F−10、F−11、F−12、F−13及び、鉄
塩、鉛塩、金塩、白金塩、イリジウム塩、ロジウム塩が
含有されている。用いた乳剤の性状を表3、表4に、各
添加物を下記化26〜化38に示す。
【0164】
【表3】
【0165】
【表4】
【0166】
【化26】
【0167】
【化27】
【0168】
【化28】
【0169】
【化29】
【0170】
【化30】
【0171】
【化31】
【0172】
【化32】
【0173】
【化33】
【0174】
【化34】
【0175】
【化35】
【0176】
【化36】
【0177】
【化37】
【0178】
【化38】 これらの試料を40℃,相対湿度70%の条件下に14
時間放置した後、センシトメトリー用露光を与え、下記
の処理工程でカラー現像処理をおこなった。
【0179】処理済の試料をは赤色フィルター、緑色フ
ィルター、青色フィルターで濃度測定した。
【0180】写真性能の結果については、赤感性層、緑
感性層、青感性層の感度を各々、試料101の感度を1
00とした時の相対感度で記した。感度はかぶりからさ
らに光学濃度で0.2の点で比較した。 (処理工程)ここで用いた現像処理は下記の条件で38
℃で行った。
【0181】1.カラー現像………3分15秒 2.漂 白………6分30秒 3.水 洗………3分15秒 4.定 着………6分30秒 5.水 洗………3分15秒 6.安 定………3分15秒 各工程に用いた処理液組成は下記のものである。 カラー現像液 ニトリロ三酢酸ナトリウム 1.4g 亜硫酸ナトリウム 4.0g 炭酸ナトリウム 30.0g 臭化カリウム 1.4g ヒドロキシルアミン硫酸塩 2.4g 4−(N−エチル−N−βヒドロキシエチル アミノ)−2−メチル−アニリン硫酸塩 4.5g 水を加えて 1 リットル 漂白液 臭化アンモニウム 160.0g アンモニア水(28%) 25.0ml エチレンジアミン−四酢酸ナトリウム塩 130g 氷酢酸 14ml 水を加えて 1 リットル 定着液 テトラポリリン酸ナトリウム 2.0g 亜硫酸ナトリウム 4.0g チオ硫酸アンモニウム(70%) 175.0ml 重亜硫酸ナトリウム 4.6g 水を加えて 1 リットル 安定液 ホルマリン 8.0ml 水を加えて 1 リットル 結果を表5に示す。
【0182】本発明の乳剤が、高感であることが重層系
でも確かめられた。
【0183】
【表5】
【0184】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、高
感度で、粒状性に優れ、保存性の改良されたハロゲン化
銀乳剤および写真感光材料が提供される。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 還元増感及びテルル増感を施されたハロ
    ゲン化銀写真用乳剤であって、該テルル増感が下記化1
    に示す一般式(I)又は下記化2に示す一般式(II)
    で表わされる化合物を用いて施されたことを特徴とする
    ハロゲン化銀写真用乳剤。 【化1】 (一般式(I)中R、R、およびRは脂肪族基、
    複素環基、OR、NR(R)、SR、OSiR
    (R)(R10)、Xまたは水素原子を表す。R
    およびRは脂肪族基、芳香族基、複素環基、水素原子
    またはカチオンを表し、RおよびRは脂肪族基、芳
    香族基、複素環基または水素原子を表し、R、R
    よびR10は脂肪族基を表し、Xはハロゲン原子を表
    す。) 【化2】 (一般式(II)中、R11は脂肪族基、芳香族基、複
    素環基、または−NR13(R14)を表し、R12
    −NR15(R16)、−N(R17)N(R18)R
    19または−OR20を示す。R13、R14
    15、R16、R17、R18、R19およびR20
    は水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基またはアシ
    ル基を表す。ここでR11とR15、R11とR17
    11とR13、R11とR20、R13とR15、R
    13とR17、R13とR18およびR13とR20
    結合して環を形成してもよい。)
  2. 【請求項2】 請求項1記載の写真乳剤を含むハロゲン
    化銀写真感光材料。
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