JPH06191366A - 車両用エアバッグおよび膨張制御部材 - Google Patents

車両用エアバッグおよび膨張制御部材

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JPH06191366A
JPH06191366A JP5254090A JP25409093A JPH06191366A JP H06191366 A JPH06191366 A JP H06191366A JP 5254090 A JP5254090 A JP 5254090A JP 25409093 A JP25409093 A JP 25409093A JP H06191366 A JPH06191366 A JP H06191366A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 膨張可能のバッグの形状を制御し、かつ膨張
過程の間バッグに加えられる力を吸収するエアバッグ膨
張制御部材であって、所定位置外の着座者を保護し、所
定位置着座者のバッグに対する接触を柔軟なものとする
膨張制御部材である。 【構成】 車両用エアバッグ(12)は膨張可能バッグ
(20)と、該バッグ(20)に結合された膨張制御部
材(40)とを含む。膨張制御部材(40)は解放可能
接続部分(42)と延伸可能部分(44)とを含む。解
放可能接続部分(42)は膨張過程の初期段階の間その
ままに留まることによって、膨張制御部材(40)は初
期長さまで延び、バッグ(20)は初期形状をとる。膨
張過程の中間段階の間解放可能接続部分(42)が解放
して膨張制御部材(40)は中間長さまで延び、バッグ
(20)は中間形状をとる。膨張過程の最終段階の間延
伸可能部分(44)が延伸して、膨張制御部材(40)
が最終長さまで延び、バッグ(20)は最終形状をと
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、概略的には、エアバッ
グと膨張制御部材に関する。特に、本発明は、エアバッ
グに組み込まれると、所定位置外の着座者(乗員)が保
護され、かつ所定位置の着座者(乗員)のエアバッグに
対する接触が比較的柔軟であるようにする三段階の膨張
過程を可能とする膨張制御部材に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、エアバッグ組立体は、衝突の
際、着座者を保護するために車両に設置される。典型的
なエアバッグ組立体は反作用装置と、前記反作用装置に
結合されたエアバッグと、これも反作用装置に結合され
た膨張装置とを含む。反作用装置は車両の構造要素に結
合されている。例えば、助手席側のエアバッグ組立体に
おいては、該エアバッグ組立体は一般的に車両のダッシ
ュボード即ち計器パネルに組み込まれている。
【0003】エアバッグは殆んど常に、例えばナイロン
のような可撓性織布から作られ、かつ希望形状に完全に
膨張するようになったバッグからなる。例えば、助手席
側のエアバッグ組立体においては、バッグは通常概ね円
筒形あるいは枕形に膨張する。バッグは、室を画成する
部分と、前記室と連通する膨張流体入口を画成する口部
分とを含む。
【0004】衝突時、膨張装置が膨張流体をバッグに供
給してエアバッグを着座者に向かって膨張する。特に、
膨張流体はバッグの入口を介して室内へ流入してエアバ
ッグを膨張する。膨張過程の間、膨張流体の運動エネル
ギがエアバッグに力を加える。エアバッグには膨張過程
の初期段階の間には初期の力が、膨張過程の中間段階の
間には中間の力が、そして膨張過程の最終段階の間には
最終の力が加えられる。
【0005】エアバッグは一般的に、最終形状まで完全
に膨張すると、エアバッグの「着座者と接触する」部分
が、当該車両の座席の所定位置に座っている着座者と接
触する。このように、所定位置の着座者は車両の構造部
分との衝撃に対して緩衝される。助手席側のエアバッグ
に対しては、所定位置の着座者はハンドルとは反対の車
両の側近傍に着座しており、その人の胴は助手席の背近
傍に位置している。
【0006】着座者がエアバッグに接触するにつれて、
その人には、エアバッグによって吸収されなかった膨張
過程中に発生した力が加えられる。このように、もしも
エアバッグがそのような力を十分吸収していないとすれ
ば、着座者にはそのような力が加えられる。従って、本
発明の出願人のエアバッグ構成考え方の1つにおいて
は、エアバッグが着座者と接触する前にこれらの力を消
散させることにより着座者に対する接触が比較的柔軟と
される。
【0007】本発明の出願人のエアバッグ構成の考え方
の別のものは所定位置外の着座者を保護することであ
る。前述のように、エアバッグは一般的に、着座者と接
触する部分が、所定位置に居る着座者と接触するように
構成されている。しかしながら、ある場合には、着座者
はこのように位置するのでなく、座の中心に向かって、
計器板により近接して着座することがありうる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、膨張可能バ
ッグの形状を制御し、膨張過程の間バッグに加えられる
力を吸収するエアバッグ膨張制御部材を提供する。詳し
くは、膨張制御部材は、膨張過程の初期段階の間所定位
置外の着座者を保護する形状をバッグがとるようにさせ
る。さらに、膨張制御部材はバッグが所定位置の着座者
と接触する前に運動エネルギを消散させる。
【0009】特に、本発明は膨張可能バッグと、該バッ
グに結合さた膨張制御部材とからなる車両用エアバッグ
を提供する。膨張制御部材は膨張過程の間バッグの室を
貫通し、バッグの形状を制御する。膨張制御部材は解放
可能接続部分と延伸可能部分とを含む。解放可能接続部
分は膨張過程の初期段階の間はそのままであり、そのた
め膨張制御部材は初期長さまで延び、バッグは初期形状
をとる。解放可能接続部分は膨張過程の中間段階の間に
解放され、膨張制御部材は中間長さまで延び、バッグは
中間形状をとる。膨張過程の最終段階の間延伸可能部分
が延伸されることにより膨張制御部材は最終長さまで延
び、バッグは最終形状をとる。バッグの初期形状は所定
位置外の着座者を保護し、バッグの最終形状は所定位置
の着座者を保護するよう構成されている。
【0010】膨張制御部材は、第1の端部がバッグに、
第2の端部もバッグに取り付けられたつなぎ紐を含むこ
とが好ましい。解放可能接続部分と延伸可能部分とは第
1と第2の端部の中間でつなぎ紐に位置している。つな
ぎ紐の第1の端部はバッグの口部分に取り付けられ、つ
なぎ紐の第2の端部はバッグの着座者と接触する部分に
取り付けられている。
【0011】特に、膨張制御部材は、第1の端片と、第
2の端片と、前記第1の端片を第2の端片に接合する中
央片とからなる3個の片からなるつなぎ紐である。第1
と第2の端片は、それぞれつなぎ紐の第1と第2の端部
を含む。解放可能接続部分は第1と第2の端片の中間部
分を共に接合し、中央片が膨張制御部材延伸部分からな
る。解放可能接続部分は破断縫合部を形成することがで
きる。延伸可能部分は45度の織り形状を有する材料か
ら作ることができる。
【0012】このように、本発明は膨張可能バッグの形
状を制御し、かつ膨張過程の間バッグに加えられる力を
吸収するためのつなぎ紐状部材を提供する。つなぎ紐状
部材はエアバッグに組み込まれると、所定位置外の着座
者が保護され、所定位置の着座者のバッグに対する接触
が比較的柔軟とされる三段階の膨張過程を可能とする。
【0013】過去において、解放可能接続部分あるいは
延伸可能部分のいずれかを有するつなぎ紐状部材を組み
入れているエアバッグが開発された。例えば、カワシマ
他(Kawashima et al)への米国特許第
3,879,056号は、エアバッグの側部分に固定さ
れた部材を含むエアバッグを開示している。前記部材は
破れやすい縫合により形成された解放可能の接続部分を
有する中央の折り曲げた部分を含んでいる。解放可能の
接続部分は、着座者がバッグと接触すると、縫合が破
れ、中央の折り曲げた部分が解放され、前記部材が第1
の長さから第2の長さまで広がるように構成されてい
る。このように、エアバッグのはね返り力が吸収、すな
わち消散される。
【0014】さらに、タカダ(Takada)への米国
特許第4,966,389号は4個のつなぎ紐状部材が
エアバッグの口部分と該バッグの着座者が接触する部分
との間を延在し、かつそれらに接続されているエアバッ
グを開示している。前記部材は、45度のバイアスから
なる弾性部分を含む固定具によりバッグの口部分に接続
されている。膨張過程の後段階の間、前記部材はバッグ
の着座者と接触する部分の運動を急に止めることにより
前記部材に著しく高い引張力を加える。固定具の弾性部
分は高度の引張力を吸収して前記部材がバッグの口から
分離するのを阻止する。
【0015】このように、従来技術は、解放可能接続部
分または延伸可能部分のいずれかを有するつなぎ紐状部
材を開示する。しかしながら、従来技術の部材は、所定
位置外の着座者が保護され、所定位置の着座者のバッグ
に対する接触が比較的柔軟とされる三段階の膨張過程を
可能としないものと考えられる。
【0016】
【課題を解決するための手段】従って、本発明の出願人
は、所定位置外の着座者と所定位置の着座者の双方に係
わる設計基準を許容する膨張制御部材に対する必要性が
あり、本発明がその必要性を満足させるものと考えてい
る。
【0017】
【実施例】まず、図1から図3までを参照すれば、エア
バッグ組立体10は本発明によるエアバッグ12を組み
入れたものとして概略図示されている。エアバッグ組立
体10はさらに、反作用装置14と膨張装置16とを含
む。図には詳しく示していないものの、エアバッグ12
と膨張装置16とは適当に反作用装置に結合されてい
る。反作用装置14は車両の構造部分に結合するように
つくられている。図示したエアバッグ組立体10は助手
席側のエアバッグ組立体であり、車両のダッシュボード
すなわち計器パネルに組み込むよう構成されている。
【0018】エアバッグ10は、例えばナイロンのよう
な弾性の織布から作られたバッグ20を含む。図示した
助手席側のエアバッグ組立体10においては、バッグ2
0は概ね円筒形あるいは枕状となるよう完全に膨張する
(図3参照)。バッグ20は、室22を画成する部分
と、前記室22と連通する膨張流体入口31を画成する
口部分30とを含む。
【0019】衝突時、膨張装置16はエアバッグ12に
膨張流体を供給する。特に、膨張流体はバッグの入口3
1を介して室22の中へ流入し、バッグ20を膨張す
る。膨張過程の間、膨張流体の運動エネルギはバッグ2
0に力を加える。バッグ20には、膨張過程の初期段階
の間初期の力が(図1を参照)、膨張過程の中間段階の
間中間の力が、膨張過程の最終段階の間最終の力が(図
3を参照)加えられる。
【0020】図示実施例においては、口部分30は保持
具33用の溝を画成する縁部32を含む(図4を参
照)。図には詳しく示していないが、保持具33はエア
バッグ12を反作用装置14に固定するために使用しう
る。口部分30はさらに、膨張流体用入口31の頂部領
域を囲繞し、かつバッグ20の室画成部分を、膨張装置
16により、運ばれた熱から遮断する熱遮断手段34を
含む。一連の縫合線35が縁部32の二枚の層を通り縁
部32内に保持具33を位置させる。上方の縫合線35
も熱遮断手段34を通り熱遮断手段を縁部32の上部分
に固定する。縫合線35は膨張過程の間加えられる力に
耐えるようにされている。
【0021】エアバッグ12は、バッグ20が完全に膨
張すると、エアバッグの「着座者が接触する」部分36
が所期位置に位置した着座者、すなわち所定位置の着座
者と接触するように構成されている。(バッグ20の室
画成部分の1つである)着座者と接触する部分36は概
ね流体入口31とは反対側であるバッグ20の前方部分
に位置している。幅が概ね45−55ミリである内側折
曲げ部37が、着座者と接触する部分36の中央部分に
形成され、室22中へ突出している。(図5および図6
を参照)。内側折曲げ部37は膨張過程の間に加えられ
る力に耐えるようにされた縫合線38によってそのまま
に保持される。
【0022】エアバッグ12はさらに、バッグ20に結
合され、かつ室22を通して延びる膨張制御部材40を
含む。前記部材40はバッグ20の形状を制御し、かつ
膨張過程の間バッグ20に加えられた力を吸収する。特
に、膨張制御部材40はバッグ20が、膨張過程の初期
段階の間所定位置外の着座者を保護する形状をとるよう
にさせる。さらに、膨張制御部材40は、バッグ20が
所定位置の着座者と接触する前に運動エネルギを消散さ
せるので、その接触が比較的柔軟なものとなる。
【0023】膨張制御部材40は解放可能接続部分42
と引張可能部分44とを含む。解放可能接触部分42は
膨張過程の初期段階の間そのままの状態に留まり、その
ため膨張制御部材40は初期長さまで延び、バッグ20
は初期形状をとる(図1を参照)。解放可能接続部分4
2は膨張過程の中間段階の間解放することにより、膨張
制御部材40は初期長さから中間長さまで延び、バッグ
20は中間の形状をとる(図2参照)。延伸可能部分は
膨張過程の最終段階の間延伸することにより膨張制御部
材40は中間長さから最終長さまで延び、バッグは最終
形状をとる(図3参照)。
【0024】エアバッグ12は、膨張制御部材40が初
期長さに達し、バッグ20がその初期形状をとると、エ
アバッグ12は所定位置外の着座者を保護する。図1を
参照すれば最良に判るように、図示したバッグ20の初
期形状は「二重こぶ」の形である。膨張制御部材40は
バッグ20の着座者と接触する部分36の外方運動を制
限し、側方から視てバッグが初期「へこみ」形状をと
る。
【0025】エアバッグ12はまた、膨張制御部材40
が中間長さまで延び、バッグ20が中間形状をとると、
バッグ20は完全に膨張する円筒形、すなわち枕状形状
に達しないものの、それに近い形となるように構成され
ている。延伸可能部分44が引張られ、かつ膨張制御部
材40が最終長さまで延びると、バッグ20はその最終
形状まで完全に膨張する。この最終形状において、エア
バッグ12は所定位置の着座者を保護するようにされて
いる。延伸可能部分44を引張り、(膨張制御部材40
を中間長さから最終長さまで延ばすことにより)膨張過
程の間発生した運動エネルギを消散させる。このよう
に、バッグ20に対する所定位置の着座者の接触は比較
的柔軟なものである。
【0026】好適実施例においては、初期長さは約96
ミリであり、中間長さは約488ミリであり、最終長さ
は約614−664ミリである。このように、中間長さ
は初期長さの少なくとも3倍、好ましくは約5倍であ
る。さらに、最終長さは中間長さより少なくとも10パ
ーセント、好ましくは25パーセントから36パーセン
ト長い。
【0027】以下詳細に説明するように、解放可能の接
続部分42は初期の力には耐えるが、中間の力が上廻る
強度を有している。このように、解放可能接続部分42
は膨張過程の初期段階の間そのままに留まることによっ
て膨張制御部材40が初期長さまで延び、バッグ20が
初期形状をとるようにさせ、さらに、このように解放可
能接続部分42は膨張過程の中間段階の間解放すること
により膨張制御部材40が中間長さまで延び、バッグ2
0が中間形状をとるようにさせる。
【0028】また以下詳しく説明するように、膨張過程
の初期段階あるいは中間段階の間延伸可能部分44は作
用を受ける、すなわち延伸されることがない。さらに、
延伸可能部分44の引張性は該部分が最終の力によって
引張られるようなものである。このように、延伸可能部
分44は膨張過程の最終の段階の間においてのみ引張ら
れることによって膨張制御部材40が中間長さから最終
長さまで延びるようにさせる。
【0029】膨張制御部材40は、バッグ20の口部分
30と着座者接触部分36との間を延び、かつそれらに
接続されている。特に(図4を参照)、膨張制御部材4
0の第1の端部46はバッグの縁部32の2枚の層の間
に挟持され、かつ縫合線35によって縁部32に固定さ
れている。さらに(図5および図6参照)、膨張制御部
材40の第2の端部48は「ボックスX」縫合模様49
によって着座者接触部分36の内側折曲げ部37に取り
付けられている。前記縫合模様49はまた、膨張過程の
間加えられる力に耐えるようにされている。
【0030】膨張制御部材40は、第1の端片50と、
第2の端片52と、中央片54とを含む3片からなるつ
なぎ紐であることが好ましい(図7および図8参照)。
つなぎ紐の各片50,52,54は長方形である。端片
50,52は基本的に同一であって、長さが約118ミ
リで、幅が約76ミリである。中央片54は長さが約1
44ミリで、幅は約76ミリである。前記端片50の一
端は膨張制御部材40の第1の端部46を形成する。同
様に、片52の一端は膨張制御部材40の第2の端部を
形成する。このように、端片50,52はバッグ20に
取り付けられている。前記端片50,52の両端はバッ
グ20に取り付けられる。前記片50,52の両端は縫
合線56により中央片54に取り付けられている(図7
および図8参照)。縫合線56はつなぎ紐の片の重なっ
た部分(長さが約18ミリ)を通して延びる。縫合線5
6は、膨張過程の間取付け部が破断しないようにつくら
れている。
【0031】解放可能接続部分42はつなぎ紐の端片5
0,52の中間部分を相互に接合する。解放可能接続部
は「破れやすくつくった」縫合線58からなる。図面に
詳しく示していないが、縫合線58は69ナイロン糸か
ら形成された20針縫いであり、1インチ当り約10針
の密度を有している。縫合線58の間隔はつなぎ紐片の
幅の約2/3であり、前記片の横縁部に対して中心に位
置している。さらに、縫合線58は端片50,52の長
手方向中央に位置している。このように、好適実施例に
おいては、縫合線58の間隔は約51ミリであり、つな
ぎ紐片50,52のいずれかの端部から約94ミリのと
ころに位置している。
【0032】つなぎ紐片50,52,54は同じ材料か
ら作ることが好ましく、片面にコーティングした840
デニールのナイロンから作られることが好ましい。図7
と図8とに示す膨張制御部材40の方向で、つなぎ紐片
の非コーティング面が相互に対面している。つなぎ紐片
50,52の材料は90度の織り模様を有している(図
7参照)。換言すれば、前記材料の繊維が片50,52
の縦側あるいは横側のいずれかに対して90度の角度を
つけて位置している。この90度織り(即ち「バイア
ス」)は端片50,52が膨張過程の間引張されないよ
う阻止する。
【0033】中央片54の材料は45度織り模様を有し
ている。換言すれば、前記材料の繊維は片54の端部と
横縁とに対して45度の角度をつけて位置されている。
この45度織り模様(すなわち「バイアス」)により中
央片54が膨張過程の最終段階の間引張ったり、あるい
は伸びることができるようにする。もしも好適材料が使
用されるとすれば、前記片は50%から70%延伸す
る。中央片54の引張、即ち延伸は反転しなくともよ
い。このように、弾性片と比較すれば、中央片54は、
延伸をもたらしている力が除去されたとき予伸張状態に
戻る必要はない。
【0034】膨張制御部材40の延伸可能部分44は基
本的には中央片54から構成される。膨張過程の初期段
階の間、初期の力はつなぎ紐の端片50,52並びに解
放可能接続部分42によって吸収される。延伸可能部分
44に引張力が加わるのは、解放可能接続部分42が解
放され、つなぎ紐端片50,52が分離されて膨張制御
部材40を中間長さまで延在させた後である。このよう
に、延伸可能部分44は膨張過程の最終段階に到るまで
は初期および中間の力によっては作用を受けず、延伸さ
れることはない。
【0035】本発明は、エアバッグに組み込まれると所
定位置外の着座者が保護され、かつ所定位置の着座者の
バッグに対する接触が比較的柔軟となるような三段階の
膨張過程を可能とするエアバッグ膨張制御部材を提供す
ることが認められる。本発明を或る好適実施例に関して
示し、かつ説明してきたが、本明細書を読み、かつ理解
すれば当該技術分野の専門家には均等の変更や修正が想
起されることは明らかである。従って、本発明はそのよ
うな均等き変更や修正を全て包含し、特許請求の範囲に
よってのみ限定される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による膨張制御部材を組み込んだエアバ
ッグを含み、前記制御部材が初期長さまで伸張され、エ
アバッグのバッグが初期形状をとった状態で示すエアバ
ッグ組立体の概略側面図。
【図2】膨張制御部材が中間長さまで伸張され、バッグ
が中間形状をとった状態で示す、図1に示すエアバッグ
組立体の概略図。
【図3】膨張制御部材が最終長さまで伸張され、バッグ
が最終形状をとった状態で示す、図1と図2とに示すエ
アバッグ組立体の概略図。
【図4】膨張制御部材の第1の端部をエアバッグのバッ
グに取り付けた状態を示す拡大側断面図。
【図5】膨張制御部材の第2の端部をエアバッグのバッ
グに取り付けた状態を示す拡大上面図。
【図6】図5に示す取付け状態を示す拡大側断面図。
【図7】膨張制御部材の拡大正面図。
【図8】膨張制御部材の拡大断側面図。
【符号の説明】
10 エアバッグ組立体 12 エアバッグ 20 バッグ 22 室 40 膨張制御部材 42 解放可能接続部分 44 延伸可能部分

Claims (51)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 膨張可能なバッグと、前記バッグに結合
    された膨張制御部材とを含む車両用エアバッグにおい
    て、 前記バッグが、膨張過程の間エアバッグを膨張するため
    の膨張流体で充てんされている室を画成する室画成部分
    を含み、前記バッグに膨張過程の初期段階の間は初期の
    力が、膨張過程の中間段階の間は中間の力が膨張過程の
    最終段階の間は最終の力が加えられ、 前記膨張制御部材が膨張過程の間前記室を通して延び、
    前記バッグの形状を制御し、 前記膨張制御部材が解放可能接続部分と延伸可能部分と
    を含み、 前記解放可能接続部分が膨張過程の初期段階の間そのま
    まの状態に留まることによって前記膨張制御部材が初期
    長さまで延び、前記バッグが初期形状をとり、 前記解放可能接続部分が膨張過程の中間段階の間解放さ
    れることによって前記膨張制御部材が前記初期長さより
    も長い中間長さまで延び、かつ前記バッグが中間形状を
    とり、 前記延伸可能部分が膨張過程の最終段階の間延伸される
    ことによって、前記膨張制御部材が前記中間長さよりも
    長い最終長さまで延び、かつ前記バッグが最終形状をと
    ることを特徴とする車両用エアバッグ。
  2. 【請求項2】 前記バッグの初期形状が所定位置外の着
    座者を保護するようにされ、前記バッグの前記最終形状
    が所定位置の着座者を保護するようにされていることを
    特徴とする請求項1に記載のエアバッグ。
  3. 【請求項3】 前記バッグの前記初期形状が二重こぶ状
    であり、前記バッグの前記最終形状が概ね円筒状あるい
    は枕状であることを特徴とする請求項2に記載のエアバ
    ッグ。
  4. 【請求項4】 前記解放可能接続部分の強度が、 前記初期の力に耐え、かつ膨張過程の初期段階の間その
    ままの状態に留まり前記膨張制御部材が前記初期長さま
    で延びうるようにし、かつ前記中間の力が上廻り、膨張
    過程の中間段階の間解放され、前記膨張制御部材が前記
    中間長さまで延びうるようにする強度であることを特徴
    とする請求項1に記載のエアバッグ。
  5. 【請求項5】 前記延伸可能部分が前記初期および中間
    の力によっては作用されず、かつ前記延伸可能部分が最
    終の力によって伸張する引張特性を有することによって
    前記膨張制御部材が膨張過程の最終段階の間前記中間の
    長さから最終の長さまで延びることができるようにする
    ことを特徴とする請求項4に記載のエアバッグ。
  6. 【請求項6】 前記バッグが前記室と連通する膨張流体
    入口を画成する口部分を含み、 前記バッグの前記室画成部分が、前記バッグが前記最終
    形状をとるとき、所定位置の着座者と接触するよう位置
    された着座者接触部分を含み、 前記膨張制御部材は前記室を横切って、前記口部分から
    前記着座者接触部分まで延びることを特徴とする請求項
    1に記載のエアバッグ。
  7. 【請求項7】 前記着座者接触部分が前記流体入口とは
    概ね反対側で前記バッグの前方領域に位置していること
    を特徴とする請求項6に記載のエアバッグ。
  8. 【請求項8】 前記膨張制御部材の第1の端部が前記口
    部分に取り付けられ、第2の端部が前記着座者接触部分
    に取り付けられ、前記解放可能接続部分と前記延伸可能
    部分とが前記第1と第2の端部の中間に位置しているこ
    とを特徴とする請求項7に記載のエアバッグ。
  9. 【請求項9】 前記中間の長さが前記初期長さの少なく
    とも3倍であることを特徴とする請求項1に記載のエア
    バッグ。
  10. 【請求項10】 前記中間長さが前記初期長さの約5倍
    であることを特徴とする請求項9に記載のエアバッグ。
  11. 【請求項11】 前記最終長さが前記中間長さより少な
    くとも10%長いことを特徴とする請求項1に記載のエ
    アバッグ。
  12. 【請求項12】 前記最終長さが前記中間長さより25
    %から36%長いことを特徴とする請求項11に記載の
    エアバッグ。
  13. 【請求項13】 前記中間の長さが前記初期長さの少な
    くとも3倍であり、前記最終長さが前記中間長さより少
    なくとも10%より長いことを特徴とする請求項1に記
    載のエアバッグ。
  14. 【請求項14】 前記中間長さが前記初期長さの約5倍
    であり、前記最終長さが前記中間長さの25%から36
    %より長いことを特徴とする請求項13に記載のエアバ
    ッグ。
  15. 【請求項15】 前記初期長さが約96ミリであり、前
    記中間長さが約488ミリであり、前記最終長さが約6
    14−664ミリであることを特徴とする請求項1に記
    載のエアバッグ。
  16. 【請求項16】 前記延伸可能部分が、前記の最初の力
    が加えられると、50%から70%延伸される引張特性
    を有することを特徴とする請求項1に記載のエアバッ
    グ。
  17. 【請求項17】 前記膨張制御部材は、第1の端部が前
    記バッグに取り付けられ、第2の端部も前記バッグに取
    り付けられているつなぎ紐を含み、前記解放可能接続部
    分と前記延伸可能部分とが前記第1と第2の端部の中間
    で前記つなぎ紐に位置していることを特徴とする請求項
    1に記載のエアバッグ。
  18. 【請求項18】 前記バッグが前記室と通過する膨張流
    体入口を画成する口部分を含み、 前記バッグの前記室画成部分が、前記バッグが前記の最
    終形状をとるとき所定位置の車両着座者と接触するよう
    位置した着座者接触部分を含み、 前記つなぎ紐の第1の端部が前記バッグの前記口部分に
    取り付けられ、前記つなぎ紐の前記第2の端部が前記着
    座者接触部分に取り付けられていることを特徴とする請
    求項17に記載のエアバッグ。
  19. 【請求項19】 前記つなぎ紐は三片構造であり、第1
    の端片と、第2の端片と、前記第1の端片を前記第2の
    端片に接合する中央片とを含み、前記第1と第2の端片
    がそれぞれ前記つなぎ紐の前記第1と第2の端部を含ん
    でいることを特徴とする請求項18に記載のエアバッ
    グ。
  20. 【請求項20】 前記解放可能接続部分が前記第1と第
    2の端片の中間部分を接合し、前記中央片が前記膨張制
    御部材の前記延伸可能部分を含むことを特徴とする請求
    項19に記載のエアバッグ。
  21. 【請求項21】 前記解放可能接続部分が破れやすくし
    た縫合からなることを特徴とする請求項20に記載のエ
    アバッグ。
  22. 【請求項22】 前記中央部分が45度の織り模様を有
    する材料から作られていることを特徴とする請求項20
    に記載のエアバッグ。
  23. 【請求項23】 前記材料が一方の面にコーティングさ
    れた840デニールのナイロンであることを特徴とする
    請求項22に記載のエアバッグ。
  24. 【請求項24】 前記第1と第2の端片が前記中央部分
    と同じ材料から作られ、かつ90度の織り模様を有する
    ことを特徴とする請求項20に記載のエアバッグ。
  25. 【請求項25】 前記材料が一方の面にコーティングさ
    れた840デニールのナイロンであることを特徴とする
    請求項24に記載のエアバッグ。
  26. 【請求項26】 前記端片と前記中央片とがそれぞれ長
    方形であり、幅がそれぞれ76ミリであることを特徴と
    する請求項20に記載のエアバッグ。
  27. 【請求項27】 前記端片がそれぞれ長さが約118ミ
    リであり、前記中央片が長さが約144ミリであること
    を特徴とする請求項26に記載のエアバッグ。
  28. 【請求項28】 前記の破れやすくつくられた縫合模様
    が基本的に、69ナイロン糸から形成された20針を有
    し、かつ約10針/インチの密度を有する縫合線から構
    成されていることを特徴とする請求項21に記載のエア
    バッグ。
  29. 【請求項29】 前記縫合線が前記端片の中の1個の幅
    の約2/3である間隔を有していることを特徴とする請
    求項28に記載のエアバッグ。
  30. 【請求項30】 前記縫合線が前記端片の中央に位置し
    ていることを特徴とする請求項29に記載のエアバッ
    グ。
  31. 【請求項31】 前記縫合線が約51ミリに等しい間隔
    を有し、かつ前記縫合線が前記端片のいずれかの端部か
    ら約94ミリのところに位置していることを特徴とする
    請求項30に記載のエアバッグ。
  32. 【請求項32】 膨張可能バッグの形状を制御し、かつ
    膨張過程の間前記バッグに加えられる力を吸収するエア
    バッグ膨張制御部材において、 前記膨張制御材料が三片からなるつなぎ紐と、前記つな
    ぎ紐をバッグに結合する手段とを含み、 前記つなぎ紐が第1の端片と、第2の端片と、前記第1
    の端片を前記第2の端片に接合する中央片とを含み、 前記つなぎ紐がまた、解放可能接続部分と延伸可能部分
    とを含み、前記延伸可能部分が前記中央片に組み込ま
    れ、 前記解放可能接続部分はそのままであるとつなぎ紐が初
    期長さまで延びうるようにし、解放されると、つなぎ紐
    を前記初期長さから、前記初期長さより長い中間長さま
    で延びうるようにし、 前記延伸可能部分は前記つなぎ紐を中間長さから、前記
    中間長さより長い最終長さまで延びうるようにすること
    を特徴とするエアバッグ膨張制御部材。
  33. 【請求項33】 前記中間長さが前記初期長さの少なく
    とも3倍であることを特徴とする請求項32に記載の膨
    張制御部材。
  34. 【請求項34】 前記中間長さが前記初期長さの約5倍
    であることを特徴とする請求項33に記載の膨張制御部
    材。
  35. 【請求項35】 前記最終長さが前記中間長さより少な
    くとも10%より長いことを特徴とする請求項32に記
    載の膨張制御部材。
  36. 【請求項36】 前記最終長さが前記中間長さより25
    %から36%より長いことを特徴とする請求項35に記
    載の膨張制御部材。
  37. 【請求項37】 前記中間長さが前記初期長さの少なく
    とも3倍であり、前記最終長さが前記中間長さの少なく
    とも10%より長いことを特徴とする請求項32に記載
    の膨張制御部材。
  38. 【請求項38】 前記中間長さが前記初期長さの約5倍
    であり、前記最終長さが前記中間長さより25%から3
    6%より長いことを特徴とする請求項37に記載の膨張
    制御部材。
  39. 【請求項39】 前記初期長さが約96ミリであり、前
    記中間長さが約488ミリであり、前記最終長さが61
    4−664ミリであることを特徴とする請求項32に記
    載の膨張制御部材。
  40. 【請求項40】 前記解放可能接続部分が破れやすくつ
    くられている縫合からなることを特徴とする請求項32
    に記載の膨張制御部材。
  41. 【請求項41】 前記中央部分が45度の織り模様を有
    する材料から作られることを特徴とする請求項32に記
    載の膨張制御部材。
  42. 【請求項42】 前記材料が一方の面にコーティングさ
    れた840デニールのナイロンであることを特徴とする
    請求項41に記載の膨張制御部材。
  43. 【請求項43】 前記第1と第2の端片が前記中央部分
    と同じ材料から作られ、かつ90度の織り模様を有する
    ことを特徴とする請求項32に記載の膨張制御部材。
  44. 【請求項44】 前記材料が一方の面にコーティングさ
    れた840デニールのナイロンであることを特徴とする
    請求項43に記載の膨張制御部材。
  45. 【請求項45】 前記延伸可能部分が、前記最終の力が
    加えられると50%から70%伸びるようにされる引張
    特性を有していることを特徴とする請求項32に記載の
    膨張制御部材。
  46. 【請求項46】 前記端片と前記中央片とが長方形で、
    それぞれ幅が約76ミリであることを特徴とする請求項
    32に記載の膨張制御部材。
  47. 【請求項47】 前記端片がそれぞれ長さが約118ミ
    リであり、前記中央片の長さが約144ミリであること
    を特徴とする請求項46に記載の膨張制御材料。
  48. 【請求項48】 前記の破れやすくつくった縫い模様が
    基本的に、69ナイロン糸から形成した20針と、イン
    チ当り約10針の密度を有する縫合線からなることを特
    徴とする請求項40に記載の膨張制御部材。
  49. 【請求項49】 前記縫合線が前記端片の中の1個の幅
    の概ね2/3である間隔を有していることを特徴とする
    請求項48に記載の膨張制御部材。
  50. 【請求項50】 前記縫合線が前記端片の中央に位置し
    ていることを特徴とする請求項49に記載の膨張制御部
    材。
  51. 【請求項51】 前記縫合線の間隔が約51ミリに等し
    く、前記縫合線が前記端片のいずれかの端部から約94
    ミリのところに位置していることを特徴とする請求項5
    0に記載の膨張制御部材。
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