JPH06180488A - ハロゲン化銀カラー写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀カラー写真感光材料

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JPH06180488A
JPH06180488A JP3053263A JP5326391A JPH06180488A JP H06180488 A JPH06180488 A JP H06180488A JP 3053263 A JP3053263 A JP 3053263A JP 5326391 A JP5326391 A JP 5326391A JP H06180488 A JPH06180488 A JP H06180488A
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慶司 御林
Naoki Saito
直樹 斎藤
Shunichi Aida
俊一 相田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】高感度で、粒状性、圧力性、色再現性及び鮮鋭
度に優れるカラー写真感光材料を提供する。 【構成】支持体上に少なくとも1層の感光性乳剤層を有
するハロゲン化銀カラー写真感光材料において、該乳剤
層のハロゲン化銀粒子の全投影面積の少なくとも50%
が平均アスペクト比が2以上の平板粒子であり、かつ少
なくとも1層に下記一般式(I)で表わされるカプラー
及び/または下記一般式(II)で表わされるカプラーを
含有するハロゲン化銀カラー写真感光材料。一般式
(I) 【化1】 一般式(II) 【化2】 (式中、X1 およびX2 は各々アルキル基、アリール基
または複素環基を表わし、X3 は>N−とともに含窒素
複素環基を形成する有機残基を表わし、Yはアリール基
または複素環基を表わし、Zは該一般式で示されるカプ
ラーが現像主薬酸化体と反応したとき離脱する基を表わ
す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はハロゲン化銀カラー写真
感光材料に関し、特に平板状ハロゲン化銀乳剤と新規な
イエローカプラーを含有し、高感度で粒状性、鮮鋭性、
圧力性に優れ、撮影後現像までの保存中の写真性能の変
動が少なく、かつ色再現性と処理後の色像保存性に優れ
たハロゲン化銀カラー写真感光材料に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】ハロゲン化銀カラー写真感光材料特に撮
影用カラー感材においては、高感度で粒状性・色再現性
及び鮮鋭度が良好であり、保存中の写真性能の変動が少
なく、かつ処理後の画像保存性の優れた感光材料が要望
されている。カラー写真画像を形成するイエローカプラ
ーとしては、一般に活性メチレン(メチン)基を有する
アシルアセトアニリド型カプラーが知られているが
(T.H.ジェームス著、「ザ・セオリー・オブ・ザ・
フォトグラフィック・プロセス」第4版、354〜35
6頁)、これら色素は発色濃度が低くまた色素形成速度
も遅いという欠点を有していた。特にこれらカプラーを
いわゆるDIRカプラーとして用いる場合に、低活性で
あるために多量使用しなければならず、色像堅牢性・色
相・コスト等が問題となっていた。
【0003】本発明のイエローカプラーと類似のマロン
ジアニリド型カプラーとして、例えば米国特許第4,1
49,886号、同4,095,984号、同4,47
7,563号または英国特許第1,204,680号等
に記載のカプラーが知られているが、これらのカプラー
は画像保存性特に湿・熱堅牢性に低く問題であった。ま
たこれらより得られるアゾメチン色素の分光吸収におい
て、イエローの長波側に裾引きがあり色再現上改良が望
まれていた。
【0004】また、高感度で粒状性、鮮鋭性の優れた感
材を提供する技術として、ハロゲン化銀粒子の直径と厚
みの比(アスペクト比)が8:1位以上の平板状ハロゲ
ン化銀粒子を用いることが、例えば特開昭58−113
934号等に提案されているが、色再現性、粒状性、圧
力性及び感材の保存性はまだまだ不満足なレベルであ
り、処理後の画像保存性も劣っていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、第一
に高感度で粒状性、色再現性、鮮鋭性、圧力性に優れる
感光材料を提供することであり、第二にイエロー画像保
存性に優れる感光材料を提供することであり、第三に保
存期間中に写真性能の変動が少ない感光材料を提供する
ことであり、第四に粒状性の良い乳剤と高活性なイエロ
ーカプラーをそれぞれ少量用いることにより、コストが
低く画質のすぐれた感光材料を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題は、下記ハロゲ
ン化銀カラー写真感光材料によって解決された。支持体
上に少なくとも一層の感光性乳剤層を有するハロゲン化
銀カラー写真感光材料において、該乳剤層のハロゲン化
銀粒子の全投影面積の少なくとも50%が平均アスペク
ト比が2以上の平板粒子であり、かつ少なくとも1層に
下記一般式(I)で表わされるカプラー及び/または下
記一般式(II)で表わされるカプラーを含有することを
特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光材料。一般式
(I)
【化4】 一般式(II)
【化5】 (式中、X1 及びX2 は各々アルキル基、アリール基ま
たは複素環基を表し、X3 は>N−とともに含窒素複素
環基を形成する有機残基を表わし、Yはアリール基また
は複素環基を表わし、Zは該一般式で示されるカプラー
が現像主薬酸化体と反応したとき離脱する基を表わ
す。)
【0007】以下に、一般式(I)で表わされるカプラ
ー及び一般式(II)で示されるカプラーについて詳しく
述べる。X1 及びX2 がアルキル基を表すとき、炭素数
1〜30、好ましくは1〜20の、直鎖、分岐、環状、
飽和、不飽和、置換または無置換のアルキル基である。
アルキル基の例としてはメチル、エチル、プロピル、ブ
チル、シクロプロピル、アリル、t−オクチル、1−ブ
チル、ドデシル、2−ヘキシルデシルが挙げられる。
【0007】X1 及びX2 が複素環基を表わすとき、炭
素数1〜20、好ましくは1〜10の、ヘテロ原子とし
て例えばチッソ原子、酸素原子または硫黄原子を少なく
とも一個以上含み3〜12員環、好ましくは5もしくは
6員環の、飽和もしくは不飽和、置換もしくは無置換
の、単環もしくは縮合環の複素環基である。複素環基の
例としては、3−ピロリジニル、1,2,4−トリアゾ
ール−3−イル、2−ピリジル、4−ピリミジニル、3
−ピラゾリル、2−ピロリル、2,4−ジオキソ−1,
3−イミダゾリジン−5−イルまたはピラニルなどが挙
げられる。
【0008】X1 及びX2 がアリール基を表わすとき、
炭素数6〜20、好ましくは6〜10の置換または無置
換のアリール基を表わす。アリール基の例としてはフェ
ニル、ナフチルが代表的である。
【0009】X3 が>N−とともに形成する含窒素複素
環基を表わすとき、複素環基は、炭素数1〜20、好ま
しくは1〜15の、ヘテロ原子として窒素原子以外に、
例えば酸素原子または硫黄原子を含んでもよく、3〜1
2員環、好ましくは5もしくは6員環の、置換もしくは
無置換の、飽和もしくは不飽和の、単環もしくは縮合環
の複素環基である。この複素環基の例としては、ピロリ
ジノ、ピペリジノ、モルホリノ、1−ピペラジニル、1
−インドリニル、1,2,3,4−テトラヒドロキノリ
ン−1−イル、1−イミダゾリジニル、1−ピラゾリ
ル、1−ピロリニル、1−ピラゾリジニル、2,3−ジ
ヒドロ−1−インダゾリル、2−イソインドリニル、1
−インドリル、1−ピロリル、4−チアジン−S,S−
ジオキソ−4−イルまたはベンズオキサジン−4−イル
が挙げられる。
【0010】前記X1 及びX2 が置換基を有するアルキ
ル、同アリールもしくは同複素環基を表わすとき、及
び、X3 が>N−とともに形成する含窒素複素環基が置
換基を有するとき、それらの置換基の例として次のもの
が挙げられる。ハロゲン原子(例えばフッ素原子、クロ
ル原子)、アルコキシカルボニル基(炭素数2〜30、
好ましくは2〜20。例えばメトキシカルボニル、ドデ
シルオキシカルボニル、ヘキサデシルオキシカルボニ
ル)、アシルアミノ基(炭素数2〜30、好ましくは2
〜20。例えばアセトアミド、テトラデカンアミド、2
−(2,4−ジ−t−アミルフェノキシ)ブタンアミ
ド、ベンズアミド)、スルホンアミド基(炭素数1〜3
0、好ましくは1〜20。例えばメタンスルホンアミ
ド、ドデカンスルホンアミド、ヘキサデシルスルホンア
ミド、ベンゼンスルホンアミド)、カルバモイル基(炭
素数1〜30、好ましくは1〜20。例えばN−ブチル
カルバモイル、N,N−ジエチルカルバモイル)、N−
スルホニルカルバモイル基(炭素数1〜30、好ましく
は1〜20。例えばN−メシルカルバモイル、N−ドデ
シルスルホニルカルバモイル)、スルファモイル基(炭
素数1〜30、好ましくは1〜20。例えばN−ブチル
スルファモイル、N−ドデシルスルファモイル、N−ヘ
キサデシルスルファモイル、N−3−(2,4−ジ−t
−アミルフェノキシ)ブチルスルファモイル、N,N−
ジエチルスルファモイル)、アルコキシ基(炭素数1〜
30、好ましくは1〜20。例えばメトキシ、ヘキサデ
シルオキシ、イソプロポキシ)、アリールオキシ基(炭
素数6〜20、好ましくは6〜10。例えばフェノキ
シ、4−メトキシフェノキシ、3−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシフェノキシ、ナフトキシ)、アリールオキシカ
ルボニル基(炭素数7〜21、好ましくは7〜11。例
えばフェノキシカルボニル)、N−アシルスルファモイ
ル基(炭素数2〜30、好ましくは2〜20。例えばN
−プロパノイルスルファモイル、N−テトラデカノイル
スルファモイル)、スルホニル基(炭素数1〜30、好
ましくは1〜20。例えばメタンスルホニル、オクタン
スルホニル、4−ヒドロキシフェニルスルホニル、ドデ
カンスルホニル)、アルコキシカルボニルアミノ基(炭
素数1〜30、好ましくは1〜20。例えばエトキシカ
ルボニルアミノ)、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル
基、ヒドロキシル基、スルホ基、アルキルチオ基(炭素
数1〜30、好ましくは1〜20。例えばメチルチオ、
ドデシルチオ、ドデシルカルバモイルメチルチオ)、ウ
レエド基(炭素数1〜30、好ましくは1〜20。例え
ばN−フェニルウレイド、N−ヘキサデシルウレイ
ド)、アリール基(炭素数6〜20、好ましくは6〜1
0。例えばフェニル、ナフチル、4−メトキシフェニ
ル)、複素環基(炭素数1〜20、好ましくは1〜1
0。ヘテロ原子として例えばチッ素原子、酸素原子又は
硫黄原子を少なくとも一個以上含み3〜12員環、好ま
しくは5もしくは6員環の、単環もしくは縮合環。例え
ば2−ピリジル、3−ピラゾリル、1−ピロリル、2,
4−ジオキソ−1,3−イミダゾリジン−1−イル、2
−ベンズオキサゾリル、モルホリノ、インドリル)、ア
ルキル基(炭素数1〜30、好ましくは1〜20の、直
鎖、分岐、環状、飽和、不飽和。例えばメチル、エチ
ル、イソプロピル、シクロプロピル、t−ペンチル、t
−オクチル、シクロペンチル、t−ブチル、s−ブチ
ル、ドデシル、2−ヘキシルデシル)、アシル基(炭素
数1〜30、好ましくは2〜20。例えばアセチル、ベ
ンゾイル)、アシルオキシ基(炭素数2〜30、好まし
くは2〜20。例えばプロパノイルオキシ、テトラデカ
ノイルオキシ)、アリールチオ基(炭素数6〜20、好
ましくは6〜10。例えばフェニルチオ、ナフチルチ
オ)、スルファモイルアミノ基(炭素数0〜30、好ま
しくは0〜20。例えばN−ブチルスルファモイルアミ
ノ、N−ドデシルスルファモイルアミノ、N−フェニル
スルファモイルアミノ)またはN−スルフォニルスルフ
ァモイル基(炭素数1〜30、好ましくは1〜20。例
えばN−メシルスルファモイル、N−エタンスルファモ
イル、N−ドデカンスルホニルスルファモイル、N−ヘ
キサデカンスルホニルスルファモイル)が挙げられる。
上記の置換基はさらに置換基を有してもよい。その置換
基の例としてはここで挙げた置換基が挙げられる。
【0011】上記の中で好ましい置換基としてはアルコ
キシ基、ハロゲン原子、アルコキシカルボニル基、アシ
ルオキシ基、アシルアミノ基、スルホニル基、カルバモ
イル基、スルファモイル基、スルホンアミド基、ニトロ
基、アルキル基またはアリール基が挙げられる。
【0012】一般式(I)及び(II)においてYがアリ
ール基を表わすとき、炭素数6〜20、好ましくは6〜
10の置換または無置換のアリール基である。例えばフ
ェニル基及びナフチル基がその代表的な例である。一般
式(I)及び(II)においてYが複素環基を表わすと
き、X1 またはX2が複素環基を表わすとき説明したの
と同じ意味である。
【0013】上記Yが置換アリール基または置換複素環
基を表わすとき置換基の例としては、例えば、前記X1
が置換基を有するときの例として列挙した置換基が挙げ
られる。Yが有する置換基として好ましい例としては、
その置換後の一個がハロゲン原子、アルコキシカルボニ
ル基、スルファモイル基、カルバモイル基、スルホニル
基、N−スルホニルスルファモイル基、N−アシルスル
ファモイル基、アルコキシ基、アシルアミノ基、N−ス
ルホニルカルバモイル基、スルホンアミド基またはアル
キル基であるときである。
【0014】一般式(I)及び(II)においてZで示さ
れる基としては、従来知られているカップリング離脱基
のいずれであってもよい。好ましいZとしては、窒素原
子でカップリング位と結合する含窒素複素環基、アリー
ルオキシ基、アリールチオ基、複素環オキシ基、複素環
チオ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アル
キルチオ基またはハロゲン原子が挙げられる。これらの
離脱基は、非写真性有用基または写真性有用性もしくは
その前駆体(例えば現像抑制剤、現像促進剤、脱銀促進
剤、カブラセ剤、色素、硬膜剤、カプラー、現像主薬酸
化体スカベンジャー、蛍光色素、現像主薬または電子移
動剤)のいずれであってもよい。
【0015】Zが写真性有用基であるとき、従来知られ
ているものが有用である。例えば米国特許第4,24
8,962号、同4,409,323号、同4,43
8,193号、同4,421,845号、同4,61
8,571号、同4,652,516号、同4,86
1,701号、同4,782,012号、同4,85
7,440号、同4,847,185号、同4,47
7,563号、同4,438,193号、同4,62
8,024号、同4,618,571号、同4,74
1,994号、ヨーロッパ公開特許第193389A
号、同348139A号または同272573A号に記
載の写真性有用基もしくはそれを放出するための離脱基
(例えばタイミング基)が用いられる。
【0016】Zがカップリング位と窒素原子で結合する
含窒素複素環基を表わすとき、好ましくは、炭素数1〜
15、好ましくは1〜10の、5もしくは6員環の、置
換もしくは無置換の、飽和もしくは不飽和の、単環もし
くは縮合環の複素環基である。ヘテロ原子としては窒素
原子以外に、酸素原子または硫黄原子を含んでもよい。
複素環基の好ましい具体例としては、1−ピラゾリル、
1−イミダゾリル、ピロリノ、1,2,4−トリアゾー
ル−2−イル、1,2,3−トリアゾール−3−イル、
ベンゾトリアゾリル、ベンズイミダゾリル、イミダゾリ
ジン−2,4−ジオン−3−イル、オキサゾリジン−
2,4−ジオン−3−イル、1,2,4−トリアゾリジ
ン−3,5−ジオン−4−イル、2−イミダソリノン−
1−イル、3,5−ジオキソモルホリノまたは1−イン
ダゾリルが挙げられる。これらの複素環基が置換基を有
するとき、その置換基としては、前記X1 基で示される
基が有してもよい置換基として列挙した置換基がその例
として挙げられる。好ましい置換基としては置換基の一
個がアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、アルコ
キシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アル
キルチオ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、アリ
ール基、ニトロ基、カルバモイル基、またはスルホニル
基であるときである。
【0017】Zが芳香族オキシ基を表わすとき、好まし
くは炭素数6〜10の置換または無置換の芳香族オキシ
基である。特に好ましくは置換または無置換のフェノキ
シ基である。置換基を有するとき、置換基の例として
は、前記X1 で示される基が有してもよい置換基として
列挙した置換基がその例として挙げられる。その中で好
ましい置換基としては少なくとも一個の置換基が電子吸
引性置換基である場合であり、その例としてはスルホニ
ル基、アルコキシカルボニル基、スルファモイル基、ハ
ロゲン原子、カルボキシル基、カルバモイル基、ニトロ
基、シアノ基またはアシル基が挙げられる。
【0018】Zが芳香族チオ基を表わすとき、好ましく
はは炭素数6〜10の置換または無置換の芳香族チオ基
である。特に好ましくは置換または無置換のフェニルチ
オ基である。置換基を有するとき、置換基の例として
は、前記X1 で示される基が有してもよい置換基として
列挙した置換基がその例として挙げられる。その中で好
ましい置換基としては少なくとも一個の置換基が、アル
キル基、アルコキシ基、スルホニル、アルコキシカルボ
ニル基、スルファモイル基、ハロゲン原子、カルバモイ
ル基、またはニトロ基である。
【0019】Zが複素環オキシ基を表わすとき、複素環
基の部分は炭素数1〜20、好ましくは1〜10の、ヘ
テロ原子として例えばチッ素原子、酸素原子または硫黄
原子を少なくとも一個以上含み3〜12員環、好ましく
は5もしくは6員環の、置換もしくは無置換の、飽和も
しくは不飽和の、単環もしくは縮合環の複素環基であ
る。複素環オキシ基の例としては、ピリジルオキシ基、
ピラゾリルオキシ基、またはフリルオキシ基が挙げられ
る。置換基を有するとき、置換基の例としては、前記X
1 で示される基が有してもよい置換基として列挙した置
換基がその例として挙げられる。その中で好ましい置換
基としては、置換基の一個がアルキル基、アリール基、
カルボキシル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、アルコ
キシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アル
キルチオ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、ニト
ロ基、カルバモイル基、またはスルホニル基であるとき
である。
【0020】Zが複素環チオ基を表わすとき、複素環基
の部分は炭素数1〜20、好ましくは1〜10の、ヘテ
ロ原子として例えばチッ素原子、酸素原子または硫黄原
子を少なくとも一個以上含み3〜12員環、好ましくは
5もしくは6員環の、置換もしくは無置換の、飽和もし
くは不飽和の、単環もしくは縮合環の複素環基である。
複素環チオ基の例としては、テトラゾリルチオ基、1,
3,4−チアジアゾリルチオ基、1,3,4−オキサジ
アゾリルチオ基、1,3,4−トリアゾリルチオ基、ベ
ンゾイミダゾリルチオ基、ベンゾチアゾリルチオ基、ま
たは2−ピリジルチオ基が挙げられる。置換基を有する
とき、置換基の例としては、前記X1 で示される基が有
してもよい置換基として列挙した置換基がその例として
挙げられる。その中で好ましい置換基としては、置換基
の少なくとも一個がアルキル基、アリール基、カルボキ
シル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、アルコキシカル
ボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルチオ
基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、ニトロ基、カ
ルバモイル基、ヘテロ環基またはスルホニル基であると
きである。
【0021】Zがアシルオキシ基を表わすとき、好まし
くは炭素数6〜10の、単環もしくは縮合環の、置換も
しくは無置換の芳香族アシルオキシ基、または炭素数2
〜30好ましくは2〜20の置換もしくは無置換の脂肪
族アシルオキシ基である。これらは置換基を有すると
き、置換基の例としては、前記X1 で示される基が有し
てもよい置換基として列挙した置換基がその例として挙
げられる。
【0022】Zがカルバモイルオキシ基を表わすとき、
炭素数1〜30、好ましくは1〜20の、脂肪族、芳香
族、複素環、置換もしくは無置換のカルバモイルオキシ
基である。例えばN,N−ジエチルカルバモイルオキ
シ、N−フェニルカルバモイルオキシ、1−イミダゾリ
ルカルボニルオキシまたは1−ピロロカルボニルオキシ
が挙げられる。これらが置換基を有するとき、置換基の
例としては、前記X1 で示される基が有してもよい置換
基として列挙した置換基がその例として挙げられる。
【0023】Zがアルキルチオ基を表わすとき、炭素数
1〜30、好ましくは1〜20の、直鎖、分岐、環状、
飽和、不飽和、置換もしくは無置換の、アルキルチオ基
である。置換基を有するとき、置換基の例としては、前
記X1 で示される基が有してもよい置換基として列挙し
た置換基がその例として挙げられる。
【0024】つぎに一般式(I)及び(II)で表わされ
るカプラーの特に好ましい範囲について以下に述べる。
一般式(I)においてX1 で示される基は、好ましくは
アルキル基である。特に好ましくは炭素数1〜10のア
ルキル基である。一般式(I)及び(II)においてYで
示される基は、好ましくは芳香族基である。特に好まし
くはオルト位に置換基を少なくとも一個有するフェニル
基である。置換基の説明は前記Yが芳香族基である時有
してもよい置換基として説明したものが挙げられる。好
ましい置換基の説明も同じである。一般式(I)及び
(II)においてZで示される基は、好ましくは5〜6員
の、窒素原子でカップリング位と結合する含窒素複素環
基、芳香族オキシ基、5〜6員の複素環オキシ基、また
は5〜6員の複素環チオ基が挙げられる。
【0025】一般式(I)及び(II)において好ましい
カプラーは下記一般式(III )、(IV)または(V)で
示される。一般式(III)
【化6】 一般式(IV)
【化7】 一般式(V)
【化8】
【0026】式中Zは一般式(I)において説明したの
と同じ意味を表わし、X4 はアルキル基を表わし、X5
はアルキル基もしくは芳香族基を表わし、Arはオルト
基に少なくとも一個の置換基を有するフェニル基を表わ
し、X6 は−C(R12 )−N<とともに含窒素環基
(単環または縮合環)を形成する有機残基を表わし、X
7 は−C(R3 )=C(R4 )−N<とともに含窒素複
素環基(単環または縮合環)を形成する有機残基を表わ
し、R1 、R2 、R3 及びR4 は水素原子または置換基
を表わす。
【0027】一般式(III) 〜(V)においてX4 〜X
7 、Ar及びZで示される基の詳しい説明及び好ましい
範囲については、一般式(I)及び一般式(II)で述べ
た説明のなかで、該当する範囲において説明したのと同
じ意味である。R1 〜R4 が置換基を表わすとき、前記
1 が有してもよい置換基として列挙したものがその例
として挙げられる。上記の一般式の中で特に好ましいカ
プラーは一般式(IV)または(V)で表わされるカプラ
ーである。
【0028】一般式(I)〜(V)で示されるカプラー
は、X1 〜X7 、Y、Ar、R1 〜R4 及びZで示され
る基において2価またはそれ以上の基を介して互いに結
合する2量体またはそれ以上の多量体(例えばテロマー
またはポリマー)を形成してもよい。この場合、前記の
各置換基において示した炭素原子数範囲の規定外となっ
てもよい。
【0029】一般式(I)〜(V)で示されるカプラー
は、耐拡散型カプラーであるときが好ましい例である。
耐拡散型とは、分子が添加された層に不動化するため
に、十分に分子量を大きくする基を分子量中に有するカ
プラーのことである。通常、総炭素数8〜30、好まし
くは10〜20のアルキル基または総炭素数4〜20の
置換基を有するアリール基が用いられる。これらの耐拡
散基は分子中のいずれに置換されていてもよく、また複
数個有していてもよい。
【0030】以下に一般式(I)〜(V)で示されるイ
エローカプラーの具体例を示すが、本発明はこれらに限
定されるものではない。
【0031】
【化9】
【0032】
【化10】
【0033】
【化11】
【0034】
【化12】
【0035】
【化13】
【0036】
【化14】
【0037】
【化15】
【0038】
【化16】
【0039】
【化17】
【0040】
【化18】
【0041】
【化19】
【0042】
【化20】
【0043】
【化21】
【0044】
【化22】
【0045】
【化23】
【0046】本発明のイエローカプラーは、感光材料中
の感光性ハロゲン化銀乳剤層もしくはその隣接層に添加
することが好ましく、感光性ハロゲン化銀乳剤層に添加
することが特に好ましい。その感材中への総添加量は、
離脱基Zに写真性有用基成分が含まれる場合には、0.
0001〜0.80g/m2 であり、好ましくは0.0
005〜0.50g/m2 、より好ましくは0.02〜
0.30g/m2 である。また離脱基Zに写真性有用基
成分が含まれない場合には、その添加量は、0.001
〜1.20g/m2 であり、好ましくは0.01〜1.
00g/m2 、より好ましくは0.10〜0.80g/
2 である。
【0047】本発明のイエローカプラーは後述のように
通常のカプラーと同様にして添加することができる。 合成例(1) 例示カプラー(1)の合成 下記合成ルートにより合成した。
【0048】
【化24】
【0049】段階 N,N−ジメチルホルムアミド1
00ml及びアセトニトリル100mlの混合溶媒に
(a)の3.5g、2の13gを溶解した。この溶液
に、室温にてN,N'-ジシクロヘキシルカルボジイミド
6gを溶解したアセトニトリル溶液40mlを滴下し
た。2時間反応後、析出したN,N'-ジシクロヘキシル
尿素を濾別した。濾液を水500mlに注加し、酢酸エ
チル500mlで抽出した。分液ロートに移し水で洗浄
した後油層を分離した。溶媒を減圧で留去し残渣にヘキ
サンを加え結晶化させた。16.1gの(c)を得た。
【0050】段階 (c)の16gをジクロロメタン
150mlに混合した。臭素4.8gを含むジクロロメ
タン10mlの溶液を氷冷下(5℃〜10℃)滴下し
た。10分間反応させた後分液ロートに移し水洗浄し
た。油層((d)を含む)をとりこの溶液を次工程で用
いた。
【0051】段階 (c)の8.2g及びトリエチル
アミン8.8mlをN,N−ジメチルホルムアミド16
0mlに加えた。この溶液に前記で得た4のジクロロメ
タン溶液を室温にて滴下した。1時間反応後酢酸エチル
500mlを加え分液ロートに移し水洗浄した。希塩酸
で中和後再び水洗浄した。油層を分離し溶液を減圧で留
去した。残渣をカラムクロマトグラフィーにより分離・
精製した。充てん剤としてシリカゲル、溶離液として酢
酸エチル/ヘキサン(1/1)を用いた。目的とする化
合物を含むフラクションを集め溶媒を減圧で留去するこ
とによりワックス状の例示カプラー(1)の16.3g
を得た。
【0052】合成例(2) 例示カプラー(2)の合成 合成例(1)と同様にして合成した。ただし前記(b)
の代りに(f)、(e)の代りに(g)を各々等モル量
置き換えて、他は同様に行い、目的とする例示カプラー
(2)のワックス状の15.4gを得た。
【0053】
【化25】
【0054】
【化26】
【0055】合成例(3)例示カプラー(6)の合成 下記スキームで示される反応により合成した。
【化27】
【0056】N,N−ジメチルホルムアミド50mlに
化合物(i)の4.42g及びトリエチルアミン1.8
7gを加えて10分間攪拌した。この溶液に室温で、塩
化メチレン20mlに化合物(h)の6.23gを溶解
させた溶液を15分間かけて滴下した。1時間室温で反
応させた後、反応溶液を水上にあけ酢酸エチルで抽出し
た。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥し、乾燥剤を濾
去、溶媒を減圧留去した。シリカゲルカラムクロマトグ
ラフィーによって精製し、目的の例示カプラー(6)
4.7gを白色粉末として得た。
【0057】次に本発明に用いる平板状ハロゲン化銀乳
剤について詳しく説明する。本発明に使用する平板状ハ
ロゲン化銀乳剤において、平均アスペクト比とはハロゲ
ン化銀粒子における厚みに対する直径の比の平均値を意
味する。すなわち、個々のハロゲン化銀粒子の直径の厚
みで除した値の平均値である。ここで直径とは、ハロゲ
ン化銀乳剤を顕微鏡又は電子顕微鏡で観察したとき、粒
子の投影面積と等しい面積を有する円の直径を差すもの
とする。従って、平均アスペクト比が2以上であると
は、この円の直径が粒子の厚みに対して2倍以上である
ことを意味する。
【0058】本発明のハロゲン化銀乳剤に用いられる平
板状ハロゲン化銀粒子において、粒子径は粒子厚さの2
倍以上であるが、好ましくは3〜20倍、より好ましく
は4〜15倍、特に好ましくは5〜10倍である。ま
た、全ハロゲン化銀粒子の投影面積における平板状ハロ
ゲン化銀粒子の占める割合は50%以上であるが、好ま
しくは70%以上、特に好ましくは85%以上である。
【0059】このような乳剤を用いることにより優れた
鮮鋭度のハロゲン化銀写真感光材料を得ることができ
る。鮮鋭度が優れているのはこのような乳剤を用いた乳
剤層による光散乱が従来の乳剤層と比較して極めて小さ
いことによる。このことは、当業者が日常使用しうる実
験方法により容易に確認することができる。平板状ハロ
ゲン化銀乳剤を用いた乳剤層の光散乱が小さい理由は明
らかではないが、平板状ハロゲン化銀乳剤の主要面が支
持体面と平行に配向するためではないかと考えられる。
【0060】また、平板状ハロゲン化銀粒子の径として
は、0.02〜20μm、好ましくは0.3〜10.0
μmであり、特に好ましくは0.4〜5.0μmであ
る。粒子の厚みとしては、好ましくは0.5μm以下で
ある。ここで平板状ハロゲン化銀粒子径とは、粒子の投
影面積に等しい面積の円の直径をいう。また、粒子の厚
みとは、平板状ハロゲン化銀粒子を構成する二つの平行
な面の間の距離で表わされる。
【0061】本発明において、より好ましい平板状ハロ
ゲン化銀粒子は、粒子直径が0.3μm以上10.0μ
m以下で、粒子厚さが0.3μm以下であり、且つ平均
(直径/厚さ)が5以上10以下である。これ以上にな
ると感光材料を折り曲げたり、固く巻き込んだり、ある
いは鋭利な物に触れた時に写真性能に異常が出ることが
あり好ましくない。さらに好ましくは粒子直径が0.4
μm以上5.0μm以下で、平均(直径/厚さ)が5以
上の粒子が全ハロゲン化銀粒子の全投影面積の85%以
上を占めるハロゲン化銀乳剤の場合である。
【0062】本発明で使用する平板状ハロゲン化銀粒子
は、塩化銀、臭化銀、塩臭化銀、沃臭化銀、塩沃臭化銀
のいずれでもよいが、臭化銀、沃化銀15モル%以下の
沃臭化銀、又は塩化銀50モル%以下で沃化銀2モル%
以下の塩沃臭化銀及び塩臭化銀がより好ましく、混合ハ
ロゲン化銀における組成分布は均一でも局在化していて
もよい。
【0063】本発明で使用する平板状のハロゲン化銀乳
剤は、Cugnac, Chateau の報告や、Duffin著"Photograp
hic Emulsion Chemistry" (Focal Press刊、New York 1
966年)66頁〜72頁、及び A.P.H.Trivelli, W. F.
Smith編 "Phot. Journal"80(1940 年)285頁に記
載されているが、特開昭58−113927号、同58
−113928号、同58−127921号に記載され
た方法等を参照すれば容易に調製することができる。
【0064】例えばpBrが1.3以下の比較的高pA
g値の雰囲気中で平板状粒子が重量で40%以上存在す
る種晶を形成し、同程度のpBrに保ちつつ銀及びハロ
ゲン溶液を同時に添加しつつ種晶を成長させることによ
り得られる。この粒子成長過程において、新たな結晶核
が発生しないように銀及びハロゲン溶液を添加すること
が望ましい。平板状ハロゲン化銀粒子の大きさは、温度
調節、溶剤の種類や質の選択、粒子成長時に用いる銀
塩、及びハロゲン化物の添加速度等のコントロールする
ことにより調整することができる。
【0065】本発明の平板状ハロゲン化銀粒子の製造時
に、必要に応じてハロゲン化銀溶剤を用いることによ
り、粒子サイズ、粒子の形状(直径/厚み比等)、粒子
サイズの分布、粒子の成長速度をコントロールすること
ができる。溶剤の使用量は、反応溶液の10-3〜1.0
重量%の範囲が好ましく、特に10-2〜10-1重量%の
範囲が好ましい。本発明においては、溶剤の使用量の増
加と共に粒子サイズ分布を単分散化し、成長速度を進め
ることができる一方、溶剤の使用量と共に粒子の厚みが
増加する傾向もある。
【0066】本発明においては、ハロゲン化銀溶剤とし
て公知のものを使用することができる。しばしば用いら
れるハロゲン化銀溶剤としては、アンモニア、チオエー
テル、チオ尿素類、チオシアネート塩、チアゾリンチオ
ン類などを挙げることができる。チオエーテルに関して
は、米国特許第3,271,157号、同第3,57
4,628号、同第3,790,387号等を参考にす
ることができる。また、チオ尿素類に関しては特開昭5
3−82408号、同55−77737号、チオシアネ
ート塩に関しては米国特許第2,222,264号、同
第2,448,534号、同第3,320,069号、
チアゾリンチオン類に関しては、特開昭53−1443
19号をそれぞれ参考にすることができる。
【0067】ハロゲン化銀粒子の形成又は物理熟成の過
程においては、カドミウム塩、亜鉛塩、タリウム塩、イ
リジウム塩又はその錯塩、ロジウム塩又はその錯塩、鉄
塩又は鉄錯塩等を共存させてもよい。
【0068】本発明で使用する平板状ハロゲン化銀粒子
の製造時には、粒子成長を速めるために添加する銀塩溶
液(例えばAgNO3 水溶液)とハロゲン化物溶液(例
えばKBr水溶液)の添加速度、添加量、添加濃度を上
昇させる方法が好ましく用いられる。これらの方法に関
しては、例えば米国特許第1,335,925号、同
3,650,757号、同第3,672,900号、同
第4,242,445号、特開昭55−142329
号、同55−158124号等の記載を参考にすること
ができる。
【0069】本発明の平板状ハロゲン化銀粒子は、必要
により化学増感することができる。化学増感のためには
例えば、H. Frieser編 "Die Grundlagen der Photograp
hischen Prozesse mit Silberhalogeniden"(Akademisch
e Verlagsgesellschaft. 1968 年)675頁〜735頁
に記載の方法を用いることができる。
【0070】すなわち、活性ゼラチンや銀と反応し得る
硫黄を含む化合物(例えばチオ硫酸塩、チオ尿素類、メ
ルカプト化合物類、ローダニン類)を用いる硫黄増感
法;還元性物質(例えば第一錫塩、アミン類、ヒドラジ
ン誘導体、ホルムアミジンスルフィン酸、シラン化合
物)を用いる還元増感法、;貴金属化合物(例えば、金
錯塩の他、Pt、Ir、Pd等の周期律表第VIII族の金
属の錯塩)を用いる貴金属増感法などを単独又は組み合
わせて用いることができる。
【0071】これらの具体例は硫黄増感法については米
国特許第1,574,944号、同第2,278,94
7号、同第2,410,689号、同第2,728,6
68号、同第3,656,955号等、還元増感法につ
いては、米国特許第2,419,974号、同第2,9
83,609号、同第4,054,458号等、貴金属
増感法については米国特許第2,399,083号、同
第2,448,060号、英国特許第618,061号
等の各明細書に記載されている。特に省銀の観点から、
本発明の平板状ハロゲン化銀粒子は金増感又は硫黄増
感、或はこれらの併用が好ましい。
【0072】本発明の平板状ハロゲン化銀粒子は、必要
に応じてメチン色素類その他によって分光増感すること
ができる。また、前述した鮮鋭度の向上の他に分光速度
が高いことも本発明の平板状ハロゲン化銀粒子の特長で
ある。用いられる色素には、シアニン色素、メロシアニ
ン色素、複合シアニン色素、複合メロシアニン色素、ホ
ロポーラーシアニン色素、ヘミシアニン色素、スチリル
色素及びヘミオキソノール色素が包含される。特に有用
な色素は、シアニン色素、メロシアニン色素、及び複合
メロシアニン色素に属する色素である。
【0073】有用な増感色素としては例えば、ドイツ特
許第929,080号、米国特許第2,493,748
号、同第2,503,776号、同第2,519,00
1号、同第2,912,329号、同第3,656,9
59号、同第3,672,897号、同第4,025,
349号、英国特許第1,242,588号、特公昭4
4−14030号に記載されたものを挙げることができ
る。
【0074】これらの増感色素は単独に用いてもよい
が、それらの組合せを用いてもよく、増感色素の組合せ
は特に、強色増感の目的でしばしば用いられる。その代
表例は米国特許第2,688,545号、同第2,97
7,229号、同第3,397,060号、同第3,5
22,052号、同第3,527,641号、同第3,
617,293号、同第3,628,964号、同第
3,666,480号、同第3,672,898号、同
第3,679,428号、同第3,814,609号、
同第4,026,707号、英国特許第1,344,2
81号、特公昭43−4936号、同53−12375
号、特開昭52−109925号、同52−11061
8号に記載されている。
【0075】本発明で使用する写真乳剤には、感光材料
の製造工程、保存中あるいは写真処理中のカブリを防止
し、あるいは写真性能を安定化させる目的で、種々の化
合物を含有させることができる。すなわちアゾール類、
例えばベンゾチアゾリウム塩、ニトロイミダゾイール
類、トリアゾール類、ベンゾトリアゾール類、ベンズイ
ミダゾール類(特に、ニトロ−又はハロゲン置換体);
ヘテロ環メルカプト化合物、例えば、メルカプトチアゾ
ール類、メルカプトベンゾチアゾール類、メルカプトベ
ンズイミダゾール類、メルカプトチアジアゾール類、メ
ルカプトテトラゾール類(特に1−フェニル−5−メル
カプトテトラゾール)、メルカプトピリミジン類;カル
ボキシル基やスルホン基等の水溶性基を有する上記のヘ
テロ環メルカプト化合物類;例えばオキサドリンチオン
のようなチオケト化合物;アザインデン類、例えばトリ
アザインデン類、テトラアザインデン類(特に4−ヒド
ロキシ置換(1,3,3a,7)テトラアザインデン
類);ベンゼンチオスルホン酸類;ベンゼンスルフィン
酸;等のようなカブリ防止剤または安定剤として知られ
た、多くの化合物を加えることができる。これらのさら
に詳しい具体例及びその使用方法については、例えば米
国特許第3,954,474号、同第3,982,94
7号、同第4,021,248号の各明細書、又は特公
昭52−28660号公報の記載を参考にすることがで
きる。
【0076】本発明の前記乳剤は単分散乳剤であること
が好ましい。本発明に関わる単分散乳剤とは、ハロゲン
化銀粒子の粒径に関する変動係数が0.25以下の粒径
分布を有する乳剤である。ここで変動係数とは粒径に関
する標準偏差を平均粒径で除した値である。すなわち、
個々の乳剤粒子の粒径がriであり、その数がniであ
るとき、平均粒径は
【0077】
【数1】 で定義され、その標準偏差は
【0078】
【数2】 と定義される。
【0079】本発明でいう個々の粒子径とはハロゲン化
銀乳剤をティ・エイチ・ジェームス(T. H. James) ら著
「ザ・セオリー・オブ・ザ・フォトグラフィック・プロ
セス」(The Theory of the Photographic Process)第3
版36〜43頁、マクミラン社発行(1966年)に記
載されているような当業界でよく知られた方法(通常は
電子顕微鏡撮影)で微小撮影した場合に投影された面積
に相当した投影面積相当直径である。ここでハロゲン化
銀粒子の投影相当直径とは上述の著書に示されているよ
うにハロゲン化銀粒子の投影面積と等しい円の直径で定
義される。従ってハロゲン化銀粒子の形状が球状以外
(たとえば立方体、八面体、十四面体、平板状、ジャガ
イモ状など)の場合も上述のように平均粒径rおよびそ
の偏差Sを求めることが可能である。
【0080】ハロゲン化銀粒子の粒径にかかわる変動係
数は0.25以下であるが、好ましくは0.20以下、
より好ましくは0.15以下である。
【0081】本発明の平板状ハロゲン化銀乳剤は、特開
昭63−151618号等に記載されている単分散六角
平板状ハロゲン化銀乳剤であることが特に好ましい。こ
こで六角平板状ハロゲン化銀粒子とは、その{1,1,
1}面の形状が六角形であり、隣辺比率が、2以下であ
ることを特徴としている。ここで隣辺比率とは、六角形
を形成する最小の長さを有する辺の長さに対する最大の
長さを有する辺の長さの比である。本発明の六角平板状
ハロゲン化銀粒子は、隣辺比率が2以下であれば、その
角が幾分丸味みをおびていてもよい。角が丸みをおびて
いる場合の辺の長さは、その辺の直線部分を延長し、隣
接する辺の直線部分を延長した線との交点の間の距離で
表わされる。本発明の六角平板状粒子の六角形を形成す
る各辺は、その1/2以上が実質的に直線からなること
が好ましく、特に4/5以上が実質的に直線からなるこ
とが好ましい。本発明において、隣辺比率は1〜1.5
であることが好ましい。
【0082】本発明の六角平板状ハロゲン化銀乳剤は、
分散媒とハロゲン化銀粒子とからなり該ハロゲン化銀粒
子の全投影面積の50%以上、好ましくは70%以上よ
り好ましくは、90%以上が上記六角平板状ハロゲン化
銀粒子によって占められている。
【0083】本発明において、六角平板状ハロゲン化銀
粒子のハロゲン組成としては臭化銀、沃臭化銀、塩臭化
銀、塩沃臭化銀のいずれであってもよいが臭化銀及び沃
臭化銀が好ましい。沃臭化銀の場合沃化銀含量は0〜3
0モル%であり、好ましくは、2〜15%、より好まし
くは4〜12モル%である。沃化銀の粒子内分布は、粒
子全体に均一であってもよいし、粒子内部と表面層とで
沃化銀含量が異なってもよいし、また、粒子内部に異な
った沃化銀含量の層がいくつもあるいわゆる多重構造で
あってもよいが、粒子内部よりも粒子表面の方が沃化銀
含量が少ない、いわゆる内部ヨード型粒子が好ましい。
【0084】六角平板状ハロゲン化銀乳剤の製造法は、
米国特許第4,797,354号を参考にすることがで
きる。単分散六角平板状ハロゲン化銀乳剤の作り方とし
ては、製造工程を核形成、オストワルド熟成及び粒子成
長の過程に分ける。核形成時には、pBrを1.0〜
2.5に保ち、できるだけ平行な双晶面をもつ核(平板
粒子核)を多くつくるような過飽和条件(温度、ゼラチ
ン濃度、銀塩水溶液と、ハロゲン化アルカリ水溶液の添
加速度、pBr、ヨードイオン含量、攪拌回転数、p
H、ハロゲン化銀溶剤量、塩濃度など)で核形成を行
う。オストワルド熟成時には、核形成時に形成された平
板粒子核以外の粒子を消滅せしめ、平板粒子核のみを成
長させかつ単分散性の良い核にするために温度、pB
r、pH、ゼラチン濃度、ハロゲン化銀溶剤量などを調
節する。粒子成長時にはpBr及び添加する銀イオン量
とハロゲンイオン量を調節することによって所望のアス
ペクト比と粒子サイズをもつ六角平板状ハロゲン化銀粒
子を得ることができる。粒子成長時は、銀イオン及びハ
ロゲンイオンの添加速度を結晶臨界成長速度の30〜1
00%にすることが好ましい。
【0085】本発明の前記乳剤は、ハロゲン化銀粒子の
個数の50%が1粒子当たり10本以上の転位を含むこ
とが好ましい。平均粒子の転位は、たとえば J. F. Ham
ilton, Phot. Sci. Eng., 11, 57,(1967) や T. Shioza
wa, J. Soc. Phot. Sci Japan, 35, 213(1972)に記載
の、低温での透過型電子顕微鏡を用いた直接的な方法に
より観察することができる。すなわち、乳剤から、粒子
に転位が発生するほどの圧力をかけないよう注意して取
り出したハロゲン化銀粒子を、電子顕微鏡観察用のメッ
シュにのせ、電子線による損傷(プリントアウト等)を
防ぐように試料を冷却した状態で透過法により観察を行
う。このとき、粒子の厚みが厚いほど、電子線が透過し
にくくなるので、高圧型(0.25μmの厚さの粒子に
対し200KV)の電子顕微鏡を用いた方がより鮮明に
観察することができる。このような方法によって得られ
た粒子の写真から、主平面に対して垂直方向から見た場
合の各粒子についての転位の位置及び数を用いることが
できる。
【0086】本発明の平板粒子の転位の位置は、平板粒
子の長軸方向の中心から辺までの長さのx%の距離から
辺にかけて発生している。このxの値は、好ましくは1
0≦x<100であり、より好ましくは30≦x<98
であり、さらに好ましくは50≦x<95である。この
とき、この転位の開始する位置を結んで作られる形状
は、粒子形と相似に近いが、完全な相似形でなくゆがむ
ことがある。転移線の方向は、略中心から辺に向かう方
向であるが、しばしば蛇行している。本発明の平板粒子
の転位の数については、10本以上の転位を含む粒子が
50個数%以上存在することが好ましい。さらに好まし
くは、10本以上の転位を含む粒子が80個数%以上、
特に、20本以上の転位を含む粒子が80個数%以上存
在するものが好ましい。
【0087】さらに、本発明の平板状ハロゲン化銀粒子
で好ましく用いられるハロゲン化銀粒子の50個数%以
上が1粒子当たり10本以上の転位を含むハロゲン化銀
粒子においては、ハロゲン化銀粒子の個々の沃化銀含有
率の相対標準偏差が30%以下であることが特に好まし
く、さらに好ましくは20%以下が好ましい。個々の乳
剤粒子の沃化銀含有率は、例えばX線マイクロ・アナラ
イザーを用いて、一個一個の粒子の組成を分析すること
によって測定できる。ここで「個々の粒子の沃化銀含有
率の相対標準偏差」とは、例えばX線マイクロ・アナラ
イザーにより少なくとも100個の乳剤粒子の沃化銀含
有率を測定した際の沃化銀含有率の標準偏差を平均沃化
銀含有率で除した値に100を乗じて得られる値であ
る。個々の乳剤粒子の沃化銀含有率測定の具体的方法
は、例えば、欧州特許第147,868A号に記載され
ている。
【0088】個々の粒子の沃化銀含有率の相対標準偏差
が大きいと、個々の粒子の化学増感の適点が異なり、す
べての乳剤粒子の性能を引き出すことが不可能になり、
また転位の数の粒子間の相対標準偏差も大きくなる傾向
にある。個々の粒子の沃化銀含有率Yi(モル%)と各
粒子の球相当直径Xi(ミクロン)の間には、相関があ
る場合とない場合があるが、相関がないことが望まし
い。
【0089】平板粒子のハロゲン組成に関する構造につ
いては、X線回折、EPMA(XMAという名称もあ
る)法(電子線でハロゲン化銀粒子を走査して、ハロゲ
ン化銀組成を検出する方法)、ESCA(XPSという
名称もある)法(X線を照射し粒子表面から出てくる光
電子を分光する方法)などを組み合わせることにより確
認できる。本発明において粒子表面とは、表面より50
A程度の深さまでの領域をいう。このような領域のハロ
ゲン組成は、通常ESCA法により測定することができ
る。粒子内部とは、上記の表面領域以外の領域をいう。
【0090】前記の転位線を有する平板状粒子よりなる
乳剤は、特開昭63−220238号、特願平2−31
0862号に記載されている方法に基づいて調製するこ
とができる。また本発明のハロゲン化銀乳剤は、粒子サ
イズ分布が狭いことが好ましく、核形成−オストワルド
熟成及び粒子成長の段階を経て調製する特願昭63−1
51618号に記載されている方法を好ましく用いるこ
とができる。しかしながら、乳剤の個々の粒子の沃化銀
含有率は、特に緻密な制御をしないと不均一になりがち
であった。
【0091】乳剤の個々の粒子の沃化銀含有率を均一に
するために、まず、オストワルド熟成後の粒子のサイズ
と形状をできるだけ均一にすることが肝要である。さら
に成長段階において、硝酸銀水溶液とアルカリ・ハライ
ド水溶液を、pAgを6.0から10.0の範囲で一定
に保ちつつ、ダブル・ジェット法で添加し、特に均一な
被覆を行うためには、添加中の溶液の過飽和度は高い方
が好ましい。例えば米国特許第4,242,445号に
記載されているような方法で、結晶の成長速度が結晶臨
界成長速度の30〜100%になるような比較的高い過
飽和度で添加を行うことが望ましい。
【0092】本発明の平板粒子の転位は粒子の内部に特
定の高ヨード相を設けることによってコントロールする
ことができる。具体的には基板粒子を調製し、次に高ヨ
ード相を設け、その外側を高ヨード相よりヨード含有率
の低い相でカバーすることによって得られる。ここで、
個々の粒子の沃化銀含有率を均一にするために、上記高
ヨード相の形成条件を適切に選択することが重要であ
る。内部の高ヨード相とは、ヨードを含むハロゲン化銀
固溶体をいう。この場合のハロゲン化銀としては、沃化
銀、沃臭化銀、塩沃臭化銀が好ましいが、沃化銀または
沃化銀(ヨード含有率10〜40モル%)であることが
より好ましく、特に沃化銀であることが好ましい。
【0093】この内部高ヨード相は、基板の平板粒子の
平面に均一に沈着したものではなく、むしろ局在的に存
在させることが重要である。このような局在化は、平板
の主平面上、側面上、辺上、角上のいずれの場所で起っ
てもよい。さらに、内部高ヨード相を、そのような部位
に選択的にエピタキシャルに配位していても良い。この
ための方法として、沃化物塩を単独に添加する、いわゆ
るコンバージョン法や例えば特開昭59−133540
号、特開昭58−108526号、特開昭59−162
540号に記載されているようなエピタキシャル接合法
を用いることができる。その時に以下のような条件を選
択することが、個々の粒子の沃化銀含有率を均一にする
ために有効である。すなわち、沃化物塩添加時のpAg
は8.5〜10.5の範囲が好ましく、9.0〜10.
5の範囲が特に好ましい。温度は、50℃〜30℃の範
囲に保つことが好ましい。沃化物塩の添加は、十分に攪
拌された条件下で全銀量に対し1モル%以上の沃化物塩
を30秒から5分間にわたって添加することが好まし
い。
【0094】基板の平板粒子のヨード含有率は、高ヨー
ド相よりも低く、好ましくは0〜12モル%、さらに好
ましくは0〜10モル%である。高ヨード相をカバーす
る外側の相は、高ヨード相のヨード含有率よりも低く、
好ましくは0〜12モル%、さらに好ましくは0〜10
モル%であり、最も好ましくは0〜3モル%である。こ
の内部高ヨード相は、平均粒子の長軸方向に関して粒子
中心から粒子全体の銀量で5モル%〜80モル%の範囲
にある、粒子中心を中心とする環状領域内に存在するこ
とが好ましく、さらに好ましくは10モル%〜70モル
%、特に20モル%〜60モル%の範囲の環状領域内に
存在することが好ましい。ここで、粒子の長軸方向とは
平板粒子の直径方向をいい、短軸方向とは平板粒子の厚
さ方向をいう。
【0095】内部高ヨード相のヨード含有率は、粒子表
面に存在する沃化銀、沃臭化銀または塩沃臭化銀におけ
る平均ヨード含有率よりも高く、好ましくは5倍以上、
特に好ましくは20倍以上である。さらに内部高ヨード
相を形成するハロゲン化銀の量は、銀量にして粒子全体
の銀量50モル%以下であり、さらに好ましくは10モ
ル%以下であり、特に5モル%以下であることが好まし
い。
【0096】種々の化合物をハロゲン化銀沈殿生成過程
で存在せしめることによって、ハロゲン化銀粒子の性質
をコントロールできる。このような化合物は、反応器中
に最初に存在せしめても良い。また、常法に従って、1
もしくは2以上の塩を加えると共に添加することもでき
る。米国特許第2,448,060号、同2,628,
167号、同3,737,313号、同3,772,0
31号、並びにリサーチ・ディスクロージャー、134
巻、1975年6月、13452に記載されるように、
銅、イリジウム、鉛、ビスマス、カドミウム、亜鉛、
(例えば、硫黄、セレン及びテルルのカルコゲン化合
物)、金および第VII 属貴金属の化合物のような化合物
をハロゲン化銀沈殿生成過程で存在せしめることによっ
て、ハロゲン化銀の特性をコントロールできる。特公昭
58−1410号、モイザー(Moisar)ら著、ジャーナル
・オブ・フォトグラフィック・サイエンス、25巻、1
977、19−27頁に記載されるように、ハロゲン化
銀乳剤は沈殿生成過程において粒子の内部を還元増感す
ることができる。
【0097】本発明に用いられる平板粒子においては、
エピタキシャル接合によって組成の異なるハロゲン化銀
が接合されていてもよく、また、例えばロダン銀、酸化
鉛のハロゲン化銀以外の化合物と接合されていても良
い。これらの乳剤粒子は、例えば、米国特許第4,09
4,684号、同4,142,900号、同4,45
9,353号、英国特許第2,038,792号、米国
特許第4,349,622号、同4,395,478
号、同4,433,501号、同4,463,087
号、同3,656,962号、同3,852,067
号、特開昭59−162540号に開示されている。
【0098】本発明の平板状ハロゲン化銀乳剤は、通常
化学的に増感されている。化学増感は、上記ハロゲン化
銀乳剤形成後に行われるが、ハロゲン化銀乳剤形成後、
化学増感を行う間に、前記乳剤を水洗してもよい。化学
増感については、リサーチ・ディスクロージャーNo.1
7643(1978年12月:23頁)及び同No.18
716(1979年11月:648頁右欄)に記載され
ておりpAg5〜10、pH5〜8及び温度30〜80
℃において硫黄、セレン、テルル、金、白金、パラジウ
ム、イリジウムまたはこれら増感剤の複数の組み合わせ
を用いて行うことができる。
【0099】また、本発明の平板状ハロゲン化銀乳剤
は、分光増感色素の存在下で化学増感されることが好ま
しい。分光増感色素の存在下で化学増感する方法は、例
えば米国特許第4,425,426号、同4,442,
201号、特開昭59−9658号、同61−1031
49号、同61−133941号などに記載されてい
る。用いられる分光増感色素としては通常ハロゲン化銀
写真感光材料に用いられる分光増感色素であればいかな
るものでもよく、その分光増感色素は、リサーチ・ディ
スクロージャーNo.17643の23〜24頁及び同N
o.18716の648頁右欄〜649頁右欄に記載され
ている。分光増感色素は一種類でも数種類混ぜて使用し
てもよい。
【0100】分光増感色素を添加する時期は、化学増感
の開始前(粒子形成時、粒子形成終了時、水洗後)、化
学増感の途中及び化学増感終了時のいずれの時期でもよ
いが粒子形成終了後化学増感の開始前又は化学増感の終
了時が好ましい。添加される分光増感色素の量は、任意
であるが飽和吸着量の30〜100%が好ましく、より
好ましくは、50〜90%である。
【0101】本発明の平板状ハロゲン化銀乳剤は、通常
分光増感されている。用いられる分光増感色素としては
上記と同様上記の2つのリサーチ・ディスクロージャー
に記載されている。上述のように化学増感時に分光増感
色素を存在させた乳剤は、分光増感するために、同種又
は別種の色素をさらに追加で添加してもよいし、しなく
てもよい。
【0102】本発明の乳剤は感光性乳剤層に単独で用い
てもよいし、平均粒子サイズの異なる2種以上の乳剤を
併用するようにしてもよい。2種以上の乳剤を用いる場
合、異なる層に用いてもよいが、同一感光層に混合して
用いるのが好ましい。また、2種以上の乳剤を用いる場
合、本発明で規定する平均アスペクト比の乳剤とそうで
ないものとを用いてもよい。上記のように、乳剤を混合
して用いることは、階調コントロール、低露光量領域か
ら高露光量領域すべてにわたる粒状性のコントロール、
及び発色現像依存性(時間及び発色現像主薬・亜硫酸ナ
トリウム塩等の現像液内組成依存性、pH(依存性)の
コントロールなどの観点から好ましい。また本発明の乳
剤は特開昭60−143332号、同60−25403
2号に記載されている、粒子間の沃化銀含有率の相対標
準偏差が20%以下であることが特に好ましい。
【0103】本発明では感度、粒状性、及び脱銀性を向
上させる点で、下記一般式(A)で表わされる化合物を
用いることが特に好ましい。一般式(A)
【化28】 式中、Qは−SO32 、−COOM2 、−OHおよび
−NR12 から成る群から選ばれた少なくとも一種を
直接または間接に結合した複素環残基を表わし、M1
2 は独立して水素原子、アルカリ金属、四級アンモニ
ウム、四級ホスホニウムを表わし、R1 、R2 は水素原
子、または置換もしくは無置換のアルキル基を表わす。
【0104】一般式(A)においてQで表わされる複素
環残基の具体例としては、オキサゾール環、チアゾール
環、イミダゾール環、セレナゾール環、トリアゾール
環、テトラゾール環、チアジアゾール環、オキサジアゾ
ール環、ペンタゾール環、ピリミジン環、チアジア環、
トリアジン環、チアジアジン環など、または他の炭素環
やヘテロ環と結合した環例えばベンゾチアゾール環、ベ
ンゾトリアゾール環、ベンズイミダゾール環、ベンゾオ
キサゾール環、ベンゾセレナゾール環、ナフトオキサゾ
ール環、トリアザインドリジン環、ジアザインドリジン
環、テトラアザインドリジン環などがあげられる。
【0105】一般式(A)で表わされるメルカプト複素
環化合物のうちで特に好ましいものとして、一般式
(B)及び(C)で表わされるものを挙げることができ
る。
【0106】一般式(B)
【化29】
【0107】一般式(C)
【化30】
【0108】一般式(B)において、Y、Zは独立して
窒素原子またはCR4 (R4 は水素原子、置換もしくは
無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のアリ
ール基を表わす。)を示し、R3 は−SO32 、−C
OOM2 、−OHおよび−NR12 から成る群から選
ばれた少なくとも一種で置換された有機残基であり、具
体的には炭素数1〜20のアルキル基(例えばメチル
基、エチル基、プロピル基、ヘキシル基、ドデシル基、
オクタデシル基など)、炭素数6〜20のアリール基
(例えばフェニル基、ナフチル基など)を示し、L1
−S−、−O−、−N−、−CO−、−SO−および−
SO2 −から成る群から選ばれた連結基を示し、nは0
または1である。
【0109】これらのアルキル基およびアリール基に、
さらにハロゲン原子(F、Cl、Brなど)、アルコキ
シ基(メトキシ基、メトキシエトキシ基など)、アリー
ルオキシ基(フェノキシ基など)、アルキル基(R2
アリール基のとき)、アリール基(R2 がアルキル基の
とき)、アミド基(アセトアミド基、ベンゾイルアミノ
基など)、カルバモイル基(無置換カルバモイル基、フ
ェニルカルバモイル基、メチルカルバモイル基など)、
スルホンアミド基(メタンスルホンアミド基、フェニル
スルホンアミド基など)、スルファモイル基(無置換ス
ルファモイル基、メチルスルファモイル基、フェニルス
ルファモイル基など)、スルホニル基(メチルスルホニ
ル基、フェニルスルホニル基など)、スルフィニル基
(メチルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基な
ど)、シアノ基、アルコキシカルボニル基(メトキシカ
ルボニル基など)、アリールオキシカルボニル基(フェ
ノキシカルボニル基など)、およびニトロ基などの他の
置換基によって置換されていてもよい。ここでR3 の置
換基−SO3 M、−COOM2 、−OHおよびNR1
2 が2個以上あるときは同じでも異っていてもよい。M
2 は一般式(A)で表わされたものと同じものを意味す
る。
【0110】次に一般式(C)において、Xは硫黄原
子、酸素原子または−N(R5 )−を表わし、R5 は水
素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、または置換
もしくは無置換のアリール基を表わす。
【0111】L2 は−CONR6 、−NR6 CO−、−
SO2 NR6 −、−NR6 SO2 −、−OCO−、−C
OO−、−S−、NR6 −、−CO−、−SO−、−O
COO−、NR6 CONR7 −、−NR6 COO−、O
CONR6 −または−NR6SO2 NR7 −を表わし、
6 、R7 は各々水素原子、置換もしくは無置換のアル
キル基、または置換もしくは無置換のアリール基を表わ
す。R3 、M2 は一般式(A)、(B)で表わされたも
のと同じものを意味し、nは0または1を表わす。さら
に、R4 、R5 、R6 およびR7 で表わされるアルキル
基、およびアリール基の置換基としてはR3 の置換基と
して挙げたものと同じものを挙げることができる。一般
式(A)において、R3 が−SO32 および−COO
2 のものが特に好ましい。以下に本発明に用いられる
一般式(A)で表わされる好ましい化合物の具体例を示
す。
【0112】
【化31】
【0113】
【化32】
【0114】
【化33】
【0115】
【化34】
【0116】
【化35】
【0117】
【化36】
【0118】一般式(A)で示される化合物は公知であ
り、また以下の文献に記載されている方法により合成す
ることができる。米国特許第2,585,388号、同
2,541,924号、特公昭42−21842号、特
開昭53−50169号、英国特許第1,275,70
1号、D.A.バージエスら、”ジャーナル・オブ・ヘ
テロサイクリック・ケミストリ”(D.A.Berges et.al.,"
Journal of the Heterocyclic Chemistry")第15巻9
81号(1978号)、”ザ・ケミストリ・オブ・ヘテ
ロサイクリック・ケミストリ”、イミダゾール・アンド
・デリバティブス・パート I("The Chemistryof Hat
erocyclic Chemistry" Imidazole and Derivatives par
t I) 、336〜9頁、ケミカル・アブストラクト(Che
mical Abstract)、58、7921号(1963)、3
94頁、E.ホガース、 "ジャーナル・オブ・ケミカル
・ソサエティ" (E. Hoggarth "Journal of Chemical So
ciety") 1160〜7頁(1949)及び S.R.サ
ウドラー、W.カロ、”オルガニック・ファンクショナ
ル・グループ・プレパレーション”、アカデミック・プ
レス社(S. R. Saudler, W. karo "Organic Fanctional
Group Preparation" Academic Press )312〜5頁
(1968)、M.シャムドンら(M. Chamdon, et a
l.,)、ブルタン・ド・ラ・ソシエテ・シミーク・ド・フ
ランス(Bulleetin de la Societe Chimique deFrance)
、723(1954)、D.A.シャーリー、D.
W.アレイ、ジャーナル・オブ・ゼ・アメリカン・ケミ
カル・ソサエティ(D. A. Shirley, D. W.Alley, J. Am
er. Chem. Soc.) 、79、4922(1954)、A.
ボール、W.マーチバルト・ベリッヒテ(A. Wohl, W. M
archwald, Ber.) (ドイツ化学会誌)、22巻、568
頁(1889)、ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミ
カル・ソサエティー(J. Amer. Chem. Soc.) 、44、1
502〜10頁、米国特許第3,017,270号、英
国特許第940,169号、特公昭49−8334号、
特開昭55−59463号、アドバンスト・イン・ヘテ
ロサイクリック・ケミストリ(Advancad in Heterocycli
c Chemistry)、、165〜209(1968)、西独
特許第2,716,707号、ザ・ケミストリー・オブ
・ヘテロサイクリック・コンパウンズ・イミダゾール・
アンド・デリバティブス(The Chemis-try of Hetercycl
ic Compounds Imidazole and Derivatives) 、Vol 1、
384頁、オルガニック・シンセシス(Org. Synth.) I
V.,569(1963)、ベリッヒテ(Bre.)、9、46
5(1976)、ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミ
カル・ソサエティ(J. Amer. Chem. Soc.) 、45、23
90(1923)、特開昭50−89034号、同53
−28426号、同55−21007号、特開昭40−
28496号。
【0119】一般式(A)で表わされる化合物は、ハロ
ゲン化銀乳剤層、親水性コロイド層(中間層、表面保護
層、イエローフィルター層、アンチハレーション層な
ど)に含有させるが、ハロゲン化銀乳剤層またはその隣
接層に含有させることが好ましい。また、その添加量
は、1×10-7〜1×10-3mol/m2 であり、好ましく
は5×10-7〜1×10-4mol/m2 、より好ましくは1
×10-6〜3×10-5mol/m2 である。
【0120】本発明の感光材料は、支持体上に青感色性
層、緑感色性層、赤感色性層のハロゲン化銀乳剤層の少
なくとも1層が設けられていればよく、ハロゲン化銀乳
剤層および非感光性層の層数および層順に特に制限はな
い。典型的な例としては、支持体上に、実質的に感色性
は同じであるが感光度の異なる複数のハロゲン化銀乳剤
層から成る感光性層を少なくとも1つ有するハロゲン化
銀写真感光材料であり、該感光性層は青色光、緑色光、
および赤色光の何れかに感色性を有する単位感光性層で
あり、多層ハロゲン化銀カラー写真感光材料において
は、一般に単位感光性層の配列が、支持体側から順に赤
感色性層、緑感色性層、青感色性層の順に設置される。
しかし、目的に応じて上記設置順が逆であっても、また
は同一感色性層中に異なる感色性層が挟まれたような設
置順をもとり得る。上記のハロゲン化銀感光性層の間及
び最上層、最下層には各種の中間層等の非感光性層を設
けてもよい。
【0121】該中間層には、特開昭61−43748
号、同59−113438号、同59−113440
号、同61−20037号、同61−20038号明細
書に記載されるようなカプラー、DIR化合物等が含ま
れていてもよく、通常用いられるように混色防止剤を含
んでいてもよい。
【0122】各単位感光性層を構成する複数のハロゲン
銀乳剤層は、西独特許第1,121,470号あるいは
英国特許第923,045号に記載されるように高感度
乳剤層、低感度乳剤層の2層構成を好ましく用いること
ができる。通常は、支持体に向かって順次感光度が低く
なるように配列するのが好ましく、また各ハロゲン乳剤
層の間には非感光性層が設けられていてもよい。また、
特開昭57−112751号、同62−200350
号、同62−206541号、同62−206543号
等に記載されているように支持体より離れた側に低感度
乳剤層、支持体に近い側に高感度乳剤層を設置してもよ
い。
【0123】具体例として支持体から最も遠い側から、
低感度青感光性層(BL)/高感度青感光性層(BH)
/高感度緑感光性層(GH)/低感度緑感光性層(G
L)/高感度赤感光性層(RH)/低感度赤感光性層
(RL)の順、またはBH/BL/GL/GH/RH/
RLの順、またはBH/BL/GH/GL/RL/RH
の順等に設置することができる。
【0124】また特公昭55−34932号公報に記載
されているように、支持体から最も遠い側から青感光性
層/GH/RH/GL/RLの順に配列することもでき
る。また特開昭56−25738号、同62−6393
6号明細書に記載されているように、支持体から最も遠
い側から青感光性層/GL/RL/GH/RHの順に配
列することもできる。
【0125】また特公昭49−15495号公報に記載
されているように上層を最も感光度の高いハロゲン化銀
乳剤層、中層をそれよりも低い感光度のハロゲン化銀乳
剤層、下層を中層よりもさらに感光度の低いハロゲン化
銀乳剤層を配置し、支持体に向って感光度が順次低めら
れた感光度の異なる3層から構成される配列が挙げられ
る。このような感光度の異なる3層から構成される場合
でも、特開昭59−202464号明細書に記載されて
いるように、同一感色性層中において支持体より離れた
側から中感度乳剤層/高感度乳剤層/低感度乳剤層の順
に配置されてもよい。その他、高感度乳剤層/低感度乳
剤層/中感度乳剤層あるいは低感度乳剤層/中感度乳剤
層/高感度乳剤層などの順に配置されていてもよい。ま
た、4層以上の場合にも上記の如く、配列を変えてよ
い。
【0126】色再現性を改良するために、米国特許第
4,663,271号、同第4,705,744号、同
第4,707,436号、特開昭62−160448
号、同63−89580号の明細書に記載の、BL、G
L、RLなどの主感光層と分光感度分布が異なる重層効
果のドナー層(CL)を主感光層に隣接もしくは近接し
て配置することが好ましい。上記のように、それぞれの
感材の目的に応じて種々の層構成・配列を選択すること
ができる。
【0127】本発明に用いられる写真感光材料の写真乳
剤層に含有される好ましいハロゲン化銀は約30モル%
以下のヨウ化銀を含む、ヨウ臭化銀、ヨウ塩化銀、もし
くはヨウ塩臭化銀である。特に好ましいのは約2モル%
から約25モル%までのヨウ化銀を含むヨウ臭化銀もし
くはヨウ塩臭化銀である。
【0128】写真乳剤中のハロゲン化銀粒子は、立方
体、八面体、十四面体のような規則的な結晶を有するも
の、球状、板状のような変則的な結晶形を有するもの、
双晶面などの結晶欠陥を有するもの、あるいはそれらの
複合形でもよい。ハロゲン化銀の粒径は、約0.2μm
以下の微粒子でも投影面積直径が約10μmに至るまで
の大サイズ粒子でもよく、多分散乳剤でも単分散乳剤で
もよい。
【0129】本発明に使用できるハロゲン化銀写真乳剤
は、例えばリサーチ・ディスクロージャー(RD)No.
17643(1978年12月)、22〜23頁、 "
I.乳剤製造(Emulsion preparation and types)" 、
及び同No.18716(1979年11月)、648
頁、同No.307105(1989年11月)、863
〜865頁、グラフキデ著「写真の物理と化学」、ポー
ルモンテル社刊(P.Glafkides, Chemie et Phisique Ph
otographique, Paul Montel, 1967 )、ダフィン著「写
真乳剤化学」、フォーカルプレス社刊(G. F. Duffin,
Photographic Emulsion Chemistry(Focal Press, 196
6))、ゼリクマンら著「写真乳剤の製造と塗布」、フォ
ーカルプレス社刊(V. L. Zelikman et al., Making an
d Coating Photographic Emulsion, Focal Press, 196
4)などに記載された方法を用いて調製することができ
る。
【0130】米国特許第3,574,628号、同3,
655,394号及び英国特許第1,413,748号
などに記載された単分散乳剤も好ましい。また、アスペ
クト比が約5以上であるような平板状粒子も本発明に使
用できる。平板状粒子は、ガトフ著、フォトグラフィッ
ク・サイエンス・アンド・エンジニアリング(Gutoff,
Photographic Science and Engineering)、第14巻、
248〜257頁(1970年);米国特許第4,43
4,226号、同4,414,310号、同4,43
3,048号、同4,439,520号及び英国特許第
2,112,157号などに記載の方法により簡単に調
製することができる。
【0131】結晶構造は一様なものでも、内部と外部と
が異質なハロゲン組成からなるものでもよく、層状構造
をなしていてもよい、また、エピタキシャル接合によっ
て組成の異なるハロゲン化銀が接合されていてもよく、
また例えばロダン銀、酸化鉛などのハロゲン化銀以外の
化合物と接合されていてもよい。また種々の結晶形の粒
子の混合物を用いてもよい。
【0132】上記の乳剤は潜像を種として表面に形成す
る表面潜像型でも、粒子内部に形成する内部潜像型でも
表面と内部のいずれにも潜像を有する型のいずれでもよ
いが、ネガ型の乳剤であることが必要である。内部潜像
型のうち、特開昭63−264740号に記載のコア/
シェル型内部潜像型乳剤であってもよい。このコア/シ
ェル型内部潜像型乳剤の調製方法は、特開昭59−13
3542号に記載されている。この乳剤のシェルの厚み
は、現像処理等によって異なるが、3〜40nmが好ま
しく、5〜20nmが特に好ましい。
【0133】ハロゲン化銀乳剤は、通常、物理熟成、化
学熟成及び分光増感を行ったものを使用する。このよう
な工程で使用される添加剤は前述のリサーチ・ディスク
ロージャーNo.17643、同No.18716及び同N
o.307105に記載されており、その該当箇所を後掲
の表にまとめた。本発明の感光材料には、感光性ハロゲ
ン化銀乳剤の粒子サイズ、粒子サイズ分布、ハロゲン組
成、粒子の形状、感度の少なくとも1つの特性の異なる
2種類上の乳剤を、同一層中に混合して使用することが
できる。
【0134】米国特許第4,082,553号に記載の
粒子表面をかぶらせたハロゲン化銀粒子、米国特許第
4,626,498号、特開昭59−214852号に
記載の粒子内部をかぶらせたハロゲン化銀粒子、コロイ
ド銀を感光性ハロゲン化銀乳剤層及び/または実質的に
非感光性の親水性コロイド層に好ましく使用できる。粒
子内部または表面をかぶらせたハロゲン化銀粒子とは、
感光材料の未露光部及び露光部を問わず、一様に(非像
様に)現像が可能となるハロゲン化銀粒子のことをい
う。粒子内部または表面をかぶらせたハロゲン化銀粒子
の調製法は、米国特許第4,626,498号、特開昭
59−214852号に記載されている。
【0135】粒子内部がかぶらされたコア/シェル型ハ
ロゲン化銀粒子の内部核を形成するハロゲン化銀は、同
一のハロゲン組成をもつものでも異なるハロゲン組成を
もつものでもよい。粒子内部または表面をかぶらせたハ
ロゲン化銀としては、塩化銀、塩臭化銀、沃臭化銀、塩
沃臭化銀のいずれをも用いることができる。これらのか
ぶらされたハロゲン化銀粒子の粒子サイズには特別な限
定はないが、平均粒子サイズとしては0.01〜0.7
5μm、特に0.05〜0.6μmが好ましい。また、
粒子形状については特に限定はなく、規則的な粒子でも
よく、また、多分散乳剤でもよいが、単分散(ハロゲン
化銀粒子の重量または粒子数の少なくとも95%が平均
粒子径の±40%以内の粒子径を有するもの)であるこ
とが好ましい。
【0136】本発明には、非感光性微粒子ハロゲン化銀
を使用することが好ましい。非感光性微粒子ハロゲン化
銀とは、色素画像を得るための像様露光時においては感
光せずに、その現像処理において実質的に現像されない
ハロゲン化銀粒子であり、あらかじめカブラされていな
いほうが好ましい。微粒子ハロゲン化銀は、臭化銀の含
有率が0〜100モル%であり、必要に応じて塩化銀及
び/または沃化銀を含有してもよい。好ましくは沃化銀
を0.5〜10モル%含有するものである。
【0137】微粒子ハロゲン化銀は、平均粒径(投影面
積の円相当径の平均値)が0.01〜0.5μmが好ま
しく、0.02〜0.2μmがより好ましい。微粒子ハ
ロゲン化銀は、通常の感光性ハロゲン化銀と同様の方法
で調製できる。この場合、ハロゲン化銀粒子の表面は、
光学的に増感される必要はなく、また分光増感も不要で
ある。ただし、これを塗布液に添加するのに先立ち、あ
らかじめトリアゾール系、アザインデン系、ベンゾチア
ゾリウム系、もしくはメルカプト系化合物または亜鉛化
合物などの公知の安定剤を添加しておくことが好まし
い。この微粒子ハロゲン化銀粒子含有層に、コロイド銀
を好ましく含有させることができる。本発明の感光材料
の塗布銀量は、6.0g/m2 以下が好ましく、4.5
g/m2 以下が最も好ましい。
【0138】本発明に使用できる公知の写真用添加剤も
上記の3つのリサーチ・ディスクロージャーに記載され
ており、下記の表に関連する記載箇所を示した。 添加剤の種類 RD17643 RD18716 RD307105 1 化学増感剤 23頁 648頁右欄 866頁 2 感度上昇剤 648頁右欄 3 分光増感剤、 23〜24頁 648頁右欄 866〜 868頁 強色増感剤 〜49頁右欄 4 増白剤 24頁 868頁 5 かぶり防止剤 24〜25頁 649頁右欄 868〜 870頁 及び安定剤 6 光吸収剤、 25〜26頁 649頁右欄〜 873頁 フィルター染料 650頁左欄 紫外線吸収剤 7 ステイン防止剤 25頁右欄 650頁左欄 872頁 〜右欄 8 色素画像安定剤 25頁 650頁左欄 872頁 9 硬膜剤 26頁 651頁左欄 874〜 875頁 10 バインダー 26頁 同上 873〜 874頁 11 可塑剤、潤滑剤 27頁 650頁右欄 876頁 12 塗布助剤、 26〜27頁 同上 875〜 876頁 表面活性剤 13 スタチック防 27頁 同上 876〜 877頁 止剤 14 マット剤 878〜 879頁
【0139】また、ホルムアルデヒドガスによる写真性
能の劣化を防止するために、米国特許第4,411,9
87号や同第4,435,503号に記載されたホルム
アルデヒドと反応して、固定化できる化合物を感光材料
に添加することが好ましい。本発明の感光材料に、米国
特許第4,740,454号、同第4,788,132
号、特開昭62−18539号、特開平1−28355
1号に記載のメルカプト化合物を含有させることが好ま
しい。本発明の感光材料に、特開平1−106052号
に記載の、現像処理によって生成した現像銀量とは無関
係にかぶらせ剤、現像促進剤、ハロゲン化銀溶剤または
それらの前駆体を放出する化合物を含有させることが好
ましい。本発明の感光材料に、国際公開WO88/04
794号、特表平1−502912号に記載された方法
で分散された染料またはEP317,308A号、米国
特許第4,420,555号、特開平1−259358
号に記載の染料を含有させることが好ましい。
【0140】本発明には種々のカラーカプラーを使用す
ることができ、その具体例は前出のリサーチ・ディスク
ロージャー(RD)No.17643、 VII−C〜G、及
び同No.307105、VII −C〜Gに記載された特許
に記載されている。イエローカプラーとしては、例えば
米国特許第3,933,501号、同第4,022,6
20号、同第4,326,024号、同第4,401,
752号、同第4,248,961号、特公昭58−1
0739号、英国特許第1,425,020号、同第
1,476,760号、米国特許第3,973,968
号、同第4,314,023号、同第4,511,64
9号、欧州特許第249,473A号、等に記載のもの
が好ましい。
【0141】マゼンタカプラーとしては5−ピラゾロン
系及びピラゾロアゾール系の化合物が好ましく、米国特
許第4,310,619号、同第4,351,897
号、欧州特許第73,636号、米国特許第3,06
1,432号、同第3,725,067号、リサーチ・
ディスクロージャーNo.24220(1984年6
月)、特開昭60−33552号、リサーチ・ディスク
ロージャーNo.24230(1984年6月)、特開昭
60−43659号、同61−72238号、同60−
35730号、同55−118034号、同60−18
5951号、米国特許第4,500,630号、同第
4,540,654号、同第4,556,630号、国
際公開WO88/04795号等に記載のものが特に好
ましい。
【0142】シアンカプラーとしては、フェノール系及
びナフトール系カプラーが挙げられ、米国特許第4,0
52,212号、同第4,146,396号、同第4,
228,233号、同第4,296,200号、同第
2,369,929号、同第2,801,171号、同
第2,772,162号、同第2,895,826号、
同第3,772,002号、同第3,758,308
号、同第4,334,011号、同第4,327,17
3号、西独特許公開第3,329,729号、欧州特許
第121,365A号、同第249,453A号、米国
特許第3,446,622号、同第4,333,999
号、同第4,775,616号、同第4,451,55
9号、同第4,427,767号、同第4,690,8
89号、同第4,254,212号、同第4,296,
199号、特開昭61−42658号等に記載のものが
好ましい。さらに、特開昭64−553号、同64−5
54号、同64−555号、同64−556号に記載の
ピラゾロアゾール系カプラーや、米国特許第4,81
8,672号に記載のイミダゾール系カプラーも使用す
ることができる。
【0143】ポリマー化された色素形成カプラーの典型
例は、米国特許第3,451,820号、同4,08
0,211号、同第4,367,282号、同第4,4
09,320号、同第4,576,910号、英国特許
2,102,137号、欧州特許第341,188A号
等に記載されている。
【0144】発色色素が適度な拡散性を有するカプラー
としては、米国特許第4,366,237号、英国特許
2,125,570号、欧州特許第96,570号、西
独特許(公開)第3,234,533号に記載のものが
好ましい。
【0145】発色色素の不要吸収を補正するためのカラ
ード・カプラーは、リサーチ・ディスクロージャーNo.
17643の VII−G項、同No.307105の VII−
G項、米国特許第4,163,670号、特公昭57−
39413号、米国特許第4,004,929号、同第
4,138,258号、英国特許第1,146,368
号に記載のものが好ましい。また、米国特許第4,77
4,181号に記載のカップリング時に放出された蛍光
色素により発色色素の不要吸収を補正するカプラーや、
米国特許第4,777,120号に記載の現像主薬と反
応して色素を形成しうる色素プレカーサー基を離脱基と
して有するカプラーを用いることも好ましい。
【0146】カップリングに伴って写真的に有用な残基
を放出する化合物もまた本発明で好ましく併用できる。
現像抑制剤を放出するDIRカプラーは、前述のRD1
7643、 VII−F項及び同No.307105、VII −
F項に記載された特許、特開昭57−151944号、
同57−154234号、同60−184248号、同
63−37346号、同63−37350号、米国特許
第4,248,962号、同4,782,012号に記
載されたものが好ましい。
【0147】RDNo.11449、同24241、特開
昭61−201247号等に記載の漂白促進剤放出カプ
ラーは、漂白能を有する処理工程の時間を短縮するのに
有効であり、特に、前述の平板状ハロゲン化銀粒子を用
いる感光材料に添加する場合に、その効果が大である。
【0148】現像時に画像状に造核剤もしくは現像促進
剤を放出するカプラーとしては、英国特許第2,09
7,140号、同第2,131,188号、特開昭59
−157638号、同59−170840号に記載のも
のが好ましい。また、特開昭60−107029号、同
60−252340号、特開平1−44940号、同1
−45687号に記載の現像主薬の酸化体との酸化還元
反応により、かぶらせ剤、現像促進剤、ハロゲン化銀溶
剤等を放出する化合物も好ましい。
【0149】その他、本発明の感光材料に用いることの
できる化合物としては、米国特許第4,130,427
号等に記載の競争カプラー、米国特許第4,283,4
72号、同第4,338,393号、同第4,310,
618号等に記載の多当量カプラー、特開昭60−18
5950号、特開昭62−24252号等に記載のDI
Rレドックス化合物放出カプラー、DIRカプラー放出
カプラー、DIRカプラー放出レドックス化合物もしく
はDIRレドックス放出レドックス化合物、欧州特許第
173,302A号、同第313,308A号に記載の
離脱後復色する色素を放出するカプラー、米国特許第
4,555,477号等に記載のリガンド放出カプラ
ー、特開昭63−75747号に記載のロイコ色素を放
出するカプラー、米国特許第4,774,181号に記
載の蛍光色素を放出するカプラー等が挙げられる。
【0150】本発明に使用するカプラーは、種々の公知
分散方法により感光材料に導入できる。水中油滴分散法
に用いられる高沸点溶媒の例は米国特許第2,322,
027号などに記載されている。水中油滴分散法に用い
られる常圧での沸点が175℃以上の高沸点有機溶剤の
具体例としては、フタル酸エステル類(ジブチルフタレ
ート、ジシクロヘキシルフタレート、ジ−2−エチルヘ
キシルフタレート、デシルフタレート、ビス(2,4−
ジ−t−アミルフェニル)フタレート、ビス(2,4−
ジ−t−アミルフェニル)イソフタレート、ビス(1,
1−ジエチルプロピル)フタレートなど)、リン酸また
はホスホン酸のエステル類(トリフェニルホスフェー
ト、トリクレジルホスフェート、2−エチルヘキシルジ
フェニルホスフェート、トリシクロヘキシルホスフェー
ト、トリ−2−エチルヘキシルホスフェート、トリドデ
シルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、
トリクロロプロピルホスフェート、ジ−2−エチルヘキ
シルフェニルホスホネートなど)、安息香酸エステル類
(2−エチルヘキシルベンゾエート、ドデシルベンゾエ
ート、2−エチルヘキシル−p−ヒドロキシベンゾエー
トなど)、アミド類(N,N−ジエチルドデカンアミ
ド、N,N−ジエチルラウリルアミド、N−テトラデシ
ルピロリドンなど)、アルコール類またはフェノール類
(イソステアリルアルコール、2,4−ジ−t−アミル
フェノールなど)、脂肪族カルボン酸エステル類(ビス
(2−エチルヘキシル)セバケート、ジオクチルアゼレ
ート、グリセロールトリブチレート、イソステアリルラ
クテート、トリオクチルシトレートなど)、アニリン誘
導体(N,N−ジブチル−2−ブトキシ−5−t−オク
チルアニリンなど)、炭化水素類(パラフィン、ドデシ
ルベンゼン、ジイソプロピルナフタレンなど)などが挙
げられる。また補助溶剤としては、沸点が約30℃以
上、好ましくは50℃以上約160℃以下の有機溶剤な
どが使用でき、典型例としては酢酸エチル、酢酸ブチ
ル、プロピオン酸エチル、メチルエチルケトン、シクロ
ヘキサノン、2−エトキシエチルアセテート、ジメチル
ホルムアミドなどが挙げられる。
【0151】ラテックス分散法の工程、効果及び含浸用
のラテックスの具体例は、米国特許第4,199,36
3号、西独特許出願(OLS)第2,541,274号
及び同第2,541,230号などに記載されている。
本発明のカラー感光材料中には、フェネチルアルコール
や特開昭63−257747号、同62−272248
号、及び特開平1−80941号に記載の1,2−ベン
ズイソチアゾリン−3−オン、n−ブチルp−ヒドロキ
シベンゾエート、フェノール、4−クロル−3,5−ジ
メチルフェノール、2−フェノキシエタノール、2−
(4−チアゾリル)ベンズイミダゾール等の各種の防腐
剤もしくは防黴剤を添加することが好ましい。
【0152】本発明は種々のカラー感光材料に適用する
ことができる。一般用もしくは映画用のカラーネガフィ
ルム、スライド用もしくはテレビ用のカラー反転フィル
ム、カラーペーパー、カラーポジフィルム及びカラー反
転ペーパーなどを代表例として挙げることができる。
【0153】本発明に使用できる適当な支持体は、例え
ば、前述のRD.No.17643の28頁、同No.18
716の647頁右欄から648頁左欄、及び同No.3
07105の897頁に記載されている。本発明の感光
材料は、乳剤層を有する側の全親水性コロイド層の膜厚
の総和が28μm以下であることが好ましく、23μm
以下がより好ましく、18μm以下がさらに好ましく、
16μm以下が特に好ましい。また、膜膨潤速度T1/2
は30秒以下が好ましく、20秒以下がより好ましい。
膜厚は、25℃相対湿度55%調湿下(2日)で測定し
た膜厚を意味し、膜膨潤速度T1/2 は、当該技術分野に
おいて公知の手法に従って測定することができる。例え
ば、エー・グリーン(A. Green)らによりフォトグラフ
ィック・サイエンス・アンド・エンジニアリング(Phot
ogr. Sci Eng. ),19巻、2号、124〜129頁に
記載の型のスエロメーター(膨潤計)を使用することに
より、測定でき、T1/2 は発色現像液で30℃、3分1
5秒処理した時に到達する最大膨潤膜厚の90%を飽和
膜厚とし、飽和膜厚の1/2に到達するまでの時間と定
義する。
【0154】膜膨潤速度T1/2 は、バインダーとしての
ゼラチンに硬膜剤を加えること、あるいは塗布後の経時
条件を変えることによって調整することができる。ま
た、膨潤率は150〜400%が好ましい。膨潤率と
は、さきに述べた条件下での最大膨潤膜厚から、式:
(最大膨潤膜厚−膜厚)/膜厚に従って計算できる。本
発明の感光材料は、乳剤層を有する側の反対側に、乾燥
膜厚の総和が2μm〜20μmの親水性コロイド層(バ
ック層と称す)を設けることが好ましい。このバック層
には、前述の光吸収剤、フィルター染料、紫外線吸収
剤、スタチック防止剤、硬膜剤、バインダー、可塑剤、
潤滑剤、塗布助剤、表面活性剤等を含有させることが好
ましい。このバック層の膨潤率は150〜500%が好
ましい。
【0155】本発明に従ったカラー写真感光材料は、前
述のRD.No.17643の28〜29頁、同No.18
716の651左欄〜右欄、及び同No.307105の
880〜881頁に記載された通常の方法によって現像
処理することができる。
【0156】本発明の感光材料の現像処理に用いる発色
現像液は、好ましくは芳香族第一級アミン系発色現像主
薬を主成分とするアルカリ性水溶液である。この発色現
像主薬としては、アミノフェノール系化合物も有用であ
るが、p−フェニレンジアミン系化合物が好ましく使用
され、その代表例としては3−メチル−4−アミノ−
N,N−ジエチルアニリン、3−メチル−4−アミノ−
N−エチル−N−β−ヒドロキシエチルアニリン、3−
メチル−4−アミノ−N−エチル−N−β−メタンスル
ホンアミドエチルアニリン、3−メチル−4−アミノ−
N−エチル−N−β−メトキシエチルアニリン及びこれ
らの硫酸塩、塩酸塩もしくはp−トルエンスルホン酸塩
などが挙げられる。これらの中で特に3−メチル−4−
アミノ−N−エチル−N−β−ヒドロキシエチルアニリ
ン硫酸塩が好ましい。これらの化合物は目的に応じ2種
以上併用することもできる。
【0157】発色現像液はアルカリ金属の炭酸塩、ホウ
酸塩もしくはリン酸塩のようなpH緩衝剤、塩化物塩、
臭化物塩、沃化物塩、ベンズイミダゾール類、ベンゾチ
アゾール類もしくはメルカプト化合物のような現像抑制
剤またはカブリ防止剤などを含むのが一般的である。ま
た必要に応じて、ヒドロキシルアミン、ジエチルヒドロ
キシルアミン、亜硫酸塩、N,N−ビスカルボキシメチ
ルヒドラジンの如きヒドラジン類、フェニルセミカルバ
ジド類、トリエタノールアミン、カテコールスルホン酸
類如き各種保恒剤、エチレングリコール、ジエチレング
リコールのような有機溶剤、ベンジルアルコール、ポリ
エチレングリコール、四級アンモニウム塩、アミン類の
ような現像促進剤、色素形成カプラー、競争カプラー、
1−フェニル−3−ピラゾリドンのような補助現像主
薬、粘性付与剤、アミノポリカルボン酸、アミノポリホ
スホン酸、アルキルホスホン酸、ホスホノカルボン酸に
代表されるような各種キレート剤、例えば、エチレンジ
アミン四酢酸、ニトリロ三酢酸、ジエチレントリアミン
五酢酸、シクロヘキサンジアミン四酢酸、ヒドロキシエ
チルイミノジ酢酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1
−ジホスホン酸、ニトリロ−N,N,N−トリメチレン
ホスホン酸、エチレンジアミン−N,N,N’,N’−
テトラメチレンホスホン酸、エチレンジアミン−ジ(o
−ヒドロキシフェニル酢酸)及びそれらの塩を代表例と
して挙げることができる。
【0158】また反転処理を実施する場合は通常黒白現
像を行ってから発色現像する。この黒白現像液には、ハ
イドロキノンなどのジヒドロキシベンゼン類、1−フェ
ニル−3−ピラゾリドンなどの3−ピラゾリドン類また
はN−メチル−p−アミノフェノールなどのアミノフェ
ノール類など公知の黒白現像主薬を単独であるいは組み
合わせて用いることができる。これらの発色現像液及び
黒白現像液のpHは9〜12であることが一般的であ
る。またこれらの現像液の補充量は、処理するカラー写
真感光材料にもよるが、一般に感光材料1平方メートル
当り3リットル以下であり、補充液中の臭化物イオン濃
度を低減させておくことにより500ml以下にするこ
ともできる。補充量を低減する場合には処理槽の空気と
の接触面積を小さくすることによって液の蒸発、空気酸
化を防止することが好ましい。
【0159】処理槽での写真処理液と空気との接触面積
は、以下に定義する開口率で表わすことができる。すな
わち 開口率=[処理液と空気との接触面積(cm2) ]÷[処理
液の容量(cm3) ] 上記の開口率は、0.1以下であることが好ましく、よ
り好ましくは0.001〜0.05である。このように
開口率を低減させる方法としては、処理槽の写真処理液
面に浮き蓋等の遮蔽物を設けるほかに、特開平1−82
033号に記載された可動蓋を用いる方法、特開昭63
−216050号に記載されたスリット現像処理方法な
どを挙げることができる。開口率を低減させることは、
発色現像及び黒白現像の両工程のみならず、後続の諸工
程、例えば、漂白、漂白定着、定着、水洗、安定化など
の全ての工程において適用することが好ましい。また現
像液中の臭化物イオンの蓄積を抑える手段を用いること
により補充量を低減することもできる。
【0160】発色現像処理の時間は、通常2〜5分の間
で設定されるが、高温、高pHとし、かつ発色現像主薬
を高濃度に使用することにより、さらに処理時間の短縮
を図ることもできる。
【0161】発色現像後の写真乳剤層は通常漂白処理さ
れる。漂白処理は定着処理と同時に行われてもよいし
(漂白定着処理)、個別に行われてもよい。さらに処理
の迅速化を図るため、漂白処理後漂白定着処理する処理
方法でもよい。さらに二槽の連続した漂白定着浴で処理
すること、漂白定着処理の前に定着処理すること、また
は漂白定着処理後漂白処理することも目的に応じ任意に
実施できる。漂白剤としては、例えば鉄(III) などの多
価金属の化合物、過酸類、キノン類、ニトロ化合物等が
用いられる。代表的漂白剤としては鉄(III) の有機錯
塩、例えばエチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリア
ミン五酢酸、シクロヘキサンジアミン四酢酸、メチルイ
ミノ二酢酸、1,3−ジアミノプロパン四酢酸、グリコ
ールエーテルジアミン四酢酸、などのアミノポリカルボ
ン酸類もしくはクエン酸、酒石酸、リンゴ酸などの錯塩
などを用いることができる。これらのうちエチレンジア
ミン四酢酸鉄(III) 錯塩、及び1,3−ジアミノプロパ
ン四酢酸鉄(III) 錯塩を始めとするアミノポリカルボン
酸鉄(III) 錯塩は迅速処理と環境汚染防止の観点から好
ましい。さらにアミノポリカルボン酸鉄(III) 錯塩は漂
白液においても、漂白定着液においても特に有用であ
る。これらのアミノポリカルボン酸鉄(III) 錯塩を用い
た漂白液又は漂白定着液のpHは通常4.0〜8である
が、処理の迅速化のために、さらに低いpHで処理する
こともできる。
【0162】漂白液、漂白定着液及びそれらの前浴に
は、必要に応じて漂白促進剤を使用することができる。
有用な漂白促進剤の具体例は、次の明細書に記載されて
いる:米国特許第3,893,858号、西独特許第
1,290,812号、同2,059,988号、特開
昭53−32736号、同53−57831号、同53
−37418号、同53−72623号、同53−95
630号、同53−95631号、同53−10423
2号、同53−124424号、同53−141623
号、同53−28426号、リサーチ・ディスクロージ
ャーNo.17129号(1978年7月)などに記載の
メルカプト基またはジスルフィド基を有する化合物;特
開昭50−140129号に記載のチアゾリジン誘導
体;特公昭45−8506号、特開昭52−20832
号、同53−32735号、米国特許第3,706,5
61号に記載のチオ尿素誘導体;西独特許第1,12
7,715号、特開昭58−16235号に記載の沃化
物塩;西独特許第966,410号、同2,748,4
30号に記載のポリオキシエチレン化合物類;特公昭4
5−8836号記載のポリアミン化合物;その他特開昭
49−40943号、同49−59644号、同53−
94927号、同54−35727号、同55−265
06号、同58−163940号記載の化合物;臭化物
イオン等が使用できる。なかでもメルカプト基またはジ
スルフィド基を有する化合物が促進効果が大きい観点で
好ましく、特に米国特許第3,893,858号、西独
特許第1,290,812号、特開昭53−95630
号に記載の化合物が好ましい。さらに、米国特許第4,
552,834号に記載の化合物も好ましい。これらの
漂白促進剤は感材中に添加してもよい。撮影用のカラー
感光材料を漂白定着するときにこれらの漂白促進剤は特
に有効である。
【0163】漂白液や漂白定着液には上記の化合物の他
に、漂白ステインを防止する目的で有機酸を含有させる
ことが好ましい。特に好ましい有機酸は、酸解離定数
(pka)が2〜5である化合物で、具体的には酢酸、
プロピオン酸などが好ましい。
【0164】定着液や漂白定着液に用いられる定着剤と
してはチオ硫酸塩、チオシアン酸塩、チオエーテル系化
合物、チオ尿素類、多量の沃化物塩等を挙げることがで
きるが、チオ硫酸塩の使用が一般的であり、特にチオ硫
酸アンモニウムが最も広範に使用できる。また、チオ硫
酸塩とチオシアン酸塩、チオエーテル系化合物、チオ尿
素などとの併用も好ましい。定着液や漂白定着液の保恒
剤としては、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、カルボニル重亜硫
酸付加物あるいは、欧州特許第294769A号に記載
のスルフィン酸化合物が好ましい。さらに定着液や漂白
定着液には液の安定化の目的で各種アミノポリカルボン
酸類や、有機ホスホン酸類の添加が好ましい。
【0165】本発明において、定着液または漂白定着液
には、pH調整のために、pKaが6.0〜9.0の化
合物、好ましくは、イミダゾール、1−メチルイミダゾ
ール、1−エチルイミダゾール、2−メチルイミダゾー
ルの如きイミダゾール類を0.1〜10モル/リットル
添加することが好ましい。
【0166】脱銀工程の時間の合計は、脱銀不良が生じ
ない範囲で短い方が好ましい。好ましい時間は1分〜3
分、さらに好ましくは1分〜2分である。また、処理温
度は25℃〜50℃、好ましくは35℃〜45℃であ
る。好ましい温度範囲においては、脱銀速度が向上し、
かつ、処理後のステイン発生が有効に防止される。
【0167】脱銀工程においては、攪拌ができるだけ強
化されていることが好ましい。攪拌強化の具体的方法と
しては特開昭62−183460号に記載の感光材料の
乳剤面に処理液の噴流を衝突させる方法や、特開昭62
−183461号の回転手段を用いて攪拌効果を上げる
方法、さらには液中に設けられたワイパーブレードと乳
剤面を接触させながら感光材料を移動させ、乳剤表面を
乱流化することにより攪拌効果を向上させる方法、処理
液全体の循環流量を増加させる方法があげられる。この
ような攪拌向上手段は漂白液、漂白定着液、定着液のい
ずれにおいても有効である。攪拌の向上は乳剤膜中への
漂白剤、定着剤の供給を速め、結果として脱銀速度を高
めるものと考えられる。また前記の攪拌向上手段は、漂
白促進剤を使用した場合により有効であり、促進効果を
著しく増加させたり漂白促進剤による定着阻害作用を解
消させることができる。
【0168】本発明の感光材料の処理に用いられる自動
現像機は、特開昭60−191257号、同60−19
1258号、同60−191259号に記載の感光材料
搬送手段を有していることが好ましい。前記の特開昭6
0−191257号に記載のとおり、このような搬送手
段は前浴から後浴への処理液の持込みを著しく削減で
き、処理液の性能劣化を防止する効果が高い。このよう
な効果は各工程における処理時間の短縮や、処理液補充
量の低減に特に有効である。
【0169】本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料
は、脱銀処理後、水洗及び/又は安定工程を経るのが一
般的である。水洗工程での水洗水量は、感光材料の特性
(例えばカプラー等使用素材による)、用途、さらには
水洗水温、水洗タンクの数(段数)、向流、順流等の補
充方式、その他種々の条件によって広範囲に設定し得
る。このうち、多段向流方式における水洗タンク数と水
量の関係は、Journal ofthe Society of Motion Pictur
e and Television Engineers 第64巻、p.248〜
253(1955年5月号)に記載の方法で、求めるこ
とができる。
【0170】前記文献に記載の多段向流方式によれば、
水洗水量を大幅に減少し得るが、タンク内における水の
滞留時間の増加により、バクテリアが繁殖し、生成した
浮遊物が感光材料に付着する等の問題が生じる。本発明
のカラー感光材料の処理において、このような問題の解
決策として、特開昭62−288838号に記載のカル
シウムイオン、マグネシウムイオンを低減させる方法を
極めて有効に用いることができる。また、特開昭57−
8542号に記載のイソチアゾロン化合物やサイアベン
ダゾール類、塩素化イソシアヌール酸ナトリウム等の塩
素系殺菌剤、その他ベンゾトリアゾール等、堀口博著
「防菌防黴剤の化学」(1986年)三共出版、衛生技
術会編「微生物の滅菌、殺菌、防黴技術」(1982
年)工業技術会、日本防菌防黴学会編「防菌防黴剤事
典」(1986年)に記載の殺菌剤を用いることもでき
る。
【0171】本発明の感光材料の処理における水洗水の
pHは、4〜9であり、好ましくは5〜8である。水洗
水温、水洗時間も、感光材料の特性、用途等で種々設定
し得るが、一般には15〜45℃で20秒〜10分、好
ましくは25〜40℃で30秒〜5分の範囲が選択され
る。さらに、本発明の感光材料は、上記水洗に代わり、
直接安定液によって処理することもできる。このような
安定化処理においては、特開昭57−8543号、同5
8−14834号、同60−220345号に記載の公
知の方法はすべて用いることができる。
【0172】また、前記水洗処理に続いて、さらに安定
化処理する場合もあり、その例として、撮影用カラー感
光材料の最終浴として使用される、色素安定化剤と界面
活性剤を含有する安定浴を挙げることができる。色素安
定化剤としてはホルマリンやグルタルアルデヒドなどの
アルデヒド類、N−メチロール化合物、ヘキサメチレン
テトラミンあるいはアルデヒド重亜硫酸付加物などを挙
げることができる。この安定浴には各種キレート剤や防
黴剤を加えることもできる。
【0173】上記水洗及び/または安定液の補充に伴う
オーバーフロー液は脱銀工程等他の工程において再利用
することもできる。自動現像機などを用いた処理におい
て、上記の各処理液が蒸発により濃縮化する場合には、
水を加えて濃縮補正することが好ましい。
【0174】本発明のハロゲン化銀カラー感光材料には
処理の簡略化及び迅速化の目的で発色現像主薬を内蔵し
てもよい。内蔵するためには、発色現像主薬の各種プレ
カーサーを用いるのが好ましい。例えば米国特許第3,
342,597号記載のインドアニリン系化合物、同第
3,342,599号、リサーチ・ディスクロージャー
No.14850号および同No.15159号に記載のシ
ッフ塩基型化合物、同No.13924号記載のアルドー
ル化合物、米国特許第3,719,492号記載の金属
塩錯体、特開昭53−135628号記載のウレタン系
化合物を挙げることができる。
【0175】本発明のハロゲン化銀カラー感光材料は、
必要に応じて、発色現像を促進する目的で、各種の1−
フェニル−3−ピラゾリドン類を内蔵してもよい。典型
的な化合物は特開昭56−64339号、同57−14
4547号及び、同58−115438号等に記載され
ている。
【0176】本発明における各種処理液は10℃〜50
℃において使用される。通常は33℃〜38℃の温度が
標準的であるが、より高温にして処理を促進し処理時間
を短縮したり、逆により低温にして画質の向上や処理液
の安定性の改良を達成することができる。
【0177】また、本発明のハロゲン化銀感光材料は米
国特許第4,500,626号、特開昭60−1334
49号、同59−218443号、同61−23805
6号、欧州特許210,660A2号などに記載されて
いる熱現像感光材料にも適用できる。
【0178】
【実施例】以下に、本発明を実施例により詳細に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0179】実施例1 不活性ゼラチン30g、臭化カリウム6g、蒸留水1リ
ットルを溶かした水溶液を75℃で攪拌しておき、ここ
へ硝酸銀5.0gを溶かした水溶液35cc及び臭化カ
リウム3.2g、沃化カリウム0.98gを溶かした水
溶液35ccをそれぞれ70cc/分の流速で30秒間
添加した後、pAgを10に上げて30分間熟成して、
種乳剤を調製した。
【0180】つづいて硝酸銀145gを溶かした水溶液
1リットルのうちの所定量及び臭化カリウムと沃化カリ
ウムの混合物の水溶液を等モル量ずつ所定の温度、所定
のpAgで臨界成長速度近くの添加速度で添加し平板コ
ア乳剤を調製した。さらにひきつづいて、残りの硝酸銀
水溶液及びコア乳剤調製のときとは異なった組成の臭化
カリウムと沃化カリウムの混合物の水溶液を等モル量ず
つ臨界成長速度近くの添加速度で添加し、コアを被覆し
コア/シェル型の沃臭化銀平板乳剤1〜5を調製した。
【0181】アスペクト比の調節はコア−及びシェル調
製時のpAgを選択することで得られた。結果を表1に
示した。
【0182】
【表1】
【0183】下塗りを施した三酢酸セルロース支持体上
に、下記に示すような組成の各層を重層塗布し、多層カ
ラー感光材料である試料101を作製した。 (感光層組成)各成分に対応する数字は、g/m2 単位
で表した塗布量を示し、ハロゲン化銀については、銀換
算の塗布量を示す。ただし増感色素については、同一層
のハロゲン化銀1モルに対する塗布量をモル単位で示
す。
【0184】 (試料101) 第1層(ハレーション防止層) 黒色コロイド銀 銀 0.18 ゼラチン 0.50
【0185】 第2層(中間層) 2,5−ジ−t−ペンタデシルハイドロキノン 0.18 EX−1 0.18 EX−3 0.020 EX−12 2.0×10-3 U−1 0.060 U−2 0.080 U−3 0.10 HBS−1 0.10 HBS−2 0.020 ゼラチン 0.80
【0186】 第3層(第1赤感乳剤層) 乳剤A 銀 0.25 乳剤B 銀 0.25 増感色素I 6.9×10-5 増感色素II 1.8×10-5 増感色素III 3.1×10-4 EX−2 0.17 EX−10 0.020 EX−14 0.17 U−1 0.070 U−2 0.050 U−3 0.070 HBS−1 0.020 ゼラチン 0.75
【0187】 第4層(第2赤感乳剤層) 乳剤G 銀 0.30 乳剤D 0.50 増感色素I 5.1×10-5 増感色素II 1.4×10-5 増感色素III 2.3×10-4 EX−2 0.20 EX−3 0.050 EX−10 0.015 EX−14 0.20 EX−15 0.050 U−1 0.020 U−2 0.010 U−3 0.020 ゼラチン 1.00
【0188】 第5層(第3赤感乳剤層) 乳剤1 銀 1.60 増感色素I 5.4×10-5 増感色素II 1.4×10-5 増感色素III 2.4×10-4 例示化合物(11) 4.0×10-4 EX−16 0.070 EX−2 0.097 EX−3 0.010 EX−4 0.080 HBS−1 0.10 HBS−2 0.10 ゼラチン 1.30
【0189】 第6層(中間層) EX−5 0.040 HBS−1 0.020 ゼラチン 0.50
【0190】 第7層(第1緑感乳剤層) 乳剤A 銀 0.15 乳剤B 銀 0.15 増感色素IV 3.0×10-5 増感色素V 1.0×10-4 増感色素VI 3.8×10-4 EX−1 0.021 EX−6 0.26 EX−7 0.030 EX−8 0.050 HBS−1 0.10 HBS−3 0.010 ゼラチン 0.63
【0191】 第8層(第2緑感乳剤層) 乳剤C 銀 0.25 乳剤E 銀 0.20 増感色素IV 2.1×10-5 増感色素V 7.0×10-5 増感色素VI 2.6×10-4 EX−6 0.094 EX−7 0.026 EX−8 0.025 HBS−1 0.16 HBS−3 8.0×10-3 ゼラチン 0.50
【0192】 第9層(第3緑感乳剤層) 乳剤1 銀 1.00 増感色素IV 3.5×10-5 増感色素V 8.0×10-5 増感色素VI 3.0×10-4 EX−1 0.013 EX−11 0.065 EX−13 0.019 HBS−1 0.05 HBS−2 0.10 ゼラチン 1.00
【0193】 第10層(イエローフィルター層) 黄色コロイド銀 銀 0.050 EX−5 0.080 HBS−1 0.030 ゼラチン 0.50
【0194】 第11層(第1青感乳剤層) 乳剤A 銀 0.080 乳剤B 銀 0.070 乳剤F 銀 0.070 増感色素VII 3.5×10-4 EX−8 0.085 EX−9 0.72 HBS−1 0.20 ゼラチン 1.10
【0195】 第12層(第2青感乳剤層) 乳剤1 銀 0.45 増感色素VII 2.1×10-4 EX−8 0.050 EX−9 0.15 EX−10 7.0×10-3 HBS−1 0.050 ゼラチン 0.78
【0196】 第13層( 第3青感乳剤層) 乳剤H 銀 0.50 乳剤G 銀 0.20 増感色素VII 2.2×10-4 例示化合物(18) 3.0×10-4 EX−9 0.20 HBS−1 0.070 ゼラチン 0.69
【0197】 第14層(第1保護層) 乳剤I 銀 0.20 U−4 0.11 U−5 0.17 HBS−1 5.0×10-2 ゼラチン 1.00
【0198】 第15層(第2保護層) H−1 0.40 B−1(直径1.7μm) 5.0×10-2 B−2(直径1.7μm) 0.10 B−3 0.10 S−1 0.20 ゼラチン 1.20
【0199】さらに、全層に保存性、処理性、圧力耐
性、防黴・防菌性、帯電防止性及び塗布性をよくするた
めに、W−1、W−2、W−3、B−4、B−5、F−
1、F−2、F−3、F−4、F−5、F−6、F−
7、F−8、F−9、F−10、F−11、F−12、
F−13及び、鉄塩、鉛塩、金塩、白金塩、イリジウム
塩、ロジウム塩が含有されている。本実施例で用いた化
合物の構造式及び乳剤を以下に示した。
【0200】
【化37】
【0201】
【化38】
【0202】
【化39】
【0203】
【化40】
【0204】
【化41】
【0205】
【化42】
【0206】
【化43】
【0207】
【化44】
【0208】
【化45】
【0209】
【化46】
【0210】
【化47】
【0211】
【化48】
【0212】
【化49】
【0213】
【化50】
【0214】
【化51】
【0215】
【化52】
【0216】
【表2】
【0217】(試料102〜105)試料101の第5
層、第9層及び第12層の乳剤1を乳剤2〜5に置き換
えて試料102〜105を作製した。 (試料106〜120)試料101〜105の第7層、
第8層、第11層及び第12層のEX−8を比較用カプ
ラー(C−1)等モル、本発明のカプラー(2)等モ
ル、及び(4)1.2倍モルに置き換えて試料106〜
120をとした。 (試料121〜128)表2に示したように各層の乳剤
及びカプラーをほぼ階調が合うような添加量にして、試
料121〜128を作製した。 (試料129、130)試料111及び113の化合物
(11)、(18)を除去して試料129、130とし
た。
【0218】これらの試料に白色光にて像様露光し、下
記カラー現像処理を行った。また同様の白色像様露光を
行った後、40℃、相対湿度40%の条件下に14日間
放置した後、同様のカラー現像処理を行い、相対感度の
変化を表2に示した。得られた写真性能の結果を粒状度
を示すRMS値(48μm直径のアパーチャーでのイエ
ロー画像の値)とともの表2に示した。鮮鋭性について
も同様の処理を行って慣用のMTF法でマゼンタ画像の
MTF値を測定した。またこれら試料に、緑色光で1ル
ックス・秒の均一露光を与えた後、青色光で像様露光し
下記のカラー現像を行い、イエロー濃度が(カブリ+
1.0)の濃度を与える露光量でのマゼンタ濃度から、
イエローカブリ濃度でおけるマゼンタ濃度を減じた値を
色濁り度として表3、表4に示した。
【0219】また処理後イエロー濃度2.5の点におけ
る2万ルックスの蛍光灯を5日間照射した後の濃度低下
を表3、表4に併せて示した。
【0220】
【表3】
【0221】
【表4】
【0222】カラー現像処理は自動現像機を用い以下に
記載の方法で、(液の累積補充量がその母液タンク容量
の3倍になるまで)処理した。
【0223】 処理方法 工程 処理時間 処理温度 補充量* タンク容量 発色現像 3分15秒 38℃ 33ml 20リットル 漂 白 6分30秒 38℃ 25ml 40リットル 水 洗 2分10秒 24℃ 1200ml 20リットル 定 着 4分20秒 38℃ 25ml 30リットル 水洗 (1) 1分05秒 24℃ (2)から (1)への 10リットル 向流配管方式 水洗 (2) 1分00秒 24℃ 1200ml 10リットル 安 定 1分05秒 38℃ 25ml 10リットル 乾 燥 4分20秒 55℃ *補充量は35mm幅1m当たりの量
【0224】次に、処理液の組成を示す。 (発色現像液) 母液(g) 補充液(g) ジエチレントリアミン五酢酸 1.0 1.1 1−ヒドロキシエチリデン− 1,1−ジホスホン酸 3.0 3.2 亜硫酸ナトリウム 4.0 4.4 炭酸カリウム 30.0 37.0 臭化カリウム 1.4 0.7 沃化カリウム 1.5mg − ヒドロキシルアミン硫酸塩 2.4 2.8 4−〔N−エチル−N−β−ヒドロ キシエチルアミノ〕−2−メチル アニリン硫酸塩 4.5 5.5 水を加えて 1.0リットル 1.0リットル pH 10.05 10.10
【0225】 (漂白液) 母液(g) 補充液(g) エチレンジアミン四酢酸第二鉄ナト リウム三水塩 100.0 120.0 エチレンジアミン四酢酸二ナトリウ ム塩 10.0 10.0 臭化アンモニウム 140.0 160.0 硝酸アンモニウム 30.0 35.0 アンモニア水(27%) 6.5ml 4.0ml 水を加えて 1.0リットル 1.0リットル pH 6.0 5.7
【0226】 (定着液) 母液(g) 補充液(g) エチレンジアミン四酢酸二ナトリウ ム塩 0.5 0.7 亜硫酸ナトリウム 7.0 8.0 重亜硫酸ナトリウム 5.0 5.5 チオ硫酸アンモニウム水溶液 (70%) 170.0ml 200.0ml 水を加えて 1.0リットル 1.0リットル pH 6.7 6.6
【0227】 (安定液) 母液(g) 補充液(g) ホルマリン(37%) 2.0ml 3.0ml ポリオキシエチレン−p−モノノニ ルフェニルエーテル (平均重合度10) 0.3 0.45 エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 0.05 0.08 水を加えて 1.0リットル 1.0リットル pH 5.0−8.0 5.0−8.0
【0228】表3、表4より、本発明の試料は高感度
で、粒状性、鮮鋭性、色再現性に優れ、かつ露光後、現
像までの間の写真性変化が少なく、色像保存性が良好で
あることが分かる。また一般式(A)で表わされる例示
化合物(11)及び(18)を併せて用いることによ
り、これら性能(とくに粒状性、感度)の点で好ましい
ことが分かる。
【0229】実施例2乳剤6(本発明) 0.04Mの臭化カリウムを含有する0.7重量%のゼ
ラチン溶液1リットル中にゼラチンを含んだ2Mの硝酸
銀水溶液とゼラチンを含んだ2Mの臭化カリウム水溶液
を30℃で激しく攪拌しながら1分間で各25ccを同
時に混合した。この後75℃に昇温し、10重量%ゼラ
チン溶液300cc添加した。次に1Mの硝酸銀水溶液
30ccを5分間かけて添加し、その後、25重量%の
アンモニア水を10cc添加し、75℃で熟成を行っ
た。熟成終了後アンモニアを中和した後1Mの硝酸銀水
溶液と1Mの臭化カリウム水溶液をpBrを2.3に保
ちながら加速された流速(終了時の流速が開始時の5
倍)で同時混合した。(使用した硝酸銀水溶液の量は、
600ccであった。)この乳剤を常法のフロキュレー
ション法で水洗し、分散ゼラチンを添加して800gの
六角平板状ハロゲン化銀乳剤を得た(種乳剤−A)。こ
の種乳剤−Aは、平均投影面積円相当径(粒子サイズ)
が1.0μm、平均厚さが0.18μmで変動係数が1
1%の単分散六角平板状粒子であった。次に、この種乳
剤−Aを250gとり、蒸留水800cc、ゼラチン3
0g、及び臭化カリウム6.5gを加え、75℃に加温
し、攪拌した中に、1Mの硝酸銀水溶液と1Mのハロゲ
ン化アルカリ水溶液(臭化カリウム90モル%に対して
沃化カリウム10モル%で混合してある)をpBrを
1.6に保ちながら加速された流速(終了時の流速が開
始時の3倍)で同時混合した。(使用した硝酸銀水溶液
の量は600ccであった。)さらに1Mの硝酸銀水溶
液と、1Mの臭化カリウム水溶液を、同時にpBrを
1.6に保ちながら加速された流速(終了時の流速が開
始時の1.5倍)で同時混合を続けた。(使用した硝酸
銀水溶液量は200ccであった。)
【0230】この乳剤を前述の方法で水洗し、分散ゼラ
チンを添加して、単分散六角平板状ハロゲン化銀乳剤
(乳剤6)を得た。得られた乳剤6は、全投影面積の9
2%が六角平板状粒子によって占められており、この六
角平板状粒子の平均粒子サイズは1.75μm、平均厚
さは0.29μm、平均アスペクト比は6:1で変動係
数は16%であった。
【0231】乳剤7(本発明) 乳剤6と同様にして、ただし、2回目の1Mの硝酸銀水
溶液の量を20ccにし、アンモニア水の添加量を8c
cにして、種乳剤−Bを得た、次に、この種乳剤−Bを
乳剤6と同様にして成長させた。ただし成長のpBrは
1.5に保った。得られた乳剤は、全投影面積の90%
が六角平板状粒子によって占められており、この六角平
板状粒子の平均サイズは2.1μm、平均厚さは0.2
1μm、平均アスペクト比は10:1で変動係数は19
%であった。
【0232】乳剤8(本発明) 乳剤6の調製方法において、2回目の1Mの硝酸銀水溶
液の量を30ccから10ccに変更し、アンモニア水
の添加を行わず、さらに、3回目のpBrを2.3から
1.7に変更することによって種乳剤−Cを得た。次に
この種乳剤−Cを乳剤6と同じ方法で成長させることに
よって乳剤8を得た。得られた乳剤8は、全投影面積の
62%が六角平板状粒子によって占められており、この
六角平板状粒子の平均サイズは2.0μm、平均厚さは
0.17μm、平均アスペクト比は12:1で変動係数
は37%であった。
【0233】乳剤6、7、8及び1に増感色素I、IV、
V、VIをモル比で0.2:0.1:0.3で混合したも
のを各乳剤における飽和吸着量の70%になる量を加
え、60℃で20分間保持した後、60℃にてpH6.
5でチオ硫酸ナトリウム、塩化金酸及びチオシアン酸カ
リウムを用いて各々最適に化学増感した。こうして表5
に示す、乳剤6−1、乳剤7−1、乳剤8−1及び乳剤
1−1を得た。
【0234】
【表5】
【0235】(試料201〜204)試料101の第9
層の乳剤1を乳剤6−1、7−1、8−1及び1−1に
置き換え、かつ第9層にEX−8を0.010g/m2
添加し、さらに第9層に添加してある増感色素IV、V、
VIを除去して試料201〜204を作製した。 (試料205〜212)試料201〜204の第7層、
第8層、第9層、第11層及び第12層のEX−8を本
発明のカプラー(2)及び(42)に置き換えて試料2
05〜212を作製した。 (試料213〜214)試料209の第9層の乳剤6−
1を表6に示すように他の乳剤と混合して試料213、
214を作製した。
【0236】これら試料のマゼンタ画像の相対感度RM
S値、MTF値を実施例1に準じて求めた。ただし、性
能を評価する現像処理には下記のものを用いた。これら
の結果を表6にまとめた。
【0237】 処理方法 工程 処理時間 処理温度 *補充量 タンク容量 発色現像 3分15秒 37.8℃ 25ml 10リットル 漂 白 45秒 38℃ 5ml 4リットル 漂白定着(1) 45秒 38℃ − 4リットル 漂白定着(2) 45秒 38℃ 30ml 4リットル 水 洗(1) 20秒 38℃ − 2リットル 水 洗(2) 20秒 38℃ 30ml 2リットル 安 定 20秒 38℃ 20ml 2リットル 乾 燥 1分 55℃ *補充量は35mm幅1m当たりの量
【0238】漂白定着及び水洗の各工程はそれぞれ
(2)から(1)への向流方式であり、また漂白液のオ
ーバーフロー液は全て漂白定着(2)へ導入した。な
お、上記処理における漂白定着液の水洗工程への持込量
は35mm巾の感光材料1m長さ当り2mlであった。
【0239】 (発色現像液) 母液(g) 補充液(g) ジエチレントリアミン五酢酸 5.0 6.0 亜硫酸ナトリウム 4.0 5.0 炭酸カリウム 30.0 37.0 臭化カリウム 1.3 0.5 沃化カリウム 1.2mg − ヒドロキシルアミン硫酸塩 2.0 3.6 4−〔N−エチル−N−β−ヒドロ キシエチルアミノ〕−2−メチル アニリン硫酸塩 4.7 6.2 水を加えて 1.0リットル 1.0リットル pH 10.00 10.15
【0240】 (漂白液) 母液(g) 補充液(g) 1,3−ジアミノプロパン四酢酸 第2鉄アンモニウム−水塩 144.0 206.0 1,3−ジアミノプロパン四酢酸 2.8 4.0 臭化アンモニウム 84.0 120.0 硝酸アンモニウム 17.5 25.0 アンモニア水(27%) 10.0ml 1.8ml 酢酸(98%) 51.1 73.0 水を加えて 1.0リットル 1.0リットル pH 4.3 3.4
【0241】 (漂白定着液) 母液(g) 補充液(g) エチレンジアミン四酢酸第二鉄アン モニウム二水塩 50.0 − エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 5.0 25.0 亜硫酸アンモニウム 12.0 20.0 チオ硫酸アンモニウム水溶液 (700g/リットル) 290.0ml 320.0ml アンモニア水(27%) 6.0ml 15.0ml 水を加えて 1.0リットル 1.0リットル pH 6.8 8.0
【0242】(水洗水)母液、補充液共通 水道水をH型強酸性カチオン交換樹脂(ロームアンドハ
ース社製アンバーライトIR−120B)と、OH型強
塩基性アニオン交換樹脂(同アンバーライトIRA−4
00)を充填した混床式カラムに通水してカルシウム及
びマグネシウムイオン濃度を3mg/リットル以下に処
理し、続いて二塩化イソシアヌール酸ナトリウム20m
g/リットルと硫酸ナトリウム150mg/リットルを
添加した。この液のpHは6.5〜7.5の範囲にあっ
た。
【0243】 (安定液)母液、補充液共通 (単位g) 界面活性剤 1.2ml 〔C10H21-O-(CH2CH2O)10-H〕 エチレングリコール 0.4 水を加えて 1.0リットル pH 5.0〜7.0
【0244】
【表6】
【0245】表6より、本発明の試料は本発明外の乳剤
を用いた試料に対し高感度で粒状性、鮮鋭性に優れるこ
と、本発明のカプラーを用いていない試料に比べ脱銀
性、粒状性、鮮鋭性に優れることが明らかである。また
六角平板化率の高い乳剤6−1、7−1を用いた試料は
感度、粒状性、脱銀性の点で好ましいことが分かる。
【0246】実施例3 試料113の第11層及び第12層のカプラーEX−9
を本発明のカプラー(3)、(10)、(13)、(1
6)及び(43)に等モルで置き換えた試料301〜3
05を作製し、実施例1の現像を行ったところ、良好な
発色濃度と粒状性を示した。
【0247】実施例4 以下の実施例において、本発明の化合物をイエローカプ
ラーとして用いた場合に、発色性が優れているために、
イエローカプラーの使用量を減らすことができ、かつ優
れた色像保存性が得られることを示す。本発明の化合物
のこのような使用法と本発明の平板乳剤を組み合わせて
用いることにより、鮮鋭度を著しく向上させることがで
きることを示す。さらに転位線を有する平板乳剤を用い
ることにより耐圧力性も向上させて好ましい結果が得ら
れることを示す。
【0248】乳剤の調製 沃化カリウム6g、不活性ゼラチン23gを蒸留水3.
7リットルに溶かした水溶液をよく攪拌しながら、これ
にダブルジェット法により、14%の臭化カリウム水溶
液と20%の硝酸銀水溶液とを一定流量で1分間にわた
って、45℃、pAg9.6の条件下で加えた(この添
加(I)で全銀量の2.40%を消費した)。次いで、
ゼラチン水溶液(17%、3300cc)を加えて45
℃で攪拌した後、20%の硝酸銀水溶液pAgが8.4
0に達するまで一定流量で加えた(この添加(II)で全
銀量の5.0%を消費した)。温度を75℃に上げて2
5%のNH3 水溶液35μlを添加して15分間保った
後、1NのH2 SO4 を510μl添加して中和した。
さらに沃化カリウム8.3gが添加されるように沃化カ
リウムを含む20%の臭化カリウム溶液及び33%の硝
酸銀水溶液をダブルジェット法によって、80分間にわ
たって加えた(この添加(III) で全銀量の92.6%を
消費した)。この間、温度を75℃、pAgを8.10
に保持した。また、この乳剤に使用した硝酸銀量は42
5gであり、次いで通常のフロキュレーション法により
脱塩した後、増感色素S−5及びS−6の存在下で金・
硫黄増感を最適に行い、平板状AgBrI(AgI=
2.0モル%)乳剤−1を調製した。乳剤−2は、上記
乳剤−1の調製手順において、添加(III) で用いたハロ
ゲン溶液から沃化カリウムを除き、1%の臭化カリウム
水溶液830mlを、添加(III) の途中、全銀量の40
%を消費した時点で硝酸銀と臭化カリウムの溶液の添加
を中断して、約90秒間にわたって添加し、残りの添加
(III) の流量を3倍にした以外は同様の方法によって調
整した。
【0249】乳剤−3を、上記乳剤−2の調製手順にお
いて、沃化カリウム水溶液の添加直前に臭化カリウム水
溶液を添加し、pAgを9.0に調節した以外は同様の
方法によって調製した。
【0250】乳剤−4を、前記乳剤−2の調製手順にお
いて、沃化カリウム水溶液の添加直前に温度を30℃と
した以外は同様の方法によって調製した。(沃化カリウ
ム水溶液添加後の臭化カリウムと硝酸銀水溶液のダブル
ジェット法添加は、30℃、pAg8.1の条件で行っ
た。)以上により調製した乳剤−1〜4の球相当径は、
どれも0.7μmと同等であり、平均粒子直径/粒子厚
み比は6.5〜7.0の範囲であった。
【0251】乳剤−1〜4について、特願昭63−22
0238号の実施例1−(2)に記載されている方法に
従って、透過型電子顕微鏡を用いて直接的な転位の観察
を行った。その結果、乳剤−1には転位は観察されなか
った。乳剤−2〜4には、50%個数以上の粒子に10
本以上の転位線が観察された。また、乳剤−2に対し
て、乳剤−3、4は、転位線が粒子間で均一に観察され
る傾向にあった。さらに、乳剤−1〜4について、欧州
特許第147868A号に記載の方法に従って粒子間ヨ
ード分布を求めた。その結果を表7に示した。
【0252】
【表7】
【0253】試料401の作製 フィルムの両面に下塗りを施した厚み205μの三酢酸
セルロースフィルム支持体上に、下記のような組成の各
層よりなる多層カラー感光材料を作成し、試料401と
した。各組成の塗布量は、試料1m2 当たりの値を示し
た。なおハロゲン化銀、コロイド銀については、当量の
銀に換算した重量を示した。
【0254】 第1層:ハレーション防止層 黒色コロイド銀 0.25g ゼラチン 1.9g 紫外線吸収剤U−1 0.04g 紫外線吸収剤U−2 0.1g 紫外線吸収剤U−3 0.1g 紫外線吸収剤U−4 0.1g 紫外線吸収剤U−6 0.1g 添加剤P−1 0.1g 添加剤F−10 0.2g 高沸点有機溶媒Oil−1 0.1g
【0255】 第2層:中間層 ゼラチン 0.40g 化合物Cpd−D 10mg 染料D−4 0.4mg 高沸点有機溶媒Oil−3 40mg 染料D−6 0.1g
【0256】 第3層:中間層 添加剤M−1 0.05g ゼラチン 0.4g
【0257】 第4層:低感度赤感乳剤層 乳剤A 銀量 0.2g 乳剤B 0.3g 添加剤F−14 1mg ゼラチン 0.8g 化合物Cpd・K 0.05g カプラーC−1 0.15g カプラーC−2 0.05g カプラーC−9 0.05g カプラーC−10 0.10g 化合物Cpd−D 10mg 添加剤F−2 0.1mg 高沸点有機溶媒Oil−2 0.10g 添加剤F−12 0.5mg
【0258】 第5層:中感度赤感性乳剤層 乳剤B 銀量 0.2g 乳剤C 銀量 0.3g ゼラチン 0.8g 添加剤F−13 0.05mg カプラーC−1 0.2g カプラーC−2 0.05g カプラーC−3 0.2g 添加剤F−2 0.1mg 高沸点有機溶媒Oil−2 0.1g
【0259】 第6層:高感度赤感性乳剤層 乳剤D 銀量 0.4g ゼラチン 1.1g カプラーC−3 0.7g カプラーC−1 0.3g 添加剤P−1 0.1g 添加剤F−1 0.1mg
【0260】 第7層:中間層 ゼラチン 0.6g 混色防止剤Cpd−L 0.05g 添加剤F−1 1.5mg 添加剤F−7 2.0mg 添加剤Cpd−N 0.02g 添加剤M−1 0.3g 混色防止剤Cpd−K 0.05g 紫外線吸収剤U−1 0.1g 紫外線吸収剤U−6 0.1g 染料D−1 0.02g 染料D−6 0.05g
【0261】 第8層:中間層 表面及び内部をかぶらせた沃臭化銀乳剤 (平均粒径0.06μm、変動係数16%、 AgI含量0.3モル%) 銀量 0.02g ゼラチン 1.0g 添加物P−1 0.2g 混色防止剤Cpd−J 0.1g 混色防止剤Cpd−M 0.05g 混色防止剤Cpd−A 0.1g
【0262】 第9層:低感度緑感性乳剤層 粒子内部をかぶらせた沃臭化銀乳剤(平均粒径0.1μm、 AgI含量0.1モル%) 銀量 0.05g 乳剤E 銀量 0.3g 乳剤F 銀量 0.1g 乳剤G 銀量 0.1g ゼラチン 0.5g カプラーC−4 0.20g カプラーC−7 0.10g カプラーC−8 0.10g カプラーC−11 0.10g 化合物Cpd−B 0.03g 化合物Cpd−E 0.02g 化合物Cpd−F 0.02g 化合物Cpd−G 0.02g 化合物Cpd−H 0.02g 化合物Cpd−D 10mg 添加剤F−5 0.1mg 添加剤F−3 0.2mg 添加剤F−11 0.5mg 高沸点有機溶媒Oil−2 0.2g
【0263】 第10層:中感度緑感性乳剤層 乳剤G 銀量 0.3g 乳剤H 銀量 0.1g ゼラチン 0.6g カプラーC−4 0.1g カプラーC−7 0.1g カプラーC−8 0.1g カプラーC−11 0.05g 化合物Cpd−B 0.03g 化合物Cpd−E 0.02g 化合物Cpd−F 0.02g 化合物Cpd−G 0.05g 化合物Cpd−H 0.05g 添加剤F−5 0.08mg 高沸点有機溶媒Oil−2 0.01g
【0264】 第11層:高感度緑感性乳剤層 乳剤I 銀量 0.5g ゼラチン 1.1g カプラーC−4 0.4g カプラーC−7 0.2g カプラーC−8 0.2g カプラーC−12 0.1g カプラーC−9 0.05g 化合物Cpd−B 0.08g 化合物Cpd−E 0.02g 化合物Cpd−F 0.02g 化合物Cpd−G 0.02g 化合物Cpd−H 0.02g 添加剤F−2 0.3mg 高沸点有機溶媒Oil−2 0.04g 添加剤F−13 0.05mg
【0265】 第12層:中間層 ゼラチン 0.8g 添加剤F−1 2.0mg 添加剤F−8 2.0mg 染料D−1 0.1g 染料D−3 0.07g 染料D−8 0.03g 染料D−2 0.05g
【0266】 第13層:イエローフィルター層 黄色コロイド層 銀量 0.1g ゼラチン 1.3g 染料D−5 0.05g 混色防止剤Cpd−A 0.01g 添加剤F−4 0.3mg 高沸点有機溶媒Oil−1 0.01g 染料D−7 0.03g 添加剤M−2 0.01g
【0267】 第14層:中間層 ゼラチン 0.6g 染料D−9 0.02g
【0268】 第15層:低感度青感性乳剤層 乳剤K 銀量 0.2g 乳剤L 銀量 0.2g ゼラチン 0.9g カプラーC−5 0.6g 添加剤F−2 0.2mg 添加剤F−5 0.4mg 添加剤F−8 0.05mg
【0269】 第16層:中感度青感性乳剤層 乳剤L 銀量 0.1g 乳剤M 銀量 0.4g ゼラチン 0.7g カプラーC−6 0.5g 添加剤F−2 0.04mg 添加剤F−8 0.04mg
【0270】 第17層:高感度青感性乳剤層 乳剤N 銀量 0.4g ゼラチン 0.7g カプラーC−6 0.5g 添加剤F−2 0.4mg 添加剤F−8 0.02mg 添加剤F−9 1mg
【0271】 第18層:第1保護層 ゼラチン 0.9g 紫外線吸収剤U−1 0.04g 紫外線吸収剤U−2 0.01g 紫外線吸収剤U−3 0.03g 紫外線吸収剤U−4 0.03g 紫外線吸収剤U−5 0.05g 紫外線吸収剤U−6 0.05g 高沸点有機溶媒Oil−1 0.02g ホルマリンスカベンジャー Cpd−C 0.2g Cpd−I 0.4g エチルアクリレートのラテックス分散物 0.05g 染料D−3 0.05g 添加剤Cpd−J 0.02g 添加剤F−1 1.0mg 添加剤Cpd−N 0.01g 添加剤F−6 1.0mg 添加剤F−7 0.5mg 添加剤M−2 0.05g
【0272】 第19層:第2層保護層 ゼラチン 0.7g 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.06μm、変動係数16%、 AgI含量1.0モル%) 0.1g ポリメチルメタクリレート(平均粒径1.5μm) 0.1g メチルメタクリレートとアクリル酸の1:1の共重合体 (平均粒径1.5μm) 0.1g シリコーンオイル 0.03g 界面活性剤W−1 3.0mg 界面活性剤W−2 0.03g
【0273】 第20層:バック層 ゼラチン 10g 紫外線吸収剤U−1 0.05g 紫外線吸収剤U−2 0.02g 高沸点有機溶媒Oil−1 0.01g
【0274】 第21層:バック保護層 ゼラチン 5g ポリメチルメタクリレート(平均粒径1.5μm) 0.03g メチルメタクリレートとアクリル酸の4:6の共重合体 (平均粒径1.5μm) 0.1g 界面活性剤W−1 1mg 界面活性剤W−2 10mg
【0275】各ハロゲン化銀乳剤層には、添加剤F−1
を添加した。また、各層には上記組成物以外にゼラチン
硬化剤H−1及び塗布用界面活性剤W−3及びW−4
を、乳化用界面活性剤W−5またはW−6を添加した。
さらに、防腐・防黴剤としてフェノール1,2−ベンズ
イソチアゾリン−3−オン、2−フェノキシエタノー
ル、イソチオシアン酸フェニル、及びフェネチルアルコ
ールを添加した。本実施例で用いた化合物の構造式を下
記に示す。
【0276】
【化53】
【0277】
【化54】
【0278】
【化55】
【0279】
【化56】
【0280】
【化57】
【0281】
【化58】
【0282】
【化59】
【0283】
【化60】
【0284】
【化61】
【0285】
【化62】
【0286】
【化63】
【0287】
【化64】
【0288】
【化65】
【0289】
【化66】
【0290】
【化67】
【0291】
【化68】
【0292】
【化69】
【0293】
【化70】
【0294】
【化71】
【0295】
【化72】
【0296】
【化73】
【0297】試料101に用いた沃臭化銀乳剤は以下の
とおりである。 乳剤名 粒子の特徴 平均粒径 変動係数 AgI含率 (μm) (%) (%) A 単分散14面体粒子 0.35 16 4.5 B 単分散立方体内部潜型粒子 0.45 10 5.0 C 単分散14面体粒子 0.60 18 4.0 D 多分散双晶粒子、 平均アスペクト比1.5 1.10 25 3.0 E 単分散立方体粒子 0.30 17 4.0 F 単分散立方体粒子 0.40 16 4.0 G 単分散立方体内部潜型粒子 0.50 11 4.5 H 単分散14面体粒子 0.65 9 3.5 I 多分散双晶粒子、 平均アスペクト比1.5 1.20 28 3.0 K 単分散14面体粒子 0.60 17 2.0 L 単分散八面体粒子 0.80 14 2.0 M 単分散八面体粒子 1.00 18 4.0 N 多分散双晶粒子、 平均アスペクト比1.5 1.45 27 3.5
【0298】 乳剤A〜Nの分光増感 乳剤名 添加した増感 ハロゲン化銀1mol 増感色素を添加 色素 当りの添加量(g) した時期 A S−9 0.002 化学増感直後 S−1 0.125 化学増感直後 S−11 0.125 化学増感直後 B S−1 0.01 粒子形成終了直後 S−2 0.25 粒子形成終了直後 C S−1 0.02 化学増感直後 S−9 0.002 化学増感直後 S−2 0.25 化学増感直後 D S−11 0.10 化学増感開始直前 S−2 0.01 化学増感開始直前 S−7 0.01 化学増感開始直前 E S−3 0.5 化学増感直後 S−10 0.05 化学増感直後 S−4 0.1 化学増感直後 F S−3 0.3 化学増感直後 S−4 0.1 化学増感直後 G S−3 0.25 粒子形成終了直後 S−4 0.08 粒子形成終了直後 H S−3 0.2 粒子形成中 S−10 0.1 化学増感直後 S−4 0.06 粒子形成中 I S−3 0.3 化学増感開始直前 S−4 0.07 化学増感開始直前 S−8 0.1 化学増感開始直前 K S−5 0.2 粒子形成中 S−6 0.05 粒子形成中 L S−5 0.22 粒子形成終了直後 S−6 0.06 粒子形成終了直後 M S−5 0.15 化学増感直後 S−6 0.04 化学増感直後 N S−5 0.22 粒子形成終了直後 S−6 0.06 粒子形成終了直後
【0299】試料401の第16層、第17層のカプラ
ーC−6を等重量のC−5にかえた他は試料401と同
様の操作により試料402を作成した。試料401の第
16層、第17層のカプラーC−6を本発明の化合物
(46)にかえ、かつ塗布重量を80%に減じたほかは
試料401と同様の操作により試料403を作成した。
試料401〜403の第15層の乳剤K、L及び第16
層の乳剤Lにかえて乳剤1を同じ塗布銀量になるように
用いた以外は試料401〜403と同様にして試料40
4〜406を作成した。試料406の第15層及び第1
6層に用いた乳剤1のかわりに、乳剤2を用いて試料4
07、乳剤3を用いて試料408、乳剤4を用いて試料
409を作成した。
【0300】以上により得られた試料401〜409を
下記処理工程により現像処理し、以下の写真特性を求め
た。未露光部のイエロー濃度を測定しDmax(Y)と
した。また、未露光の試料を一定角度で折り曲げた後、
現像処理して、圧力による濃度変化を調べた。また、像
様露光した試料を現像処理後、80℃70%(暗室)下
に1週間保存してイエロー濃度の変化を調べて色像保存
性の評価を行った(色像保存性は現像処理後のイエロー
濃度3.0の部分の濃度変化を読み取った)。さらに鮮
鋭性については、慣用のMTF法でマゼンタ画像のMT
F値を測定した。以上の結果を表8に示す。
【0301】
【0302】処理液の組成は以下のものを用いる。 第一現像 水 700ml ニトリロ−N,N,N−トリメチレンホスホン酸−5− ナトリウム塩 2g 亜硫酸ナトリウム 30g ハイドロキノン・モノスルホン酸ナトリウム 20g 炭酸カリウム 33g 1−フェニル−4−メチル−4−ヒドロキシメチル−3− ピラゾリドン 2g 臭化カリウム 2.5g チオシアン酸カリウム 1.2g ヨウ化カリウム 2mg 水を加えて 1000ml
【0303】 反転液 水 700ml ニトリロ−N,N,N−トリメチレンホスホン酸−5− ナトリウム塩 3g 塩化第1スズ(2水塩) 1g p−アミノフェノール 0.1g 水酸化ナトリウム 8g 氷酢酸 15ml 水を加えて 1000ml
【0304】 発色現像液 水 700ml ニトリロ−N,N,N−トリメチレンホスホン酸−5− ナトリウム塩 3g 亜硫酸ナトリウム 7g リン酸3ナトリウム(12水塩) 36g 臭化カリウム 1g 沃化カリウム 90mg 水酸化ナトリウム 3g シトラジン酸 1.5g N−エチル−N−(β−メタンスルホンアミドエチル) −3−メチル−4−アミノアニリン・硫酸塩 11g 3,6−ジチアオクタン−1,8−ジオール 1g 水を加えて 1000ml
【0305】 調整水 水 700ml 亜硫酸ナトリウム 12g エチレンジアミン−テトラ酢酸ナトリウム(2水塩) 8g チオグリセリン 0.4ml 水を加えて 1000ml
【0306】 漂白液 水 800ml エチレンジアミンテトラ酢酸ナトリウム(2水塩) 2g エチレンジアミンテトラ酢酸鉄(III) アンモニウム(2水塩) 120g 臭化カリウム 100g 硝酸アンモニウム 10g 水を加えて 1000ml
【0307】 定着液 水 800ml チオ硫酸ナトリウム 80.0g 亜硫酸ナトリウム 5.0g 重亜硫酸ナトリウム 5.0g 水を加えて 1000ml
【0308】 安定液 水 800ml ホルマリン(37重量%) 5.0ml ポリオキシエチレン−p−モノノニル フェニルエーテル(平均重合度10) 0.5ml 水を加えて 1000ml
【0309】また、定着後の水洗を下記の水洗液で処理
しても同様の結果を得た。 水洗液 エチレンジアミン4酢酸二ナトリウム塩 0.4g 水を加えて 1000ml 水酸化ナトリウムで pH7.0
【0310】
【表8】
【0311】表8の結果より本発明のイエローカプラー
(46)を用いた試料においては、比較化合物C−6よ
りも20%少ない使用量で同等のDmax(Y)が得ら
れ、かつ比較化合物C−6を用いた試料に比べ褪色が小
さく優れた色像保存性を示しており、さらに良好なMT
F値を示した。比較化合物C−5を用いた試料は本発明
のイエローカプラー(46)を用いた試料よりイエロー
カプラーの塗布重量を20%多くしているにもかかわら
ずDmax(Y)が低く、かつ色像保存性、MTFにお
いても劣っている。
【0312】本発明の平板乳剤1〜4を用いることによ
りMTFは良化するが、特に本発明のイエローカプラー
(46)と組み合わせて用いたときの効果が大きい。本
発明のイエローカプラー(46)が平板乳剤1の使用に
より圧力性は悪化する傾向にあるが、この問題は転位線
を有する平板乳剤2の使用により大きく改善され、さら
に転位線を有し、かつ個々の沃化銀含有率のバラツキが
小さい乳剤3、4の使用によりさらに大きく改善され
る。
【0313】
【発明の効果】本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材
料は(a)高感度で粒状性、圧力性、色再現性、鮮鋭性
に優れる、(b)イエロー画像の保存性に優れる、
(c)保存期間中に写真性能の変動が少ない、(d)コ
ストが低廉で画質が優れる、という顕著な作用効果を奏
する。
【化21】
【化23】
【化21】
【化23】
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成3年11月12日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項2
【補正方法】変更
【補正内容】
【化3】(式中、Qは−SO、−COOM、−
OH、及び−NRから選ばれた少なくとも一種を
直接または間接に結合した複素環基を表わし、ここでM
、Mは独立して水素原子、アルカリ金属、四級アン
モニウム及び四級ホスニウムを表わし、R、R
水素原子またはアルキル基を表わす。)
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】前記X及びXが置換基を有するアルキ
ル、同アリールもしくは同複素環基を表わすとき、及
び、Xが>N−とともに形成する含窒素複素環基が置
換基を有するとき、それらの置換基の例として次のもの
が挙げられる。ハロゲン原子(例えばフッ素原子、クロ
ル原子)、アルコキシカルボニル基(炭素数2〜30、
好ましくは2〜20。例えばメトキシカルボニル、ドデ
シルオキシカルボニル、ヘキサデシルオキシカルボニ
ル)、アシルアミノ基(炭素数2〜30、好ましくは2
〜20。例えばアセトアミド、テトラデカンアミド、2
−(2,4−ジ−t−アミルフェノキシ)ブタンアミ
ド、ベンズアミド)、スルホンアミド基(炭素数1〜3
0、好ましくは1〜20。例えばメタンスルホンアミ
ド、ドデカンスルホンアミド、ヘキサデシルスルホンア
ミド、ベンゼンスルホンアミド)、カルバモイル基(炭
素数1〜30、好ましくは1〜20。例えばN−ブチル
カルバモイル、N,N−ジエチルカルバモイル)、N−
スルホニルカルバモイル基(炭素数1〜30、好ましく
は1〜20。例えばN−メシルカルバモイル、N−ドデ
シルスルホニルカルバモイル)、スルファモイル基(炭
素数1〜30、好ましくは1〜20。例えばN−ブチル
スルファモイル、N−ドデシルスルファモイル、N−ヘ
キサデシルスルファモイル、N−3−(2,4−ジ−t
−アミルフェノキシ)ブチルスルファモイル、N,N−
ジエチルスルファモイル)、アルコキシ基(炭素数1〜
30、好ましくは1〜20。例えばメトキシ、ヘキサデ
シルオキシ、イソプロポキシ)、アリールオキシ基(炭
素数6〜20、好ましくは6〜10。例えばフェノキ
シ、4−メトキシフェノキシ、3−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシフェノキシ、ナフトキシ)、アリールオキシカ
ルボニル基(炭素数7〜21、好ましくは7〜11。例
えばフェノキシカルボニル)、N−アシルスルファモイ
ル基(炭素数2〜30、好ましくは2〜20。例えばN
−プロパノイルスルファモイル、N−テトラデカノイル
スルファモイル)、スルホニル基(炭素数1〜30、好
ましくは1〜20。例えばメタンスルホニル、オクタン
スルホニル、4−ヒドロキシフェニルスルホニル、ドデ
カンスルホニル)、アルコキシカルボニルアミノ基(炭
素数1〜30、好ましくは1〜20。例えばエトキシカ
ルボニルアミノ)、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル
基、ヒドロキシル基、スルホ基、アルキルチオ基(炭素
数1〜30、好ましくは1〜20。例えばメチルチオ、
ドデシルチオ、ドデシルカルバモイルメチルチオ)、ウ
ド基(炭素数1〜30、好ましくは1〜20。例え
ばN−フェニルウレイド、N−ヘキサデシルウレイ
ド)、アリール基(炭素数6〜20、好ましくは6〜1
0。例えばフェニル、ナフチル、4−メトキシフェニ
ル)、複素環基(炭素数1〜20、好ましくは1〜1
0。ヘテロ原子として例えばチッ素原子、酸素原子又は
硫黄原子を少なくとも一個以上含み3〜12員環、好ま
しくは5もしくは6員環の、単環もしくは縮合環。例え
ば2−ピリジル、3−ピラゾリル、1−ピロリル、2,
4−ジオキソー1,3−イミダゾリジン−1−イル、2
−ベンズオキサゾリル、モルホリノ、インドリル)、ア
ルキル基(炭素数1〜30、好ましくは1〜20の、直
鎖、分岐、環状、飽和、不飽和。例えばメチル、エチ
ル、イソプロピル、シクロプロピル、t−ペンチル、t
−オクチル、シクロペンチル、t−ブチル、s−ブチ
ル、ドデシル、2−ヘキシルデシル)、アシル基(炭素
数1〜30、好ましくは2〜20。例えばアセチル、ベ
ンゾイル)、アシルオキシ基(炭素数2〜30、好まし
くは2〜20。例えばプロパノイルオキシ、テトラデカ
ノイルオキシ)、アリールチオ基(炭素数6〜20、好
ましくは6〜10。例えばフェニルチオ、ナフチルチ
オ)、スルファモイルアミノ基(炭素数0〜30、好ま
しくは0〜20。例えばN−ブチルスルファモイルアミ
ノ、N−ドデシルスルファモイルアミノ、N−フェニル
スルファモイルアミノ)またはN−スルフォニルスルフ
ァモイル基(炭素数1〜30、好ましくは1〜20。例
えばN−メシルスルファモイル、N−エタンスルファモ
イル、N−ドデカンスルホニルスルファモイル、N−ヘ
キサデカンスルホニルスルファモイル)が挙げられる。
上記の置換基はさらに置換基を有してもよい。その置換
基の例としてはここで挙げた置換基が挙げられる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】一般式(I)及び(II)においてZで示
される基としては、従来知られているカップリング離脱
基のいずれであってもよい。好ましいZとしては、窒素
原子でカップリング位と結合する含窒素複素環基、芳香
オキシ基、芳香族チオ基、複素環オキシ基、複素環チ
オ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルキ
ルチオ基またはハロゲン原子が挙げられる。これらの離
脱基は、非写真性有用基または写真性有用性もしくはそ
の前駆体(例えば現像抑制剤、現像促進剤、脱銀促進
剤、カブラセ剤、色素、硬膜剤、カプラー、現像主薬酸
化体スカベンジャー、蛍光色素、現像主薬または電子移
動剤)のいずれであってもよい。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0045
【補正方法】変更
【補正内容】
【0045】
【化23】
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0085
【補正方法】変更
【補正内容】
【0085】本発明の前記乳剤は、ハロゲン化銀粒子の
個数の50%が1粒子当たり10本以上の転位を含むこ
とが好ましい。平粒子の転位は、たとえばJ.F.H
amilton,Phot Sci.Eng.,11,
57,(1967)やT.Shiozawa,J.So
c.Phot.Sci Japan,35,213(1
972)に記載の、低温での透過型電子顕微鏡を用いた
直接的な方法により観察することができる。すなわち、
乳剤から、粒子に転位が発生するほどの圧力をかけない
よう注意して取り出したハロゲン化銀粒子を、電子顕微
鏡観察用のメッシュにのせ、電子線による損傷(プリン
トアウト等)を防ぐように試料を冷却した状態で透過法
により観察を行う。このとき、粒子の厚みが厚いほど、
電子線が透過しにくくなるので、高圧型(0.25μm
の厚さの粒子に対し200KV)の電子顕微鏡を用いた
方がより鮮明に観察することができる。このような方法
によって得られた粒子の写真から、主平面に対して垂直
方向から見た場合の各粒子についての転位の位置及び数
を用いることができる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0089
【補正方法】変更
【補正内容】
【0089】平板粒子のハロゲン組成に関する構造につ
いては、X線回折、EPMA(XMAという名称もあ
る)法(電子線でハロゲン化銀粒子を走査して、ハロゲ
ン化銀組成を検出する方法)、ESCA(XPSという
名称もある)法(X線を照射し粒子表面から出てくる光
電子を分光する方法)などを組み合わせることにより確
認できる。本発明において粒子表面とは、表面より50
程度の深さまでの領域をいう。このような領域のハロ
ゲン組成は、通常ESCA法により測定することができ
る。粒子内部とは、上記の表面領域以外の領域をいう。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0245
【補正方法】変更
【補正内容】
【0245】表6より、本発明の試料は本発明外の乳剤
を用いた試料に対し高感度で粒状性、鮮鋭性に優れるこ
と、本発明のカプラーを用いていない試料に比べ粒
性、鮮鋭性に優れることが明らかである。また六角平板
化率の高い乳剤6−1、7−1を用いた試料は感度、粒
性の点で好ましいことが分かる。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0248
【補正方法】変更
【補正内容】
【0248】乳剤の調製 化カリウム6g、不活性ゼラチン23gを蒸留水3.
7リットルに溶かした水溶液をよく撹拌しながら、これ
にダブルジェット法により、14%の臭化カリウム水溶
液と20%の硝酸銀水溶液とを一定流量で1分間にわた
って、45℃、pAg9.6の条件下で加えた(この添
加(I)で全銀量の2.40%を消費した)。次いで、
ゼラチン水溶液(17%、3300cc)を加えて45
℃で撹拌した後、20%の硝酸銀水溶液pAgが8.4
0に達するまで一定流量で加えた(この添加(II)で
全銀量の5.0%を消費した)。温度を75℃に上げて
25%のNH水溶液35μ1を添加して15分間保っ
た後、1NのHSOを510μ1添加して中和し
た。さらに沃化カリウム8.3gが添加されるように沃
化カリウムを含む20%の臭化カリウム溶液及び33%
の硝酸銀水溶液をダブルジェット法によって、80分間
にわたって加えた(この添加(III)で全銀量の9
2.6%を消費した)。この間、温度を75℃、pAg
を8.10に保持した。また、この乳剤に使用した硝酸
銀量は425gであり、次いで通常のフロキュレーショ
ン法により脱塩した後、増感色素S−5及びS−6の存
在下で金・硫黄増感を最適に行い、平板状AgBrI
(AgI=2.0モル%)乳剤−1を調製した。乳剤−
2は、上記乳剤−1の調製手順において、添加(II
I)で用いたハロゲン溶液から沃化カリウムを除き、1
%の化カリウム水溶液830mlを、添加(III)
の途中、全銀量の40%を消費した時点で硝酸銀と臭化
カリウムの溶液の添加を中断して、約90秒間にわたっ
て添加し、残りの添加(III)の流量を3倍にした以
外は同様の方法によって調整した。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0297
【補正方法】変更
【補正内容】
【0297】試料401に用いた沃臭化銀乳剤は以下の
とおりである。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に少なくとも一層の感光性乳剤
    層を有するハロゲン化銀カラー写真感光材料において、
    該乳剤層のハロゲン化銀粒子の全投影面積の少なくとも
    50%が平均アスペクト比が2以上の平板粒子であり、
    かつ少なくとも1層に下記一般式(I)で表わされるカ
    プラー及び/または下記一般式(II)で表わされるカプ
    ラーを含有することを特徴とするハロゲン化銀カラー写
    真感光材料。一般式(I) 【化1】 一般式(II) 【化2】 (式中、X1 及びX2 は各々アルキル基、アリール基ま
    たは複素環基を表わし、X3 は>N−とともに含窒素複
    素環基を形成する有機残基を表わし、Yはアリール基ま
    たは複素環基を表わし、Zは該一般式で示されるカプラ
    ーが現像主薬酸化体と反応したとき離脱する基を表わ
    す。)
  2. 【請求項2】 一般式(A)で表わされる化合物を含有
    することを特徴とする請求項1に記載のハロゲン化銀カ
    ラー写真感光材料。一般式(A) 【化3】 (式中、Qは−SO32 、−COOM2 、−OH、及
    び−NR1 2 から選ばれた少なくとも一種を直接また
    は間接に結合した複素環基を表わし、ここでM1、M2
    は独立して水素原子、アルカリ金属、四級アンモニウム
    及び四級ホスニウムを表わし、R1 、R2 は水素原子ま
    たはアルキル基を表わす。)
  3. 【請求項3】 前記ハロゲン化銀粒子の粒径に係わる変
    動係数が0.25以下である単分散乳剤であることを特
    徴とする請求項1または請求項2に記載のハロゲン化銀
    カラー写真感光材料。
  4. 【請求項4】 前記ハロゲン化銀粒子の全投影面積の5
    0%が平行な二面を外表面として有し、最小の長さを有
    する辺の長さの比が2以下の六角平板状ハロゲン化銀粒
    子であることを特徴とする請求項1、2または3に記載
    のハロゲン化銀カラー写真感光材料。
  5. 【請求項5】 前記ハロゲン化銀粒子を二種以上また
    は、該ハロゲン化銀粒子とそれに該当しないハロゲン化
    銀粒子とを同一感光性層に含有することを特徴とする請
    求項1に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。
  6. 【請求項6】 前記ハロゲン化銀粒子を二種以上又は、
    該ハロゲン化銀粒子とそれに該当しないハロゲン化銀粒
    子とを同一感光性層に含有することを特徴とする請求項
    3に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。
  7. 【請求項7】 前記ハロゲン化銀粒子を二種以上又は、
    該ハロゲン化銀粒子とそれに該当しないハロゲン化銀粒
    子とを同一感光性層に含有することを特徴とする請求項
    4に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。
  8. 【請求項8】 ハロゲン化銀粒子の個数の50%が1粒
    子当り10本以上の転位を含むことを特徴とする請求項
    1ないし7に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。
  9. 【請求項9】 前記ハロゲン化銀粒子の個々の沃化銀含
    有率の相対標準偏差が30%以下であることを特徴とす
    る請求項8に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。
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