JP2672211B2 - ハロゲン化銀カラー写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀カラー写真感光材料

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JP2672211B2 JP3193667A JP19366791A JP2672211B2 JP 2672211 B2 JP2672211 B2 JP 2672211B2 JP 3193667 A JP3193667 A JP 3193667A JP 19366791 A JP19366791 A JP 19366791A JP 2672211 B2 JP2672211 B2 JP 2672211B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ハロゲン化銀写真感光
材料に関し、特に新規なカプラーによる色像堅牢性、色
再現性の改良に加え、さらに高い発色濃度と高い感度を
与え、粒状性を改良した撮影用ハロゲン化銀カラー写真
感光材料に係わる。
【0002】
【従来の技術】ハロゲン化銀カラー写真感光材料(以下
単に感光材料と略称する)、特に撮影用カラー感光材料
においては高感度で高い発色濃度を与え、得られる色画
像の画質(色再現性,粒状性,鮮鋭度)や色像保存性に
優れた感光材料が要望されている。
【0003】このカラー写真画像を形成するイエローカ
プラーとしては、一般に活性メチレン(メチン)基を有
するアシルアセトアニリド型カプラー、例えばベンゾイ
ルアセトアニリド系やピバロイルアセトアニリド系カプ
ラーが知られているが、これらのカプラーから得られる
発色色素の分子吸光係数は低いため発色濃度が低く、そ
れ故感光材料の単位面積当りの塗布量を多くしなければ
ならないという問題があった。さらにはカップリング活
性、色像堅牢性、色相などこれらを全て満足させること
が出来ず、これらを兼備したカプラーの開発が望まれて
いた。
【0004】上述のアシルアセトアニリド型カプラーに
対し、本発明のイエローカプラーと類似のマロンジアミ
ド型カプラーとして、例えば仏国特許第1,558,4
52号に記載がみられるが、該特許に公示されているカ
プラーは活性位が酸素原子を介して離脱する基を有して
いる、いわゆるO−離脱型2当量カプラーであり、かつ
拡散性のカプラーを主とするものである。さらにマロン
ジアミド型カプラーで機能性カプラーとしては、現像抑
制剤放出型(DIR)カプラーが、例えば特開昭52−
69624号に、マロニジアニリド型で米国特許第4,
149,886号、同第4,477,563号、特開平
1−250950号に記載されている。しかし、米国特
許第4,149,886号、同第4,477,563号
には具体的な本発明にかかわる化合物の記載はない。ま
たこの中にあって、特開昭52−69624号では具体
的な効果の記載がみられない。しかも上述の各特許に記
載されているカプラーについては、使用したときに一部
改良の効果は見られるものの画像保存性、特に高温・高
湿下に保存した場合に堅牢性の低下がまだ大きいという
問題があり、イエロー色素の長波長側(緑色域)の吸収
濃度が高く色再現性を劣化するという問題がある。ま
た、なかにはカップリング活性が低く、使用が困難であ
るという問題のあることもわかった。
【0005】一方、感光材料に非感色性の微粒子ハロゲ
ン化銀粒子を含有する層を設けて、高感度化あるいは粒
状性、処理安定性を改良したり、高い発色濃度を得るこ
とが公開されている。例えば、特開昭59−16013
5号には同一感色性をもち、かつ感度の異なる少なくと
も2つの乳剤層を有し、そのなかの2つの乳剤層の間に
各乳剤層に隣接して非感光性のハロゲン化銀粒子含有層
を設置することが記載されている。特開昭60−194
450号には各感光層の層配列規定し、最も高感度の青
感性乳剤層の支持体に近いほうに非感光性親水コロイド
層を設け、この最も高感度の青感乳剤層および/または
該コロイド層に非感色性の微粒子ハロゲン化銀を含有す
る層を設けることが記載されている。また、特開昭61
−77848号にはアシルアセトアニリド型2当量イエ
ローカプラーを含有し、単分散性であるハロゲン化銀粒
子を含む乳剤層に近接して支持体に近い側に非感光性の
微粒子ハロゲン化銀粒子を含有する非感光性コロイド層
を設けることが記載されている。さらに、特開昭62−
187839号には青感性乳剤層と青感性乳剤層より支
持体に近いところに位置する非感光性層あるいは感色性
の異なる乳剤層に同時に隣接して非感光性層のハロゲン
化銀乳剤層を設置することが提示されている。
【0006】しかし、これら公開公報に示されているイ
エローカプラーは、先に述べたベンゾイルアセトアニリ
ド型かピバロイルアセトアニリド型カプラーであって、
これらのカプラーは先に記したように発色濃度が低く、
カップリング活性、色像堅牢性、色相などを同時に満足
させるカプラーではない。また、機能性のDIRカプラ
ーについても上に述べたイエローカプラー母核であった
り、マロンジアニリド型やインダノン系化合物を用いた
ものであって、色再現性やカップリング活性などに問題
がある。
【0007】しかも、これらの引例した公開公報から
は、本発明にかかわるカプラーを類推できる記載は全く
見い出すことはできない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
のイエローカプラーにおいては得られる発色色素の分子
吸光係数が小さいがために発色濃度が低く、また、カッ
プリング活性、色像堅牢性、色相などを同時に満足でき
るカプラーではなかった。さらに機能性カプラーにおい
ても色像堅牢性や色相に問題があった。それにこれらの
カプラーを用い、非感色性の微粒子ハロゲン化銀粒子を
含有する層を設けて、高感度化あるいは粒状性、処理安
定性を改良しても上述の問題は解決されるものではな
い。
【0009】従って、本発明は色像堅牢性および色再現
性を改良し、より高い発色濃度を与え、粒状性、感光材
料の経時保存性をも改良したハロゲン化銀カラー写真感
光材料を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題は、以下に述べ
る手段により解決できた。
【0011】本発明に係るハロゲン化銀カラー写真感光
材料は、支持体上に少なくとも一層の感光性ハロゲン化
銀乳剤層を有するハロゲン化銀カラー写真感光材料にお
いて、下記化7の現像主薬酸化体と反応して耐拡散性色
素を形成する一般式(I)または下記化8の現像主薬酸
化体と反応して耐拡散性色素を形成する一般式(II)で
表わされるカプラーを含有し、前記感光性ハロゲン化銀
乳剤層および/または該層の支持体に近い側の隣接層
に、実質的に非感光性の微粒子ハロゲン化銀粒子を含有
することを特徴とするものである。
【0012】
【化7】 式中、X1 およびX2 は各々アルキル基、アリール基ま
たは複素環基を表し、Yはアリール基または複素環基を
表し、Zは前記一般式(I)で示されるカプラーが現像
主薬酸化体と反応したとき離脱する基を表す。
【0013】
【化8】 式中、X3 は>N−とともに含窒素複素環を形成する有
機残基を表し、Yはアリール基または複素環基を表し、
Zは前記一般式(II)で示されるカプラーが現像主薬酸
化体と反応したとき離脱する基を表す。
【0014】前記感光性ハロゲン化銀乳剤層は、青感性
ハロゲン化銀乳剤層であることが好ましい。
【0015】前記感光性ハロゲン化銀乳剤層の支持体に
近い側の隣接層は、非感光性層もしくは青感性以外の感
色性層であることが好ましい。
【0016】また、本発明に係るハロゲン化銀カラー写
真感光材料は支持体上に、同一の感色性で感度の異なる
2以上のハロゲン化銀乳剤層を有するハロゲン化銀カラ
ー写真感光材料において、その中の2つのハロゲン化乳
剤層に同時に隣接する実質的に非感光性微粒子ハロゲン
化銀粒子を含有する層を有し、前記一般式(I)または
前記一般式(II)で表わされるカプラーを含有すること
を特徴とするものである。
【0017】前記実質的に非感光性微粒子ハロゲン化銀
粒子を含有する層は、非感光性であることを許容する。
【0018】さらに、本発明に係るハロゲン化銀カラー
写真感光材料は支持体上に、それぞれ感度の異なる2以
上の赤感性、緑感性、および青感性ハロゲン化銀乳剤層
を有するハロゲン化銀カラー写真感光材料において、下
記(1)ないし(4)の条件をすべて満たし、かつ、前
記一般式(I)または前記一般式(II)で表わされるカ
プラーを含有することを特徴とするものである。
【0019】(1)前記支持体から最も遠い側に設けら
れた感光性ハロゲン化銀乳剤層が、最も感度の高い青感
性ハロゲン化銀乳剤層(BH)であり、(2)最も感度
の高い緑感性ハロゲン化銀乳剤層(GH)および最も感
度の高い赤感性ハロゲン化銀乳剤層(RH)を、前記B
Hと前記BHより感度の低い青感性ハロゲン化銀乳剤層
(Bh)との間に有し、(3)前記Bhに関し、前記支
持体からより遠い側には、最も感度の低い赤感性、緑感
性、および青感性ハロゲン化銀乳剤層(それぞれRL、
GL、およびBL)は存在せず、(4)前記BHに隣接
して非感光性層を有し、該BHおよび/または該非感光
性層に実質的に非感光性の微粒子ハロゲン化銀粒子を含
有する。
【0020】次に、前記一般式(I)および(II)で示
されるカプラーについて詳しく述べる。
【0021】X1 およびX2 がアルキル基を表すとき、
炭素数1〜30、好ましくは1〜20の、直鎖、分岐、
環状、飽和、不飽和、置換または無置換のアルキル基で
ある。アルキル基の例としてはメチル、エチル、プロピ
ル、ブチル、シクロプロピル、アリル、t−オクチル、
i−ブチル、ドデシル、2−ヘキシルデシルが挙げられ
る。
【0022】X1 およびX2 が複素環基を表すとき、こ
の複素環基は、炭素数が1〜20、好ましくは1〜10
であり、ヘテロ原子として例えば窒素原子、酸素原子ま
たは硫黄原子を少なくとも一個以上含む、3〜12、好
ましくは5もしくは6員環の、飽和もしくは不飽和、置
換もしくは無置換、並びに単環もしくは縮合環の複素環
基である。複素環基の例としては、3−ピロリジニル、
1,2,4−トリアゾール−3−イル、2−ピリジル、
4−ピリミジニル、3−ピラゾリル、2−ピロリル、
2,4−ジオキソ−1,3−イミダゾリジン−5−イル
またはピラニルが挙げられる。
【0023】X1 およびX2 がアリール基を表すとき、
炭素数6〜20、好ましくは6〜10の置換または無置
換のアリール基を表す。アリール基の例としてはフェニ
ル、ナフチルが代表例である。
【0024】X3 が>N−とともに形成する含窒素複素
環基を表すとき、この複素環基は、炭素数が1〜20、
好ましくは1〜15であり、ヘテロ原子として窒素原子
以外に、例えば酸素原子または硫黄原子を含んでもよ
い、3〜12員環、好ましくは5もしくは6員環の、置
換もしくは無置換、飽和もしくは不飽和、並びに単環も
しくは縮合環の複素環基である。この複素環基の例とし
ては、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、1−ピペ
ラジニル、1−インドリニル、1,2,3,4−テトラ
ヒドロキノリン−1−イル、1−イミダゾリジニル、1
−ピラゾリル、1−ピロリニル、1−ピラゾリジニル、
2,3−ジヒドロ−1−インダゾリル、2−イソインド
リニル、1−インドリル、1−ピロリル、4−チアジン
−S,S−ジオキソ−4−イルまたはベンズオキサジン
−4−イルが挙げられる。
【0025】前記XおよびXが置換基を有するアル
キル、同アリールもしくは同複素環基を表すとき、およ
び、Xが>N−とともに形成する含窒素複素環基が置
換基を有するとき、それらの置換基の例としては次のも
のが挙げられる。ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩
素)、アルコキシカルボニル基(炭素数2〜30、好ま
しくは2〜20。例えばメトキシカルボニル、ドデシル
オキシカルボニル、ヘキサデシルオキシカルボニル)、
アシルアミノ基(炭素数2〜30、好ましくは2〜2
0。例えばアセトアミド、テトラデカンアミド、2−
(2,4−ジ−t−アミルフェノキシ)ブタンアミド、
ベンズアミド)、スルホンアミド基(炭素数1〜30、
好ましくは1〜20。例えばメタンスルホンアミド、ド
デカンスルホンアミド、ヘキサデシルスルホンアミド、
ベンゼンスルホンアミド)、カルバモイル基(炭素数1
〜30、好ましくは1〜20。例えばN−ブチルカルバ
モイル、N,N−ジエチルカルバモイル)、N−スルホ
ニルカルバモイル基(炭素数1〜30、好ましくは1〜
20。例えばN−メシルカルバモイル、N−ドデシルス
ルホニルカルバモイル)、スルファモイル基(炭素数1
〜30、好ましくは1〜20。例えばN−ブチルスルフ
ァモイル、N−ドデシルスルファモイル、N−ヘキサデ
シルスルファモイル、N−3−(2,4−ジ−t−アミ
ルフェノキシ)ブチルスルファモイル、N,N−ジエチ
ルスルファモイル)、アルコキシ基(炭素数1〜30、
好ましくは1〜20。例えばメトキシ、ヘキサデシルオ
キシ、イソプロポキシ)、アリールオキシ基(炭素数6
〜20、好ましくは6〜10。例えばフェノキシ、4−
メトキシフェノキシ、3−t−ブチル−4−ヒドロキシ
フェノキシ、ナフトキシ)、アリールオキシカルボニル
基(炭素数7〜21、好ましくは7〜11。例えばフェ
ノキシカルボニル)、N−アシルスルファモイル基(炭
素数2〜30、好ましくは2〜20。例えばN−プロパ
ノイルスルファモイル、N−テトラデカノイルスルファ
モイル)、スルホニル基(炭素数1〜30、好ましくは
1〜20。例えばメタンスルホニル、オクタンスルホニ
ル、4−ヒドロキシフェニルスルホニル、ドデカンスル
ホニル)、アルコキシカルボニルアミノ基(炭素数
30、好ましくは〜20。例えばエトキシカルボニル
アミノ)、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、ヒド
ロキシル基、スルホ基、アルキルチオ基(炭素数1〜3
0、好ましくは1〜20。例えばメチルチオ、ドデシル
チオ、ドデシルカルバモイルメチルチオ)、ウレイド基
(炭素数1〜30、好ましくは1〜20。例えばN−フ
ェニルウレイド、N−ヘキサデシルウレイド)、アリー
ル基(炭素数6〜20、好ましくは6〜10。例えばフ
ェニル、ナフチル、4−メトキシフェニル)、複素環基
(炭素数1〜20、好ましくは1〜10。ヘテロ原子と
して、例えば窒素、酸素または硫黄を少なくとも一個以
上含み、3〜12、好ましくは5もしくは6員環の、単
環もしくは縮合環。例えば2−ピリジル、3−ピラゾリ
ル、1−ピロリル、2,4−ジオキソ−1,3−イミダ
ゾリジン−1−イル、2−ベンズオキサゾリル、モルホ
リノ、インドリル)、アルキル基(炭素数1〜30、好
ましくは1〜20の、直鎖、分岐もしくは環状、並びに
飽和もしくは不飽和アルキル、例えばメチル、エチル、
イソプロピル、シクロプロピル、t−ペンチル、t−オ
クチル、シクロペンチル、t−ブチル、s−ブチル、ド
デシル、2−ヘキシルデシル)、アシル基(炭素数
30、好ましくは2〜20。例えばアセチル、ベンゾイ
ル)、アシルオキシ基(炭素数2〜30、好ましくは2
〜20。例えばプロパノイルオキシ、テトラデカノイル
オキシ)、アリールチオ基(炭素数6〜20、好ましく
は6〜10。例えばフェニルチオ、ナフチルチオ)、ス
ルファモイルアミノ基(炭素数0〜30、好ましくは0
〜20。例えばN−ブチルスルファモイルアミノ、N−
ドデシルスルファモイルアミノ、N−フェニルスルファ
モイルアミノ)またはN−スルフォニルスルファモイル
基(炭素数1〜30、好ましくは1〜20。例えばN−
メシルスルファモイル、N−エタンスルフォニルスルフ
ァモイル、N−ドデカンスルホニルスルファモイル、N
−ヘキサデカンスルホニルスルファモイル)が挙げられ
る。上記の置換基はさらに置換基を有してもよい。その
置換基の例としてはここで挙げた置換基が挙げられる。
【0026】上記の中で好ましい置換基としては、アル
コキシ基、ハロゲン原子、アルコキシカルボニル基、ア
シルオキシ基、アシルアミノ基、スルホニル基、カルバ
モイル基、スルファモイル基、スルホンアミド基、ニト
ロ基、アルキル基またはアリール基がられる。
【0027】一般式(I)および(II)においてYがア
リール基を表すとき、Yは炭素数6〜20、好ましくは
6〜10の置換または無置換のアリール基である。例え
ばフェニル基およびナフチル基がその代表的な例であ
る。
【0028】一般式(I)および(II)においてYが複
素環基を表すとき、Yは、上述のX1 またはX2 が複素
環基を表すときの説明と同じ意味を有する。
【0029】上記Yが置換アリール基または置換複素環
基を表すとき、置換基の例としては、例えば、前記X1
が置換基を有するときの例として列挙した置換基が挙げ
られる。Yが有する置換基として好ましい例としては、
その置換基の一個が、ハロゲン原子、アルコキシカルボ
ニル基、スルファモイル基、カルバモイル基、スルホニ
ル基、N−スルホニルスルファモイル基、N−アシルス
ルファモイル基、アルコキシ基、アシルアミノ基、N−
スルホニルカルバモイル基、スルホンアミド基またはア
ルキル基であるときである。
【0030】Yとして特に好ましい例は、少なくとも一
個の置換基がオルト位にあるフェニル基である。
【0031】一般式(I)および(II)においてZで示
される基としては、従来知られているカップリング離脱
基のいずれであってもよい。好ましいZとしては、窒素
原子でカップリング位と結合する含窒素複素環基、アリ
ールオキシ基、アリールチオ基、複素環オキシ基、複素
環チオ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、ア
ルキルチオ基またはハロゲン原子が挙げられる。
【0032】これらの脱離基は、非写真性有用基または
写真性有用基もしくはその前駆体(例えば現像抑制剤、
現像促進剤、脱銀促進剤、カブラセ剤、色素、硬膜剤、
カプラー、現像主薬酸化体スカベンジャー、蛍光色素、
現像主薬または電子移動剤)のいずれであってもよい。
【0033】Zが写真性有用基であるとき、従来知られ
ているものが有用である。例えば米国特許第42489
62号、同4409323号、同4438193号、同
4421845号、同4618571号、同46525
16号、同4861701号、同4782012号、同
4857440号、同4847185号、同44775
63号、同4438193号、同4628024号、同
4618571号、同4741994号、ヨーロッパ公
開特許第193389A号、同348139A号または
同272573A号に記載の写真性有用基もしくはそれ
を放出するための離脱基(例えばタイミング基)が用い
られる。
【0034】Zがカップリング位と窒素原子で結合する
含窒素複素環基を表すとき、この含窒素複素環基は、炭
素数が1〜15、好ましくは1〜10である、5もしく
は6員環の、置換もしくは無置換、飽和もしくは不飽
和、並びに単環もしくは縮合環の複素環基であることが
好ましい。ヘテロ原子としては、窒素原子以外に、酸素
原子または硫黄原子を含んでもよい。複素環基の好まし
い具体例としては、1−ピラゾリル、1−イミダゾリ
ル、ピロリノ、1,2,3−トリアゾール−2−イル、
1,2,3−トリアゾール−1−イル、ベンゾトリアゾ
リル、ベンズイミダゾリル、イミダゾリジン−2,4−
ジオン−3−イル、オキサゾリジン−2,4−ジオン−
3−イル、1,2,4−トリアゾリジン−3,5−ジオ
ン−4−イル、イミダゾリジン−2,4,5−トリオン
−3−イル、2−イミダゾリノン−1−イル、3,5−
ジオキソモルホリノまたは1−インダゾリルが挙げられ
る。これらの複素環基が置換基を有するとき、その置換
基としては、前記X1 で示される基が有してもよい置換
基として列挙した置換基がその例として挙げられる。好
ましい置換基としては、置換基の一個がアルキル基、ア
ルコキシ基、ハロゲン原子、アルコキシカルボニル基、
アリールオキシカルボニル基、アルキルチオ基、アシル
アミノ基、スルホンアミド基、アリール基、ニトロ基、
カルバモイル基、シアノ基またはスルホニル基であると
きである。
【0035】Zがアリールオキシ基を表すとき、好まし
くは炭素数6〜10の置換または無置換のアリールオキ
シ基である。特に好ましくは置換または無置換のフェノ
キシ基である。置換基を有するとき、置換基の例として
は、前記Xで示される基が有してもよい置換基として
列挙した置換基がその例として挙げられる。その中で好
ましい置換基としては、少なくとも一個の置換基が電子
吸引性置換基である場合であり、その例としてはスルホ
ニル基、アルコキシカルボニル基、スルファモイル基、
ハロゲン原子、カルバモイル基、ニトロ基、シアノ基ま
たはアシル基が挙げられる。
【0036】Zがアリールチオ基を表すとき、好ましく
は炭素数6〜10の置換または無置換のアリールチオ基
である。特に好ましくは置換または無置換のフェニルチ
オ基である。置換基を有するとき、置換基の例として
は、前記Xで示される基が有してもよい置換基として
列挙した置換基がその例として挙げられる。その中で好
ましい置換基としては、少なくとも一個の置換基が、ア
ルキル基、アルコキシ基、スルホニル基、アルコキシカ
ルボニル基、スルファモイル基、ハロゲン原子、カルバ
モイル基、またはニトロ基であるときである。
【0037】Zが複素環オキシ基を表すとき、複素環基
の部分は、炭素数が1〜20、好ましくは1〜10であ
る、ヘテロ原子として例えば窒素原子、酸素原子または
硫黄原子を少なくとも1個以上含む、3〜12、好まし
くは5もしくは6員環の、置換もしくは無置換、飽和も
しくは不飽和、並びに単環もしくは縮合環の複素環基で
ある。複素環オキシ基の例としては、ピリジルオキシ
基、ピラゾリルオキシ基、またはフリルオキシ基が挙げ
られる。置換基を有するとき、置換基の例としては、前
記X1 で示される基が有してもよい置換基として列挙し
た置換基がその例として挙げられる。その中で好ましい
置換基としては、置換基一個がアルキル基、アリール
基、カルボキシル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ア
ルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、
アルキルチオ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、
ニトロ基、カルバモイル基、またはスルホニル基である
ときである。
【0038】Zが複素環チオ基を表すとき、複素環基の
部分は、炭素数が1〜20、好ましくは1〜10であ
る、ヘテロ原子として例えば窒素原子、酸素原子または
硫黄原子を少なくとも一個以上含む、3〜12、好まし
くは5もしくは6員環の、置換もしくは無置換、飽和も
しくは不飽和、並びに単環もしくは縮合環の複素環基で
ある複素環チオ基の例としては、テトラゾリルチオ基、
1,3,4−チアジアゾリルチオ基、1,3,4−オキ
サジアゾリジルチオ基、1,3,4−トリアゾリルチオ
基、ベンゾイミダゾリルチオ基、ベンゾチアゾリルチオ
基、または2−ピリジルチオ基が挙げられる。置換基を
有するとき、置換基の例としては、前記X1 で示される
基が有してもよい置換基として列挙した置換基がその例
として挙げられる。その中で好ましい置換基としては、
置換基の少なくとも一個がアルキル基、アリール基、カ
ルボキシル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、アルコキ
シカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキ
ルチオ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、ニトロ
基、カルバモイル基、ヘテロ環基またはスルホニル基で
あるときである。
【0039】Zがアシルオキシ基を表すとき、このアシ
ルオキシ基は、好ましくは炭素数が6〜10であり、単
環もしくは縮合環である、置換もしくは無置換のアリー
アシルオキシ基、または炭素数が2〜30、好ましく
は2〜20である置換もしくは無置換のアルキルアシル
オキシ基である。これらが置換基を有するとき、置換基
の例としては、前記Xで示される基が有してもよい置
換基として列挙した置換基がその例として挙げられる。
【0040】Zがカルバモイルオキシ基を表すとき、こ
のカルバモイルオキシ基は、炭素数1〜30、好ましく
は1〜20の、アルキルアリール、複素環、置換もし
くは無置換のカルバモイルオキシ基である。例えばN,
N−ジエチルカルバモイルオキシ、N−フェニルカルバ
モイルオキシ、1−イミダゾリルカルボニルオキシまた
は1−ピロロカルボニルオキシが挙げられる。これらが
置換基を有するとき、置換基の例としては、前記X
示される基が有してもよい置換基として列挙した置換基
がその例として挙げられる。
【0041】Zがアルキルチオ基を表すとき、このアル
キルチオ基は、炭素数1〜30、好ましくは1〜20
の、直鎖、分岐、飽和もしくは不飽和、並びに置換もし
くは無置換のアルキルチオ基である。置換基を有すると
き、置換基の例としては、前記X1 で示される基が有し
てもよい置換基として列挙した置換基がその例として挙
げられる。
【0042】次に一般式(I)および(II)で表わされ
るカプラーの特に好ましい範囲について以下に述べる。
【0043】一般式(I)においてX1 で示される基
は、好ましくはアルキル基である。特に好ましくは炭素
数1〜10のアルキル基である。
【0044】一般式(I)および(II)においてYで
示される基は、好ましくはアリール基である。特に好ま
しくは、オルト位に置換基を少なくとも一個有するフェ
ニル基である。置換基の説明は前記Yがアリール基であ
る時有してもよい置換基として列挙したものが挙げられ
る。好ましい置換基の例も同じである。
【0045】一般式(I)および(II)においてZで
示される基は、好ましくは5〜6員の、窒素原子でカッ
プリング位と結合する含窒素複素環基、アリールオキシ
基、5〜6員の複素環オキシ基、または5〜6員の複素
環チオ基が挙げられる。
【0046】一般式(I)または(II)で表わされるカ
プラーのうち、において好ましいカプラーは下記化9〜
化11の一般式(III)、(IV)または(V)で示される
カプラーである。
【0047】
【化9】
【0048】
【化10】
【0049】
【化11】 式中Zは一般式(I)における説明と同じ意味を表し、
はアルキル基を表し、Xはアルキル基もしくは
リール基を表し、Arはオルト位に少なくとも一個の置
換基を有するフェニル基を表し、Xは−C(R
)−N<とともに含窒素複素環基(単環または縮
合環)を形成する有機残基を表し、Xは−C(R
=C(R)−N<とともに含窒素複素環基(単環また
は縮合環)を形成する有機残基を表し、R、R、R
およびRは水素原子または置換基を表す。
【0050】一般式(III)〜(V)においてX4
7、ArおよびZで示される基の詳しい説明および好
ましい範囲については、一般式(I)および(II)で述
べた説明のなかで、該当する基の説明と同じ意味であ
る。R1 〜R4 が置換基を表すとき、前記X1 が有して
もよい置換基として列挙したものがその例として挙げら
れる。
【0051】前記一般式(III)〜(V)の中で特に好ま
しいカプラーは、一般式(IV)または(V)で表わされ
るカプラーである。
【0052】一般式(I)〜(V)で示されるカプラー
は、X1 〜X7 、Y、Ar、R1 〜R4 およびZで示さ
れる基において2価またはそれ以上の基を介して互いに
結合する2量体またはそれ以上の多量体(例えばテロマ
ーまたはポリマー)を形成してもよい。この場合、前記
の各置換基において示した炭素原子数範囲の規定外とな
ってもよい。
【0053】一般式(I)〜(V)で示されるカプラー
は、現像主薬酸化体と反応して耐拡散性色素を形成する
耐拡散型カプラーである。耐拡散型カプラーとは、添加
した層に分子を不動化させるために、十分に分子量を大
きくする基(耐拡散基)を分子中に有するカプラーのこ
とである。耐拡散基としては、通常、総炭素数8〜3
0、好ましくは10〜20のアルキル基または総炭素数
4〜20の置換基を有するアリール基が用いられる。こ
れらの耐拡散基は分子中のいずれに置換されていてもよ
く、また複数個有していてもよい。
【0054】以下に一般式(I)〜(V)で示されるイ
エローカプラーの具体例を示すが、本発明はこれらに限
定されるものではない。
【0055】
【化12】
【0056】
【化13】
【0057】
【化14】
【0058】
【化15】
【0059】
【化16】
【0060】
【化17】
【0061】
【化18】
【0062】
【化19】
【0063】
【化20】
【0064】
【化21】
【0065】
【化22】
【0066】
【化23】
【0067】
【化24】
【0068】
【化25】
【0069】
【化26】
【0070】
【化27】
【0071】
【化28】
【0072】
【化29】
【0073】
【化30】
【0074】
【化31】
【0075】
【化32】
【0076】
【化33】 なお、化30におけるY−56およびY−57、化31
におけるY−58、化32におけるY−63並びに化3
3におけるY64において、「}」は置換基がベンゾト
リアゾリル基の5位または6位に置換していることを示
す。
【0077】一般式(I)〜(V)で表わされる、本発
明に用いられるイエローカプラーは、以下のルートによ
って合成できる。 合成例−1
【0078】
【化34】 中間体Bの合成 化合物A357.5g(3.0モル)、化合物B39
6.3g(3.0モル)を酢酸エチル1.2リットル、
ジメチルホルムアミド0.6リットルに溶解した。撹拌
しながら、ジシクロヘキシルカルボジイミド631g
(3.06モル)のアセトニトリル(400ml)溶液
を15〜35℃で滴下した。20〜30℃で2時間反応
させた後、析出したジシクロヘキシル尿素を濾取した。
濾液に酢酸エチル500ml、水1リットルを入れ、水
層を除去した。次に、有機層を水1リットルで2回水洗
した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、酢酸
エチルを減圧留去し、油状物として中間体Aを692g
(98.9%)得た。
【0079】中間体A692g(2.97モル)をエチ
ルアルコール3リットルに溶解し、撹拌しながら、75
〜80℃で30%水酸化ナトリウム430gを滴下し
た。滴下後、同温度にて30分間反応させた後、析出し
た結晶を濾取した。(収量658g)この結晶を水5リ
ットルに懸濁し、撹拌しながら40〜50℃で濃塩酸3
00mlを滴下した。1時間、同温度で撹拌した後、結
晶を濾取し、中間体Bを579g(95%)得た。(分
解点127℃) 中間体Dの合成 中間体B45.1g(0.22モル)、化合物C86.
6g(0.2モル)を酢酸エチル400ml、ジメチル
アセトアミド200mlに溶解した。撹拌しながら、ジ
シクロヘキシルカルボジイミド66g(0.32モル)
のアセトニトリル(100ml)溶液を15〜30℃で
滴下した。20〜30℃で2時間反応させた後、析出し
たジシクロヘキシル尿素を濾取した。
【0080】濾液に酢酸エチル400ml、水600m
lを入れ、水層を除去した後、有機層を2回水洗した。
有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、酢酸エチル
を減圧留去し、油状物を162g得た。
【0081】この油状物を酢酸エチル100ml、n−
ヘキサン300mlから結晶化させ、中間体Dを108
g(87.1%)得た。この中間体Dの融点は、132
〜134℃であり、かつその元素分析値は下記表1に示
す通りである。
【0082】
【表1】 例示カプラーY−7の合成 中間体D49.6g(0.08モル)をジクロロメタン
300mlに溶解した。この溶液に塩化スルフリル1
1.4g(0.084モル)を10〜15℃で撹拌しな
がら滴下した。
【0083】同温度で30分間反応させた後、反応混合
物に5%の重炭酸ナトリウム水溶液200gを滴下し
た。有機層を分取した後、200mlの水で洗い、無水
硫酸ナトリウムで乾燥した。ジクロロメタンを減圧留去
し、油状物を47g得た。
【0084】この油状物47gをアセトニトリル200
mlに溶解し、これに化合物D28.4g(0.22モ
ル)とトリエチルアミン22.2g(0.22モル)を
撹拌しながら加えた。40〜50℃で4時間反応させた
後、水300mlに注加し、析出した油状物を酢酸エチ
ル300mlで抽出した。有機層を5%水酸化ナトリウ
ム水溶液200gで洗浄した後、更に2回水300ml
で水洗した。有機層を希塩酸で酸性にした後、2回水洗
し、減圧濃縮して残渣を得た。(収量70g)得られた
油状物質を酢酸エチル50ml、n−ヘキサン100m
lの混合溶液で結晶化させ、例示カプラーY−7を4
7.8g(80%)得た。この例示カプラーY−7は、
融点145〜147℃であり、かつその元素分析値は下
記表2に示す通りである。
【0085】
【表2】 合成例−2
【0086】
【化35】 中間体Eの合成 中間体B90.3g(0.44モル)、化合物E187
g(0.4モル)を酢酸エチル500ml、ジメチルホ
ルムアミド300mlに溶解した。撹拌しながら、ジシ
クロヘキシルカルボジイミド131.9g(0.64モ
ル)のアセトニトリル(200ml)溶液を15〜30
℃で滴下した。
【0087】20〜30℃で2時間反応させた後、析出
したジシクロヘキシル尿素を濾取した。濾液に酢酸エチ
ル500ml、水600mlを入れ、水層を除去した
後、有機層を2回水洗した。有機層を無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥した後、酢酸エチルを減圧留去し、油状物を2
81g得た。
【0088】これをn−ヘキサン1.5リットルで加熱
溶解し、不溶物を濾過して除いた。n−ヘキサン溶液を
水冷し、析出した中間体Eを濾取した。この中間体E
は、収量243.4g(93%)、融点103〜105
℃であり、かつその元素分析値は下記表3に示す通りで
ある。
【0089】
【表3】 例示カプラーY−16の合成 中間体E39.3g(0.06モル)をジクロロメタン
200mlに溶解した。この溶液に塩化スルフリル8.
7g(0.064モル)を10〜15℃で撹拌しながら
滴下した。
【0090】同温度で30分間反応させた後、反応混合
物に4%の重炭酸水素ナトリウム水溶液200gを滴下
した。有機層を分取した後、200mlの水で洗い、無
水硫酸ナトリウムで乾燥した。ジクロロメタンを減圧留
去し、油状物を41.3g得た。
【0091】この油状物41.3gをアセトニトリル1
00ml、ジメチルアセトアミド200mlに溶解し、
撹拌しながら化合物D20.8g(0.16モル)とト
リエチルアミン16.2gを加えた。30〜40℃で3
時間反応させた後、水400mlに注加し、析出した油
状物を酢酸エチル300mlで抽出した。有機層を2%
水酸化ナトリウム水溶液300gで洗浄した後、更に2
回水洗した。有機層を希塩酸で酸性にした後、2回水洗
し、減圧濃縮して残渣を42g得た。
【0092】これをメタノール200mlで結晶化さ
せ、例示カプラーY−16を39.8g(85%)得
た。この例示カプラーY−16は、融点110〜112
℃であり、かつその元素分析値は下記表4に示す通りで
ある。
【0093】
【表4】 合成例−3
【0094】
【化36】 中間体Fの合成 中間体B104.7g(0.51モル)、化合物F18
7.5g(0.5モル)を酢酸エチル1リットル、ジメ
チルホルムアミド400mlに溶解した。撹拌しなが
ら、ジシクロヘキシルカルボジイミド107.3g
(0.525モル)のジメチルホルムアミド(100m
l)溶液を15〜30℃で滴下した。20〜30℃で1
時間反応させた後、酢酸エチル500mlを加え、50
〜60℃に加熱し、ジシクロヘキシル尿素を濾取した。
【0095】濾液に水500mlを入れ、水層を除去し
た後、更に2回水洗した。有機層を無水硫酸ナトリウム
で乾燥した後、酢酸エチルを減圧留去し、油状物を29
0g得た。この油状物を酢酸エチル1リットル、メタノ
ール2リットルで加熱し、不溶解物を濾過して除き、濾
液を水冷すると中間体Fの結晶が析出したので濾取し
た。この中間体Fは、収量267g(95%)、融点1
63〜164℃であり、かつその元素分析値は下記表5
に示す通りである。
【0096】
【表5】 中間体Gの合成 中間体F114.0g(0.2モル)をジクロロメタン
500mlに溶解した。この溶液に塩化スルフリル2
8.4g(0.21モル)を10〜15℃で撹拌しなが
ら滴下した。
【0097】同温度で30分間反応させた後、反応混合
物に6%の重炭酸水素ナトリウム水溶液500gを滴下
した。有機層を分取した後、500mlの水で洗い、無
水硫酸ナトリウムで乾燥した。ジクロロメタンを減圧留
去すると、中間体Gが結晶として析出したので濾取し
た。収量108.6g(91%) 例示カプラーY−12の合成 中間体G29.8g(0.05モル)をジメチルホルム
アミド80mlに溶解し、化合物D12.9g(0.1
モル)を入れ、次にトリエチルアミン10.1g(0.
10モル)を20〜30℃で撹拌しながら滴下した。4
0〜45℃で1時間反応させた後、酢酸エチル300m
lと水200mlを入れた。有機層を2%の水酸化ナト
リウム水溶液400gで2回洗浄した後、更に1回水洗
した。有機層を希塩酸で酸性にした後、2回水洗し、減
圧濃縮して残渣を34g得た。これを酢酸エチル50m
l、n−ヘキサン150mlの混合溶媒で結晶化させ、
例示カプラーY−12を19g得た。
【0098】この結晶を酢酸エチル/n−ヘキサン=1
/3容積比の混合溶媒120mlで再結晶し、例示カプ
ラーY−12を15g(43.5%)得た。この例示カ
プラーY−12は、融点135〜136℃であり、かつ
その元素分析値は下記表6に示す通りである。
【0099】
【表6】 合成例−4
【0100】
【化37】 例示カプラーY−49の合成 化合物G27.0g(0.15モル)、トリエチルアミ
ン15.2g(0.15モル)をジメチルホルムアミド
50mlに溶解した。この混合物に中間体G29.8g
(0.05モル)のジメチルホルムアミド(30ml)
溶液を撹拌しながら滴下した。
【0101】30〜40℃で4時間反応させた後、酢酸
エチル400mlで水300mlを入れた。有機層を2
%水酸化ナトリウム水溶液400gで洗浄した後、更に
2回水洗した。有機層を希塩酸で酸性にした後、2回水
洗し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。酢酸エチルを減
圧留去し、残渣を54g得た。
【0102】これを酢酸エチル/メタノール(1/2容
積比)混合溶媒300mlで結晶化させ、例示カプラー
Y−49を濾取した。得られた結晶を酢酸エチル/メタ
ノール(1/2容積比)混合溶媒200mlで再結晶
し、例示カプラーY−49を28.8g(77.8%)
得た。この例示カプラーY−49は、融点190〜19
1℃であり、かつその元素分析値は下記表7に示す通り
である。
【0103】
【表7】 本発明において、一般式(I)〜(V)で表わされるイ
エローカプラーは、添加する層もしくは非感光性層の場
合隣接する層のハロゲン化銀1モル当たり、1.0〜
1.0×10−4モルの範囲で使用することができる。
好ましくは、5.0×10−1〜2.0×10−3モル
であり、より好ましくは4.0×10−1〜5.0×1
−3モルの範囲である。
【0104】本発明において、一般式(I)〜(V)で
表わされるイエローカプラーは、主カプラーとして用い
る場合は、青感性ハロゲン化銀乳剤層またはその隣接非
感光層に添加することが好ましい。写真性有用基を放出
するカプラーであるときは、目的に応じてハロゲン化銀
感光層や非感光性層に添加する。
【0105】本発明において、一般式(I)〜(V)で
表わされるイエローカプラーは、2種以上を併用するこ
ともできるし、他の公知のカプラーと併用することがで
きる。
【0106】本発明において、一般式(I)〜(V)で
表わされるカプラーは、種々の公知の分散方法により、
カラー感光材料に導入することができる。
【0107】公知分散方法の1つである水中油滴分散方
法では、低沸点の有機溶媒(例えば、酢酸エチル、酢酸
ブチル、メチルエチルケトン、イソプロパノール)を使
用して、微細な分散物を塗布し、乾膜中に実質的に低沸
点有機溶媒が残留しない方法を用いることができる。ま
た、高沸点有機溶媒を使用する場合には、常圧での沸点
が175℃以上のもののいずれを用いてもよく、1種ま
たは2種以上を任意に混合して用いることができる。一
般式(I)〜(V)で表わされるカプラーとこれら高沸
点有機溶媒との比は広範囲にとりえるが、カプラー1g
当たり5.0以下の重量比の範囲である。好ましくは0
〜2.0であり、より好ましくは0.01〜1.0の範
囲である。
【0108】また、後述のラテックス分散法も適用する
ことができる。
【0109】さらに、後に記載されている種々のカプラ
ーや化合物とも混合もしくは共存させて使用することが
できる。
【0110】次に、本発明の感光材料における層構成に
ついて述べる。
【0111】本発明の感光材料は、好ましくは青感乳剤
層、緑感乳剤層、赤感乳剤層の3種の感光性層を有す
る。また、緑感乳剤層と赤感乳剤層の青感性を減少させ
るためのイエローフィルター層、互いに感色性の異なる
感光層の間の現像時の混色を減少させるためのあるいは
同一感色層の間に中間層、ハレーションを防止するため
のハレーション防止層等の非感光性層を有してもよく、
色再現性を改良するために、例えば米国特許第4,66
3,271号、同第4,705,744号、同第4,7
07,436号、特開昭62−160448号、同63
−89850号に記載の青感乳剤層、緑感乳剤層、赤感
乳剤層などの主感光層と分光感度分布が異なる重層効果
のドナー層を主感光層に隣接もしくは近接して配置して
もよい。
【0112】各単位感光性層を構成する複数のハロゲン
化銀乳剤層は、西独特許第1,121,470号あるい
は英国特許第923,045号に記載されるように高感
度乳剤層、低感度乳剤層の2層構成を好ましく用いるこ
とができる。通常は、支持体に向かって順次感光度が低
くなる様に配列するのが好ましく、また各ハロゲン乳剤
層の間には非感光性層が設けられていてもよい。また、
特開昭57−112751号、同62−200350
号、同62−206541号、62−206543号に
記載されているように支持体より離れた側に低感度乳剤
層、支持体に近い側に高感度乳剤層を設置してもよい。
【0113】具体例として支持体から最も遠い側から、
低感度青感光性層(BL)/高感度青感光性層(BH)
/高感度緑感光性層(GH)/低感度緑感光性層(G
L)/高感度赤感光性層(RH)/低感度赤感光性層
(RL)の順、またはBH/BL/GL/GH/RH/
RLの順、またはBH/BL/GH/GL/RL/RH
の順に設置することができる。
【0114】また特公昭55−34932号公報に記載
されているように、支持体から最も遠い側から青感光性
層/GH/RH/GL/RLの順に配列することもでき
る。また特開昭56−25738号、同62−6393
6号明細書に記載されているように、支持体から最も遠
い側から青感光性層/GL/RL/GH/RHの順に配
列することもできる。
【0115】また特公昭49−15495号公報に記載
されているように上層に最も感光度の高いハロゲン化銀
乳剤層、中層にそれよりも低い感光度のハロゲン化銀乳
剤層、下層を中層よりも更に感光度の低いハロゲン化銀
乳剤層を配置し、支持体に向かって感光度が順次低めら
れた感光度の異なる3層から構成される配列が挙げられ
る。このような感光度の異なる3層から構成される場合
でも、特開昭59−202464号明細書に記載されて
いるように、同一感色性層中において支持体より離れた
側から中感度乳剤層/高感度乳剤層/低感度乳剤層の順
に配置されてもよい。
【0116】その他、高感度乳剤層/低感度乳剤層/中
感度乳剤層、あるいは低感度乳剤層/中感度乳剤層/高
感度乳剤層などの順に配置されていてもよい。また、4
層以上の場合にも、上記の如く配列を変えてよい。
【0117】本発明では、それぞれの感光材料の目的に
応じて上述したように種々の層構成・層配列を選択する
ことができる。
【0118】本発明においては、上記の種々の層構成・
層配列をとり得るなかで、少なくとも1層の感光性ハロ
ゲン化銀乳剤層および/または該感光性ハロゲン化銀乳
剤層に隣接する支持体に近い側の層に、実質非感光性微
粒子ハロゲン化銀粒子を含有するものである。
【0119】本発明の少なくとも1層の感光性ハロゲン
化銀乳剤層および/または該感光性ハロゲン化銀乳剤層
に隣接する支持体に近い側の層に、実質非感光性微粒子
ハロゲン化銀粒子を含有することに関して、さらに詳し
く説明する。
【0120】先に述べた種々の層構成・層配列のうち、
代表する基本的な好ましい例を下記表8に挙げる。
【0121】
【表8】 表8に示した代表する基本的な層構成・層配列におい
て、それぞれの感色性層は高感度と低感度の2層構成で
もって示したが、3層例えば高感度、中感度、低感度以
上の構成であってもよい。この場合には、例えばRHが
RH−1とRH−2となってもよく、また、RLがRL
−1とRL−2になってもよい。このとき、支持体上に
近い側から低感度層、中感度層、高感度層と配列される
のが好ましい。RH−1とRH−2、RL−1とRL−
2の間に必要に応じては中間層Mを設けてもよい。また
表8中の例1、例2におけるRとRH、GLとGH、
BLとBHの間に中間層Mを設けてもよい。さらに、A
HとRLの間やYFの支持体に近い側もしくは支持体か
ら遠い側に隣接して中間層を設けてもよく、保護層を含
めこれら非感光性層は2層以上互いに隣接して必要に応
じて設けることができる。
【0122】本発明は、上に示した代表する基本的な層
構成・層配列に従って説明すると、感光性ハロゲン化銀
乳剤層はBH、BL、GH、GL、RH、RLであっ
て、これらの少なくとも1層の感光性ハロゲン化銀乳剤
層および/または該感光性ハロゲン化銀乳剤層に隣接す
る支持体に近い側の層に、実質非感光性微粒子ハロゲン
化銀粒子を含有するものである。
【0123】前記感光性ハロゲン化銀乳剤層に隣接する
支持体に近い側の層は、表8に示した支持体に近い側の
層を含め、上に記述した必要に応じて設けることができ
る中間層などの非感光性層をも含むものである。
【0124】本発明においては、前記感光性ハロゲン化
銀乳剤層は好ましくは青感乳剤層(表8のBHおよびB
L)、緑感乳剤層の最も高感度層(表8のGH)、赤感
乳剤層の最も高感度層(表8のRH)である。より好ま
しくは、青感乳剤層(表8のBHおよびBL)である。
最も好ましいのは、青感乳剤層の最も高感度層である。
【0125】また、前記感光性ハロゲン化銀乳剤層に隣
接する支持体に近い側の層は、好ましくは非感光性層で
ある。より好ましくは先に説明した中間層であり、最も
好ましいのはカプラーやその他の化合物を含有しない単
なる親水性コロイド層である。
【0126】本発明は上に説明した態様における、少な
くとも1層の感光性ハロゲン化銀乳剤および/または該
感光性ハロゲン化銀乳剤層に隣接する支持体に近い側の
層に、実質非感光性微粒子ハロゲン化銀粒子を含有す
る。
【0127】次に、本発明の実質非感光性微粒子ハロゲ
ン化銀粒子について説明する。
【0128】本発明の実質非感光性微粒子ハロゲン化銀
粒子の実質非感光性とは、隣接する感光性ハロゲン銀の
うち最も低感度層の感度よりもlog 単位で0.5以上低
いことを意味する。1.0以上低いことがより好まし
い。
【0129】本発明の実質非感光性微粒子ハロゲン化銀
粒子は純塩化銀、純臭化銀、純沃化銀、塩臭化銀、沃臭
化銀あるいは塩沃臭化銀いづれでもよいが、現像時にこ
れらハロゲン化銀粒子が溶解されないことが好ましいこ
とから、塩化銀含量は低いことが望ましく、30モル%
以下が好ましい。これに対し、臭化銀含量は高い方が望
ましく60モル%以上が好ましい。沃化銀含量は40モ
ル%以下であり、10モル%以下が好ましい。特に沃化
銀含量が10モル%以下の沃臭化銀粒子が好ましい。
【0130】粒子サイズは、特に規定はしないが、好ま
しくは0.6μm以下である。さらに好ましくは0.0
4〜0.4μmの範囲である。この実質非感光性微粒子
ハロゲン化銀粒子の含有層が青感乳剤層、青感乳剤層間
または最も低感度の青感乳剤層の支持体に近い側の層で
ある場合には、好ましくは0.08〜0.25μmの範
囲である。実質非感光性微粒子ハロゲン化銀粒子の含有
層が緑感乳剤層、緑感乳剤層間または最も低感度の緑感
乳剤層の支持体に近い側の層である場合は、好ましくは
0.1〜0.3μmの範囲であり、含有層が赤感乳剤
層、赤感乳剤層間または最も低感度の赤感乳剤層の支持
体に近い側の層の場合には、好ましくは0.1〜0.4
μmの範囲である。本発明に用いられる実質非感光性微
粒子ハロゲン化銀粒子は比較的広い粒子サイズ分布をも
つことができるが、狭い粒子サイズ分布をもつことが好
ましく、特にハロゲン化銀粒子の重量または数に関して
全体の90%を占める粒子のサイズが平均粒子サイズの
±40以内にあることが好ましい。
【0131】本発明の実質非感光性微粒子ハロゲン化銀
粒子の塗布銀量は、1m3 当り0.03〜5.0gであ
り、好ましくは0.05〜1.0gである。実質非感光
性微粒子ハロゲン化銀粒子を含有する層が感光性乳剤層
以外の非感光性層である場合、この層のバインダーは親
水性ポリマーならなんでもよいが、特にゼラチンが好ま
しい。バインダー量は微粒子のハロゲン化銀1モル当り
250gより少いことが好ましい。
【0132】本発明に用いる実質非感光性微粒子ハロゲ
ン化銀粒子は、公知の方法を用いて調製することができ
る。すなわち、酸性法、中性法、アンモニア法などのい
づれでもよく、また可溶性銀塩と可溶性ハロゲン塩を反
応させる方式としては片側混合法、同時混合法、それら
の組み合せなどのいづれを用いてもよい。同時混合法の
1つの方式としてハロゲン化銀の生成される液相中のp
Agを一定に保持する方法、すなわちコントロール・ダ
ブルジェット法を用いることができる。本方法は粒子サ
イズの分布が狭いので本発明の実質非感光性微粒子ハロ
ゲン化銀粒子の調製法として好ましい。
【0133】本発明の実質非感光性微粒子ハロゲン化銀
粒子は立方体、八面体、十二面体、十四面体のような規
則的な結晶形を有するものでもよく、また球状、平板状
などの結晶形の粒子であってもよい。好ましくはアスペ
クト比2.0以上の平板状粒子である。ハロゲン化銀粒
子の内部と表面が異なるハロゲン組成から成り立ってい
ても、均一なハロゲン組成であってもよい。実質非感光
性微粒子ハロゲン化銀粒子には不純物としてカドミウム
イオン、鉛イオン、イリジウムイオン、ロジウムイオン
などを含ませてもよい。
【0134】実質非感光性微粒子ハロゲン化銀粒子は表
面潜像型でも内部潜像型でもよく、また内部にはカブリ
核を有するものでもよい。
【0135】実質非感光性微粒子ハロゲン化銀粒子は通
常の化学増感、すなわち硫黄増感、金増感、還元増感を
行ってもよいが、化学増感の程度はできるだけ控えた方
が望ましい。化学増感を行わない(いわゆる未後熟)乳
剤が本発明の微粒子ハロゲン化銀粒子として好ましい。
これらハロゲン化銀粒子の調製法、形状等については後
述でさらに詳しく説明する。
【0136】本発明の実質非感光性微粒子ハロゲン化銀
粒子には分光増感、すなわちシアニン色素、メロシアニ
ン色素、複合シアニン色素、複合メロシアニン色素、ホ
ロポーラーシアニン色素、ヘミシアニン色素、スチレン
色素およびヘミオキソノール色素など公知の色素を含ま
せてもよい。また減感が大きく通常のネガ乳剤では好ま
しくない減感色素でも用いることができる。
【0137】実質非感光性微粒子ハロゲン化銀粒子には
公知のカブリ防止剤や安定剤を含んでもよい。例えばア
ゾール類、ヘテロ環メルカプト化合物類、チオケト化合
物、アザインデン類、ベンゼンチオスルホン酸類、ベン
ゼンスルフィン酸などのカブリ防止剤または安定剤を添
加することができる。
【0138】本発明の実質非感光性微粒子ハロゲン化銀
粒子を含む層には染料を添加してもよく、また難溶性合
成ポリマーの分散物を含ませることができる。
【0139】本発明においては、一般式(I)または一
般式(II)で表わされるカプラーの少なくとも1種を含
有するハロゲン化銀カラー写真感光材料の、少なくとも
1層の感光性ハロゲン化銀乳剤層および/または該感光
性ハロゲン化銀乳剤層に隣接する支持体に近い側の層
に、実質非感光性微粒子ハロゲン化銀粒子を含有させる
ことにより、一般式(I)または(II)で表わされるカ
プラーの高い発色濃度に、さらにより高い発色濃度を与
えることができるものであり、先に引例した例えば特開
昭61−77848号に記載されているアシルアセトア
ニリド型2当量イエローカプラーに比べその濃度増加は
大きい。しかも、本発明の構成においては感光材料の経
時保存性に関しても安定性は高い。さらに粒状性をも改
良するものである。
【0140】次に本発明の感光材料に用いられる感光性
ハロゲン化銀乳剤層のハロゲン化銀について説明する。
【0141】本発明に用いられる写真感光材料の写真乳
剤層に含有される好ましいハロゲン化銀は約30モル%
以下のヨウ化銀を含む、ヨウ臭化銀、ヨウ塩化銀、もし
くはヨウ塩臭化銀である。特に好ましいのは約2モル%
から約10モル%までのヨウ化銀を含むヨウ臭化銀もし
くはヨウ塩臭化銀である。
【0142】写真乳剤中のハロゲン化銀粒子は、立方
体、八面体、十四面体のような規則的な結晶を有するも
の、球状、板状のような変則的な結晶形を有するもの、
双晶面などの結晶欠陥を有するもの、あるいはそれらの
複合形でもよい。
【0143】ハロゲン化銀の粒径は、約0.2μm以下
の微粒子でも投影面積直径が約10μmに至るまでの大
サイズ粒子でもよく、多分散乳剤でも単分散乳剤でもよ
い。
【0144】本発明に使用できるハロゲン化銀写真乳剤
は、例えばリサーチ・ディスクロージャー(RD)No.
17643(1978年12月)、22〜23頁、
“I.乳剤製造(Emulsion preparat
ion andtypes)”、および同No.1871
6(1979年11月)、648頁、同No.30710
5(1989年11月)、863〜865頁、およびグ
ラフキデ著「写真の物理と化学」、ポールモンテル社刊
(P.Glafkides,Chemie etPhi
sique Photographique,Paul
Montel,1967)、ダフィン著「写真乳剤化
学」,フォーカルプレス社刊(G.F.Duffin,
Photographic Emulsion Che
mistry(Focal Press,196
6))、ゼリクマンら著「写真乳剤の製造と塗布」、フ
ォーカルプレス社刊(V.L.Zelikman et
al.,Making and Coating P
hotographic Emulsion,Foca
l Press,1964)などに記載された方法を用
いて調製することができる。
【0145】米国特許第3,574,628号、同3,
655,394号および英国特許第1,413,748
号などに記載された単分散乳剤も好ましい。
【0146】また、アスペクト比が約3以上であるよう
な平板状粒子も本発明に使用できる。平板状粒子は、ガ
トフ著、フォトグラフィック・サイエンス・アンド・エ
ンジニアリング(Gutoff,Photograph
ic Science and Engineerin
g)、第14巻、248〜257頁(1970年);米
国特許第4,434,226号、同4,414,310
号、同4,433,048号、同4,439,520号
および英国特許第2,112,157号などに記載の方
法により簡単に調製することができる。
【0147】結晶構造は一様なものでも、内部と外部と
が異質なハロゲン組成からなるものでもよく、層状構造
をなしていてもよい、また、エピタキシャル接合によっ
て組成の異なるハロゲン化銀が接合されていてもよく、
また例えばロダン銀、酸化鉛などのハロゲン化銀以外の
化合物と接合されていてもよい。また種々の結晶形の粒
子の混合物を用いてもよい。
【0148】上記の乳剤は潜像を主として表面に形成す
る表面潜像型でも、粒子内部に形成する内部潜像型でも
表面と内部のいずれにも潜像を有する型のいずれでもよ
いが、ネガ型の乳剤であることが必要である。内部潜像
型のうち、特開昭63−264740号に記載のコア/
シェル型内部潜像型乳剤であってもよい。このコア/シ
ェル型内部潜像型乳剤の調製方法は、特開昭59−13
3542号に記載されている。この乳剤のシェルの厚み
は、現像処理等によって異なるが、3〜40nmが好ま
しく、5〜20nmが特に好ましい。
【0149】ハロゲン化銀乳剤は、通常、物理熟成、化
学熟成および分光増感を行ったものを使用する。このよ
うな工程で使用される添加剤はリサーチ・ディスクロー
ジャーNo.17643、同No.18716および同No.
307105に記載されており、その該当箇所を後掲の
表にまとめた。上述のこれらハロゲン化銀粒子の調製法
等に関しては先に述べた実質非感光性微粒子ハロゲン化
銀粒子にも粒子サイズを除いて適用することができる。
【0150】本発明の感光材料には、感光性ハロゲン化
銀乳剤の粒子サイズ、粒子サイズ分布、ハロゲン組成、
粒子の形状、感度の少なくとも1つの特性の異なる2種
類以上の乳剤を、同一層中に混合して使用することがで
きる。
【0151】米国特許第4,082,553号に記載の
粒子表面をかぶらせたハロゲン化銀粒子、米国特許第
4,626,498号、特開昭59−214852号に
記載の粒子内部をかぶらせたハロゲン化銀粒子、コロイ
ド銀を感光性ハロゲン化銀乳剤層および/または実質的
に非感光性の親水性コロイド層に好ましく使用できる。
粒子内部または表面をかぶらせたハロゲン化銀粒子と
は、感光材料の未露光部および露光部を問わず、一様に
(非像様に)現像が可能となるハロゲン化銀粒子のこと
をいう。粒子内部または表面をかぶらせたハロゲン化銀
粒子の調製法は、米国特許第4,626,498号、特
開昭59−214852号に記載されている。
【0152】粒子内部がかぶらされたコア/シェル型ハ
ロゲン化銀粒子の内部核を形成するハロゲン化銀は、同
一のハロゲン組成をもつものでも異なるハロゲン組成を
もつものでもよい。粒子内部または表面をかぶらせたハ
ロゲン化銀としては、塩化銀、塩臭化銀、沃臭化銀、塩
沃臭化銀のいずれをも用いることができる。これらのか
ぶらされたハロゲン化銀粒子の粒子サイズには特別な限
定はないが、平均粒子サイズとしては0.01〜0.7
5μm、特に0.05〜0.6μmが好ましい。また、
粒子形状については特に限定はなく、規則的な粒子でも
よく、また、多分散乳剤でもよいが、単分散(ハロゲン
化銀粒子の重量または粒子数の少なくとも95%が平均
粒子径の±40%以内の粒子径を有するもの)であるこ
とが好ましい。
【0153】本発明の感光材料の塗布銀量は、6.0g
/m2 以下が好ましく、4.5g/m2 以下が最も好ま
しい。
【0154】本発明に使用できる公知の写真用添加剤も
上記の3つのリサーチ・ディスクロージャーに記載され
ており、下記の表に関連する記載箇所を示した。
【0155】 添加剤の種類 RD17643 RD18716 RD307105 1 化学増感剤 23頁 648 頁右欄 866頁 2 感度上昇剤 648 頁右欄 3 分光増感剤、 23〜24頁 648 頁右欄〜 866 〜868 頁 強色増感剤 649 頁右欄 4 増 白 剤 24頁 647 頁右欄 868頁 5 かぶり防止剤、 24〜25頁 649 頁右欄 868 〜870 頁 安 定 剤 6 光吸収剤、 25〜26頁 649 頁右欄〜 873頁 フィルター染料、 650 頁左欄 紫外線吸収剤 7 ステイン防止剤 25頁右欄 650 頁左欄〜 872頁 右欄 8 色素画像安定剤 25頁 650 頁左欄 872頁 9 硬 膜 剤 26頁 651 頁左欄 874 〜875 頁 10 バインダー 26頁 651 頁左欄 873 〜874 頁 11 可塑剤、潤滑剤 27頁 650 頁右欄 876頁 12 塗布助剤、 26〜27頁 650 頁右欄 875 〜876 頁 表面活性剤 13 スタチック 27頁 650 頁右欄 876 〜877 頁 防止剤 14 マット剤 878 〜879 頁 また、ホルムアルデヒドガスによる写真性能の劣化を防
止するために、米国特許4,411,987号や同第
4,435,503号に記載されたホルムアルデヒドと
反応して、固定化できる化合物を感光材料に添加するこ
とが好ましい。
【0156】本発明の感光材料に、米国特許4,74
0,454号、同第4,788,132号、特開昭62
−18539号、特開平1−283551号に記載のメ
ルカプト化合物を含有させることが好ましい。
【0157】本発明の感光材料に、特開平1−1060
52号に記載の、現像処理によって生成した現像銀量と
は無関係に、かぶらせ剤、現像促進剤、ハロゲン化銀溶
剤またはそれらの前駆体を放出する化合物を含有させる
ことが好ましい。
【0158】本発明の感光材料に、国際公開WO88/
04794号、特開平1−502912号に記載された
方法で分散された染料またはEP317,308A号、
米国特許4,420,555号、特開平1−25935
8号に記載の染料を含有させることが好ましい。
【0159】本発明には種々のカラーカプラーを使用す
ることができ、その具体例は前出のリサーチ・ディスク
ロージャーNo.17643、VII −C〜G、および同N
o.307105、VII −C〜Gに記載された特許に記
載されている。
【0160】イエローカプラー(本発明の一般式(I)
たは一般式(II)で表わされるカプラーと併用できるカ
プラー)としては、例えば米国特許第3,933,50
1号、同第4,022,620号、同第4,326,0
24号、同第4,401,752号、同第4,248,
961号、特公昭58−10739号、英国特許第1,
425,020号、同第1,476,760号、米国特
許第3,973,968号、同第4,314,023
号、同第4,511,649号、欧州特許第249,4
73A号、等に記載のものが好ましい。
【0161】マゼンタカプラーとしては、5−ピラゾロ
ン系及びピラゾロアゾール系の化合物が好ましく、米国
特許第4,310,619号、同第4,351,897
号、欧州特許第73,636号、米国特許第3,06
1,432号、同第3,725,067号、リサーチ・
ディスクロージャーNo.24220(1984年6
月)、特開昭60−33552号、リサーチ・ディスク
ロージャーNo.24230(1984年6月)、特開昭
60−43659号、同61−72238号、同60−
35730号、同55−118034号、同60−18
5951号、米国特許第4,500,630号、同第
4,540,654号、同第4,556,630号、国
際公開WO88/04795号等に記載のものが特に好
ましい。
【0162】シアンカプラーとしては、フェノール系及
びナフトール系カプラーが挙げられ、米国特許第4,0
52,212号、同第4,146,396号、同第4,
228,233号、同第4,296,200号、同第
2,369,929号、同第2,801,171号、同
第2,772,162号、同第2,895,826号、
同第3,772,002号、同第3,758,308
号、同第4,334,011号、同第4,327,17
3号、西独特許公開第3,329,729号、欧州特許
第121,365A号、同第249,453A号、米国
特許第3,446,622号、同第4,333,999
号、同第4,775,616号、同第4,451,55
9号、同第4,427,767号、同第4,690,8
89号、同第4,254,212号、同第4,296,
199号、特開昭61−42658号等に記載のものが
好ましい。さらに、特開昭64−553号、同64−5
54号、同64−555号、同64−556号に記載の
ピラゾロアゾール系カプラーや、米国特許第4,81
8,672号に記載のイミダゾール系カプラーも使用す
ることができる。
【0163】ポリマー化された色素形成カプラーの典型
例は、米国特許第3,451,820号、同第4,08
0,211号、同第4,367,282号、同第4,4
09,320号、同第4,576,910号、英国特許
2,102,137号、欧州特許第341,188A号
等に記載されている。
【0164】発色色素が適度な拡散性を有するカプラー
としては、米国特許第4,366,237号、英国特許
第2,125,570号、欧州特許第96,570号、
西独特許(公開)第3,234,533号に記載のもの
が好ましい。
【0165】発色色素の不要吸収を補正するためのカラ
ード・カプラーは、リサーチ・ディスクロージャーNo.
17643のVII −G項、同No.307105のVII −
G項、米国特許第4,163,670号、特公昭57−
39413号、米国特許第4,004,929号、同第
4,138,258号、英国特許第1,146,368
号に記載のものが好ましい。また、米国特許第4,77
4,181号に記載のカップリング時に放出された蛍光
色素により発色色素の不要吸収を補正するカプラーや、
米国特許第4,777,120号に記載の現像主薬と反
応して色素を形成しうる色素プレカーサー基を離脱基と
して有するカプラーを用いることも好ましい。
【0166】カップリングに伴って写真的に有用な残基
を放出する化合物もまた本発明で好ましく使用できる。
現像抑制剤を放出するDIRカプラーは、本発明の一般
式(I)または一般式(II)で表わされるDIRカプラ
ーに加えて前述のRD17643、VII −F項及び同N
o.307105、VII −F項に記載された特許、特開
昭57−151944号、同57−154234号、同
60−184248号、同63−37346号、同63
−37350号、米国特許4,248,962号、同
4,782,012号に記載されたものが好ましい。
【0167】R.D.No.11449、同24241、
特開昭61−201247号等に記載の漂白促進剤放出
カプラーは、漂白能を有する処理工程の時間を短縮する
のに有効であり、特に、平板状ハロゲン化銀粒子を用い
る感光材料に添加する場合に、その効果が大である。現
像時に画像状に造核剤もしくは現像促進剤を放出するカ
プラーとしては、英国特許第2,097,140号、同
第2,131,188号、特開昭59−157638
号、同59−170840号に記載のものが好ましい。
また、特開昭60−107029号、同60−2523
40号、特開平1−44940号、同1−45687号
に記載の現像主薬の酸化体との酸化還元反応により、か
ぶらせ剤、現像促進剤、ハロゲン化銀溶剤等を放出する
化合物も好ましい。
【0168】その他、本発明の感光材料に用いることの
できる化合物としては、米国特許第4,130,427
号等に記載の競争カプラー、米国特許第4,283,4
72号、同第4,338,393号、同第4,310,
618号等に記載の多当量カプラー、特開昭60−18
5950号、特開昭62−24252号等に記載のDI
Rレドックス化合物放出カプラー、DIRカプラー放出
カプラー、DIRカプラー放出レドックス化合物もしく
はDIRレドックス放出レドックス化合物、欧州特許第
173,302A号、同第313,308A号に記載の
離脱後復色する色素を放出するカプラー、米国特許第
4,555,477号等に記載のリガンド放出カプラ
ー、特開昭63−75747号に記載のロイコ色素を放
出するカプラー、米国特許第4,774,181号に記
載の蛍光色素を放出するカプラー等が挙げられる。
【0169】本発明に使用するカプラーは、種々の公知
分散方法により感光材料に導入できる。
【0170】水中油滴分散法に用いられる高沸点溶媒の
例は米国特許第2,322,027号などに記載されて
いる。水中油滴分散法に用いられる常圧での沸点が17
5℃以上の高沸点有機溶剤の具体例としては、フタル酸
エステル類(例えば、ジブチルフタレート、ジシクロヘ
キシルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレー
ト、デシルフタレート、ビス(2,4−ジ−t−アミル
フェニル)フタレート、ビス(2,4−ジ−t−アミル
フェニル)イソフタレート、ビス(1,1−ジエチルプ
ロピル)フタレート)、リン酸またはホスホン酸のエス
テル類(例えば、トリフェニルホスフェート、トリクレ
ジルホスフェート、2−エチルヘキシルジフェニルホス
フェート、トリシクロヘキシルホスフェート、トリ−2
−エチルヘキシルホスフェート、トリドデシルホスフェ
ート、トリブトキシエチルホスフェート、トリクロロプ
ロピルホスフェート、ジ−2−エチルヘキシルフェニル
ホスホネート)、安息香酸エステル類(例えば、2−エ
チルヘキシルベンゾエート、ドデシルベンゾエート、2
−エチルヘキシル−p−ヒドロキシベンゾエート)、ア
ミド類(例えば、N,N−ジエチルドデカンアミド、
N,N−ジエチルラウリルアミド、N−テトラデシルピ
ロリドン)、アルコール類またはフェノール類(例え
ば、イソステアリルアルコール、2,4−ジ−tert
−アミルフェノール)、脂肪族カルボン酸エステル類
(例えば、ビス(2−エチルヘキシル)セバケート、ジ
オクチルアゼレート、グリセロールトリブチレート、イ
ソステアリルラクテート、トリオクチルシトレート)、
アニリン誘導体(例えば、N,N−ジブチル−2−ブト
キシ−5−tert−オクチルアニリン)、炭化水素類
(例えば、パラフィン、ドデシルベンゼン、ジイソプロ
ピルナフタレン)が挙げられる。また補助溶剤として
は、沸点が約30℃以上、好ましくは50℃以上約16
0℃以下の有機溶剤などが使用でき、典型例としては酢
酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸エチル、メチルエ
チルケトン、シクロヘキサノン、2−エトキシエチルア
セテート、ジメチルホルムアミドが挙げられる。
【0171】ラテックス分散法の工程、効果および含浸
用のラテックスの具体例は、米国特許第4,199,3
63号、西独特許出願(OLS)第2,541,274
号および同第2,541,230号などに記載されてい
る。
【0172】本発明のカラー感光材料中には、フェネチ
ルアルコールや特開昭63−257747号、同62−
272248号、および特開平1−80941号に記載
の1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、n−ブチ
ル−p−ヒドロキシベンゾエート、フェノール、4−ク
ロル−3,5−ジメチルフェノール、2−フェノキシエ
タノール、2−(4−チアゾリル)ベンズイミダゾール
等の各種の防腐剤もしくは防黴剤を添加することが好ま
しい。
【0173】本発明は種々のカラー感光材料に適用する
ことができる。一般用もしくは映画用のカラーネガフィ
ルム、スライド用もしくはテレビ用のカラー反転フィル
ム、カラーペーパー、カラーポジフィルムおよびカラー
反転ペーパーなどを代表例として挙げることができる。
【0174】本発明に使用できる適当な支持体は、例え
ば、前述のRD.No.17643の28頁、同No.18
716の647頁右欄から648頁左欄、および同No.
307105の879頁に記載されている。
【0175】本発明の感光材料は、乳剤層を有する側の
全親水性コロイド層の膜厚の総和が28μm以下である
ことが好ましく、23μm以下がより好ましく、18μ
m以下が更に好ましく、16μm以下が特に好ましい。
また膜膨潤速度T1/2 は30秒以下が好ましく、20秒
以下がより好ましい。膜厚は、25℃相対湿度55%調
湿下(2日)で測定した膜厚を意味し、膜膨潤速度T
1/2 は、当該技術分野において公知の手法に従って測定
することができる。例えばエー・グリーン(A.Gre
en)らによりフォトグラフィック・サイエンス・アン
ド・エンジニアリング(Photogr.Sci.En
g.)、19巻、2号、124〜129頁に記載の型の
スエロメーター(膨潤計)を使用することにより測定で
き、T1/2 は発色現像液で30℃、3分15秒処理した
時に到達する最大膨潤膜厚の90%を飽和膜厚とし、飽
和膜厚の1/2に到達するまでの時間と定義する。
【0176】膜膨潤速度T1/2 は、バインダーとしての
ゼラチンに硬膜剤を加えること、あるいは塗布後の経時
条件を変えることによって調整することができる。ま
た、膨潤率は150〜400%が好ましい。膨潤率と
は、さきに述べた条件下での最大膨潤膜厚から、式:
(最大膨潤膜厚−膜厚)/膜厚に従って計算できる。
【0177】本発明の感光材料は、乳剤層を有する側の
反対側に、乾燥膜厚の総和が2μm〜20μmの親水性
コロイド層(バック層と称す)を設けることが好まし
い。このバック層には、前述の光吸収剤、フィルター染
料、紫外線吸収剤、スタチック防止剤、硬膜剤、バイン
ダー、可塑剤、潤滑剤、塗布助剤、表面活性剤等を含有
させることが好ましい。このバック層の膨潤率は150
〜500%が好ましい。
【0178】本発明に従ったカラー写真感光材料は、前
述のRD.No.17643の28〜29頁、同No.18
716の651頁左欄〜右欄、および同No.30710
5の880〜881頁に記載された通常の方法によって
現像処理することができる。
【0179】本発明の感光材料の現像処理に用いる発色
現像液は、好ましくは芳香族第一級アミン系発色現像主
薬を主成分とするアルカリ性水溶液である。この発色現
像主薬としては、アミノフェノール系化合物も有用であ
るが、p−フェニレンジアミン系化合物が好ましく使用
され、その代表例としては3−メチル−4−アミノ−
N,N−ジエチルアニリン、3−メチル−4−アミノ−
N−エチル−N−β−ヒドロキシエチルアニリン、3−
メチル−4−アミノ−N−エチル−N−β−メタンスル
ホンアミドエチルアニリン、3−メチル−4−アミノ−
N−エチル−β−メトキシエチルアニリン及びこれらの
硫酸塩、塩酸塩もしくはp−トルエンスルホン酸塩が挙
げられる。これらの中で、特に、3−メチル−4−アミ
ノ−N−エチル−N−β−ヒドロキシエチルアニリン硫
酸塩が好ましい。これらの化合物は目的に応じ2種以上
併用することもできる。
【0180】発色現像液は、例えばアルカリ金属の炭酸
塩、ホウ酸塩もしくはリン酸塩のようなpH緩衝剤、塩
化物塩、臭化物塩、沃化物塩、ベンズイミダゾール類、
ベンゾチアゾール類もしくはメルカプト化合物のような
現像抑制剤またはカブリ防止剤を含むのが一般的であ
る。また必要に応じて、ヒドロキシルアミン、ジエチル
ヒドロキシルアミン、亜硫酸塩、N,N−ビスカルボキ
シメチルヒドラジンの如きヒドラジン類、フェニルセミ
カルバジド類、トリエタノールアミン、カテコールスル
ホン酸類の如き各種保恒剤、エチレングリコール、ジエ
チレングリコールのような有機溶剤、ベンジルアルコー
ル、ポリエチレングリコール、四級アンモニウム塩、ア
ミン類のような現像促進剤、色素形成カプラー、競争カ
プラー、1−フェニル−3−ピラゾリドンのような補助
現像主薬、粘性付与剤、アミノポリカルボン酸、アミノ
ポリホスホン酸、アルキルホスホン酸、ホスホノカルボ
ン酸に代表されるような各種キレート剤、例えば、エチ
レンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸、ジエチレントリ
アミン五酢酸、シクロヘキサンジアミン四酢酸、ヒドロ
キシエチルイミノジ酢酸、1−ヒドロキシエチリデン−
1,1−ジホスホン酸、ニトリロ−N,N,N−トリメ
チレンホスホン酸、エチレンジアミン−N,N,N,N
−テトラメチレンホスホン酸、エチレンジアミン−ジ
(o−ヒドロキシフェニル酢酸)及びそれらの塩を代表
例として挙げることができる。
【0181】また反転処理を実施する場合は通常黒白現
像を行ってから発色現像する。この黒白現像液には、公
知の黒白現像主薬、例えば、ハイドロキノンのようなジ
ヒドロキシベンゼン類、1−フェニル−3−ピラゾリド
ンなどの3−ピラゾリドン類またはN−メチル−p−ア
ミノフェノールのようなアミノフェノール類を単独であ
るいは組み合わせて用いることができる。これらの発色
現像液及び黒白現像液のpHは9〜12であることが一
般的である。またこれらの現像液の補充量は、処理する
カラー写真感光材料にもよるが、一般に感光材料1平方
メートル当たり3リットル以下であり、補充液中の臭化
物イオン濃度を低減させておくことにより500ml以
下にすることもできる。補充量を低減する場合には処理
槽の空気との接触面積を小さくすることによって液の蒸
発、空気酸化を防止することが好ましい。
【0182】処理槽での写真処理液と空気との接触面積
は、以下に定義する開口率で表わすことができる。即
ち、 開口率=[処理液と空気との接触面積(cm2 )]÷[処
理液の容量(cm3 )] 上記の開口率は、0.1以下であることが好ましく、よ
り好ましくは0.001〜0.05である。このように
開口率を低減させる方法としては、処理槽の写真処理液
面に浮き蓋等の遮蔽物を設けるほかに、特開平1−82
033号に記載された可動蓋を用いる方法、特開昭60
−216050号に記載されたスリット現像処理方法を
挙げることができる。開口率を低減させることは、発色
現像及び黒白現像の両工程のみならず、後続の諸工程、
例えば、漂白、漂白定着、定着、水洗、安定化などの全
ての工程において適用することが好ましい。また、現像
液中の臭化物イオンの蓄積を抑える手段を用いることに
より補充量を低減することもできる。
【0183】発色現像処理の時間は、通常2〜5分の間
で設定されるが、高温高pHとし、かつ発色現像主薬を
高濃度に使用することにより、更に処理時間の短縮を図
ることもできる。
【0184】発色現像後の写真乳剤層は通常漂白処理さ
れる。漂白処理は定着処理と同時に行なわれてもよいし
(漂白定着処理)、個別に行なわれてもよい。更に処理
の迅速化を図るため、漂白処理後漂白定着処理する処理
方法でもよい。さらに二槽の連続した漂白定着浴で処理
すること、漂白定着処理の前に定着処理すること、又は
漂白定着処理後漂白処理することも目的に応じ任意に実
施できる。漂白剤としては、例えば鉄(III)などの多価
金属の化合物、過酸類、キノン類、ニトロ化合物等が用
いられる。代表的漂白剤としては鉄(III)の有機錯塩、
例えばエチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン
五酢酸、シクロヘキサンジアミン四酢酸、メチルイミノ
二酢酸、1,3−ジアミノプロパン四酢酸、グリコール
エーテルジアミン四酢酸のようなアミノポリカルボン酸
類もしくはクエン酸、酒石酸、リンゴ酸などの錯塩を用
いることができる。これらのうち、エチレンジアミン四
酢酸鉄(III)錯塩、及び1,3−ジアミノプロパン四酢
酸鉄(III)錯塩を始めとするアミノポリカルボン酸鉄(I
II)錯塩は迅速処理と環境汚染防止の観点から好まし
い。さらにアミノポリカルボン酸鉄(III)錯塩は漂白液
においても、漂白定着液においても特に有用である。こ
れらのアミノポリカルボン酸鉄(III)錯塩を用いた漂白
液又は漂白定着液のpHは通常4.0〜8であるが、処理
の迅速化のためにさらに低いpHで処理することもでき
る。
【0185】漂白液、漂白定着液及びそれらの前浴に
は、必要に応じて漂白促進剤を使用することができる。
有用な漂白促進剤の具体例は、次の明細書に記載されて
いる:米国特許第3,893,858号、西独特許第
1,290,812号、同2,059,988号、特開
昭53−32736号、同53−57831号、同53
−37418号、同53−72623号、同53−95
630号、同53−95631号、同53−10423
2号、同53−124424号、同53−141623
号、同53−28426号、リサーチ・ディスクロージ
ャーNo.17129号(1978年7月)などに記載の
メルカプト基またはジスフィド基を有する化合物;特開
昭50−140129号に記載のチアゾリジン誘導体;
特公昭45−8506号、特開昭52−20832号、
同53−32735号、米国特許第3,706,561
号に記載のチオ尿素誘導体;西独特許第1,127,7
15号、特開昭58−16235号に記載の沃化物塩;
西独特許第966,410号、同2,748,430号
に記載のポリオキシエチレン化合物類;特公昭45−8
836号記載のポリアミン化合物;その他特開昭49−
40943号、同49−59644号、同53−949
27号、同54−35727号、同55−26506
号、同58−163,940号記載の化合物;臭化物イ
オン等が使用できる。なかでもメルカプト基またはジス
ルフィド基を有する化合物が促進効果が大きい点で好ま
しく、特に米国特許第3,893,858号、西独特許
第1,290,812号、特開昭53−95630号に
記載の化合物が好ましい。更に、米国特許第4,55
2,834号に記載の化合物も好ましい。これらの漂白
促進剤は感材中に添加してもよい。撮影用のカラー感光
材料を漂白定着するときにこれらの漂白促進剤は特に有
効である。
【0186】漂白液や漂白定着液には上記の化合物の他
に、漂白ステインを防止する目的で有機酸を含有させる
ことが好ましい。特に好ましい有機酸は、酸解離定数(p
Ka)が2〜5である化合物で、具体的には酢酸、プロピ
オン酸、ヒドロキシ酢酸などが好ましい。
【0187】定着液や漂白定着液に用いられる定着剤と
しては、例えば、チオ硫酸塩、チオシアン酸塩、チオエ
ーテル系化合物、チオ尿素類、多量の沃化物塩等をあげ
ることができるが、チオ硫酸塩の使用が一般的であり、
特にチオ硫酸アンモニウムが最も広範に使用できる。ま
た、チオ硫酸塩とチオシアン酸塩、チオエーテル系化合
物、チオ尿素などの併用も好ましい。定着液や漂白定着
液の保恒剤としては、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、カルボニ
ル重亜硫酸付加物あるいは欧州特許第294769A号
に記載のスルフィン酸化合物が好ましい。更に、定着液
や漂白定着液には液の安定化の目的で、各種アミノポリ
カルボン酸類や有機ホスホン酸類の添加が好ましい。
【0188】本発明において、定着液または漂白定着液
には、pH調整のために、pKa が6.0〜9.0の化合
物、好ましくは、イミダゾール、1−メチルイミダゾー
ル、1−エチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール
の如きイミダゾール類を0.1〜10モル/リットル添
加することが好ましい。
【0189】脱銀工程の時間の合計は、脱銀不良が生じ
ない範囲で短い方が好ましい。好ましい時間は1分〜3
分、更に好ましくは1分〜2分である。また、処理温度
は25℃〜50℃、好ましくは35℃〜45℃である。
好ましい温度範囲においては、脱銀速度が向上し、かつ
処理後のステイン発生が有効に防止される。
【0190】脱銀工程においては、撹拌ができるだけ強
化されていることが好ましい。撹拌強化の具体的な方法
としては、特開昭62−183460号に記載の感光材
料の乳剤面に処理液の噴流を衝突させる方法や、特開昭
62−183461号の回転手段を用いて撹拌効果を上
げる方法、更には液中に設けられたワイパーブレードと
乳剤面を接触させながら感光材料を移動させ、乳剤表面
を乱流化することによってより撹拌効果を向上させる方
法、処理液全体の循環流量を増加させる方法が挙げられ
る。このような撹拌向上手段は、漂白液、漂白定着液、
定着液のいずれにおいても有効である。撹拌の向上は乳
剤膜中への漂白剤、定着剤の供給を速め、結果として脱
銀速度を高めるものと考えられる。また、前記の撹拌向
上手段は、漂白促進剤を使用した場合により有効であ
り、促進効果を著しく増加させたり漂白促進剤による定
着阻害作用を解消させることができる。
【0191】本発明の感光材料に用いられる自動現像機
は、特開昭60−191257号、同60−19125
8号、同60−191259号に記載の感光材料搬送手
段を有していることが好ましい。前記の特開昭60−1
91257号に記載のとおり、このような搬送手段は前
浴から後浴への処理液の持込みを著しく削減でき、処理
液の性能劣化を防止する効果が高い。このような効果は
各工程における処理時間の短縮や、処理液補充量の低減
に特に有効である。
【0192】本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料
は、脱銀処理後、水洗及び/又は安定工程を経るのが一
般的である。水洗工程での水洗水量は、感光材料の特性
(例えばカプラーのような使用素材による)、用途、更
には水洗水温、水洗タンクの数(段数)、向流、順流等
の補充方式、その他種々の条件によって広範囲に設定し
得る。このうち、多段向流方式における水洗タンク数と
水量の関係は、Journal of the Soc
iety of Motion Picture an
d Television Engineers 第6
4巻、P.248〜253(1955年5月号)に記載
の方法で、求めることができる。前記文献に記載の多段
向流方式によれば、水洗水量を大幅に減少し得るが、タ
ンク内における水の滞留時間の増加により、バクテリア
が繁殖し、生成した浮遊物が感光材料に付着する等の問
題が生じる。本発明のカラー感光材料の処理において、
このような問題の解決策として、特開昭62−2888
38号に記載のカルシウムイオン、マグネシウムイオン
を低減させる方法を極めて有効に用いることができる。
また、特開昭57−8542号に記載のイソチアゾロン
化合物やサイアベンダゾール類、塩素化イソシアヌール
酸ナトリウム等の塩素系殺菌剤、その他ベンゾトリアゾ
ール等、堀口博著「防菌防黴剤の化学」(1986年)
三共出版、衛生技術会編「微生物の滅菌、殺菌、防黴技
術」(1982年)工業技術会、日本防菌防黴学会編
「防菌防黴剤の事典」(1986年)に記載の殺菌剤を
用いることもできる。
【0193】本発明の感光材料の処理における水洗水の
pHは、4〜9であり、好ましくは5〜8である。水洗
水温、水洗時間も、感光材料の特性、用途等で種々設定
し得るが、一般には、15〜45℃で20秒〜10分、
好ましくは25〜40℃で30秒〜5分の範囲が選択さ
れる。更に、本発明の感光材料は、上記水洗に代り、直
接安定液によって処理することもできる。このような安
定化処理においては、特開昭57−8543号、同58
−14834号、同60−220345号に記載の公知
の方法はすべて用いることができる。
【0194】また、前記水洗処理に続いて、更に安定化
処理する場合もあり、その例として、撮影用カラー感光
材料の最終浴として使用される、色素安定化剤と界面活
性剤を含有する安定浴を挙げることができる。色素安定
化剤としては、例えば、ホルマリンやグルタルアルデヒ
ドなどのアルデヒド類、N−メチロール化合物、ヘキサ
メチレンテトラミンあるいはアルデヒド亜硫酸付加物な
どを挙げることができる。この安定浴にも各種キレート
剤や防黴剤を加えることもできる。
【0195】上記水洗及び/又は安定液の補充に伴うオ
ーバーフロー液は脱銀工程等他の工程において再利用す
ることもできる。
【0196】自動現像機などを用いた処理において、上
記の各処理液が蒸発により濃縮化する場合には、水を加
えて濃縮補正することが好ましい。
【0197】本発明のハロゲン化銀カラー感光材料には
処理の簡略化及び迅速化の目的で発色現像主薬を内蔵し
ても良い。内蔵するためには、発色現像主薬の各種プレ
カーサーを用いるのが好ましい。例えば米国特許第3,
342,597号記載のインドアニリン系化合物、同第
3,342,599号、リサーチ・ディスクロージャー
No.14,850及び同No.15,159に記載のシッ
フ塩基型化合物、同13,924号記載のアルドール化
合物、米国特許第3,719,492号記載の金属塩錯
体、特開昭53−135628号記載のウレタン系化合
物を挙げることができる。
【0198】本発明のハロゲン化銀カラー感光材料は、
必要に応じて、発色現像を促進する目的で、各種の1−
フェニル−3−ピラゾリドン類を内蔵しても良い。典型
的な化合物は特開昭56−64339号、同57−14
4547号、および同58−115438号等に記載さ
れている。
【0199】本発明における各種処理液は10℃〜50
℃において使用される。通常は33℃〜38℃の温度が
標準的であるが、より高温にして処理を促進し処理時間
を短縮したり、逆により低温にして画質の向上や処理液
の安定性の改良を達成することができる。
【0200】また、本発明のハロゲン化銀感光材料は、
例えば、米国特許第4,500,626号、特開昭60
−133449号、同59−218443号、同61−
238056号、欧州特許210,660A2号に記載
されている熱現像感光材料にも適用できる。
【0201】
【実施例】以下に、本発明を実施例により、更に詳細に
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。 実施例1 下塗りを施した三酢酸セルロースフィルム支持体上に、
下記に示すような組成の各層よりなる多層カラー感光材
料である試料101を作成した。 (感光層の組成)塗布量はハロゲンハ化銀およびコロイ
ド銀については銀のg/m2 単位で表した量を、またカ
プラー、添加剤およびゼラチンについてはg/m2 単位
で表した量を、また増感色素については同一層内のハロ
ゲン化銀1モルあたりのモル数で示した。なお、添加物
を示す記号は下記に示す意味を有する。但し、複数の効
用を有する場合はそのうちの一つを代表して載せた。
【0202】UV;紫外線吸収剤、Solv;高沸点有
機溶剤、ExS;増感色素、ExC;シアンカプラー;
ExM;マゼンタカプラー、ExY;イエローカプラ
ー、Cpd;添加剤、W;界面活性剤、H;硬化剤、
F;安定化剤。
【0203】また前記各添加剤を下記化38〜化52に
列挙した。
【0204】
【化38】
【0205】
【化39】
【0206】
【化40】
【0207】
【化41】
【0208】
【化42】
【0209】
【化43】
【0210】
【化44】
【0211】
【化45】
【0212】
【化46】
【0213】
【化47】
【0214】
【化48】
【0215】
【化49】
【0216】
【化50】
【0217】
【化51】
【0218】
【化52】 第1層(ハレーション防止層) 黒色コロイド銀 0.15 ゼラチン 1.90 ExM−1 5.0×10-3 第2層(中間層) ゼラチン 2.10 UV−1 3.0×10-2 UV−2 6.0×10-2 UV−3 7.0×10-2 ExF−1 4.0×10-3 Solv−2 7.0×10-2 第3層(低感度赤感乳剤層) 沃臭化銀乳剤(AgI 2モル%、内部高AgI型、 球相当径0.3μm、球相当径の変動係数29%、 正常晶、双晶混合粒子、直径/厚み比2.5) 銀塗布量 0.50 ゼラチン 1.50 ExS−1 1.0×10-4 ExS−2 3.0×10-4 ExS−3 1.0×10-5 ExC−1 0.11 ExC−3 0.11 ExC−4 3.0×10-2 ExC−7 1.0×10-2 ExC−8 2.0×10-2 Solv−1 7.0×10-3 第4層(中感度赤感乳剤層) 沃臭化銀乳剤(AgI 4モル%、内部高AgI型、 球相当径0.55μm、球相当径の変動係数20%、 正常晶、双晶混合粒子、直径/厚み比1.0) 銀塗布量 0.85 ゼラチン 2.00 ExS−1 1.0×10-4 ExS−2 3.0×10-4 ExS−3 1.0×10-5 ExC−1 0.16 ExC−2 8.0×10-2 ExC−3 0.17 ExC−7 1.5×10-2 ExC−8 1.5×10-2 比較カプラー(a) 3.0×10-2 Cpd−10 1.0×10-4 Solv−1 0.10 第5層(高感度赤感乳剤層) 沃臭化銀乳剤(AgI 10モル%、内部高AgI型、 球相当径0.7μm、球相当径の変動係数30%、 双晶混合粒子、直径/厚み比2.0) 銀塗布量 0.70 ゼラチン 1.60 ExS−1 1.0×10-4 ExS−2 3.0×10-4 ExS−3 1.0×10-5 ExC−5 7.0×10-2 ExC−6 8.0×10-2 ExC−7 1.5×10-2 Solv−1 0.10 Solv−2 8.0×10-2 Solv−4 5.0×10-2 第6層(中間層) ゼラチン 1.10 P−2 0.17 Cpd−1 0.10 Cpd−4 0.17 Solv−1 5.0×10-2 第7層(低感度緑感乳剤層) 沃臭化銀乳剤(AgI 2モル%、内部高AgI型、 球相当径0.3μm、球相当径の変動係数28%、 正常晶、双晶混合粒子、直径/厚み比2.5) 銀塗布量 0.30 ゼラチン 0.50 ExS−4 5.0×10-4 ExS−5 2.0×10-4 ExS−6 0.3×10-4 ExM−1 3.0×10-2 ExM−2 0.15 ExM−7 5.0×10-2 比較カプラー(a) 3.0×10-2 Cpd−11 7.0×10-3 Solv−4 0.20 第8層(中感度緑感乳剤層) 沃臭化銀乳剤(AgI 4モル%、内部高AgI型、 球相当径0.55μm、球相当径の変動係数20%、 正常晶、双晶混合粒子、直径/厚み比4.0) 銀塗布量 0.70 ゼラチン 1.00 ExS−4 5.0×10-4 ExS−5 2.0×10-4 ExS−6 3.0×10-5 ExM−1 3.0×10-2 ExM−2 0.20 ExM−3 1.5×10-2 ExM−6 8.0×10-2 比較カプラー(a) 4.0×10-2 Cpd−11 9.0×10-3 Solv−1 0.20 第9層(高感度緑感乳剤層) 沃臭化銀乳剤(AgI 10モル%、内部高AgI型、 球相当径0.7μm、球相当径の変動係数30%、 正常晶、双晶混合粒子、直径/厚み比2.0) 銀塗布量 0.50 ゼラチン 0.90 ExS−4 2.0×10-4 ExS−5 2.0×10-4 ExS−6 2.0×10-5 ExS−7 3.0×10-4 ExM−1 1.0×10-2 ExM−4 3.9×10-2 ExM−5 2.6×10-2 Cpd−2 1.0×10-2 Cpd−9 2.0×10-4 Cpd−10 2.0×10-4 Solv−1 0.15 Solv−2 5.0×10-2 Solv−4 5.0×10-2 第10層(イエローフィルター層) ゼラチン 0.90 黄色コロイド 5.0×10-2 Cpd−1 0.20 Solv−1 0.15 第11層(低感度青感乳剤層) 沃臭化銀乳剤(AgI 4モル%、内部高AgI型、 球相当径0.5μm、球相当径の変動係数15%、 8面体粒子) 銀塗布量 0.40 ゼラチン 1.00 ExS−8 2.0×10-4 比較カプラー(a) 9.0×10-2 比較カプラー(1) 0.90 Cpd−2 1.0×10-2 Solv−1 0.20 Solv−4 0.10 第12層(中間層) ゼラチン 0.50 第13層(高感度青感乳剤層) 沃臭化銀乳剤(AgI 10モル%、内部高AgI型、 球相当径1.3μm、球相当径の変動係数25%、 正常晶、双晶混合粒子、直径/厚み比4.5) 銀塗布量 0.50 ゼラチン 0.60 ExS−8 1.0×10-4 比較カプラー(1) 0.12 Cpd−2 1.0×10-3 Solv−1 4.0×10-2 第14層(第1保護層) 微粒子沃臭化銀乳剤(平均粒径0.07μm、 AgI 1モル%) 0.20 ゼラチン 0.80 UV−2 0.10 UV−3 0.10 UV−4 0.20 Solv−3 4.0×10-2 P−2 9.0×10-2 第15層(第2保護層) ゼラチン 0.90 B−1(直径1.5μm) 0.10 B−2(直径1.5μm) 0.10 B−3 2.0×10-2 H−1 0.40 更に、保存性、処理性、圧力耐性、防黴・防菌性、帯電
防止性、及び塗布性をよくするために、Cpd−3、C
pd−5、Cpd−6、Cpd−7、Cpd−8、P−
1、W−1、W−2、W−3、W−4を添加した。
【0219】上記の他に、n−ブチル−p−ヒドロキシ
ベンゾエートが添加された。さらに、B−4、F−1、
F−4、F−5、F−6、F−7、F−8、F−9、F
−10、F−11、および、鉄塩、鉛塩、金塩、白金
塩、イリジウム塩、ロジウム塩が含有されている。 (試料102)試料101の第12層(中間層)に非感
光性の微粒子ハロゲン化銀粒子として、ハロゲン化銀粒
子を調製する際にpAg をコントロールしたダブルジェッ
ト法により平均粒子サイズ0.25μmの未後熟の沃臭
化銀(沃化銀2モル%)乳剤を調製し、この乳剤を銀塗
布量が0.50g/m2 になるように塗布して試料10
2を作製した。この時、同層のゼラチン塗布量は試料1
01と同量に合せ、他の層は試料101と同じにした。 (試料103)前記試料101の第10層(イエローフ
ィルター層)と第11層(低感度青感乳剤層)に、前記
試料102の第12層に用いた非感光性の微粒子ハロゲ
ン化銀乳剤を銀塗布量がそれぞれ0.50g/m2
0.25g/m2 になるように塗布し、ゼラチン塗布量
は同じに合せ、他は変えることなしに試料103を作製
した。 (試料104〜106)前記試料101の第4層、第7
層、第8層、第11層、第13層に用いた比較カプラー
(a)を本発明のカプラーY−63に塗布量が90%に
なるよう置き換え、比較カプラー(1)は本発明のカプ
ラーY−16にそれぞれ等モル量置き換えて試料104
〜106を作製した。ただし、試料104は試料101
と、試料105は試料102と、試料106は試料10
3と同じ様にして作製した。
【0220】作製した試料101〜106は、35mm
巾に裁断・加工し、これらの試料は下記の性能について
の評価を実施した。 (1)写真性 白光(4800°K)のウェッヂ露光を与え、処理した
試料の青色(B)光で測定した特性曲線から最小濃度+
0.2の濃度を与える露光量の逆数の対数値を求め、こ
れを感度(S)とし、試料101を基準にとってその相
対値(Srel )を算出した。値の大きい程高感であるこ
とを示す。
【0221】さらに、感度点の露光量のところから高露
光量側へlog E=1.5の露光量を与えるところの濃度
値(D)を読みとり、同じく試料101を基準にとって
濃度の百分比(D1 %)を算出した。 (2)色像堅牢性 写真性の評価に使用した試料を用い、これらの試料を6
0℃、70%RHの条件下に15日間保存し、再度濃度
測定を行い、B光で測定したテスト開始間前の最小濃度
+2.0の濃度を与えたところの濃度値を読みとり、テ
スト開始前の濃度に対する残存した濃度値との比(D2
%)を求め色像残存率とした。大きい数値程高い色像堅
牢性を与えることを示す。 (3)感材の経時安定性 作製した試料のそれぞれ2組を準備し、1つの組は50
℃、60%RHの条件下に5日間保存し、もう一方の組
は同期間中5℃に保存した。保存終了後これら2組の試
料に先と同様白光の階調露光を与え、処理を同時に行っ
た。処理済みの試料は濃度測定を行い、B光で測定した
特性曲線上の感度点を(1)と同様にして求め、同一試
料間の5℃保存の試料の感度を基準にしてその差(ΔS
1 )を算出した。数値は小さい程、感度の変動が小さく
保存性に優れていることを示す。 (4)画質 色濁り 各試料に緑色光で0.5Lux・秒の均一露光を与えた
後、B光の階調露光を与えてから処理を行い、イエロー
濃度が最小濃度+1.5の濃度を与える露光量でのマゼ
ンタ濃度値から、イエロー濃度の最小濃度におけるマゼ
ンタ濃度値を差し引いた値を色濁り度とし、色再現性の
尺度とした。数値の小さい程緑色域の濃度の少ないこと
を表わし、色の彩度の高いことを示す。
【0222】粒状性 直径48μmのアパーチャーで測定したイエロー濃度の
最小濃度+0.7の濃度におけるRMS値を示す。数値
の小さい程粒状性に優れていることを表わす。
【0223】上述の性能評価を行うのに実施した処理は
以下の通りである。
【0224】なお、性能評価を行う試料の処理は、発色
現像液の補充液の累積補充量が母液タンク容量の3倍量
になるまで、別途試料101に像様露光を与えた試料を
ランニング処理したのち、処理を実施した。
【0225】 水洗水は(2)から(1)への向流方式であり、水洗水
のオーバーフロー液は全て定着浴へ導入した。漂白定着
浴への補充は、自動現像機の漂白槽の上部と漂白定着槽
低部並びに定着槽の上部と漂白定着槽低部とをパイプで
接続し、漂白槽、定着槽への補充液の供給により発生す
るオーバーフロー液の全てが漂白定着浴に流入されるよ
うにした。尚、現像液の漂白工程への持ち込み量、漂白
液の漂白定着工程への持ち込み量、漂白定着液の定着工
程への持ち込み量及び定着液の水洗工程への持ち込み量
は感光材料1m当たりそれぞれ65ml、50ml、
50ml、50mlであった。また、クロスオーバーの
時間はいづれも5秒であり、この時間は前工程の処理時
間に包含される。
【0226】以下に処理液の組成を示す。 (発色現像液) 母 液(g) 補充液(g) ジエチレントリアミン五酢酸 2.0 3.0 1−ヒドロキシエチリデン−1,1 3.3 3.3 −ジホスホン酸 亜硫酸ナトリウム 3.9 5.2 炭酸カリウム 37.5 39.0 臭化カリウム 1.4 0.4 ヨウ化カリウム 1.3mg − ヒドロキシルアミン硫酸塩 2.4 3.3 2−メチル−4−[N−エチル− 4.5 6.0 N−(β−ヒドロキシエチル) アミノ]アニリン硫酸塩 水を加えて 1.0リットル 1.0リットル pH 10.05 10.05 (漂白液) 母 液(g) 補充液(g) 1,3−プロピレンジアミン四酢酸 144.0 206.0 第二鉄アンモニウム一水塩 臭化アンモニウム 84.0 120.0 硝酸アンモニウム 17.5 25.0 ヒドロキシ酢酸 63.0 80.0 酢酸 54.2 80.0 水を加えて 1.0リットル 1.0リットル pH[アンモニア水で調整] 3.80 3.60 (漂白定着液母液)上記漂白定着液と下記定着液母液の
15対85の混合液 (定着液) 母 液(g) 補充液(g) 亜硫酸アンモニウム 19.0 57.0 チオ硫酸アンモニウム水溶液 280 ml 840 ml (700g/リットル) イミダゾール 28.5 85.5 エチレンジアミン四酢酸 12.5 37.5 水を加えて 1.0リットル 1.0リットル pH[アンモニア水、酢酸で調整] 7.40 7.45 (水洗水) 母液、補充液共通 水道水をH型強酸性カチオン交換樹脂(ロームアンドハ
ース社製アンバーライトIR−120B)と、OH型強
塩基性アニオン交換樹脂(同アンバーライトIRA−4
00)を充填した混床式カラムに通水してカルシウム及
びマグネシウムイオン濃度を3mg/リットル以下に処理
し、続いて二塩化イソシアヌール酸ナトリウム20mg/
リットルと硫酸ナトリウム150mg/リットルを添加し
た。この液のpHは6.5−7.5の範囲にあった。 (安定液) 母液、補充液共通 (単位g) ホルマリン(37%) 1.2ml p−トルエンスルフィン酸ナトリウム 0.3 g ポリオキシエチレン−p−モノノニルフェニルエーテル 0.2 (平均重合度 10) エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 0.05 水を加えて 1.0リットル pH 7.2 以上のような各試料101〜106の評価結果を下記表
9にまとめて示す。
【0227】
【表9】 表9から、本発明のカプラーを用いた試料104は、塗
布量を90%に低減したにもかかわらず対応する比較カ
プラーを用いた試料101と比べ、優れた発色性(感
度、発色濃度)を示し、しかも色像堅牢性を示し、色濁
りが少なく色再現性に優れていることがわかる。
【0228】前記試料101および試料104の第12
層あるいは第10層と第11層に非感光性の微粒子ハロ
ゲン化銀を添加した試料は、発色性の向上が見られる
が、本発明のカプラーを使用した試料105および10
6は、対応する試料102および103に比べ、発色性
の向上の程度が大きく、非感光性の微粒子ハロゲン化銀
の添加効果の大きいことが明らかである。さらに、本発
明のカプラーは非感光性の微粒子ハロゲン化銀を用いて
も、優れた色像堅牢性および色濁りの改良効果を保持
し、発色性、試料の経時安定性および粒状性を改良する
ことが表9から明らかである。 実施例2 実施例1で作製した試料105を基本にし、第11層お
よび第13層に用いたカプラーY−63とY−16を下
記表10、表11に示すように等モル量置き換えて試料
を作製した。
【0229】これら作製した試料は、35mm巾に裁断
・加工し、実施例1と同様の性能評価を実施した。比較
のために、試料101と102を同時に行った。
【0230】なお、処理は下記に示す処理工程、処理液
組成の液を用い、自動現像機を使用し、実施例1と同様
のランニング処理を行ったのち実施した。
【0231】 処 理 工 程 工程 処理時間 処理温度 補充量 タンク容量 発色現像 3分15秒 38℃ 33ml 20リットル 漂 白 6分30秒 38℃ 25ml 40リットル 水 洗 2分10秒 24℃ 1200ml 20リットル 定 着 4分20秒 38℃ 25ml 30リットル 水 洗(1) 1分05秒 24℃ (2)から(1) ヘの 10リットル 向流配管方式 水 洗(2) 1分00秒 24℃ 1200ml 10リットル 安 定 1分05秒 38℃ 25ml 10リットル 乾 燥 4分20秒 55℃ 補充量は35mm巾1m長さ当たり次に、処理液の組成
を記す。 (発色現像液) 母 液(g) 補充液(g) ジエチレントリアミン五酢酸 1.0 1.1 1−ヒドロキシエチリデン−1,1 3.0 3.2 −ジホスホン酸 亜硫酸ナトリウム 4.0 4.4 炭酸カリウム 30.0 37.0 臭化カリウム 1.4 0.7 沃化カリウム 1.5mg − ヒドロキシルアミン硫酸塩 2.4 2.8 4−[N−エチル−N−β−ヒドロ 4.5 5.5 キシエチルアミノ]−2−メチル アニリン硫酸塩 水を加えて 1.0リットル 1.0リットル pH 10.05 10.10 (漂白液) 母 液(g) 補充液(g) エチレンジアミン四酢酸第二鉄 100.0 120.0 ナトリウム三水塩 エチレンジアミン四酢酸 10.0 10.0 二ナトリウム塩 臭化アンモニウム 140.0 160.0 硝酸アンモニウム 30.0 35.0 アンモニア水(27%) 6.5ml 4.0ml 水を加えて 1.0リットル 1.0リットル pH 6.0 5.7 (定着液) 母 液(g) 補充液(g) エチレンジアミン四酢酸 0.5 0.7 二ナトリウム塩 亜硫酸ナトリウム 7.0 8.0 重亜硫酸ナトリウム 5.0 5.5 チオ硫酸アンモニウム水溶液 170.0ml 200.0ml (70%) 水を加えて 1.0リットル 1.0リットル pH 6.7 6.6 (安定液) 母 液(g) 補充液(g) ホルマリン(37%) 2.0ml 3.0ml ポリオキシエチレン−p−モノノニル 0.3 0.45 フェニルエーテル(平均重合度 10) エチレンジアミン四酢酸 0.05 0.08 二ナトリウム塩 水を加えて 1.0リットル 1.0リットル pH 5.0−8.0 5.0−8.0 以上のような実施例2の試料の評価結果を下記表10、
表11に併記する。
【0232】
【表10】
【0233】
【表11】 ただし、前記表10中の比較カプラー(b)* は、下記
化53に示す化合物である。
【0234】
【化53】 表10、表11から、本発明の前記一般式(I)または
一般式(II)で表わされるカプラーを用い、非感光性の
微粒子ハロゲン化銀を使用した試料201〜211は、
同時に処理を行った実施例1の比較試料101および1
02と比べたとき、発色性(感度、発色濃度)、試料の
経時安定性、色像堅牢性、画質(色再現性、粒状性)の
諸性能に優れていることが明らかである。
【0235】また、本発明の構成要件を満たす試料20
1〜211を細かく比較検討したとき、試料208と試
料209ではカプラーの活性位にアリールオキシ基が結
合したいわゆるO−離脱型カプラーを用いた試料209
は活性位に窒素原子で結合したヘテロ環離脱基のいわゆ
るN−離脱型カプラーに比べ発色性、試料の経時安定
性、色像堅牢性、粒状性等の性能が若干低いことが明ら
かであり、いわゆるN−離脱型カプラーのほうが好まし
いことがわかる。
【0236】さらに試料201、210、211を比較
したとき、本発明のカプラーにおいても一般式(II)で
表わされるカプラーのほうが一般式(I)で表わされる
カプラーに比べて、上述の諸性能で優れていることも試
料201と試料210、211との対比から明らかであ
る。 実施例3 下塗りを施した三酢酸セルロースフィルム支持体上に、
下記に示すような組成の各層よりなる多層カラー感光材
料である試料301を作製した。
【0237】なお、感光材料中への添加量は1m2 当た
り何グラムかを示しており、又ハロゲン化銀乳剤とコロ
イド銀は銀に換算して示し、増感色素はハロゲン化銀と
のモル比で示した。
【0238】実施例3に使用した化合物を下記化54〜
化63に記載する。
【0239】
【化54】
【0240】
【化55】
【0241】
【化56】
【0242】
【化57】
【0243】
【化58】
【0244】
【化59】
【0245】
【化60】
【0246】
【化61】
【0247】
【化62】
【0248】
【化63】 (感光層の組成) 第1層(ハレーション防止層) 黒色コロイド銀 0.3 ゼラチン 1.0 紫外線吸収剤UV−1 0.1 紫外線吸収剤UV−2 0.1 紫外線吸収剤UV−3 0.1 分散オイルOil−1 0.2 分散オイルOil−2 0.1 第2層(中間層) ゼラチン 1.0 カプラーC−2 0.02 分散オイルOil−1 0.01 第3層(低感度赤感性乳剤層) 単分散沃臭化銀乳剤 1.8 (沃化銀3モル%、平均粒径1.0μm) ゼラチン 1.2 増感色素I 1.4×10-4 増感色素II 7×10-5 カプラーC−1 0.5 カプラーC−2 0.05 カプラーC−11 0.05 化合物D 0.1 分散オイルOil−3 0.03 分散オイルOil−4 0.03 第4層(中間層) ゼラチン 1.0 化合物A 0.1 第5層(低感度緑感性乳剤層) 単分散沃臭化銀乳剤 1.4 (沃化銀3モル%、平均粒径1.0μm) 単分散沃臭化銀乳剤 0.3 (沃化銀3モル%、平均粒径0.3μm) ゼラチン 0.8 増感色素III 3×10-4 増感色素IV 1×10-4 増感色素V 1×10-4 カプラーC−3 0.7 カプラーC−4 0.1 カプラーC−5 0.1 カプラーC−11 0.1 化合物C 0.1 分散オイルOil−3 0.3 第6層(中間層) ゼラチン 1.0 化合物A 0.1 第7層(低感度青感性乳剤層) 単分散沃臭化銀乳剤 0.7 (沃化銀3モル%、平均粒径1.0μm) 単分散沃臭化銀乳剤 0.2 (沃化銀3モル%、平均粒径0.3μm) ゼラチン 1.0 増感色素VI 2×10-4 増感色素VII 2×10-4 カプラーC−6 0.9 カプラーC−10 0.2 カプラーC−11 0.1 分散オイルOil−1 0.15 第8層(中間層) ゼラチン 1.0 化合物B 0.1 第9層(高感度赤感性乳剤層) 多分散沃臭化銀乳剤 2.3 (沃化銀6モル%、平均粒径2.0μm) ゼラチン 1.2 増感色素I 7×10-5 増感色素II 2×10-5 カプラーC−8 0.1 カプラーC−1 0.2 化合物D 0.1 分散オイルOil−4 0.2 第10層(中間層) ゼラチン 1.0 カプラーC−5 0.2 化合物A 0.1 第11層(高感度緑感性乳剤層) 多分散沃臭化銀乳剤 2.0 (沃化銀5モル%、平均粒径2.0μm) ゼラチン 1.0 増感色素III 1×10-4 増感色素IV 3×10-5 増感色素V 3×10-5 カプラーC−9 0.2 化合物C 0.1 分散オイルOil−1 0.4 第12層(中間層) ゼラチン 1.2 化合物A 0.1 第13層(高感度青感性乳剤層) 単分散沃臭化銀乳剤 1.8 (沃化銀3モル%、平均粒径2.1μm) 単分散沃臭化銀乳剤 0.5 (沃化銀3モル%、平均粒径1.2μm) 単分散沃臭化銀乳剤 0.2 (沃化銀3モル%、平均粒径0.3μm) ゼラチン 1.2 増感色素VI 3×10-4 増感色素VII 1×10-4 カプラーC−6 0.3 分散オイルOil−1 0.1 第14層(第1保護層) カプラーC−7 0.1 紫外線吸収剤UV−1 0.05 紫外線吸収剤UV−2 0.05 紫外線吸収剤UV−3 0.05 紫外線吸収剤UV−4 0.05 紫外線吸収剤UV−5 0.05 ゼラチン 0.6 分散オイルOil−4 0.1 第15層(第2保護層) ゼラチン 0.5 ポリメチルメタアクリレート粒子(直径1.5μm) 0.2 各層には上記成分の他に界面活性剤W−1、硬膜剤H−
1を添加した。更にホルマリンスカベンジャーも添加し
た。 (試料302)前記試料301の第12層(中間層)に
非感光性の微粒子ハロゲン化銀乳剤として純臭化銀の平
均粒径0.15μmの粒子サイズを有するものを塗布銀
量0.8g/m2 になるように塗布した。このとき塗布
ゼラチン量は試料301と同じになるように合せた。 (試料303)前記試料302の第13層(高感度青感
性乳剤層)に非感光性の微粒子ハロゲン化銀乳剤として
沃臭化銀(沃化銀2モル%)、平均粒径0.20μmの
ハロゲン化銀を塗銀量が0.2g/m2 になるよう添加
して試料303を作製した。 (試料304)前記試料301の第13層を試料303
の第13層と同じにしたのみで他は変えることなく試料
304を作製した。 (試料305〜308)前記試料301〜304に対応
させ、第3層、第5層、第7層に用いたカプラー、C−
11を本発明のカプラー、Y−64に;第7層、第13
層に用いたカプラー、C−6を本発明のカプラー、Y−
14に塗布量を90%に減じ;第7層に用いたカプラー
C−10を本発明のカプラー、Y−42に塗布量を90
%に減じそれぞれ置き換えて試料305〜308を作製
した。
【0249】これら作製した試料301〜308は実施
例2に記載した処理を行い、同様の性能評価を実施し
た。結果は下記表12に示す。
【0250】
【表12】 表12から、本発明のカプラーを用いた試料は、塗布量
を比較カプラーに対し90%に低減したにもかかわらず
高い発色性(感度、発色濃度)を示し、試料の経時安定
性にも優れ、色像堅牢性も高く、画質(色再現性、粒状
性)に優れていることが明らかである。この本発明のカ
プラーを含む試料に非感光性の微粒子ハロゲン化銀粒子
を使用することにより、発色性、試料の経時安定性、画
質の粒状性はさらに良化することが試料305と試料3
06〜308との比較からわかるし、また、対応する試
料302〜304と試料306〜308との比較から本
発明のカプラーを使用した試料306〜308のほうが
比較試料に比べその改良効果は大きいこともわかる。 実施例4 実施例3の試料306を基本にし、第10層の中間層に
非感光性の微粒子ハロゲン化銀として純臭化銀の平均粒
径0.20μmの粒子サイズのものを塗布銀量1.0g
/m2 になるように塗布して試料401を作製した。 (試料402)実施例3の試料306の第8層の中間層
に純臭化銀の平均粒径が0.30の粒子サイズの非感光
性の微粒子ハロゲン化銀を塗布銀量1.2g/m2 にな
るように塗布して試料402を作製した。
【0251】作製した試料401、402を試料306
とともに写真性(相対感度)を、試料306、401は
緑色光で測定したマゼンタ色像について、試料306、
402は赤色光で測定したシアン色像について調べた。
なお、処理は実施例1に記載の処理を行った。結果は下
記表13に示す。
【0252】
【表13】 表13から、先の実施例の結果と同様、緑感性乳剤層ま
たは赤感性乳剤層の支持体に近い側の隣接層に非感光性
の微粒子ハロゲン化銀粒子を含有させることにより写真
性の良化することがわかった。
【0253】なお、粒状性についても調べたところ、や
はり良化することが確認できた。
【0254】さらに、実施例1の試料105を基本にし
第6層の中間層に試料401と同様に、第2層の中間層
に試料402と同様にそれぞれ同粒子サイズのハロゲン
化銀を同量塗布して写真性、粒状性を調べたところ、同
様の改良効果のあることがわかった。
【0255】
【発明の効果】現像主薬酸化体と反応して耐拡散性色素
を形成する一般式(I)または現像主薬酸化体と反応し
て耐拡散性色素を形成する一般式(II)で表わされる少
なくとも1種のカプラーを含有する感光材料において、
少なくとも1層の感光性ハロゲン化銀乳剤層および/ま
たは該ハロゲン化銀乳剤層の支持体に近い側に隣接する
層に、実質非感光性の微粒子ハロゲン化銀粒子を含有さ
せることにより、前記一般式(I)または前記一般式
(II)で表わされるカプラーの優れた発色性、色像堅牢
性、色再現性を損ねることなく、さらに発色性を高め、
感光材料の経時保存性を安定化し、粒状性を良化するこ
とができる。したがって発色性、色像堅牢性、画質およ
び感光材料の経時保存性に優れたハロゲン化銀カラー写
真感光材料を提供することができる。

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に少なくとも一層の感光性ハロ
    ゲン化銀乳剤層を有するハロゲン化銀カラー写真感光材
    料において、下記化1の現像主薬酸化体と反応して耐拡
    散性色素を形成する一般式(I)または下記化2の現像
    主薬酸化体と反応して耐拡散性色素を形成する一般式
    (II)で表わされるカプラーを含有し、前記感光性ハロ
    ゲン化銀乳剤層および/または該層の支持体に近い側の
    隣接層に、実質的に非感光性の微粒子ハロゲン化銀粒子
    を含有することを特徴とするハロゲン化銀カラー写真感
    光材料。 【化1】 式中、X1 およびX2 は各々アルキル基、アリール基ま
    たは複素環基を表し、Yはアリール基または複素環基を
    表し、Zは前記一般式(I)で示されるカプラーが現像
    主薬酸化体と反応したとき離脱する基を表す。 【化2】 式中、X3 は>N−とともに含窒素複素環を形成する有
    機残基を表し、Yはアリール基または複素環基を表し、
    Zは前記一般式(II)で示されるカプラーが現像主薬酸
    化体と反応したとき離脱する基を表す。
  2. 【請求項2】 前記感光性ハロゲン化銀乳剤層が、青感
    性ハロゲン化銀乳剤層であることを特徴とする請求項1
    記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。
  3. 【請求項3】 前記感光性ハロゲン化銀乳剤層の支持体
    に近い側の隣接層が非感光性層であることを特徴とする
    請求項1または2記載のハロゲン化銀カラー写真感光材
    料。
  4. 【請求項4】 前記感光性ハロゲン化銀乳剤層の支持体
    に近い側の隣接層が青感性以外の感色性層であることを
    特徴とする請求項2記載のハロゲン化銀カラー写真感光
    材料。
  5. 【請求項5】 支持体上に、同一の感色性で感度の異な
    る2以上のハロゲン化銀乳剤層を有するハロゲン化銀カ
    ラー写真感光材料において、その中の2つのハロゲン化
    銀乳剤層に同時に隣接する実質的に非感光性微粒子ハロ
    ゲン化銀粒子を含有する層を有し、下記化3の現像主薬
    酸化体と反応して耐拡散性色素を形成する一般式(I)
    または下記化4の現像主薬酸化体と反応して耐拡散性色
    素を形成する一般式(II)で表わされるカプラーを含有
    することを特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光材
    料。 【化3】 式中、X1 およびX2 は各々アルキル基、アリール基ま
    たは複素環基を表し、Yはアリール基または複素環基を
    表し、Zは前記一般式(I)で示されるカプラーが現像
    主薬酸化体と反応したとき離脱する基を表す。 【化4】 式中、X3 は>N−とともに含窒素複素環基を形成する
    有機残基を表し、Yはアリール基または複素環基を表
    し、Zは前記一般式(II)で示されるカプラーが現像主
    薬酸化体と反応したとき離脱する基を表す。
  6. 【請求項6】 前記実質的に非感光性微粒子ハロゲン化
    銀粒子を含有する層が、非感光性であることを特徴とす
    る請求項5記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。
  7. 【請求項7】 支持体上に、それぞれ感度の異なる2以
    上の赤感性、緑感性、および青感性ハロゲン化銀乳剤層
    を有するハロゲン化銀カラー写真感光材料において、下
    記(1)ないし(4)の条件をすべて満たし、かつ、下
    記化5の現像主薬酸化体と反応して耐拡散性色素を形成
    する一般式(I)または下記化6の現像主薬酸化体と反
    応して耐拡散性色素を形成する一般式(II)で表わされ
    るカプラーを含有することを特徴とするハロゲン化銀カ
    ラー写真感光材料。 (1)前記支持体から最も遠い側に設けられた感光性ハ
    ロゲン化銀乳剤層が、最も感度の高い青感性ハロゲン化
    銀乳剤層(BH)であり、 (2)最も感度の高い緑感性ハロゲン化銀乳剤層(G
    H)および最も感度の高い赤感性ハロゲン化銀乳剤層
    (RH)を、前記BHと前記BHより感度の低い青感性
    ハロゲン化銀乳剤層(Bh)との間に有し、 (3)前記Bhに関し、前記支持体からより遠い側に
    は、最も感度の低い赤感性、緑感性、および青感性ハロ
    ゲン化銀乳剤層(それぞれRL、GL、およびBL)は
    存在せず、 (4)前記BHに隣接して非感光性層を有し、前記BH
    および/または前記非感光性層に実質的に非感光性の微
    粒子ハロゲン化銀粒子を含有する。 【化5】 式中、X1 およびX2 は各々アルキル基、アリール基ま
    たは複素環基を表し、Yはアリール基または複素環基を
    表し、Zは前記一般式(I)で示されるカプラーが現像
    主薬酸化体と反応したとき離脱する基を表す。 【化6】 式中、X3 は>N−とともに含窒素複素環を形成する有
    機残基を表し、Yはアリール基または複素環基を表し、
    Zは前記一般式(II)で示されるカプラーが現像主薬酸
    化体と反応したとき離脱する基を表す。
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