JPH0548174B2

JPH0548174B2 -

Info

Publication number: JPH0548174B2
Application number: JP59043894A
Authority: JP
Inventors: Mutsuo Akao
Original assignee: Fuji Photo Film Co Ltd
Current assignee: Fujifilm Holdings Corp
Priority date: 1984-03-09
Filing date: 1984-03-09
Publication date: 1993-07-20
Also published as: EP0154352B1; EP0154352A3; EP0154352A2; DE3575535D1; JPS60189438A; US4778712A

Description

【発明の詳細な説明】

本発明は主として写真感光材料を包装するポリ
エチレン系フイルム特にＬ−LDPE（低圧法線状
低密度ポリエチレン）を使用した積層フイルムに
関する。〔技術的背景〕ポリエチレンフイルムは広く包装材料として使
用されている。しかし、その多くは高圧法低密度
ポリエチレン（LDPE）、低圧法高密度ポリエチ
レン（HDPE）である。近年第３のポリエチレン
と称して、低圧法、高圧法両ポリエチレンの利点
を併せもつＬ−LDPE（低圧法線状低密度ポリエ
チレン）が提供されるようになつた。これは省エ
ネルギー、省資源という時代の要請に合致する低
コスト、高強度のポリエチレンとしてその可能性
が注目されている。しかし、Ｌ−LDPEは一般包
装用としては透明性が悪く、従来の高圧法低密度
ポリエチレン（LDPE）の代替はできないばかり
か、透明性を要求されない包装分野でも、加工特
性の悪さのため利用が難しいとされてきた。即
ち、エチレンと他のαオレフインの共重合物であ
るＬ−LDPEは、フイルムを形成させるのに余分
のエネルギーを必要とするばかりか、往々にし
て、成形機の新設又は、改造が要求されている。感光物質即ち、光に曝すとその品質価値を失う
写真感光材料の包装用としては光を完全に遮断す
る包装材料が使用される。この場合要求される特
性としてはガス遮断性、遮光性、防湿性、物理強
度（破断強度、引裂強度、衝撃穴あけ強度、ゲル
ボテスト強度等）、ヒートシール適性、（ヒートシ
ール強度、熱間シール性）帯電防止性などが挙げ
られる。これらの諸性質を単一のフイルム材料で
兼ねそなえることは因難であり従来、一般には、
カーボンブラツクや顔料等を練り込んだ低密度ポ
リエチレンフイルムと、紙、アルミ箔、セロハン
等のフレキシブルシートとの複合ラミネートフイ
ルムが使用されてきた。それでもなお物理特性は十分とはいえず、包装
作業中に裂けたり穴があいたり、ヒートシール部
がはがれるなどの欠点があつた。さらにカーボン
ブラツク等の遮光性物質を大量に添加すると物理
強度の劣化が大きくなり、添加量は３％前後、フ
イルム厚さは70μｍ以上とする必要があつた。こ
のため包装はカサばりフイルムの剛度が大きくな
り包装作業性が悪化し且つコスト的にも高価なも
のとなつている。従来の代表的な写真感光材料用の包装材料とし
ては、第３図の、アルミニウム箔の両面にフレキ
シブルシートとカーボンブラツク入のポリエチレ
ンフイルムの（LDPE）二層を積層させたものが
使用されてきた。アルミニウム箔を使用するのは
熱可塑性樹脂フイルムの防湿性が劣る、ガス遮断
性が劣る、剥離帯電が発生しやすい等の欠点を解
決するためであるが、この結果、引裂強度、衝撃
穴あけ強度、ゲルボテスト強度はかえつて熱可塑
性樹脂フイルムだけの場合より大巾に低下して特
に重量物の包装時に破損の問題を生ずることもあ
り、カーボンブラツク入LDPEフイルムの厚さを
70μｍ以上にしてきた。従来の高圧法低密度ポリエチレン（LDPE）フ
イルムや低圧法高密度ポリエチレン（HDPE）フ
イルムに遮光性物質を添加すると物理強度が低下
するというこの問題点を解決する方法としては、
本出願人は既に特開昭58−132555号公報にＬ−
LDPE系ポリマーと１重量％以上の遮光性物質か
らなる全Ｌ−LDPE系ポリマー層の50重量％以上
が低圧法線状低密度ポリエチレン（Ｌ−LDPE）
である遮光性フイルムを開示している。この先出
願のフイルムをそのままアルミニウム箔と複合ラ
ミネートフイルム（第１表のC₃，C₄）にすると
〔従来のカーボンブラツク入りのLDPE遮光フイ
ルムを使用したアルミニウム箔の入つた複合ラミ
ネートフイルム（R₂，R₃，R₄）よりは良好であ
るが〕先出願のＬ−LDPE系単体遮光フイルム
（C₂）に比べ、積層体で厚さが大きくなつたにも
かかわらず引裂き強度が半分以下になり厚さを大
巾にさげることが出来なかつた。〔発明の目的〕本発明は、これらの問題を解決するためプラス
チツク単体フイルムの防湿性、ガス遮断性、帯電
防止性不良の欠点を改善しながら引裂き強度、衝
撃穴あけ強度、ゲルボテスト強度等の物理強度に
すぐれた感光材料包装用フイルムを提供すること
を目的とする。〔発明の構成概要〕即ち、本発明は少なくともアルミニウム箔とア
ルミニウム箔の両面にＬ−LDPE系ポリマー層を
積層させた三層を含む積層フイルムであつて、 (a) 該Ｌ−LDPE系ポリマー層の50重量％以上が
低圧法線状低密度ポリエチレン樹脂（Ｌ−
LDPE）であり、 (b) 該Ｌ−LDPE系ポリマー層の一つ以上の層に
0.5重量％以上の遮光性物質を含み、 (c) 該アルミニウム箔の両面にもうけた二層の該
Ｌ−LDPE系ポリマー層間の層厚差のその薄い
方の層厚に対する比が50％以内であり、 (d) 積層フイルムの透湿度が10ｇ／m²・24hr（40
℃90％RH）以下であることを特徴とする写真
感光材料包装用フイルムである。本発明の特徴は、所定の要件を備えたＬ−
LDPE系フイルム層をアルミニウム箔をはさむ様
に両面に積層させることにある。同じ層構成でも
両面でなく片面に２層のＬ−LDPE層を形成した
場合には特に衝撃穴あけ強度の点で本発明の様な
強度向上が見られない。本発明の積層フイルムは引裂き強度、柔軟性、
衝撃穴あけ強度、ヒートシール強度、熱間ハクリ
強度、滑性、ゲルボテスト強度、落下強度、防湿
性、ガスバリヤー性、帯電防止性、遮光性等が良
好で写真感光材料包装用フイルムとして非常にす
ぐれたものである。第１表に示すように同一厚さ
同一層構成では特に引裂き強度、衝撃穴あけ強
度、柔軟性、ヒートシール強度、熱間ハクリ強
度、滑性、ゲルボテスト強度、落下強度等が従来
のLDPEフイルムを使用した積層フイルムに比較
して大幅に改善される。この様な特性を持つフイ
ルムは特に湿度やガス（酸素ガス、亜硫酸ガス
等）や静電気等に対して敏感な写真感光材料の包
装用として有用であるが、先出願のＬ−LDPE単
独フイルムでは厚さを極端に大きくしたり導電性
物質を添加しても感光材料包装用フイルムとして
適したものは得られず、また、一層のＬ−LDPE
フイルムとアルミニウム箔とを単純に積層しただ
けのフイルムでも目的を達成出来ない。〔好適な実施の態様〕本発明でいうＬ−LDPE系ポリマー層とは、Ｌ
−LDPEを50重量％以上含むポリマーで、例えば
従来の高圧法、低中圧法のポリエチレンの他、
EEA，EVA、ポリブテン、ポリイソブチレンゴ
ム等との混合ポリマーも含む。Ｌ−LDPEは、低
圧法でエチレンと炭素数が３〜13、望ましくは４
〜10のαオレフインを共重合させたコポリマーで
線状の直鎖に短分岐をもつた構造の低中密度のポ
リエチレン系ポリマーである。具体例を商品名で示せば、ユニポール（UCC
社）、ダウレツクス（ダウケミカル社）、スクレア
ー（デユポンカナダ社）、マーレツクス（フイリ
ツプス社）、ウルトゼツクス（三井石油化学）な
どが挙げられる。αオレフインとしてはブテン−
１、オクテン−１、ヘキセン−１，４−メチルペ
ンテン−１などが使用され、その量は全ポリマー
の0.5〜10モル％程度である。密度は、一般に低
中圧法ポリエチレン程度とされているが、市販品
では0.91〜0.95ｇ／cm³の範囲内にあるものが多
い。押出し加工性を考えた場合密度は0.91〜
0.935ｇ／cm³、MIは0.1〜18ｇ／10分が好ましい。前記Ｌ−LDPE系ポリマーのＬ−LDPE以外の
残部は、実質上高圧法低密度ポリエチレン
（LDPE）とすることが好ましいが、部分的にこ
れら以外の他の熱可塑性樹脂、特にポリオレフイ
ン系樹脂又はエチレンの共重合樹脂（EEA，
EVA等）を含有することも、基本的特性を変更
しない範囲で可能である。本発明の遮光性物質とは、Ｌ−LDPE系ポリマ
ー中に混合分散される粒状ないし粉状のものであ
つて、可視光線（および紫外線）を透過させない
ものをいう。粒子径が小さく特に光を吸収又は反
射しやすい着色顔料、特に黒色顔料の各種カーボ
ンブラツクと反射しやすいアルミペーストより揮
発分を除去した物が写真性能的にも好ましい。本
発明に使用可能なものは具体的には各種カーボン
ブラツク、酸化鉄、亜鉛華、酸化チタン、クレ
ー、アルミ粉末、アルミペースト、炭酸カルシウ
ム、マイカ、硫酸バリウム、タルク、カドミニウ
ム系顔料、黄鉛、弁柄、コバルトブルー、銅フタ
ロシアニン系顔料、モノアゾ又はポリアゾ系顔
料、アニリンブラツク等の有機系顔料や無機系顔
料等が挙げられる。なおＬ−LDPE系ポリマー層
には常法に従い、熱及び紫外線安定剤、酸化防止
剤、帯電防止剤、滑剤、ブロツキング防止剤等を
添加しても差支えない。上記遮光性物質は、使用樹脂、使用機械、コス
ト等により使用形態として粉末状着色剤、ペース
ト状着色剤、潤性着色剤、マスターバツチ、染顔
料、カラードペレツトがある。遮光性物質の添加量については、例えば、遮光
性物質の代表であるカーボンブラツクについてい
えば、配合量に伴つて遮光性は確実に向上する。
しかし、従来の熱可塑性樹脂では各種の物理強度
は低下し、写真感光材料包装用フイルムに使用す
る場合はカーボンブラツク配合量は３％程度に押
さえざるを得ず、その上強度を補うためフイルム
厚を70μｍ以上にする必要があつた。このため包
装が嵩ばつたりフイルムの剛度が大きくなり包装
作業性が悪化し且つ省資源の意味でも問題があつ
た。本発明者らはポリエチレンの代りに従来は、包
装用フイルムとしては問題があつたＬ−LDPEを
使つて、カーボンブラツク配合の影響を試験し
た。この結果、Ｌ−LDPEにカーボンブラツクを
配合した場合には高圧法低密度ポリエチレン（以
後LDPEと表示）の場合とは逆に物理強度が大幅
に増大するという予想外の結果を見出している。 LDPEはＬ−LDPEに比しもともと強度が小さ
いが、特にカーボンブラツクを添加した時の強度
の低下が著しい。それに対し、Ｌ−LDPEはカー
ボンブラツク添加により強度が大きく向上してい
る。カーボンブラツク配合の効果は、0.5重量％で
発生しはじめ１重量％で明らかに現われ、３重量
％を超えると顕著になつてゆくが、配合量がさら
に増大するとブツ発生が多くなり、且つコストア
ツプになる。この様な点も考慮すれば、カーボンブラツクの
適切な配合量は0.5重量％以上、より好ましくは
１〜15重量％である。この遮光性物質はアルミニウム箔をはさむ両層
に配合すればより完全な遮光性が確保できるが、
もし、どちらか一層にだけ加える場合は、内側
（製品に接する側）に配合する方が遮光性の点で
有利であり、遮光層が破損する危険も少ない。本発明に使用する代表的な遮光性物質であるカ
ーボンブラツクの製造法による分類例としてはチ
ヤンネル法カーボンブラツク、ガスフアーネス法
カーボンブラツク、サーマル法カーボンブラツク
等がある。原料による分類例をあげるとガスブラ
ツク、オイルフアーネスブラツク、アントラセン
ブラツク、アセチレンブラツク、油煙、松煙、ア
ニマルブラツク、ベジタブルブラツク等がある。
本発明では遮光性、コスト、物性向上の目的では
フアーネスカーボンブラツクが望ましく、高価で
あるが帯電防止効果を有する遮光性物質としては
アセチレンカーボンブラツク、ケツチエンカーボ
ンブラツクが望ましい。最も写真感光材料に悪影
響がないのは粒子径が30ｍμ以下のものを50重量
％以上含みPH５〜９のオイルフアーネスカーボン
ブラツクである。必要により前者と後者又は２種
類以上（カーボン種類、粒子サイズ、PH等の異な
るもの）を必要特性に従つて併用することも望ま
しい。遮光性物質をポリエチレン系ポリマーに配
合する形態は上記のように種々あるが、マスター
バツチ法がコスト、作業場の汚染防止等の点で望
ましい。公知文献の特公昭40−26196号公報では
有機溶媒に溶解した重合体の溶液中にカーボンブ
ラツクを分散せしめて、重合体−カーボンブラツ
クのマスターバツチをつくる方法を、特公昭43−
10362号公報にはカーボンブラツクをポリエチレ
ンに分散してマスターバツチをつくる方法を述べ
ている。特に次の方法に制限されないが本発明に使用し
たカーボンブラツクをポリエチレン系ポリマーに
配合するマスターバツチ法について説明する。まずLDPE（高圧法低密度ポリエチレン）に２
重量％以上、一般には10重量％以上の高濃度にカ
ーボンブラツクを混合してマスターバツチを作
る。最終製品のカーボンブラツク量が所定の値に
なる様にこのマスターバツチを計量し、Ｌ−
LDPEと混合する。この方法には２つの利点を認
めることができる。第一にカーボンブラツクをＬ
−LDPEに直接混合するよりもこの方が混合、分
散が容易であり、コストダウンになり且つフイツ
シユアイも改良される。第二にＬ−LDPE単独系よりもLDPEとＬ−
LDPEの混合系の方がフイルムを製造する場合の
加工性にすぐれている。カーボンブラツク混合の
コストダウンのためマスターバツチ用樹脂として
Ｌ−LDPEを使用してもよい。本発明ではマスタ
ーバツチ用樹脂としては主成分のＬ−LDPEより
メルトインデツクスの高いポリオレフイン系樹脂
が均一混合の点で望ましい。なお、他の遮光性物
質を用いた場合もほぼ同様である。溶融張力、流動特性は、Ｌ−LDPEの大きな問
題点であり、フイルム製造に際しては従来のポリ
エチレンより大きなエネルギーを要求するばかり
か往々にしてインフレーシヨンフイルム成形機の
改造や新設さえ要求されるといわれてきた。この点に関し、例えば特開昭55−117638号公報
では、スクリユーにかかる負担を小さくし、回転
による発熱を低下するためのスクリユー構造を変
更する方法が開示されている。本発明のマスターバツチ法によればＬ−LDPE
系ポリマー中に５重量％以上のLDPEを含む場合
にはこのような改造を要さず、現有のＴダイやイ
ンフレーシヨンフイルム成形機をそのまま使用す
ることができる。加工特性だけからいえばＬ−LDPEは少ないほ
ど良いといえるが、LDPEの量がＬ−LDPEの量
より大きくなつては、本発明のカーボンブラツク
による強度向上の効果が十分に現われることはな
く、Ｌ−LDPE系ポリマー層中に占めるＬ−
LDPEの量は50％以上が好ましく、特に好ましく
は60％以上である。加工性の向上はＬ−LDPEに
LDPEを配合するだけでも効果があるが、遮光性
物質添加の好影響もあり、バブル安定性はいつそ
う向上する。一方、ポリマーブレンド系は物理特性にもすぐ
れ、特に引裂強度、ヒートシール強度、ゲルボテ
スト強度の向上が顕著である。このデータの１部
を第１表に示す。Ｌ−LDPE系ポリマー層はＬ−
LDPE無配向フイルム層であつても一軸又は、二
軸配向フイルム層（含む１軸延伸又は２軸延伸フ
イルム）であつてもよい。又アルミニウム箔の両
面の二層のＬ−LDPE系ポリマー層は厚さ配向度
又は延伸倍率、配向方向又は延伸方向、組成、遮
光性物質添加量等が同一であつても異なつていて
も特許請求の範囲に入つていればよい。例えばＬ
−LDPEタテ−軸延伸フイルム層とＬ−LDPEヨ
コ一軸延伸フイルム層を延伸軸が交差するように
アルミニウムの両面に積層してもよい。またＬ−LDPE系ポリマー層の厚さは、被包装
物の重量や包装形態に応じて要求される強度にあ
わせて決定されるが、最も一般的に20〜100μｍ
が好ましい。しかし、この範囲外のものもまた特に強度を要
求される場合、及びかさばらないこことが特に望
まれる場合には使用できる。二層のＬ−LDPE層に関して重要な他の要件は
その二層の厚さ比である。アルミニウム箔の両面にもうけた二層の該Ｌ−
LDPE系ポリマー層間の層厚差のその薄い方の層
厚に対する比（以下、厚さ比という。）とは、一
般的には次式で表わされる。厚さ比＝｜厚いＬ−LDPE層−薄いＬ−LDPE層／薄い
Ｌ−LDPE層｜×100 本発明の第７図について説明すると図中１の遮
光性物質を含まないＬ−LDPE系透明フイルムの
厚さが40μｍ、図中７の遮光性物質を含むＬ−
LDPE系遮光フイルムの厚さが50μｍとすると本
発明で言う厚さ比は厚さ比＝｜50−40／40｜×100＝25％である。この厚さ比が通常の目的のためには小さいほど
よく、一般には50％以内、好ましくは30％以内の
ものが使用しやすい。厚さ比が50％より大きくな
ると特に引裂強度、衝撃穴あけ強度、ゲルボテス
ト強度、カール防止、加工機適性、帯電防止性、
遮光性、落下強度の改善の効果が十分現れないの
で好ましくない。アルミニウム箔は被包装物に応じて適当な厚さ
のものが使用できるが、強度が特に要求されない
場合は６〜15μｍ程度が好ましい。透湿度はこの厚さ9μｍ以上のアルミニウム箔
だけで十分感光材料包装用としての必要条件であ
る10ｇ／m²24hr（40℃、90％RH）以下とするこ
とができるばかりか十分安全な５ｇ／m² 24hr以
下をも達成できる。本発明に必須の三層、即ちアルミニウム箔とア
ルミニウム箔の両面に積層する少なくともどちら
かの層にカーボンブラツクを0.5重量％以上含む
Ｌ−LDPE系ポリマー層については以上の通りで
あるが、本発明の実施においてはこの他に他の層
を積層させて複合（積層）フイルムとして使用す
ることができる。複合フイルムに使用される他の包装用材料とし
ては、他の熱可塑性樹脂フイルム、例えば各種ポ
リエチレン、ポリエチレン共重合樹脂、各種ポリ
プロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデ
ン、ポリアミド、ポリカーボネート、フツ素樹
脂、ポリエステルなどのフイルムであり、それら
の変性樹脂のフイルムがある。また、セルローズアセテートフイルム、セロフ
アン、ポリビニルアルコールフイルム、紙、アル
ミ箔、不織布、ワリフ、ポリエチレン・ポリスチ
レン・ポリウレタン等の発泡シート等のフレキシ
ブルシートなども好適である。これらの前記他の
包装材料は一種又は二種以上組合せて用いられ
る。これらの他の包装材料や本発明の必須の三層を
ラミネートさせて複合フイルムを作る方法は接着
剤層を介しても介さなくてもよい。例えば熱接着
法（熱板接着法、インパルス接着法、高周波接着
法、超音波接着法）、接着剤による方法（湿式ラ
ミネート法、乾式ラミネート法、ホツトメルトラ
ミネート法、エクストルージヨンラミネート法）、
共押出しラミネート法等が使われる。このように
して得られた複合（積層）フイルムは、ヒートシ
ール性、物理強度、すべり特性、帯電防止性、印
刷性、遮光性、美観などの点を向上させることが
考えられる。本発明の写真感光材料包装用フイルムは、ハロ
ゲン化銀写真感光材料、ジアゾ写真感光材料、感
光性樹脂、自己現像型写真感光材料、拡散転写型
写真感光材料等光や、湿度やガスにより品質が破
壊される写真感光材料の包装材料として最適であ
る。本発明の写真感光材料包装用フイルムを写真感
光材料の包装に適用する場合１重平袋、２重平
袋、角底袋、自立袋、１重ガゼツト袋、２重ガゼ
ツト袋、フイルムシート、防湿箱の内貼り、リー
ダー紙等公知のあらゆる形態が可能である。本発明の写真感光材料包装用フイルムは用途に
よつて種々の包装形態で写真感光材料を包装する
が、代表的な形態としては写真感光材料Ｃをまき
こんだり各種形式の袋を形成しこの中に写真感光
材料を密封包装する。（第１４〜１７図）製袋の方法は使用する積層フイルムの性質に応
じてヒートシール、インパルスシール、超音波シ
ール、高周波シールなど、従来公知のプラスチツ
クフイルムのシール法による。なおまた適宜の接
着剤、粘着剤などを使用して製袋することも可能
である。第１４〜１７図のＳはシール部を示す。
シール部Ｓは第１４図の如く全周囲に形成して
も、点線状又は部分的に形成してもよい。袋の形式、層構成は公知のあらゆるものが使用
可能であり代表例として一重の平袋を使用した例
を第１４図と第１５図に、外紙と内紙の２重構成
よりなる２重ガゼツト袋を使用した例を第１６
図、第１７図に示した。本発明の包装材料は従来の包装材料R₁，R₂，
R₃，R₄及びＬ−LDPE単体フイルム及び帯電防
止のためにアルミ箔を使用したＬ−LDPE遮光層
を有する比較品包装材料C₁，C₂，C₃，C₄に比較
して又はアルミ箔両面の２層の厚み差が50％以上
のＬ−LDPE層を有する比較品包装材料に比較し
て引裂強度、衝撃穴あけ強度、ゲルボテスト強
度、カール防止、加工機適性、帯電防止性、遮光
性、落下強度にもすぐれることから、写真感光材
料包装用フイルムとして特に適している。〔実施例〕本発明の写真感光材料包装用フイルムの好まし
い実施態様の代表例を比較例と共に以下に記す。
各々のサンプルは次の内容のものである。比較品C₁は第１図に相当する遮光性物質を含
まない50μｍのＬ−LDPE（三井石油化学製ウルト
ゼツクス2020L）透明フイルムである。従来品R₁
は第２図に相当する遮光性物質としてカーボンブ
ラツクを３重量％含む70μｍのLDPE（日本ユニカ
ー製DFD−0111）遮光フイルム層２である。従来品R₂は第３図に相当するフレキシブルシ
ート３として35ｇ／m²の晒クラフト紙、LDPE遮
光層として２のカーボンブラツクを3.0重量％含
有した厚さ70μｍの高圧法低密度ポリエチレン
（LDPE）フイルム、４の厚さ15μｍのLDPE接着
層で５の7μｍのアルミ箔と積層した積層フイル
ムである。従来品R₃は第３図に相当する２とし
てカーボンブラツクを３重量％含む50μｍの
LDPEフイルムとした以外は上記と同一構成でフ
レキシブルシート３の外側に15μｍのLDPE接着
層４を介してさらにカーボンブラツクを３重量％
含むLDPEフイルム50μｍを積層した積層フイル
ムである。比較品C₂は第４図に相当するカーボ
ンブラツクを６重量％、LDPEを15重量％、Ｌ−
LDPEを79重量％含む50μｍのＬ−LDPE系ポリ
マー遮光フイルムである。従来品R₄は第９図の
７を２にした層構成で２としてはカーボンブラツ
クを３重量％含む厚さ50μｍのLDPEフイルムを
厚さ7μｍのアルミニウム箔５の両面に厚さ15μｍ
のLDPE接着層４を介して積層した積層フイルム
である。比較品C₃は第５図に相当するカーボン
ブラツクを６重量％含む厚さ70μｍのＬ−LDPE
系ポリマー遮光フイルム層７を直接厚さ7μｍの
アルミニウム箔５に積層し、反対面に厚さ15μｍ
のLDPE接着層４を介して、３として35ｇ／m²の
晒クラフト紙を積層した積層フイルムである。比
較品C₄は第６図に相当するカーボンブラツクを
６重量％、LDPEを15重量％、Ｌ−LDPEを79重
量％含む厚さ50μｍのＬ−LDPE系ポリマー遮光
フイルム層を厚さ15μｍのLDPE接着層を介して
厚さ7μｍのアルミニウム箔５に積層しその反対
面にはフレキシブルシート層３として35ｇ／m²の
晒クラフト紙を厚さ15μｍのLDPE接着層を介し
て積層した積層フイルムである。本発明品１は第
７図に相当する。７としてカーボンブラツクを６
重量％、LDPEを15重量％、Ｌ−LDPEを79重量
％含む50μｍのＬ−LDPE系ポリマー遮光フイル
ム層をカーボンブラツクを３重量％含む厚さ15μ
ｍのEEA接着層４ａで厚さ7μｍのアルミニウム
箔５に積層し、さらにアルミニウム箔５の表面に
直接LDPEを15重量％、Ｌ−LDPE85重量％含む
厚さ40μｍのＬ−LDPE系ポリマー透明フイルム
層１を積層した積層フイルムである。本発明品２
は第８図に相当する厚さ7μｍのアルミニウム箔
５の両面にカーボンブラツク３重量％、
LDPE7.5重量％、Ｌ−LDPEを89.5重量％含む厚
さ50μｍのＬ−LDPE系ポリマー遮光フイルム層
７を直接積層した積層フイルムである。本発明品
３は第９図に相当する厚さ7μｍのアルミニウム
箔５の両面に厚さ50μｍのカーボンブラツクを３
重量％、LDPE7.5重量％、Ｌ−LDPEを89.5重量
％含むインフレーシヨンフイルム成形法によるＬ
−LDPE系ポリマー遮光フイルム層７を厚さ15μ
ｍのLDPE接着層４により積層した積層フイルム
である。本発明品４は第９図に相当する厚さ7μｍのア
ルミニウム箔の製品側の面にカーボンブラツクを
３重量％、LDPEを7.5重量％、Ｌ−LDPEを89.5
重量％含むインフレーシヨンフイルム成形法によ
り別途製造した70μｍのＬ−LDPE系ポリマー遮
光フイルム７を、アルミニウム箔５の反対面に同
一組成、フイルム成形法の厚さ50μｍのＬ−
LDPE系ポリマー遮光フイルム７を厚さ13μｍの
LDPE接着層４により積層した積層フイルムであ
る。本発明品５は第１０図に相当する厚さ7μｍの
アルミニウム箔５に直接遮光性物質を含まない、
厚さ50μｍのＬ−LDPE系ポリマー透明フイルム
層１を積層し、厚さ7μｍのアルミニウム箔５の
反対面に遮光性物質（カーボンブラツク）を６重
量％、LDPE15重量％、Ｌ−LDPEを79重量％含
む厚さ50μｍのＬ−LDPE系ポリマー遮光フイル
ム層７を直接積層した後その上に厚さ15μｍの
LDPE接着層４を介して遮光性物質（カーボンブ
ラツク）を５重量％含む60ｇ／m²のフレキシブル
シート（晒クラフト紙）層３ａを積層した積層フ
イルムである。本発明品６は第１１図に相当の厚さ7μｍのア
ルミニウム箔５の製品側に、遮光性物質（カーボ
ンブラツク）を３重量％含む厚さ15μｍのEEA
（日本ユニカー製＃6170）接着層４ａを介して厚
さ50μｍの遮光性物質（アルミペースト）を３重
量％と、Ｌ−LDPE82重量％、LDPE15重量％含
むインフレーシヨンフイルム成形法によるＬ−
LDPE系ポリマー遮光フイルム層７を積層し、ア
ルミニウム箔５の反対面にはフレキシブルシート
層３として厚さ20μｍの二軸延伸ポリエステルフ
イルムを遮光性物質としてカーボンブラツク２重
量％、LDPE30重量％、Ｌ−LDPE68重量％含む
厚さ35μｍのＬ−LDPE系ポリマー遮光フイルム
層７で積層した積層フイルムである。本発明品７は第１２図に相当する厚さ7μｍの
アルミニウム箔５の製品側にLDPE45重量％とＬ
−LDPE55重量％よりなる厚さ15μｍのＬ−
LDPE系（LDPE45％＋Ｌ−LDPE55％）ポリマ
ー接着層４ｂを介して厚さ50μｍの遮光性物質
（カーボンブラツク）を６重量％含むＬ−LDPE
系ポリマー遮光フイルム層７を積層しこのＬ−
LDPE系ポリマー遮光フイルム層７の上に製品が
カーボンブラツクの入つたＬ−LDPE系ポリマー
遮光フイルム層７によつて汚されないようにする
為と低温ヒートシール性を与えるために厚さ20μ
ｍのアイオノマー樹脂（Dupont社製サーリン）
よりなるヒートシール層６を積層し、アルミニウ
ム箔５の反対面には厚さ15μｍのLDPE接着層４
を介してＬ−LDPE（三井石油製ウルトゼツクス
2020L）樹脂のみのインフレーシヨンフイルム成
形法による厚さ50μｍのＬ−LDPE系ポリマー透
明フイルム層１を積層しこの上にさらに厚さ15μ
ｍのLDPE接着層４を介してフレキシブルシート
層３として35ｇ／m²の晒クラフト紙を積層した積
層フイルムである。本発明品８は外紙Ａとしてフレキシブルシート
層３の未晒クラフト紙70ｇ／m²に厚さ15μｍの
LDPEヒートシール層６を積層し、内紙Ｂとして
は厚さ7μｍのアルミニウム箔５の両面に厚さ15μ
ｍのLDPE接着層４を介してカーボンブラツク
4.5重量％、LDPE9.5重量％、Ｌ−LDPE86重量
％よりなる組成のインフレーシヨンフイルム成形
法により別途製造した厚さ50μｍのＬ−LDPE系
ポリマー遮光フイルムを積層した積層フイルムよ
りなる二重の積層フイルムであり特に重量のある
エツジのシヤープなシート状及びロール状の写真
感光フイルムやロール状の写真印画紙用として最
適な包装材料である。この包装材料は第１６図、第１７図のような２
重平袋、２重ガゼツト袋等の形態で使用すると物
理強度に優れた柔軟な包装となる。以上の従来品R₁，R₂，R₃，R₄、比較品C₁，
C₂，C₃，C₄、本発明品１，２，３，４，５，６，
７，８の各層構成説明と特性比較をした結果を第
１表に示す。以上の実施例は本発明の写真感光材料包装用フ
イルムとして好ましい実施態様の代表例を示した
ものであるが本発明は以上に限定されるものでな
く、他のＬ−LDPE系ポリマー組成及び層構成、
並びに他の公知の素材との組合せ層構成等も可能
である。

【表】

【表】包装材料の原料は特に表示がない場合は下記の
ものを使用した。メルトインデツクス（MI）の測定方法は
JISK6760（＝ASTM1238）に準ずる。Ｌ−LDPE系ポリマー層１及び７…… 三井石油化学製ウルトゼツクス2020L MI 2.5ｇ／10分、密度0.922ｇ／cm³ LDPEフイルム層２……日本ユニカー製DFD−
0111 MI 2.4ｇ／10分、密度0.923ｇ／cm³ LDPE接着層４及び４ａ……三井ポリケミカル
製ミラソン14 MI 5.1ｇ／10分、密度0.919ｇ／cm³ Ｌ−LDPE接着層４ｂ及びアルミニウム箔に直
接接着するＬ−LDPE系ポリマー層１及び７ ……三井石油化学製ウルトゼツクス2080C MI ８ｇ／10分、密度0.920ｇ／cm³ LDPEヒートシール層６……三井ポリケミカル
製ミラソン15 MI 4.0ｇ／10分、密度0.917ｇ／cm³ カーボンブラツク……三菱化成製＃44B オイルフアーネスブラツク、平均粒子径21ｍμ PH7.7 表１の評価は下記に従つた。 ◎ 非常に優れている、〇優れている、 ● 実用限度内、〓問題あり、 × 実用不可試験方法は下記による。厚さ……（JIS P8118に準ずる。Ｌ−LDPE2層の厚さ比（19頁前掲の通り）引裂き強度……JIS P8116に準ずる。衝撃穴あけ強度……JIS P8134に準ずる。防湿性……JIS Ｚ 0208−1976に準ずる。（40℃90％ｇ／m²・24hr）遮光性……ASA 100の写真フイルムを各包
装材料を使用した後に入れ完全密封
後、８万ルツクスの光に１時間さら
し、遮光性を写真フイルムのカブリの
程度により検出、評価する。ハクリ帯電圧……テストすべきシートで巾35
mm、長さ1350mmのエンドレスベルトを
作り、このベルトを荷重500ｇのSUS
ローラーと、SUSローラー間に12
ｍ／分の速度で送つた時のハクリ帯電
量をボルトメーターで読み取る。ホツトタツク性（熱間シール性）……ヒートシ
ールした直後の２枚の包装材料（巾15
mm）の開端を片側45ｇの荷重で剥離角
度22.5度で引張つた場合の熱間剥離距
離（cm）により測定。

【図面の簡単な説明】

第２図〜第３図は従来の感光材料包装用フイル
ムの一例である。第１図及び第４図〜第６図はＬ
−LDPE比較品、第７図〜第１３図は本発明の感
光材料包装用フイルムの実施例を示す。第１３図
は２重袋の代表例として外紙Ａと第２図の層構成
よりなる本発明包装材料を内紙Ｂとした感光材料
用包装材料の断面図である。第１４図は本発明に
よる包装材料を使用して平袋を形成したときの一
部切欠斜視図である。第１５図は完全密封包装し
た写真感光材料の断面図である。第１６図は外紙
と本発明による包装材料を内紙として使用して二
重ガゼツト袋を形成し袋の内に感光材料を密封し
た断面図である。第１７図は白黒又はカラーのロ
ール状感光材料（印画紙、映画用フイルム、印刷
用フイルム、間接Ｘレイフイルム、マイクロフイ
ルム等）の包装形態を示す断面概念図である。図中の数字、アルフアベツトは下記の内容を示
す。１……遮光性物質を含まないＬ−LDPE系ポ
リマー透明フイルム層、２……遮光性物質を含む
LDPEフイルム層、３……他のフレキシブルシー
ト層、４……接着層、４ａ……遮光性物質を含む
接着層、４ｂ……Ｌ−LDPE系ポリマー接着層、
５……アルミニウム箔、６……ヒートシール層、
７……遮光性物質を含むＬ−LDPE系ポリマー遮
光フイルム層、Ａ；外紙、Ｂ；内紙（本発明品）、
Ｃ；写真感光材料、Ｄ；密封部分の折り込み接着
部分（接着剤使用）、Ｅ；密封部分の折り込み接
着部分（テープ使用）、Ｓ；ヒートシール又は接
着剤等による密封部分。

Claims

【特許請求の範囲】１少なくともアルミニウム箔とアルミニウム箔
の両面にＬ−LDPE系ポリマー層を積層させた三
層を含む積層フイルムであつて、 (a) 該Ｌ−LDPE系ポリマー層の50重量％以上が
低圧法線状低密度ポリエチレン樹脂（Ｌ−
LDPE）であり、 (b) 該Ｌ−LDPE系ポリマー層の一つ以上の層に
0.5重量％以上の遮光性物質を含み、 (c) 該アルミニウム箔の両面にうけた二層の該Ｌ
−LDPE系ポリマー層間の層厚差のその薄い方
の層厚に対する比が50％以内であり、 (d) 積層フイルムの透湿度が10ｇ／m²・24hr（40
℃90％RH）以下であることを特徴とする写真
感光材料包装用フイルム。２前記Ｌ−LDPE系ポリマー層が該アルミニウ
ム箔に接着層を介して又は介さずに直接積層され
た特許請求の範囲第１項記載の写真感光材料包装
用フイルム。３前記遮光性物質が少なくともアルミニウム箔
の内側（製品側）の該Ｌ−LDPE系ポリマー層に
含まれた特許請求の範囲第１項又は第２項に記載
の写真感光材料包装用フイルム。４該遮光性物質がフアーネスカーボンブラツ
ク、アセチレンカーボンブラツク、チヤネルカー
ボンブラツク、サーマルカーボンブラツク、ケツ
チエンカーボンブラツク等の黒色カーボンブラツ
クの１種又は２種以上の混合物である特許請求の
範囲第１項〜第３項の一に記載の写真感光材料包
装用フイルム。５前記アルミニウム箔の厚さが６〜15μｍであ
り、前記Ｌ−LDPE系ポリマー層の各々の厚さが
20〜100μｍであり、該Ｌ−LDPEの密度は0.91〜
0.935であり、前記遮光性物質がカーボンブラツ
クでありその配合量がＬ−LDPE系ポリマー層の
１〜15重量％である特許請求の範囲第１項〜第４
項の一に記載の写真感光材料包装用フイルム。６前記カーボンブラツクはオイルフアーネスカ
ーボンブラツクである特許請求の範囲第５項に記
載の写真感光材料包装用フイルム。７前記オイルフアーネスカーボンブラツクは粒
径30ｍμ以下の粒子を50％以下含むPH５〜９のも
のである特許請求の範囲第６項に記載の写真感光
材料包装用フイルム。８前記二層の該Ｌ−LDPE系ポリマー層間の層
厚差のその薄い方の層厚に対する比が30％以内で
ある特許請求の範囲第１項〜第５項の一に記載の
写真感光材料包装用フイルム。