JPH0717068Y2 - 感光物質用包装材料 - Google Patents

感光物質用包装材料

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JPH0717068Y2
JPH0717068Y2 JP2053091U JP2053091U JPH0717068Y2 JP H0717068 Y2 JPH0717068 Y2 JP H0717068Y2 JP 2053091 U JP2053091 U JP 2053091U JP 2053091 U JP2053091 U JP 2053091U JP H0717068 Y2 JPH0717068 Y2 JP H0717068Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は感光物質用、特に写真感
光材料に適した包装材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】写真感光材料用包装材料は、種々のタイ
プのものが広く実用化されており、その使途に従って様
々の性能が要求されている。
【0003】光に曝すると、その品質価値を失う感光物
質、特に写真感光材料用包装材料としては、光を完全に
遮断する包装材料が使用される。この場合、要求される
特性としてはガスバリヤ性、遮光性、防湿性、物理強度
(破断強度、引裂強度、衝撃穴あき強度、ゲルボテスト
強度、摩耗強度等)、ヒートシール適性(ヒートシール
強度、ホットタック性、夾雑物シール性等)、自動製袋
適性、層間剥離強度、すべり特性などが挙げられる。こ
れらの諸性質を単一のフイルム材料で兼ねそなえること
は困難であり、従来、一般にはカーボンブラックや顔料
等を練り込んだ高圧法低密度ポリエチレン(以後、LDPE
と表示)の単一層フイルムやLDPEと紙、アルミニウム
箔、セロハン等のフレキシブルシートとの複合ラミネー
トフィルムなどが使用されてきた。複合ラミネートフイ
ルムの例を図7に示すが、このものはLDPE遮光フィルム
層11に接着層2を介して金属箔遮光層8を積層し、さら
に接着層2を介してフレキシブルシート層6を積層した
ものである。
【0004】本考案者は、感光物質用包装材料を改良す
べく鋭意研究を行ない、2層の一軸延伸フイルムを組み
合わせることによって物理強度を向上させたもの(特開
昭57−6754号公報)を既に開示している。
【0005】また、図9に示すようにシート状の発泡体
層12の両面に一軸分子配向熱可塑性樹脂フイルム層13を
積層してなる三層を含む積層フイルムにおいて、シート
状発泡体層12の厚さは0.3〜2.0mmであり、かつ発泡倍率
が5〜50倍であり、二層の一軸分子配向フイルム層13
は、分子配向軸が30度以上の角度で交差する様に発泡体
層12の両面に熱溶融接着層2を介して又は介さずに熱溶
融接着した積層フイルムの厚さが、各層の理論和の40〜
85%の厚さ(残留厚味率)に圧縮した衝撃穴アケ強度や
ゲルボテスト強度が大きく、カールの小さい特に重量物
用包装材料として非常にすぐれた積層フイルムを既に開
示した(特開昭59−201848号公報)。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】従来の複合ラミネート
フイルムは、前述の物理特性を向上させるべく構成され
たものであるが、重量製品やエッジがシャープなロール
フイルム製品等では、それでもなお物理特性は十分とは
いえず、包装作業中に裂けたり穴があいたり、ヒートシ
ール部がはがれるなどの欠点があった。さらに、カーボ
ンブラック等の遮光性物質を大量に添加すると物理強度
の劣化が大きくなり、添加量は3%前後、トータルフィ
ルム厚さは70μm以上とする必要があった。このため包
装はカサばり、積層体フイルムの剛度が大きくなり包装
作業性が悪化し、且つコスト的にも高価なものとなって
いた。
【0007】例えば、図8に示すカラー印画紙に使用さ
れていた7層構成の積層フイルムは、引裂き強度、衝撃
穴あき強度、ゲルボテスト強度等が不足していた。ま
た、特開昭57−6754号公報記載の包装材料は、引裂強度
等の物理強度は改善されているが、2層の一軸延伸フイ
ルムが必須のため、積層フイルムとしては高価で厚みの
大きい包装材料となっていた。図9に示す特開昭59−20
1848号公報記載の包装材料は、発泡シートの両面に一軸
分子配向フイルムを分子配向軸が交差するように積層
し、引裂強度、衝撃穴あき強度、ゲルボテスト強度等の
物理強度の改善が図られている。しかし、このような包
装材料は厚みが大きく、遮光性が防湿性等を確保するた
めのヒートシール適性が悪く、種々の問題点があった。
特に図9の層構成の場合は、自動製袋適正がなく、ヒー
トシール面に耐熱フイルムを挟み、特殊な冷却装置を用
いたヒートシーラーで製袋した袋に製品を挿入し密封包
装するため、非常に高価な包装となっていた。
【0008】本考案は以上のような問題点を改善し、物
理強度が大きく、かつ薄肉化できる感光物質用包装材料
を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本考案は、上記目的を達
成するためになされたもので、有孔フイルム層の孔を通
って一体となっている接着層で金属層及び低圧法直鎖状
低密度ポリエチレン樹脂フイルム層(以下、L-LDPEフイ
ルム層と表示)とスパンボンド法不織布層を積層接着
し、物理的強度、ヒートシール性等を向上させたもので
ある。
【0010】すなわち、本考案は多数の孔が穿設された
厚さ7〜150μmの熱可塑性樹脂からなる有孔フイルム
層と、該有孔フイルム層の感光物質側に位置する金属層
と、該金属層に積層された低圧法直鎖状低密度ポリエチ
レン樹脂を50重量%以上含む低圧法直鎖状低密度ポリエ
チレン樹脂フイルム層と、前記有孔フイルム層の金属層
と反対側に位置するスパンボンド法不織布層とを有する
積層フイルムであって、前記有孔フイルム層の孔を通っ
て一体となっている接着層で前記金属層とスパンボンド
法不織布層とを接着積層し、かつ積層フイルムの各層の
中、少なくとも1の層が遮光性を有していることを特徴
としている。
【0011】有孔フイルム層は、熱可塑性樹脂のフイル
ムで形成されており、これには総ての熱可塑性樹脂のフ
イルムが使用できるが、入手性、コスト、成形性等より
効果的に適用しうる好ましい例をあげると、実質的にポ
リスチレン、ポリアミド(各種ナイロン)、EVA、E
EA、PET、PVC、PVDC、HDPE、MDPE、LDPE、低圧
法低密度ポリエチレン(L-LDPE)、ポリプロピレン樹脂
等を主成分とする熱可塑性樹脂フイルム(シングル押出
しフイルム、2層以上の共押出しフイルムも含む)に物
理的、又は化学的に開孔させたフイルムである。包装材
料として使用するのに好ましい有孔フイルム層の厚さは
7〜150μmである。
【0012】151μm以上の厚さになると有孔フイルム
層が製造し難く、且つ使用樹脂量が多くなって高価にな
る上、有孔フイルム層の両面に積層するための接着剤の
量を多くする必要があり、接着剤塗布速度低下と材料費
アップの問題、接着強度のバラツキの問題、平面性低下
の問題、積層体の剛度アップの問題が多く実用化は困難
である。
【0013】また、7μm未満では積層体としては有孔
フイルム層の効果が充分に発揮されず、コシの強さ、カ
ール、ゲルボテスト強度、引裂強度、穴あけ強度が小さ
く問題がある上、有孔フイルム層製造時切断や孔破れ発
生多発の為、実用化が困難である。
【0014】有孔フイルム層の代表的な製造方法として
はフイルムを製造した後、フイルムをパンチダイ方式で
打ち抜く方法や先のとがった針のついた回転体により物
理的に穴をあける方法(針を加熱してもよい)、フイル
ム押出し成形の際、同時に孔開けする方法やフイルム押
出し成形の直後孔開けする方法やフイルム押出し成形
し、冷却後巻取り前に先のとがった回転体で物理的に孔
開けする方法やフイルム成形巻取り後、オフラインでパ
ンチダイ等を使って孔開けする方法等がある。
【0015】その他の方法としては、熱可塑性樹脂や各
種ゴム、ポリウレタン等に発泡剤を混練させ孔開けする
方法又は上記の2つ以上の方法を組合わせる方法等があ
る。
【0016】特に、特公昭52−4675号公報に開示されて
いる各種ポリエチレン、各種ポリプロピレン、各種ナイ
ロン、ポリスチレン、EVA、EEA、PVC等の熱可
塑性樹脂を用い、フイルムの押出し成形の際、同時に孔
開けする方法が省資源の点でも孔開け時に発生するバリ
又は切断によるキレツをなくし、美しい強靱な有孔フイ
ルムを安価に得ることが出来る点でも望ましい。シング
ル押出し又は共押出しフイルム成形方法としては、Tダ
イ法やインフレーション法、水中回転チューブ成形法等
公知の有孔フイルム製造方法が用いられる。
【0017】フイルムに孔開け後、冷却し一軸延伸又は
二軸延伸させることにより、無延伸の時より厚さが小さ
くとも強度が大きく、孔径の大きな開孔率の大きな有孔
フイルムを製造することが出来る。
【0018】孔の形状は円形、楕円形、ピロー形、花弁
型、ひょうたん型、マユ玉形、90度以上の角度をもつ多
角形、三角形以上の多角形(4〜8角形等)などあらゆ
るものが可能であるが、有孔フイルム層の強度、製造し
やすさから円形、楕円形、ピロー形、花弁形、ひょうた
ん形、角を丸めた多角形、マユ玉形など角のないもの、
特に真円形又は楕円形が望ましく、孔の形、大きさは2
種類以上複合開孔してもよいし、孔の分布は均一でなく
てもよい。代表的な孔の形状を図3に示す。
【0019】
【数1】 は10〜90%であり、好ましくは20〜80%、最も好ましく
は30〜70%である。
【0020】開孔率が10%以下では、有孔フイルム層の
両面に積層する金属層又はスパンボンド法不織布層の一
方だけに接着層をもうけた時に、有孔部を通じて反対側
の層と接着する面積が5%以下になりやすく、層間ハク
リ等の故障を起こしやすくなるためである。
【0021】また、開孔率が90%以上になると、有孔フ
イルム層の強度が低下し製造時に切断や破れ、キレツが
多発し、且つ積層体としても平面性が劣り、引裂き強
度、穴あけ強度、ゲルボテスト強度等が向上せず、目的
を達成できなくなる。
【0022】接着面積は5〜95%で同様な効果が得ら
れ、好ましくは15〜70%である。
【0023】有孔フイルム層の孔径は0.5〜25mmであ
り、好ましくは1.0〜20mm、最も好ましくは2〜15mmで
ある。0.5mm以下では開孔率が10%以下と同様の問題が
発生し、25mm以上では開孔率が90%以上の時と同様の問
題が発生する。
【0024】友孔フィルム層の感光物質と接する側に
は、金属層が積層されている。この金属層は、金属箔自
体でもよいし、他のフィルムに加工された金属薄膜であ
ってもよい。
【0025】金属薄膜加工方法としては真空蒸着法、ス
パッタリング法、イオンプレーティング法、電子ビーム
蒸着法など、従来公知の薄膜生成法等によりフレキシブ
ルシートの両面又は片面(例えば、感光物質側の片面)
に設けることができる。
【0026】金属薄膜にはAl、Sn、Zn、Co、Cr、
Ni、Fe、Cu等の金属単体、合金、その他薄膜生成可
能な金属はすべて使用できるがコスト、加工しやすさの
点でアルミニウム(Al)がもっとも適している。
【0027】金属薄膜は積層体としての物理強度、遮光
性、帯電防止性と防湿性確保及びコスト、品質の点から
55〜1200Åの厚さが好ましい。即ち、厚さが55Å未満で
は金属薄膜加工フレキシブルシート層だけでは金属薄膜
の両面の層に発生する帯電を減少させることが出来ない
上に、金属薄膜の両面のフレキシブルシート層と遮光層
の厚さ増加をしないと感光材料用包装材料として必要な
防湿性、遮光性を確保することが出来ない。
【0028】又厚さが1200Åを越えると帯電防止、防湿
性、遮光性は確保できるがコスト及び真空蒸着法等では
加熱によるフレキシブルシート層の劣化、出来あがった
積層フイルムの物理強度低下等の点で問題があり、実用
化困難である。アルミ蒸着膜の場合70Å以上、通常の用
途には80〜800Åの厚さが好ましく、さらに好ましくは1
00〜600Åである。
【0029】必要なら金属薄膜の上に保護層をもうけて
もよい。
【0030】金属薄膜保護層としてはアクリル樹脂、酢
酸繊維素等のセルローズ系樹脂、ウレタン樹脂、エポキ
シ樹脂、ポリエステル樹脂、アイオノマー樹脂、EEA
樹脂、各種ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等適
宜の樹脂が使用できる。又ワックス、ゼラチン、ポリビ
ニルアルコール等も使用できる。
【0031】金属薄膜の保護層は、極薄の厚さで形成す
るのがよい。押出しラミネート法でもうける場合でも50
μm以下にしないと静電気の除去は不充分となる。
【0032】公知の溶液塗布法又はスプレー塗布法等に
より5μm以下の厚さにすると金属薄膜の保護ができ、
静電気の除去効果大である。フレキシブルシート層、遮
光層、接着層、金属薄膜保護層に帯電防止剤やカーボン
ブラック、アルミニウム粉末、アルミニウムペースト等
の金属粉末や炭素繊維等の導電物質等を混入することも
でき、このようにすれば静電気の除去さらに万全とな
る。
【0033】そして、金属層にはL-LDPEフイルム層が積
層されている。このL-LDPEフイルム層は金属層の態様に
より種々の態様となり、金属箔を用いた場合は別個の独
立したフィルム層となるが、金属薄膜を用いた場合は金
属薄膜を加工したフィルム層となる。このL-LDPEフィル
ム層はL-LDPE樹脂を50重量%以上含んでいる樹脂から成
るフイルムである。
【0034】このL-LDPE樹脂は低圧法でエチレンと炭素
数が3〜13、好ましくは5〜10のαオレフィンを共重合
させたコポリマーでエチレン含有量が85〜99.5モル%の
線状の直鎖に短分岐をもった樹脂である。
【0035】具体例を商品名で示せば、ユニポール(U
CC社)、ダウレックス(ダウケミカル社)、スクレア
ー(デュポンカナダ社)、マーレックス(フィリップス
社)、ネオゼックスとウルトゼックス(三井石油化
学)、日石リニレックス(日本石油化学)、スタミレッ
クス(DSM社)などが挙げられる。α−オレフィンと
してはブテン-1、オクテン-1、ヘキセン-1,4-メチルペ
ンテン-1などが使用され、その量はポリマーの0.5〜15
モル%程度である。密度は、一般に低中圧法ポリエチレ
ン程度とされているが、市販品では0.87〜0.95の範囲内
にあるものが多い。
【0036】これらのL-LDPE樹脂のうち特に好ましいの
はエチレン含有量90〜99.5モル%、α−オレフィン含有
量0.5〜10モル%、メルトインデックス(MI)0.4〜15
g/10分(JIS K6760)、密度0.91〜0.94g/cm3(JIS K676
0)、αオレフィンとしてヘキセン-1、又は4-メチルペン
テン-1、又はオクテン-1を用いたものである。商品名で
はウルトゼックス(三井石油化学)、ダウレックス(ダ
ウケミカル社)、スタミレックス(DSM社)等であ
る。
【0037】L-LDPE樹脂は、強度的にはLDPE樹脂よりす
ぐれるが、透明性に劣ること、加工性の困難さのため、
従来は包装用フイルムとしては不適とされていた。
【0038】L-LDPEにブレンドされる他の樹脂として
は、LDPE樹脂が好ましく使用されるが、他の熱可塑性樹
脂好ましいのはポリオレフィン系樹脂、例えば各種のエ
チレン−酢酸ビニル共重合体(以後、EVAと表示)や
エチレン−エチルアクリレート共重合体(以後、EEA
と表示)、エチレン−メタアクリレート共重合体(以
後、EMAと表示)、ポリイソブチレン、エチレン−ア
クリル酸共重合体(以後、EAAと表示)、各種ポリエ
チレン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリプロピレン樹脂等
を含有せしめることも基本的特性を変更しない範囲で可
能である。
【0039】L-LDPEフイルム層はTダイフイルム成形法
やインフレーションフイルム成形法等により成形され
る。溶融張力、流動特性は、L-LDPE樹脂の大きな問題で
あり、フイルム製造に際しては、従来のポリエチレンよ
り大きなエネルギーを要するばかりか往々にしてインフ
レーションフイルム成形機の改造や新設さえ要求される
といわれてきた。
【0040】この点に関し、例えば特開昭55−117638号
公報には、スクリューにかかる負担を小さくし、回転に
よる発熱を低下するためのスクリュー構造を変更する方
法が開示されている。マスターバッチ法によれば5重量
%以上のEEA樹脂やEVA樹脂、LDPE樹脂等を含む場
合にはそのような改造を要さず、現有のTダイやインフ
レーション成形機をそのまま使用することができる。こ
のインフレーションフイルム成形法では、L-LDPE樹脂温
度を高くしたり、ブロー比を1.2〜2.4とすることによっ
て縦(MD)、横(TD)の強度差の少ないものを得る
ことができる。インフレーション成形されたL-LDPEフイ
ルム層の厚さは20μm以上であり、35μm〜120μm程
度が適当である。
【0041】また、このL-LDPEフイルム層は、2層以上
を共押出したインフレーションフイルムの一部になって
いてもよい。
【0042】有孔フイルム層の金属層が積層された側と
反対側には、スパンボンド法不織布層が積層されてい
る。
【0043】このスパンボンド法不織布層は、従来の短
繊維の代わりに長繊維を用いた不織布である。製造法の
代表例は熱可塑性樹脂溶融吐出、→紡糸延伸、→単繊維
分離、→シート成形、→接着、→後処理の順になる。現
在熱可塑性樹脂原料として多く使用されているのはナイ
ロン、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、
ポリウレタン等の樹脂である。
【0044】スパンボンド法不織布の製造法、構造と性
質の詳細は昭和48年5月15日株式会社高分子刊行会発行
“不織布要論”(著者 三浦義人)の154〜171ページに
記載されている。
【0045】本考案の写真感光材料用包装材料として
は、放射性物質や酸、アルカリ物質、酸化還元物質、熱
可塑性樹脂モノマー、水銀、蛍光物質、鉄、銅、ニッケ
ル等の金属等が混入すると写真感光材料に悪影響(カブ
リの発生、感光度の増減、スポット状のムラ発生、階調
変化等)を及ぼすため、これらの物質の混入の少ないス
パンボンド法不織布を使用する必要がある。
【0046】スパンボンド法不織布を使用するもう1つ
の理由は、同一坪量(g/m2)では湿式不織布や紙より引裂
き強度や剛性が大きく、熱可塑性樹脂製長繊維からなっ
ているので押し出しラミネート法の接着剤層等と強固に
積層されるだけでなく、L-LDPEフイルム層ともヒートシ
ール可能であり、且つL-LDPEフイルム層より耐熱性があ
るので自動製袋適性も有するからである。坪量はコス
ト、物理強度、自動製袋適性等より10g/m2〜150g/m2
好ましい。
【0047】本考案の感光物質用包装材料は、有孔フイ
ルム層、金属層、L-LDPEフイルム層及びスパンボンド法
不織布層を少なくとも有する積層フイルムであるが、こ
れらの層以外に必要により各種の遮光層やフレキシブル
シート層を積層させることができる。
【0048】この積層フイルムに使用される金属層、ス
パンボンド法不織布層及びL-LDPEフイルム層以外の他の
フレキシブルシート層としては、各種の熱可塑性樹脂フ
イルム、例えば各種ポリエチレン樹脂、ポリエチレン共
重合樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、
ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボ
ネート樹脂、フッ素樹脂、ポリエステル樹脂などよりな
る公知のフイルム及びそれらの変性樹脂のフイルムがあ
る。また、金属薄膜加工フイルム(代表的なものは、ア
ルミニウム真空蒸着フイルム)、セルローズアセテート
フイルム、セロファン、ポリビニルアルコールフイル
ム、各種の紙、各種の金属箔(代表例として、アルミニ
ウム箔)、不織布、ワリフ及びポリエチレン、ポリスチ
レン、ポリウレタン等の発泡シート等の公知のフレキシ
ブルシート層などを使用することができる。
【0049】前記、金属層とスパンボンド法不織布層
は、接着層で有孔フイルムに接着積層されているが、接
着層は、金属層とスパンボンド法不織布層のどちらか一
方の全面に施されるとともに、有孔フイルム層の孔を介
して反対側に突出させられ、もう一方の層を接着してい
る。即ち、接着層は有孔フイルム層の一側面の略全面に
設けられるとともに、他の側面の略孔に対応する部分に
突出して設けられ、かつ孔を介して一体となっている。
【0050】この金属層、L-LDPEフイルム層、スパンボ
ンド法不織布層、有孔フイルム層及び必要により用いら
れるフレキシブルシート層を接着層で接着積層する方法
は、通常の方法でよく、例えば熱接着法(熱板接着法、
インパルス接着法、超音波接着法)、接着剤による方法
(湿式ラミネート法、乾式ラミネート法、ホットメルト
ラミネート法、エクストルージョンラミネート法、共押
し出しラミネート法も含む)、共押出し法等が使われ
る。
【0051】接着剤の代表的なものとして各種ポリエチ
レン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリブテン樹脂等のポ
リオレフィン系熱可塑性樹脂熱溶融接着剤、エチレン−
プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、
エチレン−エチルアクリレート共重合体等のオレフィン
共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、アイオノマ
ー樹脂等の熱可塑性樹脂熱溶融接着剤、その他熱溶融型
ゴム系接着剤があり、溶液状接着剤としてはウエットラ
ミネート用接着剤があり、エマルジョン、ラテックス状
の接着剤である。エマルジョン型接着剤の代表例として
はポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル−エチレン共重合物、酢
酸ビニルとアクリル酸エステル共重合物、酢酸ビニルと
マレイン酸エステル共重合物、アクリル共重合物、エチ
レン−アクリル酸共重合物等のエマルジョンがある。ラ
テックス型接着剤の代表例としては天然ゴム、スチレン
ブダジエン(SBR)、アクリロニトリルブタジエン
(NBR)、クロロプレン(CR)等のゴムラテックス
がある。又ドライラミネート用接着剤としてはポリウレ
タン接着剤等があり、その他パラフィンワックス、マイ
クロクリスタリンワックス、エチレン−酢酸ビニル共重
合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体等をブレ
ンドしたホットメルトラミネート接着剤、感圧接着剤、
感熱接着剤等公知の接着剤を用いることが出来る。エク
ストルージョン(押し出しラミネート用)ポリオレフィ
ン系接着剤は、より具体的にいえば各種ポリエチレン樹
脂、ポリプロピレン樹脂、ポリブチレン樹脂、EPRな
どエチレンからなる重合体及び共重合体(EVA、EE
A等)の他、直鎖状低密度ポリエチレン(L-LDPE)樹脂
の如く、エチレンの他に一部他のモノマー(α−オレフ
ィン)を共重合させたもの、Dupont社のサーリン、三井
ポリケミカル社のハイミランやアドマー等のアイオノマ
ー樹脂(イオン性共重合体)やグラフト重合させたもの
をも含む。
【0052】これらの接着剤は積層させようとする層よ
り5°以上融点が低いものであることが望ましい。この
程度の温度差があれば、フレキシブルシートに悪影響を
与えず、熱溶融接着を完全に行わせることができる。
【0053】熱可塑性樹脂を用いたエクストルージョン
ラミネート法による接着層の厚さは通例7μm〜100μ
m、好ましくは15μm〜50μmとなるが、コスト、ラミ
ネート速度、積層体の全厚味等に基づいて定められるの
でこの数値には特に限定されない。
【0054】本考案の包装材料は、感光物質用であるか
ら積層フイルムの各層の中の少なくとも1の層が遮光性
を有することが必要である。このためには、0.1〜30重
量%の遮光性物質を含有させてもよいし、遮光層、例え
ば着色紙又は鉄箔、電解鉄箔、アルミ箔や亜鉛メッキし
た薄層鋼板等の厚さ5μm以上50μm以下の金属箔又は
55〜1200Åの金属蒸着層をもつ紙(例、アルミ蒸着紙)
や金属蒸着フイルム(例、アルミ蒸着フイルム)などの
遮光性を持った他の層を積層させるか、印刷により遮光
性を付加するなどの方法を用いてもよい。
【0055】遮光性物質のみを含有させて遮光性を確保
する場合には、全積層体の単位面積(m2)当り0.5〜36g
が適量である。延伸フイルム中には12重量%以上の遮光
性物質を添加することは一般にフィッシュアイの発生と
物理的強度等を低下させる意味で好ましくなく、0.1〜
7重量%の範囲が好ましいが、無延伸フイルムや紙など
のフレキシブルシートに添加する場合はこの限りではな
く、配合量で30重量%まで単位面積(m2)当り36gまで配
合できる。遮光性物質は可視および紫外線を透過しない
すべての物質をいうが、代表的なものを例示すれば原
料、粒子サイズ、製造方法等の異なる各種カーボンブラ
ック、アルミ粉末、酸化鉄、亜鉛華、弁柄、アルミペー
スト、各種着色顔料、各種着色染料、カドミウム系顔
料、黄鉛及び酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシウ
ム、マイカ、タルク、クレー等の白色顔料、各種金属粉
末、各種金属繊維などがある。品質、コスト、遮光能力
の点で写真感光材料の包装用としては、各種のカーボン
ブラックとアルミ粉末、アルミペーストより低揮発物質
を除去したものが望ましい。
【0056】上記遮光性物質は、使用樹脂、使用機械、
コスト等により使用形態として粉末状着色剤、ペースト
状着色剤、潤性着色剤、マスターバッチ、染願料、カラ
ードペレットがある。
【0057】本考案の包装材料に使用する代表的な遮光
性物質であるカーボンブラックの原料による分類例をあ
げるとガスブラック、オイルファーネスブラック、アン
トラセンブラック、アセチレンブラック、油煙、松煙、
アニマルブラック、ベジタブルブラック等がある。本考
案の包装材料では遮光性、コスト、物性向上の目的では
ファーネスカーボンブラックが望ましく、高価であるが
帯電防止効果を有する遮光性物質としてはアセチレンカ
ーボンブラック、ケッチェンカーボンブラックが望まし
い。必要により、前者と後者を必要特性に従ってミック
スすることも好ましい。又各種帯電防止剤や各種導電物
質とのミックスも好ましい。一方、これらのカーボンブ
ラックの中ではpH5〜9、平均粒子径10〜50mμのもの
が好ましく、特にpH6〜9、平均粒子径15〜30mμのフ
ァーネスカーボンブラックが好ましい。このようなpH及
び粒子径のものを使用することによって、カブリの発生
が少ない、感光度の増減の発生が少ない、遮光能力が大
きい、L-LDPEフイルム層に添加した場合でもカーボンブ
ラックの塊(ブツ)やフィッシュアイ等やピンホールが
発生しにくい等の数々の利点を有する包装材料を得るこ
とができる。
【0058】遮光性物質をL-LDPEフイルム層に配合する
形態は上記のように種々あるが、マスターバッチ法がコ
スト、作業場の汚染防止等の点で望ましい。公知文献の
特公昭40-26196号公報には、有機溶媒に溶解した重合体
の溶液中にカーボンブラックを分散せしめて、重合体カ
ーボンブラックのマスターバッチをつくる方法を、特公
昭43-10362号公報にはカーボンブラックをポリエチレン
に分散してマスターバッチをつくる方法が示されてい
る。
【0059】この方法の場合には、まずLDPE(高圧法低
密度ポリエチレン)樹脂等カーボンブラック分散性が良
好でL-LDPE樹脂と混合しやすい樹脂に2重量%以上、一
般には10重量%以上の高濃度にカーボンブラックを混合
してマスターバッチを作る。最終製品のカーボンブラッ
ク量が所定の値になる様にこのマスターバッチを計量
し、L-LDPE樹脂と混合する。
【0060】この方法には2つの利点を認めることがで
きる。第一に、カーボンブラックをL-LDPE樹脂に直接混
合するよりもこの方が混合、分散が容易であり、コスト
ダウンになり、且つフィッシュアイも改良される。
【0061】第二に、L-LDPE樹脂単独系よりもLDPE樹脂
等の熱可塑性樹脂と、L-LDPE樹脂の混合系の方がフイル
ムを製造する場合の加工性にすぐれている。カーボンブ
ラック混合のコストダウンのため、マスターバッチ用樹
脂としてL-LDPE樹脂を使用してもよい。特に、マスター
バッチ用樹脂のメルトインデックスは、L-LDPE樹脂より
高い熱可塑性樹脂が望ましい。なお、他の遮光性物質を
用いた場合もほぼ同様である。
【0062】本考案者は、LDPE樹脂の代わりに従来は、
包装用フイルムとしては問題があったL-LDPE樹脂を使っ
て、カーボンブラック配合の影響を試験した。この結
果、L-LDPE樹脂にカーボンブラックを配合した場合に
は、高圧法低密度ポリエチレン(LDPE)樹脂の場合とは
逆に物理強度が大幅に増大するという予想外の結果が見
いだされた。
【0063】即ち、LDPEフイルムはL-LDPEフイルムに比
し、もともと強度が小さいが特にカーボンブラックを添
加した時の強度の低下が著しい。それに対し、L-LDPEフ
イルムはカーボンブラック添加により強度が大きく向上
する。
【0064】カーボンブラック配合の効果は、1重量%
で明らかに現れ、3重量%を超えると顕著になってゆく
が、配合量がさらに増大するとブツ発生が多くなり、且
つコストアップになる。30重量%を越えると、特にカー
ボンブラックの分散不良によるブツの発生が多くなり、
ピンホールによる遮光性不良の点で問題となってくる。
又コストも割高になる。
【0065】従って、カーボンブラックの配合量は経済
性、ブツ発生、引裂き強度等により0.1〜15重量%が望
ましく、3〜10重量%が特に望ましいといえる。この傾
向は他の遮光性物質の場合でもいえる。
【0066】同じ量を添加して、できるだけ遮光性をよ
くするには、内側(包装した時製品に接する側、袋の場
合はヒートシールする側)に遮光性物質を配合しておく
ことが望ましい。
【0067】本考案の各層には、前述以外の各種の添加
剤が必要に応じて必要量添加させることが出来る。
【0068】添加剤の代表例を以下に記載するが、本考
案はこれに限定されるものではなく、公知のあらゆる物
の中から選択できる。
【0069】
【表1】
【0070】以下、本考案の代表的な実施態様を断面図
を参照して説明するが、本考案はこれに限定されるもの
ではない。
【0071】図1及び図2までは本考案品の層構成を示
す部分断面図である。
【0072】図1の感光物質用包装材料は、有孔フィル
ム層1の両側に、接着層2を介して遮光性物質を含む遮
光性スパンボンド法不織布4aと金属箔層8を積層し、さ
らに、この金属箔層8に接着層2を介してL-LDPEフィル
ム層3 を積層したものである。
【0073】図2の感光物質用包装材料は、遮光性L-LD
PEフィルム層3aに金属箔膜9を加工した金属薄膜加工L-
LDPEフィルム層10を有孔フィルム層1に積層し、反対側
のスパンボンド法不織布4には接着層2を介してフレキ
シブルシート層6を積層している。また、この図の有孔
フィルム層1aは遮光性を有している。
【0074】図3は、有孔フイルム層1に穿設される孔
5の望ましい形状を示す図である。この孔5には図に示
すように円形孔51、楕円形孔52、ピロー形ないし小判形
孔53、マユ玉形孔54、ひょうたん形孔55、アーチ窓形孔
56、四角、五角、六角、八角形等の多角形孔57、花弁形
58、角を丸めた三角形59、その他90°未満の鋭角を有し
ない任意の形状を用いることができる。望ましくない孔
形状の例は星形、三角形、長い菱形等90°未満の鋭角を
有するものである。図4は同一サイズの円形孔51の組合
せ例を示す。図5〜6は、円形孔51の大小51a、51bの
組合せ例を示す。
【0075】図7はLDPE遮光フイルム層11に接着層2を
介して金属箔層8を積層し、さらに接着層2を介してフ
レキシブルシート層6を積層した従来の包装材料であ
る。
【0076】図8はLDPE遮光フイルム層11に接着層2を
介して金属箔8を積層し、さらに接着層2を介してフレ
キシブルシート層6を積層し、さらに接着層2を介して
LDPE遮光フイルム層11を積層した7層構成のロール状カ
ラー印画紙に使用されていた従来の包装材料である。
【0077】図9は発泡シート層12の両面に接着層2を
介して、2層の遮光性1軸分子配向フイルム13を分子配
向軸が互いに交差するように積層した1000ft以上の金属
缶を使用しない映画用フイルムに使用されている従来の
強化積層フイルムである。
【0078】図10は図9の強化積層フイルムに自動製袋
適性や印刷適性を付加するための耐熱性フレキシブルシ
ート層6を接着層2を介して積層した従来品で、もっと
も物理強度の大きい重量製品に適した包装材料である。
【0079】図11は、有孔フイルム層1の両側に接着層
2を介して、内側になる側に遮光性を有するL-LDPEフイ
ルム層3aが外側になる側にフレキシブルシート層6が積
層されている。
【0080】前記接着層2は、遮光性L-LDPEフイルム層
3a全面に施したものが有孔フイルム層1の孔5を通って
反対側に流れ出たものである。接着層2は反対側の全面
には流れ出さずに、無接着層部20が発生するように接着
剤2の種類や厚さを選択したり、有孔フイルム層1の孔
5の大きさや形状厚さ等を選択することが好ましい。
【0081】図12は、図11の最外層のフレキシブルシー
ト層6の代わりに本考案品と同一のスパンボンド法不織
布層4を用いた他は、同一層構成にしたものである。
【0082】本考案の感光物質用包装材料は、感光物質
の包装用に好適である。感光物質とは、ハロゲン化銀写
真感光材料、ジアゾ写真感光材料、感光性樹脂、自己現
像型写真感光材料、拡散転写型写真感光材料などの感光
材料はもちろん、光により変色したり、硬化劣化したり
するすべての物質を含む。
【0083】具体的に例示すれば、チョコレート、マー
ガリン、ミソ、ワイン、ビール等の食料品、医薬品、染
料、その他の化学物質、例えば現像液、染色用媒染液な
どが挙げられる。特に、わずかなガスや光や湿度により
品質が破壊される写真感光材料の包装材料として最適で
ある。
【0084】本発明の感光物質用包装材料は、上記の感
光物質に適用する場合、1重平袋、2重平袋、角底袋、
自立袋、1重ガゼット袋、2重ガゼット袋、フイルムシ
ート、防湿箱の内貼り、明室装填用暗箱の内貼り、リー
ダー紙等公知のあらゆる形態が可能である。
【0085】製袋の方法は、使用する積層フイルムの性
質に応じてヒートシール、インパルスシール、超音波シ
ール、高周波シールなど、従来公知のプラスチックフィ
ルムのシール法による。なお、また適宜の接着剤、粘着
剤などを使用して製袋することも可能である。
【0086】
【作用】有孔フイルム層の両側にスパンボンド法不織布
と金属層及びL-LDPEフイルム層とを1つの接着層により
空隙のある状態で積層することにより、包装材料の引裂
強度、破断強度、衝撃穴あき強度、ゲルボテスト強度、
熱間剥離強度、落下強度、ヒートシール性、すべり特性
及び帯電防止性などを向上させている。
【0087】
【実施例】以下、本考案の好ましい実施例とその効果に
ついて説明する。
【0088】本考案品1は、図1の実施態様に相当す
る。遮光性物質を含まないα−オレフィンが炭素数6
(C6)の4メチル・ペンテン-1である三井石油化学社の
L-LDPE樹脂(ウルトゼックス #2020L)をブロー比1.9
5でインフレーションフイルム成形した厚さ70μmのL-L
DPEフイルム層3と、厚さ7μmのアルミニウム箔8を
厚さ15μmのLDPE接着層2を介して積層した後、前記ア
ルミニウム箔8側にさらに厚さが50μmの押し出し成形
の際、同時に孔開けした後タテ、ヨコ方向に延伸した孔
径が短辺が5mm、長辺が9mmの楕円形で開孔率が50%の
LDPE有孔フイルム層1(大日本プラスチック(株)製 パ
ンホール)と坪量50g/m2、厚さ77μmの黒色に着色した
遮光性スパンボンド法不織布層4aを厚さ20μmのLDPE押
し出しラミネート接着層2をアルミニウム箔8上にもう
け、有孔フイルム層1の孔5を通して形成した接着層2
と無接着層部20により部分的に接着された構造になるよ
うに反対側の遮光性スパンボンド法不織布層4aと積層し
た総厚さが207μmの包装材料である。
【0089】本考案品2は、図2の実施態様に相当す
る。オイルファーネスカーボンブラックを3重量%含む
α−オレフィンが炭素数6(C6)の4メチル・ペンテン
-1である三井石油化学社のL-LDPE樹脂(ウルドゼックス
#2020L)をブロー比1.95でインフレーションフイル
ム成形した厚さ70μmの遮光性L-LDPEフイルム層3aの表
面にコロナ放電処理後厚さ400Åの金属薄膜加工層9で
あるアルミニウム真空蒸着層を加工した厚さ70μmのア
ルミニウム真空蒸着遮光性L-LDPEフイルム層10のアルミ
ニウム真空蒸着層9側に、さらに本考案品1と同一のLD
PE有孔フイルム層1と坪量20g/m2、厚さ32μmのスパン
ボンド法不織布4を配置し、厚さ20μmのLDPE押し出し
ラミネート接着層2をアルミニウム真空蒸着層9上にも
うけ、有孔フイルム層1の孔5を通して形成した接着層
2と無接着層部20により部分的に接着された構造になる
ように反対側のスパンボンド法不織布層4と積層した積
層フイルムの該スパンボンド不織布層4上に、さらに厚
さ13μmのLDPE押し出しラミネート接着層2を介して、
厚さ12μmのフレキシブルシート層6である二軸延伸ポ
リエステルフイルム層を積層した総厚さ196μmの包装
材料である。
【0090】本考案品3は、図2の変更実施態様に相当
する。オイルファーネスカーボンブラックを3重量%含
むα−オレフィンが炭素数6(C6)の4メチル・ペンテ
ン-1である三井石油化学社のL-LDPE樹脂(ウルトゼック
ス #2020L)をブロー比1.95でインフレーションフイ
ルム成形した厚さ70μmの遮光性L-LDPEフイルム層3aと
厚さ15μmのアルミニウム真空蒸着(厚さ400Å)二軸
延伸ナイロンフイルム層のフレキシブルシート層6であ
る二軸延伸ナイロンフイルム層を厚さ15μmのLDPE接着
層2を介して積層した後、金属薄膜加工属9であるアル
ミニウム真空蒸着層側に、さらに本考案品1と同一のLD
PE有孔フイルム層1と坪量20g/m2、厚さ32μmのスパン
ボンド法不織布4を厚さ20μmのLDPE押し出しラミネー
ト接着層2をアルミニウム真空蒸着層9上にもうけ、有
孔フイルム層1の孔5を通して形成した接着層2と無接
着層部20により部分的に接着された構造になるように反
対側のスパンボンド法不織布層4と積層した総厚さが20
1μmの包装材料である。
【0091】本考案品4は、図1の変更実施態様に相当
する。本考案品1のL-LDPEフイルム層3の代わりに本考
案品2と同一の厚さ70μmの遮光性L-LDPEフイルム層3a
を用い、坪量50g/m2、厚さ77μmの遮光性スパンボンド
法不織布層4aの代わりに本考案品2と同一の坪量20g/
m2、厚さ32μmのスパンボンド法不織布4を用いた他は
本考案品と同一層構成の総厚さ191μmの包装材料であ
る。
【0092】比較品1は、図7に相当するカーボンブラ
ックを3重量%含む厚さ100μmのLDPE遮光フイルム層1
1に、厚さ15μmのLDPE接着層2を介して、厚さ9μm
のアルミニウム箔から成る金属箔層8を積層し、さらに
厚さ15μmのLDPE接着層2を介してクラフト紙60g/m2
ら成るフレキシブルシート層6を積層した包装材料であ
る。
【0093】比較品2は、図11の実施態様に相当する。
オイルファーネスカーボンブラックを3重量%含むα−
オレフィンが炭素数6(C6)の4メチル・ペンテン-1で
ある三井石油化学社のL-LDPE樹脂(ウルトゼックス #2
020L)をブロー比1.95でインフレーションフイルム成
形した厚さ70μmのL-LDPE遮光フイルム層3aと厚さが50
μmの押し出し成形の際、同時に孔開けした後タテ、ヨ
コ方向に延伸した孔径が短辺5mm、長辺9mmの楕円形で
開孔率が50%のLDPE有孔フイルム層1(大日本プラスチ
ック(株)製 パンホール)と坪量60g/m2、厚さ75μmの
クラフト紙4を厚さ20μmのLDPE押し出しラミネート接
着層2を遮光性L-LDPEフイルム層3a上にもうけ、有孔フ
イルム層1の孔5を通して形成した接着層2と無接着層
部20により部分的に接着された構造になるように、反対
側のスパンボンド法不織布層4と積層した総厚さが215
μmの包装材料である。
【0094】比較品3は、図12の実施態様に相当する。
【0095】比較品2とは最外層の坪量60g/m2、厚さ75
μmのフレキシブルシート層6であるクラフト紙の代わ
りに、本考案品3と同一の坪量20g/m2、厚さ32μmのス
パンボンド法不織布層4を用いた他は同一の層構成の包
装材料である。
【0096】従来品1は図8に相当し、厚さ50μmのカ
ーボンブラックを3重量%含むLDPE遮光フイルム層11
に、厚さ15μmのLDPE接着層2を介して厚さ7μmのア
ルミニウム箔から成る金属箔層8を積層し、さらに厚さ
15μmのLDPE接着層2を介して晒クラフト紙35g/m2から
成るフレキシブルシート層6を積層し、さらに厚さ15μ
mのLDPE接着層2を介して、厚さ50μmのカーボンブラ
ックを3重量%含むLDPE遮光フイルム層11を積層した包
装材料である。
【0097】従来品2は、図10に相当する厚さ500μm
の発泡ポリエチレンシート層12の両面に、厚さ15μmの
LDPE接着層2を介してカーボンブラックを4.5重量%含
む厚さ40μmの1軸斜延伸HDPEフイルム13を延伸軸が90
度に交差するように積層した片面に、さらに厚さ15μm
のLDPE接着層により、クラフト紙70g/m2から成るフレキ
シブルシート層6を積層した包装材料である。
【0098】従来品3は図9に相当する厚さ1000μmの
発泡ポリエチレンシート層12の両面に、厚さ15μmのLD
PE接着層2を介して、カーボンブラックを4.5重量%含
む厚さ40μmの1軸斜延伸HDPEフイルム13を延伸軸が90
度に交差するように積層した包装材料である。
【0099】以上、本考案品1〜4の構成等を表2に、
比較品1〜3及び従来品1〜3の構成等を表3に、そし
て特性を比較した結果を表4に示す。
【0100】以上の実施例は本考案の感光物質包装用包
装材料として好ましい実施態様の代表例を示したもので
あるが、本考案は以上に限定されるものでなく、他の公
知の素材やフレキシブルシート層との組合せが可能であ
る。
【0101】実施例中のLDPEフイルム層11としては、日
本ユニカー製 DFD-0111(MI 2.4g/10分、密度 0.923g/cm
3)、LDPE接着層2としては三井ポリケミカル製ミラソン
14(MI 5.1g/10分、密度 0.919g/m3)、そしてカーボン
ブラックとしては三菱化成製オイルファーネスブラック
#44B、平均粒子径21mμ、pH7.7をそれぞれ使用し
た。
【0102】
【表2】
【0103】
【表3】
【0104】
【表4】
【0105】表4の評価は下記による。 優…非常に優れている 良…優れている 可…実用限度内 改良必要…問題あり 不可…実用不可
【0106】試験方法は下記による。 密度;JIS K6760(=ASTMD-1505)に準ずる。 メルトインデックス(MI)…JIS K6760(=ASTM 1238)
に準ずる。 厚み;JIS-P8118に準ずる。 引裂き強度;JIS-P8116に準ずる。 衝撃穴あけ強度;JIS-P8134に準ずる。 ゲルボテスト強度;米軍規格MIL-B131による装置を使用
し、包装材料にピンホールが発生し、遮光性が確保出来
なくなるまでの屈曲回数・数字が大きい程強度大。
【0107】評価は、 不可…2回以下でピンホール発生。 改良必要…3〜7回でピンホール発生。 可…7〜50回でピンホール発生。 良…51〜100回でピンホール発生。 優…101回以上でピンホール発生。
【0108】遮光性; ASA 100の写真フイルムを各包装材料を使用した袋に入
れ完全密封後、8万ルックスの光に1時間さらし、遮光
性を写真フイルムのカブリの程度により検出、評価す
る。
【0109】ホットタック性; 160℃でヒートシールした直後の(熱間シール性)2枚
の包装材料(巾15mm)の開端を片側45gの荷重で剥離角
度22.5度で引張った場合の熱間剥離距離(cm)により測
定。 有孔フイルム開孔率;有孔シート10cm×10cmの正方形部
分の面積100cm2中にある開孔部の面積をXcm2とする
と、
【0110】
【数2】 で求める。
【0111】カール; テストすべきシートで直径10cmの円形の試片を作成し、
温度20℃、湿度65%の雰囲気中にシートを1枚宛無荷重
で平板上に24時間放置した後、両端面の長さLを求め、
10−L(cm)として測定。
【0112】
【考案の効果】本考案の包装材料は、帯電防止性、防湿
性、ガスバリヤ性、無塵性、自動製袋適性、外観が優れ
ており、MD方向とTD方向の引裂強度差が小さく、物
理強度、ヒートシール性及び遮光性も良好である。そし
て、同一物理強度保証であれば従来品に比して大幅に薄
肉化が可能であり、その結果コストダウンをはかること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案による一実施例の部分断面図である。
【図2】本考案による他の実施例の部分断面図である。
【図3】本考案の有孔フィルムの孔の形状及び分布例を
示す平面図である。
【図4】本考案の有孔フィルムの孔の形状及び分布例を
示す平面図である。
【図5】本考案の有孔フィルムの孔の形状及び分布例を
示す平面図である。
【図6】本考案の有孔フィルムの孔の形状及び分布例を
示す平面図である。
【図7】従来品の部分断面図である。
【図8】従来品の部分断面図である。
【図9】従来品の部分断面図である。
【図10】従来品の部分断面図である。
【図11】比較品の部分断面図である。
【図12】比較品の部分断面図である。
【符号の説明】
1…有孔フイルム層 1a…遮光性有孔フイルム層 2…接着層 3…L-LDPEフイルム層 3a…遮光性L-LDPEフイルム層 4…スパンボンド法不織布層 4a…遮光性スパンボンド法不織布層 5…孔 6…フレキシブルシート層 8…金属箔層 9…金属薄膜加工層 20…無接着層部

Claims (3)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多数の孔が穿設された厚さ7〜150μm
    の熱可塑性樹脂からなる有孔フイルム層と、該有孔フイ
    ルム層の感光物質側に位置する金属層と、該金属層に積
    層された低圧法直鎖状低密度ポリエチレン樹脂を50重量
    %以上含む低圧法直鎖状低密度ポリエチレン樹脂フイル
    ム層と、前記有孔フイルム層の金属層と反対側に位置す
    るスパンボンド法不織布層とを有する積層フイルムであ
    って、前記有孔フイルム層の孔を通って一体となってい
    る接着層で前記金属層とスパンボンド法不織布層とを接
    着積層し、かつ積層フイルムの各層の中、少なくとも1
    の層が遮光性を有していることを特徴とする感光物質用
    包装材料
  2. 【請求項2】 低圧法直鎖状低密度ポリエチレン樹脂フ
    ィルム層は、カーボンブラックを0.1〜15重量%含み遮
    光性を有している実用新案登録請求の範囲請求項1記載
    の感光物質用包装材料
  3. 【請求項3】 金属層が金属薄膜加工層である請求項1
    に記載の感光物質用包装材料
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