JPH0365274B2

JPH0365274B2 -

Info

Publication number: JPH0365274B2
Application number: JP57085299A
Authority: JP
Priority date: 1982-05-20
Filing date: 1982-05-20
Publication date: 1991-10-11
Also published as: JPS58201686A

Description

【発明の詳細な説明】本発明は、熱転写式プリンタの改良に関する。

一般に、熱転写式プリンタは、第１図に示すよ
うに、記録媒体としてフイルムベース上に熱溶融
性または熱昇華性の乾性インク層が形成されたイ
ンクシート１を使用し、そのインクシート１と記
録紙（普通紙）２とを副走査方向に搬送させて、
複数の記録素子が主走査方向に１ライン分配設さ
れた記録ヘツド３とプラテンローラ４との間にイ
ンクシート１と記録紙２とを圧接させながら各１
ライン分のデータに応じた熱転写による記録を順
次行なわせるようにしている。なお、記録ヘツド
３としては、直接加熱形のものでは記録素子に発
熱体が用いられたサーマルヘツドが、また電気加
熱形（インクシートのフイルムベースに導電性を
もたせてそのジユール熱を利用するようにしてい
る）のものでは多針電極と帰路電極とを具備した
ヘツドがそれぞれ用いられることになる。

従来、この種の熱転写式プリンタにあつては、
インクシート１と記録紙２とを等速で副走査送り
をなして記録を行なわせるようにしており、その
ためインクシート１の消費量が大きなものになつ
てしまつている。

また、最近、フイルムベース上に形成されるイ
ンク層を比較的厚くして複数回の熱転写が可能な
インクシートが開発されているが、従来の熱転写
式プリンタでは巻取り側に巻き取られたインクシ
ートを再度送り側にセツトさせるか、または一度
巻き取られたインクシートを送り側に巻き戻すか
してその再使用を図らざるをえず、再セツトの手
間が煩雑になるかまたは巻戻しのための機構を要
して構成が複雑になつてしまうとともに、薄状の
インクシートの巻取り時にしわが生じ易いために
一度巻き取つたインクシートを再使用するには問
題がある。

本発明は以上の点を考慮してなされたもので、
巻き取られたインクシートの再セツトやその巻戻
しなどを何ら行なわせることなく、インクシート
の１回の送りで複数回の熱転写を行なわせたのと
同等の効果が得られるようにした熱転写式プリン
タを提供するものである。

以下、添付図面を参照して本発明の一実施例に
ついて詳述する。

本発明による熱転写式プリンタにあつては、第
２図に示すように、記録ヘツド３とプラテンロー
ラ４との間にインクシート１のインク層が記録紙
２側にくるように両者を圧接させながら各１ライ
ン分のデータに応じた熱転写による記録を順次行
なわせるものにあつて、特にインクシート１と記
録紙２との各搬送をそれぞれ別系統によつて独立
的に行なわせるようにし、インクシート１の送り
量が記録紙２のそれよりも少なくなるような駆動
制御を行なわせるようにしている。

すなわち、インクシート１の搬送系としては、
ロール状に巻回されたインクシート１を送り出す
ステツプモータ５を駆動源とする送りローラ対６
と、その送り出されたインクシート１を記録ヘツ
ド３とプラテンローラ４との間を通して巻き取る
ACモータ７を駆動源とする巻取リール８とから
なつている。また、記録紙２の搬送系としては、
ロール状に巻回された記録紙２を記録部に搬送さ
せるステツプモータ９を駆動源とするプラテンロ
ーラ４と、その搬送された記録紙２をトレイ１０
に排出させる前記ACモータ７を駆動源とする排
紙ローラ対１１とからなつている。図中１２は記
録後にインクシート１を記録紙２から分離させる
ための分離ローラ（非駆動）を、また１３は記録
後の記録紙２を所定サイズに切断するカツターを
それぞれ示している。なお、送りローラ対６は、
インクシート１のフイルムベース面と接触する上
側の駆動ローラがゴムローラからなり、またイン
クシート１のインク面と接触する下側のつれ回り
ローラが金属ローラからなつており、インクシー
ト１を充分な搬送力をもつて送り出すとともにイ
ンク層をかく乱することがないようにしている。
また、インクシート１の巻取リール８は、特に図
示しない例えばフエルトと樹脂板との摩擦伝達手
段等による公知の緩衝機構を介してACモータ７
によつて駆動され、ステツプ送りされるインクシ
ート１の巻取りをなすことができるようにしてい
る。さらに、送りローラ対６におけるインクシー
ト１の圧接力がその記録ヘツド３とプラテンロー
ラ４との間における圧接力よりも強くなるように
設定されており、記録位置ではインクシート１と
記録紙２とが摺動関係になるようにしている。排
紙ローラ対１１は、記録紙２の記録面と接触する
上側のつれ回りローラがゴムローラからなり、ま
た記録紙２の非記録面と接触する下側の駆動ロー
ラが記録紙２面とスリツプ可能なように金属ロー
ラからなつている。しかして、ACモータ７によ
り排紙ローラ対１１の下側の金属ローラを記録紙
２の送りよりも早い速度で回転させ、かつその搬
送力よりも記録ヘツド３とプラテンローラ４との
間における記録紙２の圧接力が強くなるようにす
ることにより、適当なテンシヨンで記録紙２を引
つぱつてそれがたるまないようにする（記録紙２
がたるむとカツター１３による切断位置が狂つて
しまう）とともに、記録紙２の記録面をこすつて
その記録画像を乱すことがないようにしている。
また、インクシート１および記録紙２の駆動系に
おける各モータ５，７，９、がそれぞれのモータ
ドライバ１４，１５，１６を介して、また記録ヘ
ツド３がヘツドドライバ１７を介して、カツター
１３がカツタードライバ１８を介してコントロー
ラ１９によつて集中的に駆動制御されるようにな
つている。

このように構成された本発明による熱転写式プ
リンタの動作について、第３図の各部信号のタイ
ムチヤートとともに、以下説明をする。

まず、記録画情報が１ライン単位で間欠的（ま
たは連続的）に記録ヘツド３に逐次与えられると
ともに（第３図中の印字タイミング中のＡ期間は
各１ライン分の印字所要時間を示している）、イ
ンクシート１および記録紙２が記録ヘツド３とプ
ラテンローラ４との間に搬送されて１ラインずつ
の熱転写による記録が順次行なわれることにな
る。その際、本発明では特に、Ａ期間中に記録紙
２がステツプモータ９の４ステツプ駆動によつて
副走査方向に１ライン分ずつ送られ、同じくＡ期
間中にインクシート１がステツプモータ５の１ス
テツプ駆動によつて送られるようにするととも
に、各ステツプモータ５，９の各１ステツプ駆動
で記録紙２とインクシート１との搬送量が等しく
なるように送りローラ対６とプラテンローラ４と
の各ローラ径、減速比がそれぞれ設定されてい
る。すなわち、この実施例では、インクシート１
として同一箇所で４回の熱転写を行なわせること
ができるものを使用し、記録紙２の副走査方向に
おける１ライン分の送りに対してインクシート１
の送りがその1/4になるようにしている。第３図
中Ｐは記録開始時を、Ｑは１ページ分の記録終了
時を、Ｒは記録されたページの後端で記録紙２を
切断するカツター１３の駆動時を、Ｓは排紙完了
時を、Ｔはカツター１３により切断された次の記
録プロセスに用いられる記録紙２の先端を記録ヘ
ツド３の位置まで引き戻すいわゆる先端余白の引
戻し完了時をそれぞれ示している。なお、この実
施例では、記録完了後に記録紙２をカツター１３
位置まで送るＱ〜Ｒの期間中はステツプモータ
５，９をともに等速で駆動させるとともに、切断
された記録紙２の先端余白を引き戻すＲ〜Ｔの期
間中はステツプモータ５，９をともに等速で逆回
転駆動させるようにしている。また、Ｐ〜Ｓの期
間中ACモータ７が駆動され、記録された記録紙
２のトレイ１０への排紙とインクシート１の巻き
取りがなされることになる。

しかして、本発明による熱転写式のプリンタで
は、記録時にはインクシート１と記録紙２との送
り速度が１：４の関係になるようにその駆動制御
を行なわせ、記録完了時には記録紙２を切断した
のちにその記録紙２をインクシート１とともに引
き戻すようにしているので、記録紙２の切断後の
インクシート１の未使用部分をなくして有効に使
用することができるようになり、従来のようにい
つたん巻き取られたインクシートの再セツトやそ
の巻戻しなどを行なわせることなく、インクシー
ト１の１回の送りで複数回の熱転写を行なわせた
のと同等の効果を得ることができるようになる。
また、記録期間中インクシート１にバツクテンシ
ヨンが作用するため、そのたるみによるしわの発
生を有効に防止することができる。なお、インク
シート１と記録紙２との送り速度比が１：４の場
合に限らず、インクシート１の熱転写可能回数に
応じて適宜速度比になるように設定されることは
いうまでもない。

また、第４図は本発明の他の実施例を示すもの
で、この場合は特にインクシート１の送りローラ
対６と記録紙２を送るプラテンローラ４とが同一
のステツプモータ２０を駆動源としてそれぞれ駆
動されるようにするとともに、ギヤ比によつてイ
ンクシート１と記録紙２との送り速度比が所定の
関係になるように構成している。すなわち、プラ
テンローラ４と送りローラ対６との駆動機構とし
ては、ステツプモータ２０により一対のプーリ２
１，２２およびベルト２３を介してプラテンロー
ラ４を駆動させるとともに、そのプラテンローラ
４の軸に設けられたプーリ２４と第１のギヤ２５
に電磁クラツチ２６を介して設けられたプーリ２
７との間にベルト２８を装架させ、電磁クラツチ
２６の投入時にステツプモータ２０の駆動力を第
１のギヤ２５に伝え、さらにその駆動力を第１の
ギヤ２５に共働する第２のギヤ２９によつて所定
に減速させて送りローラ対６に伝えるようになつ
ている。また、送りローラ対６の駆動軸の一端に
は摩擦軸３０が一体に取り付けられ、その摩擦軸
３０はその外径よりも小さな径の内輪をもつたコ
イルバネ３１がその弾性力によつてフリー状態に
装着されている。なお、そのコイルバネ３１は、
その外側の一端が固定されている。

しかして、このように構成されたものでは、第
５図に示すように、記録期間中電磁クラツチ２６
を投入状態にし、かつ第１のギヤ２５と第２のギ
ヤ２９とのギヤ比を適宜設定することにより、ス
テツプモータ２０の順方向駆動によつてインクシ
ート１と記録紙２との送り速度比の関係を所定に
保持させることができるようになる。また、１ペ
ージ分の記録完了時には電磁クラツチ２６を引き
外すとともに、ステツプモータ２０を高速駆動に
切り換えて記録端がカツター位置にくるまで記録
紙２を高速で送る。その際、インクシート１は電
磁クラツチ２６が引外し状態にあるために記録紙
２と一緒にプラテンローラ４によつて搬送される
ことになる。また、記録開始時から記録紙２の切
断に至るまでの期間中における送りローラ対６の
回転によりコイルバネ３１に逆方向の回転力が蓄
積される。記録紙２の切断後は電磁クラツチ２６
を引き外した状態のままステツプモータ２０を高
速で逆転駆動させ、先端余白の引戻しを行なわせ
る。その際、送りローラ対６はコイルバネ３１に
蓄積された回転力で逆転し、それにより先端余白
の引戻し時にインクシート１がプラテンローラ４
とその送りローラ対６との間にたるむことがない
ようにしている。

以上、本発明による熱転写式プリンタにあつて
は、インクシートを記録部に送る専用の送りロー
ラを設け、記録時にその送りローラによるインク
シートの送り速度がプラテンローラにより記録部
に搬送される記録紙の速度よりも遅くなるように
送りローラを駆動するとともに、記録完了時にカ
ツター位置まで送られてカツターにより切断され
た記録紙の先端余白を引き戻すプラテンローラと
等速になるように送りローラを逆回転駆動する手
段とをとるようにしたもので、インクシートの消
費量を抑えながら効率の良い熱転写による記録を
容易に行なわせることができるという優れた利点
を有している。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の熱転写式プリンタにおけるイン
クシートおよび記録紙の搬送系の構成を示す斜視
図、第２図は本発明による熱転写式プリンタの一
実施例を示す簡略構成図、第３図はその各部動作
のタイミングを示すタイムチヤート、第４図は本
発明の他の実施例によるインクシートと記録紙と
の送り機構部の構成を示す斜視図、第５図はその
各部動作のタイミングを示すタイムチヤートであ
る。１……インクシート、２……記録紙、３……記
録ヘツド、４……プラテンローラ、５，９，２０
……ステツプモータ、６……送りローラ対、７…
…ACモータ、８……巻取リール、１１……排紙
ローラ対、１２……分離ローラ、１３……カツタ
ー、２１，２２，２４，２７……プーリ、２３，
２８……ベルト、２６……電磁クラツチ、２５，
２９……ギヤ、３０……摩擦軸、３１……コイル
バネ。

Claims

【特許請求の範囲】

１多数の記録素子が配設された記録ヘツドとプ
ラテンローラとの間の記録部にインクシートと記
録紙とを搬送させながらデジタル画情報に応じた
熱転写による記録を順次行なわせるプリンタにお
いて、インクシートを記録部に送る専用の送りロ
ーラを設け、記録時に送りローラによるインクシ
ートの送り速度がプラテンローラにより記録部に
搬送される記録紙の速度よりも遅くなるように送
りローラを駆動する手段と、記録完了時にカツタ
ー位置まで送られてカツターにより切断された記
録紙の先端余白を引き戻すプラテンローラと等速
になるように送りローラを逆回転駆動する手段と
をとるようにしたことを特徴とする熱転写式プリ
ンタ。