JP6756333B2 - 食肉改質剤 - Google Patents

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Description

本発明は、食肉改質剤、食肉加工品の製造方法、および食肉を改質する方法に関するものである。
世界の食肉の消費量は増加傾向にあり、今後も更なる需要の高まりが予想される。食肉のおいしさを決める重要な要因の一つに、「肉のやわらかさ」が挙げられる。また、おいしさのみならず、やわらかい肉は咀嚼しやすいため、食べやすさの面でも優れ、さらに、消化効率も上昇するため、栄養摂取面でも優れる。特に、高齢化が進む先進諸国においては、肉を適度にやわらかくする食肉軟化剤等の食肉改質剤のニーズが高まっている。
食肉軟化剤としてプロテアーゼを用いる方法は、従来から行われている(特許文献1)。一般的に用いられる食肉軟化剤としては、パパイヤ由来のパパイン、パイナップル由来のブロメライン、キウイ由来のアクチニジン等が挙げられる(特許文献2、3)。しかしながら、これらの酵素を用いる場合、軟化の程度を制御することが難しく、過剰軟化によりレバー様の食感の肉となってしまうことが問題である。また、これらの酵素を用いる場合、筋原線維を主体とする赤身部位の分解は可能であるが、硬質タンパク質(コラーゲン)から構成される結合組織を多く含むスジ部位の軟化は不十分であった。
一方、結合組織の構成成分であるコラーゲンやエラスチンを選択的に分解する酵素であるコラゲナーゼやエラスターゼを用いて肉の中の硬質タンパクを主に分解し、軟化する方法も知られている(特許文献4、5)。しかしながら、これらの酵素を用いる場合、上記のパパイン、ブロメライン、アクチニジンに比べて製造および調製が困難であること、硬質タンパクの分解には大量の酵素量または長時間の処理時間が必要であること、酵素量または処理時間を増やした場合でも硬質タンパク質を十分に分解するには至らず、軟化が不十分であることが課題である(特許文献6)。
以上のように、プロテアーゼを用いた食肉軟化等の食肉改質技術には改良の余地がある。
特開2007−319166号公報 特開平5−7476号公報 特開平5−252911号公報 特開平4−197156号公報 特開平5−276899号公報 特開平6−169729号公報
このように、肉の硬さの主要因の1つである結合組織を優位に軟化させる方法は未だ確立されていない。よって、本技術を確立させることで、様々な肉の好ましい改質が可能となり、食肉の更なるおいしさの向上、調理の時間の短縮といった調理簡便化、低品質肉の物性改善、硬くて破棄していた肉部位や老牛の有効利用等の食資源の有効活用等、様々なメリットが期待できる。
そこで、本発明は、食肉の改質方法および食肉加工品の製造方法、並びにそれらのために好適に用いることができる食肉改質剤を提供することを課題とする。本発明は、特に、食肉の結合組織の一つであるスジ部位を軟化させる方法およびスジ部位を軟化させた食肉加工品の製造方法、並びにそれらのために好適に用いることができる食肉軟化剤を提供することを課題としてよい。
本発明者は、鋭意研究を行った結果、バチルス(Bacillus)属細菌またはアスペルギルス(Aspergillus)属真菌に由来するプロテアーゼとマンガン含有酵母等の金属含有酵母を併用することにより、プロテアーゼのコラーゲン特異的分解能を向上できること、および食肉のスジ部位の軟化を促進できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は以下の通り例示できる。
[1]
プロテアーゼ及び金属含有酵母を含有し、
前記プロテアーゼがバチルス(Bacillus)属細菌に由来するプロテアーゼおよびアスペルギルス(Aspergillus)属真菌に由来するプロテアーゼから選択される1種又は2種以上のプロテアーゼである、食肉改質剤。
[2]
前記金属含有酵母がマンガン含有酵母、亜鉛含有酵母、マグネシウム含有酵母、および鉄含有酵母から選択される1種又は2種以上の酵母である、[1]に記載の食肉改質剤。
[3]
前記金属含有酵母がマンガン含有酵母である、[1]または[2]に記載の食肉改質剤。
[4]
前記プロテアーゼが、金属含有酵母非併用時のコラーゲン特異的分解能に対する金属含有酵母併用時のコラーゲン特異的分解能の比率(金属含有酵母併用時のコラーゲン特異的分解能/金属含有酵母非併用時のコラーゲン特異的分解能)が1より大きいプロテアーゼである、[1]〜[3]のいずれかに記載の食肉改質剤。
[5]
前記比率が1.1以上である、[4]に記載の食肉改質剤。
[6]
前記プロテアーゼ1U当たり、前記金属含有酵母を金属量として0.4×10−9〜2.0×10−7mol含有する、[1]〜[5]のいずれかに記載の食肉改質剤。
[7]
食肉スジ軟化剤である、[1]〜[6]のいずれかに記載の食肉改質剤。
[8]
食肉を[1]〜[7]のいずれかに記載の食肉改質剤で処理することを含む、食肉加工品の製造方法。
[9]
食肉をプロテアーゼ及び金属含有酵母で処理することを含み、
前記プロテアーゼがバチルス(Bacillus)属細菌に由来するプロテアーゼおよびアスペルギルス(Aspergillus)属真菌に由来するプロテアーゼから選択される1種又は2種以上のプロテアーゼである、食肉加工品の製造方法。
[10]
前記金属含有酵母がマンガン含有酵母、亜鉛含有酵母、マグネシウム含有酵母、および鉄含有酵母から選択される1種又は2種以上の酵母である、[9]に記載の方法。
[11]
前記金属含有酵母がマンガン含有酵母である、[9]または[10]に記載の方法。
[12]
前記プロテアーゼが、金属含有酵母非併用時のコラーゲン特異的分解能に対する金属含有酵母併用時のコラーゲン特異的分解能の比率(金属含有酵母併用時のコラーゲン特異的分解能/金属含有酵母非併用時のコラーゲン特異的分解能)が1より大きいプロテアーゼである、[9]〜[11]のいずれかに記載の方法。
[13]
前記比率が1.1以上である、[12]に記載の方法。
[14]
前記プロテアーゼ1U当たり、前記金属含有酵母を金属量として0.4×10−9〜2.0×10−7mol作用させる、[8]〜[13]のいずれかに記載の方法。
[15]
前記食肉1g当たり、前記プロテアーゼを0.1U以上作用させる、[8]〜[14]のいずれかに記載の方法。
[16]
食肉を[1]〜[7]のいずれかに記載の食肉改質剤で処理することを含む、食肉を改質する方法。
[17]
食肉をプロテアーゼ及び金属含有酵母で処理することを含み、
前記プロテアーゼがバチルス(Bacillus)属細菌に由来するプロテアーゼおよびアスペルギルス(Aspergillus)属真菌に由来するプロテアーゼから選択される1種又は2種以上のプロテアーゼである、食肉を改質する方法。
[18]
前記金属含有酵母がマンガン含有酵母、亜鉛含有酵母、マグネシウム含有酵母、および鉄含有酵母から選択される1種又は2種以上の酵母である、[17]に記載の方法。
[19]
前記金属含有酵母がマンガン含有酵母である、[17]または[18]に記載の方法。
[20]
前記プロテアーゼが、金属含有酵母非併用時のコラーゲン特異的分解能に対する金属含有酵母併用時のコラーゲン特異的分解能の比率(金属含有酵母併用時のコラーゲン特異的分解能/金属含有酵母非併用時のコラーゲン特異的分解能)が1より大きいプロテアーゼである、[17]〜[19]のいずれかに記載の方法。
[21]
前記比率が1.1以上である、[20]に記載の方法。
[22]
前記プロテアーゼ1U当たり、前記金属含有酵母を金属量として0.4×10−9〜2.0×10−7mol作用させる、[16]〜[21]のいずれかに記載の方法。
[23]
前記食肉1g当たり、前記プロテアーゼを0.1U以上作用させる、[16]〜[22]のいずれかに記載の方法。
[24]
食肉のスジ部位を軟化する方法である、[16]〜[23]のいずれかに記載の方法。
金属含有酵母の併用によるプロテアーゼのコラーゲン特異的分解能の向上効果を示す図。
<1>本発明の食肉改質剤
本発明の食肉改質剤は、プロテアーゼ及び金属含有酵母を含有する食肉改質剤である。以下、プロテアーゼ及び金属含有酵母を総称して「有効成分」ともいう。
本発明の食肉改質剤は、食肉を改質するために利用することができる。食肉の改質としては、食肉の軟化が挙げられる。食肉の軟化としては、食肉のスジ部位の軟化が挙げられる。すなわち、本発明の食肉改質剤は、例えば、食肉軟化剤であってよく、具体的には食肉スジ軟化剤であってもよい。
本発明においては、プロテアーゼと金属含有酵母の併用により、プロテアーゼを単独で利用する場合と比較して、食肉の改質に有効な効果が得られる。同効果を、「併用効果」ともいう。併用効果としては、プロテアーゼのコラーゲン特異的分解能が向上する効果や、プロテアーゼによる食肉のスジ部位の軟化が向上(促進)する効果が挙げられる。すなわち、プロテアーゼと金属含有酵母の併用により、プロテアーゼを単独で利用する場合と比較して、例えば、食肉のスジ部位の柔らかさを高めることや、食肉のスジ部位を軟化させるために必要な時間や酵素量を減少させることができ得る。
本発明の食肉改質剤は、プロテアーゼを含有する。
「プロテアーゼ」とは、タンパク質のペプチド結合を加水分解する酵素をいう。プロテアーゼをプロテイナーゼともいう。
本発明で用いられるプロテアーゼは、バチルス(Bacillus)属細菌に由来するプロテアーゼおよびアスペルギルス(Aspergillus)属真菌に由来するプロテアーゼから選択される。プロテアーゼは、バチルス属細菌またはアスペルギルス属真菌に由来する限り、特に制限されない。バチルス属細菌としては、例えば、バチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)、バチルス・セレウス(Bacillus cereus)、バチルス・クラウジー(Bacillus clausii)、バチルス・インターミディウス(Bacillus intermedius)、バチルス・レンタス(Bacillus lentus)、バチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)、バチルス・ステアロサーモフィラス(Bacillus stearothermophilus)、バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)、およびバチルス・サーモプロテオリティカス(Bacillus thermoproteolyticus)が挙げられる。アスペルギルス属真菌としては、例えば、アスペルギルス・フミガタス(Aspergillus fumigatus)、アスペルギルス・メレウス(Aspergillus melleus)、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)、アスペルギルス・オリゼー(Aspergillus oryzae)、およびアスペルギルス・ソーヤ(Aspergillus sojae)が挙げられる。プロテアーゼは、例えば、酸性プロテアーゼ、中性プロテアーゼ、またはアルカリ性プロテアーゼであってよい。また、プロテアーゼは、例えば、アスパラギン酸プロテアーゼ、セリンプロテアーゼ、または金属プロテアーゼであってよい。バチルス属細菌に由来するプロテアーゼとしては、例えば、サチライシン(subtilisin;EC 3.4.21.62;プロチン、ビオプラーゼ、アルカラーゼ等ともいう)等のセリンプロテアーゼ、サーモライシン(thermolysin;EC 3.4.24.27)等の金属プロテアーゼ(metalloprotease)、その他各種酸性、中性、またはアルカリ性のプロテアーゼが挙げられる。アスペルギルス属真菌に由来するプロテアーゼとしては、例えば、NPIやNPII等の中性プロテアーゼ、ALP等のアルカリ性プロテアーゼ、PEPO等のアスパラギン酸プロテアーゼ(酸性プロテアーゼ)が挙げられる。
バチルス属細菌に由来するプロテアーゼとして、具体的には、例えば、以下のものが挙げられる。
中性プロテアーゼとして:
プロテアーゼN「アマノ」G(Bacillus subtilis由来;天野エンザイム(株))
プロチンSD-NY10(Bacillus amyloliquefaciens由来;天野エンザイム(株))
サモアーゼPC10F(Bacillus stearothermophilus由来;天野エンザイム(株))
ブリューワーズプロテアーゼ(Bacillus amyloliquefaciens由来;D.S.M.ジャパン(株))
アクセラザイムNP50.000(Bacillus amyloliquefaciens由来;D.S.M.ジャパン(株))
ニュートラーゼ(Bacillus amyloliquefaciens由来;ノボザイムズジャパン(株))
ヌクレイシン(Bacillus subtilis由来;H.B.I.(株))
オリエンターゼ90N(Bacillus subtilis由来;H.B.I.(株))
コロラーゼN(Bacillus subtilis由来;(株)樋口商会)
アロアーゼNS(Bacillus subtilis由来;ヤクルト薬品工業(株))
アロアーゼAP-10(Bacillus subtilis由来;ヤクルト薬品工業(株))
アロアーゼNP-10(Bacillus subtilis由来;ヤクルト薬品工業(株))。
アルカリ性プロテアーゼとして:
プロチンSD-AY10(Bacillus licheniformis由来;天野エンザイム(株))
デルボラーゼ(Bacillus licheniformis由来;D.S.M.ジャパン(株))
エスペラーゼ(Bacillus sp.由来;ノボザイムズジャパン(株))
サビナーゼ(Bacillus sp.由来;ノボザイムズジャパン(株))
エバラーゼ(Bacillus sp.由来;ノボザイムズジャパン(株))
アルカラーゼ(Bacillus licheniformis由来;ノボザイムズジャパン(株))
ビオプラーゼOP(Bacillus sp.由来;ナガセケムテックス(株))
ビオプラーゼSP-20FG(Bacillus sp.由来;ナガセケムテックス(株))
オリエンターゼ22BF(Bacillus subtilis由来;H.B.I.(株))。
アスペルギルス属真菌に由来するプロテアーゼとして、具体的には、例えば、以下のものが挙げられる。
酸性プロテアーゼとして:
プロテアーゼM「アマノ」G(Aspergillus oryzae由来;天野エンザイム(株))
スミチームAP(Aspergillus niger由来;新日本化学工業(株))
デナプシン2P(Aspergillus sp.由来;ナガセケムテックス(株))
オリエンターゼAY(Aspergillus niger由来;H.B.I.(株))
テトラーゼS(Aspergillus niger由来;H.B.I.(株))
ブリューワーズクラレックス(Aspergillus niger由来;D.S.M.ジャパン(株))
バリダーゼAFP(Aspergillus niger由来;D.S.M.ジャパン(株))
プロテアーゼYP-SS(Aspergillus niger由来;ヤクルト薬品工業(株))。
中性プロテアーゼとして:
プロテアーゼA「アマノ」SD(Aspergillus oryzae由来;天野エンザイム(株))
プロテアーゼP「アマノ」3SD(Aspergillus melleus由来;天野エンザイム(株))
スミチームACP-G(Aspergillus oryzae由来;新日本化学工業(株))
スミチームLP(Aspergillus oryzae由来;新日本化学工業(株))
スミチームFP-G(Aspergillus oryzae由来;新日本化学工業(株))
バリダーゼFP60(Aspergillus oryzae由来;D.S.M.ジャパン(株))
デナチームAP(Aspergillus sp.由来;ナガセケムテックス(株))
オリエンターゼOP(Aspergillus oryzae由来;H.B.I.(株))
パンチダーゼP(Aspergillus sp.由来;ヤクルト薬品工業(株))
パンチダーゼNP-2(Aspergillus oryzae由来;ヤクルト薬品工業(株))。
アルカリ性プロテアーゼとして:
スミチームMP(Aspergillus sp.由来;新日本化学工業(株))。
また、プロテアーゼとしては、上記例示したような公知のプロテアーゼのホモログを利用してもよい。ホモログは、バチルス属細菌またはアスペルギルス属真菌に見出される、所望のプロテアーゼ活性を有するものであれば特に制限されない。また、プロテアーゼとしては、上記例示したような公知のプロテアーゼまたはそれらのホモログの人為的改変体を利用してもよい。人為的改変体は所望のプロテアーゼ活性を有するものであれば特に制限されない。すなわち、「プロテアーゼがバチルス属細菌またはアスペルギルス属真菌に由来する」ことには、当該プロテアーゼがバチルス属細菌またはアスペルギルス属真菌に見出されるプロテアーゼの人為的改変体である場合も含む。
プロテアーゼとしては、1種のプロテアーゼを用いてもよく、2種またはそれ以上のプロテアーゼを組み合わせて用いてもよい。
本発明で用いられるプロテアーゼは、コラーゲン特異的分解能が高いものであってよい。「コラーゲン特異的分解能」を「スジ特異的分解能」ともいう。本発明において、「コラーゲン特異的分解能」は、筋原線維タンパク質の分解活性に対するコラーゲンの分解活性の比率(コラーゲン分解活性/筋原線維タンパク質分解活性)として表される。すなわち、「コラーゲン特異的分解能」とは、筋原線維タンパク質とコラーゲンの内、コラーゲンを選択的に分解する性質の程度を意味する。本発明で用いられるプロテアーゼのコラーゲン特異的分解能の値は、例えば、パパインのコラーゲン特異的分解能の値よりも高くてよい。本発明で用いられるプロテアーゼのコラーゲン特異的分解能の値は、金属含有酵母非併用時において、例えば、0.20以上、0.25以上、0.30以上、0.35以上、0.50以上、または0.70以上であってよい。また、本発明で用いられるプロテアーゼのコラーゲン特異的分解能の値は、特に上限は必要ないが、金属含有酵母非併用時において、例えば、10000以下、1000以下、または100以下であってもよい。また、本発明で用いられるプロテアーゼのコラーゲン特異的分解能の値は、金属含有酵母非併用時において、上記例示した値の組み合わせの範囲内であってもよい。
筋原線維タンパク質の分解活性に対するコラーゲンの分解活性の比率(コラーゲン分解活性/筋原線維タンパク質分解活性)は、筋原線維タンパク質加熱溶出量に対するコラーゲン加熱溶出量の比率(コラーゲン加熱溶出量/筋原線維タンパク質加熱溶出量)として算出されるものとする。
筋原線維タンパク質加熱溶出量は、実施例1に記載の手順により測定する。すなわち、0.02μg/mlプロテアーゼ水溶液と800μg/ml筋原線維タンパク質懸濁液を等量混和し、常温で10分間静置後、80℃で10分間加熱し、さらに100℃で10分間加熱し、1分間の氷冷を行い、遠心上清中のタンパク質量を定量し、筋原線維タンパク質加熱溶出量とする。基質として用いる筋原線維タンパク質は、例えば、牛ひき肉を原料として、実施例1(1−1)に記載の手順により調製することができる。
コラーゲン加熱溶出量は、実施例1に記載の手順により測定する。すなわち、2μg/mlのプロテアーゼ水溶液と80mg/mlのコラーゲン懸濁液を等量混和し、常温で10分間静置後、80℃で10分間加熱し、さらに100℃で10分間加熱し、1分間の氷冷を行い、遠心上清中のタンパク質量を定量し、コラーゲン加熱溶出量とする。基質として用いるコラーゲンは、例えば、牛スジを原料として、実施例1(1−2)に記載の手順により調製することができる。
プロテアーゼと金属含有酵母の併用により、プロテアーゼのコラーゲン特異的分解能が向上し得る。コラーゲン特異的分解能の向上の程度は、特に制限されない。コラーゲン特異的分解能の向上の程度は、金属含有酵母非併用時のコラーゲン特異的分解能に対する金属含有酵母併用時のコラーゲン特異的分解能の比率(金属含有酵母併用時のコラーゲン特異的分解能/金属含有酵母非併用時のコラーゲン特異的分解能;以下、単に「相対比」ともいう)として表される。相対比は、例えば、1より大きくてよく、1.01以上、1.03以上、1.05以上、1.1以上、1.15以上、1.2以上、1.3以上、1.4以上、1.5以上、または1.7以上であってもよい。相対比は、特に上限は必要ないが、例えば、5以下、または3以下であってもよい。また、相対比は、上記例示した値の組み合わせの範囲内であってもよい。なお、相対比を算出する際の「金属含有酵母併用時」とは、プロテアーゼ1gに対して、金属量として8.0×10−6molの金属含有酵母(例えばマンガン含有酵母)を併用した場合とする。
プロテアーゼとしては、市販品を用いてもよく、適宜製造して取得したものを用いてもよい。プロテアーゼの製造方法は特に制限されない。プロテアーゼは、例えば、プロテアーゼを産生する微生物を培養し、培養物からプロテアーゼを回収することにより製造できる。プロテアーゼを産生する微生物は、本来的にプロテアーゼを産生するものであってもよく、プロテアーゼを産生するように改変されたものであってもよい。プロテアーゼを産生する微生物は、例えば、プロテアーゼをコードする遺伝子を微生物に発現可能に導入することにより取得できる。遺伝子の導入は、例えば、同遺伝子を搭載したベクターを微生物に導入することや、遺伝子を微生物の染色体上に導入することにより達成できる。バチルス属細菌またはアスペルギルス属真菌に由来する各種プロテアーゼのアミノ酸配列やそれらをコードする遺伝子の塩基配列は、例えば、NCBI(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/)等の公用データベースから取得できる。微生物の培養条件は、微生物が生育でき、プロテアーゼが産生される限り、特に制限されない。微生物は、例えば、細菌や真菌等の微生物を培養する通常の条件で培養することができる。
プロテアーゼは、プロテアーゼ以外の成分を含んでいてもよく、含んでいなくてもよい。すなわち、プロテアーゼとしては、精製したプロテアーゼを用いてもよく、プロテアーゼを含有する素材を用いてもよい。プロテアーゼを含有する素材としては、例えば、プロテアーゼを産生する微生物の培養物、該培養物から分離した培養上清、該培養物から分離した菌体、該菌体の処理物が挙げられる。プロテアーゼは、所望の程度に精製されていてよい。
本発明の食肉改質剤は、金属含有酵母を含有する。
金属含有酵母は、金属を含有するものであれば特に制限されない。金属の種類は特に制限されない。金属としては、亜鉛、カルシウム、クロム、セレン、銅、マグネシウム、バナジウム、マンガン、モリブデン、コバルト、ヨウ素、鉄等が挙げられる。すなわち、金属含有酵母としては、亜鉛含有酵母、カルシウム含有酵母、クロム含有酵母、セレン含有酵母、銅含有酵母、マグネシウム含有酵母、バナジウム含有酵母、マンガン含有酵母、モリブデン含有酵母、コバルト含有酵母、ヨウ素含有酵母、鉄含有酵母等が挙げられる。これらの中では、マンガン含有酵母、亜鉛含有酵母、マグネシウム含有酵母、鉄含有酵母が好ましく、マンガン含有酵母がより好ましい。金属は、単体、イオン、塩等のいずれの形態で金属含有酵母に含有されていてもよい。例えば、マンガンの塩としては、塩化マンガン、硫酸マンガン、炭酸マンガン、マンガンフタロシアニン、硝酸マンガン、酢酸マンガン、リン酸マンガン、硼酸マンガン、フッ化マンガン、マンガントリアセテート、セレン化マンガン、二酸化マンガン、四酸化三マンガン、過マンガン酸カリウム等が挙げられる。金属含有酵母は、1種の金属を含有してもよく、2種またはそれ以上の金属を組み合わせて含有してもよい。金属含有酵母は、例えば、酵母培養時に金属を添加し、酵母菌体内に取り込ませることにより得られる。市販の金属含有酵母としては、例えば、セティ(株)から市販されている各種ミネラル含有酵母が挙げられる。金属含有酵母における金属含有量は、例えば、酵母の乾物重量1g当たり、例えば、0.2×10−4〜0.2×10−2mol、好ましくは0.2×10−3〜1.4×10−3mol、より好ましくは0.7×10−3〜1.1×10−3molであってよい。金属含有酵母の形態は特に制限されない。金属含有酵母は、例えば、粉末状、ペースト状、懸濁液状等のいずれの形態であってもよい。また、金属含有酵母は、生菌のままでも、殺菌したものでもよい。酵母の種類は特に制限されない。酵母としては、例えば、Saccharomyces cerevisiae等のSaccharomyces属酵母、Schizosaccharomyces pombe等のSchizosaccharomyces属酵母、Candida utilis等のCandida属酵母が挙げられる。これらの中では、Saccharomyces属又はCandida属に属する酵母が好ましい。
金属含有酵母としては、1種の金属含有酵母を用いてもよく、2種またはそれ以上の金属含有酵母を組み合わせて用いてもよい。
本発明の食肉改質剤は、上記有効成分のみからなるものであってもよく、その他の成分を含むものであってもよい。
「その他の成分」は、本発明の目的を損なわない限り、特に制限されない。「その他の成分」としては、例えば、調味料、飲食品、または医薬品に配合して利用されるものを利用できる。「その他の成分」としては、例えば、デキストリン、澱粉、加工澱粉、還元麦芽糖等の賦形剤;アミノ酸、核酸、畜肉エキス等の調味料;植物タンパク質、グルテン、卵白、カゼイン等のタンパク質;タンパク質加水分解物やタンパク質部分分解物等のタンパク質加工品;グリセリン脂肪酸エステル、有機酸モノグリセリド等の乳化剤;クエン酸塩や重合リン酸塩等のキレート剤;グルタチオンやシステイン等の還元剤;アルギン酸、かんすい、油脂、色素、酸味料、香料等のその他の食品添加物が挙げられる。「その他の成分」としては、1種の成分を用いてもよく、2種またはそれ以上の成分を組み合わせて用いてもよい。食肉の軟化効果が向上するという点から、乳化剤を加えると好ましい。
本発明の食肉改質剤の形態は特に制限されない。本発明の食肉改質剤は、例えば、液体状、ペースト状、顆粒状、粉末状、固形状等のいずれの形態であってもよい。
本発明の食肉改質剤における各成分(すなわち、有効成分および必要によりその他の成分)の濃度や含有比率は、併用効果が得られ、且つ食肉の改質に利用できる限り特に制限されない。本発明の食肉改質剤における各成分の濃度や含有比率は、本発明の食肉改質剤の使用量等の諸条件に応じて適宜設定することができる。
本発明の食肉改質剤における有効成分の総濃度は、例えば、1ppm(w/w)以上、10ppm(w/w)以上、100ppm(w/w)以上、または1000ppm(w/w)以上であってもよく、100%(w/w)以下、10%(w/w)以下、または1%(w/w)以下であってもよく、それらの組み合わせであってもよい。
金属含有酵母の含有量は、プロテアーゼ1Uに対して、金属量として、例えば、0.4×10−10mol以上、または0.4×10−9mol以上であってもよく、2.0×10−6mol以下、または2.0×10−7mol以下であってもよく、それらの組み合わせであってもよい。金属含有酵母の含有量は、プロテアーゼ1Uに対して、金属量として、例えば、0.4×10−9〜2.0×10−7molであってもよい。具体的には、例えば、本発明の食肉改質剤がプロテアーゼとマンガン含有酵母を含有する場合、本発明の食肉改質剤は、プロテアーゼ1Uに対して、マンガン量に換算して0.4×10−9〜2.0×10−7molの量のマンガン含有酵母を含有してもよい。また、金属含有酵母の含有量は、プロテアーゼ1gに対して、金属量として、例えば、1.0×10−7mol以上、または1.0×10−6mol以上であってもよく、1.0×10−3mol以下、または1.0×10−4mol以下であってもよく、それらの組み合わせであってもよい。
本発明において、プロテアーゼ活性は、カゼインを基質として、フォリン法により測定されるものとする。すなわち、本発明においては、カゼインを基質として常法により酵素反応を行い、1分間にチロシン1μgに相当するフォリン試液呈色物質の増加をもたらす酵素量を1Uのプロテアーゼ活性と定義する。
プロテアーゼ活性は、具体的には、例えば、以下の手順により測定できる。プロテアーゼを酢酸カルシウム・塩化ナトリウム試液(0.2mol/L 酢酸カルシウム試液 5mlと2mol/L塩化ナトリウム試液 2.5mlを混合し、蒸留水にて500mlにメスアップして調製)に攪拌溶解させ、7000倍希釈して酵素溶液とする。また、カゼイン(乳製)1.2gに0.05mol/Lリン酸水素二ナトリウム試液 160mlを加え、水浴中で加温して溶かす。流水冷却の後、水酸化ナトリウム試液でpH8.0に調製し、蒸留水にて200mlにメスアップし、これを基質溶液とする。試験管に基質溶液5mlを取り、37℃で10分間加温した後、酵素溶液1mlを加えて混合し、37℃で10分間放置後、トリクロロ酢酸試液(トリクロロ酢酸36gと無水酢酸ナトリウム36gを蒸留水1.6Lに溶かし、6mol/L酢酸試液110mlと混合した後、蒸留水にて2Lにメスアップして調製)5mlを加えて振り混ぜ、再び37℃で30分間放置し、濾過する。続いて、試験管に0.55mol/L炭酸ナトリウム試液5mlを取り、濾液2ml及び蒸留水にて3倍希釈したフォリン試液(フォリンチオカルトフェノール試薬, 和光純薬工業(株)製)を加え、混合した後、37℃で30分間放置する。その後、蒸留水を対照に波長660nmの吸光度を測定し、酵素反応液吸光度とする。別途、酵素溶液1mlとトリクロロ酢酸試液5mlを混合した後、基質溶液5mlを加えて37℃で30分間放置し、以下同様に操作し、ブランクの吸光度とする。酵素反応液の吸光度からブランクの吸光度を差し引いた値から反応時間当たりの変化量を算出し、プロテアーゼ活性を算出する。
本発明の食肉改質剤における各有効成分の濃度は、例えば、上記例示した有効成分の総濃度や含有比率を満たすように設定することができる。
本発明の食肉改質剤に含まれる各成分(すなわち、有効成分および必要によりその他の成分)は、互いに混合されて本発明の食肉改質剤に含まれていてもよく、それぞれ別個に、あるいは、任意の組み合わせで別個に、本発明の食肉改質剤に含まれていてもよい。例えば、本発明の食肉改質剤は、それぞれ別個にパッケージングされた、プロテアーゼと金属含有酵母とのセットとして提供されてもよい。このような場合、セットに含まれる成分は使用時に適宜併用することができる。
<2>本発明の方法
本発明においては、有効成分(すなわち、プロテアーゼおよび金属含有酵母)を利用して、食肉を改質することができる。すなわち、本発明の方法は、食肉を有効成分で処理することを含む、食肉を改質する方法である。食肉を改質する方法は、例えば、食肉を軟化する方法であってもよく、具体的には食肉のスジ部位を軟化する方法であってもよい。また、本発明の方法を利用して食肉加工品を製造してもよい。すなわち、本発明の方法の一態様は、食肉を有効成分で処理することを含む、食肉加工品の製造方法である。なお、「食肉を有効成分で処理する」ことを「食肉に有効成分を作用させる」ともいう。また、「食肉を有効成分で処理する」工程を「酵素反応工程」ともいう。
本発明においては、例えば、有効成分を含有する本発明の食肉改質剤を利用して、食肉を改質することができる。すなわち、言い換えると、本発明の方法は、食肉を本発明の食肉改質剤で処理することを含む、食肉を改質する方法であってよい。また、本発明の方法の一態様は、食肉を本発明の食肉改質剤で処理することを含む、食肉加工品の製造方法であってよい。
本発明の方法により得られる食肉加工品を「本発明の食肉加工品」ともいう。本発明の食肉加工品は、改質された食肉加工品である。改質された食肉加工品は、例えば、柔らかさが向上した食肉加工品であってもよく、具体的にはスジ部位の柔らかさが向上した食肉加工品であってもよい。
本発明の食肉加工品は、有効成分で処理すること以外は、通常の食肉加工品と同様の原料を用い、同様の調理方法によって製造することができる。また、調理方法は、適宜変更することができる。例えば、本発明の食肉加工品は、通常の食肉加工品を製造する場合よりも短い加熱時間で製造することができ得る。
食肉の種類は特に制限されない。食肉としては、例えば、牛、豚、羊等の畜肉、鶏、七面鳥、カモ、ガチョウ等の鳥肉、アジ、サケ、タラ、ヒラメ、サンマ、フグ等の魚肉が挙げられる。食肉の部位は特に制限されない。食肉の部位としては、特に、効果が大きい点で、脛、肩、ネック、タン、ホホ、モモ、テール、足等の硬質のタンパク質を多く含む部位が好ましい。食肉の形態は特に制限されない。食肉は、例えば、ブロック、サイコロ、ぶつ切り、スライス、挽いたもの等のいずれの形態であってもよい。
食肉の調理法は特に制限されない。調理法は、食肉の種類、部位、形態等の諸条件に応じて適宜設定できる。調理法としては、加熱するものが好ましい。調理方法としては、例えば、煮る、焼く、炒める、揚げる、蒸す等の方法が挙げられる。本発明の食肉加工品の種類は特に制限されない。本発明の食肉加工品としては、例えば、モツ煮込み、牛スジ煮込み、テールスープ、焼き肉、ステーキ、ハンバーグ、カツ、フライ、てんぷら、唐揚、竜田揚げ、カレー、シチュー、しゃぶしゃぶ、焼き魚、ムニエル、煮魚が挙げられる。
有効成分は、併用効果が得られ、且つ食肉を改質できる限り、調理工程のいずれの段階で食肉に作用させてもよい。すなわち、有効成分は、調理前の食肉に作用させてもよく、調理中の食肉に作用させてもよく、調理終了後の食肉に作用させてもよい。有効成分は、そのまま、あるいは適宜溶液等を調製して、食肉と共存させることにより、食肉に作用させることができる。例えば、有効成分を食肉に添加してもよいし、有効成分を含有する処理液に食肉を浸漬してもよい。以下、このような有効成分を食肉と共存させる操作を総称して有効成分の「添加」ともいう。反応時間や反応温度は、併用効果が得られ、且つ食肉を改質できる限り特に制限されない。反応時間や反応温度は、食肉の種類や有効成分の添加量等の諸条件に応じて適宜設定できる。調理工程が酵素反応工程を兼ねていてもよいし、別途酵素反応工程を実施してもよい。反応時間は、例えば、好ましくは1分間〜72時間であってよい。反応温度は、例えば、好ましくは4〜95℃、より好ましくは4〜80℃であってよい。酵素反応工程は、全ての有効成分の共存下で実施される。例えば、有効成分を全て同時に添加することにより、酵素反応工程を開始することができる。また、例えば、有効成分をそれぞれ別個に、あるいは、任意の組み合わせで別個に、添加することにより、全ての有効成分が共存した時点で酵素反応工程を開始することもできる。有効成分を添加する順序は特に制限されない。具体的には、例えば、プロテアーゼを予備的に食肉に作用させ、次いで、金属含有酵母を共存させることにより、酵素反応工程を開始してもよい。また、各有効成分は、1回のみ添加されてもよく、2回またはそれ以上添加されてもよい。例えば、プロテアーゼが失活した場合にプロテアーゼを追加添加してもよい。さらに、有効成分以外の酵素や添加剤を併用してもよい。
本発明の方法における各成分(すなわち、有効成分および必要によりその他の成分)の添加量や添加比率は、併用効果が得られ、且つ食肉を改質できる限り特に制限されない。本発明の方法における各成分の添加量や添加比率は、食肉の種類、部位、形態等の諸条件に応じて適宜設定できる。
プロテアーゼの添加量は、食肉1gに対して、プロテアーゼ活性に換算して、例えば、0.1U以上、10U以上、または100U以上であってもよく、100000U以下、10000U以下、または1000U以下であってもよく、それらの組み合わせであってもよい。プロテアーゼの添加量は、食肉1gに対して、例えば、1.0×10−7g以上、1.0×10−6g以上、または1.0×10−5g以上であってもよく、1.0×10−2g以下、1.0×10−3g以下、または1.0×10−4g以下であってもよく、それらの組み合わせであってもよい。
金属含有酵母の添加量は、プロテアーゼ1Uに対して、金属量として、例えば、0.4×10−10mol以上、または0.4×10−9mol以上であってもよく、2.0×10−6mol以下、または2.0×10−7mol以下であってもよく、それらの組み合わせであってもよい。金属含有酵母の添加量は、プロテアーゼ1Uに対して、金属量として、例えば、0.4×10−9〜2.0×10−7molであってよい。具体的には、例えば、プロテアーゼとマンガン含有酵母を食肉に作用させる場合、プロテアーゼ1Uに対して、マンガン量に換算して0.4×10−9〜2.0×10−7molの量のマンガン含有酵母を併用してもよい。また、金属含有酵母の添加量は、プロテアーゼ1gに対して、金属量として、例えば、1.0×10−7mol以上、または1.0×10−6mol以上であってもよく、1.0×10−3mol以下、または1.0×10−4mol以下であってもよく、それらの組み合わせであってもよい。
以下に実施例を挙げ、本発明をより具体的に説明する。本発明は、これらの実施例により何ら限定されない。
実施例1:金属含有酵母の併用によるプロテアーゼのコラーゲン特異的分解能の向上効果の評価(1)
本実施例では、各種プロテアーゼについて、金属含有酵母の非併用時と併用時のコラーゲン特異的分解能(スジ特異的分解能)を比較し、金属含有酵母の併用によるコラーゲン特異的分解能の向上効果を評価した。用いたプロテアーゼを表1に示す。
(1)金属含有酵母の非併用時の各種プロテアーゼのコラーゲン特異的分解能
まず、各種プロテアーゼ(表1)について、金属含有酵母の非併用時のコラーゲン特異的分解能を測定した。
(1−1)各種プロテアーゼの筋原線維タンパク質分解活性
肉の赤身部位を主に構成する筋原線維タンパク質に対する各種プロテアーゼ(表1)の分解活性の指標として、筋原線維タンパク質加熱溶出量を以下の方法により測定した。
筋原線維タンパク質抽出用バッファーとして、30mMクエン酸-リン酸緩衝液(pH5.5, 0.1M NaCl含有)を以下の手順で調製した。まず、30mMクエン酸水溶液、60mMリン酸水素二ナトリウム水溶液、1M塩化ナトリウム水溶液を調製した。続いて、30mMクエン酸水溶液852mlと60mMリン酸水素二ナトリウム水溶液1,148mlを混和し、30mMクエン酸水溶液を少量ずつ加えながらpH5.5に調製した。この調製溶液に対し、1M塩化ナトリウム水溶液400mlを加え、蒸留水にて4Lまでメスアップし、30mMクエン酸-リン酸緩衝液(pH5.5, 0.1M NaCl含有)を得た。
筋原線維タンパク質の抽出及び調製は、以下の手順で行った。牛挽肉(市販国産品)200gと約7.5倍量(1,500ml)のクエン酸-リン酸緩衝液を2Lポリビーカー内で混和し、周囲を氷冷しながら6,000rpmで1分間ホモジネートした(ホモジナイザー:POLYTRON PT 3100, シャフト:PT-DA3030を使用)。得られた懸濁液をガーゼ(スズラン, メッシュサイズ直径1mm)で濾過し、濾液を1,000ml 遠沈管に入れ、1,660×g, 10min, 5℃にて遠心した(遠心機:CR22G, ロータ:R9AF, 遠沈管:1,000ml容量を使用)。上清を除去し、沈殿に約7.5倍量(500ml)のクエン酸-リン酸緩衝液を加えて懸濁し、懸濁液を同様の条件で遠心した。この操作を再び行い、得られた沈殿にクエン酸-リン酸緩衝液30mlを加えて懸濁し、懸濁液を50ml遠沈管に移した後、9,520×g, 5min, 5℃にて遠心した(遠心機:CR22G, ロータ:R12A2, 遠沈管:50ml容量を使用)。上清を除去後、同じ操作を2回繰り返し、得られた沈殿に約2倍量(10ml)のクエン酸-リン酸緩衝液を加えて懸濁し、筋原線維タンパク質標品とした。
1.5mlマイクロチューブ内に、各プロテアーゼを蒸留水にて0.02μg/mlに調製し、これを酵素溶液とした。筋原線維タンパク質標品をピペッティングおよびボルテックスミキサーにてよく懸濁した後、1.5mlマイクロチューブ内に蒸留水にて800μg/mlに調製し、筋原線維タンパク質懸濁液とした。各酵素溶液250μlと筋原線維タンパク質懸濁液250μlを1.5mlマイクロチューブ内で混和し(S/E=40000:1)、よく懸濁した後、常温で10分間静置した。静置後、ブロックヒーター(CTU-Neo)を用いて80℃で10分間加熱した。その後、速やかに100℃ブロックヒーターへ移し、さらに10分間加熱した。1分間の氷冷を行った後、12,000×g, 1min, 常温にて遠心し(遠心機:CF15RXII, ロータ:T15A39を使用)、上清を回収した。この上清に対してBCA法によるタンパク質定量を行い、筋原線維タンパク質加熱溶出量とした。
(1−2)各種プロテアーゼのコラーゲン分解活性
本実施例では、肉のスジ部位を主に構成する硬質タンパク質であるコラーゲンに対する各種プロテアーゼ(表1)の分解活性の指標として、コラーゲン加熱溶出量を以下の方法により測定した。
牛スジ(市販国産牛すね肉)に付属する赤身肉と脂身を包丁を用いて切除し、一辺約5mmの立方体サイズに細断した。これを50ml容量の円柱型粉砕ジャーに3.5g入れ(粉砕ジャー:Mixer Mill Type MM301付属品を使用)、さらにその上から直径25mmの粉砕球を1つ投入した(粉砕球:Mixer Mill Type MM301付属品を使用)。粉砕ジャーの蓋を閉口し、これをドラフトチャンバー内で液体窒素入りの容器中に5分間浸漬した。液体窒素容量は粉砕ジャー全体が十分に浸かる量とし、蒸発して減るたびに追加した。浸漬5分後、粉砕ジャーを専用のピンセットを使用して取り出し、粉砕機にセットして振動数25/s, 1.5minの条件で粉砕を行った(粉砕機:Mixer Mill Type MM301を使用)。粉砕ジャーの蓋を開口して粉砕球を取り出し、凍結粉砕した試料をスパチュラで回収した。本試料をコラーゲン粉末標品とした。
1.5mlマイクロチューブ内に、各プロテアーゼを蒸留水にて2μg/mlに調製し、これを酵素溶液とした。コラーゲン粉末標品は80mgを1.5mlマイクロチューブ内に計量した後、蒸留水1mlを加えて懸濁し、コラーゲン粉末懸濁液とした。各酵素溶液250μlとコラーゲン粉末懸濁液250μlを1.5mlマイクロチューブ内で混和し(S/E=40000:1)、よく懸濁した後、常温で10分間静置した。静置後、ブロックヒーター(CTU-Neo)を用いて80℃で10分間加熱した。その後、速やかに100℃ブロックヒーターへ移し、さらに10分間加熱した。1分間の氷冷を行った後、12,000×g, 1min, 常温にて遠心し(遠心機:CF15RXII, ロータ:T15A39を使用)、上清を回収した。この上清に対してBCA法によるタンパク質定量を行い、コラーゲン加熱溶出量とした。
(1−3)コラーゲン特異的分解能
各プロテアーゼについて、(1−2)で得られたコラーゲン加熱溶出量値を(1−1)で得られた筋原線維タンパク質加熱溶出量値で割ることにより、筋原線維タンパク質の分解活性に対するコラーゲンの分解活性の比率(コラーゲン分解活性/筋原線維タンパク質分解活性)を算出し、その値を金属含有酵母の非併用時のコラーゲン特異的分解能(スジ特異的分解能)とした。パパイヤ(Carica papaya)由来のプロテアーゼのコラーゲン特異的分解能(スジ特異的分解能)は0.17であった。また、試験に用いたバチルス属細菌に由来するプロテアーゼおよびアスペルギルス属真菌に由来するプロテアーゼの全てについて、コラーゲン特異的分解能(スジ特異的分解能)は0.20以上であった。
(2)金属含有酵母の併用時の各種プロテアーゼのコラーゲン特異的分解能
次に、各種プロテアーゼ(表1)について、金属含有酵母の併用時のコラーゲン特異的分解能を測定した。金属含有酵母としては、マンガン含有酵母(Saccharocymes cerevisiae;SCETI(株))を用いた。
各プロテアーゼについて、酵素反応の際にマンガン含有酵母をマンガン量に換算して終濃度0.2μM(混和前の酵素溶液中での濃度として0.4μM)となるように添加し、(1−1)および(1−2)と同様の手順で、金属含有酵母の併用時のコラーゲン加熱溶出量値と筋原線維タンパク質加熱溶出量値を測定した。次いで、各プロテアーゼについて、(1−3)と同様の手順で、筋原線維タンパク質の分解活性に対するコラーゲンの分解活性の比率(コラーゲン分解活性/筋原線維タンパク質分解活性)を算出し、その値を金属含有酵母の併用時のコラーゲン特異的分解能(スジ特異的分解能)とした。
(3)金属含有酵母の併用によるプロテアーゼのコラーゲン特異的分解能の向上効果の評価
各プロテアーゼについて、(2)で得られた金属含有酵母の併用時のコラーゲン特異的分解能を(1)で得られた金属含有酵母の非併用時のコラーゲン特異的分解能で割ることにより、コラーゲン特異的分解能の向上の程度を算出した。結果を図1に示す。図1中、「Cont(M.Q.)」は、酵素溶液に代えてマンガン含有酵母添加または非添加の超純水(Milli Q水)を用いて(1−1)〜(1−3)と同様の手順で得られた結果を示す。試験に用いたバチルス属細菌に由来するプロテアーゼおよびアスペルギルス属真菌に由来するプロテアーゼの全てについて、マンガン含有酵母の併用によるコラーゲン特異的分解能の向上効果が得られた。一方、ストレプトマイセス(Streptomyces)属細菌由来のプロテアーゼおよびパパイヤ(Carica papaya)由来のプロテアーゼについては、金属含有酵母の併用によるコラーゲン特異的分解能の向上効果は認められなかった。
以上より、バチルス属細菌またはアスペルギルス属真菌に由来するプロテアーゼと金属含有酵母を併用することにより、プロテアーゼのコラーゲン特異的分解能(スジ特異的分解能)が向上することが示された。
実施例2:金属含有酵母の併用による食肉のスジ部位の軟化の向上効果(促進効果)の評価
本実施例では、各種プロテアーゼについて、金属含有酵母の併用による食肉のスジ部位の軟化の向上効果(促進効果)を実際の食品系で評価した。手順は以下の通りである。
(1)豪州産牛肩ロース(12mmスライス)の余分な脂をトリミングして200gに調整し、サンプルとした。
(2)(1)のサンプルを真空パック用の袋に入れた。
(3)各プロテアーゼ(表2)を含有タンパク質重量で5mg(牛肩ロース重量の1/40000)量り、市水200mlに溶解し、酵素溶液とした。
(4)マンガン含有酵母併用試験区(Mn.Y.+)用に(3)の酵素溶液にマンガン含有酵母をマンガン量に換算して0.2μMとなるように添加した。
(5)マンガン含有酵母非併用試験区(Mn.Y.−)については(3)の酵素溶液を、マンガン含有酵母併用試験区(Mn.Y.+)については(4)の酵素溶液を、(2)に加え、真空パックした。対照区(Cont.)については、酵素溶液に代えて、マンガン含有酵母添加または非添加の市水を(2)に加え、真空パックした。
(6)4℃にて一晩(18hr.)冷蔵保管した。
(7)真空パック開封後、牛肩ロースをザルにて水切りした。
(8)250℃のインピンジャーにて(7)の牛肩ロースを両面2分間ずつ焼成した。
(9)各試験区のスジ部位のやわらかさを-3点〜+3点の7段階で官能評価した(n=6)。
結果を表2に示す。試験に用いたバチルス属細菌に由来するプロテアーゼおよびアスペルギルス属真菌に由来するプロテアーゼの全てについて、マンガン含有酵母の併用によるスジ部位のやわらかさの向上効果が得られた。一方、パパイヤ(Carica papaya)由来のプロテアーゼについては、金属含有酵母の併用によるスジ部位のやわらかさの向上効果は認められず、逆にやわらかさが低下した。
以上より、バチルス属細菌またはアスペルギルス属真菌に由来するプロテアーゼと金属含有酵母を併用することにより、食肉のスジ部位の軟化を向上(促進)できることが示された。
実施例3:金属含有酵母の併用によるプロテアーゼのコラーゲン特異的分解能の向上効果の評価(2)
本実施例では、バチルス属細菌由来プロテアーゼについて、各種金属含有酵母の併用によるコラーゲン特異的分解能の向上効果を評価した。
試験区を表3に示す。プロテアーゼとして、バチルス属細菌由来中性プロテアーゼを用いた。金属含有酵母として、マンガン含有酵母、亜鉛含有酵母、鉄含有酵母、およびマグネシウム含有酵母(いずれもSaccharocymes cerevisiae;SCETI(株))を用いた。各試験区について、実施例1に記載の手順で酵素反応を実施し(S/E=40000:1、金属量に換算して終濃度0.2μMで金属含有酵母を使用)、コラーゲン特異的分解能(スジ特異的分解能)を算出した。
結果を表3に示す。いずれの金属含有酵母を併用した場合にも、バチルス属細菌由来プロテアーゼのコラーゲン特異的分解能(スジ特異的分解能)の向上効果が得られた。
本発明により、食肉を改質し、食肉の品質を向上させることができる。本発明の一態様によれば、特に、食肉の結合組織の一つであるスジ部位を軟化させることができる。

Claims (15)

  1. プロテアーゼ及び金属含有酵母を含有し、
    前記プロテアーゼがバチルス(Bacillus)属細菌に由来するプロテアーゼおよびアスペルギルス(Aspergillus)属真菌に由来するプロテアーゼから選択される1種又は2種以
    上のプロテアーゼであって、金属含有酵母非併用時のコラーゲン特異的分解能に対する金属含有酵母併用時のコラーゲン特異的分解能の比率(金属含有酵母併用時のコラーゲン特異的分解能/金属含有酵母非併用時のコラーゲン特異的分解能)が1より大きいプロテアーゼである、食肉改質剤。
  2. 前記金属含有酵母がマンガン含有酵母、亜鉛含有酵母、マグネシウム含有酵母、および鉄含有酵母から選択される1種又は2種以上の酵母である、請求項1に記載の食肉改質剤。
  3. 前記金属含有酵母がマンガン含有酵母である、請求項1または2に記載の食肉改質剤。
  4. 前記比率が1.1以上である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の食肉改質剤。
  5. 前記プロテアーゼ1U当たり、前記金属含有酵母を金属量として0.4×10-9〜2.0×10-7mol含有する、請求項1〜のいずれか1項に記載の食肉改質剤。
  6. 食肉スジ軟化剤である、請求項1〜のいずれか1項に記載の食肉改質剤。
  7. 食肉を請求項1〜のいずれか1項に記載の食肉改質剤で処理することを含む、食肉加工品の製造方法。
  8. 食肉をプロテアーゼ及び金属含有酵母で処理することを含み、
    前記プロテアーゼがバチルス(Bacillus)属細菌に由来するプロテアーゼおよびアスペルギルス(Aspergillus)属真菌に由来するプロテアーゼから選択される1種又は2種以
    上のプロテアーゼであって、金属含有酵母非併用時のコラーゲン特異的分解能に対する金属含有酵母併用時のコラーゲン特異的分解能の比率(金属含有酵母併用時のコラーゲン特異的分解能/金属含有酵母非併用時のコラーゲン特異的分解能)が1より大きいプロテア
    ーゼである、食肉加工品の製造方法。
  9. 前記金属含有酵母がマンガン含有酵母、亜鉛含有酵母、マグネシウム含有酵母、および鉄含有酵母から選択される1種又は2種以上の酵母である、請求項に記載の方法。
  10. 前記金属含有酵母がマンガン含有酵母である、請求項またはに記載の方法。
  11. 前記比率が1.1以上である、請求項8〜10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 前記プロテアーゼ1U当たり、前記金属含有酵母を金属量として0.4×10-9〜2.0×10-7mol作用させる、請求項7〜11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 前記食肉1g当たり、前記プロテアーゼを0.1U以上作用させる、請求項7〜12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 食肉を請求項1〜のいずれか1項に記載の食肉改質剤で処理することを含む、食肉を改質する方法。
  15. 食肉をプロテアーゼ及び金属含有酵母で処理することを含み、
    前記プロテアーゼがバチルス(Bacillus)属細菌に由来するプロテアーゼおよびアスペルギルス(Aspergillus)属真菌に由来するプロテアーゼから選択される1種又は2種以
    上のプロテアーゼであって、金属含有酵母非併用時のコラーゲン特異的分解能に対する金属含有酵母併用時のコラーゲン特異的分解能の比率(金属含有酵母併用時のコラーゲン特異的分解能/金属含有酵母非併用時のコラーゲン特異的分解能)が1より大きいプロテアーゼである、食肉を改質する方法。
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