JP3352818B2 - 肉類の処理方法 - Google Patents
肉類の処理方法Info
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Description
るものであって、更に詳細には、魚介肉及び/又は鳥獣
肉を処理して、吸水力、保水力を向上せしめ、特に加熱
後の歩留まりを向上させ、食感を改良する方法に関する
ものである。
る歩留まりの低下、食感の低下を防止する目的で、従来
よりいくつもの方法が行われてきている。これらの方法
のうち、浸漬による方法が広く行われており、例えば、
各種リン酸塩による方法、一般的な調味料による方法、
リンゴ酸塩による方法(特開平5−15344号)が知
られている。
内へのカルシウムの吸収阻害等があり健康上好ましいも
のではなく、またリン酸塩自体の苦味も感じられる。ま
た、一般的な調味料による方法は、漬け込み歩留まりに
ついては一応評価できるものの、加熱歩留まりは顕著に
良いものではない。そしてリンゴ酸塩による方法は、歩
留まりも低く、食感、風味ともに好ましいものではない
し、エビ以外の肉類の処理には有効ではない。そこで、
これらに代る新しい処理法の開発が待望されている。
界のニーズに応えるためになされたものであって、本発
明の課題は、味、風味を損うことなく、魚介肉、畜肉、
鳥肉等の肉類の食感を向上させ、且つ歩留まりも向上さ
せることのできる新規な方法を提供することである。
成するためになされたものであって、焼成カルシウムを
配合した水溶液に肉類を漬け込むことにより上記目的を
達成することを発見した。そして更にこの新知見に基づ
き、他の有効成分を求めて各種物質を広くスクリーニン
グした結果、非常に有効な処理剤を発見し、これらの新
知見を基礎として更に検討を行い、本発明の完成に至っ
た。以下、本発明について詳述する。
を、あるいは焼成カルシウムとその他の処理剤の1種又
は2種以上を肉類に対して0.01〜20%、好ましく
は0.05〜10%、更に好ましくは0.1〜7%配合
した水溶液(必要あれば、食塩を更に0.1〜5%配合
してもよい)を用いて、肉類を処理する。肉類として
は、魚肉、イカ、タコ、エビ、貝類等の魚介肉、及び/
又は、獣肉、鳥肉等の畜肉が広く包含される。
しては、処理剤を配合した水溶液を浸漬液として、肉類
をその中に漬け込んだり、もみこんだり、あるいは肉類
の表面にスプレーしたり、塗布したり、まぶしたり、あ
るいは肉類の内部に注入したりすればよい。このような
処理を行うことにより、肉類への吸水を向上させ、加熱
時及び/又は非加熱時の保水力も高めることができ、そ
の結果、処理後及び/又は加熱後の肉類はジューシーで
食感も大幅に改良され、また、歩留まりも大幅に向上す
る。
のが例示され、1種又は2種以上が使用される:焼成カ
ルシウム、乳清蛋白質、植物蛋白質、増粘多糖類、澱
粉、デキストリン、繊維、金属イオン、マンナン、エス
テル、コラーゲン、酵素、pH調整剤。
を焼成処理して得た精製品はもとより、市販されている
製品が充分に使用できる。乳清蛋白質としては、ホエー
蛋白質をすべて指すが、ホエー蛋白質濃縮物(WP
C)、それを更に精製したホエー蛋白質分離物(WP
I)等乳清蛋白質含有物ないし混合物も使用できる。
質等植物由来の蛋白質が、精製品、粗製品、含有物を問
わず使用できる。澱粉としては、加熱ゲル化するもので
あれば、天然澱粉、化工澱粉を問わずすべてのものが使
用できる。デキストリンとしては、澱粉を酸、酵素、熱
等によって分解して得られる中間物をいう。増粘多糖類
としては、天然ガム類が広く用いられ、次のようなもの
が例示される:キサンタンガム、グアーガム、ローカス
トビーンガム、トラガントガム、タマリンドガム、カラ
ギーナン、ファーセレラン、アラビアガム、ジェランガ
ム、サイリューム、カードラン等、海藻、種子、樹脂及
び微生物由来の物質。
ス、又はこれらの含有物のほか、難消化性ないし不消化
性の炭水化物が広く使用され、グルコマンナンその他、
市販の食物ファイバーも自由に使用できる。
ンが、通常は塩の形態で使用される。金属イオンとして
は、カリウム、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム
等のイオンが例示される。エステルとしては、酸とアル
コール由来の物質であって毒性のないものが広く使用さ
れ、次のようなものが例示される:ギ酸、酢酸、酪酸、
(イソ)バレリアン酸、カプロン酸、カプリル酸、ケイ
皮酸、安息香酸等の、メチル、エチル、プロピル、ブチ
ル、(イソ)アミル等のエステル。
ラーゼ、マルターゼ、セルラーゼ等炭水化物分解酵素;
リパーゼ、エステラーゼ等脂肪分解酵素;ペプチダー
ゼ、プロナーゼ、パパイン、フィシン、ペプシン、(キ
モ)トリプシン等蛋白質分解酵素のほか、オキシダー
ゼ、カルボキシラーゼ、デヒドロゲナーゼ等各種の酵素
が適宜使用される。
の酸、アルカリが適宜使用され、例えば、塩酸、酢酸、
乳酸、クエン酸、グルコン酸、コハク酸、酒石酸、フマ
ル酸、こ(れら)の塩、(重)炭酸カリウム、(重)炭
酸ナトリウム、炭酸カルシウム、水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム、その他が使用される。
熱処理後も、肉類の歩留まりを向上せしめ及び/又は食
感を改良することができるが、既述のように、肉類の吸
水力及び/又は保水力も向上させることができる。この
場合も同様に処理剤を用いて肉類を処理すればよく、処
理剤として、焼成カルシウム、金属イオン及び酵素を用
いる場合には、処理剤を肉類に対して0.01〜5%、
好ましくは0.05〜3%配合した水溶液を用い、上記
以外の処理剤を用いる場合には、肉類に対して0.1〜
10%、好ましくは0.5〜5%配合した水溶液を用い
るとよい。
して得た肉類処理物は、充分に吸水ないし保水してお
り、充分に高い歩留まりを有しているだけでなく、加
工、冷凍、加熱処理を行っても、非常に高い歩留まりを
有し、すぐれた食感を呈するという著効が奏される。
う、煮る、蒸す、焼く、オーブン処理、電子レンジ処理
等、食品に用いられる加熱処理をすべて指す。同じく加
工とは、加熱処理に先立って行う、カット、成型、調
味、衣付けその他の加工処理をすべて指す。しかも、本
発明においては、肉類処理物は加工後冷凍した後、加熱
処理しても、歩留まりの向上、食感の改良が達成され、
すぐれた冷凍食品として流通ルートにのせることができ
るという著効も奏される。
ばならないが、現時点では一応次のように推定される。
つまり、処理剤水溶液に肉類を浸漬することにより、水
和あるいは水素結合し得る機会が増大し、吸水力、保水
力が向上してくる。そして更に加熱時には、熱凝固性の
素材が、肉類の肉汁及び浸漬し吸水した水分を抱えて凝
固するものと推定される。
だ後、唐揚げ風に加熱処理し、得られた食品の歩留ま
り、食感を測定した。
肉を使用した。一方、下記に示すように処理剤を適宜配
合した浸漬液を用意しておき、これに魚介肉を1時間浸
漬した後、馬れいしょ澱粉をまぶし、油ちょう(80℃
達温)して唐揚げ風食品を製造した。
まり、加熱歩留まりを測定し、また10名の熟練したパ
ネルによる食感についての官能テストを行った。得られ
た結果を、下記表1、表2に示す。
3.0%、植物蛋白質1.0%、増粘多糖類3.0%を
配合した水溶液に浸漬後の魚介肉に小麦粉をまぶした
後、全卵に漬け、パン粉を付着させたほかは、実施例1
と同様に処理して、フライを製造した。
加熱歩留まりを測定し、また10名の熟練したパネルに
よる食感についての官能テストを行った。得られた結果
を、下記表3に示す。
を調製し、対肉50%の浸漬液中に豚肉を1時間浸漬し
た後、馬れいしょ澱粉をまぶし、油ちょう(80℃達
温)し、未処理のものと比較し、その効果を上記と同様
にして確認した。結果を下記表4に示す。
又は2種以上組合わせて配合した浸漬液に魚介肉及び/
又は畜肉を浸漬することにより、風味を損うことなく歩
留まりの向上と食感の改良が達成される。
Claims (7)
- 【請求項1】 魚介肉及び/又は畜肉を、焼成カルシウ
ムに植物蛋白質を配合した水溶液で処理することを特徴
とする、魚介肉及び/又は畜肉の歩留まりを向上せしめ
る方法。 - 【請求項2】 魚介肉及び/又は畜肉を、焼成カルシウ
ムに植物蛋白質を配合した水溶液で処理することを特徴
とする、魚介肉及び/又は畜肉の食感を改良せしめる方
法。 - 【請求項3】 請求項1又は2に記載の方法によって得
られた魚介肉及び/又は畜肉処理物。 - 【請求項4】 請求項3に記載の処理物を加熱すること
を特徴とする、魚介肉及び/又は畜肉の歩留まりを向上
せしめる方法。 - 【請求項5】 請求項3に記載の処理物を加熱すること
を特徴とする、魚介肉及び/又は畜肉の食感を改良せし
める方法。 - 【請求項6】 請求項3に記載の処理物を加工した後、
必要あれば冷凍し、しかる後に加熱することを特徴とす
る、魚介肉及び/又は畜肉の歩留まりを向上せしめる方
法。 - 【請求項7】 請求項3に記載の処理物を加工した後、
必要あれば冷凍し、しかる後に加熱することを特徴とす
る、魚介肉及び/又は畜肉の食感を改良せしめる方法。
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JP13966294A JP3352818B2 (ja) | 1994-05-31 | 1994-05-31 | 肉類の処理方法 |
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JP13966294A Expired - Lifetime JP3352818B2 (ja) | 1994-05-31 | 1994-05-31 | 肉類の処理方法 |
Country Status (1)
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-
1994
- 1994-05-31 JP JP13966294A patent/JP3352818B2/ja not_active Expired - Lifetime
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