JP2637341B2 - 冷凍えびの冷凍熟成法及び同方法を利用したえび加工食品 - Google Patents

冷凍えびの冷凍熟成法及び同方法を利用したえび加工食品

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は冷凍用えびの冷凍熟成
法及び、同方法を利用したえび食品に関する。更に詳し
くは、冷凍えびを冷凍中に熟成させることにより、加工
時に至るまでの冷凍中の品質の低下の防止及び品質向上
を図る処理方法、並びに同方法を利用した冷凍加工食品
及び当該冷凍えびを主原料とする加工食品に関する。
【0002】
【従来の技術】冷凍えびは主として海外の冷凍えび加工
工場で製造されたものが輸入されている。だが、えびは
鮮度低下の速い食材であり、えびに付着した細菌の増殖
による分解酵素やえび自体が有するプロテアーゼの作用
により品質が低下する。それでなくともえびは水分が多
く筋肉蛋白の結合組織が軟弱なため細菌や自身の消化酵
素により分解されやすく、従来の処理方法では品質の低
下は避け難い。その結果冷凍保存中における冷凍変性が
著るしく、その致命的な欠点のために冷凍むきえびの利
用は極めて限定された範囲でしか利用されていないのが
現状である。
【0003】
【本発明が解決しようとする課題】細菌による作用、及
びえび自身が保有するプロテアーゼの作用によるえびの
冷凍保存中における品質の低下は、下記の如き原因、又
は理由によるとされている。即ち、魚肉組織には多種類
のプロテアーゼが存在するが、えびに含まれるプロテア
ーゼは、その95%までが頭部胸部の内臓部位に偏在
し、特に消化器官中の消化酵素は、その活性がきわめて
高い。この蛋白消化分解酵素は、死後硬直後の軟化とと
もに自らの内臓を消化分解し、滲みでた消化液が、筋肉
蛋白にふれ、すみやかな筋肉蛋白の分解をひきおこす。
冷凍むきえびの場合は特に、 (1). 原料が天然漁獲の小えびであるために資源国の気
温条件、又は工場般入までの時間経過で鮮度劣化は避け
がたい。 (2). これにより除頭、殻むき、内臓除去の前処理に至
るまでに内臓部の消化分解液がえび体内で拡散し、これ
がむきえびの体表面から、軟弱な筋肉結合組織に浸透し
て蛋白分解をひきおこすと共に、その活性は冷凍貯蔵中
にも持続しつづけるという問題がある。 (3). この通常の洗浄で除去されずに残るわずかな消化
酵素で冷凍変性が促進されるのは、えび肉そのものの弱
耐凍性にも原因がある。 (4). 更にまたえび肉のpH値は7.8〜8と魚類に比
して高く、鮮度低下によってもpHが下がらない特異性
に加え、鮮度低下の初期段階において細菌群が筋肉組織
内の筋肉エキス成分を栄養源として増殖しているため、
えび体表面近くの水溶性の呈味成分(非タンパク態窒素
化合物)はすでに種々悪臭の原因物質に代謝分解され
る。
【0004】
【課題を解決する手段】本発明者は冷凍変性を防止する
方法を研究の結果、細菌を除去、滅菌し、同時に消化器
官から拡散した消化分解酵素を除去、失活させたのち、
環状オリゴ糖、シクロデキストリン、重合リン酸塩、L
−アスコルビン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムを添
加し、よくかきまぜた後、この操作によりえび肉から滲
みでてくる自由水をグレース剤(氷衣剤)として利用し
て急速冷凍し、−18℃ないし−22℃の温度で30日
以上冷凍保存することにより、おどろくべきことに冷凍
中の変性も、解凍時のドリップも少なく、風味のすぐれ
たものが得られ、また、このえび肉を用いてえびしゅう
まい、えびだんご、エビカツレツなどの加工食品を調製
した場合にも、えび特有の甘味を帯び、従来の冷凍えび
肉を用いた場合のような異臭もなく、えび風味豊かな加
工食品が得られることを見い出して本発明を完成させた
ものである。更に、グリシンベタイン、グリシン、アラ
ニンの少なくとも一種以上を添加することにより更に風
味にすぐれたえび肉を提供できることを見い出した。
【0005】また、えびすりみ例えば特公平4−022
542に開示の冷凍すりみと当該冷凍むきえびとを解凍
し、この両者を練り合わせ加工することにより多種多様
な加工食品ができ、またこの方法において最も豊かなえ
び風味を発現させることができることを見い出した。更
にまたえびのむき身と、生のえびすり身を練り合わせ、
これに環状オリゴ糖、シクロデキストリン、L−アスコ
ルビン酸ナトリウム、重合リン酸塩、クエン酸ナトリウ
ム等を加えて加工食品に調理し、これを急速凍結して冷
凍加工食品(未加熱)に加工した場合でも、−18℃な
いし−22℃の温度で30日間以上貯蔵し、冷凍熟成さ
せることで同様の成果が得られることを見いだした。す
なわち、本発明により冷凍貯蔵中にえび肉が塾成するこ
とによりえび風味を失なうことのない冷凍えびが提供さ
れる。本発明においては、この現象を冷凍熟成という。
冷凍熟成のメカニズムは必ずしも明らかではないが、え
び蛋白中に含まれるプロテアーゼ(えび消化器官中のも
のとは異なる)の自己消化作用と各種呈味成分、各種有
機酸、環状オリゴ糖、シクロデキストリンの相互作用に
より異臭がなくなり風味が熟成されるものと考える。こ
のように本願方法においては、内因性プロテアーゼの自
己消化作用を積極的に利用し熟成させているため、その
作用が弱まる低温下(−25℃以下)では熟成度が弱ま
り、保存温度が低下するほどに風味と旨味の発現も弱く
なる。従って熟成温度は−25℃を限界に−18℃ない
し−20℃の一般規定温度で冷凍保存するのが望まし
い。以上の如く、プロテアーゼの作用が弱まる−25℃
以下の低温下で貯蔵した場合、熟成の度合いも弱まり風
味や旨味も弱まることが判明した。
【0006】それには品質低下要因に対する前処理が不
可欠で、えびに付着した細菌を除去、滅菌し、且つその
消化器官から拡散した外因性の消化分解酵素を除去、失
活させるため、また除臭のためにえびをむき身にしたの
ち次亜塩素酸ナトリウムと有機酸、例えば酢酸、(氷酢
酸が好適に使用される)の混合稀釈液に浸漬し、えび体
表面を中性帯(pH7前後)のpHに調整することが必
要である。この場合、次亜塩素ナトリウムと有機酸の濃
度及び浸漬時間については、原料えびの鮮度状態によっ
て適宜増減するが、それが強すぎるときの蛋白変性に留
意しなければならない。かくの如く薬液浸漬したむきえ
びを清水で洗浄し、水切したのち環状オリゴ糖、シクロ
デキストリン、L−アスコルビン酸ナトリウム、クエン
酸ナトリウムを添加し、均一にまぜる。環状オリゴ糖は
むきえび100重量部当り1〜10重量部、シクロデキ
ストリン0.1〜1.5重量部、L−アスコルビン酸ナ
トリウム0.01〜0.3重量部、重合リン酸塩0.0
5〜0.5、クエン酸ナトリウム0.02〜0.5重量
部を添加する。尚、シクロデキストリンとしては分枝型
シクロデキストリンなどを含むいわゆるシクロデキスト
リン類、又はサイクロデキストリンも使用できる。重合
リン酸塩とは通常練り製品に使用されるリン酸塩であれ
ばいずれも使用可能であるがpH値の高くないものが好
ましい。
【0007】上記前処理で使用の各種有機酸、即ち氷酢
酸、L−アスコルビン酸ナトリウム・クエン酸ナトリウ
ム等の添加により、保存性が高まり、えび特有の色彩性
が保持され、同時にpH調整が図られることにより、硫
化水素臭や甲殻類特有の加熱臭の発生が抑制される。ま
たシクロデキストリンを添加することにより、アミンや
アンモニアなど代謝分解で生成される揮発性物質の揮散
が抑えられる。更に環状オリゴ糖及び重合リン酸塩の添
加により、耐冷凍性が付加され、えびタンパクが保護さ
れることによって解凍時におけるドリップが少なく、容
重量の目減り軽減、呈味成分の保持、食感改善などが期
待される。
【0008】更に呈味成分であるグリシンベタイン、グ
リシン、アラニンのうち少なくとも一種以上を添加す
る。グリシンベタインはむきえび肉100重量部あたり
0.2〜1.5重量部、グリシンは0.2〜1.5重量
部、アラニンは0.02〜0.5重量部添加すればよ
い。これらは、同時に加えてもよく、また順次加えても
あるいはえび肉に直接添加してもよい。また適当量の水
例えばえび肉100重量部に対して5〜50重量部の水
に溶解させ、更にえび風味発現を助成する目的で乳酸カ
ルシウムを加えてもよい。乳酸カルシウムはむきえび肉
100重量部あたり0.05〜0.5重量部添加すれば
よい。必要に応じてpH調整剤を加えてもよい。pH調
整剤としては酢酸やクエン酸ナトリウムのほかフマル
酸、酒石酸、リンゴ酸又はコハク酸、乳酸なども使用で
きる。
【0009】上記の各種の添加物を添加後直ちに急速凍
結する。ついで−18℃ないし−22℃の温度で少なく
とも30日以上貯蔵することが必要であり、6ケ月間の
貯蔵保存で風味と旨味が強まり、更に1年を経てもプロ
テアーゼによる品質低下がみられずえび風味に円熟味が
付加される。
【0010】このようにして、つまり冷凍貯蔵中に熟成
風味が付加された冷凍むきえびと、特公平4−0022
542号に開示の冷凍えびすりみとを解凍し、それぞれ
のえび食品に応じた副原料等例えば乾燥卵白などを加え
て練り合わせて、いわゆる、えびしゅうまい、えびぎょ
うざ、えび春巻、えび雲呑、エビカツレツ、エビハンバ
ーグなど多種多様なチルド食品や、又は冷凍食品として
も再加工できる。
【0011】上記の方法をえび加工食品例えばエビフラ
イなどに利用することができる。その場合には、フライ
用に尾の部分だけを残した中型えびのむき身を上記各種
添加物を添加し、次いで冷凍加工食品としての必要な加
工を加えた後急速凍結し、−18℃ないし−20℃の温
度で冷凍貯蔵すればよい。また小型のむきえびにえびす
り身、例えば特公平4−022542号に開示のえびす
りみを加えてえびだんごやえびしゅうまいなどに調製し
たのち急速凍結し、未加熱の冷凍食品に加工することも
できる。
【0012】この場合、むきえびを水洗いし、魚肉採肉
機にかけ採肉し、グリシンおよび卵白の存在下で擂漬す
ることにより得られるえびすりみを利用する。
【0013】かくして冷凍えびは冷凍えびすり身との混
合加工により、これを主原料として多種多様なえび加工
食品を調整することができるほか前述の如く、予じめこ
れらの食品として加工していわゆる未加熱の冷凍食品に
調製したのち、冷凍熟成させることができる。
【0014】本方法はまた、無頭殻つきのいわゆる中、
大型えびの冷凍えび加工においても応用できる。これら
の冷凍用えびの場合は、次亜塩素酸ナトリウムと有機酸
の混合溶液に短時間浸漬して、必要に応じて清水で洗浄
するか又は、鮮度が良く及び細菌附着が少ないものは薬
剤浸漬処理を省略して清水で洗浄したのち、えび100
重量部に対して、環状オリゴ糖を1〜10重量部、1−
アスコルビン酸ナトリウムを0.02〜0.5重量部、
重合リン酸塩を0.05〜0.5重量部と、更に薬液浸
漬を省略した場合など必要に応じ、クエン酸ナトリウム
0.02〜0.5重量部を添加する。これにまたグリシ
ンベタイン、グリシン、アラニンの少なくとも1種以上
と乳酸カルシウムを添加し、以下むきえびと同様に急速
凍結後、−18℃ないし−22℃の温度で少なくとも3
0日間冷凍貯蔵することにより熟成させればよい。勿
論、シクロデキストリンを使用してもよい。その量はむ
きえび肉の場合よりも減じてもよい。グリシンベタイ
ン、グリシン、アラニン、乳酸カルシウムの添加量はえ
び100重量部に対して、それぞれ0.1〜2、0.1
〜2、0.03〜0.5及び0.01〜0.5重量部で
ある。
【0015】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明を説明するが、本
発明は勿論この実施例により何ら限定されるものではな
い。
【0016】実施例1 やや鮮度低下した中型車えびの前処理工程において頭だ
けを除去し、俗にいうみその部分を良く洗い流したの
ち、次亜塩素酸ナトリウム20ppm の溶液に氷酢酸を加
え弱酸性に調整した混合稀釈液に2分間浸漬し、再び清
水で洗浄し水切した。このように前処理した 無頭の殻つきえび100重量部に対し 環状オリゴ糖 4重量部 サイクロデキストリン 0.5重量部 L−アスコルビン酸ナトリウム 0.05重量部 グリシンベタイン 0.4重量部 グリシン 0.4重量部 アラニン 0.04重量部 クエン酸ナトリウム 0.05重量部 乳酸カルシウム 0.15重量部 重合リン酸塩 0.18重量部 を添加し、添加剤を良く混ぜ合わせ、この操作によって
えび自体から溢水(環状オリゴ糖と重合リン酸塩の作用
による。)した自由水を金属パンにセットしたえびに注
ぎ入れこれをグレース剤(氷衣)として利用し、コンタ
クトフリーザで急速凍結して−20℃の温度で30日
間、冷凍貯蔵した。かくして熟成させた冷凍えびをとり
だし常温で解凍し、尻尾の部分を残し殻むきしたのち、
えび天ぷら用に常法に従って調理し、植物油で揚げたと
ころ、熟成フレーバが噛みしめるほど口中に拡がり、甘
みと旨みに富んだえび天ぷらが得られた。
【0017】実施例2 除頭除殻及び腸管を除去した小型のむきえびを次亜塩素
酸ナトリウム10ppmの溶液に氷酢酸を加えた弱酸性の
混合稀釈液で洗浄し、そのまま水切してえび体表面のp
Hを7.8から7の中性帯に調整した。 むきえび100重量部に対し 環状オリゴ糖 3.8重量部 サイクロデキストリン 0.5重量部 L−アスコルビン酸ナトリウム 0.05重量部 クエン酸ナトリウム 0.03重量部 乳酸カルシウム 0.12重量部 重合リン酸塩 0.15重量部 グリシンベタイン 0.4重量部 グリシン 0.4重量部 アラニン 0.04重量部 を添加して良く混ぜ合わせ、この操作によってえび自体
から滲みでたえび肉の自由水とともども金属パンにセッ
トしたのちコンタクトフリーザで急速凍結して、−20
℃の冷凍庫で30日間、貯蔵した。このようにして熟成
させた冷凍むきえびを常温で解凍し、軽く水洗いして水
切りした。一方、これとは別に特公平4−022542
号に開示のえびすり身を低温長時間解凍(冷凍庫から冷
蔵庫に移し替えて24時間)で解凍し、これと上記の水
切りしたむきえびとを練り合わせて次に挙げる多様なえ
び食品を調理加工した。
【0018】実施例3 実施例2の手順で用意されたむきえびとえびすり身を主
原料として、その混合比率を下記表のごとく、各食品ご
とにそれに適した比率に組みかえ、更にそれぞれのえび
食品に応じた副材料等を加えて練り合わせ、かくして下
ごしらえされた中ダネ、又はパテをもとに各々の定法に
従がい下記表のえび食品を調理した。
【表1】 * カードラン製剤(CD−101・スターチゼリ)と
は、武田薬品(株)製のゲル強化剤で、上記の各えび食
品を冷凍食品として再加工する際に同製剤を適宜添加し
てゲル補強した。
【0019】以上のような手順で各種えび食品を調理し
た結果、前述の冷凍変性防止処理で保水力が保持されて
いることによって解凍時のドリップも少なくなり、また
貯蔵中に付加された熟成風味のエキス成分が加熱時にエ
ビジュースとなって食品中に無駄なく生かされた。また
むきえびとえびすり身の練り合わせ、混合比率の次第に
よってそれぞれの食品に適したテクスチャーを表現でき
るとともにえびの食感を同時に味わうことができ、各食
品ともにえび特有の甘味を帯びた風味豊かなえび食品に
仕上った。
【0020】実施例4 冷凍エビフライ用えびの加工処理前のいわゆる前処理工
程においてえびフライ用に尾の部分だけを残して除頭、
除殻し次いで腸管除去し、次亜塩素酸ナトリウムと氷酢
酸との混合稀釈液で洗浄し、水切した当該えび100重
量部に対し 環状オリゴ糖 4重量部 サイクロデキストリン 0.5重量部 L−アスコルビン酸ナトリウム 0.05重量部 重合リン酸塩 0.15重量部 グリシン 0.4重量部 グリシンベタイン 0.4重量部 アラニン 0.04重量部 乳酸カルシウム 0.1重量部 を当該えび100重量部に対し、10重量部の水に溶解
させ、これにえび肉に加え4℃の温度の冷蔵で1時間ね
かせて馴染ませた。かくして得られたえびを冷凍エビフ
ライ用に常法に従い加工したのち、急速凍結し、30日
間−20℃で貯蔵した。このようにして熟成させた冷凍
エビフライを常温で解凍し、フライとしたところきわめ
て風味の良いエビフライが得られた。
【0021】実施例5 冷凍えびだんご用の前処理工程において、除頭除殻し、
腸管除去した小型のむきえびを次亜塩素酸ナトリウムと
氷酢酸の混合稀釈液で洗浄し、水切りしたのち当該えび
100重量部に対し 環状オリゴ糖 3重量部 サイクロデキストリン 0.4重量部 L−アスコルビン酸ナトリウム 0.03重量部 グリシン 0.3重量部 グリシンベタイン 0.3重量部 アラニン 0.03重量部 乳酸カルシウム 0.08重量部 の添加剤を加えて攪拌し、これを4℃の温度の冷蔵庫で
1時間ねかせて馴染ませた。一方、これとは別に特公平
4−022542号に開示のえびすり身の製法に従い、
即ち上記と同様の薬液で洗浄し、水切りした同量のむき
えびを魚肉採肉機で採肉し、この採肉えび100重量部
に対し、上記と同様同比率の添加剤を加え、更に 乾燥卵白 2重量部 澱粉 5重量部 料理酒 1重量部 食塩 1.2重量部 重合リン酸塩 2.2重量部 MSG・IMP 0.3重量部 を添加し、これらを攪拌擂潰してえびすり身を造り、そ
のうえ更に、上記冷蔵庫でねかせておいた調整えびを加
えて充分に練り合わせた。かくしてえられたむきえび入
りの調整えびすり身をだんご状に成型したのち、これを
急速凍結し、30日間−20℃で冷凍貯蔵した。このよ
うにして熟成させた冷凍えびだんごを常温で解凍し、蒸
気で蒸しあげたところ、従来品のような異臭もなく、え
びの食感とともに風味豊かなえびだんごが得られた。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 むきえび又は無頭殻つきえびを次亜塩素
    酸ナトリウムと有機酸との混合溶液で洗浄し、洗浄した
    えびに環状オリゴ糖、及び/又はシクロデキストリンと
    L−アスコルビン酸ナトリウムと、重合リン酸塩、更に
    グリシンベタイン、グリシン、アラニンのうちの少なく
    とも一種以上と乳酸カルシウムを添加し、急速凍結し、
    −18℃ないし−22℃の温度で30日間以上インキュ
    ベートすることで冷凍熟成させることを特徴とする冷凍
    えびの処理方法。
  2. 【請求項2】 pH調整剤を更に加えることを特徴とす
    る請求項1に記載の冷凍えびの処理方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2の処理方法により、冷凍
    貯蔵中に冷凍熟成させることを特徴とする加工食品。
  4. 【請求項4】 むきえびを次亜塩素酸ナトリウムと有機
    酸との混合溶液で洗浄し、洗浄したえびに環状オリゴ
    糖、シクロデキストリン及びL−アスコルビン酸ナトリ
    ウムと、グリシンベタイン、グリシン、アラニンのうち
    の少なくとも一種以上と乳酸カルシウムを添加し、加工
    用食品として加工し、急速凍結し、−18℃ないし−2
    2℃の温度で30日間以上インキュベートすることで冷
    凍熟成させることを特徴とする冷凍加工食品。
  5. 【請求項5】 加工用食品として加工するに際し、むき
    えびとグリシンと乾燥卵白とを擂潰して調製したえびす
    りみと、混合加工することを特徴とする請求項5に記載
    の冷凍加工食品。
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