JP3853321B2 - 固体高分子電解質型燃料電池 - Google Patents
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Description
この種の固体高分子型燃料電池の一例を図2に示す。
水素イオンを選択的に輸送する固体高分子電解質膜3の両面には、白金系の金属触媒を担持したカーボン粉末を主成分とする触媒反応層2が密着して配されている。さらに触媒反応層2の外面には、ガス通気性と導電性を兼ね備えた一対の拡散層1が密着して配されている。この拡散層1と触媒反応層2により電極23が構成される。
一方、構造をより簡単にした内部マニホールドという形式のものがある。内部マニホールドとは、ガス流路を形成したセパレータ板に、貫通した孔を設け、ガス流路の出入り口をこの孔まで到達させ、この孔から直接燃料ガスを供給するものである。
また、水素や空気が電池外へリークしたり互いに混合したりしないように、さらには冷却水が電池外へリークしないように、電極23の周囲には電解質膜3を挟んでシール材17やO−リング18が配される。なお、このシール材17やガスケット19は、電極23および電解質膜3と一体化してあらかじめ組み立てられる場合もある。
さらに、近年では、電解質膜3と同じ大きさの電極23を用いたMEA22を用い、図4に示すように、ガスシールが必要な部分にあらかじめシール効果を有する樹脂21をしみこませて固化させる方法も提案されている。すなわち、樹脂21の含浸によりセパレータ板4との間のガスシール性を確保する方法が考案されている。
図2に示す構造と同様に、拡散層1、触媒反応層2、電解質膜3およびセパレータ板4が積層され、ガス流路5が形成されている。そして、電池にガスを供給または排気するガス用マニホールド8、電池を冷却するための水を電池に供給排出する冷却水用マニホールド8’が形成されている。
このような電池性能の低下を抑制するため、マニホールドから各単位電池へのガスの供給排出部の間口をできるだけ広く取れる構造として外部マニホールド型も見直されている。
また、上述の金属板を用いる方法では、例えば図6に示すセパレータの場合、燃料ガス供給の動力を減らす目的で、ガス流量を少なくし、ガスの利用率を高くしようとすると、電極表面の燃料ガスの流速が小さくなり、生成した水蒸気の排出が困難になる。また、供給側マニホールドから排出側マニホールドの間でガスを一様に流すことも困難であった。
そこで、本発明の目的は、このような問題を解消しうるセパレータを提供することにもある。
前記セパレータが、ガス流通溝を有する金属板よりなり、かつ隣接する前記ガス流通溝の間に形成した凸部と、前記燃料ガスを供給分配する手段の周囲に形成したガス気密性非金属材料からなるリブ部とを有し、前記凸部と前記リブ部とを接続する。
また、前記金属板の一方の面に形成した前記ガス流通溝が、前記金属板の他方の面で前記ガス流通溝の凹部を形成しているのが好ましい。
また、前記セパレータが複数枚の金属板よりなり、前記金属板の少なくとも1枚の全面に前記ガス流通溝を有するのが好ましい。
さらに、前記ガス気密性非金属材料を前記金属板に対して所定の圧力以上で押圧したとき、前記金属板と前記ガス気密性非金属材料との接触面が前記燃料ガスに対してガス気密性を有するのが好ましい。
また、前記凹部の少なくとも一部には、ゴムシートが詰められているのが好ましい。
さらに、前記セパレータは、プレスまたは折り曲げにより金属板の全面に波状加工を施すことで、互いに平行な複数の直線形状を有するガス流通溝を形成した後、前記波状加工を施した金属板の一部分を平坦化することにより作製することができる。
また、ガスシール性材料を、金属板への接着または焼き付けにより、ガス流通溝を形成した金属板と一体化することもできる。
積層電池側面部にシール材を配すると、電極積層部とマニホールド部が分かれたいわゆる外部マニホールド構造が容易になり、製造単位としてセパレータ、MEAを共有する電極積層部と、積層数や電池出力によって設計の異なるマニホールド部に分けることができ、低コスト化が図れる。
ここにおいて、前記ガスマニホールドを、弾性体で構成すると、積層電池の積層方向の厚さのクリ−プを吸収し、かつ外部マニホールドのシール面と接する積層電池の側面の凹凸を吸収して、外部マニホールドと積層電池側面とのシール性を向上することができる。
特に、エラストマーを使用した場合には、積層電池の積層方向の厚さのクリ−プを吸収し、かつ外部マニホールドのシール面と接する積層電池の側面の凹凸を吸収して、全般的なシールの信頼性を向上することができて都合がよい。
さらに、前記ガスマニホールドを構成する材料と前記気密性の電気絶縁性材料とが同一材料であると、熱膨張係数の違いによる外部マニホールドとこれと接する積層電池の側面との接合性を損なうことないため、外部マニホールドと積層電池側面とのシール性を向上することができて好ましい。
また、積層電池と外部マニホールドの側面を射出成型によって一体成型してモールドすると、外部マニホールドと積層電池の側面との間に接合面が無くなり、シール性を向上することができて好適である。
また、1枚の金属板を塑性変形させ両面にガス流通溝を形成する手法により、1枚のセパレータの両面に水素ガス流通溝と空気流路を形成する方法も採用することができる。
さらにはガス流通溝を形成するガス気密性非金属材料が圧縮されたとき、圧縮面にガスシール性を有するものであり、ガス気密性非金属材料で形成されたガス流通溝が金属板と実質的に一体化されていてもよい。
さらに、1枚の金属板のガス流通溝の部分に波状加工し、金属板の両面にガス流通溝がある構造では、一方の面の隣接したガス流通溝を隔てる凸部が背面ではガス流通溝となっているので、セパレータの厚さは、片側のガス流通溝の深さと金属板の厚さとの和まで、薄くすることが可能となる。
さらにガス流通溝を構成する材料に圧接シール性があり、金属板と一体化されていれば新たにシール材を配する必要はなく、積層電池の組立も大幅に容易になる。
本発明の実施例を、図面を参照しながらより具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
粒径が数ミクロン以下のカーボン粉末を、塩化白金酸水溶液に浸漬し、還元処理によりカーボン粉末の表面に白金触媒を担持させた。このときのカーボンと担持した白金の重量比は1:1とした。ついで、この白金を担持したカーボン粉末を高分子電解質のアルコール溶液中に分散させ、スラリー化した。
一方、電極の拡散層となる厚さ400μmのカーボンペーパーを、フッ素樹脂の水性ディスパージョン(ダイキン工業(株)製のネオフロンND1)に含浸した後、これを乾燥し、400℃で30分加熱処理することで撥水性を付与した。つぎに撥水処理を施した前記カーボンペーパーの片面にカーボン粉末を含む前記スラリーを均一に塗布して触媒反応層を形成し、これを電極とした。
このMEAを、その両面から気密性を有するカーボン製のセパレータ板4で挟み込むことで単位電池の構成とした。
また、電池側表面およびマニホールド内部へのガスリーク、冷却水リークはなかった。また、組立時の締結圧を5kgf/cm2としても電池性能への影響はなかった。
参考例1で作製した電池では、マニホールドへの樹脂塗布がガス分配供給口を塞がないようにする必要がある。そのため、樹脂塗布液の濃度、粘度やガス分配供給口の孔径に制約があった。そこで、本参考例の電池では、内部マニホールド方式に代え、外部マニホールド方式を採用した。ここで用いたセパレータの構成を図9に示した。
電極の構成は、図5に示したものと同一とした。PETシートを電極周囲のスペーサとして配した。単位電池を2セル積層した後、冷却部を積層するパターンで、50セルを積層した電池モジュールを組み立てた。冷却部のシールには、O−リングを用いなかった。集電板、絶縁板、端板は参考例1の電池と異なり、流体の供給排出口を設ける必要はなかった。電池モジュール締結のための締結ロッド部は、ガスの給排出口が開いている側面とは異なる側面に設けた。次に、参考例1の電池と同じく、フェノール樹脂をシール材として側表面から覆った。この時、ガスの給排出口、冷却水の給排出口にはシール材が閉塞しないようにした。
この50セル積層電池に、水素と空気を通じ、冷却水を循環させて電池試験を行った。水素利用率70%、酸素利用率20%、水素加湿バブラー温度85℃、酸素加湿バブラー温度75℃、電池温度75℃の条件での電池出力は、1020W(30A−35V)であった。
さらに、本参考例の電池では、樹脂製の外部マニホールドを用いたが、マニホールドの電池と接するシール部を電気的に絶縁すれば、金属製マニホールドを使用できることは言うまでもない。
この参考例では、固体高分子型燃料電池の側面全域にシール材を配する方法を採ることで、従来、溶融炭酸塩型などの燃料電池で用いられた外部マニホールド方式が、容易に実現できることを示した。
参考例1および参考例2で示した電池では、MEAの構造として電極の周囲にPETシートのスペーサを配したが、本参考例では、PETシートを廃し、触媒層を塗布したカーボンペーパー電極をカーボンセパレータと同じ外寸とし、積層時に電極端部が電池の側面に達している構造の電池を作製した。
モジュールの電池試験の結果は、参考例1と同一条件で行い、1080W(30A−36V)を得た。この結果は、PETシートなどのスペーサがあるものに比べて、高いもであった。この理由は、図10に示すように、電極の端部において外部からシール材17を適用しているので、実質的にカーボンセパレータと同じ面積の電極構成が可能となったことによるものと考える。
また、上述の参考例1〜3を通じて実施した積層電池の製造法、すなわち電池構成部材を所定の順に積層し、端板等で固定した後、側面にシール材を配するという方法は、電池構成部材を積み重ねながら、逐次側面にシール材を配する方法に比べて飛躍的に工数を削減することが出来た。
また、本参考例で用いたカーボンセパレータは、参考例2で用いた外部マニホールド型のものであるが、内部マニホールド型でも同様に構成できる。
固体高分子型燃料電池を実用化するためには、いろいろな衝撃力やヒートサイクルによる熱ひずみに対する信頼性が必要である。そこで本参考例では、次の評価を行った。
本参考例の電池の作製は、参考例3と同様にした。ただし、、フェノール樹脂で側面をシールした後、その上からガラス繊維からなる厚さ約1mmの布で覆い、さらにフェノール樹脂を含浸し、塗り込んで複合材として固化した。
さらにガラス繊維布に代えて、より高い引っ張り強度を有するカーボン繊維布を用いると、7mからの落下試験でもガスリークは認められなかった。
また、電池試験の結果は、参考例1と同一条件で行い、1080W(30A−36V)を得た。
この理由は、従来の電池が遠く離れた2つの端板から締結圧を加えていたのに対し、この方法では端板からの締結圧力(5kgf/cm2)に加え、それぞれの隣接する電池構成部材間を直接固定することができたためと考える。
固体高分子型燃料電池の長期連続運転では、相当な締結圧を、電極の両端から恒常的に印加しなければならない。この時、端板や締結ロッドなどの部材が長大となることが障害となる。そこで本参考例では、カーボン繊維布を用いて次の評価を行った。
本参考例では厚さ20mmのステンレス製端板を用いたが、0.5kgf/cm2の締結圧で、厚さ5mmのステンレス製端板を用いても、同様の強度を得た。また、ステンレスなどの金属に代えて、強化プラスチックなどのより軽い材料を用いても、同様の効果を得た。
本参考例のような構造により端板を除くことができ、大幅なコンパクト化、軽量化が可能であった。
粒径が数ミクロン以下のカーボン粉末を、塩化白金酸水溶液に浸漬し、還元処理によりカーボン粉末の表面に白金触媒を担持させた。このときのカーボンと担持した白金の重量比は1:1とした。ついで、この白金を担持したカーボン粉末を高分子電解質のアルコール溶液中に分散させ、スラリー化した。
一方、電極となる厚さ400μmのカーボンペーパーを、フッ素樹脂の水性ディスパージョン(ダイキン工業(株)製:商品名ネオフロンND1)に含浸した後、これを乾燥し、400℃で30分加熱処理することで撥水性を付与した。
カーボンペーパー電極と電解質膜3を12×12cmの大きさに裁断した。そして、2枚のカーボンペーパー電極を触媒層2が形成された面を向けて配置し、電解質膜3を挟んで重ね合わせた後、これを乾燥してMEA22を作製した。
このMEA22を、その両面から気密性を有するカーボン製のセパレータ板4で挟み込んで単位電池の構成とした。セパレータ板4の厚さは、4mmであった。
電池構成単位のセパレータは、図9に示すように、一方の面に冷却水路16を配置し、他方の面にはガス流路5を配置したセパレータ板4a、一方の面にガス流路5を配置し、他方の面にガス流路5を配置したセパレータ板4b、および一方の面にガス流路5を配置し、他方の面に冷却水路16を配置したセパレータ4cから構成され、ガス流路5の水素ガス供給排出口13および空気供給排出口、ならびに冷却水路16の冷却水供給排出口15は、それぞれ互いに対向する辺に設けた。
ガス流路5および冷却水路16は、切削加工によって、セパレータ板の表面に形成する。例えば、本実施例のガス流路5は、幅2mm、深さ1mmの溝を図9に示すような形状で、セパレータの面に刻んで形成した。
次に、フェノール樹脂をシール材として用い、この溶液を積層電池の側面に塗布乾燥させることによって積層電池の側面を被覆し、シール部20を形成した。この時、ガスの供給排出口、冷却水の供給排出口が、シール材により閉塞されないようにした。また、外部マニホールドのシール面と接する部分は、できるだけ平滑な面が得られるよう注意してフェノール樹脂を塗布した。
また、外部マニホールドと電池の側表面を覆うシール材との間のシールには、独立気泡を有するエチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体配合物(EPDM)シ−トを所定の外部マニホールドシール面の形にカットしたガスケット27を用いた。
外部マニホールドのシール部からのガスリークも測定したが、リークは検出できず、良好なシール性が得られることが分かった。
この実施例では、高分子電解質型燃料電池の側面全域にシール材を配する方法を採ることで、従来、溶融炭酸塩型などの燃料電池で用いられた外部マニホールド方式が、容易に実現できる。
本実施例では、フェノール樹脂の溶液の粘度を種々に変化させた他は、実施例1と同様にして、外部マニホールド型燃料電池を作製した。そして、電池試験を行なう前に、ガスシール試験をおこなった。その結果、塗布するフェノール樹脂溶液が濃く粘度が高すぎると、シール性が悪化した。
実施例1と同一条件で、モジュールの電池試験を行った結果、1080W(30A−36V)を得た。この値は、従来のPETシートなどのスペーサを用いた燃料電池に比べて、高いものであった。この理由は、図8に示したように、電極端部のシールが外部からなされているので、実質的にカーボン製セパレータ板と同じ面積の電極構成が可能となったことによるものと考えられる。
本実施例で示したように、積層した電池を外部からシールすることが、電池のコンパクト化にきわめて有効であった。
また、上述の実施例1を通じて実施した積層電池の製造法、すなわち電池構成部材を所定の順に積層し、端板等で固定した後、側面にシール材を配するという方法は、電池構成部材を積み重ねながら、逐次側面にシール材を配する方法に比べて飛躍的に工数を削減することができた。
高分子電解質型燃料電池を実用化するためには、いろいろな衝撃力やヒートサイクルによる熱ひずみに対する信頼性が必要である。そこで本実施例では、次のような電池を作製した。
実施例1と同様にして積層電池を作製した。そして、その側面をフェノール樹脂でシールする替わりに、ポリイソブチレン系ゴムでシールした後、その上からエンジニアリングプラスチックである液晶ポリマーを約1mmの厚さで覆い固化した。
また、電池試験を実施例1と同一条件で行ったところ、1080W(30A−36V)であった。
本実施例と実施例2で作製した電池を、常温と80℃との間でヒートサイクルを10回繰り返すと、実施例2においては外部マニホールドのシール面からのガスリークは検出されなかったが、積層電池側面のシール面に、熱ひずみのためと思われるクラックが入り、ガスのリークと冷却水のリークが発生した。
本実施例で作製した電池は、フェノール樹脂に比べ伸縮性を有するイソブチレンゴムをシール面に用い、その上からエンジニアリングプラスチックでモールドしたため、100回以上の前述のヒートサイクルにも耐えるようになった。
このように、ヤング率や引っ張り強度など機械的性質の異なる2種以上の材料をシール材と合わせて用いることにより、機械的強度やヒートサイクル耐久性の高い積層電池モジュールを作製することができた。
高分子電解質型燃料電池の長期連続運転では、相当な締結圧を、電極の両端から恒常的に印加しなければならない。この時、端板や締結ロッドなどの部材が長大となることが障害となる。そこで本実施例では、電池側面のガスシール部と外部マニホールドを接着剤によって接合させた燃料電池を作製して、その評価を行った。
積層電池組立時に固定する端板からの締結圧を、10kgf/cm2と高めに設定し、実施例3の電池と同様にして、ポリイソブチレン系ゴムとエンジニアリングプラスチックを用いて電池側面のシール材および外部マニホールドを構成し、ガスシール面をシリコンゴム系接着剤によって接合した。
そして、接着剤を十分に固化させた後、締結ロッドをゆるめて、端板からの締結圧を小さくしていった。その他の構成を実施例3の電池と同一として、本実施例の電池を作製した。
本実施例では厚さ20mmのステンレス鋼製端板を用いたが、0.5kgf/cm2の締結圧で、厚さ5mmのステンレス鋼製端板を用いても、同様の強度を得た。また、ステンレス鋼などの金属に代えて、強化プラスチックなどのより軽い材料を用いても、同様の効果を得た。
また、締結圧を20kgf/cm2とし、締結ロッドをゆるめて端板を取り除いた。この状態でも積層電池モジュールは締結された状態で十分な機械的強度を有しており、3mからの落下試験でもガスリークは発生しないことが確認された。
本実施例のような構造をとると、従来の端板を除くことができ、大幅なコンパクト化、軽量化が可能になった。
電池側面のシール材と外部マニホールドとのガスシール面を超音波溶着によって接合した他は、実施例4と同様にして電池を作製した。
この電池に対して、実施例4と同じ落下試験を行うと、5mの落下試験に耐えることが分かった。更に、上記工程で行った端板からの締結圧を、0.5kgf/cm2まで下げたときも、5mの落下試験に耐えることが分かった。
ポリイソブチレン系ゴムとエンジニアリングプラスチックを用い、射出成型によって、参考例4で作製した燃料電池の側面を一体成型した。
この電池に対して、実施例4と同じ落下試験を行うと、5mの落下試験に耐えることが分かった。更に、上記工程で行った端板からの締結圧を、0.5kgf/cm2まで下げたときも、5mの落下試験に耐えることが分かった。
粒径が数ミクロン以下のカーボン粉末を、塩化白金酸水溶液に浸漬し、還元処理によりカーボン粉末の表面に白金触媒を担持させた。このときのカーボンと担持した白金の重量比は1:1とした。ついで、この白金を担持したカーボン粉末を高分子電解質のアルコール溶液中に分散させ、スラリー化した。
一方、電極となる厚さ400μmのカーボンペーパーを、フッ素樹脂の水性ディスパージョン(ダイキン工業(株)製のネオフロンND1)に含浸した後、これを乾燥し、400℃で30分加熱処理することで撥水性を付与した。つぎに撥水処理を施した前記カーボンペーパーの片面にカーボン粉末を含む前記スラリーを均一に塗布して触媒反応層を形成し、これを電極とした。
以上の工法で作製した本実施例の固体高分子型燃料電池に対し、燃料ガスとして、水素利用率70%、酸素利用率20%で水素と空気を流し、性能試験を行った。このとき電池温度は75℃、水素側の加湿温度は80℃、空気側の加湿温度は75℃であった。その結果、1050W(35V−30A)の電力出力を得た。
実施例7では、燃料ガスに対して通気性を有しない材料としてフェノール樹脂を用いてガス流通溝を形成したが、成形が容易なカーボン材料やゴム状材料を用いることもできる。そこで、本実施例ではゴム状材料を用いて試作した。
実施例7と8は、1枚の金属板の中央部にプレス成形でガス流通溝を形成したものであったが、プレス成形の条件が少しでも変わるとソリや歪みが生じて、加工歩留まりは50%程度であった。そこでプレス成形を要する金属板とガスシールのための平坦な金属板を分けた試作実験を試みた。
すなわち、厚さ0.3mmで9cm幅のSUS316板を、一方向からの折り曲げ加工によって台形のフィン構造とした。折り曲げ周期は実施例7と同じ5.6mm(溝幅2.8mm)とした。図15に示すように、湾曲部37のガス流通溝を構成するゴム状のリブ31の先が、SUS316板の凸部30の背面に一部挿入されシール性が保持できる構造とした。
実施例8の金属板の中央部にプレス成形でガス流通溝を形成したものは、プレス成形条件が少しでも変わるとソリや歪みが生じて、加工歩留まりは悪かった。そこで実施例8のような金属板のプレス成形の方法について検討を行った。
電池試験の結果は、実施例7と同じ条件で行い、50セル積層した電池で1010W(34V−30A)の出力を得た。
以上の実施例は、切削によらない溝形成によって空気側か水素側かどちらか一方のガス流通溝を形成するものであった。本実施例では、さらに一度の溝形成でできる表裏両面の溝をガス流通溝として利用する方法を検討した。
以上のように、1枚の金属板の両面にガス流通溝を形成すると、水素ガス側のガス流通溝の隣接する溝を隔てる凸部が、裏面で空気側のガス流通溝を形成し、厚さ方向に共有化した構成を採ることができるので、セパレータ1枚あたりの厚さを非常に薄くすることができた。溝深さを0.8mm、板厚を0.3mmとしたので1.1mm厚のセパレータを実現することができた。
2 触媒反応層
3 電解質膜
4 セパレータ板
5 ガス流路
6 リブ
7 金属メッシュ
8 ガス用マニホールド
8’ 冷却水用マニホールド
9 谷折れ部
10 山折れ部
11 フェノール樹脂
12 PETシート
13 水素ガス供給排出口
14 空気供給排出口
15 冷却水供給排出口
16 冷却水路
17 シール材
18 O−リング
19、27 ガスケット
20 シール部
21 樹脂
22 電極電解質接合体(MEA)
23 電極
24 冷却流路
25 外部マニホールド
26 ビス
28 マニホールド孔
29 溝
30 凸部
31 リブ
32 リブ−凸部接続部
33 水素ガス流通溝
34 空気流通口
35 冷却部
36 グリース
37 湾曲部
38 ゴムシート
Claims (6)
- 固体高分子電解質膜を挟んだ一対の触媒反応層を有する電極、前記電極の一方に水素を含有する燃料ガス混合物を供給分配する手段、および前記電極の他方の面に酸素を含む酸化剤ガスを供給分配する手段を具備した単位電池を、導電性のセパレータを介して複数個積層した固体高分子電解質型燃料電池であって、
前記セパレータが、ガス流通溝を有する金属板よりなり、かつ隣接する前記ガス流通溝の間に形成した凸部と、前記燃料ガスを供給分配する手段の周囲に形成したガス気密性非金属材料からなるリブ部とを有し、前記凸部と前記リブ部とを接続した構造を有する固体高分子電解質型燃料電池。 - 前記ガス流通溝が、互いに平行な複数の直線形状の溝を含む請求項1記載の固体高分子電解質型燃料電池。
- 前記金属板の一方の面に形成した前記ガス流通溝が、前記金属板の他方の面で前記ガス流通溝の凹部を形成している請求項2記載の固体高分子型燃料電池。
- 前記セパレータが複数枚の金属板よりなり、前記金属板の少なくとも1枚の全面に前記ガス流通溝を有する請求項1〜3のいずれかに記載の固体高分子電解質型燃料電池。
- 前記ガス気密性非金属材料を前記金属板に対して所定の圧力以上で押圧したとき、前記金属板と前記ガス気密性非金属材料との接触面が前記燃料ガスに対してガス気密性を有する請求項1〜4のいずれかに記載の固体高分子電解質型燃料電池。
- 前記凹部の少なくとも一部に、ゴムシートが詰められている請求項3記載の固体高分子電解質型燃料電池。
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