JP6495215B2 - 内燃機関の発電機冷却構造 - Google Patents
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Description
内燃機関のクランクケースに軸支されるクランク軸の回転により発電する発電機が、該クランク軸と一体に回転する有底円筒状をなし円筒内周面に磁石を備えたアウタロータと、同アウタロータの内側に配設されるコイルを備えたインナステータとからなり、
同内燃機関の潤滑系の潤滑油路から分岐して前記発電機の方に向かう第1冷却油路と第2冷却油路の2本が形成され、
前記第1冷却油路の下流端側に、前記アウタロータの外周面に潤滑油を噴射する第1噴射口が設けられ、
前記第2冷却油路の下流端側に、前記アウタロータの内側の前記インナステータに潤滑油を噴射する第2噴射口が設けられ、
前記内燃機関は、スカベンジングポンプとフィードポンプを有する潤滑系を備え、
前記第1冷却油路と前記第2冷却油路は、スカベンジングポンプから吐出される潤滑油を導くスカベンジ側潤滑油路から分岐することを特徴とする。
この構成によれば、発電機を冷却する潤滑油を導く第1冷却油路と第2冷却油路が、スカベンジングポンプから吐出される潤滑油を導くスカベンジ側潤滑油路から分岐しているので、スカベンジングポンプから吐出される潤滑油を利用して発電機を冷却できるため、他方のフィードポンプの吐出圧の上限を低く抑えることができ、フィードポンプおよびフィード系油路のオイルシールに対する負担を軽減してフィードポンプを小型化することができる。
円筒部と底壁部とから有底円筒状をなす前記アウタロータは、前記円筒部の開口をクランク軸の軸方向外側に向けて前記底壁部がクランク軸の端部に固着され、
前記第2冷却油路は、下流側が前記発電機を軸方向外側から覆う発電機カバーに形成されるようにしてもよい。
発電機のアウタロータは、クランク軸の軸方向外側に開口し、アウタロータの内側に配設されたインナステータは軸方向外側が開放されているので、発電機を軸方向外側から覆う発電機カバーにインナステータは対向するため、発電機カバーに形成された第2冷却油路の下流側の第2噴射口からインナステータに向けて潤滑油を噴射することができ、インナステータを冷却することができる。
前記第1冷却油路は、前記スカベンジングポンプの吐出ポートから分岐してスカベンジ側リリーフバルブが配設されるスカベンジ側リリーフ冷却油路であり、
前記第1噴射口は、前記スカベンジ側リリーフバルブの排出側に形成されるようにしてもよい。
前記スカベンジ側潤滑油路は、前記クランクケースの上壁部における前記クランクケースのミッション室内に配設される変速機の互いに噛み合う歯車群の噛合い部の上方部位に、下流端側潤滑油路を構成しており、
前記クランクケースの上壁部には、前記下流端側潤滑油路から前記歯車群の噛合い部に向けて潤滑油を滴下させる排出口が形成されるようにしてもよい。
前記潤滑油路における前記下流端側潤滑油路より上流側から分岐潤滑油路が分岐され、
前記分岐潤滑油路は、前記歯車群を軸支する変速歯車軸の軸心油路に連通し、
前記変速歯車軸には、前記軸心油路から前記変速歯車軸の歯車摺動面に潤滑油を供給する供給口が形成されるようにしてもよい。
前記変速歯車軸の端部にはクラッチレリーズ機構を備えたクラッチ装置が設けられ、
前記クラッチレリーズ機構は、クラッチレリーズレバーの回動がカム面を備えるレリーズカムシャフトによりレリーズロッドの前記変速歯車軸内の移動に変換され、同レリーズロッドの移動によりクラッチの接続が解除される機構であり、
前記分岐潤滑油路から前記軸心油路と反対側に延長した潤滑油路は、前記レリーズカムシャフトを回動自在に保持する円筒保持部内と連通するようにしてもよい。
前記スカベンジ側リリーフバルブは、前記スカベンジ側潤滑油路,前記第1冷却油路,前記第2冷却油路,前記分岐潤滑油路および前記軸心油路のいずれよりも低い位置に配設されるようにしてもよい。
前記クランクケースは、左右割りクランクケースであり、
前記クランクケースのクランクケース割面に沿って前記スカベンジングポンプが設けられ、
前記フィードポンプは、前記クランクケースの前記発電機が配設される側と前記スカベンジングポンプに関して反対側に設けられるようにしてもよい。
前記スカベンジ側リリーフバルブは、前記クランクケースの前記発電機が配設される側のクランクケース半割部に設けられるようにしてもよい。
前記スカベンジングポンプと前記フィードポンプは、同軸共通のポンプ駆動軸により駆動され、
前記フィードポンプの吐出ポートから分岐したフィード側リリーフ油路にフィード側リリーフバルブが配設され、
前記フィード側リリーフ油路は、前記ポンプ駆動軸と一体に回転するフィードポンプロータの前記スカベンジングポンプと反対側となる側方に、前記ポンプ駆動軸の軸線に垂直な方向に指向して形成されるようにしてもよい。
発電機を冷却する潤滑油を導く第1冷却油路と第2冷却油路が、スカベンジングポンプから吐出される潤滑油を導くスカベンジ側潤滑油路から分岐しているので、スカベンジングポンプから吐出される潤滑油を利用して発電機を冷却できるため、他方のフィードポンプの吐出圧の上限を低く抑えることができ、フィードポンプおよびフィード系油路のオイルシールに対する負担を軽減してフィードポンプを小型化することができる。
図1は、本発明を適用した一実施の形態に係る自動二輪車に搭載される内燃機関の全体左側面図である。
なお、本明細書の説明において、前後左右の向きは、自動二輪車の直進方向を前方とする通常の基準に従うものとし、図面において、FRは前方を,RRは後方を、LHは左方を,RHは右方を示すものとする。
クランク軸20を軸支するクランクケース11は、クランク軸20が配置されるクランク室11Cの後方に変速機40を収容するミッション室11Mが形成され(図4参照)、ミッション室11Mの下方にはクランク室11Cより下方に膨出してオイルを貯留するオイル溜め11Tが一体に形成される構造をしている(図2参照)。
クランクケース11の上に重ねられるシリンダブロック12,シリンダヘッド13,シリンダヘッドカバー14は、クランクケース11から若干前傾した姿勢で上方に延出している(図1参照)。
したがって、左右クランクケース11L,11Rの互いに対向する軸受壁11Lw,11Rwの間のクランク室11Cにはクランクウエブ20Lw,20Lwおよびクランクピン21が収容され、左右軸受壁11Lw,11Rwの外側にクランク軸体20La,20Raが左右に突出している。
主軸受部11Lbは、スタータ被動ギア27に近接するほど、左方に突出しており、図13に示されるように、主軸受部11Lbのスタータ被動ギア27に近接した左方先端開口部には、上半部に3か所放射方向に溝11vが形成されている。
ミッション室11Mのオイルが連通孔24を通って軸受壁11Lwの左側に流出し、傾斜したリブ11rに案内されて主軸受部11Lbの上部に至り、主軸受部11Lbの左方に先細に傾斜した外周面の上を左方先端開口部に向かって流れ、先端開口部の上半部の3か所の溝11vに流入するので、主軸受部11Lbの先端開口部に近接したスタータ被動ギア27との間を効果的に潤滑することができる(図3参照)。
スタータ被動ギア27は、左クランク軸体20Laにニードルベアリング28を介して回転自在に軸支されており、前記フライホイール30fとの間に一方向クラッチ29が介装されている。
プライマリ駆動ギア36の円筒ボス部に駆動チェーンスプロケット25が嵌着されている。
駆動チェーンスプロケット25は、シリンダヘッド13上の動弁系のカム軸に嵌着された図示しない被動チェーンスプロケットとの間に架渡されたカムチェーンにより動弁系に動力を伝える。
バランサ47は、図3に示すように、クランクウエブ20Lw,20Lw間を旋回するバランスウエイト47wを有するバランサ軸47aが左右軸受壁11Lw,11Rw間にベアリング48,48を介して回転自在に架設されている。
噛合するバランサ駆動ギア35とバランサ被動ギア49は、同径同歯数のギアであり、バランスウエイト47wはクランク軸20と等速で逆方向に回転駆動されて、ピストン16の往復運動により発生する1次振動を低減する。
出力スプロケット43に巻き掛けられる駆動チェーン44が、図示されない後輪側の被動スプロケットに架渡されてチェーン伝達機構が構成され後輪に動力が伝達される。
変速クラッチ46のクラッチアウタ46oは、メイン軸41に回転自在に軸支されたプライマリ被動ギア45に緩衝部材を介して支持されており、メイン軸41に一体に嵌合されたクラッチインナ46iとの間に複数のクラッチ板46cが介装され、クラッチスプリング46sによりプレッシャプレート46pが左方に押圧されることで、クラッチが接続され、クラッチスプリング46sに抗してプレッシャプレート46pが右方に移動することで、クラッチが切断される。
メイン軸41には、軸孔に摺動自在にレリーズロッド61が挿通され、レリーズロッド61の右端に嵌着されたキャップ部材62の先端の軸受ボス部材62bがベアリング63を介してプレッシャプレート46pを回転自在に軸支している。
したがって、レリーズロッド61が右方に押されると、ベアリング63を介してプレッシャプレート55がクラッチスプリング46sのバネ力に抗して右方に移動するので、変速クラッチ46は接続が解除される。
この穴50aに、レリーズロッド61の左端部が挿入される。
レリーズカムシャフト64の先端のカム面64cは、軸部の一部を約90度角度で切り欠いた切欠き面であり、レリーズロッド61の左端部材61bがカム面64cに当接しており、レリーズカムシャフト64が回動することで、レリーズカムシャフト64のカム面64cに左端部材61bを介して当接するレリーズロッド61を右方に摺動させることができる。
クラッチレリーズレバー65は、レリーズカムシャフト64に嵌着される基端部からレリーズカムシャフト64に直角方向に延びている。
スタータモータ80は、左クランクケース11Lの上方に膨出した側壁に右方から駆動軸81を嵌入するようにして取り付けられており、駆動軸81が嵌入した側壁は左方から発電機カバー50によって覆われる。
ポンプ駆動軸100のポンプカバー54を貫通して右方に突出した右端部にポンプ被動ギア101が嵌着され、ポンプ被動ギア101は、変速クラッチ46のプライマリ被動ギア45と噛合している。
したがって、クランク軸20の回転がプライマリ駆動ギア36を介してポンプ被動ギア101に伝達されて、スカベンジングポンプ91およびフィードポンプ95が駆動される。
図19に、スカベンジングポンプ91により吐出される潤滑油の流れる潤滑油路を透視して示しており、同図19を逐次参照しながら、スカベンジングポンプ91による潤滑構造について説明する。
なお、図19においては、潤滑油路には散点模様が施されている。
このリリーフ冷却油路D2内にスカベンジ側リリーフバルブ92が介装される(図2,図3,図5参照)。
また、余剰オイルには多量のオイルミストが含まれており、オイルミストがアウタロータ30rの回転とともに連れ回ることによりアウタロータ30rを効率良く冷却することができる。
発電機カバー50は、周壁50Aと周壁50Aの左側開口を閉塞する側壁50Bとで変形した椀状をしており、合せ面50gは周壁50Aの開口端面である(図7参照)。
冷却油路E1の左端が、発電機カバー50の側壁50Bに概ね上下方向に指向して形成された冷却油路E2の下端に交差して連通している(図6,図9,図19参照)。
内燃機関10の発電機カバー50を外した左側面図である図2には、冷却油路E2および下流端側冷却油路E3を、輪郭を示す仮想線(2点鎖線)の中を散点模様を施して示し、交流発電機30を左側から覆う発電機カバー50の裏面図(右側面図)である図7には、発電機カバー50に対する交流発電機30の位置を仮想線(2点鎖線)で示している。
交流発電機30の椀状をなすアウタロータ30rは、円筒部が左側に開口しているので、円筒部の内側に配設されるインナステータ30sに対向して冷却油路E3は位置する(図19参照)。
インナステータ30sに対向する冷却油路E3には、インナステータ30sに向けて潤滑油を噴射する噴射口Ejが2か所に形成されている。
なお、図7に示されるように、側面視で上流側の噴射口Ekは、アウタロータ30rの外周面より外側に位置して、アウタロータ30rの外周面を跨いでスタータ被動ギア27側に潤滑油を噴射して、スタータ被動ギア27とその軸受部を潤滑する。
潤滑油路A4は、さらに斜め上方に延出する潤滑油路A5に連通し、潤滑油路A5の上端が左クランクケース11Lの上壁に左方に延びる潤滑油路A6に連通している(図14,図15,図19)。
潤滑油路A6,A7は、スカベンジ側潤滑油路Aの下流端側の潤滑油路である。
クランクケース11の上壁に左右車幅方向に指向して形成される潤滑油路A6,A7は、変速機40のメイン軸41に軸支されたメインギア群41gとカウンタ軸42に軸支されたカウンタギア群42gとの噛合い部の上方に位置している。
軸受凹部B1が分岐潤滑油路B1を構成する。
図4を参照して、潤滑油路A5から分岐潤滑油路(軸受凹部)B1に分流した潤滑油は、ベアリング41bを潤滑するとともに、メイン軸41の左端面に沿ってメイン軸41の軸孔である軸心油路B2に流入する。
供給口Bjは、特にメイン軸41上を左右に摺動するシフト歯車の歯車摺動面に形成されて、供給口Bjから供給される潤滑油はシフト歯車の摺動を潤滑する。
この穴50aが潤滑油路C2に相当し、潤滑油路C1を介して軸受凹部(分岐潤滑油路)B1と連通する(図3参照)。
また、穴50aは、レリーズカムシャフト64が挿入される側壁円筒部50s内の潤滑油路C3に連通している。
そのため、分岐潤滑油路B1で潤滑油路C1に分流した潤滑油は、潤滑油路C2を経て側壁円筒部50s内の潤滑油路C3に至り、レリーズカムシャフト64の回動を潤滑する。
スカベンジ側リリーフバルブ92は、スカベンジ側潤滑油路A,分岐潤滑油路B1,軸心油路B2,潤滑油路C1,C2,C3,スカベンジ側リリーフ冷却油路(第1冷却油路)D,第2冷却油路Eのいずれよりも低い位置に配設されている。
同図20を逐次参照しながら、フィードポンプ95によるフィード側潤滑油路Fの上流側を、以下説明する。
図20を参照して、吐出ポートFeから右方に分岐してフィード側リリーフ油路Gが延出しており、フィード側リリーフ油路Gのうち右方に延出したリリーフ油路G1の右端で屈曲して下方にリリーフ油路G2が延出している。
このフィード側リリーフ油路Gの下流端側のリリーフ油路G2にフィード側リリーフバルブ97が介装される。
フィード側リリーフバルブ97から排出される余剰オイルは、下方に噴射される。
オイルフィルタ98から延出される潤滑油路F4から分岐して内燃機関のクランク軸20やシリンダヘッド13側の動弁機構など各種潤滑部位に潤滑油が供給される。
20…クランク軸、20L,20R…クランク軸半体、20La,20Ra…クランク軸体、20Lw,20Rw…クランクウエブ、21…クランクピン、22L…ローラベアリング、22R…ボールベアリング、23…オイルシールリング、24…、25…駆動チェーンスプロケット、26…ナット部材、27…スタータ被動ギア、28…ニードルベアリング、29…一方向クラッチ、
30…交流発電機、30R…発電機ロータ、30r…アウタロータ、30f…フライホイール、30s…インナステータ、31…ワッシャ、32…ナット部材、33…ローラベアリング、34…キー部材、35…バランサ駆動ギア、36…プライマリ駆動ギア、37…ワッシャ、38…ナット部材、
40…変速機、41…メイン軸、42…カウンタ軸、43…出力スプロケット、44…駆動チェーン、45…プライマリ被動ギア、46…変速クラッチ、46o…クラッチアウタ、46i…クラッチインナ、46p…プレッシャプレート、46s…クラッチスプリング、47…バランサ、47a…バランサ軸、47w…バランスウエイト、48…ベアリング、49…バランサ被動ギア、
50…発電機カバー、50G…発電機室、50s…側壁円筒部50s、52…右ケースカバー、53…クラッチカバー、53f…フィルタハウジング、54…ポンプカバー、
60…クラッチレリーズ機構、61…レリーズロッド、62…キャップ部材、63…ベアリング、64…レリーズカムシャフト、65…クラッチレリーズレバー、
71,72…シフトフォーク軸、71a、72a,72b…シフトフォーク、73…シフトドラム、74…変速駆動機構、75…シフトスピンドル、76…チェンジアーム、77…シフタプレート、78…ピンプレート、
80…スタータモータ、81…駆動軸、81a…スタータ駆動ギア、82…減速ギア軸、83a…大径ギア、83b…小径ギア、83a…大径ギア、83b…小径ギア、84…中間ギア、
91…スカベンジングポンプ、92…スカベンジ側リリーフバルブ、
95…フィードポンプ、96…ストレーナ、97…フィード側リリーフバルブ、98…オイルフィルタ、100…ポンプ駆動軸、101…ポンプ被動ギア、
A…スカベンジ側潤滑油路、Ai…吸入ポート、Ae…吐出ポート、A1…潤滑油路、A2…分岐油溝、A3,A4,A5,A6,A7…潤滑油路、Aj…排出口
B1…軸受凹部(分岐潤滑油路)、B2…軸心油路、Bj…供給口、
C1,C2,C3…潤滑油路、
D…スカベンジ側リリーフ冷却油路(第1冷却油路)、D1,D2…リリーフ冷却油路、Dj…噴射口、
E…第2冷却油路、E1,E2,E3…冷却油路、Ej…噴射口、Ek…噴射口
F…フィード側潤滑油路、Fi…吸入ポート、Fe…吐出ポート、F1,F2,F3,F4…潤滑油路、
G…フィード側リリーフ油路、G1,G2…リリーフ油路。
Claims (10)
- 内燃機関(10)のクランクケース(11)に軸支されるクランク軸(20)の回転により発電する発電機(30)が、該クランク軸(20)と一体に回転する有底円筒状をなし円筒内周面に磁石を備えたアウタロータ(30r)と、同アウタロータ(30r)の内側に配設されるコイルを備えたインナステータ(30s)とからなり、
同内燃機関の潤滑系の潤滑油路(A)から分岐して前記発電機(30)の方に向かう第1冷却油路(D)と第2冷却油路(E)の2本が形成され、
前記第1冷却油路(D)の下流端側に、前記アウタロータ(30r)の外側面に潤滑油を噴射する第1噴射口(Dj)が設けられ、
前記第2冷却油路(E)の下流端側に、前記アウタロータ(30r)の内側の前記インナステータ(30s)に潤滑油を噴射する第2噴射口(Ej)が設けられ、
前記内燃機関(10)は、スカベンジングポンプ(91)とフィードポンプ(95)を有する潤滑系を備え、
前記第1冷却油路(D)と前記第2冷却油路(E)は、前記スカベンジングポンプ(91)から吐出される潤滑油を導くスカベンジ側潤滑油路(A)から分岐することを特徴とする内燃機関の発電機冷却構造。 - 円筒部と底壁部とから有底円筒状をなす前記アウタロータ(30r)は、前記円筒部の開口をクランク軸(20)の軸方向外側に向けて前記底壁部がクランク軸(20)の端部に固着され、
前記第2冷却油路(E)は、下流側が前記発電機(30)を軸方向外側から覆う発電機カバー(50)に形成されることを特徴とする請求項1記載の内燃機関の発電機冷却構造。 - 前記第1冷却油路(D)は、前記スカベンジングポンプ(91)の吐出ポート(Ae)から分岐してスカベンジ側リリーフバルブ(92)が配設されるスカベンジ側リリーフ冷却油路(D)であり、
前記第1噴射口(Dj)は、前記スカベンジ側リリーフバルブ(92)の排出側に形成されることを特徴とする請求項1または請求項2記載の内燃機関の発電機冷却構造。 - 前記スカベンジ側潤滑油路(A)は、前記クランクケース(11)の上壁部における前記クランクケース(11)のミッション室(11M)内に配設される変速機(40)の互いに噛み合う歯車群(41g,42g)の噛合い部の上方部位に、下流端側潤滑油路(A6,A7)を構成しており、
前記クランクケース(11)の上壁部には、前記下流端側潤滑油路(A6,A7)から前記歯車群(41g,42g)の噛合い部に向けて潤滑油を滴下させる排出口(Aj)が形成されることを特徴とする請求項3記載の内燃機関の発電機冷却構造。 - 前記スカベンジ側潤滑油路(A)における前記下流端側潤滑油路(A6,A7)より上流側から分岐潤滑油路(B1)が分岐され、
前記分岐潤滑油路(B1)は、前記歯車群(41g)を軸支する変速歯車軸(41)の軸心油路(B2)に連通し、
前記変速歯車軸(41)には、前記軸心油路(B2)から前記変速歯車軸(41)の歯車摺動面に潤滑油を供給する供給口(Bj)が形成されることを特徴とする請求項4記載の内燃機関の発電機冷却構造。 - 前記変速歯車軸(41)の端部にはクラッチレリーズ機構(60)を備えたクラッチ装置(46)が設けられ、
前記クラッチレリーズ機構(60)は、クラッチレリーズレバー(65)の回動がカム面(64c)を備えるレリーズカムシャフト(64)によりレリーズロッド(61)の前記変速歯車軸(41)内の移動に変換され、同レリーズロッド(61)の移動によりクラッチの接続が解除される機構であり、
前記分岐潤滑油路(B1)から前記軸心油路(B2)と反対側に延長した潤滑油路(C1,C2)は、前記レリーズカムシャフト(64)を回動自在に保持する円筒保持部(50s)内と連通することを特徴とする請求項5記載の内燃機関の発電機冷却構造。 - 前記スカベンジ側リリーフバルブ(92)は、前記スカベンジ側潤滑油路(A),前記第1冷却油路(D),前記第2冷却油路(E),前記分岐潤滑油路(D1)および前記軸心油路(D2)のいずれよりも低い位置に配設される請求項5または請求項6記載の内燃機関の発電機冷却構造。
- 前記クランクケース(11)は、左右割りクランクケース(11L,11R)であり、
前記クランクケース(11)のクランクケース割面に沿って前記スカベンジングポンプ(91)が設けられ、
前記フィードポンプ(95)は、前記クランクケース(11)の前記発電機(30)が配設される側と前記スカベンジングポンプ(91)に関して反対側に設けられることを特徴とする請求項3記載の内燃機関の発電機冷却構造。 - 前記スカベンジ側リリーフバルブ(92)は、前記クランクケース(11)の前記発電機(30)が配設される側のクランクケース半割部(11L)に設けられることを特徴とする請求項8記載の内燃機関の発電機冷却構造。
- 前記スカベンジングポンプ(91)と前記フィードポンプ(95)は、同軸共通のポンプ駆動軸(100)により駆動され、
前記フィードポンプ(95)の吐出ポート(Pe)から分岐したフィード側リリーフ油路(G)にフィード側リリーフバルブ(97)が配設され、
前記フィード側リリーフ油路(G)は、前記ポンプ駆動軸(100)と一体に回転するフィードポンプロータの前記スカベンジングポンプ(91)と反対側となる側方に、前記ポンプ駆動軸(100)の軸線(Lp)に垂直な方向に指向して形成されることを特徴とする請求項8または請求項9記載の内燃機関の発電機冷却構造。
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