JP2013060812A - 内燃機関のオイルクーラ構造 - Google Patents

内燃機関のオイルクーラ構造 Download PDF

Info

Publication number
JP2013060812A
JP2013060812A JP2011197873A JP2011197873A JP2013060812A JP 2013060812 A JP2013060812 A JP 2013060812A JP 2011197873 A JP2011197873 A JP 2011197873A JP 2011197873 A JP2011197873 A JP 2011197873A JP 2013060812 A JP2013060812 A JP 2013060812A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oil
cover
combustion engine
internal combustion
filter
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2011197873A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuhisa Takemoto
和久 武本
Akira Takahashi
明 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP2011197873A priority Critical patent/JP2013060812A/ja
Publication of JP2013060812A publication Critical patent/JP2013060812A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Lubrication Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

【課題】オイルフィルタを外側から覆うオイルフィルタカバーを利用してオイルクーラ機能を果たすようにし、専用の特別な部材を用いることなく簡単でコンパクトに構成されるオイルクーラ構造を安価に供する。
【解決手段】クランク軸(20)を回転自在に軸支するクランクケース(11)の軸方向外側を覆うケースカバー(52)に、オイルポンプ(70)とオイルフィルタ(90)の潤滑系機器が組み込まれ、ケースカバー(52)の前記潤滑系機器が組み込まれた部分がさらに軸方向外側からオイルフィルタカバー(55)により覆われ、ケースカバー(52)とオイルフィルタカバー(55)の互いの合せ面(54z,55z)に、オイルポンプ(70)の吐出ポート(53e)から前記オイルフィルタ(90)へオイルを供給する吐出油路(P)が形成され、吐出油路(P)に対応したオイルフィルタカバー(55)の外表面に冷却フィン(55g)が設けられた内燃機関のオイルクーラ構造。
【選択図】図14

Description

本発明は、内燃機関の各種潤滑部位に供給する潤滑油を冷却するオイルクーラ構造に関する。
オイルタンクに溜められたオイルを、オイルポンプにより汲み上げ、各潤滑部位に圧送する途中に、オイルフィルタとともにオイルクーラを介装した例がある(例えば、特許文献1参照)。
特公平3−43115号公報(第2,3図参照)
特許文献1に開示された内燃機関の潤滑系では、クランクケース27に設けられたオイルポンプ37によりオイル溜め38から汲み上げられた潤滑油は、オイルフィルタ40に圧送され、オイルフィルタ40からクランクケース27の側面にカバー51を被着することにより両者間に形成されたオイルクーラ50に送られて、同オイルクーラ50で冷却されて主軸受等の各潤滑部位に供給される構造が開示されている。
オイルクーラ50は、クランクケース27の側面に専用のカバー51などにより特別に形成された複雑な構造のもので、部品点数も多くコスト高となる。
また、オイルクーラ50が、オイルポンプ37およびオイルフィルタ40と離れており、オイルクーラ50を経由するようにクランクケース27に長尺の油通路を特別に形成しなければならず、クランクケース27自体の構造も複雑となり内燃機関の小型化の妨げとなるとともにコスト高となる。
本発明は、かかる点に鑑みなされたもので、その目的とする処は、オイルフィルタを外側から覆うオイルフィルタカバーを利用してオイルクーラ機能を果たすようにし、専用の特別な部材を用いることなく簡単でコンパクトに構成されるオイルクーラ構造を安価に供する点にある。
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、
オイルポンプ(70)より吐出したオイルをオイルフィルタ(90)を介して各種潤滑部位に供給する潤滑系の途中にオイルクーラを介装して潤滑油を冷却する内燃機関のオイルクーラ構造において、
クランク軸(20)を回転自在に軸支するクランクケース(11)の軸方向外側を覆うケースカバー(52)に、オイルポンプ(70)とオイルフィルタ(90)の潤滑系機器が組み込まれ、
前記ケースカバー(52)の前記潤滑系機器が組み込まれた部分がさらに軸方向外側からオイルフィルタカバー(55)により覆われ、
前記ケースカバー(52)と前記オイルフィルタカバー(55)の互いの合せ面(54z,55z)に、前記オイルポンプ(70)の吐出ポート(53e)から前記オイルフィルタ(90)へオイルを供給する吐出油路(P)が形成され、前記吐出油路(P)に対応した前記オイルフィルタカバー(55)の外表面に冷却フィン(55g)が設けられたことを特徴とする内燃機関のオイルクーラ構造である。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の内燃機関のオイルクーラ構造において、
前記吐出油路(P)は、屈曲して長尺に形成されることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2記載の内燃機関のオイルクーラ構造において、
前記ケースカバー(52)にはリリーフバルブ(80)も組み込まれ、
前記ケースカバー(52)と前記オイルフィルタカバー(55)の互いの合せ面(54z,55z)に、前記オイルポンプ(70)の吐出ポート(53e)と前記リリーフバルブ(80)の圧油流入口(54b)とを連通するリリーフ油路(R1)が形成されることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項3記載の内燃機関のオイルクーラ構造において、
前記リリーフ油路(R1)は、屈曲して長尺に形成されることを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項3または請求項4記載の内燃機関のオイルクーラ構造において、
前記リリーフバルブ(80)は、前記オイルポンプ(70)の近傍に配設され、
前記リリーフバルブ(80)の流出口(80r)は、前記オイルポンプ(70)の吸入ポート(53i)に臨んで開口することを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項1ないし請求項5のいずれか1項記載の内燃機関のオイルクーラ構造において、
前記オイルフィルタカバー(55)は、前記ケースカバー(52)に形成されたオイルフィルタ(90)のフィルタハウジング(54f)のフィルタエレメント(91)が嵌挿されたハウジング凹部(54fh)の開口を蓋するように覆うことを特徴とする。
請求項7記載の発明は、請求項6項記載の内燃機関のオイルクーラ構造において、
前記オイルフィルタカバー(55)に前記オイルフィルタ(90)の流出ポート(55fa)が形成され、前記オイルフィルタカバー(55)の側壁に前記流出ポート(55fa)から延出する供給油路(55a,55d)が形成されることを特徴とする。
請求項1記載の内燃機関のオイルクーラ構造によれば、クランク軸(20)を回転自在に軸支するクランクケース(11)の軸方向外側を覆うケースカバー(52)に、オイルポンプ(70)とオイルフィルタ(90)の潤滑系機器が組み込まれ、ケースカバー(52)の潤滑系機器が組み込まれた部分がさらに軸方向外側からオイルフィルタカバー(55)により覆われ、ケースカバー(52)とオイルフィルタカバー(55)の互いの合せ面(54z,55z)に、オイルポンプ(70)の吐出ポート(53e)からオイルフィルタ(90)へオイルを供給する吐出油路(P)が形成され、吐出油路(P)に対応したオイルフィルタカバー(55)の外表面に冷却フィン(55g)が設けられるので、冷却フィン(55g)を備えるオイルフィルタカバー(55)が走行風により熱を奪われてオイルクーラとして機能することを利用して、専用の特別な部材を用いることなく簡単でコンパクトなオイルクーラ構造を安価に構成して、ケースカバー(52)とオイルフィルタカバー(55)の互いの合せ面(54z,55z)の吐出油路(P)を流れるオイルを効果的に冷却することができる。
請求項2記載の内燃機関のオイルクーラ構造によれば、前記吐出油路(P)は、屈曲して長尺に形成されるので、オイルフィルタカバー(55)の狭い合せ面(54z,55z)でも可及的にリリーフ油路(R1)を長尺に構成することができ、コンパクトなオイルクーラ構造でリリーフ油路(R1)を流れるオイルのより大きな冷却効果を期待することができる。
請求項3記載の内燃機関のオイルクーラ構造によれば、ケースカバー(52)とオイルフィルタカバー(55)の互いの合せ面(54z,55z)に、オイルポンプ(70)の吐出ポート(53e)とリリーフバルブ(80)の圧油流入口(54b)とを連通するリリーフ油路(R1)が形成されるので、ケースカバー(52)の部分を覆うオイルフィルタカバー(55)をオイルクーラとして利用して、専用の特別な部材を用いることなく簡単でコンパクトなオイルクーラ構造を安価に構成して、ケースカバー(52)とオイルフィルタカバー(55)の互いの合せ面(54z,55z)のリリーフ油路(R1)を流れるオイルを、吐出油路(P)を流れるオイルとともに冷却することができ、より冷却効果が大きい。
請求項4記載の内燃機関のオイルクーラ構造によれば、前記リリーフ油路(R1)が屈曲して長尺に形成されるので、オイルフィルタカバー(55)の狭い合せ面(54z,55z)でも可及的にリリーフ油路(R1)を長尺に構成することができ、コンパクトなオイルクーラ構造でリリーフ油路(R1)を流れるオイルのより大きな冷却効果を期待することができる。
請求項5記載の内燃機関のオイルクーラ構造によれば、前記リリーフバルブ(80)がオイルポンプ(70)の近傍に配設され、リリーフバルブ(80)の流出口(80r)がオイルポンプ(70)の吸入ポート(53i)に臨んで開口するので、オイルポンプ(70)の近傍にリリーフバルブ(80)とリリーフ油路(R1,R2)をコンパクトに構成することができる。
請求項6記載の内燃機関のオイルクーラ構造によれば、オイルフィルタカバー(55)は、ケースカバー(52)に形成されたオイルフィルタ(90)のフィルタハウジング(54f)のフィルタエレメント(91)が嵌挿されたハウジング凹部(54fh)の開口を蓋するように覆うので、オイルクーラとしてのオイルフィルタカバー(55)をオイルフィルタ(90)のフィルタハウジング(54f)の蓋としても兼用でき、部品点数を減らし潤滑系機器周りの構造を簡素化することができる。
請求項7記載の内燃機関のオイルクーラ構造によれば、オイルフィルタカバー(55)にオイルフィルタ(90)の流出ポート(55fa)が形成されるとともに、オイルフィルタカバー(55)の側壁に流出ポート(55fa)から延出する供給油路(55a,55d)が形成され、オイルクーラとして機能するオイルフィルタカバー(55)の側壁に形成される供給油路(55a,55d)を流れるオイルも冷却され、益々大きな冷却効果を期待することができる。
本発明の一実施の形態に係る内燃機関を搭載した自動二輪車の右側面図である。 同内燃機関の右側面図である。 同内燃機関の右ケースカバーを外した状態の右側面図である。 同内燃機関の図2および図3のIV−IV線断面図である。 同内燃機関の図3のV−V線断面図である。 右ケースカバーの右側面図である。 同右ケースカバーの左側面図である。 同右ケースカバーの図6および図7のVIII−VIII線断面図である。 同右ケースカバーの図6および図7のIX−IX線断面図である。 ポンプハウジングの左側面図である。 同ポンプハウジングの右側面図である。 オイルフィルタカバーの右側面図である。 同オイルフィルタカバーの左側面図である。 図2のXIV−XIV線断面図である。 図2のXV−XV線断面図である。
以下、本発明に係る一実施の形態について図1ないし図15に基づいて説明する。
図1は、本実施の形態に係る内燃機関10を搭載した自動二輪車1の全体側面図である。
本自動二輪車1の車体フレーム2は、ヘッドパイプ2aから後方へ左右一対のメインフレーム2b,2bが延出した後に下方に屈曲して急傾斜部2ba,2baを形成し、その下部をくの字に前方に屈曲させて下端部に至っている。
またヘッドパイプ2aから斜め急角度に下方へ左右一対のダウンフレーム2c,2cが、側面視でメインフレーム2bの急傾斜部2baに略平行に延出している。
メインフレーム2b,2bの急傾斜部2ba,2baの上部からはシートレール2d,2dが後方に延出し、同シートレール2d,2dの中央部と急傾斜部2ba,2baの下部とを連結したバックステー2e,2eがシートレール2d,2dを支持している。
以上のような車体フレーム2において、ヘッドパイプ2aにはフロントフォーク3が枢支され、その下端に前輪4が軸支され、メインフレーム2b,2bの下部に設けられたピボットプレート2fに前端を軸支されたリヤフォーク5が後方へ延出し、その後端に後輪6が軸支され、リヤフォーク5の後部とシートレール2d,2dの中央部との間にリヤクッション7が介装されている。
メインフレーム2b,2bには燃料タンク8が架設され、燃料タンク8の後方にシート9がシートレール2d,2dに支持されて設けられている。
車体フレーム2に搭載される内燃機関10は、SOHC型の単気筒4ストローク内燃機関であり、車体に対してクランク軸20を車体幅方向に指向させ、気筒を若干前傾させて起立した姿勢で懸架される。
内燃機関10のクランク軸20を回転自在に軸支するクランクケース11は、クランク軸20が配置されるクランク室11Cの後方に変速機40を収容するミッション室11Mが形成され(図5参照)、クランク室11Cの下方には底壁が幾らか下方に膨出してオイルを貯留するオイル溜め11Pが一体に形成される構造をしている(図3,図4参照)。
図2ないし図4を参照して、クランクケース11のクランク室11Cの上には、1本のシリンダ12aを有するシリンダブロック12と、シリンダブロック12の上にガスケットを介してシリンダヘッド13が重ねられ、スタッドボルト15により一体に締結され、シリンダヘッド13の上方をシリンダヘッドカバー14が覆っている。
クランクケース11の上に重ねられるシリンダブロック12,シリンダヘッド13,シリンダヘッドカバー14は、クランクケース11から若干前傾した姿勢で上方に延出している(図1,図2参照)。
このように車体フレームに搭載された内燃機関20の若干前傾して立設されたシリンダヘッド13から後方に吸気管101が延出し、吸気管101はスロットルボディ102を介して側面視でメインフレーム2aとシートレール2dとバックステー2eに囲まれた空間に配設されるエアクリーナ103に連結されている(図1参照)。
また、シリンダヘッド13から前方に延出した排気管105は、下方に屈曲し、さらに後方に屈曲してクランクケース11の下面に沿って後方にかつ右側に寄って後輪6の右側に配置されたマフラー106に連結している。
シリンダブロック12の下部に結合されるクランクケース11は、シリンダ軸線(シリンダ12aの中心軸線)を含みクランク軸20と直交する平面で左右に2分割された1対のケースである左クランクケース11Lと右クランクケース11Rとが、互いの合せ面で合わせられボルトにより結合されて構成される(図4,図5参照)。
左右クランクケース11L,11Rに左右方向に指向して回転自在に軸支されるクランク軸20は、左右のクランク軸半体20L,20Rをクランクピン21で連結して一体に構成したものであり、各クランク軸半体20L,20Rは同軸上に構成される左右クランク軸体20La,20Raと互いに対面する左右クランクウエブ20Lw,20Rwとからなり、互いに対面する左右クランクウエブ20Lw,20Rwがクランク軸中心線から偏心したクランクピン21で連結されている(図4参照)。
クランク軸20を軸支する左右クランクケース11L,11Rの互いに対向する軸受壁11Lw,11Rwの軸受孔外周には環状の軸受ブッシュ22,22が埋設され、同軸受ブッシュ22,22の内周にメタルベアリング23,23を介してクランク軸20の左右クランク軸体20La,20Raのクランクウエブ20Lw,20Lwと隣接するジャーナル部が軸支される。
したがって、左右クランクケース11L,11Rの互いに対向する軸受壁11Lw,11Rwの間のクランク室11Cにはクランクウエブ20Lw,20Lwおよびクランクピン21が収容され、左右軸受壁11Lw,11Rwの外側にクランク軸体20La,20Raが左右に突出している。
一方、図4に示すように、左右クランクケース11L,11Rの合体でクランク室11Cの上方に形成された円開口に、シリンダブロック12のシリンダ12aの下部が嵌入され、シリンダ12aのシリンダボア12b内にピストン16が往復摺動自在に嵌合される。
ピストン16のピストン頂部の裏面に突出された一対のピンボス間にピストンピン17が架設され、同ピストンピン17に小端部が軸支されクランク軸20のクランクピン21に大端部が軸支されたコンロッド18によりピストン16とクラン軸20が連接されてクランク機構が構成されている。
シリンダヘッド13には、シリンダ12aに対応して、シリンダ軸線方向でピストン16に対向して燃焼室13bが構成され、該燃焼室13bから後方に吸気ポート13iが延出し、燃焼室60から前方に排気ポート13eが延出しており(図3参照)、燃焼室13bの天井壁には点火栓19が先端を燃焼室13bに臨ませて取り付けられる(図4参照)。
図3に示すように、シリンダヘッド13に一体に嵌着された弁ガイドにそれぞれ摺動可能に支持される吸気弁61および排気弁62は、内燃機関10に備えられる動弁機構60により駆動されて、吸気ポート13iの吸気開口および排気ポート13eの排気開口をクランク軸20の回転に同期して開閉する。
図3および図4を参照して、動弁機構60は、シリンダヘッド13の上に1本のカム軸65が左右方向に指向して軸支されたSOHC型内燃機関の動弁機構であり、カム軸65の斜め前後上方にロッカアームシャフト66e,66iが支持され、後方のロッカアームシャフト66iに吸気ロッカアーム67iが揺動自在に中央を軸支され、前方のロッカアームシャフト66eに排気ロッカアーム67eが揺動自在に中央を軸支されている。
吸気ロッカアーム67iの一端は、カム軸65の吸気カムロブに接し、他端が吸気弁61のバルブステムの上端に接し、排気ロッカアーム67eの一端は、カム軸65の排気カムロブに接し、他端が排気弁62のバルブステムの上端に接し、カム軸65の回転により吸気ロッカアーム67iと排気ロッカアーム67eが揺動して吸気弁61と排気弁62を開閉駆動する。
カム軸65は、左軸端部に被動チェーンスプロケット68が嵌着されている(図4参照)。
一方、クランク軸20の左軸受壁11Lwより左方に突出した左クランク軸体20Laのジャーナル部の左側に駆動チェーンスプロケット25がスプライン嵌合され、同駆動チェーンスプロケット25とその上方の前記被動チェーンスプロケット68との間にカムチェーン69が架渡され(図4参照)、クランク軸20の回転動力がカムチェーン69を介してカム軸65の回転にクランク軸20の1/2の回転数で伝達され、クランク軸20に同期して吸気ロッカアーム67iと排気ロッカアーム67eを揺動して吸気弁61と排気弁62がそれぞれ所要のタイミングで開閉駆動する。
クランク軸20の左軸受壁11Lwより左方に突出した左クランク軸体20Laには、駆動チェーンスプロケット25を位置決め固定するナット部材26、スタータ被動ギア27、一方向クラッチ29を介してACジェネレータ30のACGロータ30Rが順次嵌合され、ワッシャ31を介してナット部材32で締め付け固定される(図4参照)。
ACジェネレータ30は、左クランク軸体20Laに嵌合されるフライホイール30fと同フライホイール30fにボルト30bにより固着支持される椀状をなすアウタロータ30rとでACGロータ30Rが構成されており、ACジェネレータ30等を左側から覆う左ケースカバー50に形成された内筒50aにインナステータ30sが固着支持されている。
フライホイール30fを介してクランク軸20と一体に回転するアウタロータ30rの円筒部内周に設けられた磁石30rmの内側にインナステータ30sのコイル30scが巻回された固定子鉄心が相対している。
左クランク軸体20Laの軸端部は左ケースカバー50に形成された内筒50a内にローラベアリング33を介して軸支される。
スタータ被動ギア27は、左クランク軸体20Laに針状のローラベアリング28を介して回転自在に軸支されており、前記フライホイール30fとの間に一方向クラッチ29が介装されている。
他方、図4に示すように、クランク軸20の右軸受壁11Rwより右方に突出した右クランク軸体20Raには、バランサ駆動ギア35とプライマリ駆動ギア36が順次嵌合され、ワッシャ37を介してナット部材38で締め付け固定される。
右クランクケース22Rの右側を右ケースカバー52が覆っており、(図4参照)、右クランク軸部20Raのナット部材38より右方に突出した軸端部が、右ケースカバー52の軸受凹部52aに挿入されてボールベアリング39を介して軸支されている(図4,図5参照)。
図5に示すように、クランクケース11のミッション室11Mには、変速機40のメイン軸41とカウンタ軸42とが、クランク軸20の後方に左右方向に指向して互いに平行に左右軸受壁11Lw,11Rw間にベアリング41b,42bを介して回転自在に架設されており、メイン軸41に軸支されたメインギア群41gとカウンタ軸42に軸支されたカウンタギア群42gが常時噛み合って変速機40を構成している。
カウンタ軸42はクランクケース11を左方に貫通して外部に突出して出力軸となっており、突出した左端に出力スプロケット43が嵌着されている。
出力スプロケット43に巻き掛けられる駆動チェーン44が、図示されない後輪側の被動スプロケットに架渡されてチェーン伝達機構が構成され後輪に動力が伝達される。
図5に示すように、メイン軸41の右軸受壁11Rwより右方に突出した右側部には、多板摩擦式の変速クラッチ46が設けられている。
変速クラッチ46のクラッチアウタ46oは、メイン軸41に回転自在に軸支されたプライマリ被動ギア45に緩衝部材を介して支持されており、メイン軸41に一体に嵌合されたクラッチインナ46iとの間に複数のクラッチ板46cが介装され、圧縮部材46pの駆動により断接を行う。
プライマリ被動ギア45がクランク軸20に嵌着された前記プライマリ駆動ギア36と噛合する。
したがって、クランク軸20の動力を変速クラッチ46の駆動により変速機40のメイン軸41に伝達したり遮断したりする。
クランク軸20の前方には、バランサ47が配設されている(図3,図5参照)。
バランサ47は、図5に示すように、クランクウエブ20Lw,20Lw間を旋回するバランスウエイト47wを有するバランサ軸48が左右軸受壁11Lw,11Rw間にベアリング48bを介して回転自在に架設されている。
バランサ軸48の右軸受壁11Rwより右方に突出した右側部に、バランサ被動ギア49が設けられ、クランク軸20に嵌着された前記バランサ駆動ギア35と噛合する。
噛合するバランサ駆動ギア35とバランサ被動ギヤ49は、同径同歯数のギアであり、バランスウエイト47wはクランク軸20と等速で逆方向に回転駆動されて、ピストン16の往復運動により発生する1次振動を低減する。
なお、クランクケース11から若干前傾して突設されたシリンダブロック12の後方で、クランクケース11の上壁の上方に、スタータモータ120が配設されている。
スタータモータ120の駆動は、図示しないギア機構を介して前記スタータ被動ギア27に伝達される。
右クランクケース11Rを外側から覆う右ケースカバー52には、右クランク軸部20Raの右軸端が挿入される軸受凹部52aの下方にオイルポンプ70が組み込まれ、同オイルポンプ70の前方近くにリリーフバルブ80が組み込まれ、軸受凹部52aの上方斜め前寄りにオイルフィルタ90が組み込まれる(図2参照)。
オイルポンプ70は、トロコイドポンプであり、内外一対のロータ71i,71oを収容するポンプハウジング73が右ケースカバー52の内面(左側面)に取り付けられて設けられ、同ポンプハウジング73は、オイルポンプ70以外にリリーフバルブ80を右ケースカバー52との間に保持する構造をなしている。
オイルフィルタ90は、右ケースカバー52の外面(右側面)から内方(左方)に円形に凹出して形成されたフィルタハウジング54fのハウジング凹部54fhに円筒状のフィルタエレメント91が嵌挿され、フィルタハウジング54fのハウジング凹部54fhの右開口が右ケースカバー52の潤滑系部分のさらに外側に被せられるオイルフィルタカバー55によって蓋をされるようにして設けられる。
右クランクケース11Rを外側から覆う右ケースカバー52を、図6ないし図9に示す。
右ケースカバー52が被せられる右クランクケース11Rは、図3に示す右側面図を参照して、プライマリ被動ギア45,プライマリ駆動ギア36,バランサ被動ギア49,ポンプ被動ギア74等のギア機構および変速駆動機構121等を外周壁が囲み、その外周壁の右端面を合せ面11zとして右ケースカバー52が右側から合わせられ、右ケースカバー52の外周壁52sの左端面は右クランクケース11Rの合せ面11zに対面する合せ面52zが形成されている(図7参照)。
右ケースカバー52は、略後半部分に変速クラッチ46を覆うクラッチカバー部52tがドーム状に大きく外側(右側)に膨出しており、前半部分の軸受凹部52aより下方内側にオイルポンプ70のポンプハウジング73が当接されるベース面53z(図7における斑点部分)を備えたポンプ取付ベース部53が形成されている(図7参照)。
ポンプ取付ベース部53のベース面53zは、右クランクケース11Rとの合せ面52zより低い奥側(右側)に位置する。
図7を参照して、ポンプ取付ベース部53には、ベース面53zにオイルポンプ70のポンプ駆動軸72の端部が臨む円穴53aが形成されるとともに、円穴53aの外周囲の下部に円弧状の溝である吸入ポート53iが形成され、円穴53aの外周囲の上部に円弧状の溝である吐出ポート53eが形成されている。
吸入ポート53iは下方に汲上げ油路52bが連通しており、汲上げ油路52bは下端で内側に屈曲して右ケースカバー52の左端面の合せ面52zに開口している(図4,図7参照)。
また、ポンプ取付ベース部53のベース面53zには、円穴53aの前方にリリーフバルブ80を嵌合保持するバルブ嵌合穴53bが形成され、バルブ嵌合穴53bと前記吸入ポート53iとを連通するリリーフ油溝53rが形成されている。
リリーフバルブ80のバルブ嵌合穴53bは穴の底壁に外側に貫通した圧油流入口である圧油流入孔54bが形成されている。
右ケースカバー52の外面(右側面)の潤滑系部分はオイルフィルタカバー55が当接される合せ面54z(図6における斑点部分)を備えたカバー取付ベース部54が若干外側に突出して形成されており、前記フィルタハウジング54fのハウジング凹部54fhは、このカバー取付ベース部54の合せ面54zに開口して形成されている。
また、カバー取付ベース部54の合せ面54zには、前記ポンプ取付ベース部53の吐出ポート53eに連通する吐出孔54eが開口しているとともに、吐出孔54eの前方(図6で右方)に前記バルブ嵌合穴53bに連通する前記圧油流入孔54bが開口している。
そして、図6に示すように、カバー取付ベース部54の合せ面54zには、吐出孔54eとフィルタハウジング54fのハウジング凹部54fhの内部とを連通する吐出油溝54pが、フィルタハウジング54fの下方を遠回りして屈曲しながら長尺に形成されている。
また、カバー取付ベース部54の合せ面54zには、図6に示すように、吐出孔54eと圧油流入孔54bとを連通するリリーフ油溝54rが、吐出油溝54pの下方を圧油流入孔54bより前方に大きく遠回りして屈曲しながら長尺に形成されている。
右ケースカバー52の右クランク軸部20Raの右軸端が挿入される軸受凹部52aは、その底壁に形成された小孔52aaを介してカバー取付ベース部54の合せ面54zに開口する円穴54aに連通している。
右ケースカバー52は、円穴54aから斜め前下方に供給油路52cが穿孔され、供給油路52cは下端部で内側に屈曲して外周壁52sの合せ面52zに開口している(図9参照)。
フィルタハウジング54fの上方の右ケースカバー52の外周壁52sには左右幅方向に貫通して内外の合せ面52zと合せ面54zに開口する供給油路52dが形成されている(図8参照)。
図7を参照して、右ケースカバー52のポンプ取付ベース部53の下方には、合せ面52zが上下幅広に形成されて水平の仕切り壁52fにより仕切り壁52fの下側にオイル溜め11Pの一部が形成され、仕切り壁52fの上側は汲上げ油路52bが形成されている(図3参照)。
前記したように、汲上げ油路52bは上方のオイルポンプ70の吸入ポート53iに連通している。
以上のような右ケースカバー52のポンプ取付ベース部53に取り付けられるポンプハウジング73は、図10および図11に示すように、右ケースカバー52のベース面53zに対応する合せ面73zを有し、合せ面73zには外周囲に沿って閉ループ状にシール部材76を嵌合するシール溝73sが形成され、シール溝73sの内側にロータ71iを収容する有底のポンプ円筒部73aとリリーフバルブ80を収容する有底のバルブ円筒部73bが形成されている。
ポンプ円筒部73aの底壁にはポンプ駆動軸72を回転自在に軸支する軸受円筒部73cが形成されている。
そして、ポンプ円筒部73aの底壁の内面に軸受円筒部73cの上下に吸入ポート73iと吐出ポート73eが形成され、ポンプハウジング73の合せ面73zにはポンプ円筒部73aの吸入ポート73iとバルブ円筒部73bとを連通するリリーフ油溝73rが右ケースカバー52のリリーフ油溝53rに対向して形成されている。
このポンプハウジング73のポンプ円筒部73aに内外一対のロータ11i,11oを組み込み、軸受円筒部73cに貫通したポンプ駆動軸72の先端を係合ピン71pを介して内側ロータ71iに係合してポンプ駆動軸72とともに内側ロータ71iが回転するようにし、かつバルブ円筒部73bに円筒状をしたリリーフバルブ80を半分程嵌合した状態で、ポンプハウジング73を右ケースカバー52のポンプ取付ベース部53にベース面53zと合せ面73zと合せて当接し周囲をボルト75により締結して取り付ける(図14,図15参照)。
右ケースカバー52のリリーフ油溝53rとポンプハウジング73のリリーフ油溝73rが共通のリリーフ油路R2を形成する(図15参照)。
なお、ポンプ駆動軸72の外側に突出した部分には、ポンプ被動ギア74が嵌挿され係合ピン74pにより係合してともに回転するようにし、こうしてポンプハウジング73が取り付けられた右ケースカバー52を右クランクケース11Rに取り付ける際に、ポンプ駆動軸72の左端部は右クランクケース11Rの外側面に突出した円筒状軸受部11Rsに嵌挿して軸支される(図14,図15参照)。
ポンプ被動ギア74はプライマリ駆動ギア36に噛み合い、クランク軸20の回転動力がプライマリ駆動ギア36とポンプ被動ギア97の噛合を介してポンプ駆動軸72に伝達され、ロータ71i,71oを回転してオイルポンプ70が駆動される。
円筒状をしたリリーフバルブ80は、図15に示すように、右ケースカバー52のバルブ嵌合穴53bとポンプハウジング73のバルブ円筒部73bに略半分ずつ嵌挿して挟持され、スプリング81sにより付勢されたピストン81が圧油流入孔54bから加わる油圧が所定油圧を越えると付勢力に抗して移動したピストン81がリリーフ油溝53rに開口した流出口80rを開いて圧油流入孔54bとリリーフ油路L2とを連通する。
右ケースカバー52の左端面の合せ面52zのうち仕切り壁52fを有し汲上げ油路52bが開口している上下幅広の部分に対応する右クランクケース11Rの部分は、図3を参照して、同様に合せ面11zが上下幅広に形成されて、凹部11dが形成されている。
この凹部11dの仕切り壁52eと同じ高さ位置に前後に溝条11v,11vが形成されており、この前後溝条11v,11vにストレーナ99のフレームを嵌合してストレーナ99を凹部11dに挿入して凹部11d内を上下に仕切る(図3,図4参照)。
右クランクケース11Rに右ケースカバー52を被せ、互いの合せ面11z,52zを合わすと、右クランクケース11Rの凹部11dに挿入したストレーナ99の右端面を右ケースカバー52の仕切り壁52fが押さえてストレーナ99を固定することができ、ストレーナ99は凹部11d内を完全に上下に仕切る(図3参照)。
したがって、図4に示すように、オイルポンプ70が駆動すると、オイル溜め11Pに溜まったオイルがストレーナ99を通過して塵埃を除去されて汲上げ油路52bを通って汲み上げられる。
他方、右ケースカバー52のカバー取付ベース部54に取り付けられるオイルフィルタカバー55は、図12および図13を参照して、右ケースカバー52の合せ面54zに対応する合せ面55zを有する板状をなし、合せ面55zには右ケースカバー52のフィルタハウジング54fのハウジング凹部54fhに対応するフィルタ蓋部55fが円形に凹出して形成されている。
フィルタ蓋部55fには内側中央に円穴である流出ポート55faが形成されるとともに、流出ポート55faから壁内を斜め下方に供給油路55aが延び、その油路端部55aaが屈曲して合せ面55zに開口して右ケースカバー52の円穴54aに対向しており、さらに流出ポート55faからは壁内を上方に延びる供給油路55dが形成され、その油路端部55daが屈曲して合せ面55zに開口して右ケースカバー52の供給油路52dに対向している(図14参照)。
また、オイルフィルタカバー55の合せ面55zには、右ケースカバー52の吐出孔54eに対向して吐出凹部55eが形成されるとともに、右ケースカバー52の圧油流入孔54bに対向してバルブ凹部55bが形成されている(図13参照)。
そして、右ケースカバー52のカバー取付ベース部54の合せ面54zにフィルタハウジング54fの下方を遠回りして屈曲しながら長尺に形成された吐出油溝54pに対向してオイルフィルタカバー55の合せ面55zに、同じように屈曲した吐出油溝55pが、吐出凹部55eとフィルタ蓋部55fの内側空間とを連通して形成されている(図13参照)。
また、右ケースカバー52の合せ面54zに吐出油溝54pの下方を圧油流入孔54bより前方に大きく遠回りして屈曲しながら長尺に形成されたリリーフ油溝54rに対応してオイルフィルタカバー55の合せ面55zに、同じように屈曲したリリーフ油溝55rが、吐出凹部55eとバルブ凹部55bとを連通して形成されている(図13参照)。
オイルフィルタカバー55の合せ面55zには、フィルタ蓋部55fの内側空間、吐出油溝55p、リリーフ油溝55rを閉ループ状に内側に囲むシール部材56を嵌合するシール溝55sが形成されている。
このオイルフィルタカバー55の外表面には略水平に延びる冷却フィン55gが上下に複数本形成されてオイルクーラとしての機能をより効果的に奏するようにしている。
冷却フィン55gは、少なくとも吐出油溝55pおよびリリーフ油溝55rに対応するオイルフィルタカバー55の外表面に形成されている。
フィルタハウジング54fのハウジング凹部54fhにフィルタエレメント91が嵌挿された右ケースカバー52のカバー取付ベース部54に、上記したオイルフィルタカバー55を被せ、互いの合せ面54z,55zを合わせて当接し周囲をボルト75により締結して取り付けると、図14に示すように、円筒状のフィルタエレメント91の中央空間が流出ポート55faにのみ連通する。
オイルフィルタカバー55の流出ポート55faから上下に延びる供給油路55a,55dの屈曲して合せ面55z側に開口した油路端部55aa,55daが、それぞれ右ケースカバー52の円穴54a,供給油路52dと合わさり、上下各供給油路が連通する(図14参照)。
そして、右ケースカバー52の吐出油溝54pとオイルフィルタカバー55の吐出油溝55pとが合わさって吐出油路Pを形成し、右ケースカバー52のリリーフ油溝54rとオイルフィルタカバー55のリリーフ油溝55rとが合わさってリリーフ油路R1を形成する。
すなわち、右ケースカバー52とオイルフィルタカバー55との合せ面54z,55zに、吐出油路Pとリリーフ油路R1がともに遠回りして屈曲しながら長尺に形成される。
オイルフィルタカバー55は、内燃機関10の最も外側を覆う板状のカバーであって外表面に複数の冷却フィン55gを有して走行風が当って熱を奪うので、板状のオイルフィルタカバー55の合せ面55zに長尺に形成された吐出油路Pおよびリリーフ油路R1を流れるオイルを効率良く冷却することができる。
すなわち、オイルフィルタカバー55は、オイルクーラとしての機能を果たす。
以上のように構成された潤滑構造において、図14を参照して、内燃機関10の駆動でクランク軸20の回転がプライマリ駆動ギア36とポンプ被動ギア74の噛合を介してポンプ駆動軸72に伝達されてオイルポンプ70が駆動されると、ロータ71i,71oの回動によりオイル溜め11Pに溜まったオイルがストレーナ99を通過して塵埃を除去されて汲上げ油路52bを通って吸入ポート53iに汲み上げられ、吐出ポート53eから吐出孔54eを経てオイルフィルタカバー55の合せ面55zに形成された吐出油路Pとリリーフ油路R1とに吐出される。
吐出油路Pを通ったオイルは、オイルフィルタ90のフィルタハウジング54fのハウジング凹部54fh内のフィルタエレメント91の外周に流入し、浄化されてフィルタエレメント91の中央からオイルフィルタカバー55の流出ポート55faを経て上下の供給油路55d,55aに分流する。
供給油路55aを下方に流れたオイルは、その油路端部55aaから右ケースカバー52の円穴54aに至り、同円穴54aから小孔52aaを抜けて軸受凹部52aに流入すると、軸受凹部52aにボールベアリング39を介して軸支されたクランク軸20の右クランク軸体20Raに形成された軸孔20tに浸入し、同軸孔20tを通ってクランクピン21に至りクランクピン21を潤滑する(図14参照)。
また、右ケースカバー52の円穴54aからは小孔52aaとは別に下方に延出した供給油路52cに流れたオイルが、供給油路52cから右クランクケース11Rに移りクランク軸20のメタルベアリング23などにオイルが供給される。
一方で、オイルフィルタ90からオイルフィルタカバー55の流出ポート55faに流出し上方の供給油路55dに分流したオイルは、油路端部55daから右ケースカバー52の供給油路52dを通って右クランクケース11Rに移りシリンダブロック12を経てシリンダヘッド13に至り、動弁系の潤滑に供せられる。
以上のように構成された潤滑系において、クランクケース11の軸方向外側を覆うケースカバー52に、オイルポンプ70とオイルフィルタ90とリリーフバルブ80の潤滑系機器が組み込まれ、その潤滑系機器が組み込まれた部分がさらに軸方向外側から冷却フィン55gを備えてオイルクーラとして機能するオイルフィルタカバー55により覆われ、ケースカバー52とオイルフィルタカバー55の互いの合せ面54z,55zに、オイルポンプ70の吐出ポート53eとオイルフィルタ90の流入側とを連通する吐出油路Pが形成されるので、走行風により熱を奪われてオイルクーラとして機能するオイルフィルタカバー55により、専用の特別な部材を用いることなく簡単でコンパクトなオイルクーラ構造を安価に構成して、ケースカバー52とオイルフィルタカバー55の互いの合せ面54z,55zの吐出油路(P)を流れるオイルを効果的に冷却することができる。
しかも、吐出油路Pもオイルポンプ70の吐出ポート53eとオイルフィルタ90の流入側とを連通するのに、図6および図13に示すように、遠回りして屈曲しながら形成されるので、狭い合せ面54z,55zでも可及的に吐出油路Pを長尺に構成することができ、コンパクトなオイルクーラ構造で吐出油路Pを流れるオイルのより大きな冷却効果を期待することができる。
また、ケースカバー52とオイルフィルタカバー55の互いの合せ面54z,55zには、オイルポンプ70の吐出ポート53eとリリーフバルブ80の圧油流入口54bとを連通するリリーフ油路R1が形成されるので、オイルクーラとして機能するオイルフィルタカバー55により、専用の特別な部材を用いることなく簡単でコンパクトなオイルクーラ構造を安価に構成しており、ケースカバー52とオイルフィルタカバー55の互いの合せ面54z,55zのリリーフ油路R1を流れるオイルを効果的に冷却することができる。
ケースカバー52とオイルフィルタカバー55の互いの合せ面54z,55zに形成されるリリーフ油路R1は、オイルポンプ70の吐出ポート53eとリリーフバルブ80の圧油流入口54bとを連通するのに、図6および図13に示すように、遠回りして屈曲しながら形成されるので、狭い合せ面54z,55zでも可及的にリリーフ油路R1を長尺に構成することができ、コンパクトなオイルクーラ構造でリリーフ油路R1を流れるオイルのより大きな冷却効果を期待することができる。
すなわち、ケースカバー52とオイルフィルタカバー55の互いの合せ面54z,55zには、吐出油路Pとともにリリーフ油路R1がともに屈曲して長尺に形成されて、オイルクーラとして機能する共通のオイルフィルタカバー55により、両油路P,R1を流れるオイルをともに冷却することができ、コンパクトなオイルクーラ構造で大きな冷却効果を期待することができる。
リリーフバルブ80がオイルポンプ70の近傍に配設され、リリーフバルブ80の流出口80rがオイルポンプ70の吸入ポート53iに臨んで開口するので、オイルポンプ70の近傍にリリーフバルブ80とリリーフ油路R1,R2をコンパクトに構成することができる。
ケースカバー52に形成されたオイルフィルタ90のフィルタハウジング54fのフィルタエレメント91が嵌挿されたハウジング凹部54fhの開口を蓋するオイルフィルタカバー55を利用して、オイルクーラを構成しているので、部品点数を減らし潤滑系機器周りの構造を簡素化することができる。
オイルフィルタカバー55にオイルフィルタ90の流出ポート55faが形成されるとともに、オイルフィルタカバー55の側壁に流出ポート55faから延出する供給油路55a,55dが形成され、オイルクーラとして機能するオイルフィルタカバー55の側壁に形成される供給油路55a,55dを流れるオイルも冷却され、益々大きな冷却効果を期待することができる。
10…内燃機関、11…クランクケース、11P…オイル溜め、20…クランク軸、20L,20R…クランク軸半体、20La,20Ra…クランク軸体、50…左ケースカバー、
52…右ケースカバー、52t…クラッチカバー部、52a…軸受凹部、52aa…小孔、52s…外周壁、52b…汲上げ油路、52c,52d…供給油路、53…ポンプ取付ベース部、53i…吸入ポート、53e…吐出ポート、53r…リリーフ油溝、54…カバー取付ベース部、54z…合せ面、54f…フィルタハウジング、54fh…ハウジング凹部、54e…吐出孔、54p…吐出油溝、54b…圧油流入孔、54r…リリーフ油溝、54a…円穴、
55…オイルフィルタカバー、55z…合せ面、55f…フィルタ蓋部、55fa…流出ポート、55e…吐出凹部、55b…バルブ凹部、55p…吐出油溝、55r…リリーフ油溝、55a,55d…供給油路、55g…冷却フィン、
70…オイルポンプ、71i,71o…ロータ、72…ポンプ駆動軸、73…ポンプハウジング、
80…リリーフバルブ、80r…流出口、
90…オイルフィルタ、91…フィルタエレメント、99…ストレーナ、
P…吐出油路、R1,R2…リリーフ油路。

Claims (7)

  1. オイルポンプ(70)より吐出したオイルをオイルフィルタ(90)を介して各種潤滑部位に供給する潤滑系の途中にオイルクーラを介装して潤滑油を冷却する内燃機関のオイルクーラ構造において、
    クランク軸(20)を回転自在に軸支するクランクケース(11)の軸方向外側を覆うケースカバー(52)に、オイルポンプ(70)とオイルフィルタ(90)の潤滑系機器が組み込まれ、
    前記ケースカバー(52)の前記潤滑系機器が組み込まれた部分がさらに軸方向外側からオイルフィルタカバー(55)により覆われ、
    前記ケースカバー(52)と前記オイルフィルタカバー(55)の互いの合せ面(54z,55z)に、前記オイルポンプ(70)の吐出ポート(53e)から前記オイルフィルタ(90)へオイルを供給する吐出油路(P)が形成され、
    前記吐出油路(P)に対応した前記オイルフィルタカバー(55)の外表面に冷却フィン(55g)が設けられたことを特徴とする内燃機関のオイルクーラ構造。
  2. 前記吐出油路(P)は、屈曲して長尺に形成されることを特徴とする請求項1記載の内燃機関のオイルクーラ構造。
  3. 前記ケースカバー(52)にはリリーフバルブ(80)も組み込まれ、
    前記ケースカバー(52)と前記オイルフィルタカバー(55)の互いの合せ面(54z,55z)に、前記オイルポンプ(70)の吐出ポート(53e)と前記リリーフバルブ(80)の圧油流入口(54b)とを連通するリリーフ油路(R1)が形成されることを特徴とする請求項1または請求項2記載の内燃機関のオイルクーラ構造。
  4. 前記リリーフ油路(R1)は、屈曲して長尺に形成されることを特徴とする請求項3記載の内燃機関のオイルクーラ構造。
  5. 前記リリーフバルブ(80)は、前記オイルポンプ(70)の近傍に配設され、
    前記リリーフバルブ(80)の流出口(80r)は、前記オイルポンプ(70)の吸入ポート(53i)に臨んで開口することを特徴とする請求項3または請求項4記載の内燃機関のオイルクーラ構造。
  6. 前記オイルフィルタカバー(55)は、前記ケースカバー(52)に形成されたオイルフィルタ(90)のフィルタハウジング(54f)のフィルタエレメント(91)が嵌挿されたハウジング凹部(54fh)の開口を蓋するように覆うことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項記載の内燃機関のオイルクーラ構造。
  7. 前記オイルフィルタカバー(55)に前記オイルフィルタ(90)の流出ポート(55fa)が形成され、前記オイルフィルタカバー(55)の側壁に前記流出ポート(55fa)から延出する供給油路(55a,55d)が形成されることを特徴とする請求項6項記載の内燃機関のオイルクーラ構造。
JP2011197873A 2011-09-12 2011-09-12 内燃機関のオイルクーラ構造 Withdrawn JP2013060812A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011197873A JP2013060812A (ja) 2011-09-12 2011-09-12 内燃機関のオイルクーラ構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011197873A JP2013060812A (ja) 2011-09-12 2011-09-12 内燃機関のオイルクーラ構造

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2013060812A true JP2013060812A (ja) 2013-04-04

Family

ID=48185691

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011197873A Withdrawn JP2013060812A (ja) 2011-09-12 2011-09-12 内燃機関のオイルクーラ構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2013060812A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104047663A (zh) * 2014-06-24 2014-09-17 力帆实业(集团)股份有限公司 摩托车风冷发动机润滑系统
JP2015121120A (ja) * 2013-12-20 2015-07-02 本田技研工業株式会社 鞍乗り型車両用パワーユニットのオイル冷却装置
CN106437928A (zh) * 2016-10-25 2017-02-22 力帆实业(集团)股份有限公司 发动机曲轴箱连杆大头轴承油路
JP2017217955A (ja) * 2016-06-03 2017-12-14 スズキ株式会社 鞍乗型車両

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015121120A (ja) * 2013-12-20 2015-07-02 本田技研工業株式会社 鞍乗り型車両用パワーユニットのオイル冷却装置
CN104047663A (zh) * 2014-06-24 2014-09-17 力帆实业(集团)股份有限公司 摩托车风冷发动机润滑系统
CN104047663B (zh) * 2014-06-24 2016-05-18 力帆实业(集团)股份有限公司 摩托车风冷发动机润滑系统
JP2017217955A (ja) * 2016-06-03 2017-12-14 スズキ株式会社 鞍乗型車両
DE102017109653B4 (de) 2016-06-03 2022-02-10 Suzuki Motor Corporation Fahrzeug des fahrsatteltyps
CN106437928A (zh) * 2016-10-25 2017-02-22 力帆实业(集团)股份有限公司 发动机曲轴箱连杆大头轴承油路
CN106437928B (zh) * 2016-10-25 2019-05-03 力帆实业(集团)股份有限公司 发动机曲轴箱连杆大头轴承油路

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6495215B2 (ja) 内燃機関の発電機冷却構造
US7669573B2 (en) Scooter type vehicle
JP5479965B2 (ja) 車両用エンジンにおける点火プラグ冷却装置
JP4691465B2 (ja) 内燃機関のブリーザ構造
JP4620619B2 (ja) 小型車両用内燃機関
US7104239B2 (en) Engine crankcase structure
JP4602213B2 (ja) 内燃機関のバランサ機構
JP5480675B2 (ja) 内燃機関のケースカバー構造
JP2010065630A (ja) エンジンのオイル通路構造
JP2013060812A (ja) 内燃機関のオイルクーラ構造
JP5775758B2 (ja) 軸受部の潤滑構造
JP5531657B2 (ja) パワーユニットのブリーザ構造
JP2009121325A (ja) 内燃機関の潤滑構造
JP2011105148A (ja) 車両用パワーユニット
JP5497505B2 (ja) エンジンにおける点火プラグ冷却装置
JP2019214978A (ja) 車両
JP4889541B2 (ja) 車両用内燃機関
JP4544835B2 (ja) 内燃機関のバランサ装置
JP5724357B2 (ja) エンジンのブリーザ装置
JP2021008217A (ja) 鞍乗車両
JP4372077B2 (ja) 内燃機関の始動装置
JP2013060905A (ja) オイル戻し通路構造
JP5878450B2 (ja) 内燃機関の空冷式オイルクーラ取付構造
JP2007100541A (ja) 内燃機関の潤滑油路構造
JP5823360B2 (ja) 内燃機関の潤滑油供給構造

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20141202