JP5531657B2 - パワーユニットのブリーザ構造 - Google Patents

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Description

本発明は、自動二輪車に揺動自在に設けられたパワーユニットのブリーザ構造、特に動力を駆動輪に伝える減速ミッション機構のブリーザ構造に関する。
例えばスクータ形の自動二輪車は、エンジン、無段変速装置および減速ミッション機構を有するパワーユニットを備える。このパワーユニットは、エンジンから無段変速装置、減速ミッション機構の順に動力を伝えて駆動輪を駆動させる。
従来、エンジンの動力を伝達する無段変速装置と、無段変速装置が伝達した動力を減速して出力する減速ミッション機構と、減速ミッション機構の出力を後輪に伝えるチェーンと、を備え、減速ミッション機構が収容された減速室と、チェーンが収容されたチェーン室と、減速室の上部に区画されるとともにチェーン室に連通させたブリーザ室と、を有し、チェーン室を区画するチェーンケースの側壁に設けられたブリーザパイプから減速室内の圧力を抜くことが可能なパワーユニットのブリーザ構造が知られている(例えば、特許文献1参照。)。また、ブリーザ室を区画する上壁に設けられたブリーザパイプから減速室内の圧力を抜くことが可能なパワーユニットのブリーザ構造も知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特公平7−35850号公報
特許文献1に記載されたパワーユニットのブリーザ構造のように、ブリーザ室やチェーン室を直接的にブリーザパイプに連通させた場合、車輪によって巻き上げられた粉塵がブリーザパイプからブリーザ室やチェーン室に進入してしまい減速ミッション機構やチェーンを損傷させる虞があった。
そこで、本発明は、粉塵がブリーザ室へ侵入することを効果的に防止可能なパワーユニットのブリーザ構造を提案する。
前記の課題を解決するため本発明に係るパワーユニットのブリーザ構造は、内燃機関の動力を伝達する無段変速装置が収容された変速室を区画する変速ケースと、前記変速ケースに組み合わされて前記無段変速装置の出力を伝達する減速ミッション機構が収容された減速室および前記減速室に連通されたブリーザ室を区画するミッションカバーと、前記変速室と前記ブリーザ室とを区画するとともに前記変速室と前記ブリーザ室とを連通させる貫通孔を有する隔壁と、を備え、前記無段変速装置は、前記減速ミッション機構へ出力を伝達するドリブン軸に回転一体に設けられた可動プーリ半体および固定プーリ半体を有するドリブンプーリを備え、前記貫通孔は、前記固定プーリ半体の反ベルト溝側面を臨むよう配置され、前記減速ミッション機構は、前記ドリブン軸に設けられた一次ドライブギヤと、中間軸に設けられて前記一次ドライブギヤに噛み合わされた一次ドリブンギヤと、前記中間軸に設けられた二次ドライブギヤと、後輪軸に設けられて前記二次ドライブギヤに噛み合わされた二次ドリブンギヤと、を備え、前記ブリーザ室は、前記ドリブン軸、前記中間軸および前記後輪軸の上方に配置され、前記貫通孔は、前記変速室側から見ると前記ドリブンプーリからVベルトが送り出される部分の近傍に配置されたことを特徴とする。
本発明によれば、粉塵がブリーザ室へ侵入することを効果的に防止可能なパワーユニットのブリーザ構造を提供できる。
本発明の実施形態に係るパワーユニットのブリーザ構造を備えたスクータ形の自動二輪車を示した左側面透視図。 本発明の実施形態に係るブリーザ構造を備えたパワーユニットを示した左側面図である。 本発明の実施形態に係るブリーザ構造を備えたパワーユニットを示した平面図。 本発明の実施形態に係るブリーザ構造を備えたパワーユニットを示した断面図。 本発明の実施形態に係るブリーザ構造を備えたパワーユニットを示した断面図。 本発明の実施形態に係るブリーザ構造を備えたパワーユニットを示した変速ケースの部分的な右側面図。 本発明の実施形態に係るブリーザ構造を備えたパワーユニットの変速ケース内を示した図。 本発明の実施形態に係るブリーザ構造を備えたパワーユニットのミッションカバーを示した図。 本発明の実施形態に係るブリーザ構造を備えたパワーユニットのドリブンプーリおよび貫通孔を示した概略的な断面図。
以下、本発明に係るパワーユニットのブリーザ構造の実施の形態について、図1から図9を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るパワーユニットのブリーザ構造を備えたスクータ形の自動二輪車を示した左側面透視図である。
なお、自動二輪車1の構造を説明するにあたり、図1中の実線矢Fを前方、図1中の実線矢Rを後方と定義する。左右に関しては、自動二輪車1のライダーが前方を見たとき、ライダーの左手側を自動二輪車1の左方、その反対側を自動二輪車1の右方と定義する。上下に関しては、ライダーの頭部側を自動二輪車1の上方、その反対側を自動二輪車1の下方と定義する。また、自動二輪車1を構成する各部の方向については自動二輪車1に準ずる。
図1に示すように、自動二輪車1は、鋼管製の車体フレーム3と、車体フレーム3に左右回動自在に軸支されたフロントフォーク4と、フロントフォーク4に軸支された前輪5と、車体フレーム3に上下揺動自在に軸支されたパワーユニット6と、パワーユニット6に軸支された後輪7と、パワーユニット6および後輪7の揺動を緩衝および復元させるショックアブソーバー8と、パワーユニット6の前上部に配置された吸気装置9と、パワーユニット6の後上部に配置されたエアクリーナー11と、車体フレーム3に設けられた着座シート12と、着座シート12によって閉塞された物品収納ボックス13と、物品収納ボックス13の後方に配置された燃料タンク15と、車体フレーム3を覆うフロントフレームカバー16およびリヤフレームカバー17と、を備える。
車体フレーム3は、前頭部に位置されたヘッドパイプ21と、ヘッドパイプ21から後下方に延ばされたダウンパイプ22と、ダウンパイプ22の後端付近から後斜め上方に延ばされた左右一対のリヤパイプ23と、ダウンパイプ22が下方に湾入された部分に配置されたステップフレーム24と、ダウンパイプ22とリヤパイプ23との接合部付近に設けられたエンジンブラケット25と、を備える。ヘッドパイプ21は、ハンドルバー27、ヘッドランプ28およびフロントフェンダー29を左右回動自在に軸支する。エンジンブラケット25は、リンク31を介してパワーユニット6に連結される。
パワーユニット6は、後輪7とともにリンク31の後端に架設されたピボット軸32回りに上下揺動して後輪7のスイングアームの役割を果たす。
ショックアブソーバー8はリヤパイプ23の後部とパワーユニット6の後部との間に連結される。
着座シート12は物品収納ボックス13の開口部を閉塞するようにその上方に設置される。着座シート12は前端のヒンジ部33を軸に後端を持ち上げることによって物品収納ボックス13の開口部を開く。
物品収納ボックス13は、上方に開口する有底箱形容器であり、リヤパイプ23の上部に設置される。
燃料タンク15は物品収納ボックス13の上縁から後方に延びるトレー部34を貫通して上方に臨む給油部35を備える。
フロントフレームカバー16は車体フレーム3の前部を覆う樹脂製のカバーである。
リヤフレームカバー17は車体フレーム3の後部を覆う樹脂製のカバーである。
また、自動二輪車1は、リヤフレームカバー17の後端に設けられたテールランプ36と、後輪7の上方に設けられたリヤフェンダー37と、ステップフレーム24の上部に配置された樹脂製のステップボード38と、を備える。
フロントフレームカバー16、リヤフレームカバー17およびステップボード38は連続的に繋がれる。
図2は、本発明の実施形態に係るブリーザ構造を備えたパワーユニットを示した左側面図である。図3は、本発明の実施形態に係るブリーザ構造を備えたパワーユニットを示した平面図である。
図4は、本発明の実施形態に係るブリーザ構造を備えたパワーユニットを示した図2のIV−IV線における断面図である。
図2から図4に示すように、自動二輪車1のパワーユニット6は、一体化させたエンジン41および変速ユニット42を備え、スクータ形の自動二輪車用としては一般的なレイアウトを持つものである。
エンジン41は、例えば強制空冷式の4サイクルエンジンであり、クランクケース43と、クランクケース43の前方に設けられ略水平に前傾させて配置された単気筒のシリンダーアッセンブリー44と、クランクケース43の左方に設けられ後方に延ばされた変速ユニット42と、クランクケース43の右方に設けられたジェネレータ45と、を備える。
クランクケース43は、左右に分割された左ケース半身47および右ケース半身48を組み合わせて構成される。クランクケース43は、車幅方向(左右方向)に沿う回転軸を有するクランク軸49を軸支する。クランク軸49の両端は、クランクケース43の左右それぞれに突出する。
シリンダーアッセンブリー44は、クランクケース43の前方に設けられたシリンダーブロック51と、シリンダーブロック51の前方に設けられたシリンダーヘッド52と、シリンダーヘッド52の前方に設けられたヘッドカバー53と、を備える。シリンダーブロック51はシリンダーボア55を区画する内周面を有し、シリンダーヘッド52はシリンダーボア55に整合する燃焼室56を区画する内周面を有する。
また、シリンダーアッセンブリー44は、シリンダーボア55の内部を往復動自在なピストン57と、ピストン57およびクランク軸49のクランクピン58に連結されたコネクティングロッド59と、シリンダーヘッド52に装着され燃焼室56を臨む点火プラグ60と、シリンダーヘッド52の内部に車幅方向(左右方向)に軸支されたカム軸61と、クランク軸49に設けられたカムドライブスプロケット62と、カム軸61に設けられたカムドリブンスプロケット63と、シリンダーブロック51およびシリンダーヘッド52を貫いてカムドライブスプロケット62とカムドリブンスプロケット63との間に巻掛けられた無端状のカムチェーン64と、を備える。
シリンダーアッセンブリー44は、コネクティングロッド59によってピストン57の往復運動をクランク軸49の回転運動に変換する。
カムドライブスプロケット62およびカムドリブンスプロケット63によって、クランク軸49の回転は1/2に減速されてカム軸61に伝達される。カム軸61の回転は、カム軸61に形成された吸気カム66および排気カム67とロッカーアーム68とを介して吸気バルブ(図示省略)および排気バルブ(図示省略)のそれぞれを所定のタイミングで開閉させる。
カムチェーン64はシリンダーブロック51、シリンダーヘッド52およびヘッドカバー53の左側方に区画されたカムチェーン室69に収容される。
変速ユニット42は、左ケース半身47の左方に設けられ後方に延ばされた変速ケース71と、変速ケース71の内部に収容されたベルト式変速装置72および減速ミッション機構73と、を備える。変速ケース71は左ケース半身47に一体に形成された変速ケース本体74と、変速ケース本体74の左側開口部を閉塞する変速ケースカバー75と、を備える。
また、変速ユニット42は、変速ケース本体74および変速ケースカバー75の後部に軸支されたドリブン軸77と、ドリブン軸77の後下方に配置させてミッションカバー97に軸支された中間軸78と、中間軸78の後上方に配置させて変速ケース本体74およびミッションカバー97に軸支された後輪軸79と、を備える。後輪軸79は、変速ケースカバー75の右側面から突出する。後輪軸79の突出部分には、後輪7が回転一体に取り付けられる。なお、クランク軸49は変速ユニット42のドライブ軸を兼ねている。
ベルト式変速装置72は、変速ケース71の内部に収容されており、変速ケース71の内部に延びたクランク軸49の左端部に回転一体に設けられたドライブプーリ81と、ドリブン軸77に設けられたドリブンプーリ82と、両プーリ81、82の間に巻掛けられて掛け渡された無端状のVベルト83と、ドリブンプーリ82の左側に並設された遠心クラッチ84と、を備える。ベルト式変速装置72は、ドライブプーリ81はクランク軸49の回転にともなう遠心力の増加によって有効径を拡大させ、他方、ドリブンプーリ82は有効径を縮小させことによってクランク軸49の回転を無段階に自動変速(増速)させてドリブン軸77に伝達する。
ドライブプーリ81は、互いに向かい合う固定プーリ半体86および可動プーリ半体87を備える。固定プーリ半体86および可動プーリ半体87の互いに向かい合う側面はベルト溝を形成する。
固定プーリ半体86は、鋼材を用いて形成されるとともにクランク軸49に固定される。他方、可動プーリ半体87は、固定プーリ半体86に対して遠近方向に移動可能である。また、可動プーリ半体87は、固定プーリ半体86に向かい合う側面を有する可動プーリハウジング88と、可動プーリハウジング88の左側に位置させてクランク軸49に固定された固定プレート89と、可動プーリハウジング88と固定プレート89との間に配置されたウェイトローラ90と、を備える。可動プーリハウジング88はクランク軸49の軸方向に移動可能に構成される。可動プーリ半体87は、クランク軸49の回転による遠心力によってウェイトローラ90を可動プーリハウジング88および固定プレート89の外周側へ移動させて可動プーリハウジング88を固定プーリ半体86に接近させる。
ドリブンプーリ82も、互いに向かい合う固定プーリ半体91および可動プーリ半体92を備える。固定プーリ半体91および可動プーリ半体92の互いに向かい合う側面はベルト溝を形成する。
固定プーリ半体91はドリブン軸77に軸方向相対移動を不能に固定される。他方、可動プーリ半体92は、固定プーリ半体91に対して遠近方向に移動可能である。
遠心クラッチ84はドリブンプーリ82の回転速度が所定の回転速度以上に達するとドリブン軸77とドリブンプーリ82とを回転一体に摩擦係合させる。
減速ミッション機構73は、ドリブン軸77の右端近傍に設けられた一次ドライブギヤ93と、中間軸78に設けられて一次ドライブギヤ93に噛み合わされた一次ドリブンギヤ94と、中間軸78に設けられた二次ドライブギヤ95と、後輪軸79に設けられて二次ドライブギヤ95に噛み合わされた二次ドリブンギヤ96と、を備える。これら4つのギヤ93、94、95、96は、変速ケース本体74の後部に装着されたミッションカバー97によって液密に隔離されて潤滑油に浸される。ミッションカバー97は、分割面P(図4)において変速ケース本体74に組み合わされる。
ジェネレータ45は、クランクケース43(右ケース半身48)に固定されたステータ98と、クランク軸49の右端部に回転一体に設けられたロータ99と、を備える。ジェネレータ45は、クランク軸49の回転によってロータ99をステータ98の周囲に周回させて発電する。
エンジン41は、シリンダーアッセンブリー44の作動によるクランク軸49の回転をドライブプーリ81、Vベルト83、ドリブンプーリ82、遠心クラッチ84を順次に経てドリブン軸77に伝達し、ドリブン軸77の回転を減速ミッション機構73によって減速させて後輪軸79および後輪7に伝達する。
また、エンジン41は、シリンダーアッセンブリー44の冷却風を発生させるエンジン冷却ファン101と、シリンダーアッセンブリー44およびクランクケース43の右側を覆う樹脂製の冷却カウリング102と、ベルト式変速装置72の冷却風を発生させる変速装置冷却ファン103(羽根車)と、を備える。
エンジン冷却ファン101は、クランク軸49の右端部、より詳しくはジェネレータ45のロータ99に固定されており、クランク軸49の回転にともなってロータ99とともに回転する。
冷却カウリング102は、エンジン冷却ファン101の右側に開口された冷却空気吸入口104と、シリンダーアッセンブリー44の下方に開口された冷却空気排出口(図示省略)とを有する。
変速装置冷却ファン103は、クランク軸49の左端部、より詳しくはドライブプーリ81の左側に並設されてクランク軸49に固定されており、クランク軸49の回転にともなってドライブプーリ81とともに回転する。
エンジン41は、エンジン冷却ファン101を回転させて冷却空気吸入口104から空気を吸入し、エンジン冷却ファン101から吐出される空気を冷却風として冷却カウリング102の内部空間を流動させてシリンダーアッセンブリー44を強制的に冷却し、温められた冷却風を冷却空気排出口から排出する。また、エンジン41は、変速装置冷却ファン103を回転させて変速ケースカバー75に開口された冷却空気吸入口106から空気を吸入し、変速装置冷却ファン103から吐出される空気を冷却風として変速ケース71の内部空間を流動させてベルト式変速装置72を冷却し、温められた冷却風を変速ケースカバー75に開口された冷却空気排出口107から排出する。
次に、パワーユニット6の減速ミッション機構73のブリーザ構造について説明する。
図5は、本発明の実施形態に係るブリーザ構造を備えたパワーユニットの減速ミッション機構を示した図2のV−V線における断面図である。
図6は、本発明の実施形態に係るブリーザ構造を備えたパワーユニットの変速ケースを示した部分的な右側面図である。丸
図7は、本発明の実施形態に係るブリーザ構造を備えたパワーユニットの変速ケース内を示した図である。
図8は、本発明の実施形態に係るブリーザ構造を備えたパワーユニットのミッションカバーを示した図である。
図5から図8に示すように、パワーユニット6の減速ミッション機構73のブリーザ構造は、エンジン41(内燃機関)の動力を伝達するベルト式変速装置72(無段変速装置)が収容された変速室111を区画する変速ケース71と、変速ケース71に組み合わされてベルト式変速装置72の出力を伝達する減速ミッション機構73が収容された減速室112および減速室112に連通されたブリーザ室113を区画するミッションカバー97と、変速室111とブリーザ室113とを区画するとともに変速室111とブリーザ室113とを連通させる貫通孔114を有する隔壁115と、を備える。
変速室111は、ベルト式変速装置72が収容されたドライな空間であり、ベルト式変速装置72のドライブプーリ81とともに回転する変速装置冷却ファン103によって冷却空気吸入口106から冷却空気排出口107へ冷却風が流動している。また、ベルト式変速装置72のドリブンプーリ82の周囲の雰囲気には、ドリブンプーリ82の回転にともなう気流(図7中、実線矢)が発生している。
減速室112は、減速ミッション機構73が収容されるとともに減速ミッション機構73の潤滑油が貯留されたウェットな空間である。
ブリーザ室113は、霧化した潤滑油や温められて膨張した減速室112内の空気を減速室112から抜き出すために減速室112の上方に配置させて区画される。また、ブリーザ室113は、霧化した潤滑油を凝縮して減速室112に戻す役目も果たす。
ミッションカバー97は、変速ケース71とともに減速室112およびブリーザ室113を区画する。具体的には、ミッションカバー97は、変速ケース71との分割面Pに交わる方向へ延ばされてミッションカバー97内の空間を減速室112とブリーザ室113とに分割する第1区画壁118と、第1区画壁118および分割面Pに交わる方向へ延ばされて減速室112内を複数の小部屋からなるラビリンス構造状に分割する第2区画壁119と、を備える(図5、図8)。なお、減速室112を区画するミッションカバー97の側壁121は、ドリブン軸77を軸支する軸受け溝123と、中間軸78を軸支する軸受け溝124と、後輪軸79を軸支する軸受け溝125と、を備える。
一方、変速ケース71は、ミッションカバー97の第1区画壁118に突き合わさるように形成された第1区画リブ127と、ミッションカバー97の第2区画壁119に突き合わさるように形成された第2区画リブ128と、を備える(図6)。
隔壁115は、変速ケース71を構成する壁の一部分であり、第1区画リブ127、第2区画リブ128および変速ケース71の外面に囲まれた部分である。隔壁115の貫通孔114は、ブリーザ室113から変速室111の向きへドリブンプーリ82の固定プーリ半体91の側面のうちベルト溝を形成する側面の反対側に位置する側面(以下、「反ベルト溝側面」と呼ぶ。)を臨むよう配置される。また、貫通孔114は、変速室111側から見ると、回転するドリブンプーリ82(図7中、実線矢Rの回転方向)のベルト溝からVベルト83が送り出される部分の近傍(換言すれば、ドリブンプーリ82とVベルト83との接触が解除される位相の近傍)に配置される。
そして、ブリーザ室113は、ミッションカバー97の第1区画壁118に形成された切り欠き131と、変速ケース71の第2区画リブ128に形成された切り欠き132と、隔壁115の貫通孔114と、を介して減速室112と変速室111とを連通させる。
図9は、本発明の実施形態に係るブリーザ構造を備えたパワーユニットのドリブンプーリおよび貫通孔を示した概略的な断面図である。
図9に示すように、パワーユニット6の減速ミッション機構73のブリーザ構造は、ドリブンプーリ82の回転にともない固定プーリ半体91の反ベルト溝側面に発生する気流(固定プーリ半体91の反ベルト溝側面91aをその回転方向に沿って発生する気流、図9中、実線矢)を、貫通孔114の変速室111側の開口114aの近傍に横切らせることによって、変速室111内の粉塵が貫通孔114に入り込まないよう誘導し、変速室111からブリーザ室113および減速室112への粉塵の侵入を確実に防止できる。
また、パワーユニット6の減速ミッション機構73のブリーザ構造は、ブリーザ室113から変速室111へ排出される気体が仮に微量の潤滑油を含んでいたとしても、固定プーリ半体91の反ベルト溝側面91aに発生する気流によって貫通孔114から排出された気体を速やかに拡散させてVベルト83への潤滑油の付着を確実に防ぐことができる。
さらに、パワーユニット6の減速ミッション機構73のブリーザ構造は、従来のブリーザ構造のように気体を導くホースや、ホースを固定するブラケット、ホースを接続させるユニオンなどの部材を必要とせず、部品点数および加工工数を低減させて低コスト化を図ることもできる。
さらにまた、パワーユニット6の減速ミッション機構73のブリーザ構造は、従来のブリーザ構造に比べて部品点数をできることから、それら部品を配置する空間が不要となり省スペース化を図ることが可能であり、ひいては軽量化にともない自動二輪車1全体の高効率化(低燃費化)を図ることもできる。
したがって、本実施形態に係るパワーユニット6のブリーザ構造によれば、粉塵がブリーザ室113へ侵入することを効果的に防止できる。
1 自動二輪車
3 車体フレーム
4 フロントフォーク
5 前輪
6 パワーユニット
7 後輪
8 ショックアブソーバー
9 吸気装置
11 エアクリーナー
12 着座シート
13 物品収納ボックス
15 燃料タンク
16 フロントフレームカバー
17 リヤフレームカバー
21 ヘッドパイプ
22 ダウンパイプ
23 リヤパイプ
24 ステップフレーム
25 エンジンブラケット
27 ハンドルバー
28 ヘッドランプ
29 フロントフェンダー
31 リンク
32 ピボット軸
33 ヒンジ部
34 トレー部
35 給油部
36 テールランプ
37 リヤフェンダー
38 ステップボード
41 エンジン
42 変速ユニット
43 クランクケース
44 シリンダーアッセンブリー
45 ジェネレータ
47 左ケース半身
48 右ケース半身
49 クランク軸
51 シリンダーブロック
52 シリンダーヘッド
53 ヘッドカバー
55 シリンダーボア
56 燃焼室
57 ピストン
58 クランクピン
59 コネクティングロッド
60 点火プラグ
61 カム軸
62 カムドライブスプロケット
63 カムドリブンスプロケット
66 吸気カム
67 排気カム
68 ロッカーアーム
64 カムチェーン
69 カムチェーン室
71 変速ケース
72 ベルト式変速装置
73 減速ミッション機構
74 変速ケース本体
75 変速ケースカバー
77 ドリブン軸
78 中間軸
79 後輪軸
81 ドライブプーリ
82 ドリブンプーリ
83 Vベルト
84 遠心クラッチ
86 固定プーリ半体
86a スタータリングギヤ
87 可動プーリ半体
88 可動プーリハウジング
89 固定プレート
90 ウェイトローラ
91 固定プーリ半体
91a 反ベルト溝側面
92 可動プーリ半体
93 一次ドライブギヤ
94 一次ドリブンギヤ
95 二次ドライブギヤ
96 二次ドリブンギヤ
97 ミッションカバー
98 ステータ
99 ロータ
101 エンジン冷却ファン
102 冷却カウリング
103 変速装置冷却ファン
105 変速装置冷却ファン
104 冷却空気吸入口
106 冷却空気吸入口
107 冷却空気排出口
111 変速室
112 減速室
113 ブリーザ室
114 貫通孔
114a 開口
115 隔壁
118 第1区画壁
119 第2区画壁
121 側壁
123 軸受け溝
124 軸受け溝
125 軸受け溝
127 第1区画リブ
128 第2区画リブ
131、132 切り欠き

Claims (2)

  1. 内燃機関の動力を伝達する無段変速装置が収容された変速室を区画する変速ケースと、
    前記変速ケースに組み合わされて前記無段変速装置の出力を伝達する減速ミッション機構が収容された減速室および前記減速室に連通されたブリーザ室を区画するミッションカバーと、
    前記変速室と前記ブリーザ室とを区画するとともに前記変速室と前記ブリーザ室とを連通させる貫通孔を有する隔壁と、を備え
    前記無段変速装置は、前記減速ミッション機構へ出力を伝達するドリブン軸に回転一体に設けられた可動プーリ半体および固定プーリ半体を有するドリブンプーリを備え、
    前記貫通孔は、前記固定プーリ半体の反ベルト溝側面を臨むよう配置され、
    前記減速ミッション機構は、前記ドリブン軸に設けられた一次ドライブギヤと、中間軸に設けられて前記一次ドライブギヤに噛み合わされた一次ドリブンギヤと、前記中間軸に設けられた二次ドライブギヤと、後輪軸に設けられて前記二次ドライブギヤに噛み合わされた二次ドリブンギヤと、を備え、
    前記ブリーザ室は、前記ドリブン軸、前記中間軸および前記後輪軸の上方に配置され、
    前記貫通孔は、前記変速室側から見ると前記ドリブンプーリからVベルトが送り出される部分の近傍に配置されたことを特徴とするパワーユニットのブリーザ構造。
  2. 前記貫通孔は、後方へ順に並ぶ前記ドリブン軸、前記中間軸および前記後輪軸のうち、前記中間軸の上方に配置される請求項1に記載のパワーユニットのブリーザ構造。
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