JP4748272B1 - 自動二輪車のクランクケース構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】カムチェーン室の液密を保つオイルシールの圧入口を損傷させる可能性が極めて低く、かつカムチェーンを容易に着脱できるとともにオイルシールの交換作業に掛かる作業性をも向上可能な自動二輪車のクランクケース構造を提案する。
【解決手段】自動二輪車1のクランクケース構造は、カムチェーン64が収容されたカムチェーン室69とベルト式変速装置72が収容された変速室111とを連通させる開口112を有する区画壁113と、開口112を介してカムチェーン室69から変速室111へ延びたクランク軸49と、クランク軸49を挿通可能な孔部114を有し開口112を覆う蓋部材116と、区画壁113と蓋部材116との間に挟持されてカムチェーン室69と変速室111との間を液密に区画するシールリング118と、孔部114に設けられてクランク軸49の外周面に摺接されたオイルシール119と、を備える。
【選択図】 図5

Description

本発明は、自動二輪車のクランクケース構造に関する。
例えばスクータ形の自動二輪車は、エンジン、無段変速装置および減速ミッション機構を有するパワーユニットを備える。このパワーユニットは、エンジンから無段変速装置、減速ミッション機構の順に動力を伝えて駆動輪を駆動させる。
無段変速装置は、エンジンのクランクシャフトに回転一体に設けられたドライブプーリと、駆動輪へトルクを伝達するドリブンシャフトに回転一体に設けられたドリブンプーリと、ドライブプーリとドリブンプーリとの間に無端状に巻き掛けられたベルトと、を備え、ベルトと各プーリとの間の摩擦力によってドライブプーリのトルクをドリブンプーリに伝える。また、無段変速装置は、エンジンのクランクケースに一体に設けられた変速ケースに収容される。ベルトと各プーリとの間の摩擦力によって駆動力を伝達する無段変速装置を正常に機能させるために、変速ケースとクランクケースとの間における潤滑油のシール性は十分に確保される必要がある。
一方、エンジンは、吸気弁および排気弁を駆動させるためにクランクシャフトから動弁機構に動力を伝達するカムチェーンを備える。このカムチェーンは、クランクケース、シリンダおよびシリンダヘッドに亘って区画されたカムチェーン室に収容される。
そして、エンジンの小型化や、シリンダおよびシリンダヘッドの周囲の冷却効率の観点から、シリンダと無段変速装置との間に区画されたカムチェーン室を備えた自動二輪車のクランクケース構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。このクランクケース構造のように、シリンダと無段変速装置との間に区画されたカムチェーン室にカムチェーンを配置した場合、カムチェーンの組み付けや保守における作業性に問題がある。そこで、特許文献1に記載のクランクケース構造は、クランクケースと変速ケースとの間の液密を保つオイルシールの外径を適宜に大きく設定してオイルシールの圧入口の口径を広げて作業性を向上させている。
特開平9−144599号公報
クランクケースと変速ケースとの間の液密を保つオイルシールを圧入口から取り外してカムチェーンの保守を行うような自動二輪車のクランクケース構造は、カムチェーンの取り外し作業および取り付け作業に際して圧入口を傷付けてしまう虞がある。圧入口に傷が付けば、クランクケース内に満たされた潤滑油がカムチェーン室から変速ケース内に漏れ出してしまう。
また、圧入口のオイルシールを着脱する作業は非常に作業性が悪く、市場における保守性の観点から望ましくない。
そこで、本発明は、カムチェーン室の液密を保つオイルシールの圧入口を損傷させる可能性が極めて低く、かつカムチェーンを容易に着脱できるとともにオイルシールの交換作業に掛かる作業性をも向上可能な自動二輪車のクランクケース構造を提案する。
前記の課題を解決するため本発明に係る自動二輪車のクランクケース構造は、カムチェーンが収容されたカムチェーン室と無段変速装置が収容された変速室とを連通させる開口を有する区画壁と、前記開口を介して前記カムチェーン室から前記変速室へ延びたクランクシャフトと、前記クランクシャフトを挿通可能な孔を有し前記開口を覆う蓋部材と、前記区画壁と前記蓋部材との間に挟持されて前記カムチェーン室と前記変速室との間を液密に区画するシールリングと、前記孔に設けられて前記クランクシャフトの外周面に摺接された軸シールと、前記無段変速装置の一部であり前記クランクシャフトに設けられた可動プーリ半体を有するドライブプーリと、前記クランクシャフトの回転軸方向視において前記可動プーリ半体よりも径方向外側に配置されて前記区画壁に前記蓋部材を固定する締結部材と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、カムチェーン室の液密を保つオイルシールの圧入口を損傷させる可能性が極めて低く、かつカムチェーンを容易に着脱できるとともにオイルシールの交換作業に掛かる作業性をも向上可能な自動二輪車のクランクケース構造を提供できる。
本発明の実施形態に係る自動二輪車のクランクケース構造を備えたスクータ形の自動二輪車を示した左側面透視図。 本発明の実施形態に係る自動二輪車のクランクケース構造を備えたパワーユニットを示した左側面図。 本発明の実施形態に係る自動二輪車のクランクケース構造を備えたパワーユニットを示した平面図。 本発明の実施形態に係る自動二輪車のクランクケース構造を備えたパワーユニットを示した図2のIV−IV線における断面図。 本発明の実施形態に係る自動二輪車のクランクケース構造を備えたパワーユニットを示した部分的な平断面図。 本発明の実施形態に係る自動二輪車のクランクケース構造の要部を示した図。 本発明の実施形態に係る自動二輪車のクランクケース構造の要部を示した図。 本発明の実施形態に係る自動二輪車のクランクケース構造の要部を示した図。
以下、本発明に係る自動二輪車のクランクケース構造の実施の形態について、図1から図8を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る自動二輪車のクランクケース構造を備えたスクータ形の自動二輪車を示した左側面透視図である。
なお、自動二輪車1の構造を説明するにあたり、図1中の実線矢Fを前方、図1中の実線矢Rを後方と定義する。左右に関しては、自動二輪車1のライダーが前方を見たとき、ライダーの左手側を自動二輪車1の左方、その反対側を自動二輪車1の右方と定義する。上下に関しては、ライダーの頭部側を自動二輪車1の上方、その反対側を自動二輪車1の下方と定義する。また、自動二輪車1を構成する各部の方向については自動二輪車1に準ずる。
図1に示すように、自動二輪車1は、鋼管製の車体フレーム3と、車体フレーム3に左右回動自在に軸支されたフロントフォーク4と、フロントフォーク4に軸支された前輪5と、車体フレーム3に上下揺動自在に軸支されたパワーユニット6と、パワーユニット6に軸支された後輪7と、パワーユニット6および後輪7の揺動を緩衝および復元させるショックアブソーバー8と、パワーユニット6の前上部に配置された吸気装置9と、パワーユニット6の後上部に配置されたエアクリーナー11と、車体フレーム3に設けられた着座シート12と、着座シート12によって閉塞された物品収納ボックス13と、物品収納ボックス13の後方に配置された燃料タンク15と、車体フレーム3を覆うフロントフレームカバー16およびリヤフレームカバー17と、を備える。
車体フレーム3は、前頭部に位置されたヘッドパイプ21と、ヘッドパイプ21から後下方に延ばされたダウンパイプ22と、ダウンパイプ22の後端付近から後斜め上方に延ばされた左右一対のリヤパイプ23と、ダウンパイプ22が下方に湾入された部分に配置されたステップフレーム24と、ダウンパイプ22とリヤパイプ23との接合部付近に設けられたエンジンブラケット25と、を備える。ヘッドパイプ21は、ハンドルバー27、ヘッドランプ28およびフロントフェンダー29を左右回動自在に軸支する。エンジンブラケット25は、リンク31を介してパワーユニット6に連結される。
パワーユニット6は、後輪7とともにリンク31の後端に架設されたピボット軸32回りに上下揺動して後輪7のスイングアームの役割を果たす。
ショックアブソーバー8はリヤパイプ23の後部とパワーユニット6の後部との間に連結される。
着座シート12は物品収納ボックス13の開口部を閉塞するようにその上方に設置される。着座シート12は前端のヒンジ部33を軸に後端を持ち上げることによって物品収納ボックス13の開口部を開く。
物品収納ボックス13は、上方に開口する有底箱形容器であり、リヤパイプ23の上部に設置される。
燃料タンク15は物品収納ボックス13の上縁から後方に延びるトレー部34を貫通して上方に臨む給油部35を備える。
フロントフレームカバー16は車体フレーム3の前部を覆う樹脂製のカバーである。
リヤフレームカバー17は車体フレーム3の後部を覆う樹脂製のカバーである。
また、自動二輪車1は、リヤフレームカバー17の後端に設けられたテールランプ36と、後輪7の上方に設けられたリヤフェンダー37と、ステップフレーム24の上部に配置された樹脂製のステップボード38と、を備える。
フロントフレームカバー16、リヤフレームカバー17およびステップボード38は連続的に繋がれる。
図2は、本発明の実施形態に係る自動二輪車のクランクケース構造を備えたパワーユニットを示した左側面図である。図3は、本発明の実施形態に係る自動二輪車のクランクケース構造を備えたパワーユニットを示した平面図である。
図4は、本発明の実施形態に係る自動二輪車のクランクケース構造を備えたパワーユニットを示した図2のIV−IV線における断面図である。
図2から図4に示すように、自動二輪車1のパワーユニット6は、一体化させたエンジン41および変速ユニット42を備え、スクータ形の自動二輪車用としては一般的なレイアウトを持つものである。
エンジン41は、例えば強制空冷式の4サイクルエンジンであり、クランクケース43と、クランクケース43の前方に設けられ略水平に前傾させて配置された単気筒のシリンダーアッセンブリー44と、クランクケース43の左方に設けられ後方に延ばされた変速ユニット42と、クランクケース43の右方に設けられたジェネレータ45と、を備える。
クランクケース43は、左右に分割された左ケース半身47および右ケース半身48を組み合わせて構成される。クランクケース43は、車幅方向(左右方向)に沿う回転軸を有するクランク軸49を軸支する。クランク軸49の両端は、クランクケース43の左右それぞれに突出する。
シリンダーアッセンブリー44は、クランクケース43の前方に設けられたシリンダーブロック51と、シリンダーブロック51の前方に設けられたシリンダーヘッド52と、シリンダーヘッド52の前方に設けられたヘッドカバー53と、を備える。シリンダーブロック51はシリンダーボア55を区画する内周面を有し、シリンダーヘッド52はシリンダーボア55に整合する燃焼室56を区画する内周面を有する。
また、シリンダーアッセンブリー44は、シリンダーボア55の内部を往復動自在なピストン57と、ピストン57およびクランク軸49のクランクピン58に連結されたコネクティングロッド59と、シリンダーヘッド52に装着され燃焼室56を臨む点火プラグ60と、シリンダーヘッド52の内部に車幅方向(左右方向)に軸支されたカム軸61と、クランク軸49に設けられたカムドライブスプロケット62と、カム軸61にモウケラレタカムドリブンスプロケット63と、シリンダーブロック51およびシリンダーヘッド52を貫いてカムドライブスプロケット62とカムドリブンスプロケット63との間に巻掛けられた無端状のカムチェーン64と、を備える。
シリンダーアッセンブリー44は、コネクティングロッド59によってピストン57の往復運動をクランク軸49の回転運動に変換する。
カムドライブスプロケット62およびカムドリブンスプロケット63によって、クランク軸49の回転は1/2に減速されてカム軸61に伝達される。カム軸61の回転は、カム軸61に形成された吸気カム66および排気カム67とロッカーアーム68とを介して吸気バルブ(図示省略)および排気バルブ(図示省略)のそれぞれを所定のタイミングで開閉させる。
カムチェーン64はシリンダーブロック51、シリンダーヘッド52およびヘッドカバー53の左側方に区画されたカムチェーン室69に収容される。
変速ユニット42は、左ケース半身47の左方に設けられ後方に延ばされた変速ケース71と、変速ケース71の内部に収容されたベルト式変速装置72および減速ミッション機構73と、を備える。変速ケース71は左ケース半身47に一体に形成された変速ケース本体74と、変速ケース本体74の左側開口部を閉塞する変速ケースカバー75と、を備える。
また、変速ユニット42は、変速ケース本体74および変速ケースカバー75の後部に軸支されたドリブン軸77と、ドリブン軸77の後下方に配置させてミッションカバー97に軸支された中間軸78と、中間軸78の後上方に配置させて変速ケース本体74およびミッションカバー97に軸支された後輪軸79と、を備える。後輪軸79は、ミッションカバー97の右側面から突出する。後輪軸79の突出部分は、後輪7に回転一体に固定される。なお、クランク軸49は変速ユニット42のドライブ軸を兼ねている。
ベルト式変速装置72は、変速ケース71の内部に収容されており、変速ケース71の内部に延びたクランク軸49の左端部に回転一体に設けられたドライブプーリ81と、ドリブン軸77に設けられたドリブンプーリ82と、両プーリ81、82の間に巻掛けられて掛け渡された無端状のVベルト83と、ドリブンプーリ82の左側に並設された遠心クラッチ84と、を備える。ベルト式変速装置72は、ドライブプーリ81はクランク軸49の回転にともなう遠心力の増加によって有効径を拡大させ、他方、ドリブンプーリ82は有効径を縮小させことによってクランク軸49の回転を無段階に自動変速(増速)させてドリブン軸77に伝達する。
ドライブプーリ81は、互いに向かい合う固定プーリ半体86および可動プーリ半体87を備える。固定プーリ半体86および可動プーリ半体87の互いに向かい合う側面はベルト溝を形成する。
固定プーリ半体86は、鋼材を用いて形成されるとともにクランク軸49に固定される。他方、可動プーリ半体87は、固定プーリ半体86に対して遠近方向に移動可能である。また、可動プーリ半体87は、固定プーリ半体86に向かい合う側面を有する可動プーリハウジング88と、可動プーリハウジング88の右側に位置させてクランク軸49に固定された固定プレート89と、可動プーリハウジング88と固定プレート89との間に配置されたウェイトローラ90と、を備える。可動プーリハウジング88はクランク軸49の軸方向に移動可能に構成される。可動プーリ半体87は、クランク軸49の回転による遠心力によってウェイトローラ90を可動プーリハウジング88および固定プレート89の外周側へ移動させて可動プーリハウジング88を固定プーリ半体86に接近させる。
ドリブンプーリ82も、互いに向かい合う固定プーリ半体91および可動プーリ半体92を備える。固定プーリ半体91および可動プーリ半体92の互いに向かい合う側面はベルト溝を形成する。
固定プーリ半体91はドリブン軸77に固定される。他方、可動プーリ半体92は、固定プーリ半体91に対して遠近方向に移動可能である。
遠心クラッチ84はドリブンプーリ82の回転速度が所定の回転速度以上に達するとドリブン軸77とドリブンプーリ82とを回転一体に摩擦係合させる。
減速ミッション機構73は、ドリブン軸77の右端近傍に設けられた一次ドライブギヤ93と、中間軸78に設けられて一次ドライブギヤ93に噛み合わされた一次ドリブンギヤ94と、中間軸78に設けられた二次ドライブギヤ95と、後輪軸79に設けられて二次ドライブギヤ95に噛み合わされた二次ドリブンギヤ96と、を備える。これら4つのギヤ93、94、95、96は、変速ケース本体74の後部に装着されたミッションカバー97によって液密に隔離されて潤滑油に浸される。
ジェネレータ45は、クランクケース43(右ケース半身48)に固定されたステータ98と、クランク軸49の右端部に回転一体に設けられたロータ99と、を備える。ジェネレータ45は、クランク軸49の回転によってロータ99をステータ98の周囲に周回させて発電する。
エンジン41は、シリンダーアッセンブリー44の作動によるクランク軸49の回転をドライブプーリ81、Vベルト83、ドリブンプーリ82、遠心クラッチ84を順次に経てドリブン軸77に伝達し、ドリブン軸77の回転を減速ミッション機構73によって減速させて後輪軸79および後輪7に伝達する。
また、エンジン41は、シリンダーアッセンブリー44の冷却風を発生させるエンジン冷却ファン101と、シリンダーアッセンブリー44およびクランクケース43の右側を覆う樹脂製の冷却カウリング102と、ベルト式変速装置72の冷却風を発生させる変速装置冷却ファン103(羽根車)と、を備える。
エンジン冷却ファン101は、クランク軸49の右端部、より詳しくはジェネレータ45のロータ99に固定されており、クランク軸49の回転にともなってロータ99とともに回転する。
冷却カウリング102は、エンジン冷却ファン101の右側に開口された冷却空気吸入口104と、シリンダーアッセンブリー44の下方に開口された冷却空気排出口(図示省略)とを有する。
変速装置冷却ファン103は、クランク軸49の左端部、より詳しくはドライブプーリ81の左側に並設されてクランク軸49に固定されており、クランク軸49の回転にともなってドライブプーリ81とともに回転する。
エンジン41は、エンジン冷却ファン101を回転させて冷却空気吸入口104から空気を吸入し、エンジン冷却ファン101から吐出される空気を冷却風として冷却カウリング102の内部空間を流動させてシリンダーアッセンブリー44を強制的に冷却し、温められた冷却風を冷却空気排出口から排出する。また、エンジン41は、変速装置冷却ファン103を回転させて変速ケースカバー75に開口された冷却空気吸入口106から空気を吸入し、変速装置冷却ファン103から吐出される空気を冷却風として変速ケース71の内部空間を流動させてベルト式変速装置72を冷却し、温められた冷却風を変速ケースカバー75に開口された冷却空気排出口107から排出する。
図5は、本発明の実施形態に係る自動二輪車のクランクケース構造を備えたパワーユニットを示した部分的な平断面図である。
図5に示すように、クランクケース43は、カムチェーン64が収容されたカムチェーン室69とベルト式変速装置72(無段変速装置)が収容された変速室111とを連通させる開口112を有する区画壁113と、開口112を介してカムチェーン室69から変速室111へ延びたクランク軸49と、クランク軸49を挿通可能な孔部114を有し開口112を覆う蓋部材116と、区画壁113と蓋部材116との間に挟持されてカムチェーン室69と変速室111との間を液密に区画するシールリング118と、孔部114に設けられてクランク軸49の外周面に摺接されたオイルシール119(軸シール)と、を備える。
変速室111は変速ケース71によって区画されベルト式変速装置72が収容された空間である。
区画壁113は、クランクケース43(より詳しくは左ケース半身47)と変速ケース本体74との間で共有された隔壁であり、一方側の面をカムチェーン室69に曝し、他方側の面を変速室111に曝す。区画壁113の開口112は、カムチェーン室69からカムチェーン64を取り出すときおよびカムチェーン室69へカムチェーン64を導入するときに用いられるメンテナンスホールである。開口112の変速室111側の周縁部は、シールリング118を当接可能なシール面121である。
蓋部材116は、アルミニウム合金の鋳造品や鋼材を成形したものであり、開口112を覆うとともに開口112の周縁のシール面121に重なる。また、蓋部材116はシール面121に重なる部分、すなわちその外周縁近傍部にシールリング118を保持および位置決めするシール溝122を有する。さらに、蓋部材116の孔部114はオイルシール119が圧入された圧入口であり、オイルシール119の外径よりも若干小さな内径を有し圧入されたオイルシール119を保持する。
シールリング118はゴム製や金属製のOリングやシートガスケットなどのガスケットを用いて構成される。
オイルシール119は、クランク軸49の軸径に対応させて潤滑油の液密を保つとともにクランク軸49の回転を許容する内径と、蓋部材116の孔部114に圧入される外径と、を有する環状体の軸シールである。
図6および図7は、本発明の実施形態に係る自動二輪車のクランクケース構造の要部を示した図である。なお、図6はベルト式変速装置を省略して示した図である。また、図7はベルト式変速装置および蓋部材を省略して示した図である。
図6および図7に示すように、クランクケース43(より詳しくは左ケース半身47)のカムチェーン室69と変速ケース本体74の変速室111とを隔てる区画壁113の開口112およびその蓋部材116は、左ケース半身47および変速ケース本体74の形状に対応させて形成される。具体的には、開口112および蓋部材116は、単にクランク軸49およびオイルシール119に同心な円形状のみならず、円弧の一部が除去された弦縁部112a、116aを有する形状に形成しても良い。なお、開口112および蓋部材116の弦縁部112a、116aは、変速ケース本体74に設けられてエンジン41を始動させるスタータモータ124を設置する空間を確保する。
また、蓋部材116は、区画壁113に形成されたボルト穴125に螺着可能なボルトなどの締結部材126によって固定される。開口112および蓋部材116の弦縁部112a、116aは、締結部材126による区画壁113と蓋部材116との面圧が所要に保たれてオイルシール119の液密が可能な範囲で自由な形状を設定できる。
すなわち、開口112および蓋部材116は、変速ケース本体74に包絡可能な範囲で可能な限り大きく形成することができる。他方、蓋部材116の孔部114に圧入されたオイルシール119は、開口112および蓋部材116の大きさとは無関係にそのシール性を考慮しつつ適宜の内径および外径を設定できる。
一方、区画壁113はボルト穴125の周縁から突出させて設けられた筒状のノックピン127を備える。ノックピン127は、中空部分に締結部材126が挿通される。他方、蓋部材116はノックピン127を挿入可能な位置決め孔129を有する。区画壁113と蓋部材116とはノックピン127と位置決め孔129によって蓋部材116に設けられたオイルシール119とクランク軸49との同軸度を保証する。
クランクケース43(より詳しくは左ケース半身47)はカムチェーン室69下端近傍に位置させたドレン孔131を有する。ドレン孔131は、カムチェーン室69とクランク室とを連通させる細孔であり、カムチェーン64を潤滑し終えた潤滑油をカムチェーン室69からクランク室へ排出する際に用いられる。ドレン孔131は、開口112が極力大きく形成されるので、カムチェーン室69からクランク室へ潤滑油を確実に排出できる。
図8は、本発明の実施形態に係る自動二輪車のクランクケース構造の要部を示した図である。
図8に示すように、クランクケース43(より詳しくは左ケース半身47)のカムチェーン室69と変速ケース本体74の変速室111とを隔てる区画壁113に蓋部材116を締結する締結部材126は、クランク軸49の回転軸方向視においてドライブプーリ81の可動プーリ半体87よりも径方向外側に配置される。また、締結部材126は、変速ケース71(より詳しくは変速ケース本体74)の内周縁近傍に配置される。
自動二輪車1のクランクケース構造は、締結部材126をドライブプーリ81の可動プーリ半体87よりも径方向外側に配置することによって、ボルトヘッド126aと可動プーリ半体87とのクランク軸49の回転軸方向における重なりを防ぎ、クランク軸49の車幅方向長さを抑制し、ひいてはパワーユニット6の小型化を可能にする。
このように構成された自動二輪車1のクランクケース構造は、次のようにしてカムチェーン室69内のカムチェーン64の着脱を可能にする。すなわち、カムチェーン室69からカムチェーン64を取り出すときおよびカムチェーン室69へカムチェーン64を導入するときに、先ず締結部材126がボルト穴から抜き取られ、次いで蓋部材116、シールリング118およびオイルシール119が一体的にクランク軸49の回転軸方向へ移動させられて区画壁113から取り外される。そうすると、区画壁113の開口112は開放されてカムチェーン64の取り外し、取り付けが可能になる。
自動二輪車1のクランクケース構造によれば、クランクケース43(より詳しくは左ケース半身47)と変速ケース71(より詳しくは変速ケース本体74)の形状や始動装置など他の装備品による空間的な制約の中でカムチェーン室69のメンテナンスホールである開口112を極力大きく開口できる。
また、自動二輪車1のクランクケース構造によれば、蓋部材116の孔部114に圧入されたオイルシール119と蓋部材116のシール溝122に配置されたシールリング118によって、メンテナンスホールである開口112および蓋部材116を円形状に形成する必要がなくなり形状選定の自由度が高まる。
これらよって、カムチェーン室69からカムチェーン64を取り出し易くなるとともに、カムチェーン室69へカムチェーン64を導入してカムドライブスプロケット62に巻き掛け易くなり、カムチェーン64の保守性は極めて向上する。
さらに、自動二輪車1のクランクケース構造によれば、カムチェーン室69からカムチェーン64を取り出しまたは導入するとき、カムチェーン64によって蓋部材116の孔部114を損傷させることが無い。また、カムチェーン室69からカムチェーン64を取り出しまたは導入するとき、開口112の開口縁にカムチェーン64が接触することがあってもクランク軸49の外周面および区画壁113のシール面121に接触する虞が極めて低い。さらに、開口112が十分な広さを有するので、クランク軸49の外周面および区画壁113のシール面121を確実に養生してそれぞれの部分の損傷を回避できる。これによって、オイルシール119およびシールリング118によってシールされる部分の損傷を確実に回避し、変速室111とカムチェーン室69との間の液密を確実に保つことができる。
さらにまた、自動二輪車1のクランクケース構造によれば、オイルシール119を蓋部材116の孔部114に圧入しているので、開口を貫通しているクランク軸にオイルシールを通して区画壁に圧入する従来の構造と比較してオイルシール119の取り付けに係る作業が極めて容易になり、圧入性の向上や、圧入寸法の目視確認ができるとともに、斜め圧入などの圧入ミスも発生し難くなる。市場におけるカムチェーン64の取り外しおよび導入においても直接的にオイルシール119を取り外す必要が無くなり、オイルシール119および蓋部材116を一体的に容易に着脱できる。また、蓋部材116と区画壁113との位置決めも容易になるのでオイルシール119を交換することなく再利用することができる。
したがって、本実施形態に係る自動二輪車1のクランクケース構造によれば、カムチェーン室69の液密を保つオイルシール119の圧入する孔部114を損傷させる可能性が極めて低く、かつカムチェーン64を容易に着脱できるとともにオイルシール119の交換作業に掛かる作業性をも向上できる。
1 自動二輪車
3 車体フレーム
4 フロントフォーク
5 前輪
6 パワーユニット
7 後輪
8 ショックアブソーバー
9 吸気装置
11 エアクリーナー
12 着座シート
13 物品収納ボックス
15 燃料タンク
16 フロントフレームカバー
17 リヤフレームカバー
21 ヘッドパイプ
22 ダウンパイプ
23 リヤパイプ
24 ステップフレーム
25 エンジンブラケット
27 ハンドルバー
28 ヘッドランプ
29 フロントフェンダー
31 リンク
32 ピボット軸
33 ヒンジ部
34 トレー部
35 給油部
36 テールランプ
37 リヤフェンダー
38 ステップボード
41 エンジン
42 変速ユニット
43 クランクケース
43a 天井壁
44 シリンダーアッセンブリー
45 ジェネレータ
47 左ケース半身
48 右ケース半身
49 クランク軸
51 シリンダーブロック
52 シリンダーヘッド
53 ヘッドカバー
55 シリンダーボア
56 燃焼室
57 ピストン
58 クランクピン
59 コネクティングロッド
60 点火プラグ
61 カム軸
62 カムドライブスプロケット
63 カムドリブンスプロケット
66 吸気カム
67 排気カム
68 ロッカーアーム
64 カムチェーン
69 カムチェーン室
71 変速ケース
72 ベルト式変速装置
73 減速ミッション機構
74 変速ケース本体
75 変速ケースカバー
77 ドリブン軸
78 中間軸
79 後輪軸
81 ドライブプーリ
82 ドリブンプーリ
83 Vベルト
84 遠心クラッチ
86 固定プーリ半体
86a スタータリングギヤ
87 可動プーリ半体
88 可動プーリハウジング
89 固定プレート
90 ウェイトローラ
91 固定プーリ半体
91a 反ベルト溝側面
92 可動プーリ半体
93 一次ドライブギヤ
94 一次ドリブンギヤ
95 二次ドライブギヤ
96 二次ドリブンギヤ
97 ミッションカバー
98 ステータ
99 ロータ
99a 外周面
99b 突起
101 エンジン冷却ファン
102 冷却カウリング
103 変速装置冷却ファン
105 変速装置冷却ファン
104 冷却空気吸入口
106 冷却空気吸入口
107 冷却空気排出口
111 変速室
112 開口
112a 弦縁部
113 区画壁
114 孔部
116 蓋部材
116a 弦縁部
118 シールリング
119 オイルシール
121 シール面
122 シール溝
124 スタータモータ
125 ボルト穴
126 締結部材
126a ボルトヘッド
127 ノックピン
129 位置決め孔
131 ドレン孔

Claims (3)

  1. カムチェーンが収容されたカムチェーン室と無段変速装置が収容された変速室とを連通させる開口を有する区画壁と、
    前記開口を介して前記カムチェーン室から前記変速室へ延びたクランクシャフトと、
    前記クランクシャフトを挿通可能な孔を有し前記開口を覆う蓋部材と、
    前記区画壁と前記蓋部材との間に挟持されて前記カムチェーン室と前記変速室との間を液密に区画するシールリングと、
    前記孔に設けられて前記クランクシャフトの外周面に摺接された軸シールと、
    前記無段変速装置の一部であり前記クランクシャフトに設けられた可動プーリ半体を有するドライブプーリと、
    前記クランクシャフトの回転軸方向視において前記可動プーリ半体よりも径方向外側に配置されて前記区画壁に前記蓋部材を固定する締結部材と、を備えたことを特徴とする自動二輪車のクランクケース構造。
  2. 前記締結部材は前記変速室を区画する変速ケースの内周縁近傍に配置されたことを特徴とする請求項に記載の自動二輪車のクランクケース構造。
  3. 前記区画壁に前記蓋部材を位置決めするノックピンを備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の自動二輪車のクランクケース構造。
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