JP5497505B2 - エンジンにおける点火プラグ冷却装置 - Google Patents

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Description

本発明は,燃焼室を有するシリンダヘッドに,燃焼室に電極を臨ませる点火プラグを螺着したエンジンにおける点火プラグ冷却装置の改良に関する。
自動二輪車等の車両に搭載されるエンジンにおいて,点火プラグの耐久性を確保するために,点火プラグに隣接してシリンダヘッドにウォータジャケットを形成し,そのウォータジャケットを流れるエンジンの冷却水により点火プラグを冷却するようにしたものが,例えば下記特許文献1に開示されるように,従来知られている。
特開2007−231767号公報
ところで,上記のような点火プラグの冷却装置は,水冷式エンジンにしか適用することができない。
そこで,本発明は,水冷式,空冷式のエンジン形式を問わず,点火プラグを効果的に冷却することができることが要請されるエンジンにおける点火プラグ冷却装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために,本発明は,燃焼室を有するシリンダヘッドに,燃焼室に電極を臨ませる点火プラグを螺着し,また燃焼室の上方で動弁機構を収容する動弁室を形成し,この動弁室の底面に,動弁機構のカム軸を回転自在に支承する一対のカム軸ホルダを立設したエンジンにおいて,前記一対のカム軸ホルダ間の動弁室の底面に,上面を開放した冷却油室を前記点火プラグに隣接して形成し,この冷却油室内をU字状流路に形成するボスをこの冷却油室の底面に立設し,このボスに,前記冷却油室の開放上面を閉鎖する蓋板を固着し,前記U字状流路にエンジンの潤滑オイルを流通させるようにし,エンジンの車両への搭載状態では,車両の後方を向くシリンダヘッドの背面に,前記点火プラを挿入してシリンダヘッドに螺着するための挿入凹部を形成し,またシリンダヘッドには,その前面及び側面に入口及び出口が開口して走行風を流通させる通風路を形成し,前記出口に,シリンダヘッドに螺着される別の点火プラグを配置したことを第1の特徴とする。尚,前記点火プラグは,後述する本発明の実施形態中の第2点火プラグ29bに対応する。
また本発明は,第1の特徴に加えて,前記冷却油室を,その内部のU字状流路の両端部がシリンダヘッドの一側部に形成される動弁用のタイミング伝動室側を向くように配置し,そのU字状流路の一端部には,エンジンの潤滑オイルをU字状流路に供給する入口孔を,またその他端部には,U字状流路のオイルを前記タイミング伝動室へ流出させる出口孔をそれぞれ開口したことを第2の特徴とする。
さらに本発明の第1又は第2の特徴に加えて,前記冷却油室及び蓋板間に,冷却油室外の動弁室から冷却油室へのオイルの流入を許容する切欠きを設けたことを第3の特徴とする。
さらにまた本発明は,第2の特徴に加えて,クランクケースにシリンダブロック及びシリンダヘッドを締結する締結ボルトと,この締結ボルトが挿通されるシリンダブロック及びシリンダヘッドのボルト通し孔との対向周面間に,エンジンの潤滑オイルが供給される筒状油路を画成し,この筒状油路に前記入口孔を連通させたことを第4の特徴とする。尚,前記締結ボルトは,後述する本発明の実施形態中のスタッドボルト48に対応する
本発明の第1の特徴によれば,一対のカム軸ホルダ間の動弁室の底面に,上面を開放した冷却油室を前記点火プラグに隣接して形成し,この冷却油室内をU字状流路に形成するボスをこの冷却油室の底面に立設し,このボスに,前記冷却油室の開放上面を閉鎖する蓋板を固着したので,一対のカム軸ホルダ間の狭小なスペースに,流通長は比較的長いU字状流路を備えた冷却油室を形成することができ,そのU字状流路にエンジンの潤滑オイルを流通させることで,それに隣接する点火プラグを効果的に冷却することができ,したがって水冷,空冷のエンジン形式を問わず,その点火プラグを冷却し,その耐久性の向上を図ることができる。しかも,前記U字状流路は,冷却油室の開放上面を閉鎖する蓋板の固着用のボスにより形成されるので,特別な仕切壁を設ける必要がなく,構造の簡素化を図ることができるのみならず,上面開放でボス付きの冷却油室は,シリンダヘッドの鋳造時,同時に成形が可能である。
また,エンジンの車両への搭載状態では車両の後方を向くシリンダヘッドの背面に,前記点火プラグを挿入してシリンダヘッドに螺着するための挿入凹部を形成したことで,点火プラグを,走行風が通り難いシリンダヘッドの背面側から取り付けても,それを確実に冷却することができると共に,シリンダヘッドの背後のデッドスペースを利用して点火プラグの脱着を行うことができ,そのメンテナンス性が良好である。またシリンダヘッドには,その前面及び側面に入口及び出口が開口して走行風を流通させる通風路を形成し,前記出口に,シリンダヘッドに螺着される別の点火プラグを配置したことで,別の点火プラグを走行風により確実に冷却することができると共に,シリンダヘッド側方の広いスペースを利用して別の点火プラグの脱着を行うことができ,そのメンテナンス性も良好である。そして二本の点火プラグの使用により,エンジンの燃焼効率の向上,延いてはエンジンの出力性能及び低燃費性の向上に寄与し得る。
本発明の第2の特徴によれば,U字状流路の一端部には,エンジンの潤滑オイルをU字状流路に供給する入口孔を,またその他端部には,U字状流路のオイルをタイミング伝動室へ流出させる出口孔をそれぞれ開口したことで,U字状流路の全長に亙りオイルを流通させることができ,これにより冷却油室の点火プラグに対する冷却機能をフルに発揮させることができる。しかも,U字状流路の出口孔は,オイルをタイミング伝動室へ流出させるので,これを冷却油室又はタイミング伝動室側から鋳造時の中子ピン又はドリル加工により容易に形成することができる。
本発明の第3の特徴によれば,動弁室の底部に溜まったオイルを前記切欠きを通して冷却油室に流入し,冷却油室内のオイルと共に出口孔からタイミング伝動室へと流出するので,動弁室の底部におけるオイルの残留を防ぎ,残留によるオイルの劣化を避けることができる。
本発明の第4の特徴によれば,締結ボルト及びボルト挿通孔間の筒状油路を利用して冷却油室にオイルを供給することができ,冷却油室への供給油路の簡素化を図ることができる
本発明に係る自動二輪車用エンジンの一部を破断した側面図。 図1の2−2線断面図。 図1の3−3線断面図。 図1の4−4線断面図。 ヘッドカバーを外した状態で示す同エンジンの平面図。 図5の6−6線断面図。 図6の7矢視図。 図6の8−8線拡大断面図。 図5の9−9線断面図。 同シリンダヘッドの斜視図。
以下,本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
先ず,図1〜図4において,自動二輪車に搭載されるエンジンEのエンジン本体Eaは,クランクケース1,このクランクケース1の上面にボルト接合されて起立するシリンダブロック2及び,このシリンダブロック2の上端面にボルト接合されるシリンダヘッド3より構成され,シリンダヘッド3の上端面にはヘッドカバー4がボルト接合される。
尚,以下の説明において,前後左右とは,このエンジンEを搭載する自動二輪車の前後左右方向に対応する。
また上記クランクケース1は,互いにボルト接合される左ケース本体1a及び右ケース本体1bと,左ケース本体1aの外端面にボルト接合される左ケースカバー1cと,右ケース本体1bの外端面にボルト接合される右ケースカバー1dとで構成される。
左右のケース本体1a,1b間にはクランク室5と,その後方に隔壁を挟んで隣接する変速室6(図4参照)とが画成され,クランク室5には,左右のケース本体1a,1bに両端部を支承されるクランク軸7が収容され,変速室6には,左右のケース本体1a,1bに両端部を支承される入力軸8及び出力軸9を備える変速機10が収容される。変速室6の底部は,クランク室5よりも深く形成され,潤滑オイル12を一定量貯留するオイル溜め11(図1参照)とされる。
図1〜図3に示すように,左ケース本体1a及び左ケースカバー1c間には補機室13,右ケース本体1b及び右ケースカバー1d間には1次伝動室14がそれぞれ画成される。補機室13には,図1及び図3に示すように,クランク軸7により駆動される発電機15と,クランクケース1の上部外壁に取り付けられる始動モータ16の出力軸16a及びクランク軸7間を連結する始動ギヤ機構17とが収容され,1次伝動室14には,入力軸8に取り付けられる湿式多板クラッチ18と,このクラッチ18の入力部材たるクラッチアウタ18a及びクランク軸7間を連結する1次伝動ギヤ列19とが収容される。
図1及び図4に示すように,前記変速機10は,前記入力軸8から出力軸9に亙り配設されて確立を選択される複数段の変速ギヤ列20a〜20e,これら変速ギヤ列20a〜20eの確立を選択操作する複数のシフトフォーク72,これらシフトフォーク72を駆動するシフトドラム73及び,このシフトドラム73を回動操作するチェンジスピンドル74より公知の多段式に構成される。
再び図1及び図2において,前記シリンダブロック2にはシリンダスリーブ2aが鋳包るまれており,これにクランク軸7にコンロッド22を介して連接するピストン23が嵌装される。シリンダスリーブ2aの右側に隣接して1次伝動室14に連なるタイミング伝動室21がクランクケース1及びシリンダブロック2に亙り形成される。
シリンダブロック2及びシリンダヘッド3には,図5,図8及び図9に示すように,シリンダスリーブ2aを囲むように配置される複数のボルト通し孔47が穿設され,これらボルト通し孔47に,左右のケース本体1a,1bの上端面に植設された複数のスタッドボルト48が可能から挿通され,シリンダヘッド3の上面側でこれらスタッドボルト48にナット49を螺合,緊締されることにより,シリンダブロック2及びシリンダヘッド3はクランクケース1に締結される。一部のスタッドボルト48及びボルト通し孔47の対向周面間には,前記オイル溜め11のオイルをオイルポンプ(図示せず)で汲み上げて後述の動弁室30側に送る筒状油路50が画成される。
図1,図2及び図5において,前記シリンダヘッド3には,シリンダスリーブ2a内に連なる燃焼室24と,この燃焼室24に,その後側から開口する吸気ポート25及びその前側から開口する排気ポート26とが形成される。したがって,吸気ポート25の上流端はシリンダヘッド3の背面に開口し,その上流端に連通する吸気道81を有するスロットルボディ80がシリンダヘッド3の背面に取り付けられる。このスロットルボディ80には,吸気道81を開閉するスロットル弁82と,吸気ポート25に向けて燃料を噴射する燃料噴射弁83とが設けられる。一方,排気ポート26の下流端はシリンダヘッド3の前面に開口し,その下流端に連なる排気管(図示せず)がシリンダヘッド3の前面に取り付けられる。
前記シリンダヘッド3及びヘッドカバー4間には,前記タイミング伝動室21に連なる動弁室30が画成され,この動弁室30に,吸気及び排気弁27,28を開閉駆動する動弁機構31が収容される。この動弁機構31は,シリンダヘッド3の上面に一体に突設される左右一対のカム軸ホルダ52a,52bに回転自在に支承されてクランク軸7と平行に配置されるカム軸32と,このカム軸32の吸気カム32aのリフト動作を吸気弁27に伝達してそれを開弁する吸気ロッカアーム53と,カム軸32の排気カム32bのリフト動作を排気弁28に伝達してそれを開弁する排気ロッカアーム54と,吸気弁27及び排気弁28をそれぞれ閉弁方向に付勢する吸気弁ばね56及び排気弁ばね57とよりなっており,吸気及び排気ロッカアーム53,54は,カム軸ホルダ52a,52bにカム軸32と平行に支持されるロッカ軸55,55にそれぞれ揺動自在に支持される。
上記カム軸32は,タイミング伝動室21に配置されるタイミング伝動装置33を介してクランク軸7に連結される。そのタイミング伝動装置33は,クランク軸7に固着される駆動スプロケット60と,カム軸32の,右方のカム軸ホルダ52a,52bの右側面側に突出した端部に固着される,駆動スプロケット60より歯数が2倍の従動スプロケット61と,これら両スプロケット60,61に掛け渡されるチェーン62とよりなっていて,クランク軸7の回転を1/2に減速してカム軸32に伝達する。
再び図1及び図2において,前記発電機15は,クランク軸7の左端部にテーパ嵌合してキー58とボルト59により固着される円筒状のアウタロータ35と,左ケースカバー1cの内壁にボルト結合されてアウタロータ35内に配置されるステータ36とよりアウタロータ式に構成される。
また図3において,前記始動ギヤ機構17は,始動モータ16の出力軸16aにより駆動されるトルクリミッタ37を備えており,このトルクリミッタ37の出力ギヤ38は,クランク軸7に回転自在に支承されるリングギヤ39に中間ギヤ40を介して噛合される。リングギヤ39は,ニードルベアリング41を介してクランク軸7に回転自在に支承されるハブ39aを有しており,このハブ39aと,このハブ39aを同心状に囲繞するアウタリング42が前記アウタロータ35にボルト43で固着され,これらハブ39a及びアウタリング42と,それらの間に介装される多数のスプラグ44とで,リングギヤ39の正回転(クランク軸7の回転方向A,図1参照)時のみ接続状態となるワンウェイクラッチ45が構成される。したがって,始動モータ16の作動によりリングギヤ39を正回転させると,その回転トルクはワンウェイクラッチ45を介してアウタロータ35,クランク軸7へと伝達してクランキングし,エンジンEを始動することができる。エンジン始動後は,ワンウェイクラッチ45の遮断状態によりクランク軸7からリングギヤ39への回転伝達は生じない。
図2,図5〜図10に示すように,シリンダヘッド3には各電極を燃焼室24に臨ませる一対の第1及び第2点火プラグ29a,29bが螺着される。第1点火プラグ29aはシリンダヘッド3に,その左側面側から螺着され,第2点火プラグ29bはシリンダヘッド3に,その背面側から螺着される。第1点火プラグ29aは,これを走行風で冷却するために,シリンダヘッド3に形成される通風路63に配置される。
具体的には,排気ポート26は,その下流端がタイミング伝動室21側に傾いてシリンダヘッド3の前面に開口するように形成され(図8参照),通風路63は,その入口63aが上記排気ポート26を挟んで前記タイミング伝動室21と反対側で,即ち排気ポート26の左側に隣接してシリンダヘッド3の前面に開口し,またその出口63bが,タイミング伝動室21と反対側のシリンダヘッド3の左側面に開口するように,略L字状に形成され,その出口63bが第1点火プラグ29aのための第1挿入凹部63bに兼用される。したがって,第1点火プラグ29aは,通風路63の出口63bに挿入しながらシリンダヘッド3に螺着される。
而して,このエンジンEを搭載した車両の走行中,エンジンEの前面に当たる走行風は,通風路63を,その入口63aから出口63bへと流れるので,その通風路63に配置される第1点火プラグ29aを走行風により効果的に冷却することができる。
一方,第2点火プラグ29bは,動弁室30の底面に形成される冷却油室64と燃焼室24との間の隔壁65に螺着されることにより,冷却油室64の直下に配置される。この冷却油室64は,前記左右一対のカム軸ホルダ52a,52b間において,動弁室30の底面を窪ませて形成され,この冷却油室64の周囲に溝75を設けることで,この溝75及び冷却油室64間には土手76が形成される。
冷却油室64の上面は開放されており,その開放面は,土手76の上端に接合される蓋板68により閉鎖される。この蓋板68は,冷却油室64の底面より起立するボス66にボルト71により固着される。上記ボス66は,冷却油室64の左右方向一側の内側面から冷却油室64の中心部まで延びていて,冷却油室64の内部をU字状流路67に形成する。こうして,蓋板68を締結するボス66は,容量に限りがある冷却油室64の内部を比較的長いU字状流路67とする仕切壁を兼ねることになる。このU字状流路の一端部には,オイルを冷却油室64に導入する入口孔69が,またその他端部には,冷却油室64からオイルを排出する出口孔70がそれぞれ開口する。
上記入口孔69は,一本の前記スタッドボルト48周りの筒状油路50を通して,各部潤滑油路と同様に前記オイル溜め11のオイルが図示しないオイルポンプから供給されるようになっており,出口孔70は前記タイミング伝動室21に開放される。また土手76の一部には,溝75を冷却油室64に連通する切欠き77が設けられ,冷却油室64外の動弁室30の底部に残留したオイルが溝75から冷却油室64に流入するようになっている。
上記冷却油室64,溝75,土手76,ボス66,出口孔70及び切欠き77は,シリンダヘッド3の鋳造時に成形される。特に,冷却油室64,溝75及び切欠き77は,上面を開放しているので,それを型抜きにより容易に成形することができる。また出口孔70は,冷却油室64又はタイミング伝動室21側から中子ピンにより成形されるもので,その成形を容易にすべく,冷却油室64は,U字状流路67の両端部をタイミング伝動室21側に向けて配置される。また出口孔70は,シリンダヘッド3の鋳造後,冷却油室64又はタイミング伝動室21側からのドリル加工によっても容易に形成することができる。
また第2点火プラグ29bのための第2挿入凹部86が前記吸気ポート25及びタイミング伝動室21間においてシリンダヘッド3の背面に開口するように設けられる。したがって,第2点火プラグ29bは,この第2挿入凹部86に挿入されながら,冷却油室64の底壁,即ち冷却油室64及び燃焼室24間の隔壁65に螺着される。
而して,エンジンEの運転中,冷却油室64内のU字状流路67では,その入口孔69からエンジンの潤滑オイルが流入し,その他端部の出口孔70からタイミング伝動室21へと流出するので,冷却油室64内の比較的長いU字状流路67を,その全長に亙りオイルが流通することになり,そのオイルにより冷却油室64の周辺を効果的に冷却することができる。特に,この冷却油室64の底壁に第2点火プラグ29bが螺着され,配置されるので,その第2点火プラグ29bを効果的にオイル冷却することができる。タイミング伝動室21へ流出したオイルは,最終的にはオイル溜め11に戻される。
また動弁機構31を潤滑し終えたオイルは,動弁室30の底部に落ち,そしてタイミング伝動室21へと流下していくが,動弁室30の底部に溜まったオイルは,冷却油室64周りの溝75から,土手76の切欠き77を通して冷却油室64に流入し,冷却油室64内のオイルと共に出口孔70からタイミング伝動室21へと流出するので,動弁室30の底部にオイルが残留するのを防ぎ,残留によるオイルの劣化を避けることができる。
ところで,第1及び第2点火プラグ29a,29bのそれぞれの冷却のための通風路63及び冷却油室64は,第1及び第2点火プラグ29a,29bの配置に応じてシリンダヘッド3に比較的自由に形成することができる。したがって,第1及び第2点火プラグ29a,29bの配置の自由度を増しながら,これらを個別に効果的に冷却することが可能となり,それらの耐久性の向上,延いてはエンジンの出力性能及び低燃費性の向上に寄与し得る。特に,第2点火プラグ29bは,油冷却することで,走行風が通り難いシリンダヘッド3の背面側への取り付けが可能となり,その背面側のデッドスペースを第2点火プラグ29bの脱着作業スペースに利用することができる。
しかも,通風路63は,その入口63aがシリンダヘッド3の前面に排気ポート26と並んで開口すると共に,その出口63bがシリンダヘッド3の左右方向一側面に開口するように形成され,その出口63bが第1点火プラグ29aのための第1挿入凹部とされるので,シリンダヘッド3の左右方向一側方での第1点火プラグ29aの脱着作業を容易に行うことができ,そのメンテナンス性が極めてよい。
また第2点火プラグ29bのための第2挿入凹部86は,シリンダヘッド3の背面に吸気ポート25と並んで開口するように形成されるので,シリンダヘッド3の背面側での第2点火プラグ29bの脱着作業を容易に行うことができ,そのメンテナンス性も極めてよい。しかも,第2挿入凹部86は,吸気ポート25及び前記タイミング伝動室21間に介入するように配置されるので,第2挿入凹部86を吸気ポート25及びタイミング伝動室21間のデッドスペースを有効利用して設けることができ,シリンダヘッド3の大型化を回避することができる。
また前記排気ポート26は,その下流端がシリンダヘッド3の左右方向一側部に形成されるタイミング伝動室21側に傾くように形成され,この排気ポート26を挟んでタイミング伝動室21と反対側に前記通風路63は配置されるので,通風路63の入口を排気ポート26に邪魔されることなく大きく開口し,通風路63を通る走行風の流量を多く得て,第1点火プラグ29aの冷却性をより向上させることができる。
また冷却油室64は,カム軸32を回転自在に支承する左右一対のカム軸ホルダ52a,52b間の動弁室30の底面に形成され,この冷却油室64の直下に第2点火プラグ29bが配置されるので,動弁室30の底面に充分な容量の冷却油室64を容易に形成でき,第2点火プラグ29bの冷却性をより高めることができる。このような第2点火プラグ29bの油冷却式冷却装置は,水冷式,空冷式等,何れのエンジンにも適用することが可能である。
以上,本発明の実施形態について説明したが,本発明は上記実施形態に限定されるものではなく,本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことができる。
E・・・・・・・エンジン
21・・・・・・タイミング伝動室
24・・・・・・燃焼室
25・・・・・・吸気ポート
26・・・・・・排気ポート
29a・・・・・別の点火プラグ(第1点火プラグ)
29b・・・・・点火プラグ(第2点火プラグ)
52a,52b・・・カム軸ホルダ
63・・・・・・通風路
63a・・・・・通風路の入口
63b・・・・・通風路の出口(第1挿入凹部)
64・・・・・・冷却油室
86・・・・・・第2挿入凹部

Claims (4)

  1. 燃焼室(24)を有するシリンダヘッド(3)に,燃焼室(24)に電極を臨ませる点火プラグ(29)を螺着し,また燃焼室(24)の上方で動弁機構(31)を収容する動弁室(30)を形成し,この動弁室(30)の底面に,動弁機構(31)のカム軸(32)を回転自在に支承する一対のカム軸ホルダ(52a,52b)を立設したエンジンにおいて,
    前記一対のカム軸ホルダ(52a,52b)間の動弁室(30)の底面に,上面を開放した冷却油室(64)を前記点火プラグ(29)に隣接して形成し,この冷却油室(64)内をU字状流路(67)に形成するボス(66)をこの冷却油室(64)の底面に立設し,このボス(66)に,前記冷却油室(64)の開放上面を閉鎖する蓋板(68)を固着し,前記U字状流路(67)にエンジンの潤滑オイルを流通させるようにし
    エンジン(E)の車両への搭載状態では,車両の後方を向くシリンダヘッド(3)の背面に,前記点火プラグ(29b)を挿入してシリンダヘッド(3)に螺着するための挿入凹部(86)を形成し,またシリンダヘッド(3)には,その前面及び側面に入口(63a)及び出口(63b)が開口して走行風を流通させる通風路(63)を形成し,前記出口(63b)に,シリンダヘッド(3)に螺着される別の点火プラグ(29a)を配置したことを特徴とする,エンジンにおける点火プラグ冷却装置。
  2. 請求項1記載のエンジンにおける点火プラグ冷却装置において,
    前記冷却油室(64)を,その内部のU字状流路(67)の両端部がシリンダヘッド(3)の一側部に形成される動弁用のタイミング伝動室(21)側を向くように配置し,そのU字状流路(67)の一端部には,エンジン(E)の潤滑オイルをU字状流路(67)に供給する入口孔(69)を,またその他端部には,U字状流路(67)のオイルを前記タイミング伝動室(21)に流出させる出口孔(70)をそれぞれ開口したことを特徴とする,エンジンにおける点火プラグ冷却装置。
  3. 請求項1又は2記載のエンジンにおける点火プラグ冷却装置において,
    前記冷却油室(64)及び蓋板68間に,冷却油室(64)外の動弁室(30)から冷却油室(64)へのオイルの流入を許容する切欠き(77)を設けたことを特徴とする,エンジンにおける点火プラグ冷却装置。
  4. 請求項2記載のエンジンにおける点火プラグ冷却装置において,
    クランクケース(1)にシリンダブロック(2)及びシリンダヘッド(3)を締結する締結ボルト(48)と,この締結ボルト(48)が挿通されるシリンダブロック(2)及びシリンダヘッド(3)のボルト通し孔(47)との対向周面間に,エンジンの潤滑オイルが供給される筒状油路(50)を画成し,この筒状油路(50)に前記入口孔(69)を連通させたことを特徴とする,エンジンにおける点火プラグ冷却装置。
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