JP7342056B2 - 内燃機関の冷却構造 - Google Patents
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Description
クランクシャフトを収容するクランクケースにシリンダブロックとシリンダヘッドが順に重ねられて機関本体が構成され、前記クランクケースと前記シリンダヘッドとの間を連通するオイル通路が前記シリンダブロックに設けられた車両に搭載される内燃機関の冷却構造において、
前記オイル通路の少なくとも1本は、前記シリンダブロックの側壁に外側に突条に膨出して形成された油通路筒壁の筒壁内に構成され、
前記シリンダブロックの側壁に板状に突出して形成されたリブと前記油通路筒壁との間に、走行風が通る通風路が形成されることを特徴とする内燃機関の冷却構造を供する。
前記機関本体は、前記シリンダブロックのシリンダボアの中心軸線であるシリンダ軸線が前傾して、前記クランクケースから前記シリンダブロックと前記シリンダヘッドが前方斜め上に突出しており、
前記クランクシャフトの回転動力を前記シリンダヘッドに設けられる動弁機構に伝達して駆動するカムチェーンを収容するカムチェーン室が、前記シリンダブロックの左右いずれかの側壁の内側に形成され、
前記シリンダブロックの前方斜め下を向いた前側側壁の前記カムチェーン室より車幅方向の内側に、前記油通路筒壁が形成され、
前記油通路筒壁の筒壁内を、前記オイル通路のうちの前記シリンダヘッド側から前記クランクケース側にオイルを戻す第1オイル戻り通路とし、
前記カムチェーン室を、第2オイル戻り通路とし、
前記シリンダブロックの前記前側側壁のうち前記カムチェーン室の前方のチェーン室前側側壁部分に、前記リブが前記油通路筒壁と対向して形成される。
前記チェーン室前側側壁部分に形成される前記リブは、前記カムチェーン室の車幅方向の中央より外側位置に形成される。
前記シリンダヘッドには、走行風を前記通風路に導く導風路が導風路枠壁により形成さる。
前記リブは、前記導風路枠壁とシリンダ軸線の軸線方向視で重なる位置関係にある。
図1は、本発明に係る冷却構造を備えた内燃機関Eが搭載された自動二輪車1の側面図である。
なお、本明細書の説明において、前後左右の向きは、本実施の形態に係る自動二輪車1の直進方向を前方とする通常の基準に従うものとし、図面において、FRは前方を,RRは後方を、LHは左方を,RHは右方を示すものとする。
ヘッドパイプ2に軸支されたステアリングシャフト8の上端にバーハンドル9が取り付けられ、ステアリングシャフト8の下部はフロントフォーク10に連結されており、フロントフォーク10の先端に前輪11が軸支されている。
このスイングアーム12と上方の車体フレームとの間にリヤクッション15が介装されている。
内燃機関Eは、4ストロークサイクル単気筒の空冷式内燃機関であり、クランクシャフト40を左右車幅方向に指向させた横置き姿勢で、車体フレームに搭載される。
機関本体20は、シリンダブロック22のシリンダボア22bの中心軸線であるシリンダ軸線Lcが水平近くまで前傾して、クランクケース21からシリンダブロック22が前方斜め上に突出しており、シリンダブロック22の前方にシリンダヘッド23が重ねられて、シリンダブロック22とシリンダヘッド23が前傾している。
シリンダヘッド23の先端部の開口にはヘッドカバー24が被せられている。
前傾したシリンダヘッド23の後方斜め上に向いた側壁面からは吸気管30が上方に延出し、同吸気管30は気化器31を介してその後方に配置されたエアクリーナ(不図示)に接続される。
シリンダヘッド23の前方斜め下に向いた側壁面から下方へ延出する排気管35は、屈曲して内燃機関Eの下面に沿って後方に延び、車体右側に配置されたマフラ36に接続されている。
ピストン42の頂面がシリンダヘッド23の天井面との間に形成する燃焼室23nには、シリンダヘッド23の天井壁に嵌入された点火プラグ44が先端の電極を臨ませている。
ACジェネレータ48は、左側から左クランケースカバー25Lにより覆われる。
カム軸70の吸気カム70iと排気カム70eに各々接して揺動する吸気ロッカアーム74iと排気ロッカアーム74eが図示しない吸気バルブと排気バルブを所定のタイミングで開閉駆動して内燃機関Eの吸排気を行う。
このカムスプロケット71とクランクシャフト40の左側軸部40Lに一体に結合された駆動スプロケット45との間には、カムチェーン72が巻き掛けられて、クランクシャフト40の半分の回転数でカム軸70が回転駆動される。
カムチェーン72をカムチェーン72の内周側でガイドするガイドローラ73が、シリンダブロック22のカムチェーン室22cに設けられている。
遠心クラッチ60は、クランクシャフト40の右側軸部40Rと一体に回転するドライブプレート61と、外筒部材54と一体の椀状のクラッチアウタ62との間に構成される。
外筒部材54にはプライマリドライブギヤ53が一体に形成されている。
左右クランクケース21L,21R内において、メインシャフト81上のメインギヤ群81gとカウンタシャフト82上のカウンタギヤ群82gとが互いの対応するギヤどうしを噛合している。
メインシャフト81に回転自在に軸支されたプライマリドリブンギヤ84にダンパを介して変速クラッチ85のクラッチアウタ86が支持されており、このクラッチアウタ86を支持するプライマリドリブンギヤ84は、クランクシャフト40に軸支される前記プライマリドライブギヤ53と噛合している。
なお、遠心クラッチ60や変速クラッチ85等は、右側から右クランケースカバー25Rにより覆われる。
駆動スプロケット88に巻き掛けられた駆動チェーン89が、後輪14側の図示されない他方の被動スプロケットに巻き掛けられて、内燃機関Eの駆動力が駆動チェーン89を介して後輪14に伝達されて自動二輪車1は走行する。
シリンダブロック22の左側側壁22Lの左壁面には冷却フィンは形成されておらず、図6に示されるように、左側側壁22Lの内側に左右車幅方向に偏平なカムチェーン室22cが形成されている。
油通路筒壁22tは、前側側壁22Fのシリンダ軸線Lcより左側でカムチェーン室22cより右側に位置して、シリンダ軸線Lcの軸線方向に指向してシリンダブロック22を貫通している。
なお、前側側壁22Fの油通路筒壁22tの右側には冷却フィン22fが形成されている。
チェーン室前側側壁部分22FLに形成されるリブ22rは、カムチェーン室22cの車幅方向の中央Cより外側(左側)位置に突出している。
油通路筒壁23tは、前側側壁23Fのシリンダ軸線Lcより左側でカムチェーン室23cより右側に位置して、シリンダブロック22の油通路筒壁22tに対応している。
したがって、導風路枠壁23gは、コ字状に屈曲した左壁部23glと前壁部23gfと右壁部23grが、シリンダヘッド23の前側側壁23Fの左側壁面から突出しており、シリンダ軸線Lcの軸線方向に貫通する導風路Gを構成している。
なお、前壁部23gfの外面には冷却フィン23fが形成されている。
通風路Wに流入された走行風は、リブ22rによりさらに整流効果を高めて、流れを乱されることなく流れて流速を増すことができる。
図3および図6に示されるように、リブ22rと油通路筒壁22tとの間に走行風が通る通風路Wを形成する簡単な構造であり、通風路Wを整流されて流速を増した走行風が、油通路筒壁22tを介して内部の第1オイル戻り通路P1を流れるオイルから熱を奪い、オイルを冷却して、内燃機関の冷却効率を向上させることができる。
また、内燃機関によっては、オイルを冷却するオイルクーラーを備えるものがあるが、構造が複雑であり、配管も必要となり、コスト高となるのに対して、本発明の冷却構造は構造が簡単で、低コストである。
なお、オイルクーラーを備える内燃機関に、さらに本発明の冷却構造を加えて冷却効果を向上させるようにしてもよい。
E…内燃機関、20…機関本体、21…クランクケース、21L…左クランクケース、21R…右クランクケース、
22…シリンダブロック、22F…前側側壁、22FL…チェーン室前側側壁部分、22B…後側側壁、22R…右側側壁、22L…左側側壁、22f…冷却フィン、22c…カムチェーン室、22t…油通路筒壁、22r…リブ、P1…第1オイル戻り通路、P2…第2オイル戻り通路、W…通風路、
23…シリンダヘッド、23F…前側側壁、23B…後側側壁、23R…右側側壁、23L…左側側壁、23c…カムチェーン室、23v…動弁室、23t…油通路筒壁、23g…導風路枠壁、G…導風路、Ge…導出口、
24…ヘッドカバー、25L…左クランケースカバー、25R…右クランケースカバー、
30…吸気管、31…気化器、35…排気管、36…マフラ、
40…クランクシャフト、41…主軸受、42…ピストン、43…コンロッド、44…点火プラグ、45…駆動スプロケット、46…スタータドリブンギヤ、47…、48…ACジェネレータ、54…外筒部材、60…遠心クラッチ、
70…カム軸、71…カムスプロケット、72…カムチェーン、73…ガイドローラ、74i…吸気ロッカアーム、74e…排気ロッカアーム、
80…多段変速機、81…メインシャフト、82…カウンタシャフト、84…プライマリドリブンギヤ、85…変速クラッチ、86…クラッチアウタ、87…クラッチインナ、88…駆動スプロケット、89…駆動チェーン。
Claims (4)
- クランクシャフト(40)を収容するクランクケース(21)にシリンダブロック(22)とシリンダヘッド(23)が順に重ねられて機関本体(20)が構成され、前記クランクケース(21)と前記シリンダヘッド(23)との間を連通するオイル通路が前記シリンダブロック(22)に設けられた車両に搭載される内燃機関の冷却構造において、
前記オイル通路の少なくとも1本は、前記シリンダブロック(22)の側壁(22F)に外側に突条に膨出して形成された油通路筒壁(22t)の筒壁内に構成され、
前記シリンダブロック(22)の側壁(22F)に板状に突出して形成されたリブ(22r)と前記油通路筒壁 (22t)との間に、走行風が通る通風路(W)が形成され、
前記機関本体(20)は、前記シリンダブロック(22)のシリンダボア(22b)の中心軸線であるシリンダ軸線(Lc)が前傾して、前記クランクケース(21)から前記シリンダブロック(22)と前記シリンダヘッド(23)が前方斜め上に突出しており、
前記クランクシャフト(40)の回転動力を前記シリンダヘッド(23)に設けられる動弁機構に伝達して駆動するカムチェーン(72)を収容するカムチェーン室(22c)が、前記シリンダブロック(22)の左右いずれかの側壁の内側に形成され、
前記シリンダブロック(22)の前方斜め下を向いた前側側壁(22F)の前記カムチェーン室(22c)より車幅方向の内側に、前記油通路筒壁(22t)が形成され、
前記油通路筒壁(22t)の筒壁内を、前記オイル通路のうちの前記シリンダヘッド(23)側から前記クランクケース(21)側にオイルを戻す第1オイル戻り通路(P1)とし、
前記カムチェーン室(22c)を、第2オイル戻り通路(P2)とし、
前記シリンダブロック(22)の前記前側側壁(22F)のうち前記カムチェーン室(22c)の前方のチェーン室前側側壁部分(22F L )に、前記リブ(22r)が前記油通路筒壁(22t)と対向して形成されることを特徴とする内燃機関の冷却構造。 - 前記チェーン室前側側壁部分(22FL)に形成される前記リブ(22r)は、前記カムチェーン室(22c)の車幅方向の中央より外側位置に形成されることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の冷却構造。
- 前記シリンダヘッド(23)には、走行風を前記通風路(W)に導く導風路(G)が導風路枠壁(23g)により形成されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の内燃機関の冷却構造。
- 前記リブ(22r)は、前記導風路枠壁(23g)とシリンダ軸線(Lc)の軸線方向視で重なる位置関係にあることを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の冷却構造。
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