JP2007231767A - Ohc式エンジンのカム軸潤滑装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】シリンダヘッドにその一側からカム軸を差し込む構造でありながらカム軸への給油通路の形成を容易にできるOHC式エンジンのカム軸潤滑装置を提供する。
【解決手段】シリンダヘッド10の一側からカムシャフト37をその奥端側から差し込みシリンダヘッド10に回転自在に支持させるOHC式エンジンのカム軸潤滑装置において、前記シリンダヘッド10のカムシャフト37用の右挿通孔97に取り付けられると共に前記カムシャフト37の手前端に中空状のスラスト受け部材115を介して軸方向で当接する蓋部材101を備え、該蓋部材101には、ヘッド内油路77aに連通すると共に前記スラスト受け部材115を介してカム軸内油路111に連通する蓋内油路113が形成される。
【選択図】図8

Description

この発明は、自動二輪車等に搭載されるOHC(オーバーヘッドカムシャフト)式エンジンのカム軸潤滑装置に関する。
従来、上記カム軸潤滑装置において、上下に分離したカムシャフトホルダによりカム軸をシリンダヘッドに支持すると共に、前記カムシャフトホルダを介して前記カム軸にオイルを供給するようにしたものがある(例えば、特許文献1参照。)。
特開2002−89359号公報
ところで、上記従来の構成においては、上下に分離したカムシャフトホルダにカム軸への給油通路の一部を形成することで、シリンダヘッドにおけるカム軸への給油通路の形成が比較的容易であるが、シリンダヘッドにその一側からカム軸を差し込んでこれを支持する構造のエンジンにおいては、シリンダヘッドにおけるカム軸への給油通路の形成が比較的困難であるため、このような点の改善が要望されている。
そこでこの発明は、シリンダヘッドにその一側からカム軸を差し込む構造でありながらカム軸への給油通路の形成を容易にできるOHC式エンジンのカム軸潤滑装置を提供する。
上記課題の解決手段として、請求項1に記載した発明は、シリンダヘッド(例えば実施例のシリンダヘッド10)の一側からカム軸(例えば実施例のカムシャフト37)をその奥端側から差し込みシリンダヘッドに回転自在に支持させると共に、前記カム軸の手前端にカムスプロケット(例えば実施例のカムドリブンスプロケット42)を固定して該カム軸を駆動させるOHC式エンジン(例えば実施例のエンジン1)のカム軸潤滑装置において、前記シリンダヘッドのカム軸挿通孔(例えば実施例の右挿通孔97)に取り付けられると共に前記カム軸の手前端に中空状のスラスト受け部材(例えば実施例のスラスト受け部材115)を介して軸方向で当接する蓋部材(例えば実施例の蓋部材101)を備え、前記カム軸には前記手前端に開口するカム軸内油路(例えば実施例のカム軸内油路111)が形成されると共に、前記シリンダヘッドには前記一側に沿うように延びるヘッド内油路(例えば実施例のヘッド内油路77a)が形成され、前記蓋部材には、前記ヘッド内油路に連通すると共に前記スラスト受け部材を介して前記カム軸内油路に連通する蓋内油路(例えば実施例の蓋内油路113)が形成されることを特徴とする。
なお、上記OHC式エンジンとは、カムシャフトが一本のSOHC(シングルオーバーヘッドカムシャフト)式エンジン、及びカムシャフトが二本のDOHC(ダブルオーバーヘッドカムシャフト)式エンジンを含むものとする。
請求項2に記載した発明は、前記シリンダヘッドのヘッド内油路と同側かつ直下にオイルポンプ(例えば実施例のオイルポンプ71)が配置されることを特徴とする。
請求項3に記載した発明は、前記スラスト部材は、前記蓋部材との間の弾性部材(例えば実施例のコイルスプリング115a)により前記カム軸側へ押圧されることを特徴とする。
請求項4に記載した発明は、前記スラスト部材は、前記カムスプロケットの内周位置で前記カム軸に当接することを特徴とする。
請求項1に記載した発明によれば、シリンダヘッドにその一側からカムシャフトを差し込んでこれを支持する構造のOHC式エンジンにおいて、シリンダヘッドにカムシャフトへの給油通路を形成する際に、シリンダヘッドの一側に沿うヘッド内油路とこれと略直交するカム軸内油路との屈曲部分等の比較的複雑な経路を、シリンダヘッドと別体の蓋部材に形成することで、前記給油通路の形成を容易にできる。
請求項2に記載した発明によれば、クランクケース内のオイルポンプからシリンダヘッド内のカム軸までの給油通路長さを最小限に抑えることができる。
請求項3に記載した発明によれば、簡単な構造でオイルをカム軸内へ供給できると共に組み付け性も向上できる。
請求項4に記載した発明によれば、スラスト部材とカム軸との当接部から溢れたオイルによりカムスプロケットの潤滑を行うことができる。
以下、この発明の実施例について図面を参照して説明する。
図11に示す車両201は、小型軽量に構成された車体の前後に、比較的大径の低圧バルーンタイヤである左右の前輪202及び後輪203を備え、最低地上高を大きく確保して主に不整地での走破性を高めた所謂ATV(All Terrain Vehicle)として構成される。車両201の車体フレーム204は、車幅方向中央部において前後に長いボックス構造を形成し、該車体フレーム204の略中央部には、車両201の原動機としてのエンジン(内燃機関)1が搭載される。
図1〜3に示すように、エンジン1は水冷四ストローク単気筒エンジンであり、例えばそのクランクシャフト2の回転軸線C1を車両進行方向と直交させて(左右方向に沿わせて)で前記車両201に搭載される。なお、以下の説明における前後左右等の向きは、特に記載が無ければ前記車両201における向きと同一とする。また、図中矢印FRは車両前方を、矢印LHは車両左方を、矢印UPは車両上方をそれぞれ示す。
エンジン1のクランクケース3の前部上側にはシリンダ4が立設され、該シリンダ4内におけるピストン5の往復動がクランクケース3前部内の前記クランクシャフト2の回転動に変換される。クランクシャフト2の回転動力は、クランクケース3後部内のクラッチ6及びトランスミッション7を介して、クランクケース3後部左側の出力部に伝達される。ここで、シリンダ4における起立方向及び前記ピストン5の往復方向に沿う軸線をC2とすると、該軸線C2は上部が前側に位置するようにやや前傾している。
シリンダ4は、クランクケース3の前部上側に取り付けられるシリンダ本体9と、該シリンダ本体9の先端側に取り付けられるシリンダヘッド10と、該シリンダヘッド10の先端側に取り付けられるヘッドカバー11とを有してなる。
シリンダヘッド10及びシリンダ本体9は、これらの四隅をシリンダ軸線C2に沿って上方から貫通する四本のスタッドボルト12によりクランクケース3に一体的に結合される(図3,4参照)。なお、ヘッドカバー11は、その上方から挿通される複数のボルト(不図示)によりシリンダヘッド10に固定される。
シリンダ本体9のシリンダボア13内には前記ピストン5が往復動可能に嵌装される。ピストン5にはピストンピン14を介してコンロッド15の小端部が揺動自在に連結される。コンロッド15の大端部は前記クランクシャフト2のクランクピン16に回転自在に連結される。
シリンダヘッド10は、シリンダボア13の先端開口を閉塞してピストン5上方に燃焼室17を形成する。シリンダヘッド10の後面側にはスロットルボディに連なる吸気管取り付け部18が設けられ、シリンダヘッド10の前面側には不図示の排気管に連なる排気管取り付け部19が設けられる。
ここで、この実施例におけるエンジン1はSOHC(シングルオーバーヘッドカムシャフト)式であり、かつ吸排気バルブをそれぞれ二本ずつ有する四バルブ式である。シリンダヘッド10における前記燃焼室17の天井を形成する部位(以下、天井形成部27とする)の後部には、吸気ポート21における左右一対の吸気燃焼室側開口22が形成され、天井形成部27の前部には、排気ポート23における左右一対の排気燃焼室側開口24が二つずつ形成される。これら各燃焼室側開口22,24は、それぞれ吸気バルブ25又は排気バルブ26により開閉される。
シリンダヘッド10の左側部には、前記天井形成部27を貫通する点火プラグ装着孔28が前記シリンダ軸線C2に対して傾斜して設けられると共に、該点火プラグ装着孔28へのプラグ着脱作業用のプラグホール29がシリンダヘッド10左側方に開放して設けられる。なお、図中符号30は天井形成部27内のウォータジャケットを示す。
天井形成部27の上部は上方に開放する動弁室形成部31とされ、該動弁室形成部31の上部開放部がヘッドカバー11により覆われることで、各バルブ作動用の動弁機構を収容する動弁室32が形成される。動弁室形成部31の下部左側には前記プラグホール29が隣接している。
吸気ポート21は、吸気管取り付け部18で単一の吸気管側開口33を形成し、該吸気管側開口33からシリンダヘッド10内を下流側(燃焼室17側)に延びつつ、シリンダヘッド10内で二つに分岐して各吸気燃焼室側開口22に至る。一方、排気ポート23は、各排気燃焼室側開口24からシリンダヘッド10内を下流側(排気管取り付け部19側)に延びつつ、シリンダヘッド10内で一本に合流して排気管取り付け部19の排気管側開口34に至る(図7参照)。以下、排気ポート23における前記合流前の分離通路をそれぞれ上流側排気通路23a、合流後の単一通路を下流側排気通路23b、各上流側排気通路23a間の隔壁を分離隔壁23cとする。
各バルブ25,26は、各ポート21,23の燃焼室側開口22,24に整合する傘状のバルブ体から棒状のステム25a,26aを上方に延出してなる。各バルブ25,26のステム25a,26aは、シリンダヘッド10先端側に向けてシリンダ側面視V字状をなして延び、これらが吸気又は排気ポート21,23の上壁を貫通して動弁室32内に至った後、その先端を吸気側又は排気側ロッカーアーム35,36の揺動端部に係合させる。各バルブ25,26のステム25a,26aの先端部には不図示のリテーナが取り付けられ、該リテーナを介してバルブスプリング26b(図4に排気バルブ26側のみ示す)のバネ力を受けることで、各バルブ25,26が各ポート21,23の燃焼室側開口22,24を閉塞する方向に付勢される。
各バルブ25,26のステム25a,26a間には、クランクシャフト2と平行をなして左右に延びる単一のカムシャフト37が配置される。カムシャフト37は、その長手方向中間部に吸気カム38及び排気カム39を一体に有し、かつ左右両端部がボールベアリング40,41を介してシリンダヘッド10に回転自在に支持される。以下、カムシャフト37の回転軸線をC3として説明する。カムシャフト37右端にはカムドリブンスプロケット42が同軸固定され、該カムドリブンスプロケット42とクランクシャフト2右端部のカムドライブスプロケット41とに無端状のカムチェーン44が巻き掛けられることで、カムシャフト37がクランクシャフト2と連係して同一方向に回転駆動する。なお、図中符号45はカムチェーンテンショナを示す。
図4を併せて参照し、カムシャフト37の上方には、カムシャフト37と平行をなして左右に延びる吸気側ロッカーシャフト46又は排気側ロッカーシャフト47がそれぞれ前後に配置される。以下、各ロッカーシャフト46,47の軸線をそれぞれC4,C5とする。各ロッカーシャフト46,47は、シリンダヘッド10とヘッドカバー11との合わせ面(以下、G面ということがある)よりも下方(シリンダヘッド10側)に位置するもので、それぞれの左右両端部が天井形成部27から動弁室32内に向けて起立する左右の吸気側シャフト支持部48又は排気側シャフト支持部49に支持される。各ロッカーシャフト46,47には、吸気側又は排気側ロッカーアーム35,36の前後中間部がそれぞれ揺動自在に支持される。
図6を併せて参照し、各ロッカーアーム35,36におけるカムシャフト37側の端部には、それぞれ吸気カム38又は排気カム39の外周面に当接するカムローラ50が回転自在に支持される。一方、各ロッカーアーム35,36の他端部(前記揺動端部)には、それぞれタペットボルト51が螺着され固定される。各ロッカーアーム35,36は、それぞれタペットボルト51を介して各バルブ25,26のステム25a,26a先端に係合しており、カムシャフト37が回転駆動した際には、各カム38,39の外周パターンに応じて各ロッカーアーム35,36の前記他端部が揺動し、対応するバルブをそのステムに沿って往復動させて各ポート21,23の燃焼室側開口22,24を開閉させる。
図1〜3に示すように、シリンダ4の右側内には、前記カムチェーン44を収容するカムチェーン室52が設けられる。カムチェーン室52は左右幅を抑えた扁平状の収容空間を形成してなり、前記動弁室32内に送給されたエンジンオイル(以下、単にオイルということがある)のクランクケース3内への戻り通路としても機能する。以下、カムチェーン室52における左右内側の壁を内壁、左右外側の壁を外壁ということがある。
クランクシャフト2は、その左右両側に左右ジャーナル54を有し、該各ジャーナル54がクランクケース3の左右クランク軸受け55にメタルベアリングを介して回転自在に支持される。各ジャーナル54間には、左右クランクウェブ56を介して前記クランクピン16が支持される。
左ジャーナル54と左クランクウェブ56との間には、クランクケース3前部内に配設されたバランサ57駆動用のバランサドライブギヤ58が同軸固定される。なお、クランクケース3前部右側には、バランサ57と同軸をなしてこれと一体的に駆動するウォータポンプ59が設けられる。クランクシャフト2の左側部には、シリンダ4後方のスタータモータ60と連係するスタータドリブンギヤ61及びワンウェイクラッチ62が同軸配置される。また、クランクシャフト2の左端部にはジェネレータ63が同軸配置される。
クランクシャフト2の右側部には、右ジャーナル54の右側に隣接して前記カムドライブスプロケット41が同軸に設けられ、該カムドライブスプロケット41の右側に隣接してプライマリドライブギヤ64が同軸に設けられ、該プライマリドライブギヤ64の右側に隣接してポンプドライブギヤが同軸に設けられる。
クランクケース3の後部内側には、クランクシャフト2と平行をなして左右に延びるメインシャフト66が配設される。メインシャフト66は、これと平行をなすカウンタシャフト67と共に変速ギヤ群68を支持して前記トランスミッション7を構成する。クランクケース3の後部右側には、メインシャフト66と同軸をなす前記クラッチ6が配設される。クラッチ6には、これと同軸をなして前記プライマリドライブギヤ64と噛み合う比較的大径のプライマリドリブンギヤ69が取り付けられる。このクラッチ6を介して、クランクシャフト2とメインシャフト66との間の動力伝達が断続される。
図2に示すように、クランクケース3内の下部右側には、エンジン1の各部にエンジンオイルを圧送するオイルポンプ71が配設される。オイルポンプ71は、そのポンプドリブンギヤ72をクランクシャフト2右側の前記ポンプドライブギヤに噛み合わせることで、クランクシャフト2と連係して駆動する。
ここで、エンジン1はドライサンプ式の潤滑装置を備えている。すなわち、エンジン1は、クランクケース3下の小型のオイルパン73に加え、比較的大型のオイルタンク(不図示)を別途有している。
図5を併せて参照し、オイルポンプ71は、フィードポンプ71a及びスカベンジポンプ71bを同軸配置してこれらを一体的に駆動させるもので、エンジン1の運転に伴いオイルポンプ71が作動した際には、まずフィードポンプ71aが圧送側オイルホース74aを介して前記オイルタンク内のエンジンオイルを吸引し、該オイルをクランクケース3右側のオイルフィルタ75を経てエンジン1内の各部に圧送する。エンジン1内の各部に供給された後に自然滴下等によりオイルパン73内に戻ったオイルは、スカベンジポンプ71bに吸引されて回収側オイルホース74bを介して前記オイルタンク内に戻される。このような過程を繰り返すことで、エンジンオイルがオイルタンクとエンジン1との間を循環する。
オイルフィルタ75を通過した後のエンジンオイルは、クランクシャフト2右端を臨ませる軸端油室76に圧送されると共に、クランクケース3上部で分岐するシリンダ内油路77及びケース内油路78にそれぞれ圧送される。軸端油室76に圧送されたエンジンオイルは、クランクシャフト2内に形成されたクランク軸内油路79を介して各給油箇所に供給される。一方、シリンダ内油路77に圧送されたエンジンオイルは、動弁室32内において各給油箇所に供給され、ケース内油路78に圧送されたエンジンオイルは、クランクケース3後部内において各給油箇所に供給される。シリンダ内油路77は、オイルポンプ71からほぼ直上に延びるように、シリンダ4の右側部内(カムチェーン室52の外壁内)にこれに沿って形成されている(図3参照)。
ここで、エンジン1は、排気ガスに空気を供給してその浄化を促進する二次空気供給装置を備えている。
図4,6に示すように、二次空気供給装置は、シリンダヘッド10及びヘッドカバー11に跨って形成される二次空気供給通路81と、ヘッドカバー11に形成されて二次空気供給通路81の上端を開口させるバルブ収容室82とを有してなる。
二次空気供給通路81は、左右排気バルブ26間であって動弁室前壁83内に形成される。以下、動弁室前壁83における二次空気供給通路81を形成する部位を通路形成部84とする。ここで、動弁室前壁83には、各排気バルブ26用のバルブスプリング26bを避けるべく前方に凸の台形状に変化してなるスプリング収容部85が形成されており、該スプリング収容部85の左右中央部の上下に渡って、前記通路形成部84が形成される。
通路形成部84は、スプリング収容部85の前後面から断面半円形状をなして動弁室32内外に突出する。このような通路形成部84における動弁室32内側(後側)の部位は、左右バルブスプリング26bを避けてこれらの間に入り込むように突出しており、該通路形成部84後部とバルブスプリング26b前部とをシリンダ側面視でオーバーラップさせることで、動弁室32内の空きスペースの有効利用によるシリンダ4上部の小型化を図っている。
二次空気供給通路81は、各排気バルブ26のステム26aと平行をなすように形成される。したがって、シリンダヘッド10にステム挿通孔を形成する際には、シリンダヘッド10の角度をそのままに二次空気供給通路81をも同一工程で形成可能である。
二次空気供給通路81は、シリンダヘッド10の前部(一部ヘッドカバー11の前部)内において上下に延在し、かつエンジン1の車両搭載状態において鉛直方向に対して上部が前側に位置するように傾斜して配置され(図1,2参照)、さらにシリンダ軸線C2に対しても上部が前側に位置するように傾斜して配置される。
二次空気供給通路81の下端は、排気ポート23の上部内壁に開口しており、該二次空気供給通路81から排気ポート23内の排気ガス中に不図示のエアクリーナケースからの新鮮な空気を供給可能である。
図7(a)を併せて参照し、二次空気供給通路81の下端開口86は、排気ポート23における分離隔壁23cの直後の下流に位置している。換言すれば、排気ポート23における各上流側排気通路23aの合流点に、二次空気供給通路81の下端開口86が位置している。
なお、図7(a)に示す排気ポート23は、各排気燃焼室側開口24から排気管側開口34に向けて左右に偏ることなく前方に延びるものであるが、図7(b)に示す排気ポート23’のように、例えば車体フレーム等を避けるべく、各排気燃焼室側開口24から左右何れかに湾曲しつつ前方へ延びるものであってもよい。このとき、分離隔壁23cも各排気通路23a,23bに沿って同様に湾曲している。このように、湾曲した排気ポート23’の湾曲中間部に二次空気供給通路81を開口させることで、排気浄化性能をさらに向上できる。
バルブ収容室82は、動弁室上壁87(ヘッドカバー11上壁)の前側であって二次空気供給通路81の直上に設けられるもので、シリンダ軸線C2に沿う上面視で前後に長い長方形状をなし、その前後幅は前記通路形成部84から排気側ロッカーシャフト47に至るまでとされ、左右幅は左右排気バルブ26のバルブスプリング26b内側とラップするまでとされる。
動弁室上壁87には、前記長方形状の範囲を下方(動弁室32内)に変化させてなる下方変化部88が形成され、該下方変化部88の上部開放部がバルブ蓋部材89で閉塞されることで、前記バルブ収容室82が構成される。このようなバルブ収容室82内には、前記下方変化部88の上部開放部内側に概ね整合する薄板状のリードバルブ90が配設される。
リードバルブ90は、通常時には二次空気供給路81を閉じ、排気ポート23内の負圧時には二次空気供給路81を開く機械式のもので、排気ポート23内に適宜二次空気を供給可能とする。なお、リードバルブ90の形態は特に限定されず、例えばソレノイド等を用いて作動する電気式のものであってもよい。
バルブ蓋部材89の後部には、ヘッドカバー11上方において後方に延出する空気導入通路91が設けられる。空気導入通路91はチューブ状をなし、該空気導入通路91に不図示のエアクリーナケースから延びる二次空気供給用ホースが接続される。空気導入通路91はエンジン1の車両搭載状態においては水平方向に対して後上がりに傾斜して配置され(図1,2参照)、かつシリンダ軸線C2に対しては側面視で略直交するように配置される。
図8に示すように、カムシャフト37は、動弁室32略中央において左右に並ぶ前記吸気側及び排気側カム38,39と、左側に位置する吸気側カム38の左側から左方に突出する左ジャーナル92と、右側に位置する排気側カム39の右側から右方に突出する右軸部93と、該右軸部93の右側からさらに右方に突出する右ジャーナル94とを有してなる。
左ジャーナル92はカムシャフト37の左端部を構成し、該左ジャーナル92の外周には前記左ボールベアリング40が圧入等により取り付けられる。一方、右ジャーナル94はカムシャフト37の右端部を構成し、該右ジャーナル94の外周には前記右ボールベアリング41が圧入等により取り付けられる。右軸部93の外周には、排気側カム39右側に隣接するように、エンジン始動時の圧縮工程時に排気バルブ26を開動作させるデコンプ機構95が取り付けられる。
右ジャーナル94は右ボールベアリング41を貫通してさらに右方に突出し、該右ジャーナル94の右側部外周には、前記カムドリブンスプロケット42取り付け用のフランジ部材96が圧入等により取り付けられる。
カムシャフト37は、上述の各部品が予め取り付けられた状態で、シリンダヘッド10内(動弁室32内)にその右側方から前記回転軸線C3に沿って差し込まれる。
図9を併せて参照し、シリンダヘッド10の右側部(カムチェーン室52の外壁)には、上記各部品が取り付けられたカムシャフト37を挿通可能な右挿通孔97が形成される。シリンダヘッド10内には、カムシャフト37の左ジャーナル92を、左ボールベアリング40を介して回転自在に支持する左カム軸受け98が一体形成されると共に、カムシャフト37の右ジャーナル94を、右ボールベアリング41を介して回転自在に支持する右カム軸受け99が一体形成される。
左カム軸受け98は、カムシャフト37側(右側)に開放する浅いカップ状をなすもので、その内周に左ボールベアリング40の外周を嵌合させてこれを保持する。左カム軸受け98は、前記プラグホール29の右側に隣接しており、該左カム軸受け98の底壁がプラグホール29の内壁の一部を構成する。
一方、右カム軸受け99は、カムチェーン室52の内壁52aの略上方に設けられるもので、右ボールベアリング41に対応する挿入孔を有し、該挿入孔の内周に右ボールベアリング41の外周を嵌合させてこれを保持する。ここで、右ボールベアリグは、左ボールベアリング40、各カム38,39、及びデコンプ機構95の最大径よりも大きな外径を有しており、カムシャフト37をシリンダヘッド10内に差し込む際には、右カム軸受け99内を、右ボールベアリング41よりも左側に位置する左ボールベアリング40、各カム38,39、及びデコンプ機構95が通過可能である。
カムシャフト37をシリンダヘッド10内に差し込む際には、まず、カムシャフト37に各ボールベアリング40,41及びデコンプ機構95を予め取り付け、この状態のカムシャフト37を右挿通孔97からシリンダヘッド10内に回転軸線C3に沿って差し込むことで、左ボールベアリング40、各カム38,39、及びデコンプ機構95が右カム軸受け99を通過した後、左ボールベアリング40が左カム軸受け98内に、右ボールベアリング41が右カム軸受け99内にそれぞれ挿入されて保持される。以下、カムシャフト37の右端を手前端、左端を奥端ということがある。
次いで、シリンダヘッド10内にその上方からカムドリブンスプロケット42を差し入れ、これをフランジ部材96に締結する。この締結作業は右挿通孔97から行うことができる。この後、右挿通孔97に蓋部材101を取り付けてこれを閉塞することで、カムシャフト37の動弁室32内への取り付けが完了する。なお、カムシャフト37の右ジャーナル94の末端部は、フランジ部材96の右端からカムドリブンスプロケット42の厚さの半分程度だけ突出しており、この突出部分がカムドリブンスプロケット42の中央孔内に嵌合することで、カムドリブンスプロケット42の取り付け作業を容易にしている。
各ロッカーシャフト46,47は、所定長さの例えば円形鋼管の両端部に、これらを各シャフト支持部48,49に固定する締結ボルト102に対応する切り欠き103を形成してなる。各締結ボルト102は、各シャフト支持部48,49を上方から貫通して天井形成部27に螺着されるもので、その先端側にのみネジ山が刻設される。
吸気側ロッカーシャフト46に対応する各締結ボルト102は、該ロッカーシャフト46に対して前方(カムシャフト37と反対側)にオフセットしており、これら各締結ボルト102を避けるように、吸気側ロッカーシャフト46の両端部前側に、各締結ボルト102の外形に沿う断面半円状をなす前記切り欠き103が形成される。一方、排気側ロッカーシャフト47に対応する各締結ボルト102は、該ロッカーシャフト47に対して後方(カムシャフト37と反対側)にオフセットしており、これら各締結ボルト102を避けるように、排気側ロッカーシャフト47の両端部後側に、各締結ボルト102の外形に沿う断面半円状をなす切り欠き103が形成される。
各ロッカーシャフト46,47は、カムシャフト37と同様、シリンダヘッド10内にその右側方からそれぞれ軸線C4,C5に沿って差し込まれる。
シリンダヘッド10の右側部には、各ロッカーシャフト46,47を通過可能な右上挿通孔104が前後に並んで形成される。図4を併せて参照し、シリンダヘッド10内には、各ロッカーシャフト46,47の左端部を挿通させて支持する左側の各シャフト支持部48,49が一体形成されると共に、各ロッカーシャフト46,47の右端部を挿通させて支持する右側の各シャフト支持部48,49が一体形成される。
左側の各シャフト支持部48,49は、左カム軸受け98の左方において各ロッカーシャフト46,47に対応して設けられるもので、シリンダヘッド10の基部である前記天井形成部27から前記G面に至るまで起立して設けられる。左側の各シャフト支持部48,49は、中間リブ48a及び左カム軸受け98を介して互いに連結される。ここで、シリンダヘッド10には、これをシリンダ本体9と共に前記スタッドボルト12を用いてクランクケース3に固定するためのヘッド締結部105が各隅部に形成されており、これらの一部とこれに近接する左側の各シャフト支持部48,49とが外リブ48bを介して連結される。左側の各シャフト支持部48,49の右端は、各ロッカーアーム35,36の左端に摺接する左スラスト支持部106とされる。
一方、右側の各シャフト支持部48,49は、右カム軸受け99の右方において各ロッカーシャフト46,47に対応して設けられるもので、シリンダヘッド10の前記天井形成部27からG面に至るまで起立して設けられる。右側の各シャフト支持部48,49は、中間リブ49a及び左カム軸受け98を介して互いに連結されると共に、近接する前記ヘッド締結部105とも外リブ49bを介して連結される。右側の各シャフト支持部48,49の左側には、各ロッカーアーム35,36の右端に摺接する右スラスト支持部107が突設される。
各ロッカーシャフト46,47をシリンダヘッド10内に差し込む際には、まず、これらをその軸線C4,C5に沿って各右上挿通孔104からシリンダヘッド10内に差し込み、各ロッカーシャフト46,47の左端部を左側の各シャフト支持部48,49内に、右端部を右側の各シャフト支持部48,49内にそれぞれ挿通して保持させる。この状態で、各シャフト支持部48,49にその上方からそれぞれ締結ボルト102を差し込むことで、各ロッカーシャフト46,47の軸線方向での移動及び軸線回りの回動が規制されると共に、各締結ボルト102をシリンダヘッド10に締め込むことで、これらの締結力により各ロッカーシャフト46,47が各シャフト支持部48,49に強固に保持された固定状態となる。この後、各右上挿通孔104にプラグ108を取り付けてこれらを閉塞することで、各ロッカーシャフト46,47のシリンダヘッド10への取り付けが完了する。
ここで、各締結ボルト102がシリンダヘッド10のG面からその基部である天井形成部27まで達してこれに締め込まれることで、アルミダイキャスト製のシリンダヘッド10の各シャフト支持部48,49が、鋼鉄製の締結ボルト102により補強される。これにより、バルブ駆動時に生じる各ロッカーアーム35,36及びロッカーシャフト46,47に対する反力を、各締結ボルト102を介してシリンダヘッド10の深い位置でも受けることができ、前記反力をシリンダヘッド10全体に分散させ易くなって、各ロッカーシャフト46,47の支持剛性を良好に保つことができる。
カムシャフト37は、その回転軸線C3上にカム軸内油路111を有することで中空状をなしている。カム軸内油路111は、カムシャフト37の手前端(右端)から例えば両カム38,39間に至るまで形成される。カム軸内油路111の奥側(左側)には、例えば両カム38,39間の外周面に開口する油孔112が形成される。一方、シリンダヘッド10の右挿通孔97の下端内周には、前記シリンダ内油路77の上端が開口しており、このシリンダ内油路77とカム軸内油路111とが、蓋部材101内に形成された蓋内油路113を介して連通することで、カムシャフト37の各給油箇所にオイルを供給可能である。以下、シリンダ内油路77におけるシリンダヘッド10右側に形成される部位をヘッド内油路77aということがある。
蓋部材101は右挿通孔97と同様に側面視円形をなすもので、その中央部左側にはカムシャフト37側に向けてボス部114が突設され、該ボス部114の先端がスラスト受け部材115を介してカムシャフト37の手前端に当接する。この蓋部材101が、右挿通孔97内周に密接するOリング101aを介して、該右挿通孔97を油密に閉塞する。
図10(a),(b)を併せて参照し、スラスト受け部材115は、有孔円板状のスラスト受け本体116と、該スラスト受け本体116内周から右方(蓋部材101側)に向けて突出する円筒状のカラー部117とを有してなる。カラー部117はボス部114先端内側に差し込まれ、これらがカムシャフト37の軸方向で相対移動可能となるようにカラー部117外周とボス部114内周とが嵌合する。
蓋部材101及びスラスト受け部材115は、ボス部114及びカラー部117が互いに嵌合した状態でこれらを例えば上下に貫通するスプリングピン118を介して連結される。スプリングピン118は断面C字状をなすもので、その周方向で対向する両側縁間に所定の間隙を有し、かつ該両側縁が例えば互いに整合する波形に形成される。一方、ボス部114の上下にはスプリングピン118を弾性的に縮径させた状態で挿通させるボス側挿通孔が形成されると共に、カラー部117の上下にはスプリングピン118を遊嵌させるカラー側挿通孔が形成される。
そして、スプリングピン118をボス部114及びカラー部117にこれらを貫通するように差し込むことで、蓋部材101及びスラスト受け部材115がスプリングピン118を介して連結される。このとき、スラスト受け部材115は、前記カラー側挿通孔とスプリングピン118との間の遊びの範囲内でカムシャフト37の軸方向で移動可能とされる。
また、ボス部114内にはコイルスプリング115aが縮設されており、該コイルスプリング115aの弾性力により、スラスト受け部材115が蓋部材101に対してカムシャフト37側へ付勢される。
上述の如くボス部114及びカラー部117をスプリングピン118により連結した状態で、蓋部材101をシリンダヘッド10に取り付けた際には、スラスト受け部材115がカムシャフト37手前端に弾性的に当接する。すなわち、前記コイルスプリング115aの弾性力によりカムシャフト37が奥端側に付勢されると共に手前端側への移動が規制され、もってカムシャフト37の手前端が蓋部材101によりスラスト方向で支持された状態となる。このとき、スラスト受け部材115は、前記カムドリブンスプロケット42の内周位置においてカムシャフト37の手前端に当接することとなる。
図8に示すように、蓋部材101におけるボス部114基端側の下方には、上下に延びる油路形成部119が形成され、該油路形成部119内には、これに沿って上下に延びる縦油路120が形成される。ボス部114内には、カムシャフト37側に開放する中空部121が形成されており、この中空部121と縦油路120とが連通することで、蓋部材101内に例えばシリンダ正面視でL字状に屈曲する前記蓋内油路113が形成される。
蓋内油路113の下端は蓋部材101の下端外周に開口しており、この下端開口86が、蓋部材101をシリンダヘッド10に取り付けた際に、右挿通孔97の下端内周におけるヘッド内油路77aの上端開口と対向することで、ヘッド内油路77aと蓋内油路113とが互いに連通する。
また、蓋部材101をシリンダヘッド10に取り付けた際に、蓋内油路113のボス部114先端における開口が、カム軸内油路111のカムシャフト37手前端における開口にスラスト受け部材115を介して対向することで、カム軸内油路111と蓋内油路113とが互いに連通する。
すなわち、シリンダヘッド10に蓋部材101を取り付けることで、ヘッド内油路77aとカム軸内油路111とが蓋内油路113を介して連通することとなり、前記オイルポンプ71の作動によりシリンダ内油路77に圧送されたエンジンオイルが、蓋内油路113及びカム軸内油路111を経てカムシャフト37の各給油箇所に供給される。またこのとき、スラスト受け部材とカムシャフト37との当接位置がカムドリブンスプロケット42の内周位置であることから、該当接位置から溢れたオイルによりカムドリブンスプロケット42を潤滑可能である。なお、前記スプリングピン118は油路断面積に対して十分小径であり、カムシャフト37へのオイル流を妨げることはない(図10(b)参照)。
以上説明したように、上記実施例におけるカム軸潤滑装置は、シリンダヘッド10の一側からカムシャフト37をその奥端側から差し込みシリンダヘッド10に回転自在に支持させると共に、前記カムシャフト37の手前端にカムドリブンスプロケット42を固定して該カムシャフト37を駆動させるOHC式エンジン1に適用されるものであって、前記シリンダヘッド10のカムシャフト37用の右挿通孔97に取り付けられると共に前記カムシャフト37の手前端に中空状のスラスト受け部材115を介して軸方向で当接する蓋部材101を備え、前記カムシャフト37には前記手前端に開口するカム軸内油路111が形成されると共に、前記シリンダヘッド10には前記一側に沿うように延びるヘッド内油路77aが形成され、前記蓋部材101には、前記ヘッド内油路77aに連通すると共に前記スラスト受け部材115を介して前記カム軸内油路111に連通する蓋内油路113が形成されるものである。
この構成によれば、シリンダヘッド10にその一側からカムシャフト37を差し込んでこれを支持する構造のOHC式エンジン1において、シリンダヘッド10にカムシャフト37への給油通路を形成する際に、シリンダヘッド10の一側に沿うヘッド内油路77aとこれと略直交するカム軸内油路111との屈曲部分等の比較的複雑な経路を、シリンダヘッド10と別体の蓋部材101に形成することで、前記給油通路の形成を容易にできる。
また、上記カム軸潤滑装置においては、前記シリンダヘッド10のヘッド内油路77aと同側かつ直下にオイルポンプ71が配置されることで、クランクケース3内のオイルポンプ71からシリンダヘッド10内のカムシャフト37までの給油通路長さを最小限に抑えることができる。
さらに、上記カム軸潤滑装置においては、前記スラスト部材115は、前記蓋部材101との間のコイルスプリング115aにより前記カムシャフト37側へ押圧されることで、簡単な構造でオイルをカムシャフト37内へ供給できると共に組み付け性も向上できる。
さらにまた、上記カム軸潤滑装置においては、前記スラスト部材115は、前記カムスプドリブンスプロケット42の内周位置で前記カムシャフト37に当接することで、スラスト部材115とカムシャフト37との当接部から溢れたオイルによりカムドリブンスプロケット42の潤滑を行うことができる。
なお、この発明は上記実施例に限られるものではなく、例えば、前傾したシリンダではなく、後傾あるいは左右に傾斜したシリンダや例えば前方に向けて略水平に配置されたシリンダにも適用できる。また、シリンダヘッドの左側からカムシャフトを差し込む構成でもよく、かつ差し込み方向が左右方向に限定されるものでもない。さらに、DOHC(ダブルオーバーヘッドカムシャフト)式のエンジンにも適用できることはもちろん、並列又はV型等の複数気筒エンジンや、クランク軸を車両前後方向に沿わせた縦置きエンジン等にも適用可能である。
そして、上記実施例における構成はこの発明の一例であり、該発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であることはいうまでもない。
この発明の実施例におけるエンジンの左側面図である。 上記エンジンの右側面図である。 上記エンジンの展開断面図である。 上記エンジンのシリンダヘッド内の上面図である。 上記エンジンのオイルポンプ周辺の展開断面図である。 図1のシリンダヘッド周りの拡大図である。 上記エンジンの排気ポートの説明図であり、(a)はこの実施例のものを示し、(b)はこの実施例の変形例を示す。 図3のシリンダヘッド周りの拡大図である。 図8のA矢視図である。 上記シリンダヘッドに取り付く蓋部材の一部及びこれに取り付くスラスト受け部材の説明図であり、(a)は分解斜視図、(b)は(a)のB−B断面図である。 この発明の実施例における車両の左側面図である。
符号の説明
1 エンジン
10 シリンダヘッド
37 カムシャフト(カム軸)
42 カムドリブンスプロケット(カムスプロケット)
71 オイルポンプ
77a ヘッド内油路
97 右挿通孔(カム軸挿通孔)
101 蓋部材
111 カム軸内油路
113 蓋内油路
115 スラスト受け部材
115a コイルスプリング(弾性部材)

Claims (4)

  1. シリンダヘッドの一側からカム軸をその奥端側から差し込みシリンダヘッドに回転自在に支持させると共に、前記カム軸の手前端にカムスプロケットを固定して該カム軸を駆動させるOHC式エンジンのカム軸潤滑装置において、
    前記シリンダヘッドのカム軸挿通孔に取り付けられると共に前記カム軸の手前端に中空状のスラスト受け部材を介して軸方向で当接する蓋部材を備え、前記カム軸には前記手前端に開口するカム軸内油路が形成されると共に、前記シリンダヘッドには前記一側に沿うように延びるヘッド内油路が形成され、前記蓋部材には、前記ヘッド内油路に連通すると共に前記スラスト受け部材を介して前記カム軸内油路に連通する蓋内油路が形成されることを特徴とするOHC式エンジンのカム軸潤滑装置。
  2. 前記シリンダヘッドのヘッド内油路と同側かつ直下にオイルポンプが配置されることを特徴とする請求項1に記載のOHC式エンジンのカム軸潤滑装置
  3. 前記スラスト部材は、前記蓋部材との間の弾性部材により前記カム軸側へ押圧されることを特徴とする請求項1又は2に記載のOHC式エンジンのカム軸潤滑装置。
  4. 前記スラスト部材は、前記カムスプロケットの内周位置で前記カム軸に当接することを特徴とする請求項1から3の何れかに記載のOHC式エンジンのカム軸潤滑装置。

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