JP5176226B2 - 内燃機関のピストン冷却構造 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関のピストン冷却構造に関し、特に、ピストンにオイルを噴射するオイルジェットパイプを備える内燃機関のピストン冷却構造に関する。
従来の内燃機関のピストン冷却構造としては、ピストンに向けてオイルを噴射するオイルジェットパイプの軸方向端部にステーを設け、このステーをボルトでクランクケースに締結することにより、オイルジェットパイプをクランクケースに固定して、オイルジェットパイプの噴射孔のピストンに対する角度位置を規制するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2007−231787号公報
ところで、上記した特許文献1に記載の内燃機関のピストン冷却構造では、オイルジェットパイプのステーをボルトでクランクケースに締結して、オイルジェットパイプをクランクケースに固定するため、部品点数が多く、また、ボルトを締結するためのボスをクランクケースに形成する必要があるため、オイルジェットパイプの固定部周辺にスペースが必要であった。
本発明は、上記した課題に鑑みてなされたもので、その目的は、オイルジェットパイプをクランクケースに固定するための部品点数を削減することができ、オイルジェットパイプの固定部周辺のコンパクト化を図ることができる内燃機関のピストン冷却構造を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、シリンダ内を往復動するピストンと、ピストンをシリンダ内で往復動させるクランクシャフトを回転可能に支持するクランクケースと、クランクケース内に挿入され、ピストンに向けて冷却用のオイルを噴射する噴射孔が形成されるオイルジェットパイプと、を備える内燃機関のピストン冷却構造において、オイルジェットパイプのクランクケースへの挿入部分で、オイルジェットパイプの軸方向端部及びクランクケースに、互いに連通するピン保持部がそれぞれ形成され、オイルジェットパイプ及びクランクケースのピン保持部にピンを嵌合することにより、オイルジェットパイプをクランクケースに固定し、クランクケースは分割式であり、クランクケースのピン保持部の開口部がクランクケースの分割面に形成されることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明の構成に加えて、オイルジェットパイプは円筒形状であり、オイルジェットパイプのピン保持部が、オイルジェットパイプの軸方向視で円筒形状の中心線からオフセットした位置、且つオイルジェットパイプの軸方向に対して直交する方向に形成されることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明の構成に加えて、オイルジェットパイプのピン保持部が、有底穴であることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明の構成に加えて、オイルジェットパイプのピン保持部が、オイルジェットパイプの外周部を接線方向に沿って切り欠いた切欠き部であることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項1〜のいずれかに記載の発明の構成に加えて、オイルジェットパイプのピン保持部は、オイルジェットパイプの外周面に設けられる平坦面に形成されることを特徴とする。
請求項1に記載の内燃機関のピストン冷却構造によれば、オイルジェットパイプのクランクケースへの固定とオイルジェットパイプの噴射孔のピストンに対する角度位置規制とをピンで行うため、オイルジェットパイプをクランクケースに固定するための部品点数を削減することができ、オイルジェットパイプの固定部周辺のコンパクト化を図ることができる。
また、請求項1に記載の内燃機関のピストン冷却構造によれば、クランクケースは分割式であり、クランクケースのピン保持部の開口部がクランクケースの分割面に形成されるため、開口部からピンをオイルジェットパイプ及びクランクケースのピン保持部に挿入するだけでオイルジェットパイプを固定することができる。これにより、ピン抜け止め用の部材を別途用意する必要がないので、オイルジェットパイプをクランクケースに固定するための部品点数を更に削減することができる。
求項2に記載の内燃機関のピストン冷却構造によれば、オイルジェットパイプは円筒形状であり、オイルジェットパイプのピン保持部が、オイルジェットパイプの軸方向視で円筒形状の中心線からオフセットした位置、且つオイルジェットパイプの軸方向に対して直交する方向に形成されるため、クランクケースのピン保持部の開口部からオイルジェットパイプまでの肉厚を大きく確保することができるので、オイルジェットパイプの固定部周辺の剛性及び強度を十分に確保することができる。また、オイルジェットパイプのピン保持部とピンとの接触面積を大きくすることができるので、オイルジェットパイプの噴射孔のピストンに対する角度位置規制の精度を向上することができる。
請求項に記載の内燃機関のピストン冷却構造によれば、オイルジェットパイプのピン保持部が有底穴であるため、ピンがピン保持部の底面と周面に接触する。これにより、オイルジェットパイプのピン保持部とピンとの接触面積を更に大きくすることができるので、オイルジェットパイプの噴射孔のピストンに対する角度位置規制の精度を更に向上することができる。
請求項に記載の内燃機関のピストン冷却構造によれば、オイルジェットパイプのピン保持部が、オイルジェットパイプの外周部を接線方向に沿って切り欠いた切欠き部であるため、オイルジェットパイプに穴加工をする必要がなく、ピン保持部の加工性を向上することができる。また、細径のオイルジェットパイプにもピン保持部を容易に形成することができるので、内燃機関の軽量化及びコンパクト化を図ることができる。
請求項に記載の内燃機関のピストン冷却構造によれば、オイルジェットパイプのピン保持部が、オイルジェットパイプの外周面に設けられる平坦面に形成されるため、ピン保持部の加工が容易になる。
以下、本発明に係る内燃機関のピストン冷却構造の各実施形態について、添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態の内燃機関は不図示の自動二輪車に搭載されるもので、以下の説明において、前後、左右、上下は、運転者から見た方向に従い、図面に自動二輪車の前方をFr、後方をRr、左側をL、右側をR、上方をU、下方をD、として示す。
(第1実施形態)
まず、図1〜図8を参照して、本発明に係る内燃機関のピストン冷却構造の第1実施形態について説明する。
図1に示すように、本実施形態の内燃機関1は、水冷4ストロークV型4気筒エンジンであり、例えば、自動二輪車の原動機として、そのクランクシャフト2の回転軸線C1を車両進行方向と直交させて(左右方向に沿わせて)車体に搭載される。
内燃機関1のクランクケース3の前部上側には、斜め前上方に向けて前シリンダ4が立設され、その直ぐ後方には斜め後上方に向けて後シリンダ5が立設される。また、クランクケース3の前部内側には、上記したクランクシャフト2が配設される。また、クランクケース3の後部には不図示の変速機が収容される。
前シリンダ4の後面側及び後シリンダ5の前面側には、不図示のスロットルボディに連なる吸気管取り付け部8が設けられる。前シリンダ4の前面側及び後シリンダ5の後面側には、不図示の排気管に連なる排気管取り付け部9が設けられる。また、クランクケース3の下側には、エンジンオイルを貯留するオイルパン10が取り付けられる。
前後シリンダ4,5は、主として、それぞれクランクケース3の前部上側に一体に設けられるシリンダ本体12と、各シリンダ本体12の先端側に取り付けられるシリンダヘッド13と、各シリンダヘッド13の先端側に取り付けられるヘッドカバー14と、を備える。また、各シリンダ本体12内に形成される不図示のシリンダボア内にピストン16が往復動可能に嵌装される。
図3を併せて参照して、各ピストン16には、それぞれコンロッド17の小端部が揺動自在に連結される。各コンロッド17の大端部は、クランクシャフト2の各クランクピン18,19に回転可能に連結される。なお、図中の一点鎖線CLは内燃機関1の左右中心を示す。
クランクシャフト2は、左右クランクピン18,19を有し、左クランクピン18には、前後シリンダ4,5左側の気筒における各コンロッド17が連結され、右クランクピン19には、前後シリンダ4,5右側の気筒における各コンロッド17が連結される。また、クランクシャフト2の左端部にはジェネレータ20が同軸配置され、このジェネレータ20は、クランクケース3の一部をなすカップ状のジェネレータカバー21により覆われる。
各シリンダヘッド13は、各シリンダボアの先端開口を閉塞してピストン16と共に燃焼室を形成する。本実施形態における内燃機関1はDOHC4バルブであり、燃焼室の天井部には吸気ポート及び排気ポートにおける燃焼室側開口が2つずつ形成され、これら各燃焼室側開口がそれぞれ吸気バルブ24又は排気バルブ25により開閉される。
各バルブ24,25のステムは、シリンダヘッド13先端側に向けて側面視V字状をなして延び、その先端が不図示のバルブリフタを介して吸気用又は排気用カムシャフト26,27の各カムにそれぞれ摺接する。各カムシャフト26,27は、クランク軸と平行に(左右方向に沿って)延在するもので、これら各カムシャフト26,27の回転駆動により、各バルブ24,25がそのステムに沿って往復動して各ポートの燃焼室側開口を開閉させる。これら各バルブ24,25及びカムシャフト26,27を主とする動弁機構は、シリンダヘッド13及びヘッドカバー14で形成される動弁室内に収容される。
各カムシャフト26,27は、各シリンダ4,5の右側に配設されるギヤトレーン機構29を介して、クランクシャフト2と連係駆動して各バルブ24,25を開閉させる。ギヤトレーン機構29は、各シリンダ4,5右側内部に形成されるギヤトレーン室32内に収容される。ギヤトレーン室32は、上記動弁室内に送給されたエンジンオイルのクランクケース3内への戻り通路としても機能する。
クランクシャフト2は、その左右両側及び左右中央にそれぞれ左右及び中央ジャーナル33,34,35を有し、各ジャーナル33,34,35がクランクケース3における左右及び中央クランク軸受け36,37,38にそれぞれメタルベアリング36a,37a,38aを介して回転自在に支持される。また、左及び中央ジャーナル33,34間には、左右一対の左クランクウェブ39を介して左クランクピン18が支持され、中央及び右ジャーナル34,35間には、左右一対の右クランクウェブ40を介して右クランクピン19が支持される。
クランクシャフト2の右側部には、右ジャーナル35右側に隣接してプライマリドライブギヤ41が同軸に設けられ、このプライマリドライブギヤ41右側に隣接してカムドライブギヤ44が同軸に設けられ、このカムドライブギヤ44右側に隣接してパルサーロータ42が同軸に設けられる。プライマリドライブギヤ41は、クランクケース3の前部右側に位置する右バランサ78用の駆動ギヤとしても機能する(図4参照)。
カムドライブギヤ44はギヤトレーン機構29の一部をなすもので、このカムドライブギヤ44からの回転駆動力は、その上方に位置するセカンドギヤ45に伝達された後、シリンダ本体12右側に位置するサードギヤ46に振り分けて伝達され、かつ各サードギヤ46からシリンダヘッド13右側に位置するフォースギヤ47に伝達された後、さらに各フォースギヤ47から各カムシャフト26,27の右側端に同軸固定される吸気用又は排気用カムドリブンギヤ48,49に振り分けて伝達される。
クランクシャフト2におけるパルサーロータ42の右側には、パルサーロータ42、カムドライブギヤ44、及びプライマリドライブギヤ41を固定するナットを螺着可能な右雄ネジ部52が突設され、この右雄ネジ部52のさらに右側には比較的小径の右円筒部53が突設される。
クランクシャフト2の左側部には、左ジャーナル33の左側に隣接して左バランサドライブギヤ54が同軸に設けられる。クランクシャフト2における左バランサドライブギヤ54の左側の部位は、左側ほど緩やかに縮径するテーパ部55とされ、このテーパ部55には、上記ジェネレータ20の例えばアウタロータが嵌合固定される。テーパ部55の左側にはジェネレータ20を固定するナットを螺着可能な左雄ネジ部56が突設され、この左雄ネジ部56のさらに左側には比較的小径の左円筒部57が突設される。
クランクケース3の後部内側には、クランクシャフト2と平行をなすメインシャフト59が配設される。メインシャフト59は、不図示のカウンタシャフトと共に変速ギヤ群を支持して不図示の変速機を構成する。また、メインシャフト59の右側部には、上記プライマリドライブギヤ41と噛み合う比較的大径のプライマリドリブンギヤ62が同軸かつ相対回転自在に設けられる。そして、クランクシャフト2の回転駆動力は、クランクシャフト2の軸上に設けられるプライマリドライブギヤ41、及びメインシャフト59の軸上に設けられるプライマリドリブンギヤ62と不図示の多板クラッチを介してメインシャフト59に伝達される。なお、図中一点鎖線C4はメインシャフト59の回転軸線を示す。
クランクケース3の下部内側には、内燃機関1内の各オイル通路にエンジンオイルを圧送するオイルポンプ68が配設される。このオイルポンプ68は、メインシャフト59の軸上に設けられる不図示のポンプドライブスプロケットとチェーンを介して連係され、クランクシャフト2の回転駆動に伴い作動する。オイルポンプ68の下部からは、オイルパン10内に向けてオイルストレーナ70が延出する。オイルポンプ68の前部からは、クランクケース3の下部前側に設けられるオイルフィルタ72に向けて吐出通路71が延出する。
内燃機関1運転時にオイルポンプ68が作動すると、まず、オイルストレーナ70を介してオイルパン10内に貯留されるエンジンオイルが吸引され、オイルが吐出通路71を介してオイルフィルタ72内に吐出される。オイルフィルタ72を通過したエンジンオイルは、これに隣接するオイルクーラ73を通過した後、内燃機関1内に形成される各オイル通路を経て各給油箇所に圧送される。内燃機関1内に供給されたエンジンオイルは、自然滴下等によりオイルパン10内に戻り、再びオイルポンプ68により圧送されることで内燃機関1内を循環する。
図4を併せて参照し、クランクケース3の前端側の左右両側部は、前方に膨出して左右バランサ室75,76を形成し、各バランサ室75,76内には、クランクシャフト2に連係駆動する左右バランサ77,78が設けられる。左右バランサ77,78は、所定のウエイトの外周にプライマリドライブギヤ41及び左バランサドライブギヤ54に噛み合うギヤを一体に形成してなり、内燃機関1運転時の振動を抑制すると共に、各気筒の異なる燃焼タイミングに対して逆位相の反力を発生させることで、クランクシャフト2の捻りモーメントを打ち消すモーメントバランサとしても機能する。左右バランサ77,78は、その中央部を貫通する左右バランサ軸79,80に回転自在に支持される。各バランサ軸79,80は、左右方向に沿う円筒状のもので、その両端部がクランクケース3に固定支持される。
ここで、図3に示すように、クランクケース3の前部下側には、クランクシャフト2の左右両端に跨る流入側オイル通路82が設けられると共に、クランクケース3の前部上側には、同じくクランクシャフト2の左右両側に跨る流出側オイル通路83が設けられる。各オイル通路82,83は、例えば、クランクケース3(一部ジェネレータカバー21)の外壁内にトンネル状の通路を形成してなり、その両端がクランクシャフト2の左右両端に隣接する左右軸端油室84,85に接続されてこれらに連通する。
流入側オイル通路82は、クランクシャフト2の下方に位置してこれと概ね同等の長さを有して左右に延在する流入側横通路86と、流入側横通路86の左右両端から上方に延びる流入側縦通路87と、を有し、クランクシャフト2の径方向視で上方に開放する略コ字状をなしている。そして、流入側横通路86の右側部には、オイルクーラ73からの導出路88が接続される。
流出側オイル通路83は、クランクシャフト2の上方(前後シリンダ4,5のバンク間)に位置してこれと概ね同等の長さを有して左右に延在する流出側横通路89と、流出側横通路89の左右両端から下方に延びる流出側縦通路90と、を有し、クランクシャフト2の径方向視で下方に開放する略コ字状をなしている。そして、オイル通路82,83が、左右軸端油室84,85を介して互いに連通することにより、クランクシャフト2の径方向視でこれを取り囲むループ状のオイル通路を形成している。
また、流出側横通路89の左側部、右側部、及び中央部からは、それぞれ左右及び中央クランク軸受け36,37,38に向けて左右及び中央軸受けオイル通路91,92,93が延出する。また、流出側横通路89の右側部からは、前後シリンダ4,5に沿って前後シリンダオイル通路94,95が延出する。さらに、図2を併せて参照して、流出側横通路89の左側部からは、前後シリンダ4,5内の各ピストン16の裏側に冷却用のオイルを噴射する前後オイルジェットパイプ121,122にオイルを供給する前後パイプオイル通路123, 124が延出する。
そして、内燃機関1運転時にオイルポンプ68が作動すると、まず、流入側オイル通路82内にエンジンオイルが圧送され、このオイルが一旦左右軸端油室84,85内に供給された後に、後述するクランクシャフト2内の左右軸内オイル通路101,105を経て各クランクピン18,19に供給されると共に、流出側オイル通路83及び各軸受けオイル通路91,92,93を経て各クランク軸受け36,37,38に供給される。また、流出側オイル通路83内のオイルの一部は、各シリンダオイル通路94,95を経て動弁室内に供給される。さらに、流出側オイル通路83内のオイルの一部は、前後パイプオイル通路123,124を経て前後オイルジェットパイプ121,122に供給される。
クランクシャフト2の左側部内には、その左端部が左軸端油室84に接続される左軸内オイル通路101が形成される。この左軸内オイル通路101は、回転軸線C1上に形成される左中央オイル通路102と、左クランクピン18内にその軸線に対して斜めに形成される左傾斜オイル通路103と、左クランクピン18内にその軸線と略平行に形成される左ピン内オイル通路104と、を有する。
クランクシャフト2の右側部内には、その右端部が右軸端油室85に接続される右軸内オイル通路105が形成される。この右軸内オイル通路105は、回転軸線C1上に形成される右中央オイル通路106と、右クランクピン19内にその軸線に対して斜めに形成される右傾斜オイル通路107と、右クランクピン19内にその軸線と略平行に形成される右ピン内オイル通路108と、を有する。
そして、本実施形態では、図1及び図2に示すように、クランクケース3は、左右バランサ77,78の軸線の若干上方位置で上下に分割されており、分割面125で不図示のボルト等を介して互いに接合されている。そして、上側のクランクケース3内には、上記した前後オイルジェットパイプ121,122が左右方向に軸線を向けて配置されており、特に、前オイルジェットパイプ121は、クランクケース3の分割面125の近傍に配置されている。
前オイルジェットパイプ121は、図4及び図7に示すように、有底の円筒形状に形成されており、その左右両端部及び中央部が上側のクランクケース3に挿入、支持される。前オイルジェットパイプ121の内部には、左端側に開口するオイル流路126が軸方向に沿って形成される。また、前オイルジェットパイプ121の外周壁には、オイル流路126と連通する噴射孔127が軸方向に所定の間隔を存して複数箇所(本実施形態では6箇所)形成される。
また、前オイルジェットパイプ121の開口には、オイル流路126と前パイプオイル通路123とを接続する接続パイプ128が内嵌固定される。そして、前パイプオイル通路123から供給される冷却用のオイルが接続パイプ128を介してオイル流路126に流入することで、複数の噴射孔127から冷却用のオイルが噴射される。
ここで、前オイルジェットパイプ121の噴射孔127から噴射されるオイルを前シリンダ4のピストン16の裏側に効率よく到達させるためには、前オイルジェットパイプ121の噴射孔127のピストン16に対する角度位置を規制する必要がある。
そこで、本実施形態では、図5〜図8に示すように、前オイルジェットパイプ121の右端部にピン保持部129を形成すると共に、上側のクランクケース3の側壁にピン保持部129と連通するピン保持部130を形成して、各ピン保持部129,130にピン131を嵌合している。これにより、前オイルジェットパイプ121は、その噴射孔127のピストン16に対する角度位置を規制した状態で、上側のクランクケース3の側壁に形成される支持孔132に固定される。
ピン保持部129は、図6〜図8に示すように、円形の有底穴であり、前オイルジェットパイプ121の右端部に、前オイルジェットパイプ121の軸方向視で円筒形状の中心線からオフセットした位置、且つ前オイルジェットパイプ121の軸方向に対して直交する方向に形成される。また、ピン保持部129は、前オイルジェットパイプ121の右端部の外周面に設けられる平坦面133に形成される。これにより、ピン保持部129の加工が容易になる。
ピン保持部130は、図5に示すように、円形の貫通穴であり、前オイルジェットパイプ121のピン保持部129と連通するように、上側のクランクケース3の分割面125から支持孔132に貫通して形成される。このため、ピン保持部130の下側の開口部は、上側のクランクケース3の分割面125に形成される。
このように構成されたピストン冷却構造では、上側のクランクケース3の支持孔132に支持された前オイルジェットパイプ121のピン保持部129と、上側のクランクケース3のピン保持部130と、を互いに連通するように位相合わせを行った後、上側のクランクケース3のピン保持部130にピン131を挿入すると共に、ピン131の先端部を前オイルジェットパイプ121のピン保持部129に嵌め込ませる。これにより、前オイルジェットパイプ121の噴射孔127のピストン16に対する角度位置が規制された状態で、前オイルジェットパイプ121が上側のクランクケース3に固定される。
以上説明したように、本実施形態の内燃機関のピストン冷却構造によれば、前オイルジェットパイプ121のクランクケース3への固定と前オイルジェットパイプ121の噴射孔127のピストン16に対する角度位置規制とをピン131で行うため、前オイルジェットパイプ121をクランクケース3に固定するための部品点数を削減することができ、前オイルジェットパイプ121の固定部周辺のコンパクト化を図ることができる。
また、本実施形態の内燃機関のピストン冷却構造によれば、クランクケース3は分割式であり、上側のクランクケース3のピン保持部130の開口部が上側のクランクケース3の分割面125に形成されるため、ピン保持部130の開口部からピン131を前オイルジェットパイプ121及び上側のクランクケース3のピン保持部129,130に挿入するだけで前オイルジェットパイプ121を固定することができる。これにより、ピン抜け止め用の部材を別途用意する必要がないので、前オイルジェットパイプ121をクランクケース3に固定するための部品点数を更に削減することができる。
また、本実施形態の内燃機関のピストン冷却構造によれば、前オイルジェットパイプ121は円筒形状であり、前オイルジェットパイプ121のピン保持部129が、前オイルジェットパイプ121の軸方向視で円筒形状の中心線からオフセットした位置、且つ前オイルジェットパイプ121の軸方向に対して直交する方向に形成されるため、ピン保持部130の開口部から前オイルジェットパイプ121までの肉厚を大きく確保することができるので、前オイルジェットパイプ121の固定部周辺の剛性及び強度を十分に確保することができる。また、前オイルジェットパイプ121のピン保持部129とピン131との接触面積を大きくすることができるので、前オイルジェットパイプ121の噴射孔127のピストン16に対する角度位置規制の精度を向上することができる。
さらに、本実施形態の内燃機関のピストン冷却構造によれば、前オイルジェットパイプ121のピン保持部129が有底穴であるため、ピン131がピン保持部129の底面と周面に接触する。これにより、前オイルジェットパイプ121のピン保持部129とピン131との接触面積を更に大きくすることができるので、前オイルジェットパイプ121の噴射孔127のピストン16に対する角度位置規制の精度を更に向上することができる。
(第2実施形態)
次に、図9及び図10を参照して、本発明に係る内燃機関のピストン冷却構造の第2実施形態について説明する。なお、本実施形態の内燃機関のピストン冷却構造では、前オイルジェットパイプとクランクケースとの固定構造が異なる以外は、第1実施形態の内燃機関のピストン冷却構造と同様であるので、同一部分には同一符号又は相当符号を付して、その説明を簡略化又は省略する。
本実施形態の内燃機関のピストン冷却構造では、図9及び図10に示すように、前オイルジェットパイプ121の右端部にピン保持部139を形成すると共に、上側のクランクケース3の側壁にピン保持部139と連通するピン保持部140を形成して、各ピン保持部139,140にピン141を嵌合している。これにより、前オイルジェットパイプ121は、その噴射孔127のピストン16に対する角度位置を規制した状態で、上側のクランクケース3の側壁に形成される支持孔132に固定される。
ピン保持部139は、図10に示すように、前オイルジェットパイプ121の外周部を接線方向に沿って略半円形に切り欠いた切欠き部であり、前オイルジェットパイプ121の右端部の外周部に形成される。
ピン保持部140は、図10に示すように、円形の有底穴であり、その外周部の一部が上側のクランクケース3の支持孔132と連通すると共に、前オイルジェットパイプ121のピン保持部139と連続するように、上側のクランクケース3の分割面125から支持孔132の上方まで形成される。このため、ピン保持部140の下側の開口部は、上側のクランクケース3の分割面125に形成される。
このように構成されたピストン冷却構造では、上側のクランクケース3の支持孔132に支持された前オイルジェットパイプ121のピン保持部139と、上側のクランクケース3のピン保持部140と、を互いに連続するように位相合わせを行った後、ピン保持部140と略同等長さのピン141をピン保持部140の底部まで嵌め込むと共に、ピン141をピン保持部139に係合させる。これにより、前オイルジェットパイプ121の噴射孔127のピストン16に対する角度位置が規制された状態で、前オイルジェットパイプ121が上側のクランクケース3に固定される。
以上説明したように、本実施形態の内燃機関のピストン冷却構造によれば、前オイルジェットパイプ121のピン保持部139が、前オイルジェットパイプ121の外周部を接線方向に沿って切り欠いた切欠き部であるため、前オイルジェットパイプ121に穴加工をする必要がなく、ピン保持部139の加工性を向上することができる。また、細径のオイルジェットパイプにもピン保持部139を容易に形成することができるので、内燃機関1の軽量化及びコンパクト化を図ることができる。
その他の構成及び作用効果については、上記第1実施形態と同様である。
なお、本発明は、上記各実施形態に例示したものに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
例えば、上記各実施形態では、ピン保持部129,130,139,140は、円形に形成されているが、これに限定されず、楕円形、三角形、四角形、五角形、六角形、台形等であってもよい。
本発明に係る内燃機関のピストン冷却構造の第1実施形態が適用されるエンジンの右側面図である。 図1に示すエンジンの一部を破断した左側面図である。 図2に示すエンジンのオイル通路を説明するための第1要部断面図である。 図2に示すエンジンのオイル通路を説明するための第2要部断面図である。 上側のクランクケースの分割面、支持孔、及びピン保持部を説明するための部分拡大斜視図である。 前オイルジェットパイプ及び上側のクランクケースのピン保持部にピンを嵌合した状態を示す一部切欠側面図である。 前オイルジェットパイプを説明するための断面図である。 図7に示す前オイルジェットパイプを矢印A方向から見た図である。 本発明に係る内燃機関のピストン冷却構造の第2実施形態を示す図であり、上側のクランクケースの分割面、支持孔、及びピン保持部を説明するための部分拡大斜視図である。 第2実施形態の前オイルジェットパイプ及び上側のクランクケースのピン保持部にピンを嵌合した状態を示す一部切欠側面図である。
符号の説明
1 内燃機関
2 クランクシャフト
3 クランクケース
4 前シリンダ
5 後シリンダ
16 ピストン
121 前オイルジェットパイプ
122 後オイルジェットパイプ
123 前パイプオイル通路
124 後パイプオイル通路
125 分割面
126 オイル流路
127 噴射孔
128 接続パイプ
129 ピン保持部(オイルジェットパイプ側)
130 ピン保持部(クランクケース側)
131 ピン
132 支持孔
133 平坦面
139 ピン保持部(オイルジェットパイプ側)
140 ピン保持部(クランクケース側)
141 ピン

Claims (5)

  1. シリンダ内を往復動するピストンと、前記ピストンを前記シリンダ内で往復動させるクランクシャフトを回転可能に支持するクランクケースと、前記クランクケース内に挿入され、前記ピストンに向けて冷却用のオイルを噴射する噴射孔が形成されるオイルジェットパイプと、を備える内燃機関のピストン冷却構造において、
    前記オイルジェットパイプの前記クランクケースへの挿入部分で、前記オイルジェットパイプの軸方向端部及び前記クランクケースに、互いに連通するピン保持部がそれぞれ形成され、
    前記オイルジェットパイプ及び前記クランクケースの前記ピン保持部にピンを嵌合することにより、前記オイルジェットパイプを前記クランクケースに固定し、
    前記クランクケースは分割式であり、前記クランクケースの前記ピン保持部の開口部が前記クランクケースの分割面に形成されることを特徴とする内燃機関のピストン冷却構造。
  2. 記オイルジェットパイプは円筒形状であり、
    前記オイルジェットパイプの前記ピン保持部が、前記オイルジェットパイプの軸方向視で円筒形状の中心線からオフセットした位置、且つ前記オイルジェットパイプの軸方向に対して直交する方向に形成されることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関のピストン冷却構造。
  3. 前記オイルジェットパイプの前記ピン保持部が、有底穴であることを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関のピストン冷却構造。
  4. 前記オイルジェットパイプの前記ピン保持部が、前記オイルジェットパイプの外周部を接線方向に沿って切り欠いた切欠き部であることを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関のピストン冷却構造。
  5. 前記オイルジェットパイプの前記ピン保持部は、前記オイルジェットパイプの外周面に設けられる平坦面に形成されることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の内燃機関のピストン冷却構造。
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