JP2006200379A - 排気浄化機能付きエンジン - Google Patents

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宏幸 田中
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Abstract

【課題】ヘッドカバーに一体に形成されるケース部と、該ケース部に結合される弁カバーとで構成される弁ケース内にリード弁が収容され、リード弁および排気ポート間を結んでヘッドカバーおよびシリンダヘッドに設けられる二次空気通路の途中に、位置決め機能を果たす位置決めピンが介設される排気浄化機能付きエンジンにおいて、部品点数の低減を可能として、二次空気通路の途中に位置決めピンを介設可能とする。
【解決手段】位置決めピン71が、ヘッドカバー19Aおよびシリンダヘッド18Aの一方に一体に形成される。
【選択図】 図4

Description

本発明は、シリンダヘッドとの間に動弁室を形成するヘッドカバーに一体に形成されるケース部と、該ケース部に結合される弁カバーとで構成される弁ケース内にリード弁が収容され、前記リード弁および排気ポート間を結んで前記ヘッドカバーおよび前記シリンダヘッドに設けられる二次空気通路の途中に、前記シリンダヘッドおよび前記ヘッドカバーの結合面での相対位置を定める位置決め機能を果たす位置決めピンが介設される排気浄化機能付きエンジンに関する。
このようなエンジンは、たとえば特許文献1等で既に知られている。
特開2002−4849号公報
上記特許文献1で開示されたものでは、リード弁からの二次空気を排気ポート側に導くためにシリンダヘッドおよびヘッドカバーにそれぞれ設けられている二次空気通路を接続するとともにシリンダヘッドおよびヘッドカバーの相対位置を定めるために、シリンダヘッドおよびヘッドカバーとは別体である円筒状の位置決めピンの両端部を、シリンダヘッドおよびヘッドカバーに嵌合するようにしており、シリンダヘッドおよびヘッドカバーとは別にノックピンが必要であり、部品点数低減の観点から改善の余地がある。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、部品点数の低減を可能として、二次空気通路の途中に位置決めピンを介設し得るようにした排気浄化機能付きエンジンを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、シリンダヘッドとの間に動弁室を形成するヘッドカバーに一体に形成されるケース部と、該ケース部に結合される弁カバーとで構成される弁ケース内にリード弁が収容され、前記リード弁および排気ポート間を結んで前記ヘッドカバーおよび前記シリンダヘッドに設けられる二次空気通路の途中に、前記シリンダヘッドおよび前記ヘッドカバーの結合面での相対位置を定める位置決め機能を果たす位置決めピンが介設される排気浄化機能付きエンジンにおいて、前記位置決めピンが、前記ヘッドカバーおよび前記シリンダヘッドの一方に一体に形成されることを特徴とする。
また請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の構成に加えて、前記位置決めピンが、前記シリンダヘッドおよび前記ヘッドカバーの結合面からシリンダヘッド側に突出するようにして前記ヘッドカバーに一体に形成され、前記ケース部が、前記位置決めピンを側方から覆うようにして前記結合面からシリンダヘッド側に張り出すように形成されることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明の構成に加えて、前記ヘッドカバーおよび前記位置決めピンが、軽合金によるダイカスト成形によって一体に形成されることを特徴とする。
さらに請求項4記載の発明は、請求項1記載の発明の構成に加えて、前記シリンダヘッドおよび前記ヘッドカバーの結合面が、鉛直方向に対して斜めに交差する平面に沿うように設定されることを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、ノックピンがヘッドカバーまたはシリンダヘッドに一体に形成されるので、ヘッドカバーおよびシリンダヘッドとは別にノックピンを準備することが不要であり、部品点数を低減することができる。
また請求項2記載の発明によれば、ヘッドカバーに一体に形成されるノックピンは、ヘッドカバーのシリンダヘッドへの結合前であってもヘッドカバーと一体のケース部で側方から覆われることになり、ヘッドカバーのシリンダヘッドへの結合時にノックピンが他の部材と接触することを極力回避することができる。
請求項3記載の発明によれば、上記請求項2の効果と相まって位置決めピンの肉厚をより薄くして軽量化に寄与することができる。
さらに請求項4記載の発明によれば、シリンダヘッドに対するヘッドカバーの着脱作業が容易となる。
以下、本発明の実施の形態を、添付の図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
図1〜図13は本発明の第1実施例を示すものであり、図1はエンジンの縦断側面図であって図4の1−1線に沿う断面図、図2は図1とは縦断部分を異ならせて同一方向から見たエンジンの縦断側面図であって図4の2−2線に沿う断面図、図3は図1および図2とは反対側から見たエンジンの縦断側面図、図4は図1の4−4線に沿う断面図、図5は図1の5−5線拡大断面図、図6は図1の6矢示部拡大図、図7は図4の7矢示部拡大図、図8は図3の8−8線拡大断面図、図9は図4の9矢示部拡大図、図10は図3の10−10線断面図、図11は図1の11−11線断面図、図12は図3の12−12線断面図、図13は図4の13−13線断面図である。
先ず図1〜図3において、このエンジンEは、それぞれ単気筒に構成されるとともに相互にV型をなす第1バンクBAおよび第2バンクBBを有してたとえば水冷式2気筒のV型に構成され、車両たとえばスクータ型の自動二輪車に搭載されるものであり、第1バンクBAは自動二輪車の進行方向前方に向けてわずかに前傾してクランクケース15から前方に延び、第2バンクBBは、前記クランクケース15から上方に立ち上がる。
図4を併せて参照して、クランクケース15は、自動二輪車の進行方向前方を向いた状態で左側に位置する左ケース部材15aと、前記前方を向いた状態で右側に位置する右ケース部材15bとが相互に結合されて成るものであり、自動二輪車の左右方向に延びる軸線を有するクランクシャフト16がクランクケース15で回転自在に支承される。
第1バンクBAは、自動二輪車の進行方向に沿う前方側でクランクケース15に結合される第1シリンダブロック17Aと、第1シリンダブロック17Aに結合される第1シリンダヘッド18Aと、第1シリンダヘッド18Aに結合される第1ヘッドカバー19Aとて構成され、第2バンクBBは、自動二輪車の進行方向に沿う後方側でクランクケース15に結合される第2シリンダブロック17Bと、第2シリンダブロック17Bに結合される第2シリンダヘッド18Bと、第2シリンダヘッド18Bに結合される第2ヘッドカバー19Bとで構成される。
第1シリンダブロック17Aには、自動二輪車の進行方向前方に向けてわずかに前上がりとなる軸線CAを有する第1シリンダボア20Aが設けられ、第2シリンダブロック17Bには鉛直線に対してわずかに後方側に傾斜した軸線CBを有する第2シリンダボア20Bが設けられ、両シリンダボア20A,20Bには、ピストン21A,21Bがそれぞれ摺動自在に嵌合される。一方、クランクシャフト16には、軸方向に間隔をあけた一対のクランクウエブ16a,16aと、それらのクランクウエブ16a,16a間を結ぶクランクピン16bと、クランクケース15で回転自在に支承されるようにして両クランクウエブ16a,16aの外側に配置されるジャーナル部16c,16cとが設けられており、前記両ピストン21A,21Bは、クランクピン16bにコネクティングロッド22A,22Bを介して共通に連結される。
第1シリンダヘッド18Aには、前記両バンクBA,BB間の内方側に臨んで開口する吸気ポート25と、吸気ポート25と反対側の側壁に開口する排気ポート26とが設けられており、前記ピストン21Aの頂部を臨ませて第1シリンダブロック17Aおよび第1シリンダヘッド18A間に形成される燃焼室27および前記吸気ポート25間を開閉する一対の吸気弁28…と、前記燃焼室27および前記排気ポート26間を開閉する一対の排気弁29…とが、閉弁方向に付勢されつつ第1シリンダヘッド18Aに開閉作動可能に配設される。
図5を併せて参照して、第1シリンダヘッド18Aおよび第1ヘッドカバー19A間には、一対の前記吸気弁28…および一対の前記排気弁29…を開閉駆動するための動弁機構30を収容する動弁室31が形成されるものであり、前記動弁機構30は、前記クランクシャフト16と平行な軸線まわりに回転可能として両吸気弁28…および両排気弁29…間に配置されるカムシャフト32Aと、該カムシャフト32Aの回転に伴う開弁作動力を両吸気弁に伝達する吸気側ロッカアーム33と、前記カムシャフト32Aの回転に伴う開弁作動力を両排気弁に伝達する排気側ロッカアーム34とを備える。
吸気側カム35および排気側カム36が設けられる前記カムシャフト32Aは、両吸気弁28…および両排気弁29…間に配置される。また第1シリンダヘッド18Aには、第1カムホルダ37と、自動二輪車の進行方向前方を向いた状態で第1カムホルダ37の右側に配置される第2カムホルダ38とが、第1シリンダヘッド18Aおよび第1ヘッドカバー19Aの結合面39Aよりも前方に突出するようにして一体に設けられており、カムシャフト32Aの左側端部は第1カムホルダ37を貫通するようにして第1カムホルダ37で回転自在に支承され、カムシャフト32Aの右側端部は第2カムホルダ38で回転自在に支承される。
前記吸気側ロッカアーム33は、両吸気弁28…にそれぞれ連動、連結される一対の連結腕部33a,33bを一体に有して吸気側ロッカシャフト42で揺動可能に支承され、前記排気側ロッカアーム34は、両排気弁29…にそれぞれ連動、連結される一対の連結腕部34a,34bを一体に有して排気側ロッカシャフト43で揺動可能に支承され、吸気側ロッカアーム33には吸気側カム35に転がり接触するローラ40が軸支され、排気側ロッカアーム34には排気側カム36に転がり接触するローラ41が軸支される。
吸気側および排気側ロッカシャフト42,43は、前記カムシャフト32Aの両側で該カムシャフト32Aと平行な軸線を有するように配置され、第1および第2カムホルダ37,38で固定的に支持される。すなわち吸気側ロッカシャフト42は、その両端部を貫通して第1および第2カムホルダ37,38に螺合される一対のボルト44,44で第1および第2カムホルダ37,38に固定的に支持され、排気側ロッカシャフト43は、その両端部を貫通して第1および第2カムホルダ37,38に螺合される一対のボルト45,46で第1および第2カムホルダ37,38に固定的に支持される。しかも排気側ロッカシャフト43を第2カムホルダ38に固定するボルト46は、第1ヘッドカバー19Aを第1シリンダヘッド18Aに締結する機能をも果たすものであり、第1ヘッドカバー19Aは、該ボルト46と、吸気側および排気側ロッカシャフト42,43間で第1カムホルダ37に螺合されるボルト47とで第1シリンダヘッド18Aに締結される。
すなわち第1ヘッドカバー19Aは、2本のボルト46,47で第1ヘッドカバー19Aに締結されるものであり、両ボルト46,47のうち一方のボルト46は、排気側ロッカシャフト43を第2カムホルダ38に固定する機能をも果たすことになり、これにより部品点数の低減を図るとともに、エンジンEの軽量化に寄与することができる。
また吸気側ロッカシャフト42を第1および第2カムホルダ37,38に固定するための専用のボルト44,44、ならびに排気側ロッカシャフト43を第1カムホルダ37に固定するための専用のボルト45の軸線は、両吸気弁28…および両排気弁29…の作動軸線、この実施例では吸気弁28…の作動軸線と平行に設定されるものであり、そうすると、第1シリンダボア20Aの軸線CAに沿う方向で第1シリンダヘッド18Aからの第1および第2カムホルダ37,38の突出量を抑えつつ必要な螺合距離を確保することができ、ボルト本数を最小限として充分な固定強度を確保して部品点数の増大を抑えることができるとともに、第1シリンダヘッド18Aに施す機械加工の加工性を高めることができる。
また第1シリンダヘッド18Aおよび第1シリンダブロック17Aには、動弁室31内に収容される動弁機構30の周囲に配置される複数本たとえば6本の通しボルト48,48…が挿通されており、これらの通しボルト48,48…はクランクケース15に螺合される。すなわち第1シリンダヘッド18Aおよび第2シリンダブロック17Bは通しボルト48,48…の共締めによりクランクケース15に結合される。
ところで、第1カムホルダ37を貫通したカムシャフト32Aの一端には、第1従動スプロケット49Aが一対のボルト50,50で締結されるものであり、第1シリンダヘッド18Aおよび第1ヘッドカバー19Aの結合面39Aのうち第1従動スプロケット49Aに対応する部分には、第1シリンダヘッド18Aから第1ヘッドカバー19Aを外した状態で、前記ボルト50…を締めつけたり、緩めたりする作業を可能とするとともに、カムシャフト32Aの挿脱を可能とするために、第1ヘッドカバー19Aとは反対側に凹んだ逃げ部39aが形成される。
また吸気側および排気側ロッカシャフト42,43の第1従動スプロケット49Aとは反対側の端部すなわち他端部を支持する第2カムホルダ38には、吸気側および排気側ロッカシャフト42,43を挿通せしめる貫通孔51,52がそれぞれ設けられている。しかも第1シリンダヘッド18Aおよび第1ヘッドカバー19Aの結合面39Aは、第1シリンダヘッド18Aから第1ヘッドカバー19Aを外した状態で吸気側および排気側ロッカシャフト42,43を前記各貫通孔51,52から挿脱する際に、第1シリンダヘッド18Aが前記挿脱作業の邪魔にならない位置に設定されるものであり、そうすることで、吸気側および排気側ロッカシャフト42,43を取り外して吸気側および排気側ロッカアーム33,34ならびに吸気弁28…および排気弁29…間のタペットクリアランス調整作業を行うことが容易となる。
ところで、第2バンクBB側でのクランクケース15、第2シリンダブロック17B、第2シリンダヘッド18B、第2ヘッドカバー19Bのそれぞれの構造、相互結合構造および動弁機構の構成は、第1バンクBA側の上述の構成と基本的に同一であり、対応する部分に同一の参照符号を付して図示するのみとし、詳細な説明は省略する。
第1および第2バンクBA,BB間に臨むようにして第1および第2シリンダヘッド18A,18Bの側壁には吸気ポート25がそれぞれ設けられるのであるが、それらの吸気ポート25に通じるようにして第1および第2シリンダヘッド18A,18Bの側壁には第1および第2インシュレータ54A,54Bがそれぞれ締結されており、第1および第2インシュレータ54A,54Bには第1および第2スロットルボディ55A,55Bの下流端部が嵌合、接続され、第1および第2スロットルボディ55A,55Bの上流端部は図示しないエアクリーナに接続される。また第1および第2スロットルボディ55A,55Bのスロットル弁56…にそれぞれ連結されるスロットルドラム57…は、相互に連動して回動するようにして連結リンク58で連結される。しかも第1および第2スロットルボディ55A,55Bには、吸気ポート25…に向けて燃料を噴射する第1および第2燃料噴射弁58A,58Bがそれぞれ取付けられる。
ところで、両スロットルドラム57…が連結リンク38で連結されることによりユニット化された第1および第2スロットルボディ55A,55Bは、第1および第2シリンダヘッド18A,18Bに接続された状態にある第1および第2インシュレータ54A,54Bに、それらのスロットルボディ55A,55Bの下流端部を嵌合することで接続されるのであるが、その嵌合、接続を容易とするために、第1インシュレータ54Aの上流端部における第1シリンダヘッド18A側内面には、図6で明示するように、上流側に向かうにつれて第1インシュレータ54Aの軸線から離反するように傾斜したガイド部60が、第1スロットルボディ54Aの下流端部をガイドするようにして形成され、第2インシュレータ54Bの上流端部における第2シリンダヘッド18B側内面にも第1インシュレータ54Aと同様のガイド部(図示せず)が形成される。
図5で明示するように、第1バンクBAにおける吸気側および排気側ロッカシャフト42,43間に対応する部分で、第1シリンダヘッド18Aの右側壁には内方に凹んだ第1凹部61Aが設けられており、第1シリンダボア20Aの軸線に対して斜めに交差する軸線を有するとともに先端を燃焼室27の中央部に臨ませる第1点火プラグ62Aが、第1凹部61A内に配置されるようにして第1シリンダヘッド18Aに取付けれられる。また第2バンクBBの第2シリンダヘッド18Bにおける右側壁にも、第1シリンダヘッド18Aと同様にして第2凹部61Bが設けられ、第2点火プラグ62Bが第2凹部61B内に配置されるようにして第2シリンダヘッド18Bに取付けられる。
図2および図4に注目して、第1点火プラグ62Aを収容するようにして第1シリンダヘッド18Aに設けられる第1凹部61Aの近傍で第1ヘッドカバー19Aの右側壁には弁ケース63Aが配設される。この弁ケース63Aは、第1ヘッドカバー19Aに一体に形成されるケース部64と、該ケース部64に結合される弁カバー65とで構成されるものであり、リード弁66が弁ケース63A内に収容される。
前記リード弁66は、弁カバー65との間に上流側弁室67を形成するとともにケース部64との間に下流側弁室68を形成して弁ケース63A内に収容されるものであり、弁カバー65には、図示しないエアクリーナから計量された二次空気を上流側弁室67に導入するための空気導入口69が設けられる。
また第1ヘッドカバー19Aおよび第1シリンダヘッド18Aには、前記リード弁66および排気ポート26間を結ぶ二次空気通路70が設けられるものであり、その二次空気通路70の途中に、図7で示すように、第1シリンダヘッド18Aおよび第1ヘッドカバー19Aの結合面39での相対位置を定める位置決め機能を果たす位置決めピン71が介設される。この位置決めピン71は、第1ヘッドカバー19Aおよび第1シリンダヘッド18Aの一方、この実施例では軽合金たとえばアルミニウム合金によるダイカスト成形によって第1ヘッドカバー19Aとともに一体に形成される。
前記二次空気通路70は、下流側弁室68に通じて第1ヘッドカバー19Aに設けられる上流側通路部分70aと、排気ポート26に通じて第1シリンダヘッド18Aに設けられる下流側通路部分70bとから成るものであり、前記位置決めピン71は、上流側通路部分70aの下流端を形成する円筒状にして、第1シリンダヘッド18Aおよび第1ヘッドカバー19Aの結合面39から第1シリンダヘッド18A側に突出するようにして第1ヘッドカバー19Aに一体に形成される。
しかも第1シリンダヘッド18Aおよび第1ヘッドカバー19A間に介装されるガスケット76とは別体のシール部材であるOリング77が、前記位置決めピン71を囲繞するようにして第1シリンダヘッド18Aおよび第1ヘッドカバー19A間に介装される。
ところで第1バンクBAにおける第1シリンダヘッド18Aおよび第1ヘッドカバー19Aの結合面39Aは、第1シリンダボア20Aの軸線CAに対して直交する平面に沿うように形成されるのであるが、第1シリンダボア20Aの軸線CAが自動二輪車の進行方向前方に向けてわずかに前上がりとなっているので、前記結合面39Aは、鉛直方向に対して傾斜した平面に沿うように配置されることになる。
しかも弁ケース63Aの一部を構成するケース部64は、位置決めピン71を側方から覆うようにして前記結合面39Aから第1シリンダヘッド18A側に張り出すように形成されるものであり、この実施例では、第1点火プラグ62Aの一部も前記弁ケース63Aで側方から覆われる。
第2バンクBBの第2ヘッドカバー19Bにも、第1ヘッドカバー19Aと同様の形状の弁ケース63Bが配設され、この弁ケース63Bに収容されるリード弁および排気ポート26間を結んで第2ヘッドカバー19Bおよび第2シリンダヘッド18Bに設けられる二次空気通路に介設される位置決めピンが、第2シリンダヘッド18Bおよび第2ヘッドカバー19Bの結合面39Bでの相対位置を定める位置決め機能を果たすようにして、第1バンクBA側と同様にして第2ヘッドカバー19Bと一体に形成されるのであるが、前記弁ケース63Bは、第1バンクBA側とは異なり、第2シリンダヘッド18B側に張り出すことはない。また前記結合面39Bも、第1バンクBA側と同様に、鉛直方向に対して傾斜した平面に沿うように配置される。
自動二輪車の進行方向前方に向けてわずかに前傾した姿勢にある第1バンクBAにおける第1ヘッドカバー19Aの上部には、図1および図2で示すように、第1シリンダヘッド18Aおよび第1ヘッドカバー19Aの結合面39Aよりも前方で上方に突出するケース部72が一体に突設されており、該ケース部72と、前方側からケース部72に締結されるカバー部材73とで構成されるブリーザケース74内には迷路状に形成されるブリーザ室75が形成され、ブリーザ室75で同伴オイルが分離されたブリーザガスを導出するための導出管72aが前記ケース部72から突出される。
このように第1バンクBaにおける第1シリンダヘッド18Aおよび第1ヘッドカバー19Aの結合面39Aよりも前方で、第1ヘッドカバー19Aから上方に突出するようにブリーザケース74が配設されることにより、第1シリンダヘッド18Aおよび第1ヘッドカバー19A間の結合面39Aをコンパクト化するとともに吸気系における第1インシュレータ54Aおよび第1スロットルボディ55Aとの干渉を回避しつつブリーザ室75の容積を充分に確保することができ、スペース効率およびレイアウトの自由度を高めることができる。
図7を併せて参照して、自動二輪車の進行方向に沿う左側で、クランクシャフト16の一端部はクランクケース15から突出されており、このクランクシャフト16の一端部に固定されるアウターロータ78と、該アウターロータ78内に収容されるインナーステータ79とでAC発電機80が構成され、該AC発電機80は、クランクケース15の左ケース部材15aに結合される左カバー81で覆われ、インナーステータ79は左カバー81に固定される。
前記アウターロータ78の内方側でクランクシャフト16には一方向クラッチ82のクラッチインナ82aが相対回転不能に装着され、クランクケース15の左ケース部材15aには、前記クラッチインナ82aにAC発電機80と反対側から対向するスラスト受け部90が一体に突設される。また一方向クラッチ82のクラッチアウタ82bは前記アウターロータ78に固着され、クラッチインナ82aには被動ギヤ83が固着される。
一方、第1および第2バンクBA,BB間においてクランクケース15に近接した位置にはクランクシャフト16と平行な軸線を有する始動用モータ84が配置されており、この始動用モータ84の一端部はクランクケース15における左ケース部材15aに嵌合される。この始動用モータ84から前記左ケース部材15aおよび左カバー81間に突入される出力軸85には駆動ピニオン86が設けられる。またクランクシャフト16と平行な軸線を有して前記左ケース部材15aおよび左カバー81に両端部が支持される支軸87に、前記駆動ピニオン86に噛合する第1アイドルギヤ88が回転自在に支承され、第1アイドルギヤ88と一体の第2アイドルギヤ89が、前記被動ギヤ83に噛合される。
クランクケース15における左ケース部材15aと前記一方向クラッチ82のクラッチインナ82aとの間でクランクシャフト16には、第1駆動スプロケット91Aが一体に設けられるとともに、第1駆動スプロケット91Aよりも前記左ケース部材15a側に位置する第2駆動スプロケット91Bが一体に設けられる。而して第1バンクBA側のカムシャフト32Aに固定される第1従動スプロケット49Aおよび第1駆動スプロケット91Aには無端状のカムチェーン92Aが巻き掛けられ、クランクシャフト16の一端側で第1バンクBAの第1シリンダブロック17A、第1シリンダヘッド18Aおよび第1ヘッドカバー19Aには、カムチェーン92Aを走行させるチェーン通路93Aが形成される。
また第2バンクBB側のカムシャフト32Bに固定される第2従動スプロケット49Bおよび第2駆動スプロケット91Bには無端状のカムチェーン92Bが巻き掛けられ、クランクシャフト16の一端側で第2バンクBBの第2シリンダブロック17B、第2シリンダヘッド18Bおよび第2ヘッドカバー19Bには、カムチェーン92Bを走行させるチェーン通路93Bが形成される。
クランクシャフト16は、図3の矢印94で示す方向に回転するものであり、クランクケース15の左ケース部材15aには、第1バンクBA側のカムチェーン92Aの緊張側外周に接するチェーンガイド部材95A、カムチェーン92Aの弛緩側外周に接するチェーンテンショナ96A、第2バンクBB側のカムチェーン92Bの緊張側外周に接するチェーンガイド部材95B、ならびにカムチェーン92Bの弛緩側外周に接するチェーンテンショナ96Bとが取付けられる。
チェーンガイド部材95A,95Bの一端部は、クランクシャフト16の近傍でクランクケース15の左ケース部材15aに揺動可能に支持されるものであり、両チェーンガイド部材95A,95Bの中間部は、両バンクBA,BBにおける第1および第2シリンダブロック17A,17Bならびに第1および第2シリンダヘッド18A,18Bの内壁に当接、支持される。
しかも第1バンクBA側のチェーンガイド部材95Aの一端部は、左ケース部材15aに一体に突設されたスラスト受け部90で支持される。すなわちスラスト受け部90は、クランクシャフト16の軸線と直交する平面では、チェーンェーガイド部材95Aの一端部を受容するようにして略V字形の横断面形状を有するように形成されている。このように、一方向クラチ82のクラッチインナ82aにAC発電機80と反対側から対向するようにしてクラッチインナ82aおよび被動ギヤ83の軸方向移動を規制するスラスト受け部90でチェーンガイド部材95Aの一端部を支持することにより、部品点数の低減を図るとともにエンジンEの軽量化を図ることができる。
前記両チェーンテンショナ96A,96Bはカムチェーン92A,92Bの弛緩側外周に凸曲面を摺接させるようにして弓形に形成されるものであり、それらのチェーンテンショナ96A,96Bのクランクシャフト16側の一端部は、枢軸97A,97Bを介してクランクケース15の左ケース部材15aに回動可能に支承される。
前記両チェーンテンショナ96A,96Bには、カムチェーン92A,92Bの弛緩側に張りを与えるべく、カムチェーン92A,92Bと反対側からテンショナリフタ98A,98Bが当接するものであり、それらのテンショナリフタ98A,98Bは、第1および第2シリンダブロック17A,17Bにそれぞれ取付けられる。
ところで、前記第1および第2駆動スプロケット91A,91B間でクランクシャフト16には、ポンプ駆動用スプロケット99が設けられており、このポンプ用駆動スプロケット99には、オイルポンプユニット101およびウォータポンプ102に動力を伝達するための無端状のチェーン100が巻き掛けられる。
このように第1および第2バンクBA,BBにおける動弁機構30…に動力を伝達するための第1および第2駆動スプロケット91A,91Bと、オイルポンプユニット101およびウォータポンプ102に動力を伝達するためのポンプ用駆動スプロケット99とを、クランクケース15の左ケース部材15aおよびAC発電機80との間でクランクシャフト16に設けることにより、スペース効率を高め、V型のエンジンEのコンパクト化に寄与することができる。
図4に注目して、クランクケース15の左ケース部材15aには、クランクケース15から後方に延びるケース延出部105が一体に設けられており、自動二輪車の進行方向前方に向いた状態で前記クランクケース15の右側方に前端を配置して後方に延びるとともにクランクケース15の右ケース部材15bとの間に空隙167を形成する中間ケース106と、該中間ケース106を前記ケース延出部105との間に挟むように配置される右カバー107と、前記ケース延出部105とが結合されることにより変速機ケース108が構成され、中間ケース106および右カバー107間に変速室109が形成され、中間ケース106およびケース延出部105間にギヤ室110が形成される。
変速室109には、クランクシャフト16の回転動力を無段階に変速するVベルト式の自動変速機111が収容され、ギヤ室110には自動変速機111の出力を減速する減速ギヤ列112が収容される。
Vベルト式の自動変速機111は、変速室109に突入するクランクシャフト16の他端部に装着される駆動プーリ装置113と、クランクシャフト16と平行な軸線を有して変速機ケース108で回転自在に支承される伝動軸116に装着される従動プーリ装置114と、駆動プーリ装置113から従動プーリ装置114に動力を伝達する無端状のVベルト115とで構成される。
駆動プーリ装置113は、クランクシャフト16に固定された固定プーリ半体117と、固定プーリ半体117に対して接近・離間可能な可動プーリ半体118と、クランクシャフト16の回転数の増加に応じて半径方向外側に移動する遠心ウエイト119とを備えており、可動プーリ半体118はクランクシャフト16の回転数の増加に応じて遠心ウエイト119が半径方向外側に移動することによって固定プーリ半体117に接近する方向に付勢される。
従動プーリ装置114は、伝動軸116との相対回転を可能として該伝動軸116を同軸に囲繞する内筒120と、軸線まわりの相対回動ならびに軸線方向の相対移動を可能として内筒120を摺動可能に嵌合せしめる外筒121と、内筒120に固定される固定プーリ半体122と、該固定プーリ半体122に対向して外筒121に固定される可動プーリ半体123と、該可動プーリ半体123および固定プーリ半体122間の相対回転位相差に応じて両プーリ半体122,123間に軸方向の分力を作用せしめるようにして内筒120および外筒121間に設けられるトルクカム機構124と、可動プーリ半体123を固定プーリ半体122との間に挟む位置で内筒120に固定されるばね受け部材125と、可動プーリ半体123を固定プーリ半体122側に付勢するばね力を発揮して可動プーリ半体123およびばね受け部材125間に縮設されるコイルスプリング126と、エンジン回転数が設定回転数を超えるのに伴って動力伝達状態となるようにして内筒120および伝動軸116間に設けられる遠心クラッチ127とを備える。
そして駆動プーリ装置113における固定プーリ半体117および可動プーリ半体118間ならびに従動プーリ装置114における固定プーリ半体122および可動プーリ半体123間にVベルト115が挟まれ、駆動プーリ装置113ではクランクシャフト16の回転数増加に応じて可動プーリ半体118が固定プーリ半体117に接近することによってVベルト115の固定および可動プーリ半体117,118への巻き掛け半径が大きくなり、それに応じて従動プーリ装置114では、Vベルト115の固定および可動プーリ半体122,123への巻き掛け半径が小さくなる。
前記固定プーリ半体122は内筒120の一端に固定され、ばね受け部材125は内筒120の他端部に固着される。このばね受け部材125は、遠心クラッチ127の一部をも構成するものであり、遠心クラッチ127は、伝動軸116の他端部に固定される椀状のクラッチアウタ128と、伝動軸116と平行な軸線まわりに回動することを可能として前記ばね受け部材125の複数箇所に軸支される遠心ウエイト129…と、各遠心ウエイト129…およびばね受け部材125間に設けられるクラッチばね130…とを備え、ばね受け部材125の回転に応じて各遠心ウエイト129…に作用する遠心力が各クラッチばね130…のばね付勢力を上回ったときに遠心ウエイト129…がクラッチアウタ128に摩擦係合することで内筒120すなわち固定プーリ半体122とクラッチアウタ128すなわち伝動軸116とが結合されることになる。
図9を併せて参照して、可動プーリ半体123は、固定プーリ半体122に対向するようにして外筒121の一端に固定される。またトルクカム機構124は、前記外筒121の複数箇所に設けられるカム孔131…と、それらのカム孔131…に挿入されるようにして内筒120に植設されるカムピン138…と、カム孔131…内で転動するようにしてカムピン138…に軸支されるローラ139…とを備える従来周知のものである。
而して従動プーリ装置114における固定プーリ半体122および可動プーリ半体123間の間隔は、前記トルクカム機構124によって生じる軸方向の力と、コイルスプリング126によって生じる軸方向の弾性力と、固定プーリ半体122および可動プーリ半体123間の間隔をあける方向に作用するVベルト115からの力とのバランスにより決定される。
前記外筒121は、該外筒121に設けられる前記カム孔131…を外方から閉じるカラー133で囲繞されており、このカラー133の可動プーリ半体123側半部には、一端を可動プーリ半体123に当接させる円筒状の支持筒134が嵌装され、支持筒134の他端には支持鍔134aが一体に設けられる。
前記コイルスプリング126の一端を受けるリテーナ135は、重ねられた2枚の合成樹脂から成るワッシャ136…を介して前記支持筒134の支持鍔134aに当接され、コイルスプリング126の他端を受けるリテーナ137はばね受け部材125に当接される。
このようにコイルスプリング126の一端を受けるリテーナ135と、可動プーリ半体123に当接する支持筒134の支持鍔134aとの間に、合成樹脂から成る2枚のワッシャ136…が重ねて介装されることにより、支持鍔134aおよびコイルスプリング126間のフリクションを低減し、それにより従動プーリ装置114の作動特性向上を図ることができる。
前記伝動軸116の他端側はギヤ室110に臨んで配置されており、ギヤ室110内に収納される減速ギヤ列112は、前記伝動軸116の他端側に一体に形成される駆動ギヤ140と、該駆動ギヤ140に噛合するアイドルギヤ141と、該アイドルギヤ141に噛合する被動ギヤ142とで構成されるものであり、アイドルギヤ141および被動ギヤ142は、前記伝動軸116と平行な軸線まわりに回転自在にして中間ケース106およびケース延出部105に支承される。
被動ギヤ142は円筒状の軸部142aを中心部に一体に有するものであり、該軸部142aの一端部は、変速機ケース108における中間ケース106の後部に回転自在に支承される。また前記変速機ケース108におけるケース延出部105の後部には、前記軸部142aの他端部を同軸に配置せしめる開口部143が設けられ、軸部142の他端部は開口部143の内周で液密にかつ回転自在に支承される。
前記被動ギヤ142の軸部142aには、ケース延出部105の後部を貫通して変速機ケース108の後部左側に一部を突出せしめる出力軸144がスプライン結合される。すなわち出力軸144は、軸線まわりの相対回転を不能としつつ軸線方向の挿脱を可能として被動ギヤ142に同軸に連結される。
ところで図示しない後輪はスイングアーム145の後部に軸支されており、このスイングアーム145は、変速機ケース108の一部を構成するケース延出部105および中間ケース106の後部を相互間に挟む一対の支持腕部145a,145bを前部に一体に有するものであり、一方の支持腕部145aは、第1ピボット軸146を介してケース延出部105の後部に揺動可能に支承され、他方の支持腕部145bは、第1ピボット軸146と同軸の第2ピボット軸147を介して中間ケース106の後部に揺動可能に支承され、第1および第2ピボット軸146,147は前記出力軸144と同軸に配置される。
第1ピボット軸146は、前記出力軸144のケース延出部105からの突出部を同軸に囲繞する円筒部146aを一体に有して変速機ケース108におけるケース延出部105の後部外面に着脱可能に取付けられる。前記出力軸144と、第1ピボット軸146において出力軸144を囲繞する円筒部146aとは、スイングアーム145における支持腕部145aを貫通しており、支持腕部145aは第1ピボット軸146の円筒部146aで揺動可能に支承される。しかも出力軸144の外端部は、スイングアーム145における支持腕部145aから外方に突出されるものでり、該出力軸144のスイングアーム145からの突出部には駆動スプロケット148が固定され、後輪に動力を伝達するための無端状のチェーン(図示せず)が駆動スプロケット148に巻き掛けられる。
スイングアーム145における支持腕部145aの前端外面側には前記出力軸144の外端部を覆う出力軸ホルダ150が着脱可能に取付けられ、出力軸144の外端部は出力軸ホルダ150で回転自在に支承される。
第2ピボット軸147は、スイングアーム145における支持腕部145bを貫通して中間ケース106に着脱可能に固定されるものであり、中間ケース106にインサート結合された円筒体151に螺合されるボルトである。而してスイングアーム145の前記支持腕部145bが第2ピボット軸147で回転自在に支承される。
第2ピボット軸147の外端部は、第2ピボット軸147を挿通せしめるようにして前記変速機ケース108の中間ケース106に着脱可能に取付けられるピボットホルダ152で固定的に保持されるものであり、該ピボットホルダ152は、図示しないボルトを締めつけることで第2ピボット軸147の外端部を固定的に保持することが可能である。
変速機ケース108における右カバー107の外側面は、右カバー107との間に外気導入室157を形成するようにしてケースカバー153で覆われるものであり、該ケースカバー153は、複数のボルト155で右カバー107に締結される。しかもケースカバー153には、駆動プーリ装置113および従動プーリ装置114間の中間部に対応する部分で外気導入室157に通じる外気取り入れ口154が、後方から前方に向けて外気を流通させるようにして形成される。また駆動プーリ装置113に対応する側でケースカバー153の内面には防音材156が貼着される。
伝動軸116の周縁部で右カバー107には吸入口158が設けられており、この吸入口158を空気導入室157側から塞ぐように配置されるフィルタ159の支持枠160がボルト161…で右カバー107に締結され、支持枠160の中心部はボルト162でケースカバー153に締結される。
而して外気は、駆動プーリ装置113および従動プーリ装置114間の中間部に対応する部分で外気取り入れ口154により後方から前方に向けて流通するようにして外気導入室157に導入され、従動プーリ装置114に対応する側で外気導入室157からフィルタ159および吸入口158を経て変速室109に導入されることになり、このような外気導入経路とすることで、クランクシャフト16および伝動軸116の軸間を比較的短くした自動変速機111を収容した変速室109に、優れたスペース効率で冷却のための外気を導入することができ、冷却性も高めることができる。
ところで、導入された冷却用の外気を変速室109内で流通させるために、従動プーリ装置114における固定プーリ半体122および可動プーリ半体123には、ファン163,164が設けられ、駆動プーリ装置113における固定プーリ半体117および可動プーリ半体118にはファン165,166が設けられる。
しかも駆動プーリ装置113および従動プーリ装置114間の中間部に対応する部分で中間ケース106には、クランクケース15および変速機ケース108間に生じている空隙167側に向けて冷却風を排出する排風口168が設けられる。而して、このような排風口168の配置により、変速室109内での冷却風を効果的に流通させて冷却性の向上を図ることができ、またクランクケース15および変速機ケース108間の空隙167を冷却風が流通することにより、クランクケース15側の熱が自動変速機111側に及ぶのを極力抑制し、Vベルト115の耐久性向上に寄与することができる。
また駆動プーリ装置113における固定プーリ半体117には、クランクシャフト16の軸線まわりに配置される複数の流通孔169…が、ファン165の内方側に位置するようにして穿設されており、固定プーリ半体117の回転によって流通孔169…を流通する空気がファン165で固定プーリ半体117の背面側すなわち固定プーリ半体117および中間ケース106間に吸引される。これにより固定プーリ半体117の背面側の冷却効率を高めることができる。
ところで、図1および図3で示すように、第1および第2バンクBA,BB間に対応するクランクケース15の上部には、第2バンクBBにおける第2シリンダブロック17Bおよび第2シリンダヘッド18Bの結合面175よりも下方に位置するようにしてブラケット171が設けられており、このブラケット171が自動二輪車の図示しない車体フレームに支持される。このようなブラケット171によるエンジンEの車体フレームへの支持により、最適な剛性バランスを確保しつつエンジンEを比較的下方位置に配置して操縦安定性の向上を図ることができる。
また変速機ケース108の後部において中間ケース106および右カバー107の上部にはブラケット172が設けられ、このブラケット172も、前記車体フレームに支持される。さらに変速機ケース108の後部において、中間ケース106および右カバー107の下部には左右に分かれたブラケット173,174が設けられており、それらのブラケット173,174も前記車体フレームに支持される。
図4に注目して、クランクケース15の左ケース部材15aと、左カバー81とで形成されるオイル溜め178がAC発電機80の後方側に配置されており、クランクシャフト16の両クランクウエブ16a…およびクランクピン16bを収容せしめるようにしてクランクケース15内に形成されるクランク室176と、前記オイル溜め178との間を隔てる隔壁177が、左ケース部材15aおよび左カバー81で協働して構成される。またクランクケース15には、クランクシャフト16における両クランクウエブ16a…に後方側から対向する円弧状のガイド壁179が設けられる。
クランクケース15内の下部には、クランク室176の下部に通じる下部オイル貯留室180が形成されるものであり、この下部オイル貯留室180内に、オイルポンプユニット101が配置される。
図10および図11を併せて参照して、オイルポンプユニット101は、オイルポンプ軸181を有するフィードポンプ182およびスカベンジングポンプ183から成るものであり、オイルポンプ軸181は、クランクシャフト16と平行な軸線を有する。このオイルポンプユニット101のポンプボディ184は、クランクケース15の左ケース部15aに一体に設けられるポンプ支持部185に取付けられる。
前記ポンプボディ184は、前記ポンプ支持部185に当接される薄板状のプレート186と、第1および第2ボディ187,188とが、第1ボディ187をプレート186および第2ボディ188間に挟んだ状態で複数のボルト189…(図1参照)で前記ポンプ支持部185に共締めで締結されて成るものであり、ポンプ支持部185で回転自在に支承されるオイルポンプ軸181が、前記プレート186および第1ボディ187を回転自在に貫通する。
フィードポンプ182およびスカベンジングポンプ183は、トロコイド式のものであり、フィードポンプ182は、第1ボディで187に設けられてプレート186で閉じられる収納凹部190内に、オイルポンプ軸181に固定されるインナーロータ191と、該インナーロータ191に噛み合うアウターロータ192とが収納されて成り、スカベンジングポンプ183は、第2ボディ188に設けられて第1ボディ187で閉じられる収納凹部193内に、オイルポンプ軸181に固定されるインナーロータ194と、該インナーロータ194に噛み合うアウターロータ195とが収納されて成る。
しかも前記ポンプボディ184は、自動二輪車の進行方向前方に向けてわずかに前上がりに傾斜した第1バンクBAの第1シリンダブロック17Aと、クランクシャフト16のクランクウエブ16a…の最外周が描く円形の軌跡の最下点Pを通る水平面PL(図1参照)との間にオイルポンプユニット101の少なくとも一部が配置されるようにしてポンプ支持部185に取付けられるものであり、このようなオイルポンプユニット101の配置とすることにより、下部オイル貯留室180の容積を確保しつつクランクケース15の底部を極力上方位置に配置することが可能となる。
下部オイル貯留室180からオイルをくみ上げるためのスカベンジングポンプ183の吸入口196にはストレーナ197が配設されており、ストレーナ197で濾過されたオイルを吸入したスカベンジングポンプ183から吐出されるオイルは、第2ボディ188に設けられた吐出口198から吐出される。しかも下部オイル貯留室180内を前後に延びるように配置されるパイプ199の前端が前記吐出口198に接続され、該パイプ199の後端はオイル溜め178に通じるようにしてクランクケース15の左ケース部材15aに接続される。
このようにスカベンジングポンプ183から吐出されるオイルがパイプ199を経てオイル溜め178に供給される構成とすることにより、スカベンジングポンプ183ひいてはオイルポンプユニット101の配置上の自由度を高めることができる。
前記オイル溜め178から溢れたオイルを下部オイル貯留室180側に流すために、クランクケース15のガイド壁179と、左ケース部材15aのうちガイド壁179よりも後方側に配置される部分との間には、下部を前記下部オイル貯留室180に連通させるよにして上下に延びる通路205が形成されており、この通路205の上部をオイル溜め178の上部に通じさせる溢流口206が前記左ケース部材15aに設けられる。また前記通路205の上端部をクランク室176内に通じさせるブリージング孔207がクランクケース15に設けられており、それにより通路205の上部にブリーザガスが溜まってしまうことが回避される。
オイル溜め178からオイルをくみ上げるためのフィードポンプ182の吸入口200にはストレーナ202が配設されており、ストレーナ201で濾過されたオイルを吸入したフィードポンプ182から吐出されるオイルは、第1ボディ187に設けられた吐出口202に配設される吐出弁208を介して吐出される。
しかもスカベンジングポンプ183の吸入口196ならびにフィードポンプ182の吸入口200は、図1で示すように、水平方向に並んで配置されるものであり、このような吸入口196,200の配置とすることで、クランクケース15をその上下方向にコンパクト化してエンジンEの小型化に寄与することができる。
前記吐出口202に臨むようにしてポンプボディ184には、リリーフ弁203の弁ハウジング204が装着されており、このリーフ弁203は、吐出口202の吐出圧が所定値以上のときに開弁してフィードポンプ183の吸入側に戻す。
このようにオイルポンプユニット101のポンプボディ184が、薄板状のプレート186と、第1および第2ボディ187,188とから成るものであり、しかもリリーフ弁203がポンプボディ184に装着される構成とすることにより、オイルポンプユニット101の構造を簡素化するとともに軽量化およびコンパクト化を図ることが可能であり、しかもリリーフ弁203が、リリーフオイルをフィードポンプ182に直接戻す働きをするので、オイルポンプユニット101まわりのレイアウトの自由度を増大することができる。
左ケース部材15aの前部には、ユニット化されたオイルフィルタ210およびオイルクーラ211が、オイルクーラ211を左ケース部材15a側として取付けられており、前記フィードポンプ182の吐出口202はチェック弁212を介してオイルフィルタ210に接続され、オイルフィルタ210を流過して浄化されたオイルは、オイルクーラ211で冷却された後、クランクシャフト16と平行に延びてクランクケース15に設けられるメインギャラリ212に通路213を介して供給される。
ところで、フィードポンプ182の吐出口202に通じるパイプ214の一端がポンプ支持部185に接続されており、このパイプ214は途中を屈曲させながら、始動用モータ84およびクランクシャフト16間の第2アイドルギヤ89に向けて後方側斜め上方に延出され、パイプ214の先端部を保持するホルダ218がボルト219でクランクケース15の左ケース部材15aに固定される。
パイプ214の先端には、逃がし孔215を中央部に有するプラグ216が嵌合、固着されており、該プラグ216から間隔をあけたパイプ214の中間部には内方に突出した突部214aが設けられる。しかも突部214aおよびプラグ216間でパイプ214内には、前記逃がし孔215を内方から塞ぎ得るボール217が浮動可能に収容される。
而してフィードポンプ182から吐出されるオイル中のエアはパイプ214の先端の逃がし孔215から第2アイドルギヤ89に向けて噴出されることで抜かれることになり、エア抜き後のパイプ214内がオイルで満たされるとボール217がオイル上に浮遊して逃がし孔215を塞ぐように上方に移動するので、逃がし孔215からオイルがリークすることはない。しかも逃がし孔215から噴出されるエアが同伴するオイルミストは、第2アイドルギヤ89から下方に落下して、下方のAC発電機80におけるアウターロータ78の冷却に寄与することができる。
図12において、クランクシャフト16が備える一対のジャーナル部16c,16cは、円筒状の軸受メタル220,220を介してクランクケース15の左および右ケース部材15a,15bに回転自在に支承されるのであるが、左および右ケース部材15a,15bには、メインギャラリ212に一端を通じさせるとともに他端を前記軸受メタル220,220の外周を臨ませるように開口するオイル通路221,221がそれぞれ設けられる。
一方、左カバー81には、メインギャラリ212に一端を同軸に通じさせるとともに他端を閉じるようにして左カバー81のクランクケース15との結合面側から穿孔されるオイル通路223と、該オイル通路223の軸線と斜めに交差する軸線を有しつつ前記オイル通路223の他端部に一端を通じさせるようにして左カバー81の外面側から穿孔されるとともに他端開口部がプラグ225で閉じられるオイル通路224と、クランクシャフト16の軸線と直交する軸線を有しつつ前記オイル通路224の他端部に一端を通じさせるようにして左カバー81の外面側から穿孔されるオイル通路226とが設けられ、オイル通路226の他端開口部を閉じるオイル圧力センサ227が左カバー81に取付けられる。すなわちオイル圧力センサ227は、オイル通路226の他端開口部を閉じる機能をも果たすものであり、これにより部品点数を低減することができる。
ところで、前記オイル通路226の中間部は、クランクシャフト16の一端を臨ませるようにして左カバー81に形成されるオイル室228に通じるものであり、このオイル室228は、クランクシャフト16の一端部および左カバー81間に介装される環状のシール部材229でシールされる。
一方、クランクシャフト16には、一端を前記オイル室228に通じさせる内部通路230が、該クランクシャフト16の一端から両ジャーナル部16c,16cのうちクランクシャフト16の他端寄りのジャーナル部16cに至るまで設けられる。また両ジャーナル部16c,16cのうちクランクシャフト16の一端寄りのジャーナル部16cに対応する部分で内部通路130の途中に内端を通じさせるとともに外端を軸受メタル220の内周に臨んで開口させた分岐通路231と、両コネクティングロッド23A,23Bの大端部およびクランクピン16b間に介装される軸受メタル232,232の内周に外端開口部を臨ませるとともに内端をクランクピン16bに対応する部分で内部通路130の途中に通じさせる一対の分岐通路233,233とがクランクシャフト16に設けられ、内部通路130の他端は、両ジャーナル部16c,16cのうちクランクシャフト16の他端寄りのジャーナル部16cに対応する部分で軸受メタル220の内周を臨ませるように開口する。
すなわちクランクシャフト16の両ジャーナル部16c,16cおよび軸受メタル220,220間にはクランクシャフト16の内部通路230側からオイルが給油され、前記軸受メタル220,220およびクランクケース15間にはクランクケース15のオイル通路221,221側からオイルが給油されることになり、クランクシャフト16を回転自在に支承する部分でのこのような給油構造によれば、クランクケース側から給油されるオイルを内周側にも導くべく軸受メタルにオイル溝が設けられている給油構造に比べて、軸受メタル220…の幅すなわちジャーナル部16c…の軸方向長さを小さくしてもクランクシャフト16の充分な支持強度を達成することができ、それによりエンジンEのコンパクト化を図ることができる。
再び図10および図11を参照して、前記オイルポンプユニット101においてポンプ支持部185から突出したオイルポンプ軸181の端部には、ポンプ用被動スプロケット235が、オイルポンプ軸181と同軸のボルト236によって固定されており、ポンプ用被動スプロケット235と、クランクシャフト16に設けられたポンプ用駆動スプロケット99にチェーン100が巻き掛けられ、オイルポンプ軸181はクランクシャフト16から伝達される動力で回転駆動される。
一方、左カバー81には、オイルポンプユニット101と同軸にウォータポンプ102が配設されるものであり、このウォータポンプ102のポンプボディ237は、左カバー81に一体に形成されるボディ主部238と、該ボディ主部238に結合されるポンプカバー239とで構成され、ポンプボディ237内に形成されるポンプ室240内に配置れる羽根241が、ボディ主部238で回転自在に支承されるウォータポンプ軸242に固定される。しかもウォータポンプ軸242は、ボディ主部238を液密にかつ回転自在に貫通してオイルポンプ軸181側に突出するものであり、このウォータポンプ軸242のオイルポンプ軸181側の端部に、ポンプ駆動用被動スプロケット235をオイルポンプ軸181に固定するボルト236に一体に設けられた嵌合突部236aが相対回転不能に嵌合される。
すなわちウォータポンプ102も、クランクシャフト16から伝達される動力で回転駆動されるものであり、ウォータポンプ軸242の支持構造を、ボディ主部238側で回転自在に支持する片持ち支持構造とすることで、オイルポンプユニット101およびウォータポンプ102を近接させ、エンジンEの小型化に寄与することができる。
ウォータポンプ102から吐出される冷却水は、接続ホースを用いることなく、第1バンクBAの第1シリンダブロック17Aおよび第1シリンダヘッド18Aに設けられるウォータジャケット244Aの第1シリンダブロック17A側に、接続管243(図10参照)を介して直接供給され、ウォータジャケット244A内を流通した冷却水は、第2バンクBBの第2シリンダブロック17Bおよび第2シリンダヘッド18Bに設けられるウォータジャケット244Bの第2シリンダブロック17B側に、図1で示すように、第1および第2バンクBA,BB間にわたって設けられる接続管245を介して導かれる。
このようにウォータポンプ102からの冷却水が、接続ホースを用いずに第1バンクBAのウォータジャケット244Aに供給される構成とすることにより、クランクケース15内に水通路を設けることが不要となり、エンジンEのコンパクト化を図ることができるとともにレイアウトの自由度を増大することができる。
図13において、第1バンクBAのウォータジャケット244Aにおいて、第1シリンダヘッド18Aに対応する部分は、吸気ポート25に連なる一対の吸気弁口25a,25a間に流通路246が配置されるように形成される。また第2バンクBBのウォータジャケット244Bにおける第2シリンダヘッド18Bに対応する部分の形状も第1バンクBA側と同様に形成される。このようにすると、燃焼室27の直上での冷却水の流れを良好とし、優れた冷却効果を得ることができる。
図1で示すように、第2バンクBBの第2シリンダヘッド18Bには、図示しないラジエータ側に冷却水を流通させるためのラジエータ側接続管部247と、前記ラジエータを迂回してウォータポンプ102に冷却水を流通させるためのバイパス側接続管部248とを備えるサーモスタット249が、ウォータジャケット244Bの第2シリンダヘッド18Bに対応する部分に接続されるようにして配設される。また第2シリンダブロック17Bおよび第2シリンダヘッド18Bの結合面175から下方に延びるバイパスジョイント251が前記バイパス側接続管部248に接続されており、前記ウォータポンプ102側に冷却水を導くホース250がバイパスジョイント251に接続される。
このようなバイパスジョイント251の配置によって、ウォータポンプ102からのエア抜きが容易となり、しかもサーモスタット249の周囲をコンパクトに構成することができる。
さらにオイルクーラ211に設けられた入口管接続管252と、第1バンクBAのウォータジャケット244Aに通じるようにして第1シリンダブロック17Aに設けられる接続管253とがホース254を介して接続されており、ウォータジャケット244Aからオイルクーラ211に冷却水が供給される。またオイルクーラ211に設けられる出口管255は、第2バンクBBにおける第2シリンダヘッド18Bに配設されたサーモスタット249に設けられる接続管256に図示しないホースを介して接続されており、オイルクーラ211からの冷却水はサーモスタット249に導かれ、冷却水の温度が上昇してサーモスタット249が冷却水をラジエータ側に流すようにしたときには、オイルクーラ211で昇温した冷却水がラジエータ側に流されることになり、冷却水の全体としての冷却効率向上を果たすことができる。
次にこの第1実施例の作用について説明すると、第1バンクBAでは、第1シリンダヘッド18Aとの間に動弁室31を形成する第1ヘッドカバー19Aに一体に形成されるケース部64と、該ケース部64に結合される弁カバー64とで構成される弁ケース63A内にリード弁66が収容され、リード弁66および排気ポート26間を結んで第1ヘッドカバー19Aおよび第1シリンダヘッド18Aに設けられる二次空気通路70の途中に、第1シリンダヘッド18Aおよび第1ヘッドカバー19Aの結合面39Aでの相対位置を定める位置決め機能を果たす位置決めピン71が介設され、その位置決めピン71が、第1ヘッドカバー19Aに一体に形成されており、第2バンクBB側でも同様に構成される。
したがって第1および第2ヘッドカバー19A,19Bならびに第1および第2シリンダヘッド18A,18Bとは別にノックピンを準備することが不要であり、部品点数を低減することができる。
また第1バンクBAでは、位置決めピン71が、第1シリンダヘッド18Aおよび第1ヘッドカバー19Aの結合面39Aから第1シリンダヘッド18A側に突出するようにして第1ヘッドカバー19Aに一体に形成されており、前記ケース部74は、位置決めピン71を側方から覆うようにして前記結合面39Aから第1シリンダヘッド18A側に張り出すように形成されるので、第1ヘッドカバー19Aに一体に形成されるノックピン71は、第1ヘッドカバー19Aの第1シリンダヘッド18Aへの結合前であっても第1ヘッドカバー19Aと一体のケース部74で側方から覆われることになり、第1ヘッドカバー19Aの第1シリンダヘッド18Aへの結合時にノックピン71が他の部材と接触することを極力回避することができる。
また前記位置決めピン71…は、第1および第2ヘッドカバー19A,19Bとともに、軽合金たとえばアルミニウム合金によるダイカスト成形によって一体に形成されるので、軽量化に寄与することができ、特に第1バンクBA側では組付け時に位置決めピン71に他の部材が接触するのを極力回避することができることと相まって位置決めピン71の肉厚をより薄くして、より一層軽量化することができる。
さらに第1シリンダヘッド18Aおよび第1ヘッドカバー19Aの結合面39Aが、鉛直方向に対して斜めに交差する平面に沿うように設定されるこにより、第1シリンダヘッド18Aに対する第1ヘッドカバー19Aの着脱作業が容易となる。
本発明の第2実施例として図14で示すように、第1シリンダヘッド18Aおよび第1ヘッドカバー19A間、ならびに第2シリンダヘッド18Bおよび第1ヘッドカバー19B間にそれぞれ介装されるガスケット76′に、第1および第2ヘッドカバー19A,19Bならびに第1および第2シリンダヘッド18A,18Bの一方に一体に形成されて他方側に突出する位置決めピン71を囲繞する位置決めピンシール部77′が一体に形成されていてもよい。
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。
たとえば上記実施例では、V型のエンジンEに関連して説明したが、本発明は、V型以外のエンジンにも広く適用可能である。
エンジンの縦断側面図であって図4の1−1線に沿う断面図である。 図1とは縦断部分を異ならせて同一方向から見たエンジンの縦断側面図であって図4の2−2線に沿う断面図である。 図1および図2とは反対側から見たエンジンの縦断側面図である。 図1の4−4線に沿う断面図である。 図1の5−5線拡大断面図である。 図1の6矢示部拡大図である。 図4の7矢示部拡大図である。 図3の8−8線拡大断面図である。 図4の9矢示部拡大図である。 図3の10−10線断面図である。 図1の11−11線断面図である。 図3の12−12線断面図である。 図4の13−13線断面図である。 第2実施例の図7に対応した断面図である。
符号の説明
18A,18B・・・シリンダヘッド
31・・・動弁室
19A,19B・・・ヘッドカバー
64・・・ケース部
65・・・弁カバー
63A,63B…弁ケース
66・・・リード弁
26・・・排気ポート
70・・・二次空気通路
39A,39B・・・結合面
71・・・位置決めピン

Claims (4)

  1. シリンダヘッド(18A,18B)との間に動弁室(31)を形成するヘッドカバー(19A,19B)に一体に形成されるケース部(64)と、該ケース部(64)に結合される弁カバー(65)とで構成される弁ケース(63A,63B)内にリード弁(66)が収容され、前記リード弁(66)および排気ポート(26)間を結んで前記ヘッドカバー(19A,19B)および前記シリンダヘッド(18A,18B)に設けられる二次空気通路(70)の途中に、前記シリンダヘッド(18A,18B)および前記ヘッドカバー(19A,19B)の結合面(39A,39B)での相対位置を定める位置決め機能を果たす位置決めピン(71)が介設される排気浄化機能付きエンジンにおいて、前記位置決めピン(71)が、前記ヘッドカバー(19A,19B)および前記シリンダヘッド(18A,18B)の一方に一体に形成されることを特徴とする排気浄化機能付きエンジン。
  2. 前記位置決めピン(71)が、前記シリンダヘッド(18A)および前記ヘッドカバー(19A)の結合面(39A)からシリンダヘッド(18A)側に突出するようにして前記ヘッドカバー(19A)に一体に形成され、前記ケース部(64)が、前記位置決めピン(71)を側方から覆うようにして前記結合面(39A)からシリンダヘッド(18A)側に張り出すように形成されることを特徴とする請求項1記載の排気浄化機能付きエンジン。
  3. 前記ヘッドカバー(19A)および前記位置決めピン(71)が、軽合金によるダイカスト成形によって一体に形成されることを特徴とする請求項2記載の排気浄化機能付きエンジン。
  4. 前記シリンダヘッド(18A,18B)および前記ヘッドカバー(19A,19B)の結合面(39A,39B)が、鉛直方向に対して斜めに交差する平面に沿うように設定されることを特徴とする請求項1記載の排気浄化機能付きエンジン。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009243343A (ja) * 2008-03-31 2009-10-22 Daihatsu Motor Co Ltd 内燃機関におけるヘッドカバーの取付け装置
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