JP4459072B2 - V型内燃機関 - Google Patents

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Description

本発明は、Vバンクにより形成されるバンク空間に配置される吸気装置を備えるV型内燃機関に関する。
この種のV型内燃機関として特許文献1に開示された内燃機関では、各バンクのシリンダヘッドに設けられた吸気ポートの開口端にインシュレータが取り付けられ、各インシュレータの開口に、スロットルボディの各差込み端部が差し込まれる。
特許第2723990号公報
ところで、前記従来技術では、スロットルボディがインシュレータに組み付けられる際、スロットルボディの各差込み端部の下端および各インシュレータの開口の上端は、差し込み方向に直交する平面上にあることから、スロットルボディとインシュレータとの組付は容易であるものの、各差込み端部での吸気道の開口面積およびインシュレータの開口の開口面積が流路断面積(吸気道の中心軸線に直交する平面である流路断面の面積)に比べて大きくなるために、スロットルボディおよびインシュレータが大型化して、スロットルボディおよびインシュレータを備える吸気装置の小型化が困難である。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、請求項1〜4記載の発明は、バンク空間に配置される吸気装置を備えるV型内燃機関において、インシュレータへのスロットルボディのボディの組付が容易であるうえに吸気装置の小型化を図ることを目的とする。そして、請求項2〜4記載の発明は、インシュレータへのスロットルボディのボディの組付性を一層向上させることを目的とする。
請求項1記載の発明は、第1,第2シリンダがV字状に配列されることによりVバンクを構成する第1,第2バンクの間のバンク空間に配置される吸気装置を備えるV型内燃機関であって、前記吸気装置が、スロットルボディと、前記スロットルボディの下流端部により構成される嵌合部が嵌合する嵌合孔を形成する上流端部を有するインシュレータとを備えるV型内燃機関において、前記上流端部の一部のみに案内部が設けられ、前記スロットルボディが前記インシュレータに組み付けられるとき、前記嵌合部が前記案内部に接触しつつ前記嵌合孔に案内され、前記スロットルボディの下流端開口および前記インシュレータの上流端開口が、バンク角を2等分する特定平面に直交し前記インシュレータの上流端開口に接する平面に対して傾斜しており、前記案内部は、前記インシュレータの上流端開口よりも上流側に配置されるとともに、前記嵌合孔に対して、該嵌合孔の中心軸線に沿って離れる方向に突出したV型内燃機関である。
これによれば、インシュレータには、インシュレータへのスロットルボディの組付時に嵌合部を嵌合孔に案内する案内部が設けられているので、その組付が容易になるうえ、案内部は上流端部の一部のみに設けられているので、案内部が設けられることによりインシュレータが大型化することが抑制される。
請求項2記載の発明は、請求項1記載のV型内燃機関において、前記スロットルボディは、前記第1バンクに設けられる第1スロットルボディと前記第2バンクに設けられる第2スロットルボディとから構成され、前記インシュレータは、前記第1スロットルボディが組み付けられる第1インシュレータと前記第2スロットルボディが組み付けられる第2インシュレータとから構成され、前記第1,第2スロットルボディは互いに一体に連結されており、前記案内部は、前記第1,第2インシュレータにそれぞれ設けられた第1,第2案内部から構成されるものである。
これによれば、第1,第2スロットルボディが一体に連結された状態で、第1,第2インシュレータに設けられた第1,第2案内部により案内されて同時に組み付けられる。
請求項3記載の発明は、請求項1記載のV型内燃機関において、前記インシュレータにおいて前記バンク空間に対して近接側および遠方側の一方の部分に前記案内部が設けられ、前記インシュレータにおいて前記近接側および前記遠方側の他方の部分に対応する位置で、燃料噴射弁が前記スロットルボディに取り付けられるものである。
これによれば、組付時に、スロットルボディに取り付けられた燃料噴射弁とインシュレータに設けられる案内部とが互いに干渉することがない。
請求項4記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか1項記載のV型内燃機関において、前記スロットルボディの吸気道の中心線は、前記インシュレータの嵌合孔の中心軸線と略一致しているものである。
これによれば、案内部を組付方向に沿って大きくすることができるので、組付時に、組付工程の早い段階から案内部により嵌合部が案内される。
請求項1記載の発明によれば、次の効果が奏される。すなわち、案内部によりインシュレータへのスロットルボディの組付が容易になるうえ、該案内部が設けられたことによりインシュレータが大型化することが抑制されて、前記従来技術に比べてスロットルボディおよびインシュレータを小型化することができ、ひいては吸気装置を小型化できる。
また、インシュレータへのスロットルボディの組付時に組付工程の早い段階から案内部の案内により嵌合部が案内されるので、組付性が一層向上する。
請求項2記載の発明によれば、引用された請求項記載の発明の効果に加えて、次の効果が奏される。すなわち、第1,第2スロットルボディが、第1,第2案内部により案内されて同時に第1,第2インシュレータに組み付けられるので、その組付性が一層向上する。
請求項3記載の発明によれば、引用された請求項記載の発明の効果に加えて、次の効果が奏される。すなわち、インシュレータへのスロットルボディの組付時に、燃料噴射弁と案内部とが互いに干渉することがないので、良好な組付性が確保される。
以下、本発明の実施形態を図1〜図11を参照して説明する。
図1,図2を参照すると、本発明が適用された内燃機関Eは、動力伝達装置と共に車両としてのスクータ型の自動二輪車に搭載される。前記動力伝達装置は、変速装置としてのベルト式無段変速装置M、発進クラッチとしての遠心クラッチC、1次減速機構としての歯車式伝動機構R1および2次減速機構としてのチェーン式伝動機構R2から構成され、この順で内燃機関Eが発生した動力を駆動輪としての後輪に伝達する。内燃機関E、変速装置M、遠心クラッチCおよび歯車式伝動機構R1を備えるパワーユニットは、左右1対のエンジンハンガ59(図7も参照)等を介して車体フレームに固定される。
クランク軸7の回転中心線L0が左右方向を指向する横置き配置で自動二輪車に搭載される内燃機関Eは、OHC型で水冷式のV型2気筒4ストローク内燃機関であり、ほぼ90°のバンク角θ1(図3参照)を形成するようにV字状に配列される1対のシリンダ1a,1bと、各シリンダ1a,1bにシリンダ軸線L1a,L1bの方向A1,A2での基端部で結合されるクランクケース2と、各シリンダ1a,1bにシリンダ軸線方向A1,A2での先端部で結合されて該シリンダ1a,1bと一体化された1対のシリンダヘッド3a,3bと、各シリンダヘッド3a,3bに結合される1対のヘッドカバー4a,4bとから構成される機関本体を備える。
なお、この実施形態において、上下、前後および左右は、それぞれ、自動二輪車を基準にしたときの上下、前後および左右を意味するものとする。そして、側面視とは、クランク軸7の回転中心線L0の方向(以下、単に「回転中心線方向」という。)から見ることを意味する。
図3を併せて参照すると、Vバンクを構成する第1バンクとしての前バンクB1および第2バンクとしての後バンクB2は、それぞれ、第1シリンダとしてのシリンダ1aおよび第2シリンダとしてのシリンダ1bを主体として構成される。より具体的には、前バンクB1は、前方斜め上方に僅かに傾斜したシリンダ軸線L1aを有して大きく前傾したシリンダ1aと、シリンダヘッド3aと、ヘッドカバー4aとを備え、後バンクB2は、後方斜め上方に僅かに傾斜したシリンダ軸線L1bを有して僅かに後傾したシリンダ1bと、シリンダヘッド3bと、ヘッドカバー4bとを備える。
各シリンダ1a,1bに往復運動可能に嵌合するピストン5にコンロッド6を介して連結されるクランク軸7は、そのジャーナル7c,7dにおいてクランクケース2に1対の主軸受としての滑り軸受8,9を介して回転可能に支持される。クランク軸7を収容するクランク室10を形成する左右割りのクランクケース2は、回転中心線L0に直交する平面で二分される第1,第2クランクケース2a,2bから構成される。第1,第2クランクケース2a,2bの軸受部2a1,2b1とジャーナル7c,7dとの間に配置される滑り軸受8,9は、油溝が形成されない軸受であり、軸受部2a1,2b1に形成された油路K6a,K6bから潤滑油が供給される。
図2,図3を参照すると、6本のヘッドボルト11,12(図4も参照)によりクランクケース2にシリンダ1a,1bと共締めされる各シリンダヘッド3a,3bには、シリンダ軸線方向A1,A2でピストン5と対向する燃焼室13と、燃焼室13に開口する1対の吸気口を有する吸気ポート14および燃焼室13に開口する1対の排気口を有する排気ポート15が形成され、点火栓16(図1参照)が装着される。さらに、各シリンダヘッド3a,3bには、前記1対の吸気口および前記1対の排気口をそれぞれ開閉するいずれもタペット弁からなる機関弁としての1対の吸気弁17および1対の排気弁18が設けられる。各吸気弁17および各排気弁18は、クランク軸7の動力により回転駆動されるカム軸22を備える動弁装置21により、それぞれ所定のタイミングで開閉される。また、図5に示されるように、吸気ポート14は、前記各吸気口を有する1対の分岐ポート14a,14bに分岐し、排気ポート15は、前記各排気口を有する1対の分岐ポート15a,15bに分岐する。そして、点火栓16は、分岐ポート14bおよび分岐ポート15bの間に傾斜して配置され(図6(A)参照)、燃焼室13の中央部に臨んでいる。
図4を併せて参照すると、各バンクB1,B2において、シリンダヘッド3a,3bとヘッドカバー4a,4bとの共同により形成される動弁室20に収容される動弁装置21は、シリンダヘッド3a,3bに回転可能に支持されるカム軸22と、カム軸22に設けられる吸気カム23および排気カム24によりそれぞれ駆動されて揺動する吸気ロッカアーム25および排気ロッカアーム26と、吸気ロッカアーム25および排気ロッカアーム26をそれぞれ揺動可能に支持する吸気ロッカアーム軸27および排気ロッカアーム軸28とを備える。各バンクB1,B2の動弁装置21は同様の構造を有するので、以下では、前バンクB1の動弁装置21を中心に説明し、動弁装置21などで後バンクB2に関連する部材ついては、必要に応じて括弧内に符号を記す。
図6を併せて参照すると、回転中心線L0と平行な回転中心線を有するカム軸22は、動弁室20内の部材であってシリンダヘッド3a(3b)に一体成形により設けられるカムホルダ29に軸受を介して支持される。カムホルダ29は、シリンダヘッド3a(3b)の冷却水ジャケットW3(W6)を形成するアッパデッキ3a1(3b1)からヘッドカバー4a(4b)に向かって突出する複数の、この実施形態では1対のカムホルダ部分29a,29bから構成される。カム軸22の左端部22aは、一方のカムホルダ部分29aに玉軸受からなる軸受30を介して支持され、カム軸22の右端部22bは、カムホルダ部分29bにニードル軸受からなる軸受31を介して支持される。
図7を併せて参照すると、カム軸22は、動弁用伝動機構T1(T2)を介して伝達されるクランク軸7の動力により回転駆動される。この動弁用伝動機構T1(T2)は、クランク軸7に設けられた駆動回転体としての駆動スプロケット32a(32b)と、カム軸22の左端部22aに設けられた被動回転体としてのカムスプロケット33a(33b)と、駆動スプロケット32a(32b)およびカムスプロケット33a(33b)に巻き掛けられた無端伝動帯としてのチェーン34a(34b)とから構成される。
カム軸22と平行に配置される各ロッカアーム軸27,28は、カム軸22よりもヘッドカバー4a,4b寄りで、シリンダヘッド3a,3bに設けられるホルダである両カムホルダ部分29a,29bに軸方向での移動が規制された状態で保持される。より具体的には、各ロッカアーム軸27,28は、それぞれカムホルダ部分29a,29bに設けられた貫通孔からなる保持孔29a1,29b1;29a2,29b2(図8参照)にカムスプロケット33a(33b)側およびカムスプロケット33a(33b)側とは反対側から軸方向に抜き差し可能に挿入された後、各ロッカアーム軸27,28に当接する規制部材としての複数の、ここでは1対のボルト34,35;36,37により、ロッカアーム軸27,28の軸方向での移動が規制されると共に回動が規制される。そのために、各ロッカアーム軸27,28には、カムホルダ29に保持される被保持部である左右の両端部27a,27b;28a,28bに、固定手段としてのボルト34,35;36,37が挿入される挿入部が形成される。該挿入部は、この実施形態では、ロッカアーム軸27,28の軸方向に直交する方向に延びると共にロッカアーム軸27,28の中心軸線と交差する中心軸線を有する貫通孔により構成されるが、ロッカアーム軸27,28の中心軸線と交差する貫通孔、または該中心軸線からオフセットした貫通孔または切欠きにより構成されてもよい。
図7,図8を参照すると、ボルト34,36は、左端部27a,28aをシリンダ軸線方向A1(A2)に対して傾斜した方向に貫通して第1カムホルダ部分29aのネジ孔38にねじ込まれる。ネジ孔38は、吸気弁17のステムがシリンダヘッド3a(3b)を貫通するために形成されて管状の弁ガイド39が圧入される貫通孔40(図3参照)と平行に形成され、カム軸22の軸方向から見てシリンダ軸線L1a(L1b)に対して弁ガイド39に摺動可能に支持される吸気弁17の傾斜角と同じ角度で傾斜している。ネジ孔38が吸気弁17が挿通される貫通孔40と平行であることにより、貫通孔40の加工と同時に同じ方向からネジ孔38を加工することができるので、加工時間が短くなり加工効率が向上する。
そして、ボルト36がねじ込まれるネジ孔38は、シリンダ軸線方向A1(A2)での位置でボルト36と重なる位置にある軸受30を避けるように傾斜していることにより、
軸方向から見てシリンダ軸線方向A1(A2)に直交する方向と、シリンダ軸線方向A1(A2)とで、ロッカーム軸28をカム軸に近接して配置することができるので、シリンダヘッド3a(3b)を小型化できるうえ、軸受30と干渉することなくネジ38の深さを深くできるのでボルト36のネジ部の長さを増加させることができ、ロッカアーム軸28をより強固に固定することが可能になる。また、軸方向から見て、ボルト36の軸線L5(すなわち締付方向)に直交する方向で、ロッカアーム軸28の外面からカムホルダ29aの外面までの距離Dを長くできるため、大きな締付力を確保できる。
ボルト34,35,36,37のうちの一部のボルト34は、カム軸22の軸方向から見て軸受30のアウタレース30aと重なる位置まで延びて、軸方向で軸受30に接する位置または軸受30にほぼ接する位置にあり、軸受30が軸方向に移動することを規制する規制部材を兼ねるので、専用の規制部材が不要となり、この点でも部品点数が削減される。また、軸方向から見てシリンダ軸線方向A1(A2)に直交する方向と、シリンダ軸線方向A1(A2)とで、ロッカアーム軸28をカム軸22に近接して配置することができるので、それら両方向でシリンダヘッド3a(3b)を小型化することができる。さらに、軸方向での軸受30の移動を規制するボルト34の機能は、ねじ込まれる方向で、ボルト34がカム軸22に近づくように傾斜していることにより、容易に果たされる。
図6を参照すると、ボルト35,37は、右端部27b,28bを貫通してシリンダ軸線方向A1(A2)にほぼ平行にカムホルダ部分29bにねじ込まれる。このうち排気ロッカアーム軸28を貫通するボルト37は、ヘッドカバー4a(4b)をシリンダヘッド3a(3b)に結合する複数のボルト、この実施形態では1対のボルト37,41の一部である。それゆえ、ヘッドカバー4a(4b)をシリンダヘッド3a(3b)に結合するボルト37が、排気ロッカアーム軸28が軸方向に移動するのを規制する規制部材を兼ねる。
図6(B)を参照すると、カムホルダ部分29bに形成されたネジ孔29b4にねじ込まれるボルト37は、頭部37aと、軸方向で排気ロッカアーム軸28と当接する軸部37bとから構成される。そして、頭部37aは、動弁室20の外部でシール部材42を介してヘッドカバー4a(4b)を押圧する大径部37a1と、大径部37a1よりも小径の小径部37a2とを有し、小径部37a2は、ヘッドカバー4a(4b)の貫通孔を貫通して動弁室20内でカムホルダ部分29bの外面39b3にシリンダ軸線方向A1(A2)で当接する当接面37cを有する。軸部37bは当接面37cからシリンダ軸線L1a(L1b)にほぼ平行に延びている。
各ロッカアーム軸27,28は、ヘッドカバー4a(4b)が外されて、ボルト34,35,36,37が外された状態で、カムスプロケット33a(33b)側とは反対側から軸方向に抜き差し可能であることにより、カム軸22からカムスプロケット33a(33b)を外すことなく、軸方向から見て(側面視で)カムスプロケット33a(33b)と重なる位置にある両ロッカアーム軸27,28をシリンダヘッド3a(3b)から外すことができるので、カム軸22にカムスプロケット33a(33b)が結合されたままで、両ロッカアーム25,26を外した状態で、吸気弁17および排気弁18のステムの端部に載置されるシムを利用したバルブクリアランスの調整が容易になる。
また、ロッカアーム軸28には、一方の端部28aにボルト36が挿入される挿入部28cが形成され(図8参照)、他方の端部28bにボルト37が挿入される挿入部28dが形成される。そして、ヘッドカバー4a(4b)がカムホルダ部分29bにねじ込まれるボルト37によりシリンダヘッド3a(3b)に結合される前に、ロッカアーム軸28は、挿入部28cに挿入されてカムホルダ部分29aにねじ込まれるボルト36により、カムホルダ部分29a(29b)に対して、挿入部28dがネジ孔29b4に整合するように軸方向および周方向に位置決めされて、軸方向に移動不能にかつ回動不能に固定される。
図2を参照すると、第1クランクケース2aに左方で結合されるクランクケースカバー45と第1クランクケース2aとにより、補機としての交流発電機46が収容される補機室47および該補機室47の後方に隣接してオイルタンク48が形成される。
図7を併せて参照すると、クランク軸7は第1クランクケース2aを貫通し、補機室47内で第1クランクケース2aから左方に突出するクランク軸7の軸端部7aには、滑り軸受8寄りから順次、駆動回転体群としての駆動スプロケット群、始動電動機49に始動被動ギヤ50aを備える始動用減速機構50を介して駆動連結される一方向クラッチ51および交流発電機46のロータ46aが取り付けられる。一方向クラッチ51は、軸端部7aに回転可能に支持される入力部材51aと、ロータ46aに一体に結合される出力部材51bと、入力部材51aおよび出力部材51bの間に配置される複数の爪51cとを備える。
前記駆動スプロケット群は、第1滑り軸受8寄りから、後バンクB2の動弁用伝動機構T2を構成する駆動スプロケット32b、補機としてのオイルポンプ80(図10参照)および冷却水ポンプ130(図10参照)を駆動するための補機駆動用伝動機構T3を構成する駆動スプロケット32cおよび前バンクB1の動弁用伝達機構T1を構成する駆動スプロケット32aの順に配置される。このように、1対の動弁用伝動機構T1,T2の駆動スプロケット32a,32bが、クランク軸7の同じ軸端部7aに設けられる内燃機関Eにおいて、1対の駆動スプロケット32a,32bの間のスペースを利用して補機駆動用の駆動スプロケット32cが設けられるので、スペース効率が向上して、内燃機関Eを回転中心線方向で小型化できる。
また、テンショナ52により張力が調整される各チェーン34a,34bの張り側には、チェーン34a,34bを案内するガイド53が配置される。ガイド53の、クランク軸7寄りの端部は、軸受部2a1から回転中心線方向に突出する受け部54,55に支持される。両チェーン34a,34bのうち、軸方向で一方向クラッチ51に近いチェーン34aのガイド53は、一方向クラッチ51の入力部材51aに一体に結合される始動被動ギヤ50aに近接した位置まで延びている。そして、入力部材51aおよび始動被動ギヤ50aが、回転中心線方向で左方に移動することはロータ46aにより、右方に移動することは受け部55により、それぞれ規制される。このように、受け部55は、一方向クラッチ51および始動被動ギヤ50aが回転中心線方向に移動するのを規制するストッパとして機能するので、それらの移動を規制する専用のストッパを別途設ける必要がなく、部品点数が削減される。
図2を参照すると、第2クランクケース2bの右方には、第2クランクケース2bとは別体の伝動ケース56が結合される。変速装置Mが収容される伝動室57を形成する伝動ケース56は、第2クランクケース2bにボルトにより結合される第1伝動ケース56aと、第1伝動ケース56aの右方に結合される第2伝動ケース56bとから構成される。クランク軸7は第2クランクケース2bおよび第1伝動ケース56aを貫通し、伝動室57内で第1伝動ケース56aから右方に突出する軸端部7bには、ベルト164を備える変速装置Mが駆動連結される。そして、伝動室57には、変速装置Mのほかに遠心クラッチCが収容される。また、第1クランクケース2aの、オイルタンク48を形成する後部2a2と第1伝動ケース56aの後部56a2により形成されるギヤ室58には、歯車式伝動機構R1が収容される。
このように、伝動室57を形成する第1伝動ケース56aが、該第1伝動ケース56aの近傍に隣接して配置される第2クランクケース2bとは別個の部材であることにより、クランクケース2の熱が第1伝動ケース56aに伝達されることが抑制されることから、伝動室57に収容されるベルト164の温度上昇が抑制されるので、ベルト164の耐久性が向上する。
また、図1,図7を参照すると、第1クランクケース2aおよび第1伝動ケース56aには、側面視でバンク空間Sと重なる位置において、左右の1対のエンジンハンガ59が設けられる。エンジンハンガ59において、車体フレームに設けられる支持軸が挿入される貫通孔59bが形成された被支持部59aは、側面視でバンク空間Sと重なる位置において、前バンクB1のシリンダ1aよりも上方で、後バンクB2のシリンダ1bとリンダヘッド3bとの合わせ面1b1よりも下方に、上下方向での位置でシリンダ1bと重なる位置に設けられる。このような剛性の高い位置にエンジンハンガ59の被支持部59aが設けられることにより、内燃機関Eを支持する車体フレームへの振動特性が良好となり、自動二輪車の乗り心地が向上する。
図1,図3を参照すると、バンク空間Sに配置される吸気装置60は、エアクリーナ(図示されず)と、吸気の下流側で該エアクリーナに結合されると共にスロットル弁62a,62bが装着された1対のスロットルボディ61a,61bと、吸気の上流側で各スロットルボディ61a,61bに結合されると共に下流側で各シリンダヘッド3a,3bにバンク空間S側において結合される接続管である1対のインシュレータ64a,64bとを備える。
スロットルボディ61a,61bには吸気道63a,63bが形成され、スロットル弁62a,62bは、吸気道63a,63bに配置されて吸気道63a,63bを通る吸気の流量(吸気量)を制御する。そして、前記エアクリーナを経て吸入された空気は、吸気道63a,63bおよびインシュレータ64a,64bにより形成される通路65a,65bから構成される吸気通路を流通し、さらに吸気ポート14を経て燃焼室13に流入する。また、両スロットルボディ61a,61bは、連結部材67により互いに連結されて一体化される。
さらに、各スロットルボディ61a,61bには、吸入された空気に燃料を供給する混合気形成手段としての燃料噴射弁68が取り付けられる。燃料噴射弁68から吸気ポート14を指向して噴射された燃料は、吸入空気と混合して混合気を形成して燃焼室13に流入し、燃焼室13内で点火栓16により点火されて燃焼し、発生する燃焼圧力により往復運動するピストン5が、コンロッド6を介してクランク軸7を回転駆動する。
図9(A)を参照すると、ゴム状弾性を有する材料、例えば合成ゴムからなるインシュレータ64a,64bは、スロットルボディ61a,61bの下流端部により構成される嵌合部61a1,61b1が嵌合する嵌合孔66a,66bを形成する上流端部64a1,64b1を有する。
嵌合部61a1,61b1における吸気道63a,63bの中心軸線L2a,L2bおよび嵌合孔66a,66bの中心軸線L3a,L3bは、バンク角θ1を二分する特定平面P0、この実施形態ではバンク角θ1を二等分する特定平面P0に対して傾斜している。なお、この実施形態では、両中心軸線L2a,L3a;L2b,L3bはほぼ一致する。また、嵌合部61a1,61b1の下流端開口縁部61a2,61b2により吸気道63a,63bの下流端開口63a1,63b1が形成され、インシュレータ64a,64bの上流端開口縁部64a2,64b2により嵌合孔66a,66bの上流端開口66a1,66b1が形成される。
そして、下流端開口63a1,63b1は、特定平面P0に直交すると共に下流端開口63a1,63b1に接する第1平面P1a,P1bに対して吸気道63a,63b側にあり、上流端開口66a1,66b1は、特定平面P0に直交すると共に上流端開口66a1,66b1に接する第2平面P2a,P2bに対して嵌合孔66a,66b側にある。図9(B),(C)を併せて参照すると、インシュレータ64a,64bには、上流端部64a1,64b1の一部のみに、特定平面P0に平行であって下流端開口縁部61a2,61b2に接する第3平面P3a,P3bと交差する案内面69a1,69b1を有する案内部69a,69bが設けられる。
この実施形態では、インシュレータ64a,64bに対して、少なくとも嵌合部61a1,61b1または中心軸線L2a,L2bが、さらには吸気道63a,63bの全体およびスロットルボディ61a,61bの全体が、上流に向かって特定平面P0に近づくように傾斜している。換言すれば、各中心軸線L2a,L3a;L2b,L3bは、側面視で、シリンダ軸線L1a,L1bから中心軸線L2a,L3a;L2b,L3bまでの鋭角θ2a,θ3a;θ2b,θ3bが、シリンダ軸線L1a,L1bから特定平面P0までの鋭角θ4a,θ4bよりも大きくなるように傾斜している。そして、燃料噴射弁68は、動弁室20との間で前記吸気通路を挟むように配置される。スロットルボディ61a,61bが特定平面P0に平行な方向からインシュレータ64a,64bに組み付けられるとき、嵌合部61a1,61b1が案内面69a1,69b1に接触しつつ嵌合孔66a,66bに案内される。案内部69a,69bにより、連結部材67(図1参照)で予め互いに連結されて一体化された両スロットルボディ61a,61bがそれぞれの嵌合部61a1,61b1を、同時に各嵌合孔66a,66bに案内する。
各案内部69a,69bは、嵌合孔66a,66bに対して、特定平面P0に沿うと共に嵌合孔66a,66bから離れる方向、または組付方向とは反対方向に突出している。また、案内面69a1,69b1は、両中心軸線L2a,L3a;L2b,L3bに対して傾斜していて、ほぼ円柱面または円錐面の一部により形成される。
インシュレータ64a,64bにおいてバンク空間Sまたは特定平面P0に対して近接側および遠方側の一方の部分としての遠方側の部分64a4,64b4に案内部69a,69bが設けられ、インシュレータ64a,64bにおいて前記近接側および前記遠方側の他方の部分としての近接側の部分64a3,64b3に対応する位置で、燃料噴射弁68がスロットルボディ61a,61bに取り付けられる。さらに、案内部69a,69bと燃料噴射弁68とは、吸気道63a,63bの中心軸線L2a,L2bの方向での位置で互いに重なる位置にある。
図1を参照すると、燃焼ガスを排気ガスとして外部に排出する排気装置は、各バンクB1,B2を挟んでバンク空間Sとは反対側でシリンダヘッド3a,3bの接続部3a2,3b2に結合される排気管(図示されず)を備え、該排気管を通じて排気ポート15を経た排気ガスが外部に排出される。
そして、各バンクB1,B2の排気ポート15には、各ヘッドカバー4a,4bに設けられる2次空気供給装置70からの空気が導入される。排気ガス中のHCやCOを酸化して排気ガスを浄化するために排気ガス中に空気を供給する2次空気供給装置70は、両バンクB1,B2において同一構造のものであるので、以下では、前バンクB1の2次空気供給装置70について説明する。
図6(B)を参照すると、2次空気供給装置70は、ハウジング71と、ハウジング71内に収容されるリード弁72とを備える。ハウジング71は、ヘッドカバー4aと一体成形されたボディ71aと、リード弁72を挟んでボディ71aに結合されるカバー71bとから構成される。
カバー71bには、前記エアクリーナに接続される導管(図示されず)を介して空気が導入される導入ポート73が形成され、ボディ71aには導出ポート74が形成される。導出ポート74は、シリンダヘッド3aに形成されて排気ポート15の分岐ポート15bに開口する空気供給通路75に連通する。導出ポート74と空気供給通路75との接続のために、ボディ71aには導出ポート74の出口74aを形成する管状の突出部71a1が一体成形され、該突出部71a1が、シリンダヘッド3aの、ボディ71aとの合わせ面3a3に開口する空気供給通路75の入口75aに挿入される。出口74aと入口75aとの接続部は、突出部71a1の周囲においてボディ71a1と合わせ面3a3との間に設けられた環状のシール部材76によりシールされる。このシール部材76は、シリンダヘッド3aおよびヘッドカバー4aの合わせ面に介在するガスケット77に一体成形されてもよい。このように、導出ポート74と空気供給通路75とが、ボディ71aに一体成形された突出部71a1により接続されるので、導出ポート74と空気供給通路75とを接続する導管が不要になって、部品点数およびコストが削減される。
図3,図10を参照すると、内燃機関Eの潤滑系統は、ドライサンプ式の潤滑系統であり、オイルタンク48と、オイルタンク48からストレーナ95を経て吸入した潤滑油を吐出するフィードポンプ81と、フィードポンプ81から吐出された潤滑油を冷却する水冷式のオイルクーラ96と、オイルフィルタ97と、内燃機関Eの各潤滑箇所を潤滑した後の潤滑油を回収するスカベンジングポンプ82と、これら潤滑系部材間で潤滑油を導く多数の油路とから構成される。
内燃機関Eの補機であるオイルポンプ80は、いずれもトロコイドポンプからなるフィードポンプ81およびスカベンジングポンプ82からなる。フィードポンプ81は、回転中心線L0に平行に配置される駆動軸83と、第1クランクケース2aの一部により構成される第1ポンプボディ84と、駆動軸83により回転駆動されてポンプ室を形成するロータ87を収容すると共に第1ポンプボディ84に結合される第2ポンプボディ85とを備え、スカベンジングポンプ82は、フィードポンプ81と共通の駆動軸83と、第2ポンプボディ85と、駆動軸83により回転駆動されてポンプ室を形成するロータ88を収容すると共に第2ポンプボディ85に結合される第2ポンプカバー86とを備える。
駆動軸83には、駆動スプロケット32c(図2参照)との間に無端伝動帯としてのチェーン89(図7も参照)が掛け渡される被動回転体としての被動スプロケット90が結合され、駆動軸83は、両スプロケット32c,90およびチェーン89により構成される補機用伝動機構T3を介して伝達されるクランク軸7の動力により回転駆動される。また、第1ポンプボディ84には、フィードポンプ81の吸入ポート91および吐出ポート92(図3参照)が形成され、第2ポンプボディ85には、スカベンジングポンプ82の吸入ポート93が形成され、第2ポンプカバー86には、スカベンジングポンプ82の吐出ポート94が形成される。
図3に示されるように、オイルポンプ80は、上下方向で、前傾したシリンダ1aとクランク軸7の回転軌跡の最低部L4との間に配置される。そのために、この実施形態では、少なくとも駆動軸83と最低部L4とが上下方向での位置で重なるように配置される。これにより、クランクケース2の底部2a3,2b3(図8参照)により形成されて内燃機関Eの各潤滑箇所を潤滑した後の潤滑油が集合するオイルパン部17とクランク軸7との距離を小さくできるので、内燃機関Eを上下方向で小型化できる。
図3,図7,図10を参照すると、最低部L4の近傍よりも下方の第1クランクケース2a,2bの底部2a3,2b3には、ストレーナ95を介してオイルタンク48内の潤滑油を吸入ポート91に導く吸入油路K1と、吐出ポート92を経て吐出された潤滑油をオイルクーラ96およびその下流のオイルフィルタ97に導く吐出油路K2とが設けられる。第1ポンプボディ84には、吐出油路K2に配置されてオイルクーラ96およびオイルフィルタ97への潤滑油の流れを許容するチェック弁98と、チェック弁98の下流の吐出油路K2から分岐して吸入ポート91に開口するリリーフ油路K3と、該リリーフ油路K3に配置されるリリーフ弁99とが設けられる。なお、リリーフ弁99は、第1,第2ポンプボディ84,85に跨って配置される。このように、第1ポンプボディ84にチェック弁98およびリリーフ油路K3およびリリーフ弁99が設けられることにより、オイルポンプ80が、2つのポンプボディ84,85および1つのポンプカバー86から構成されるハウジング構造になることから、フィードポンプ81およびスカベンジングポンプ82からなるオイルポンプ80のハウジング構造が簡素化されて、オイルポンプ80が小型・軽量化される。さらに、リリーフ油路K3が吸入ポート91に開口して、リリーフ油路K3を流れる潤滑油が直接吸入ポート91に戻されることにより、この点でもオイルポンプ80を小型・軽量化することが可能になる。そして、オイルポンプ80の小型化により、オイルポンプ80の周囲に配置される部材のレイアウトの自由度が大きくなる。
オイルフィルタ97を通過して清浄になった潤滑油は、底部2a3において第1クランクケース2aに設けられる主油路K4に流入する。図2を併せて参照すると、第1クランクケース2aには、主油路K4の潤滑油を滑り軸受8を囲んで軸受部2a1に設けられる環状油路K6aに導く油路K5が設けられる一方、第2クランクケース2bには、主油路K4の下流で分岐した一方の下流端部K4aに連通して主油路K4の潤滑油を滑り軸受9を囲んで軸受部2b1に設けられる環状油路K6bに導く油路K7が設けられ、クランクケースカバー45には、主油路K4の他方の下流端部K4b(図7参照)に連通して主油路K4の潤滑油をクランク軸7の油路K9に導く油路K8が設けられる。油路K8の開口した端部K8aは、油圧センサ100により閉塞される。これにより、油圧センサ100が油路K8の閉塞栓を兼ねるので、油圧センサ100および閉塞栓が別個に設けられる場合に比べて、油圧センサ100が取り付けられるクランクケースカバー45周辺のスペースが効率よく利用されて、部品のレイアウトが簡素化される。
クランク軸7に設けられる油路K9は、軸端部7aの軸端面から回転中心線L0に沿って設けられて油路K8の潤滑油をクランク軸7の内部からコンロッド6の大端部に導く。
図7を参照すると、各バンクB1,B2のシリンダ1a,1bおよびシリンダヘッド3a,3bには、第1クランクケース2aに設けられた油路K10を介して環状油路K6aの潤滑油を吸気ロッカアーム軸27に導く油路K11,K12が設けられる。両バンクB1,B2の動弁室20内の部材における油路および潤滑構造は同様なので、前バンクB1における油路および潤滑構造を中心に説明する。
図6(A),図8を参照すると、シリンダヘッド3aの油路は、カムホルダ部分29aの内部に設けられる。カムホルダ部分29aにおいて、油路K12は、シリンダ軸線L1aに平行に延びる上流部分K12aに対して、シリンダ軸線L1aに傾斜して直線状に延びて保持孔29a1を貫通する下流部分K12bを有し、シリンダ軸線方向A1でのヘッドカバー4aとの対向面である頂面29a3に開口する端部K12cを有する。そして、端部K12cは、シリンダ軸線L1aに平行に延びてカムホルダ部分29aのネジ孔29a4にねじ込まれるボルト41により閉塞される。この状態で、ボルト41の軸部41bは、端部K12cの中心軸線に対して同軸でも平行でもなく、端部K12cに交差している。
油路K12の潤滑油は、吸気ロッカアーム軸27の内部に設けられて、吸気ロッカアーム25が摺動する支持面27cに開口する油路K13に導かれる。油路K13からの潤滑油の一部は、吸気ロッカアーム軸27と吸気ロッカアーム25との摺動部を潤滑し、油路K12からの潤滑油の残りは、吸気ロッカアーム25に設けられた噴出口K14(図4参照)から動弁室20内に噴射される。噴出口K14から噴射された潤滑油の油滴は、排気ロッカアーム26に形成された油孔K15から流入して排気ロッカアーム26と排気ロッカアーム軸28との摺動部を潤滑し、さらに吸気カム23および排気カム24と吸気ロッカアーム25および排気ロッカアーム26とのそれぞれの摺動部、軸受30,31など、動弁室20内の各潤滑箇所を潤滑する。なお、軸受31は、噴出口K14から噴射された潤滑油のうち、カムホルダ部分29bに設けられた油孔K16から流入した潤滑油によっても潤滑される。
動弁室20内の各潤滑箇所を潤滑した後の潤滑油は、シリンダヘッド3a、シリンダ1aおよび第1クランクケース2aに形成されて、チェーン34aが配置される空洞により構成されるチェーン室18(図2も参照)を流下して、クランク室10内に戻る。
図3,図7,図10を参照すると、クランク室10内では、内燃機関Eの摺動部などの各潤滑箇所を潤滑した後の潤滑油はオイルパン部17に集まり、オイルパン部17の最低部付近に設けられる案内部17aに流入する。第1クランクケース2aの底部2a3には、ストレーナ101を通して汲み上げた案内部17aから潤滑油をスカベンジングポンプ82の吸入ポート93に導く回収油路K17が、吸入油路K1とほぼ平行に左右方向に延びて、かつ同一水平面上に設けられる。このように、吸入油路K1および回収油路K17が、同一水平面上でほぼ平行に配置されることにより、内燃機関Eを上下方向で小型化できる。
吐出ポート94の潤滑油は、クランク室10内に配置されて第1クランクケース2aに設けられる挿入孔102内に挿入される導管103により形成される排出油路K18を経て、クランクケースカバー45に設けられてオイルタンク48内の上部空間に開口する排出油路K19に導かれる。これにより、スカベンジングポンプ82とオイルタンク48とを連通させる排出油路K18が導管103により形成されるので、スカベンジングポンプ82のレイアウトの自由度が大きくなる。
オイルタンク48内では、複数の邪魔板が配置されて形成される気液分離室において、クランク室10内から回収される潤滑油と共にスカベンジングポンプ82により吸入されたブローバイガスを含む空気が潤滑油から分離される。そして、空気が分離された潤滑油が、吸入油路K1を経てフィードポンプ81に吸入される。
図3,図7,図11を参照すると、フィードポンプ81の吐出ポート92には、内燃機関Eの停止時およびオイル交換時などに潤滑系統に侵入して潤滑油に混入した空気を排出する空気抜き通路104が連通する。空気抜き通路104は、ポンプボディ84に形成されて吐出ポート92の最上部に連通して水平方向に延びる通路105と、通路105からチェーン室18内または補機室47内で上方に向かって延びる上昇通路106とから構成される。上昇通路106は、一端部が通路105に挿入される空気抜き管107により形成される。上昇通路106の先端部には、空気をチェーン室18または補機室47に排出する排出口108が形成される。上昇通路106には、上昇通路106の保持部109に保持された弁体としてのボール110が収容され、該ボール110は、空気抜き管107の先端部を閉塞するプラグ111に形成された排出口108を閉塞可能である。このために、空気抜き管107には、ボール110が係合および離脱可能な係合部112が、保持部109として設けられる。ボール110は、係合部112に保持された状態で、吐出ポート92からチェーン室18または補機室47への空気の排出を許容する一方、排出口108から吐出ポート92への空気の侵入を阻止する。また、吐出ポート92からの潤滑油が空気抜き通路104に流入したとき、ボール110は、油圧により押し上げられてプラグ111に着座して排出口108を密閉する。なお、上昇通路106は、通路105と共に、第1ポンプボディ84を構成する第1クランクケース2a自体に形成されてもよい。
これにより潤滑油に混入した空気が排出され易くなり、しかも空気抜き管107からの潤滑油のリークが防止される。また、図7,図11に二点鎖線で示されるように、空気抜き管107に、保持部109と排出口108との間の上昇通路106に連通して潤滑油を交流発電機46に向かって噴射する噴射口113が設けられてもよい。これにより、油圧により押し上げられたボール110がプラグ111に着座して排出口108を密閉した状態で、噴射口113から噴射された潤滑油により交流発電機46(図2参照)を冷却することができる。
図3,図10を参照すると、クランク室10において、オイルタンク48寄りの部分である後部には、オイルタンク48から溢れた潤滑油をオイルパン部17に導くオーバフロー通路115が、第1,第2クランクケース2a,2bに形成されてその合わせ面にそれぞれ開口する溝115a,115bが合わせられて構成される。オーバフロー通路115の最上部には、クランク室10に開口するブリージング通路116が第1クランクケース2aに設けられた切欠きにより形成され、ブリージング通路116によりオーバフロー通路115が潤滑油で閉塞されることが防止される。
図3を参照すると、前バンクB1のヘッドカバー4aに設けられて動弁室20の最上部に連通するブリーザ室120は、ヘッドカバー4aの一部により構成される本体121と、本体121に結合されるカバー122とにより形成される。そして、本体121は、シリンダヘッド3aとのヘッドカバー4aの合わせ面またはガスケット77から離れた位置にあり、インシュレータ64aの案内部69aと前記組付方向で干渉しない範囲で、可及的にバンク空間Sに庇状に張り出している。このため、ブリーザ室がシリンダヘッドとヘッドカバーとの共同により形成される場合に比べて、ガスケット77によるシール長さを短くすることができるので、ヘッドカバー4aとシリンダヘッド3aとの合わせ面でのシール性が向上する。さらに、ブリーザ室120がバンク空間Sに張り出して形成されるのでブリーザ室120の容積を大きくすることができる。しかも、吸気装置60と干渉しない範囲で可及的にバンク空間Sに突出していることで、スペース効率が向上し、レイアウトの自由度が大きくなる。
図3,図10を参照すると、内燃機関Eの冷却系統は、冷却水を圧送する冷却水ポンプ130と、シリンダ1a,1bおよびシリンダヘッド3a,3bに形成された冷却水ジャケットW2,W3,W5,W6と、ラジエータRと、内燃機関Eの暖機状態に応じてラジエータRへの冷却水の流通および遮断を制御するサーモスタット152と、機関本体の外部で冷却水通路を形成する導管や管継手等からなる配管群とから構成される。
冷却水ポンプ130は、オイルポンプ80の駆動軸83と同軸の駆動軸131と、駆動軸131により回転駆動されるインペラ132と、クランクケースカバー45の一部により構成されて駆動軸131を回転可能に支持するポンプボディ133と、ポンプボディ133に結合されるポンプカバー134とを備える。ポンプカバー134には、ラジエータRで放熱して低温となった冷却水が流入する入口ポート135と、後述するバイパス通路W7からの冷却水が流入するバイパスポート136と、インペラ132により圧送された冷却水が流出する出口ポート137とが設けられる。クランクケースカバー45と共同して形成される出口ポート137は、該出口ポート137と、シリンダ1aに設けられた孔から構成される供給通路W1とにほぼ全体が挿入される管継手138を介して、該供給通路W1に連通する。このようにして、冷却水ポンプ130から吐出された直後の冷却水を、ホースを使用することなくシリンダ1aの冷却水ジャケットW2に導くことができるので、冷却水の配管が簡素化され、コンパクト化される。
駆動軸131は、駆動軸83と同軸に該駆動軸83に軸継手としてのボルト139を介して駆動連結されて、ポンプボディ133には軸受140により回転可能に支持される。図11を併せて参照すると、ボルト139は、駆動軸83に被動スプロケット90を結合するためのものであり、ボルト139の頭部139aは、角柱形状、この実施形態では六角柱形状に形成され、該頭部139aが駆動軸131に形成された同形状の嵌合孔141に嵌合することにより、駆動軸131が駆動軸83と一体に回転するように連結される。このように、被動スプロケット90を駆動軸83に結合するボルト139が軸継手を兼ねるので、部品点数が削減される。また、駆動軸131が、その軸端部においてボルト139を介してオイルポンプ80のポンプボディ84,85により回転可能に支持される駆動軸83に支持されることにより、駆動軸131はポンプボディ133に軸受140を介して片持ち支持されればよいので、冷却水ポンプ130を小型化することができる。
図3,図10を参照すると、前記冷却系統において、冷却水ポンプ130の出口ポート137からの冷却水は、供給通路W1を経て前バンクB1のシリンダ1aの冷却水ジャケットW2に流入し、シリンダ1aを冷却した後にシリンダヘッド3aの冷却水ジャケットW3に流入して、シリンダヘッド3aや点火栓16を冷却する。その後、冷却水は冷却水ジャケットW3から導管151により形成される冷却水通路W4を経て、後バンクB2の冷却水ジャケットW5に流入してシリンダ1bを冷却した後、シリンダヘッド3bの冷却水ジャケットW6に流入して、シリンダヘッド3bや点火栓16を冷却したのち、シリンダヘッド3bに取り付けられたサーモスタット152に流入する。
シリンダヘッド3aの冷却水ジャケットW3においては、図5に示されるように、冷却水が排気ポート15側から吸気ポート14側に向かって流れるとき、上流で分岐して、点火栓16の近傍を通過し、さらに吸気ポート14の1対の分岐ポート14a,14bの間を流通した後に、下流で合流する冷却水の分岐通路W3aが形成される。この分岐通路W3aにより、点火栓16付近での冷却水の淀みが解消されて、点火栓16の冷却が促進される。なお、シリンダヘッド3bの冷却水ジャケットW6の構造は、冷却水ジャケットW3の構造と同様である。
図1,図7を参照すると、内燃機関Eの暖機時(図示された状態)には、サーモスタット152では、主弁152aが閉弁し、バイパス弁152bが開弁するため、サーモスタット152に流入した冷却水は、サーモスタット152のバイパス出口152cに接続される管継手153とバイパスポート136とを接続する導管154とにより形成されるバイパス通路W7を流通して冷却水ポンプ130に吸入される。また、内燃機関Eの暖機完了後には、サーモスタット152では、主弁152aが開弁し、バイパス弁152bが閉弁するため、サーモスタット152に流入した冷却水は、サーモスタット152の出口152dから流出してラジエータRに流入し、ラジエータRで放熱して低温となった後、ラジエータRと入口ポート135を接続する導管により形成される冷却水通路を流通して冷却水ポンプ130に吸入される。
このように、管継手153により形成されるバイパス通路W7の上流端部W7aは、シリンダヘッド3bから下方に延出し、しかもバイパス通路W7がクランクケース2の底部2a3,2b3に相当する位置に配置される冷却水ポンプ130に至るまで下方に向かって設けられるので、管継手153および導管154がコンパクトに配置され、しかもバイパス通路W7内の空気が抜け易くなる。
図1,図4を参照すると、オイルクーラ96には、供給通路W1から分岐して導管155により形成される冷却水通路を経て導かれ、潤滑油を冷却した後の冷却水は、オイルクーラ96とサーモスタット152近傍のシリンダヘッド3b部分に接続される管継手156(図7も参照)とに接続される導管157により形成される戻り通路を経てサーモスタット152の入口側に戻される。これにより、潤滑油を冷却して高温となった冷却水が各冷却水ジャケットW2,W3,W5,W6を経ることなく直ちにサーモスタット152に流入するので、シリンダ1a,1bおよびシリンダヘッド3a,3bの冷却効率が向上する。
図1,図2を参照すると、前記動力伝達装置は、内燃機関Eの右方から後方にかけて配置される変速装置Mと、変速装置Mを介して伝達されたクランク軸7の動力の、歯車式伝動機構R1への伝達および遮断を行う遠心クラッチCと、終減速装置と、伝動ケース56とを備える。ここで、前記終減速装置は、歯車式伝動機構R1およびチェーン式伝動機構R2から構成される。
変速装置Mは、内燃機関Eにより駆動される駆動軸160を兼ねる軸端部7bに一体回転可能に駆動連結される可変プーリからなる駆動プーリ161と、出力軸165に回転可能に支持される被動軸162に一体回転可能に支持されて遠心クラッチCを介して出力軸165に一体回転可能に連結される可変プーリからなる被動プーリ163と、駆動プーリ161および被動プーリ163に掛け渡される無端のVベルトからなるベルト164と、第1伝動ケース56aの後部56a2および第1クランクケース2aの後部2a2に回転可能に支持される出力軸165と、駆動プーリ161および被動プーリ163におけるベルト164の巻掛け半径を変更する変速比制御手段とを備える。
駆動プーリ161は、軸端部7a(駆動軸160)に相対移動不能に結合される固定プーリ半体161aおよび固定プーリ半体161aに対して回転中心線方向(軸方向)に移動可能な可動プーリ半体161bから構成される。被動プーリ163は、被動軸162と一体回転可能な固定プーリ半体163aおよび被動軸162にトルクカム機構を介して連結される可動プーリ半体163bから構成される。
前記変速比制御手段は、駆動軸160に固定されたカムプレート166により軸方向での位置が変更される複数の遠心ウエイト167と、被動軸162と同軸に配置されて可動プーリ半体163bにベルト164を締め付ける方向の弾発力を作用させるバネ168とを備える。駆動プーリ161においては、クランク軸7の回転速度に応じて発生する遠心力に応じて各遠心ウエイト167が径方向に移動すると共に軸方向に移動することにより、遠心ウエイト167に押圧される可動プーリ半体161bが軸方向に移動して、巻掛け半径が変更される。このとき発生するベルト164の張力の変化により、被動プーリ163においては、可動プーリ半体163bがバネ168の弾発力に抗して、またはその弾発力により、軸方向に移動して巻掛け半径が変更される。この結果、変速装置Mの変速比が、機関回転速度に応じて自動的に、しかも連続的に変更される。
前記トルクカム機構は、可動プーリ半体163bが固定されると共に被動軸162に回転可能に支持されるスリーブ169に形成されたカム溝170と、被動軸162に固定されてカム溝170に係合するピン171とから構成され、自動二輪車の後輪に作用する負荷が増加したときに、固定プーリ半体163aと可動プーリ半体163bとの間の相対回転に応じてベルト164を締め付ける方向に被動プーリ半体163bを移動させる。
被動軸162と一体回転可能な遠心クラッチCの入力部材181と可動プーリ半体163bとの間に配置されるバネ168は、その両端部の少なくとも一方が、低摩擦係数を有するバネ受け部材により支持される。この実施形態では、バネ168の、可動プーリ半体163b寄りの端部168aを支持する前記バネ受け部材は、軸方向に重ねられて配置されると共に低摩擦係数を有する合成樹脂製の2枚のワッシャからなる二重ワッシャ172により構成される。また、前記バネ受け部材は、二重ワッシャ172の代わりに、スラスト軸受から構成されてもよい。
このように、バネ168が低摩擦係数を有する前記ばね受け部材により支持されることにより、固定プーリ半体163aに対して可動プーリ半体163bが相対回転する際に、バネ168が可動プーリ半体163bとの間の摩擦力に起因して連れ回りすることが防止または抑制されてバネ168の弾発力の変動が防止または抑制されるので、前記トルクカム機構の作動時のベルトから被動プーリへのトルク伝達性能が向上する。
遠心クラッチCは、遠心ウエイト183を揺動可能に支持する入力部材181と、出力軸165に一体回転可能に結合される出力部材182とを備え、被動軸162が内燃機関Eのアイドリング回転速度に対応する回転速度を越えて回転するとき、遠心力により飛開して出力部材182を押圧する遠心ウエイト183を介して、入力部材181および出力部材182が一体に回転する接続状態になる。
歯車式伝動機構R1は、出力軸165の入力ギヤ191、入力ギヤ191と噛合する中間ギヤ192および出力ギヤ193から構成される。出力軸は、第1クランクケース2aおよび第1,第2伝動ケース56a,56bに、両ギヤ192,193は、第1クランクケース2aおよび第1伝動ケース56に、それぞれ回転可能に支持される。
出力ギヤ193に一体回転可能に結合される出力取出軸194には、駆動チェーンが巻き掛けられる駆動スプロケット195が結合される。また、後端部で後輪を回転可能に支持する可能に支持するスイングアーム200は、その前端部で出力取出軸194と同軸のピボット軸201に揺動可能に支持される。該ピボット軸201は、左右1対の第1,第2ピボット軸201a,201bにより構成され、第1ピボット軸201aは、第1クランクケース2aの後端部に結合され、第2ピボット軸201bは、第1伝動ケース56aの後端部に結合される。
次に、変速装置Mの冷却構造について説明する。
該第2伝動ケース56bに結合されるカバーと第2伝動ケース56bとにより、冷却風を伝動室57内に導く導風室174が形成される。カバー173には外気を導風室174に導入する取入口175が設けられる。カバー173に一体成形されるダクト176により形成される取入口175は、後方に向かって開放する入口175aから前方に向かって開放する出口175bを有する。取入口175は、駆動軸160と被動軸162との間であって、側面視で被動プーリ163と重なる位置に設けられ、出口175bは、駆動プーリ161と被動プーリ163とのほぼ中央に位置する。被動プーリ163の固定プーリ半体163aにより構成される冷却ファン177により吸引される冷却風は、取入口175を経て導風室174に流入し、導風室174内で前方から後方に向かった後、フィルタエレメント178を経て、カバー173に形成された入口179から、被動軸162の軸方向で固定プーリ半体163aに向かって伝動室57内に流入する。
駆動プーリ161および被動プーリ163が近接して配置されるために、駆動軸160および被動軸162の軸間距離が比較的短いベルト式の変速装置Mにおいて、駆動軸160と被動軸162との間に取入口175が設けられることにより、駆動軸160および被動軸162の間のスペースを利用して取入口175を形成することができるので、取入口を設けるために第2伝動ケース56bまたはカバー173が大型化することが防止される。また、冷却風が被動プーリ163に向かって伝動室57内に流入するので、被動プーリ163の冷却が促進される。
また、駆動プーリ161の固定プーリ半体161aのボス部には、最小巻掛け半径にあるベルト164よりも径方向内方に位置する多数の貫通孔からなる冷却風通路161eが設けられる。これにより、クランクケース2に隣接する第1伝動ケース56aと駆動プーリ161との間の空間に冷却風通路161eを通じて冷却風が導かれるので、固定プーリ半体161aの背面が冷却され、クランクケース2に隣接する駆動プーリ161の部分である固定プーリ半体161aの冷却が促進される。
また、第1伝動ケース56aには、駆動プーリ161と被動プーリ163との間のほぼ中央であって、第1クランクケース2aに対向する部分で、かつ遠心クラッチCの外周付近に、クランクケース2と伝動ケース56の間の空間にクランクケース2を指向して冷却風が伝動室57から流出する排風口56a3が設けられる。これにより、伝動室57内では、排風口56a3に向かって流れる冷却風により遠心クラッチCが冷却され、さらに排風口56a3から流出する冷却風により、クランクケース2が冷却される。
次に、前述のように構成された実施形態の作用および効果について説明する。
スロットルボディ61a,61bの嵌合部61a1,61b1における吸気道63a,63bおよびインシュレータタ64a,64bの嵌合孔66a,66bの両中心軸線L2a,L2b;L3a,L3bは特定平面P0に対して傾斜しており、スロットルボディ61a,61bの嵌合部61a1,61b1の下流端開口63a1,63b1は、第1平面P1a,P1bに対して吸気道63a,63b側にあり、インシュレータ64a,64bの嵌合孔66a,66bの上流端開口66a1,66b1は、第2平面P2a,P2bに対して嵌合孔66a,66b側にあり、上流端部64a1,64b1の一部のみに、第3平面P3a,P3bと交差する案内面69a1,69b1を有する案内部69a,69bが設けられ、ボディが特定平面P0に平行な方向からインシュレータ64a,64bに組み付けられるとき、嵌合部61a1,61b1が案内面69a1,69b1に接触しつつ嵌合孔66a,66bに案内される。
これにより、スロットルボディ61a,61bの下流端開口63a1,63b1は、第1平面P1a,P1bに対して吸気道63a,63bの流路断面(中心軸線L2a,L2bに直交する平面での吸気道63a,63bの断面)に近づく方向に傾斜し、同様に、インシュレータ64a,64bの上流端開口66a1,66b1は、第2平面P2a,P2bに対してインシュレータ64a,64bの通路65a,65bの流路断面(中心軸線L3a,L3bに直交する平面での通路65a,65bの断面)に近づく方向に傾斜しているので、下流端開口63a1,63bの開口面積および上流端開口66a1,66b1の開口面積をそれぞれ前記流路断面での面積に近づけることができて、スロットルボディ61a,61bおよびインシュレータ64a,64bを小型化できる。
そして、インシュレータ64a,64bの上流端部64a1,64b1の一部のみに案内部69a,69bが設けられ、スロットルボディ61a,61bがインシュレータ64a,64bに組み付けられるとき、スロットルボディ61a,61bの嵌合部61a1,61b1が案内部69a,69bに接触しつつ嵌合孔66a,66bに案内されるので、スロットルボディ61a,61bの下流端開口63a1,63b1およびインシュレータ64a,64bの上流端開口66a1,66b1が、それぞれ第1平面P1a,P1bおよび第2平面P2a,P2bに対して傾斜している場合にも、インシュレータ64a,64bへのスロットルボディ61a,61bの組付が容易になるうえ、案内部69a,69bは上流端部64a1,64b1の一部のみに設けられているので、案内部69a,69bが設けられることによりインシュレータ64a,64bが大型化することが抑制される。この結果、案内部69a,69bによりインシュレータ64a,64bへのスロットルボディ61a,61bの組付が容易になるうえ、該案内部69a,69bが設けられたことによりインシュレータ64a,64bが大型化することが抑制されて、前記従来技術に比べてスロットルボディ61a,61bおよびインシュレータ64a,64bを小型化することができ、ひいては吸気装置60を小型化できる。
第1スロットルボディ61aおよび第2スロットルボディ61bは互いに一体に連結されており、案内部69a,69bは、第1,第2インシュレータ64a,64bにそれぞれ設けられた第1,第2案内部69a,69bから構成されることにより、第1,第2スロットルボディ61a,61bが一体に連結された状態で、第1,第2案内部69a,69bにより案内されて同時に組み付けられるので、その組付性が一層向上する。
各インシュレータ64a,64bにおいて、遠方側の部分64a4,64b4に案内部69a,69bが設けられ、近接側の部分64a3,64b3に対応する位置で、燃料噴射弁68がスロットルボディ61a,61bに取り付けられることにより、インシュレータ64a,64bへのスロットルボディ61a,61bの組付時に、燃料噴射弁68と案内部69a,69bとが互いに干渉することがないので、インシュレータ64a,64bへのスロットルボディ61a,61bの組付時に、燃料噴射弁68と案内部69a,69bとが互いに干渉することがなく、良好な組付性が確保される。
また、案内部69a,69bと燃料噴射弁68とは吸気道63a,63bの中心軸線L2a,L2bの方向での位置で互いに重なるように配置されることにより、インシュレータ64a,64bに対して燃料噴射弁68を吸気道63a,63bの中心軸線L2a,L2bの方向でコンパクトに配置することができる。
案内部69a,69bは、嵌合孔66a,66bに対して、中心軸線L3a,L3bまたは特定平面P0に沿うと共に嵌合孔66a,66bから離れる方向に突出していることにより、案内部69a,69bの案内面69a1,69b1を前記組付方向に沿って大きくすることができることから、インシュレータ64a,64bへのスロットルボディ61a,61bの組付時に、組付工程の早い段階から案内部69a,69bにより嵌合部61a1,61b1が案内されるので、組付性が一層向上する。
内燃機関Eの動弁装置21は、動弁室20内でシリンダヘッド3a,3bに設けられるカムホルダ29に保持される吸気ロッカアーム軸27および排気ロッカアーム軸28と、両ロッカアーム軸27,28にそれぞれ揺動可能に支持されて吸気弁17および排気弁18を開閉する吸気ロッカアーム25および排気ロッカアーム26とを備え、ボルト37は両ロッカアーム軸27,28の一方のロッカアーム軸であるロッカアーム軸28が軸方向に移動するのを規制することにより、ヘッドカバー4a,4bをシリンダヘッド3a,3bに結合するボルト37が、動弁室20内に配置されるロッカアーム軸28の軸方向での移動を規制する規制部材として利用される。この結果、ボルト37がロッカアーム軸28の移動を規制する規制部材を兼ねるので、ロッカアーム軸28の軸方向での移動を規制するための専用の部材が不要となり、部品点数が削減される。
ボルト37は、頭部37aと、軸方向でロッカアーム軸28と当接する軸部37bとから構成され、頭部37aは、動弁室20の外部でヘッドカバー4a,4bを押圧すると共に動弁室20内でカムホルダ部分29bに当接する当接面37cを有し、軸部37bは当接面37cからシリンダ軸線方向A1,A2に延びていることにより、ヘッドカバー4a,4bとボルト37との間にシリンダ軸線方向A1,A2での空間が形成されることがないことから、ヘッドカバー4a,4bをシリンダ軸線方向A1,A2でカムホルダ部分29bに近接させることができるので、ヘッドカバー4a,4bをシリンダ軸線方向A1,A2で小型化することができ、ひいては内燃機関Eをシリンダ軸線方向A1,A2で小型化することができる。
ロッカアーム軸28にはボルト37が挿入される挿入部28dが形成され、ロッカアーム軸28はボルト36によりカムホルダ部分29a,29bに位置決めされることにより、ヘッドカバー4a,4bがシリンダヘッド3a,3bに結合されるとき、該ボルト37は、既にボルト36により挿入部28cがネジ孔29b4と整合する位置に位置決めされているロッカアーム軸28に設けられた挿入部28dに挿入されて、ヘッドカバー4a,4bがボルト37によりシリンダヘッド3a,3bに結合される。この結果、ロッカアーム軸28が配置されるスペースを利用してボルト37が挿通されることから、ボルト37が挿通される部分をシリンダヘッド3a,3bに別個に確保する必要がないので、シリンダヘッド3a,3bが小型化される。
ボルト41は、動弁室20内の吸気ロッカアーム軸27と吸気ロッカアーム25との摺動部に潤滑油を導く油路K12の端部K12cを閉塞することにより、ヘッドカバー4a,4bをシリンダヘッド3a,3bに結合するボルト41が、油路K12の端部K12cを閉塞する栓として利用される。この結果、ボルト41が油路K12の栓を兼ねるので、油路K12を閉塞するための専用の栓が不要となり、部品点数が削減される。
ボルト41の軸部41bが端部K12cに交差することにより、直線状に延びる下流部分K12bの端部K12cが延びる方向とボルト41のねじ込み方向とを同軸または平行にする必要がなく、端部K12cが延びる方向とボルト41のねじ込み方向とが互いの方向を制約することが可及的に少なくなるので、端部K12cを有する油路K12およびボルト41のレイアウトの自由度が大きくなる。
以下、前述した実施形態の一部の構成を変更した実施形態について、変更した構成に関して説明する。
第1,第2バンクは、それぞれ、複数の第1シリンダおよび第2シリンダから構成されてもよい。さらに、第1,第2シリンダは一体成形されてシリンダブロックを構成してもよい。
特定平面P0は、バンク角θ1を二等分しない平面であってもよい。
シリンダヘッドにヘッドカバーを結合するボルトにより、吸気ロッカアーム軸および排気ロッカアーム軸の少なくとも一方が軸方向に移動することが規制されてもよい。
カムホルダ29は、シリンダヘッド3a,3bとは別個の部材により構成されて、シリンダヘッド3a,3bにボルト等により一体に結合されてもよい。
混合気形成手段は、燃料噴射弁68の代わりに気化器であってもよく、その場合、スロットルボディ61a,61bは気化器のボディにより構成される。
嵌合部61a1,61b1の中心軸線L2a,L2b;L3a,L3bおよび嵌合孔66a,66bの中心軸線L2a,L2b;L3a,L3bは、鋭角が鋭角よりも小さくなるように傾斜していてもよい。この場合、インシュレータ64a,64bにおいてバンク空間Sまたは特定平面P0に対して近接側の部分に案内部69a,69bが設けられ、インシュレータ64a,64bにおいて遠方側の部分に対応する位置で、燃料噴射弁68がスロットルボディ61a,61bに取り付けられる。
本発明の実施形態を示し、本発明が適用された内燃機関において、伝動カバーの一部を外したときの、一部を断面で示す右側面図である。 図3のII−II線断面図である。 図1の内燃機関において、クランクケースの一部を外したときの、一部を断面で示す右側面図である。 図1のIV矢視図であり、ヘッドカバーを外したときの、一部を断面で示す図である。 図1の内燃機関の前バンクのシリンダヘッドにおける冷却水ジャケット、吸気ポートおよび排気ポートを可視化した図である。 (A)は、シリンダヘッドにヘッドカバーが結合された状態における図4のVIA−VIA線断面図であり、(B)は、シリンダヘッドにヘッドカバーが結合された状態における図4のVIB−VIB線断面図である。 図1の内燃機関において、一部を断面で示す左側面図である。 図4のVIII−VIII線断面図である。 (A)は、図3の要部拡大図であり、(B)は、(A)のB部拡大図であり、(C)は、(A)のC部拡大図である。 図7のX−X線断面図である。 図7のXI−XI線断面図である。
符号の説明
1a,1b…シリンダ、2…クランクケース、3a,3b…シリンダヘッド、4a,4b…ヘッドカバー、7…クランク軸、21…動弁装置、22…カム軸、27,28…ロッカアーム軸、29…カムホルダ、34〜37…ボルト、48…オイルタンク、61a,61b…スロットルボディ64a,64b…インシュレータ、69a,69b…案内部、81…フィードポンプ、82…スカベンジングポンプ、
E…内燃機関、M…変速装置、C…遠心クラッチ。

Claims (4)

  1. 第1,第2シリンダがV字状に配列されることによりVバンクを構成する第1,第2バンクの間のバンク空間に配置される吸気装置を備えるV型内燃機関であって、前記吸気装置が、スロットルボディと、前記スロットルボディの下流端部により構成される嵌合部が嵌合する嵌合孔を形成する上流端部を有するインシュレータとを備えるV型内燃機関において、
    前記上流端部の一部のみに案内部が設けられ、前記スロットルボディが前記インシュレータに組み付けられるとき、前記嵌合部が前記案内部に接触しつつ前記嵌合孔に案内され
    前記スロットルボディの下流端開口および前記インシュレータの上流端開口が、バンク角を2等分する特定平面に直交し前記インシュレータの上流端開口に接する平面に対して傾斜しており、
    前記案内部は、前記インシュレータの上流端開口よりも上流側に配置されるとともに、
    前記嵌合孔に対して、該嵌合孔の中心軸線に沿って離れる方向に突出したことを特徴とするV型内燃機関。
  2. 前記スロットルボディは、前記第1バンクに設けられる第1スロットルボディと前記第2バンクに設けられる第2スロットルボディとから構成され、前記インシュレータは、前記第1スロットルボディが組み付けられる第1インシュレータと前記第2スロットルボディが組み付けられる第2インシュレータとから構成され、前記第1,第2スロットルボディは互いに一体に連結されており、前記案内部は、前記第1,第2インシュレータにそれぞれ設けられた第1,第2案内部から構成されることを特徴とする請求項1記載のV型内燃機関。
  3. 前記インシュレータにおいて前記バンク空間に対して近接側および遠方側の一方の部分に前記案内部が設けられ、前記インシュレータにおいて前記近接側および前記遠方側の他方の部分に対応する位置で、燃料噴射弁が前記スロットルボディに取り付けられることを特徴とする請求項1記載のV型内燃機関。
  4. スロットルボディの吸気道の中心線は、インシュレータの嵌合孔の中心軸線と略一致することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項記載のV型内燃機関。
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