JP3329331B2 - 自動二輪車用4サイクルエンジンのブリーザ装置 - Google Patents

自動二輪車用4サイクルエンジンのブリーザ装置

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JP3329331B2 JP2000132773A JP2000132773A JP3329331B2 JP 3329331 B2 JP3329331 B2 JP 3329331B2 JP 2000132773 A JP2000132773 A JP 2000132773A JP 2000132773 A JP2000132773 A JP 2000132773A JP 3329331 B2 JP3329331 B2 JP 3329331B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、動弁装置の潤滑構造お
よびブリーザ装置を改良し、特にブリーザ装置のシリン
ダヘッドへの着脱を容易にした自動二輪車用4サイクル
エンジンに関する。
【0002】
【従来の技術】自動二輪車用4サイクルエンジンでは動
弁装置を有し、この動弁装置は、シリンダヘッドに設け
たロッカシャフト挿通孔にロッカシャフトを挿通し、こ
のロッカシャフトにロッカアームを揺動自在に支持さ
せ、カムシャフトのカムの回転によって上記ロッカアー
ムを揺動させて吸気バルブおよび排気バルブを駆動さ
せ、所定のタイミングで吸気孔および排気孔を開閉して
いる。
【0003】4サイクルエンジンの動弁装置では、オイ
ルポンプにて潤滑オイルをカムシャフト内のメインオイ
ル通路へ導き、このメインオイル通路に連通するサブオ
イル通路からカム面へ潤滑オイルを案内して、ロッカア
ームのカムスリッパ部とカムとの潤滑を実施している。
また、メインオイル通路内の潤滑オイルの一部は、カム
チェーン側へ流れて、カムチェーンおよびカムシャフト
のスラスト受け面を潤滑している。
【0004】一方、4サイクルエンジンでは、一般にク
ランクケースにブリーザユニオンを打ち込み、このユニ
オンにブリーザホースを接続して、クランクケース内に
洩れたブローバイガスをエアクリーナへ還流させ、クラ
ンクケースの内圧を低減させるようにしたものがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、自動二輪車
用4サイクルエンジンのクランクケース内のブローバイ
ガスを直接排出させるものでは、クランクケース内が、
ピストンによるポンピング圧力を最も多く受ける箇所で
あるため、クランクケース内のブローバイガスがピスト
ンのポンピング圧力によって必要以上に排出されてしま
うことがある。さらに、クランクケース内には多量の潤
滑オイルが貯溜されているので、車両転倒時にこのクラ
ンクケース内の潤滑オイルがブリーザホースを通してエ
ンジン外へ流出してしまうおそれもある。
【0006】また、自動二輪車用4サイクルエンジンの
ブリーザ装置は、ブローバイガスを外部に排出する機能
を備えているため、排出通路に塵埃等が詰まらないよう
に取り外して洗浄する必要がある。従来のブリーザ装置
では、潤滑オイルの流出防止構造が複雑であるため、ブ
リーザ装置自体の構造が複雑となり、簡単に着脱するこ
とが困難であった。
【0007】本発明は上述した事情を考慮してなされた
もので、ブリーザ室からのブローバイガスの不必要な吹
出を防止でき、ブリーザ装置のシリンダヘッドへの着脱
を容易に行なうことができる自動二輪車用4サイクルエ
ンジンを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る自動二輪車
用4サイクルエンジンのブリーザ装置は、上述した課題
を解決するために、クランクシャフトを収容するクラン
クケースにシリンダブロックがほぼ水平に前傾して設置
され、このシリンダブロックに設置されたシリンダヘッ
ドに、吸気マニホールドが接続されるとともにカムおよ
びカム潤滑用の潤滑オイル通路を形成したカムシャフト
とロッカアームを揺動自在に軸支するロッカシャフトと
が設置され、上記ロッカアームの一端が吸・排気バルブ
に当接し、他端のカムスリッパ部が上記カムに接触し、
カムの回転により上記吸・排気バルブを作動する動弁装
置が構成されるとともに、ブローバイガスをエアクリー
ナに導いて再び燃焼させるブリーザ装置が設けられた自
動二輪車用4サイクルエンジンにおいて、上記クランク
シャフトの回転力によりカムシャフトを回転させるカム
シャフト駆動系を、上記クランクケース、シリンダブロ
ックおよびシリンダヘッドに亘り形成したカムチェーン
駆動室内に収容する一方、上記シリンダヘッドにはロッ
カアームを収容するロッカアーム収容室を上記カムチェ
ーン駆動室に連通して形成し、さらに上記ロッカアーム
収容室に流入口を経て連通するブリーザ室を、エンジン
側面視で上記吸気マニホールドよりもシリンダヘッド先
端側に位置する動弁系部品点検調整用カバー部材の内側
位置に形成し、このブリーザ室内に流入したブローバイ
ガスをエンジン側面視でキャブレタの下方に配設したブ
ローバイガス排出口からエンジンの上方に向けて排出し
てエアクリーナに導くように上記ブリーザ装置を構成し
たことを特徴とするものである。
【0009】
【作用】前記のように自動二輪車用4サイクルエンジン
を構成した場合、シリンダヘッドのロッカアーム収容室
内、特に動弁系部品点検調整用カバー部材の部分はクラ
ンクケース内の圧力変動を受けにくい場所であるため、
この動弁系部品点検調整用カバー部材にブリーザ室を形
成すれば、ピストンのポンピング圧力による圧力変動の
影響が最も少なく、ブリーザ室からブローバイガスが吹
き出すことを有効的かつ未然に防止できる。
【0010】また、このようにブリーザ室を動弁系部品
点検調整用カバー部材に設けることにより、ブリーザ装
置の構造が簡素化される上、ブリーザ装置のシリンダヘ
ッドへの着脱が容易となり、保守・点検を簡単かつ容易
に行なうことができる。
【0011】
【実施例】以下、この発明の実施例を、図面に基づいて
説明する。
【0012】図1は、この発明に係る自動二輪車用4サ
イクルエンジンの一実施例を示し、シリンダヘッド内の
構造を示す部分拡大図、図2は4サイクルエンジンを搭
載したビジネスバイク型自動二輪車の側面図、図3は図
1の4サイクルエンジンの全体側面図である。
【0013】図2に示すビジネスバイク型自動二輪車
は、車両前方にフロントフォーク1により軸支された前
輪2が配置され、車両後方に4サイクルエンジン3によ
り駆動される後輪4が配置され、車体上部のシート5に
跨ったライダがハンドル6を操って運転を行なうように
なっている。上記4サイクルエンジン3は車体フレーム
7の中央下部にほぼ水平に前傾して搭載され、シート5
は車体フレーム7の中央上部に設置されている。
【0014】4サイクルエンジン3は、図3に示すよう
に、クランクシャフト8や図示しないトランスミッショ
ンを収容するクランクケース9と、このクランクケース
9に設置されてほぼ水平に前傾し、内部にピストン10
(図4および図5)を収容するシリンダブロック11
と、このシリンダブロック11に設置されてピストン1
0との間で燃焼室12(図4および図5)を構成するシ
リンダヘッド13とを備える。
【0015】燃焼室12内での混合気の爆発によるピス
トン10の往復運動が、コンロッド14を介してクラン
クシャフト8にて回転運動に変換され、この回転運動は
図示しないトランスミッションにて減速されて、図3に
示すドライブスプロケット15へ伝達される。このドラ
イブスプロケット15と、後輪4側のドリブンスプロケ
ット(図示せず)との間には駆動チェーン(図示せず)
が巻き掛けられて、エンジンの回転力が後輪4へ伝達さ
れる。なお、図3中の符号16は、トランスミッション
のミッションギアを選択するギアシフトレバーである。
【0016】自動二輪車用4サイクルエンジン3のシリ
ンダヘッド13には、図5に示すように、吸気孔17お
よび排気孔18が燃焼室12に1つずつ開口され、これ
らの吸気孔17、排気孔18に連通して吸気ポート1
9、排気ポート20がそれぞれ形成される。吸気孔1
7、排気孔18のそれぞれに吸気バルブ21、排気バル
ブ22が配置されると共に、吸気ポート19、排気ポー
ト20のそれぞれに、図3に示すように、吸気マニホー
ルド23、排気マニホールド24が接続される。
【0017】吸気マニホールド23は、キャブレタ25
により生成された混合気を、吸気バルブ21の開操作時
に燃焼室12内へ導く一方、排気マニホールド24は、
燃焼室12内にて生成された排気ガスを、排気バルブ2
2の開操作時にマフラ(図示せず)等を経てエンジン外
へ排出する。燃焼室12内における混合気の燃焼は、図
4に示す点火プラグ26の火花によって着火されること
によりなされる。
【0018】上記吸気バルブ21および排気バルブ22
の開閉操作は、図4および図5に示す吸気カム26Aお
よび排気カム26B、吸気ロッカアーム27Aおよび排
気ロッカアーム27B並びにバルブスプリング28等を
備えた動弁装置によって実施される。上記吸・排気カム
26A,26B、吸・排気ロッカアーム27A,27B
およびバルブスプリング28等は、動弁装置の部品、す
なわち動弁系部品を構成している。
【0019】吸気カム26Aおよび排気カム26Bは、
共に1本のカムシャフト29に隣接して一体に成形さ
れ、シリンダヘッド13の略中央に回転自在に支持され
る。このカムシャフト29の一端部に、図4に示すよう
に、スプロケット取付フランジ30が回転一体に結合さ
れ、このスプロケット取付フランジ30にカムチェーン
ドリブンスプロケット31およびフライホイール32が
ボルト等により固定される。カムチェーンドリブンスプ
ロケット31と、クランクシャフト8のカムチェーンド
ライブスプロケット33との間にカムチェーン34が巻
き掛けられ、クランクシャフト8の回転がカムシャフト
29へ伝達される。このとき、クランクシャフト8の2
回転につきカムシャフト29が1回転するよう、カムチ
ェーンドライブスプロケット33およびカムチェーンド
リブンスプロケット31の直径が設定される。
【0020】また、吸気バルブ21および排気バルブ2
2は、シリンダヘッド13に固着されたバルブガイド3
5に挿通される。上記バルブスプリング28は、バルブ
ステム頭部に設置されたスプリングリテーナ36と、バ
ルブガイド35あるいはシリンダヘッド13との間に圧
縮状態で介装され、吸気バルブ21、排気バルブ22の
バルブフェースがそれぞれ吸気孔17、排気孔18を閉
じるように付勢する。
【0021】図7に示すように、シリンダヘッド13に
2つの吸気側ロッカシャフト挿通孔37Aおよび排気側
ロッカシャフト挿通孔37Bがそれぞれ穿設され、これ
らの吸気側ロッカシャフト挿通孔37Aに吸気側ロッカ
シャフト38Aが、排気側ロッカシャフト挿通孔37B
に排気側ロッカシャフト38Bがそれぞれ嵌装される。
上記吸気ロッカアーム27A、排気ロッカアーム27B
は、それらの長手方向中央位置にてそれぞれ吸気側ロッ
カシャフト38A、排気側ロッカシャフト38Bに揺動
自在に支持される。吸気ロッカアーム27Aおよび排気
ロッカアーム27Bのそれぞれの一端に、吸気カム26
A、排気カム26Bにそれぞれ接触するカムスリッパ部
39が設けられる。さらに、吸気ロッカアーム27A、
排気ロッカアーム27Bの他端に、吸気バルブ21、排
気バルブ22のバルブステム頭部に当接してタペット量
を調整するアジャストスクリュー40が螺装される。
【0022】吸気ロッカアーム27Aは、吸気カム26
Aのバルブリフト量およびバルブタイミングで吸気バル
ブ21を操作し、吸気孔17を開閉する。また、排気ロ
ッカアーム27Bは、排気カム26Bのバルブリフト量
およびバルブタイミングにて排気バルブ22を操作し、
排気孔18を開閉する。
【0023】4サイクルエンジンの動弁装置の組付に際
しては、吸気バルブ21および排気バルブ22、バルブ
スプリング28並びに吸気ロッカアーム27Aおよび排
気ロッカアーム27Bは、シリンダヘッド13の前後に
開口されたインスペクション窓41A,41Bから組み
込まれる。これらの動弁系部品組込み用インスペクショ
ン窓41A,41Bのそれぞれは、図3および図6に示
す動弁系部品の点検調整用カバー部材であるインスペク
ションキャップ42A,42Bによって閉塞される。こ
れらのインスペクションキャップ42A,42Bはエン
ジン側面視で吸気マニホールド23よりもシリンダヘッ
ド13の先端側に位置している。
【0024】また、図4に示すカムシャフト29やカム
チェーンドリブンスプロケット31等は、シリンダヘッ
ド13の左側に開口された組込窓43から組み込まれ
る。この組込窓43は、シリンダヘッドLカバー44に
より閉塞される。シリンダヘッド13には、このシリン
ダヘッドLカバー44の反対位置に、図1および図6に
も示すシリンダヘッドRカバー45がボルト固定されて
いる。
【0025】さて、図1および図4に示すように、カム
シャフト29はベアリング46によりシリンダヘッド1
3に回転自在に支持されると共に、内部に潤滑オイルを
導くメインオイル通路47が形成される。このメインオ
イル通路47はカムシャフト29の全長に延び、フライ
ホイール32のオイル流出口48に連通される。カムシ
ャフト29には、メインオイル通路47に連通し吸気カ
ム26Aおよび排気カム26Bへのカム面へ至る第1の
サブオイル通路49が形成されて、メインオイル通路4
7内の潤滑オイルを上記両カム面へ導く。
【0026】さらに、カムシャフト29には、ベアリン
グ46の配置位置近傍に第2のサブオイル通路50が形
成される。この第2のサブオイル通路50はメインオイ
ル通路47に連通し、吸気カム26A、排気カム26B
へ向ってそれぞれ傾斜し、その出口開口は吸気カム26
A、排気カム26B以外の箇所に設けられる。
【0027】また、カムシャフト29の外周には、略リ
ング形状のオイルガイド部51および52が配置され
る。これらのオイルガイド部51,52は、カムシャフ
ト29のジャーナル部段部53とベアリング46のイン
ナレース54Aとの間に挟持されて固定される。これら
のオイルガイド部51,52は、断面コ字形状で吸気カ
ム26A、排気カム26Bの上方向へ延び、第2のサブ
オイル通路50の出口開口に臨んで設けられる。したが
って、メインオイル通路47から第2のサブオイル通路
50内へ至った潤滑オイルは、オイルガイド51,52
内面に衝突し、吸気カム26A、排気カム26Bのカム
面へと案内される。
【0028】一方、シリンダヘッドLカバー44には、
図1および図8に示すように、内面、外面にそれぞれ複
数枚の内フィン55A、外フィン55Bが形成される。
これらの内フィン55Aおよび外フィン55Bは、シリ
ンダヘッド13とシリンダヘッドLカバー44とに囲ま
れて形成されたカムチェーン室上部空間56A内の潤滑
オイルを冷却するもので、オイルクーラを構成してい
る。
【0029】ところで、動弁装置を潤滑する潤滑オイル
は、クランクシャフト8により駆動される図示しないオ
イルポンプにより、オイル通路(図示せず)を経て図1
に示すシリンダヘッドRカバー45内の油路57へ導か
れ、この油路57からメインオイル通路47内へ導入さ
れる。メインオイル通路47内の潤滑オイルは、第1の
サブオイル通路49から直接吸気カム26Aおよび排気
カム26Bのカム面へ至ると共に、第2のサブオイル通
路50からオイルガイド部51および52に案内されて
吸気カム26Aおよび排気カム26Bのカム面へ至る。
このように導かれた潤滑オイルにより、吸気カム26A
のカム面と吸気ロッカアーム27Aのカムスリッパ部3
9との潤滑、並びに排気カム26Bのカム面と排気ロッ
カアーム27Bのカムスリッパ部39との潤滑が充分に
なされる。
【0030】さらに、メインオイル通路47内の潤滑オ
イルは、フライホイール32のオイル流出口48を通
り、遠心力で外周方向へ流動してカムチェーン室上部空
間56A内に飛散し、カムチェーン34を潤滑する。こ
のカムチェーン室上部空間56A内に飛散した潤滑オイ
ルは、さらに図8に示すように、ベアリング46を潤滑
した後の潤滑オイルと共に、スプロケット取付フランジ
30とシリンダヘッド13との摺動部55を潤滑する。
スプロケット取付フランジ30がこの摺接部55におい
てシリンダヘッド13と摺接することにより、カムシャ
フト29のスラスト方向の位置が規制される。
【0031】さて、図3に示すように、シリンダブロッ
ク11は、地表水平線Sに対し略水平になるまで前傾し
てクランクケース9に設置される。また、図4に示すカ
ムチェーンドリブンスプロケット31、カムチェーンド
ライブスプロケット33およびカムチェーン34は、カ
ムチェーン駆動系を構成する。このカムチェーン駆動系
は、クランクケース9、シリンダブロック11およびシ
リンダヘッド13に亘って形成されたカムチェーン駆動
室56(図4)内に収容される。前記カムチェーン室上
部空間56Aは、このカムチェーン駆動室56の一部で
ある。
【0032】また、シリンダヘッド13には、シリンダ
ヘッド内壁58によって上記カムチェーン駆動室56と
隔てられたロッカアーム収容室59が形成される。この
ロッカアーム収容室59はカム室を兼ねており、このロ
ッカアーム収容室59内に、吸気ロッカアーム27A、
排気ロッカアーム27Bおよびカムシャフト29が収容
される。そして、上記シリンダヘッド内壁58に、カム
チェーン駆動室56およびロッカアーム収容室59を連
通する連通孔60が、図1にも示すように穿設される。
【0033】4サイクルエンジンのシリンダヘッド13
にはインスペクションキャップ42Aおよび42B(図
5)が脱着可能に設置され、これらのインスペクション
キャップ42A,42Bはそれぞれガスケット61A,
61Bを介してシリンダヘッド13のインスペクション
窓41A,41Bにそれぞれ取り付けられる。インスペ
クションキャップ42Aおよびガスケット61A、ある
いはインスペクションキャップ42Bおよびガスケット
61Bを取り外すことにより、インスペクション窓41
A,41Bが開き、吸気ロッカアーム27A、排気ロッ
カアーム27Bのアジャストスクリュー40の調節が可
能とされてタペットが調整される。したがって、ガスケ
ット61Aおよびインスペクションキャップ42A、ガ
スケット61Bおよびインスペクションキャップ42B
は、それぞれタペット調整用カバー部材として機能す
る。タペット調整用カバー部材は、動弁系部品の点検調
整用カバー部材を構成しており、このカバー部材の内側
にブリーザ室62が形成される。
【0034】このうち、インスペクションキャップ42
Bおよびガスケット61Bが地表水平線Sに接近して設
けられ、インスペクションキャップ42Aおよびガスケ
ット61Aが地表水平線Sから離れた位置に設けられ
る。そして、このインスペクションキャップ42Aおよ
びガスケット61Aにブリーザ室62が形成され、ブリ
ーザ装置を構成している。ブリーザ装置は、シリンダヘ
ッド13に着脱可能に取り付けられるインスペクション
キャップ42Aおよびガスケット61Aにより構成され
る。
【0035】つまり、インスペクションキャップ42A
には、図9(A),(B)および(C)に示すようにユ
ニオンパイプ63が嵌装され、このユニオンパイプ63
近傍の内面に仕切り突部64が、インスペクションキャ
ップ42Aの幅方向全長に亘り突設される。ユニオンパ
イプ63はエンジン側面視でキャブレタ25の下方に配
設されており、ブローバイガスの排出口となる。一方、
ガスケット61Aには、図10(A)および(B)に示
すように、略全長に亘りゴムリップ等のシール部材65
が貼着され、ガスケット61Aの中央位置にガスケット
開口66が設けられる。このガスケット開口66は、図
5に示すように、アジャストスクリュー40に対応した
位置に形成される。また、図10(A)に示すように、
このガスケット開口66近傍で上記仕切り突部64に略
対応する位置に仕切り突片67が固着される。
【0036】シリンダヘッド13に、インスペクション
キャップ42Aおよびガスケット61Aを組み合せて図
5に示すように取り付けることにより、インスペクショ
ンキャップ42Aおよびガスケット61Aに囲まれたブ
リーザ室62が形成される。ブリーザ室62を形成した
ブリーザ装置はインスペクションキャップ42Aの脱着
に伴い、シリンダヘッド13に着脱自在に取り付けられ
る。
【0037】4サイクルエンジン3の作動により、燃焼
室12内からピストン10およびシリンダブロック11
の間隙を通ってクランクケース9内へ流入したブローバ
イガスは、極く一部が図4のカムチェーン駆動室56内
から連通孔60を経てロッカアーム収容室(カム室)5
9内へ至る。このロッカアーム収容室59に流入したブ
ローバイガスは、流入側のガスケット開口66を経てブ
リーザ室62内へ至り、仕切り突片67および仕切り突
部64の隙間を通ってエンジン3の上方に向けてユニオ
ンパイプ63から外部に排出される。ユニオンパイプ6
3には、一般に図示しないエアクリーナに連結されたブ
リーザホース68が接続されているので、ユニオンパイ
プ63から排出されたブローバイガスはエアクリーナへ
導かれて再び燃焼される。
【0038】上記実施例によれば、カムシャフト29の
メインオイル通路47から第2のサブオイル通路50を
経て飛散した潤滑オイルが、オイルガイド部51および
52に案内されて吸気カム26Aおよび排気カム26B
へ導かれることから、第1のサブオイル通路49から吸
気カム26Aおよび排気カム26Bへ導かれた潤滑オイ
ルと共に、吸気ロッカアーム27Aのカムスリッパ部3
9と吸気カム26A、並びに排気ロッカアーム27Bの
カムスリッパ部39と排気カム26Bとの潤滑を充分に
実施できる。この結果、動弁装置の耐久性が向上し、そ
の寿命を延ばすことができる。
【0039】また、インスペクションキャップ42Aお
よび42Bのうち地表水平線Sから離れた位置にあるイ
ンスペクションキャップ42Aは、クランクケース9内
の圧力変動を受けにくい位置にある。つまり、ピストン
10によるポンピング圧力は、クランクケース9内から
カムチェーン駆動室56を経てロッカアーム収容室59
へ順次伝達される間に減衰され、吸収される。特に、カ
ムチェーン駆動室56およびロッカアーム収容室59間
の連通孔60において、ピストン10のポンピング圧力
は著しく減衰される。
【0040】シリンダヘッド13の吸気側の位置に取り
付けられる上記インスペクションキャップ42Aおよび
ガスケット61Aによりブリーザ装置のブリーザ室62
が構成されたので、クランクケース9内に漏れたブロー
バイガスは、カムチェーン駆動室56およびロッカアー
ム収容室59を経てガスケット61Aのガスケット開口
66からブリーザ室62内へ流入し、ユニオンパイプ6
3を経て排出される。その際、ピストン10によるポン
ピング圧力の影響が少ないので、必要以上にブローバイ
ガスが排出されることがない。
【0041】また、車両転倒時にエンジン3が大きく傾
いても、ロッカアーム収容室59に大量の潤滑オイルが
溜っている訳ではないので、ブリーザ室62内へ潤滑オ
イルが流入してエンジン3内へこの貯留潤滑オイルが吹
き出すことを確実に防止できる。
【0042】さらに、ブリーザ室62は、このブリーザ
室62を構成する専用部品によって構成されている訳で
はなく、他の機能を備えたインスペクションキャップ4
2Aおよびガスケット61Aにより構成されているの
で、ブリーザ装置を専用に設ける必要がなく、無駄を抑
制して、コストの上昇を確実に防止できる。
【0043】また、シリンダヘッドLカバー44に内フ
ィン55Aおよび外フィン55Bが形成されたので、カ
ムチェーン室上部空間56A内に飛散した潤滑オイル
は、図8に示すように内フィン55Aに付着してこれら
複数の内フィン55A間を流れる間に、外フィン55B
により熱交換されて冷却され、オイルクーラとして機能
する。これにより、潤滑オイルの冷却を良好に実施でき
る。
【0044】その他、オイルガイド部51および52や
ブリーザ室62等は互換性のある部材から構成されてい
るので、既販車に対し互換性があり、しかも簡単な構造
であるため、組付性および整備性が良好である。
【0045】図11(A)および(B)は、インスペク
ションキャップの変形例を示すそれぞれ平面図および断
面図である。
【0046】この変形例では、インスペクション窓41
Aに取り付けられるインスペクションキャップ70は、
アンダキャップ72およびアッパキャップ73を組み合
せて構成され、アンダキャップ72とインスペクション
窓41A間にアンダガスケット74が、アンダキャップ
72およびアッパキャップ73間にアッパガスケット7
5がそれぞれ介装される。アンダガスケット74には、
吸気ロッカアーム27Aのアジャストスクリュー40に
対応した位置にアンダ開口76が形成され、アッパガス
ケット75にアッパ開口77が形成される。さらに、ア
ッパキャップ73には仕切り突部64と同形状の仕切り
突部78が形成されると共に、ユニオンパイプ73が嵌
装される。
【0047】しかして、4サイクルエンジン3の駆動に
より、クランクケースからカムチェーン駆動室56を経
てロッカアーム室59内に至ったブローバイガスは、ア
ンダ開口76からアッパ開口77を経てアッパキャップ
73内へ導かれ、仕切り突部78を介してユニオンパイ
プ63から排出される。
【0048】この変形例によれば、ブリーザ室71がア
ンダキャップ72およびアッパキャップ73により構成
され、アンダキャップ72の存在によって前記ブリーザ
室62よりも容積を大きくできるので、ブローバイガス
や潤滑オイルの不必要な吹出を防止できる。
【0049】なお、前記実施例では、シリンダヘッド1
3のシリンダヘッド内壁58に連通孔60が形成された
ものを述べたが、ベアリング46のインナレース54A
およびアウタレース54B間の隙間を利用して、カムチ
ェーン駆動室56とロッカアーム収容室59とを連通さ
せてもよい。
【0050】
【発明の効果】以上のように、本発明に係る自動二輪車
用4サイクルエンジンのブリーザ装置によれば、カムシ
ャフト駆動系を収容するカムチェーン駆動室とロッカア
ームを収容するロッカアーム収容室とが連通して構成さ
れ、上記ロッカアーム収容室に連通されるブリーザ室を
点検調整用カバー部材の内側に形成したことから、この
ブリーザ室はクランクケース内の圧力変動を受けにくい
場所にあるため、ブリーザ室からのブローバイガスの不
必要な吹出を防止できる。
【0051】また、ロッカアーム収容室内に飛散する潤
滑オイルがブリーザ室に流入するのを有効に回避でき、
ブリーザ機能を向上させ得る一方、ブリーザ室を動弁系
部品点検調整用カバー部材の内側位置に形成したので、
ブリーザ装置の構造が簡素化され、また、上記カバー部
材の脱着に伴って容易にブリーザ装置を着脱させること
ができ、その保守・点検等のメンテナンス作業を円滑か
つ容易に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】自動二輪車用4サイクルエンジンの一実施例を
示すシリンダヘッド内の部分拡大図。
【図2】自動二輪車用4サイクルエンジンを搭載したビ
ジネスバイク型自動二輪車の全体側面図。
【図3】本発明に係るブリーザ装置を備えた自動二輪車
用4サイクルエンジンの全体側面図。
【図4】図3のIV−IV線に沿う断面図。
【図5】本発明に係る自動二輪車用4サイクルエンジン
のブリーザ装置の一実施例を示すもので、図4のV−V
線に沿う断面図。
【図6】図5のVI矢視図。
【図7】図5のVII−VII線に沿う断面図。
【図8】図1のVIII−VIII線に沿う断面図。
【図9】(A)は図5のインスペクションキャップ42
Aを示す平面図、(B)は(A)のIXB−IXB本発
明のブリーザ装置を構成する線に沿う断面図、(C)は
(A)のインスペクションキャップ42Aの底面図。
【図10】(A)は本発明のブリーザ装置を構成するガ
スケット兼ブリーザプレートを示す平面図、(B)は
(A)のXB−XB線に沿う断面図。
【図11】(A)は本発明に係る自動二輪車用4サイク
ルエンジンのブリーザ装置を示すもので、インスペクシ
ョンキャップの変形例を示す平面図、(B)はXIB−
XIB線に沿う断面図。
【符号の説明】
3 4サイクルエンジン 8 クランクシャフト 9 クランクケース 11 シリンダブロック 13 シリンダヘッド 21 吸気バルブ 22 排気バルブ 23 吸気マニホールド 26A 吸気カム 26B 排気カム 27A 吸気ロッカアーム 27B 排気ロッカアーム 29 カムシャフト 38A 吸気側ロッカシャフト 38B 排気側ロッカシャフト 39 カムスリッパ部 42A インスペクションキャップ(動弁系部品点検調
整用カバー部材) 47 メインオイル通路 50 第2のサブオイル通路 51,52 オイルガイド部 56 カムチェーン駆動室(カムチェーン室) 59 ロッカアーム収容室(カム室) 60 連通孔 61A ガスケット 62 ブリーザ室 66 ガスケット開口(流入口)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クランクシャフトを収容するクランクケ
    ースにシリンダブロックがほぼ水平に前傾して設置さ
    れ、このシリンダブロックに設置されたシリンダヘッド
    に、吸気マニホールドが接続されるとともにカムおよび
    カム潤滑用の潤滑オイル通路を形成したカムシャフトと
    ロッカアームを揺動自在に軸支するロッカシャフトとが
    設置され、上記ロッカアームの一端が吸・排気バルブに
    当接し、他端のカムスリッパ部が上記カムに接触し、カ
    ムの回転により上記吸・排気バルブを作動する動弁装置
    が構成されるとともに、ブローバイガスをエアクリーナ
    に導いて再び燃焼させるブリーザ装置が設けられた自動
    二輪車用4サイクルエンジンにおいて、 上記クランクシャフトの回転力によりカムシャフトを回
    転させるカムシャフト駆動系を、上記クランクケース、
    シリンダブロックおよびシリンダヘッドに亘り形成した
    カムチェーン駆動室内に収容する一方、上記シリンダヘ
    ッドにはロッカアームを収容するロッカアーム収容室を
    上記カムチェーン駆動室に連通して形成し、さらに上記
    ロッカアーム収容室に流入口を経て連通するブリーザ室
    を、エンジン側面視で上記吸気マニホールドよりもシリ
    ンダヘッド先端側に位置する動弁系部品点検調整用カバ
    ー部材の内側位置に形成し、このブリーザ室内に流入し
    たブローバイガスをエンジン側面視でキャブレタの下方
    に配設したブローバイガス排出口からエンジンの上方に
    向けて排出してエアクリーナに導くように上記ブリーザ
    装置を構成したことを特徴とする自動二輪車用4サイク
    ルエンジン。
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