JP3139089B2 - 4サイクルエンジン - Google Patents

4サイクルエンジン

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JP3139089B2
JP3139089B2 JP03317961A JP31796191A JP3139089B2 JP 3139089 B2 JP3139089 B2 JP 3139089B2 JP 03317961 A JP03317961 A JP 03317961A JP 31796191 A JP31796191 A JP 31796191A JP 3139089 B2 JP3139089 B2 JP 3139089B2
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  • Lubrication Details And Ventilation Of Internal Combustion Engines (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、動弁装置の潤滑構造
およびブリーザ室を改良した4サイクルエンジンに関す
る。
【0002】
【従来の技術】4サイクルエンジンでは動弁装置を有
し、この動弁装置は、シリンダヘッドに設けたロッカシ
ャフト挿通孔にロッカシャフトを挿通し、このロッカシ
ャフトにロッカアームを揺動自在に支持させ、カムシャ
フトのカムの回転によって上記ロッカアームを揺動させ
て吸気バルブおよび排気バルブを駆動させ、所定のタイ
ミングで吸気孔および排気孔を開閉している。
【0003】上述の動弁装置では、オイルポンプにて潤
滑オイルをカムシャフト内のメインオイル通路へ導き、
このメインオイル通路に連通するサブオイル通路からカ
ム面へ潤滑オイルを案内して、ロッカアームのカムスリ
ッパ部とカムとの潤滑を実施している。また、メインオ
イル通路内の潤滑オイルの一部は、カムチェーン側へ流
れて、カムチェーンおよびカムシャフトのスラスト受け
面を潤滑している。
【0004】一方、4サイクルエンジンでは、一般にク
ランクケースにブリーザユニオンを打ち込み、このユニ
オンにブリーザホースを接続して、クランクケース内に
洩れたブローバイガスをエアクリーナへ還流させ、クラ
ンクケースの内圧を低減させるようにしたものがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述のよう
なロッカアームとカムとの潤滑では、カムシャフトが高
回転する場合には、サブオイル通路からの潤滑オイルが
遠心力によってカム直径方向へ勢いよく飛散してしま
い、潤滑オイルがカム面に充分付着しない場合がある。
また、カムシャフトの低回転時には、メインオイル通路
からカムチェーン側へ流れるオイル量が多くなってしま
う傾向にある。これらのいずれの場合にも、カムとロッ
カアームのカムスリッパ部との潤滑が不充分になるおそ
れがある。
【0006】一方、上述のようにクランクケース内のブ
ローバイガスを直接排出させるものでは、クランクケー
ス内が、ピストンによるポンピング圧を最も多く受ける
箇所であるため、クランクケース内のブローバイガスが
上記ポンピング圧によって必要以上に排出されてしまう
ことがある。さらに、クランクケース内には多量の潤滑
オイルが貯溜されているので、車両転倒時にこのクラン
クケース内の潤滑オイルがブリーザホースを経てエンジ
ン外へ流出してしまうおそれもある。
【0007】上述の事情を考慮して、この発明は、動弁
装置におけるカムシャフトのカムとロッカアームのカム
スリッパ部との潤滑を良好にできる4サイクルエンジン
を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明に係る4サイク
ルエンジンは、上述した課題を解決するために、シリン
ダヘッド部材に、カムが一体成形されたカムシャフトと
ロッカアームを揺動自在に軸支するロッカシャフトとが
設置され、上記ロッカアームの一端が吸・排気バルブに
当接し他端のカムスリッパ部が上記カムに接触して、こ
のカムの回転により上記吸・排気バルブを作動する動弁
装置が備えられた4サイクルエンジンにおいて、上記カ
ムシャフトの内部には潤滑オイルを流すオイル通路が形
成されるとともに、上記カムシャフトとシリンダヘッド
部材との間に上記カム方向へ延びるオイルガイド部が配
置され、上記オイル通路から飛散した潤滑オイルが上記
オイルガイド部に衝突して上記カムへ導かれるよう構成
されたものである。
【0009】
【作用】この発明に係る4サイクルエンジンによれば、
カムシャフトのオイル通路から飛散する潤滑オイルがオ
イルガイド部に衝突してカムへ導かれるので、潤滑オイ
ルが必要以上に飛散してしまうことがなく、ロッカアー
ムのカムスリッパ部とカムへ充分な潤滑オイルが導かれ
る。このため、これらカムとカムスリッパ部との潤滑を
良好に行なうことができる。
【0010】
【実施例】以下、この発明の実施例を、図面に基づいて
説明する。
【0011】図1は、この発明に係る4サイクルエンジ
ンの一実施例を示し、図4の部分拡大図、図3は、図1
のエンジンの全体側面図、図2は図3のエンジンを搭載
したビジネスバイク型自動二輪車の側面図である。
【0012】図2に示すビジネスバイク型自動二輪車
は、車両前方にフロントフォーク1により軸支された前
輪2が配置され、車両後方に4サイクルエンジン3によ
り駆動される後輪4が配置され、車体上部のシート5に
跨ったライダがハンドル6を操って運転を行なうように
なっている。上記4サイクルエンジン3は車体フレーム
7の中央下部に搭載され、シート5は車体フレーム7の
中央上部に設置される。
【0013】4サイクルエンジン3は、図3に示すよう
に、クランクシャフト8や図示しないトランスミッショ
ンを収容するクランクケース9と、このクランクケース
9に設置されてピストン10(図4および図5)を収容
するシリンダブロック11と、このシリンダブロック1
1に設置されてピストン10との間で燃焼室12(図4
および図5)を構成するシリンダヘッド13と、を備え
て設けられる。
【0014】燃焼室12内での混合気の爆発によるピス
トン10の往復運動が、コンロッド14を介してクラン
クシャフト8にて回転運動に変換され、この回転運動は
図示しないトランスミッションにて減速されて、図3に
示すドライブスプロケット15へ伝達される。このドラ
イブスプロケット15と、後輪4側のドリブンスプロケ
ット(図示せず)との間には駆動チェーン(図示せず)
が巻き掛けられて、エンジンの回転力が後輪4へ伝達さ
れる。なお、図3中の符号16は、トランスミッション
のミッションギアを選択するギアシフトレバーである。
【0015】上記4サイクルエンジン3のシリンダヘッ
ド13には、図1に示すように、吸気孔17および排気
孔18が燃焼室12に1つずつ開口され、これらの吸気
孔17、排気孔18に連通して吸気ポート19、排気ポ
ート20がそれぞれ形成される。吸気孔17、排気孔1
8のそれぞれに吸気バルブ21、排気バルブ22が配置
されると共に、吸気ポート19、排気ポート20のそれ
ぞれに、吸気マニホールド23、排気マニホールド24
が図3に示すように接続される。
【0016】吸気マニホールド23は、キャブレタ25
により生成された混合気を、吸気バルブ21の開操作時
に燃焼室12内へ導き、一方、排気マニホールド24
は、燃焼室12内にて生成された廃ガスを、排気バルブ
22の開操作時にマフラ(図示せず)等を経てエンジン
外へ排出する。燃焼室12内における混合気の燃焼は、
図4に示す点火プラグ26の火花によって着火されるこ
とによりなされる。
【0017】上記吸気バルブ21および排気バルブ22
の開閉操作は、図4および図5に示す吸気カム26Aお
よび排気カム26B、吸気ロッカアーム27Aおよび排
気ロッカアーム27B並びにバルブスプリング28等を
備えた動弁装置によって実施される。上記吸・排気カム
26A,26B、吸・排気ロッカアーム27A,27B
およびバルブスプリング28等は、動弁装置の部品、す
なわち動弁系部品を構成している。
【0018】吸気カム26Aおよび排気カム26Bは、
共に1本のカムシャフト29に隣接して一体に成形さ
れ、シリンダヘッド13の略中央に回転自在に支持され
る。このカムシャフト29の一端部に、図4に示すよう
に、スプロケット取付フランジ30が回転一体に結合さ
れ、このスプロケット取付フランジ30にカムチェーン
ドリブンスプロケット31およびフライホイール32が
ボルト等により固定される。カムチェーンドリブンスプ
ロケット31と、クランクシャフト8のカムチェーンド
ライブスプロケット33との間にカムチェーン34が巻
き掛けられ、クランクシャフト8の回転がカムシャフト
29へ伝達される。このとき、クランクシャフト8の2
回転につきカムシャフト29が1回転するよう、カムチ
ェーンドライブスプロケット33およびカムチェーンド
リブンスプロケット31の直径が設定される。
【0019】また、吸気バルブ21および排気バルブ2
2は、シリンダヘッド13に固着されたバルブガイド3
5に挿通される。上記バルブスプリング28は、バルブ
ステム頭部に設置されたスプリングリテーナ36と、バ
ルブガイド35あるいはシリンダヘッド13との間に圧
縮状態で介装され、吸気バルブ21、排気バルブ22の
バルブフェースがそれぞれ吸気孔17、排気孔18を閉
じるように付勢する。
【0020】図7に示すように、シリンダヘッド13に
2つの吸気側ロッカシャフト挿通孔37Aおよび排気側
ロッカシャフト挿通孔37Bがそれぞれ穿設され、これ
らの吸気側ロッカシャフト挿通孔37Aに吸気側ロッカ
シャフト38Aが、排気側ロッカシャフト挿通孔37B
に排気側ロッカシャフト38Bがそれぞれ嵌装される。
上記吸気ロッカアーム27A、排気ロッカアーム27B
は、それらの長手方向中央位置にてそれぞれ吸気側ロッ
カシャフト38A、排気側ロッカシャフト38Bに揺動
自在に支持される。吸気ロッカアーム27Aおよび排気
ロッカアーム27Bのそれぞれの一端に、吸気カム26
A、排気カム26Bにそれぞれ接触するカムスリッパ部
39が固着される。さらに、吸気ロッカアーム27A、
排気ロッカアーム27Bの他端に、吸気バルブ21、排
気バルブ22のバルブステム頭部に当接してタペット量
を調整するアジャストスクリュー40が螺装される。
【0021】吸気ロッカアーム27Aは、吸気カム26
Aのバルブリフト量およびバルブタイミングで吸気バル
ブ21を操作し、吸気孔17を開閉する。また、排気ロ
ッカアーム27Bは、排気カム26Bのバルブリフト量
およびバルブタイミングにて排気バルブ22を操作し、
排気孔18を開閉する。
【0022】4サイクルエンジン3に備えられる動弁装
置の組付に際しては、吸気バルブ21および排気バルブ
22、バルブスプリング28並びに吸気ロッカアーム2
7Aおよび排気ロッカアーム27Bは、シリンダヘッド
13の前後に開口されたインスペクション窓41A,4
1Bから組み込まれる。これらのインスペクション窓4
1A,41Bのそれぞれは、図6に示すインスペクショ
ンキャップ42A,42Bによって閉塞される。また、
図4に示すカムシャフト29やカムチェーンドリブンス
プロケット31等は、シリンダヘッド13の左側に開口
された組込窓43から組み込まれる。この組込窓43
は、シリンダヘッドLカバー44により閉塞される。シ
リンダヘッド13には、このシリンダヘッドLカバー4
4の反対位置に、図1および図6にも示すシリンダヘッ
ドRカバー45がボルト固定されている。
【0023】さて、図1および図4に示すように、カム
シャフト29はベアリング46によりシリンダヘッド1
3に回転自在に支持されると共に、内部に潤滑オイルを
導くメインオイル通路47が形成される。このメインオ
イル通路47はカムシャフト29の全長に延び、フライ
ホイール32のオイル流出口48に連通する。カムシャ
フト29には、メインオイル通路47に連通し吸気カム
26Aおよび排気カム26Bへのカム面へ至る第1のサ
ブオイル通路49が形成されて、メインオイル通路47
内の潤滑オイルを上記両カム面へ導く。
【0024】さらに、カムシャフト29には、ベアリン
グ46の配置位置近傍に第2のサブオイル通路50が形
成される。この第2のサブオイル通路50はメインオイ
ル通路47に連通し、吸気カム26A、排気カム26B
へ向ってそれぞれ傾斜し、その出口開口は吸気カム26
A、排気カム26B以外の箇所に設けられる。
【0025】また、カムシャフト29の外周には、略リ
ング形状のオイルガイド部51および52が配置され
る。これらのオイルガイド部51,52は、カムシャフ
ト29のジャーナル部段部53とベアリング46のイン
ナレース54Aとの間に挟持されて固定される。これら
のオイルガイド部51,52は、断面コ字形状で吸気カ
ム26A、排気カム26Bの上方向へ延び、第2のサブ
オイル通路50の出口開口に臨んで設けられる。したが
って、メインオイル通路47から第2のサブオイル通路
50内へ至った潤滑オイルは、オイルガイド51,52
内面に衝突し、吸気カム26A、排気カム26Bのカム
面へと案内される。
【0026】一方、シリンダヘッドLカバー44には、
図1および図8に示すように、内面、外面にそれぞれ複
数枚の内フィン55A、外フィン55Bが形成される。
これらの内フィン55Aおよび外フィン55Bは、シリ
ンダヘッド13とシリンダヘッドLカバー44とに囲ま
れて形成されたカムチェーン室上部空間56A内の潤滑
オイルを冷却するものである。
【0027】ところで、上述の潤滑オイルは、クランク
シャフト8により駆動される図示しないオイルポンプに
より、オイル通路(図示せず)を経て図1に示すシリン
ダヘッドRカバー45内の油路57へ導かれ、この油路
57からメインオイル通路47内へ導入される。メイン
オイル通路47内の潤滑オイルは、第1のサブオイル通
路49から直接吸気カム26Aおよび排気カム26Bの
カム面へ至ると共に、第2のサブオイル通路50からオ
イルガイド部51および52に案内されて吸気カム26
Aおよび排気カム26Bのカム面へ至る。このように導
かれた潤滑オイルにより、吸気カム26Aのカム面と吸
気ロッカアーム27Aのカムスリッパ部39との潤滑、
並びに排気カム26Bのカム面と排気ロッカアーム27
Bのカムスリッパ部39との潤滑が充分になされる。
【0028】さらに、メインオイル通路47内の潤滑オ
イルは、フライホイール32のオイル流出口48を通
り、遠心力で外周方向へ流動してカムチェーン室上部空
間56A内に飛散し、カムチェーン34を潤滑する。こ
のカムチェーン室上部空間56A内に飛散した潤滑オイ
ルは、さらに図8に示すように、ベアリング46を潤滑
した後の潤滑オイルと共に、スプロケット取付フランジ
30とシリンダヘッド13との摺動部55を潤滑する。
スプロケット取付フランジ30がこの摺接部55におい
てシリンダヘッド13と摺接することにより、カムシャ
フト29のスラスト方向の位置が規制される。
【0029】さて、図3に示すように、シリンダブロッ
ク11は、地表水平線Sに対し略水平になるまで前傾し
てクランクケース9に設置される。また、図4に示すカ
ムチェーンドリブンスプロケット31、カムチェーンド
ライブスプロケット33およびカムチェーン34は、カ
ムチェーン駆動系を構成する。このカムチェーン駆動系
は、クランクケース9、シリンダブロック11およびシ
リンダヘッド13に亘って形成されたカムチェーン駆動
室56(図4)内に収容される。前記カムチェーン室上
部空間56Aは、このカムチェーン駆動室56の一部で
ある。
【0030】また、シリンダヘッド13には、シリンダ
ヘッド内壁58によって上記カムチェーン駆動室56と
隔てられたロッカアーム収容室59が形成される。この
ロッカアーム収容室59内に、吸気ロッカアーム27
A、排気ロッカアーム27Bおよびカムシャフト29が
収容される。そして、上記シリンダヘッド内壁58に、
カムチェーン駆動室56およびロッカアーム収容室59
を連通する連通孔60が、図1にも示すように穿設され
る。
【0031】前述のように、シリンダヘッド13にはイ
ンスペクションキャップ42Aおよび42B(図5)が
設置され、これらのインスペクションキャップ42A,
42Bはそれぞれガスケット61A,61Bを介してシ
リンダヘッド13のインスペクション窓41A,41B
にそれぞれ取り付けられる。インスペクションキャップ
42Aおよびガスケット61A、あるいはインスペクシ
ョンキャップ42Bおよびガスケット61Bを取り外す
ことにより、インスペクション窓41A,41Bが開
き、吸気ロッカアーム27A、排気ロッカアーム27B
のアジャストスクリュー40の調節が可能とされてタペ
ットが調整される。したがって、ガスケット61Aおよ
びインスペクションキャップ42A、ガスケット61B
およびインスペクションキャップ42Bは、それぞれタ
ペット調整用カバー部材として機能する。タペット調整
用カバー部材は、動弁系部品の点検調整用カバー部材を
構成しており、このカバー部材の内側にブリーザ室62
が形成される。
【0032】このうち、インスペクションキャップ42
Bおよびガスケット61Bが地表水平線Sに接近して設
けられ、インスペクションキャップ42Aおよびガスケ
ット61Aが地表水平線Sから離れた位置に設けられ
る。そして、このインスペクションキャップ42Aおよ
びガスケット61Aにブリーザ室62が形成される。
【0033】つまり、インスペクションキャップ42A
には、図9(A),(B)および(C)に示すようにユ
ニオンパイプ63が嵌装され、このユニオンパイプ63
近傍の内面に仕切り突部64が、インスペクションキャ
ップ42Aの幅方向全長に亘り突設される。一方、ガス
ケット61Aには、図10(A)および(B)に示すよ
うに、略全長に亘りゴムリップ等のシール部材65が貼
着され、ガスケット61Aの中央位置にガスケット開口
66が設けられる。このガスケット開口66は、図5に
示すように、アジャストスクリュー40に対応した位置
に形成される。また、図10(A)に示すように、この
ガスケット開口66近傍で上記仕切り突部64に略対応
する位置に仕切り突片67が固着される。
【0034】上述のインスペクションキャップ42Aお
よびガスケット61Aを組み合せて図5に示すようにシ
リンダヘッド13に取り付けることにより、インスペク
ションキャップ42Aおよびガスケット61Aに囲まれ
て前記ブリーザ室62が形成される。燃焼室12内から
ピストン10およびシリンダブロック11の間隙を通っ
てクランクケース9内へ流入したブローバイガス(燃焼
室廃ガス)は、図4のカムチェーン駆動室56内から連
通孔60を経てロッカアーム収容室59内へ至る。この
ロッカアーム収容室59に至ったブローバイガスは、ガ
スケット開口66を経てブリーザ室62内へ至り、仕切
り突片67および仕切り突部64の隙間を通ってユニオ
ンパイプ63から排出される。ユニオンパイプ63に
は、一般に図示しないエアクリーナに連結されたブリー
ザホース68が接続されているので、ユニオンパイプ6
3から排出されたブローバイガスはエアクリーナへ導か
れて再び燃焼される。
【0035】上記実施例によれば、カムシャフト29の
メインオイル通路47から第2のサブオイル通路50を
経て飛散した潤滑オイルが、オイルガイド部51および
52に案内されて吸気カム26Aおよび排気カム26B
へ導かれたことから、第1のサブオイル通路49から吸
気カム26Aおよび排気カム26Bへ導かれた潤滑オイ
ルと共に、吸気ロッカアーム27Aのカムスリッパ部3
9と吸気カム26A、並びに排気ロッカアーム27Bの
カムスリッパ部39と排気カム26Bとの潤滑を充分に
実施できる。この結果、動弁装置の耐久性が向上し、そ
の寿命を延ばすことができる。
【0036】また、インスペクションキャップ42Aお
よび42Bのうち地表水平線Sから離れた位置にあるイ
ンスペクションキャップ42Aは、クランクケース9内
の圧力変動を受けにくい位置にある。つまり、ピストン
10によるポンピング圧力は、クランクケース9内から
カムチェーン駆動室56およびロッカアーム収容室59
へ順次伝達される間に減衰されるからである。特に、カ
ムチェーン駆動室56およびロッカアーム収容室59間
の連通孔60において、ポンピング圧力は著しく減衰さ
れる。上記インスペクションキャップ42Aおよびガス
ケット61Aによりブリーザ室62が構成されたので、
クランクケース9内に漏れたブローバイガスは、カムチ
ェーン駆動室56およびロッカアーム収容室59を経て
ガスケット61Aのガスケット開口66からブリーザ室
62内へ流入し、ユニオンパイプ63を経て排出される
が、ポンピング圧力の影響が少ないので、必要以上に排
出されることがない。
【0037】また、車両転倒時にエンジン3が大きく傾
いても、ロッカアーム収容室59に大量の潤滑オイルが
溜っている訳ではないので、ブリーザ室62内へ潤滑オ
イルが流入してエンジン3内へこの貯留潤滑オイルが吹
き出すことを防止できる。
【0038】さらに、ブリーザ室62は、このブリーザ
室62を構成する専用部品によって構成されている訳で
はなく、他の機能を備えたインスペクションキャップ4
2Aおよびガスケット61Aにより構成されているの
で、無駄がなく、コストの上昇を来すことがない。
【0039】また、シリンダヘッドLカバー44に内フ
ィン55Aおよび外フィン55Bが形成されたので、カ
ムチェーン室上部空間56A内に飛散した潤滑オイル
は、図8に示すように内フィン55Aに付着してこれら
複数の内フィン55A間を流れる間に、外フィン55B
により熱交換されて冷却される。これにより、潤滑オイ
ルの冷却を良好に実施できる。
【0040】その他、オイルガイド部51および52や
ブリーザ室62等は互換性のある部材から構成されてい
るので、既販車に対し互換性があり、しかも簡単な構造
であるため、組付性および整備性が良好である。
【0041】図11(A)および(B)は、インスペク
ションキャップの変形例を示すそれぞれ平面図および断
面図である。
【0042】この変形例では、インスペクション窓41
Aに取り付けられるインスペクションキャップ70は、
アンダキャップ72およびアッパキャップ73を組み合
せて構成され、アンダキャップ72とインスペクション
窓41A間にアンダガスケット74が、アンダキャップ
72およびアッパキャップ73間にアッパガスケット7
5がそれぞれ介装される。アンダガスケット74には、
吸気ロッカアーム27Aのアジャストスクリュー40に
対応した位置にアンダ開口76が形成され、アッパガス
ケット75にアッパ開口77が形成される。さらに、ア
ッパキャップ73には仕切り突部64と同形状の仕切り
突部78が形成されると共に、ユニオンパイプ73が嵌
装される。
【0043】ロッカアーム室59内に至ったブローバイ
ガスは、アンダ開口76からアッパ開口77を経てアッ
パキャップ73内へ導かれ、仕切り突部78を介してユ
ニオンパイプ63から排出される。この変形例によれ
ば、ブリーザ室71がアンダキャップ72およびアッパ
キャップ73により構成され、アンダキャップ72の存
在によって前記ブリーザ室62よりも容積を大きくでき
るので、ブローバイガスや潤滑オイルの不必要な吹出を
防止できる。
【0044】なお、前記実施例では、シリンダヘッド1
3のシリンダヘッド内壁58に連通孔60が形成された
ものを述べたが、ベアリング46のインナレース54A
およびアウタレース54B間の隙間を利用して、カムチ
ェーン駆動室56とロッカアーム収容室59とを連通さ
せてもよい。
【0045】
【発明の効果】この発明に係る4サイクルエンジンによ
れば、カムシャフトの内部に潤滑オイルを流すオイル通
路が形成されると共に、上記カムシャフトとシリンダヘ
ッド部材との間に上記カム方向へ延びるオイルガイド部
が配置され、上記オイル通路から飛散した潤滑オイルが
上記オイルガイド部に衝突して上記カムへ導かれるよう
に構成されたことから、動弁装置におけるカムシャフト
のカムとロッカアームのカムスリッパ部との潤滑を良好
に実施できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る4サイクルエンジンの一実施例
を示し、図4の部分拡大図。
【図2】図3のエンジンを搭載したビジネスバイク型自
動二輪車の全体側面図。
【図3】図1のエンジンの全体側面図。
【図4】図3のIV−IV線に沿う断面図。
【図5】図4のV−V線に沿う断面図。
【図6】図5のVI矢視図。
【図7】図5のVII−VII線に沿う断面図。
【図8】図1のVIII−VIII線に沿う断面図。
【図9】(A)は図5のインスペクションキャップ42
Aを示す平面図、(B)は(A)のIXB−IXB線に
沿う断面図、(C)は(A)のインスペクションキャッ
プ42Aの底面図。
【図10】(A)は図5のガスケット兼ブリーザプレー
トを示す平面図、(B)は(A)のXB−XB線に沿う
断面図。
【図11】(A)はインスペクションキャップの変形例
を示す平面図、(B)はXIB−XIB線に沿う断面
図。
【符号の説明】 9 クランクケース 11 シリンダブロック 13 シリンダヘッド 21 吸気バルブ 22 排気バルブ 26A 吸気カム 26B 排気カム 27A 吸気ロッカアーム 27B 排気ロッカアーム 29 カムシャフト 38A 吸気側ロッカシャフト 38B 排気側ロッカシャフト 42A インスペクションキャップ 47 メインオイル通路 50 第2のサブオイル通路 51,52 オイルガイド部 56 カムチェーン駆動室 59 ロッカアーム収容室 60 連通孔 61A ガスケット 62 ブリーザ室
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F01M 9/10 F01L 1/18 F01M 1/06 F01M 13/04

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダヘッド部材に、カムが一体成形
    されたカムシャフトとロッカアームを揺動自在に軸支す
    るロッカシャフトとが設置され、上記ロッカアームの一
    端が吸・排気バルブに当接し他端のカムスリッパ部が上
    記カムに接触して、このカムの回転により上記吸・排気
    バルブを作動する動弁装置が備えられた4サイクルエン
    ジンにおいて、上記カムシャフトの内部には潤滑オイル
    を流すオイル通路が形成されるとともに、上記カムシャ
    フトとシリンダヘッド部材との間に上記カム方向へ延び
    るオイルガイド部が配置され、上記オイル通路から飛散
    した潤滑オイルが上記オイルガイド部に衝突して上記カ
    ムへ導かれるよう構成されたことを特徴とする4サイク
    ルエンジン。
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