JP6102468B2 - エンジンのブリーザ構造 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車もしくは自動二輪車等のエンジンに適用できるエンジンのブリーザ構造に関する。
従来から、エンジンの燃焼室からクランク室またはシリンダヘッドの動弁室に吹き抜けたブローバイガスを吸気系へ還流させるためのブリーザ装置が知られている。特許文献1には、エンジンケース内のブローバイガスを気液分離する回転式の気液分離器を有するブリーザ装置が開示されている。特許文献1に開示されたブリーザ装置の気液分離器は、クラッチ室内に溜まるエンジンオイルとブローバイガスとの混成物を遠心分離し、分離したブローバイガスを吸気系に還流し、分離したオイル分を下側に滴下させる。
特開2012−127303号公報
特許文献1に開示されたエンジンでは、エンジン始動と共にプライマリードリブンギアによってエンジンオイルが巻き上げられ、クラッチ室の上側かつ後側および左右に飛散する。ここで、ブリーザ装置の気液分離器はエンジンオイルが巻き上がられる方向に配置されているために、気液分離器には多くのエンジンオイルが飛散していた。したがって、気液分離器のオイル吸い込み口に多くのエンジンオイルが入り込み、気液分離器による気液分離が間に合わなくなる虞がある。
本発明は、上述したような問題点に鑑みてなされたものであり、気液分離器に向かって飛散されるエンジンオイルの量を低減させ、気液分離の効率を向上させることを目的とする。
本発明は、エンジンケース内のブローバイガスを気液分離する回転式の気液分離器を有するエンジンのブリーザ構造であって、前記気液分離器は、エンジン動力によって回転駆動され、ブローバイガスを集気室に導くブローバイガス吸い込み口が形成されたギア部材を有し、前記ギア部材の前側に、前記エンジン動力によって回転駆動されるリングギアから前記気液分離器に向かって飛散するエンジンオイルを遮るオイル遮壁を設け、前記ブリーザ構造の上面視において、後側から前側に向かって、前記ギア部材、前記リングギアの中心、前記オイル遮壁、前記リングギアの外径の順に位置し、前記オイル遮壁は、前記ブローバイガス吸い込み口よりも前側に位置すると共に、下端が、前記ギア部材の回転に応じて回転する前記ブローバイガス吸い込み口が通過する下端よりも下側に延設されていることを特徴とする。
本発明によれば、気液分離器に向かって飛散されるエンジンオイルの量を低減させ、気液分離の効率を向上させることができる。
エンジンのブリーザ構造を有する自動二輪車の左側面図である。 エンジンの全体構成を示す側面図である。 エンジンのクランクケースまわりの構成を示す分解斜視図である。 エンジンの全体構成を示す側面図である。 ブリーザ装置が適用されるエンジンの右側面図である。 エンジンの後面図である。 図5に示すエンジンの一部をI−I線で切断した断面図である。 図5に示すエンジンの一部をII−II線で切断した断面図である。 ブリーザギアの構成を示す図である。 ブリーザカバーの構成を示す図である。 エンジンのブリーザ構造を示す斜視図である。 エンジンのブリーザ構造を示す斜視図である。
以下、図面に基づき、本発明におけるエンジンのブリーザ構造の好適な実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係るエンジンのブリーザ構造を有する自動二輪車の左側面図である。先ず、図1を用いて自動二輪車100の全体構成について説明する。なお、以下の説明において図1を含めた各図で、必要に応じて車両の前側を矢印Frにより、車両の後側を矢印Rrによりそれぞれ示し、また、車両の右側を矢印Rにより、車両の左側を矢印Lによりそれぞれ示す。
図1の自動二輪車100は、典型的には所謂オフロード用であってよく、車両の前部かつ上部にはステアリングヘッドパイプ101が配置されており、ステアリングヘッドパイプ101内には不図示のステアリング軸が回動可能に挿通している。このステアリング軸の上端にはハンドル102が結合され、このステアリング軸の下端にはフロントフォーク103が取り付けられている。フロントフォーク103の下端には操向輪である前輪104が回転可能に軸支されている。
左右一対のメインフレーム105とダウンチューブ106およびロアフレーム106Aとボディフレーム107とによって囲まれる空間には、駆動源である水冷式のエンジン10が搭載されている。エンジン10の上側には燃料タンク108が配設され、その燃料供給口はキャップ109によって栓止されている。燃料タンク108の後側にはシート110が配設されている。また、エンジン10の前側にはラジエータ111が配置されている。
車両の前後方向略中央の下部に設けられた左右一対のボディフレーム107には、リヤスイングアーム112の前端部がピボット軸113によって上下に揺動可能に支持されている。リヤスイングアーム112の後端部には駆動輪である後輪114が回転可能に軸支されている。リヤスイングアーム112は、リンク機構115とリンク機構115に連結されたショックアブソーバ116(後輪懸架装置)を介して車両に懸架されている。
なお、燃料タンク108内には燃料ポンプユニットが配置され、この燃料ポンプユニットによってエンジン10に燃料を供給する。一方、ショックアブソーバ116の後側にはエアクリーナボックス117が配置され、エアクリーナボックス117とエンジン10の間が吸気通路を介して連結される。なお、図1においては図示を省略するが、吸気通路はエンジン10のシリンダヘッドに設けられたインテークポートに接続され、その途中で吸気通路の一部としてスロットルボディが配置される。このスロットルボディには燃料インジェクタが配設されており、この燃料インジェクタに対して燃料ポンプユニットから所定圧力の燃料が供給されるようになっている。
次に、エンジン10の構成について説明する。エンジン10は例えば4サイクル単気筒エンジンであるものとする。図2は、本実施形態におけるエンジン10の全体構成を示す側面図である。エンジン10は、クランクシャフト12を回転可能に支持するクランクケース11と、ピストンを上下動可能に収容するシリンダ13と、動弁装置を収容するシリンダヘッド14と、シリンダヘッド14に蓋着するシリンダヘッドカバー15とが略上下方向に連接されている。即ち、エンジン10は、シリンダブロックのシリンダ軸線がクランクシャフト12の軸線に対して実質的に鉛直方向に設定されている。ここで、クランクケース11は、エンジンケースの一例に対応する。
更に、図2〜図4を参照して説明する。図3に示すように、クランクケース11は割り面Pに沿って右側クランクケース11aと左側クランクケース11bとの2つ割りで構成されている。クランクケース11内のクランク室20のケース隔壁を隔てた後側にはミッション室16が隣接して配置されている。また、クランク室20およびミッション室16のケース隔壁を隔てた右側にはクラッチ室17が隣接して位置する。ここでは、右側クランクケース11aの右側にクラッチカバー22を被着することでクラッチ室17が形成される。また、クランク室20のケース隔壁を隔てた左側にはマグネト室18が隣接して位置する。ここでは、左側クランクケース11bの左側にマグネトカバー23を被着することでマグネト室18が形成される。
ミッション室16にはクランクシャフト12の回転出力を減速して後輪114へと伝達するための複数のミッションギヤが列設されている。クラッチ室17にはクラッチ装置19(図6を参照)が配置され、ハンドル102のクラッチレバー操作によりクランクシャフト12およびミッションギヤ間の動力伝達を接続/遮断制御するようになっている。マグネト室18にはステータコイルおよびマグネトロータを含むジェネレータが配置されている。
更に、クランクケース11内のクランク室20には、図3に示すクランクシャフト12およびクランクシャフト12と一体化して回転する左右一対のクランクウェブ21が回転自在に軸支されている。一対のクランクウェブ21相互間には、クランクピンを介してコネクティングロッドが連結される。コネクティングロッドの先端(小端部)には図示しないピストンピンを介して、ピストンが揺動自在に取り付けられ、シリンダ内を上下に往復運動する。
次に、エンジン10の吸排気系について説明する。まず、吸気側では、上述したようにエアクリーナボックス117とエンジン10のシリンダヘッド14の間に吸気通路が配置される。この吸気通路はエンジン10のシリンダヘッド14に設けられたインテークポート24(図2を参照)に接続され、その途中に吸気通路の一部としてスロットルボディが配置される。スロットルボディには燃料インジェクタが配設されており、この燃料インジェクタに対して燃料タンク108から所定圧力の燃料が供給されるようになっている。
また、吸排気系の排気側において、シリンダヘッド14に配設されたエキゾーストポート25(図2を参照)にはエキゾーストパイプが接続され、エンジン10で燃焼された排気ガスがエキゾーストパイプを通って排気される。エキゾーストパイプは更に排気管としてエンジン10の後側へ延出してマフラ118(図1を参照)に結合される。排気ガスは最終的にマフラ118から排気される。
次に、エンジン10の動弁系について説明する。ここでは、エンジン10は所謂DOHC型であるものとする。図2に示すように、シリンダヘッド14には、吸気側および排気側それぞれにカムシャフト27、28を有する。エンジン10の左側部位には、カムチェーン29が実質的に鉛直方向に装架され、カムチェーン29を介してクランクシャフト12とカムシャフト27、28が連結される。
次に、エンジン10の潤滑系について説明する。図3に示すように、マグネト室18の下部付近にスカベンジポンプ30(オイルポンプ)が配置されている。スカベンジポンプ30は、マグネト室18内に溜まったエンジンオイルを吸引口31から吸引する。スカベンジポンプ30は、マグネト室18から吸い上げたエンジンオイルを図示しない連通路を経由してミッション室16に供給する。ミッション室16にはスカベンジポンプ30と同心で、且つ同期回転する回転軸を有するフィードポンプ(オイルポンプ)が配置されている。図5に示すように、フィードポンプ32は、右側部位がクラッチ室17の下部付近に露呈するように配置され、図示しないオイル通路を介して動弁室、シリンダ13およびクランクケース11など、エンジン10の各部にエンジンオイルを供給する。
動弁室に供給されたエンジンオイルは、カムシャフト27、28を潤滑した後、主にマグネト室18の底部に落下して回収される。また、シリンダ13およびクランクケース11に供給されたエンジンオイルは、ピストンやクランクシャフト12などを潤滑した後、主にクランク室20の底部に流れ込む。クランク室20の底部に流れ込んだエンジンオイルはオイル貯留室、リードバルブ及びオイル通路を経由して、オイル貯留室に隣接するマグネト室18に移送される。マグネト室18に移送されたエンジンオイルは、再び上述したようにスカベンジポンプ30により吸い上げられ、ミッション室16に供給される循環を繰り返す。
次に、エンジン動力の伝達について説明する。図5は、本発明に係るエンジンのブリーザ構造が適用されたエンジン10の右側面図である。図5では、クラッチ装置19およびクラッチカバー22を取り外したクラッチ室17が示されている。エンジン10は、クランクケース11の前部に配置されたクランクシャフト12と、クランクシャフト12の後側に配置されたカウンタシャフト33とを有している。クランクシャフト12は、一端がクラッチ室17内に突出して設けられている。クランクシャフト12の端部には、プライマリドライブギア34が装着される。また、カウンタシャフト33はクランクケース11の後部に収容された変速装置(トランスミッション)の一部を構成している。カウンタシャフト33は、クラッチ室17側に突出した端部にクラッチアセンブリ、即ちクラッチ装置19が装着されている。
図6に示すように、クラッチ装置19は、ハウジング35と、プレッシャプレート36と、プレッシャプレート36との間に収容された複数のクラッチ板37とで構成されている。クラッチ装置19の左側には、リングギア38とキックドリブンギア39とがカウンタシャフト33上に並列して配設される。リングギア38およびキックドリブンギア39は、カウンタシャフト33と相対回転可能に装着される。
クランクシャフト12はエンジン10が始動することにより回転し、クランクシャフト12の端部に装着されたプライマリドライブギア34も一体で回転する。プライマリドライブギア34は、カウンタシャフト33に装着されたリングギア38と噛合され、クランクシャフト12の駆動力がクラッチ装置19に伝達されるように構成される。クラッチ装置19は、複数のクラッチ板37を備えた多板式のクラッチであり、運転者のクラッチレバー操作により、互いのクラッチ板37の圧接または離間を選択できるように構成されている。クラッチ板37が圧接したときにクランクシャフト12の駆動力がカウンタシャフト33へ伝達されるようになっている。
次に、キック始動による動力の伝達について説明する。エンジン10は、キックレバーを蹴り下ろすことによって、クランクシャフト12を回転させる、所謂キック式の始動装置を備えている。キック式始動装置は、カウンタシャフト33上に配置されたキックドリブンギア39と、キックドリブンギア39の後側に配置されたキックアイドルギア40と、キックアイドルギア40の上側に配置されたキックドライブギア41と、キックドライブギア41の回転軸と連結され、エンジン10の右側に延設されたキックレバー42とで構成される。
なお、キックドライブギア41は、右側クランクケース11aおよびクラッチカバー22が一体的に形成されてなるギアケース43内に収容される。また、キックレバー42の支軸44のまわりにはキックレバー42のリターンスプリング45が装着されている。キックレバー42は、キック後にリターンスプリング45により原位置に復帰される。
キックアイドルギア40は、キックドライブギア41とキックドリブンギア39とにそれぞれ噛合している。エンジン10を始動させる際、運転者がキックレバー42を蹴り下ろすと、先ずキックドライブギア41が回転し、その後キックアイドルギア40、キックドリブンギア39、プライマリドライブギア34の順に駆動力が伝達され、クランクシャフト12が強制的に回転される。
次に、本発明に係るエンジンのブリーザ構造について図5、図7〜図12を参照して説明する。図7は、図5に示すI−I線で切断したブリーザ装置の周辺の断面図である。図8は、図5に示すII−II線で切断したブリーザ装置の周辺の断面図である。
図5に示すように、ブリーザ装置46はカウンタシャフト33の略後斜め上側に配置されている。また、ブリーザ装置46は、側面視で見て、一部がリングギア38にオーバラップして配置されている。図7に示すように、ブリーザ装置46は、クラッチ室17の後部かつ上部に形成された集気室47と、集気室47の開口部47aと対向する位置に配置された気液分離器48とを有している。集気室47は、エンジンケースの一部を構成するクランクケース11の側壁に形成された凹没部49と、凹没部49に固定された中空管形状のブリーザシャフト50とにより構成されている。気液分離器48は、ブリーザシャフト50に回転可能に装着されたブリーザギア51と、ブリーザギア51の一方の側面側に嵌合したブリーザカバー52とを有している。また、集気室47の一部にはブリーザホース53の一端が接続される。ブリーザホース53の他端は、吸気系(例えばエアクリーナ)に接続されており、クラッチ室17内のブローバイガスを吸気系へ還流するように構成される。
ブリーザシャフト50は、金属または樹脂材料などにより中空管形状に形成されている。ブリーザシャフト50は、一端がクランクケース11に差し込まれた状態でネジなどによりクランクケース11に結合されている。また、ブリーザシャフト50の他端には、ブリーザギア51が軸受54を介して回転可能に装着される。
図9は、ブリーザギアの構成を示す図である。
ブリーザギア51は、円形の凹部55と、複数の開孔56と、回動孔57とが形成されている。凹部55は、ブリーザギア51がブリーザシャフト50に取り付けられた状態で、ブリーザシャフト50の反対側である一方の側面に形成される。凹部55には、ブリーザカバー52が嵌合される。複数の開孔56は、円周方向に沿って間隔をあけて形成されている。開孔56は、ブローバイガスを集気室47に導くブローバイガス吸い込み口である。回動孔57はブリーザシャフト50の軸受け54に嵌合する。ブリーザギア51は、ギア部材の一例に相当する。
図10は、ブリーザカバーの構成を示す図である。
ブリーザカバー52は、板状部材を円形のカップ状もしくは皿状に形成されている。ブリーザカバー52は、円形の外周部58と、カップ部59とが形成されている。外周部58は、ブリーザカバー52の凹部55に嵌合される。カップ部59は、ブリーザカバー52がブリーザギア51に嵌合したときに、ブリーザギア51の凹部55を閉塞する。
ブリーザカバー52は、外周部58と凹部55との間に嵌め込まれるサークリップ60によりブリーザギア51に対して位置決め固定される。ブリーザカバー52がブリーザギア51に固定された状態では、ブリーザカバー52は、ブリーザシャフト50の開口端、即ち開口部47aと隙間gを開けて配置される。隙間gは、ブリーザシャフト50の開口端が、ブリーザギア51の凹部55からブリーザカバー52側へ突出するように設けられ、ブリーザカバー52とブリーザシャフト50との間に僅かに形成されている。より好ましくは、ブリーザシャフト50の開口端が、ブリーザカバー52のカップ部59の内側まで突出する程度近接すれば、後述する気液分離後の気体を効率良く回収することが可能となり好ましい。
このように構成される気液分離器48は回転式であって、図5に示すように後側に配置されたキックドライブギア41がブリーザギア51に噛合する。気液分離器48は、エンジンが始動して、キックドリブンギア39が回転を始めると、キックアイドルギア40、キックドライブギア41、ブリーザギア51の順に伝達されることで回転駆動される。
ここで、上述したエンジン10では幾分のブローバイガスが発生する。ブローバイガスの具体的な侵入経路として先ず、エンジン10が始動するとシリンダ13の燃焼室から、ピストンとの間を通過してクランクケース11へ侵入する。次に、リード弁を通過してクランクケース11の左側のマグネト室18へ至り、次いでマグネト室18から連通孔61(図5を参照)を通ってクラッチ室17へ侵入する。
ブローバイガスが侵入するクラッチ室17にはブリーザ装置46が配置されている。図7および図8に示すようにクラッチ室17内に溜まるオイル(もしくはオイルミスト)とブローバイガスとの混成物(矢印X)は、集気室47内に引き込まれる際に、ブリーザカバー52のカップ部59内で遠心分離される。このように分離されたうちオイル分(矢印Y)はブリーザギア51を伝わって、最終的に下側へ滴下され、キックドリブンギア39やキックアイドルギア40などを潤滑する。一方、分離後のブローバイガスは集気室47へ引き込まれ(矢印Z)、吸気系に還流される。
次に、気液分離器48に向かって飛散されるエンジンオイルの量を低減させ、気液分離の効率を向上させるブリーザ構造について説明する。
図5に示すように、エンジンが始動するとクラッチ室17内のプライマリドライブギア34は矢印A方向に回転する。したがって、プライマリドライブギア34に噛合するリングギア38(図5に示す二点鎖線を参照)は、逆に矢印B方向に回転する。このとき、クラッチ室17に貯留するエンジンオイルを巻き上げることで、クラッチ室17の上側かつ後側に向かって飛散する。ここで、気液分離器48はエンジンオイルが巻き上げられる方向に配置されている。したがって、気液分離器48にエンジンオイルが多く飛散されることで、気液分離器48による気液分離が間に合わない可能性がある。そこで、本実施形態のブリーザ構造では、気液分離器48の前側に、気液分離器48に向かって飛散するエンジンオイルを遮るためのオイル遮壁70を配設している。
図11は、本実施形態のブリーザ構造を示す斜視図であり、気液分離器48およびオイル遮壁70の周辺を示している。図12は、本実施形態のブリーザ構造を示す斜視図である。図12では、気液分離器48のブリーザカバー52を省略して示している。
オイル遮壁70は、略鉛直方向に形成され、より詳しくは上部および下部に向かうにしたがって前側にやや傾倒するように中央で屈曲して形成されている。
また、オイル遮壁70は、クランクケース11の隔壁から連続してクラッチカバー22側に向かって延設されている。ここで、図8に示すように、オイル遮壁70におけるエンジン幅方向の端面72は、クランクケース11におけるクラッチカバー22の合わせ面73の近傍まで延出する。したがって、気液分離器48とオイル遮壁70とは、エンジンの前後方向で見たときにオーバラップするように配置されている。オイル遮壁70は、上部がクランクケース11の上部に結合されている。また、オイル遮壁70は、下部が前側に突出して形成されることで、エンジンオイルを連通孔61に案内する略水平状の案内面71が形成されている。
また、ブリーザ構造では、気液分離器48に向かって飛散するエンジンオイルをより遮ることができるように、オイル遮壁70の下端はなるだけ下側になるように配置されることが好ましい。本実施形態では、図12に示すように、オイル遮壁70の下端は、ブリーザギア51の回転に応じて回転する開孔56が通過するときの下端(図12に示す二点鎖線参照)よりも下側に延設されている。したがって、気液分離器48に向かって飛散するエンジンオイルのうち開孔56から浸入するエンジンオイルの量を低減させることができる。
更に、オイル遮壁70の下端はブリーザギア51の下端よりも下側に延設されている。したがって、エンジン10の前側から見たときに、気液分離器48はオイル遮壁70により完全に覆われる。したがって、気液分離器48に向かって飛散するエンジンオイルの量を低減させることができる。
また、ブリーザ装置46の気液分離器48は、側面視で見たときに一部がリングギア38にオーバラップして配置されている。換言すると、気液分離器48の開孔56は、前後方向で見たときに、リングギア38とオーバラップしない位置に配置されている。したがって、リングギアにより気液分離器48の開孔56に直接、飛散するエンジンオイルの量を低減させることができる。
次に、上述したブリーザ構造の一部であるオイル遮壁70の作用について説明する。
エンジンが始動しリングギア38が回転することで、クラッチ室17に貯留するエンジンオイルが巻き上げられ、クラッチ室17内の上側かつ後側、すなわち気液分離器48に向かって飛散する。このとき、気液分離器48の前側に配設されたオイル遮壁70は、気液分離器48に向かって飛散するエンジンオイルの多くを遮ることができる。したがって、気液分離器48に向かって飛散するエンジンオイルの量を低減させることができるために、気液分離器48による気液分離の効率を向上させることができる。
また、オイル遮壁70により飛散が遮られたエンジンオイルは、オイル遮壁70を伝わってオイル遮壁70の下部まで滴下される。オイル遮壁70の下部まで滴下したエンジンオイルは、案内面71により案内され、第1室としてのクラッチ室17から連通孔61を通り、第2室としてのミッション室16に移送される。ミッション室16に移送されたエンジンオイルは、ミッション室16内のミッションギヤを潤滑する。
このように、本実施形態のエンジンのブリーザ構造では、気液分離器48の前側に配設されたオイル遮壁70により気液分離器48に向かって飛散するエンジンオイルの量を低減させることができるために、気液分離器48による気液分離の効率を向上させることができる。
また、本実施形態のエンジンのブリーザ構造では、ブローバイガスを集気室47に導く開孔56が形成されたブリーザギア51を有している。オイル遮壁70の下端は、回転するブリーザギア51の開孔56が通過する最下端よりも下側に延設されている。したがって、気液分離器48に向かって飛散するエンジンオイルのうち開孔56から浸入するエンジンオイルの量を低減させることができるため、更に気液分離器48による気液分離の効率を向上させることができる。
また、本実施形態のエンジンのブリーザ構造では、オイル遮壁70のエンジン幅方向の端面72がクランクケース11のクラッチカバー22の合わせ面73の近傍まで延出され、気液分離器48は、エンジン10の前側から見て、オイル遮壁70により完全に覆われている。したがって、気液分離器48に向かって飛散するエンジンオイルの量を低減させることができるため、更に気液分離器48による気液分離の効率を向上させることができる。
また、本実施形態のエンジンのブリーザ構造では、ブリーザギア51の開孔56は、リングギア38と対向するクランクケース11側に配置されている。したがって、開孔56とリングギア38とは前後方向で見たときに、互いにオーバラップしていない位置に配置されているために、気液分離器48の開孔56に直接、飛散するエンジンオイルの量を低減させることができる。
また、本実施形態のエンジンのブリーザ構造では、オイル遮壁70により遮られたエンジンオイルは、気液分離器48が配置されたクラッチ室17からミッション室16に導かれる。したがって、オイル遮壁70により遮られたエンジンオイルを有効に利用することができる。
以上、本発明を上述した実施形態を用いて説明したが、本発明は上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲内で変更等が可能である。
例えば、上述した実施形態では、気液分離器48がクラッチ室17に配置される場合について説明したが、この場合に限られず、エンジンケース内の他の室に配置されていてもよい。
また、上述した実施形態では、オイル遮壁70は、気液分離器48への飛散を遮ったエンジンオイルをミッション室16に導く場合について説明したが、エンジンケース内の他の室に導いてもよい。
10:エンジン 11:クランクケース 11a:右側クランクケース 11b:左側クランクケース 12:クランクシャフト 13:シリンダ 14:シリンダヘッド 16:ミッション室(第2室) 17:クラッチ室(第1室) 18:マグネト室 19:クラッチ装置 20:クランク室 22:クラッチカバー 23:マグネトカバー 33:カウンタシャフト 34:プライマリドライブギア 38:リングギア 39:キックドリブンギア 40:キックアイドルギア 41:キックドライブギア 46:ブリーザ装置 47:集気室 48:気液分離器 51:ブリーザギア(ギア部材) 52:ブリーザカバー 54:軸受 55:凹部 56:開孔(ブローバイガス吸い込み口) 57:溝部 61:連通孔 70:オイル遮壁 72:端面 73:合わせ面 100:自動二輪車

Claims (4)

  1. エンジンケース内のブローバイガスを気液分離する回転式の気液分離器を有するエンジンのブリーザ構造であって、
    前記気液分離器は、エンジン動力によって回転駆動され、ブローバイガスを集気室に導くブローバイガス吸い込み口が形成されたギア部材を有し、
    前記ギア部材の前側に、前記エンジン動力によって回転駆動されるリングギアから前記気液分離器に向かって飛散するエンジンオイルを遮るオイル遮壁を設け
    前記ブリーザ構造の上面視において、後側から前側に向かって、前記ギア部材、前記リングギアの中心、前記オイル遮壁、前記リングギアの外径の順に位置し、
    前記オイル遮壁は、前記ブローバイガス吸い込み口よりも前側に位置すると共に、下端が、前記ギア部材の回転に応じて回転する前記ブローバイガス吸い込み口が通過する下端よりも下側に延設されていることを特徴とするエンジンのブリーザ構造。
  2. 前記オイル遮壁のエンジン幅方向の端面は、エンジンケースのカバーの合わせ面の近傍まで延出され、
    前記オイル遮壁の下端が、前記ギア部材の外径の下端よりも下側に延設され、
    前記ギア部材は、側から見て、前記オイル遮壁により完全に覆われていることを特徴とする請求項1記載のエンジンのブリーザ構造。
  3. 前記ブローバイガス吸い込み口を複数、有し、
    前記ブリーザ構造の側面視において、前記複数のブローバイガス吸い込み口の全てと、前記リングギアとは重なりあっていることを特徴とする請求項1または2に記載のエンジンのブリーザ構造。
  4. 記気液分離器が配置されたクラッチ室から前記クラッチ室に隣接するミッション室に通じる孔を有し、
    前記オイル遮壁は、下部が前側に突出して形成される案内面を有し、
    前記案内面は前記オイル遮壁により飛散が遮られたエンジンオイルを前記孔に案内することで、エンジンオイルが前記ミッション室に移送され、前記ミッション室内のギアを潤滑することを特徴とする請求項1ないしの何れか1項に記載のエンジンのブリーザ構造。
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