JP7060424B2 - 内燃機関 - Google Patents

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Description

この発明は、内燃機関に関する。
特許文献1の内燃機関におけるシリンダブロックの内部には、オイルパンの内部に漏れ出たブローバイガスを吸気通路に戻すためのブローバイガス通路が区画されている。このブローバイガス通路の上流端はオイルパンの内部側に向けて開口しており、ブローバイガス通路の下流端はシリンダブロックの外側面に開口している。ブローバイガス通路の下流側の開口には、オイルセパレータが取り付けられている。また、オイルセパレータは、還流通路を介して内燃機関の吸気通路に接続されている。
特開2010-174734号公報
特許文献1の内燃機関において、ブローバイガスと共にオイルセパレータ内に流入した揮発燃料は、オイルセパレータ内において液化する。そして、液化したオイルの一部は、ブローバイガス通路を介してオイルパンの内部へと流下する。このとき、オイルパンの内部からブローバイガス通路へと勢いよくブローバイガスが流入すると、そのブローバイガスの流れによって、ブローバイガス通路を流下しているオイルが再びオイルセパレータ内へと戻されてしまうことがある。
上記課題を解決するための内燃機関は、シリンダブロックの内部にブローバイガスを吸気通路に戻すためのブローバイガス通路が区画されており、前記ブローバイガス通路に、ブローバイガスに含まれるオイルを当該ブローバイガスから分離するためのオイルセパレータが接続されており、前記オイルセパレータが前記吸気通路に接続されている内燃機関であって、当該内燃機関が車両に搭載された状態での車両の上下方向を鉛直方向とし、当該鉛直方向に直交する面を水平面としたとき、前記ブローバイガス通路は、前記シリンダブロックの鉛直方向下側に向けて開口しているとともに当該開口から鉛直方向上側へと延びている第1ブローバイガス通路と、前記第1ブローバイガス通路に連続しているとともに前記第1ブローバイガス通路の延設方向よりも前記水平面に対する傾斜角度が小さい方向に延びて前記シリンダブロックの外側面に開口している第2ブローバイガス通路とで構成され、前記オイルセパレータは、前記第2ブローバイガス通路における前記シリンダブロックの外側面の開口よりも上側に位置してブローバイガスに含まれるオイルを分離する分離部と、当該分離部及び前記第2ブローバイガス通路を繋ぐ接続通路とを備え、前記接続通路は、前記第2ブローバイガス通路側の少なくとも一部が、前記第1ブローバイガス通路の延設方向よりも前記水平面に対する傾斜角度が小さい方向に延びる第1通路部となっており、前記第2ブローバイガス通路、及び前記接続通路における前記第1通路部を中間通路としたとき、前記中間通路の延設方向の途中には、ブローバイガスの流通方向上流側よりも通路断面積が小さくなることにより段差が設けられている。
上記構成によれば、ブローバイガス通路や接続通路の内壁面に付着しているオイルがオイルセパレータの分離部側へ向けて流れても、そのオイルは中間通路における段差でせき止められ、それ以上、分離部側へは流れにくい。したがって、オイルがオイルセパレータの分離部まで至ってしまうことを抑制できる。とくに、中間通路(第2ブローバイガス通路及び接続通路の第1通路部)は、第1ブローバイガス通路よりも水平面に対する傾斜角度が小さくて、オイルがオイルセパレータの分離部側へと戻されやすい。このような中間通路に段差を設けることは、オイルがオイルセパレータの分離部に戻されることを抑制する上で好適である。
内燃機関において、前記中間通路における前記段差よりもブローバイガスの流通方向下流側の部位は、その延設方向の全域に亘って、一定の通路断面積となっていてもよい。
上記の構成によれば、中間通路における段差よりもブローバイガスの流通方向下流側の部位には、通路断面積が変化することによる窪みや段差が生じていない。そのため、オイルセパレータの分離部で発生したオイルが中間通路内をオイルパン側へと流れる際に、窪みや段差によってオイルの流れが妨げられることがない。
内燃機関において、前記第2ブローバイガス通路における前記シリンダブロックの外側面の開口の面積は、前記接続通路における前記第2ブローバイガス通路側の開口の面積よりも大きくなっており、前記段差は、前記第2ブローバイガス通路と前記接続通路との接続部位に設けられていてもよい。
上記構成によれば、第2ブローバイガス通路におけるシリンダブロックの外側面の開口の面積と、接続通路における、第2ブローバイガス通路に接続されている開口の面積とを異なる大きさに作製するだけで、中間通路に段差を設けることができる。この場合、追加部品や複雑な加工が不要であり、内燃機関の製造工程の簡略化に寄与する。
内燃機関において、前記中間通路の内壁面のうち、当該中間通路の延設方向と直交する断面視において、最も下側の部位を底部としたとき、前記段差は少なくとも前記底部に設けられていてもよい。
上記構成によれば、中間通路の内壁面に付着したオイルは、中間通路の内壁面のうちの最も下側の底部に溜まりやすい。こうしたオイルの溜まりやすい箇所に段差を設けて、オイルがオイルセパレータ側へと戻るのを抑制することは好適である。
内燃機関を概略的に表した断面図。 シリンダブロックのブローバイガス通路の近傍、及びオイルセパレータの一部を表した断面図。 中間通路の変更例を表した断面図。 中間通路の変更例を表した断面図。 中間通路の変更例を表した断面図。
以下、内燃機関の一実施形態を、図面を参照して説明する。本実施形態では、内燃機関が車両に搭載されているものとする。そして、内燃機関が車両に搭載されている状態での上下方向を内燃機関の鉛直方向(上下方向)とし、その鉛直方向に直交する面を水平面とする。
図1に示すように、内燃機関の機関本体10は、全体として略直方体状のシリンダブロック11を備えている。シリンダブロック11内には、円筒状の気筒13が区画されている。気筒13の軸線は上下方向に延びている。気筒13はシリンダブロック11の上面で開口している。気筒13は、複数設けられている(図1では1つのみ図示)。複数の気筒13は、クランクシャフト100の軸線方向に一列に並んでいる。各気筒13内には、当該気筒13内を往復移動するピストン12が配置されている。
シリンダブロック11内において、各気筒13よりも下側には、クランク室16が区画されている。上下方向及びクランクシャフト100の軸線方向の双方に直交する方向を機関本体10の幅方向としたとき、クランク室16は、気筒13よりも幅方向の寸法が大きくなっている。また、クランク室16は、シリンダブロック11の下端面に開口している。
なお、シリンダブロック11の下端面には、図示しないクランクキャップが取り付けられている。シリンダブロック11の下端面とクランクキャップとの間には、クランクシャフト100のクランクジャーナル100aが回転可能に支持されている。クランクシャフト100のクランクピン100bには、コネクティングロッドCの一端が接続されている。コネクティングロッドCの他端は、ピストン12に接続されている。また、クランクシャフト100のクランクジャーナル100aには、ピストン12の慣性力を打ち消すためのカウンタウェイト100cが取り付けられている。
シリンダブロック11の下側には、全体として略四角形箱状のオイルパン19が固定されている。オイルパン19は、上側及び下側の双方に開放された略四角形筒状のクランクケース19aの下側に、上側に開放された略四角形箱状の貯留ケース19bが連結された構成となっている。貯留ケース19bの底部には、機関本体10の各種部位を潤滑するためのオイルが貯留されている。
シリンダブロック11の上側には、全体として略直方体状のシリンダヘッド14が固定されている。シリンダヘッド14内には、外部からの吸入空気をシリンダブロック11の気筒13内に導入する吸気ポート14aや、気筒13からの排気をシリンダブロック11外へ排出する排気ポート14bが区画されている。シリンダヘッド14には、吸気ポート14aや排気ポート14bの開口を開閉するバルブ15が取り付けられている。シリンダヘッド14の上部には、カムシャフトと、カムシャフトの回転運動を上記バルブ15の開閉運動に変換するカムKとが配置されている。また、シリンダヘッド14には、吸気ポート14aの開口に向けて燃料を噴射する燃料噴射弁17が取り付けられている。
シリンダヘッド14の上側には、全体として略四角形箱状のシリンダヘッドカバー18が固定されている。シリンダヘッドカバー18は、下側に開放されており、シリンダヘッド14の上面を上側から覆っている。
シリンダヘッド14の吸気ポート14aには、外部からの吸入空気を当該吸気ポート14aに導入するための吸気通路20が接続されている。吸気通路20におけるその延設方向の途中には、吸入空気量を調整するスロットルボディ21が設けられている。スロットルボディ21の内部には、バタフライ型のスロットル弁21aが設けられている。吸気通路20におけるスロットルボディ21よりも吸気下流側には、吸入空気の脈動を低減するサージタンク22が設けられている。
内燃機関は、ピストン12と気筒13との摺動面の隙間を通過してオイルパン19の内部(クランク室16)に漏れ出たブローバイガスを換気するブローバイガス換気システム40を備えている。ブローバイガス換気システム40は、ブローバイガスを換気するときにクランク室16に空気を導入する新気導入通路40aと、ブローバイガスを換気するときにクランク室16から吸気通路20にブローバイガスを排出する排出通路40bとを備えている。
新気導入通路40aは、上流側新気導入通路41と、下流側新気導入通路42とによって構成されている。上流側新気導入通路41は、吸気通路20におけるスロットルボディ21よりも上流側の部位からシリンダヘッドカバー18の内部へと繋がる配管によって構成されている。下流側新気導入通路42は、さらに、ヘッド側通路42aとブロック側通路42bとに大別できる。ヘッド側通路42aは、シリンダヘッド14を上下方向に貫通している。ブロック側通路42bは、ヘッド側通路42aに連続している。ブロック側通路42bは、シリンダブロック11における気筒13よりも幅方向一方側(図1において右側)に位置している側壁11aを上下方向に貫通してクランク室16に開口している。なお、上流側新気導入通路41と下流側新気導入通路42とは、シリンダヘッドカバー18の内部空間を通じて相互に連通している。
ブローバイガス換気システム40の排出通路40bは、当該排出通路40bの上流部位を構成しているブローバイガス通路43と、当該排出通路40bの中流部位を構成しているオイルセパレータ50と、当該排出通路40bの下流部位を構成している還流通路44とによって構成されている。
ブローバイガス通路43は、シリンダブロック11の内部に区画されている。ブローバイガス通路43は、詳細には、シリンダブロック11における、気筒13よりも幅方向他方側に位置している側壁11bに区画されている。ブローバイガス通路43は、鉛直方向に関して、クランク室16よりも上側に区画されている。ブローバイガス通路43は、クランクシャフト100の軸線方向と直交する断面視で、L字状に屈曲して延びている。つまり、図2に示すように、ブローバイガス通路43は、鉛直方向に延びている第1ブローバイガス通路43aと、水平方向に延びている第2ブローバイガス通路43bとによって構成されている。
第1ブローバイガス通路43aは、オイルパン19の内部(クランク室16)側に向けて開口している。換言すると、第1ブローバイガス通路43aは、クランク室16の上面(天面)で開口している。第1ブローバイガス通路43aは、上記開口から鉛直方向上側へと延びている。
第2ブローバイガス通路43bは、第1ブローバイガス通路43aにおける上端部から、シリンダブロック11における幅方向他方側へ延びている。そして、第2ブローバイガス通路43bは、シリンダブロック11における幅方向他方側の側面で開口している。なお、本実施形態においては、第1ブローバイガス通路43a及び第2ブローバイガス通路43bの双方の通路断面形状が円形となっている。第1ブローバイガス通路43aの径は、当該第1ブローバイガス通路43aの延設方向の全長に亘って一定である。第2ブローバイガス通路43bについても同様に、延設方向の全長に亘って一定である。
オイルセパレータ50は、シリンダブロック11における幅方向他方側の外側面に取り付けられている。オイルセパレータ50の内部には、ブローバイガスに含まれるオイルを分離するための分離部52が区画されている。分離部52は、オイルセパレータ50における上側に寄せて配置されている。分離部52は、一定容積の空間に、当該空間を仕切る板状の複数の隔壁52aを互いに平行に配置した構成となっている。詳細には、複数の隔壁52aは、上下方向に間隔を開けて並設されているとともに、機関本体10の幅方向に互い違いに配置されている。この結果として、分離部52においては、複数の隔壁52aによって、ラビリンス化された通路が区画されている。図1に示すように、分離部52には、PCVバルブ45を介して、還流通路44の一端が接続されている。還流通路44の他端は、吸気通路20のサージタンク22に接続されている。還流通路44は配管で構成されている。なお、図1では、分離部52の内部構造を省略して図示している。
図2に示すように、オイルセパレータ50の内部には、接続通路54が区画されている。接続通路54は、分離部52よりも下側に位置している。接続通路54は、クランクシャフト100の軸線方向と直交する断面視で、L字形状に延びている。つまり、接続通路54は、水平方向に延びている第1通路部54aと、第1通路部54aから鉛直方向上側へ立ち上がっている第2通路部54bとによって構成されている。
第1通路部54aは、オイルセパレータ50におけるシリンダブロック11と対向している壁面(図2において右側の壁面)で開口している。第1通路部54aは、上記開口から、内燃機関の幅方向他方側へと水平方向に延びている。
第2通路部54bは、第1通路部54aにおける、内燃機関の幅方向他方側の端部から鉛直方向上側へと延びている。そして、第2通路部54bは、分離部52に接続されている。なお、本実施形態においては、第1通路部54a及び第2通路部54bの双方の通路断面形状が円形となっている。第1通路部54aの径は、当該第1通路部54aの延設方向の全長に亘って一定である。第2通路部54bについても同様に延設方向の全長に亘って一定である。第1通路部54aの径D1は、シリンダブロック11における第2ブローバイガス通路43bの径D2よりも小さくなっている。したがって、第1通路部54aの通路断面積は、第2ブローバイガス通路43bの通路断面積よりも小さくなっている。
オイルセパレータ50がシリンダブロック11の外側面に取り付けられた状態では、当該オイルセパレータ50におけるシリンダブロック11と対向している壁面は、その上下方向の全体に亘って、シリンダブロック11における幅方向他方側の側面と当接している。また、オイルセパレータ50における接続通路54の第1通路部54aがシリンダブロック11における第2ブローバイガス通路43bに接続されており、両者の中心軸線が一致している。これにより、接続通路54は、分離部52と、第2ブローバイガス通路43bとを繋いでいる。なお、上述したとおり、分離部52よりも下側に接続通路54が位置しているため、分離部52は、第2ブローバイガス通路43bにおけるシリンダブロック11の外側面の開口よりも上側に位置している。
上記のとおり、オイルセパレータ50における接続通路54の第1通路部54aの通路断面積は、シリンダブロック11の第2ブローバイガス通路43bの通路断面積よりも小さくなっている。このことから、第2ブローバイガス通路43b、及び接続通路54の第1通路部54aを中間通路60としたとき、中間通路60の延設方向の途中には、ブローバイガスの流通方向上流側よりも通路断面積が小さくなることに起因した段差62が設けられている。詳細には、第2ブローバイガス通路43bと、接続通路54の第1通路部54aとの接続部位においては、オイルセパレータ50におけるシリンダブロック11と対向している壁面によって段差62が設けられている。この段差62(壁面)は、ブローバイガスの流通方向(中間通路60の延設方向)に対して略直交している。
また、上記のとおり、接続通路54の第1通路部54aの中心軸線と、第2ブローバイガス通路43bの中心軸線とが一致している。その上で、第2ブローバイガス通路43bの開口の面積が、接続通路54の第1通路部54aの開口の面積よりも大きいことから、段差62は、接続通路54の第1通路部54aの開口の径方向外側において、当該開口の周方向の全域に亘って設けられている。中間通路60の内壁面のうち、当該中間通路60の延設方向と直交する断面視において最も下側の部位を底部60aとしたとき、段差62は、底部60aを含んで設けられていることになる。
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。
(1)機関運転中には、吸気通路20におけるスロットルボディ21よりも下流側の部位の圧力は、大気圧よりも低い負圧になる。PCVバルブ45が開弁しているときには、クランク室16から、ブローバイガス通路43、オイルセパレータ50、及び還流通路44を通って、吸気通路20にブローバイガスが吸入される。なお、このときには、上流側新気導入通路41及び下流側新気導入通路42を通って、吸気通路20におけるスロットルボディ21よりも上流側の部位から、クランク室16に空気が導入される。
ブローバイガスが、クランク室16から吸気通路20へと至る際、その途中でブローバイガスはオイルセパレータ50の分離部52に流入する。ブローバイガスが分離部52に流入すると、ブローバイガスが分離部52の隔壁52aに衝突する。これに伴い、ブローバイガスに含まれている、微粒子状体のオイルが隔壁52aに付着して液化する。液化したオイルは、自重によって分離部52から接続通路54へと排出される。
分離部52から接続通路54へと排出されたオイルは、接続通路54における第2通路部54bを流下し、さらに、接続通路54における第1通路部54a、及びブローバイガス通路43を通って、オイルパン19の内部へと向かう。このとき、クランク室16からブローバイガス通路43へと勢いよくブローバイガスが流入すると、そのブローバイガスの流れによって、オイルが分離部52の側(ブローバイガスの流通方向下流側)へ戻される。
ここで、第2ブローバイガス通路43b、及び接続通路54の第1通路部54aは水平方向に延びている。そのため、これらの通路では、上下方向に延びている接続通路54の第2通路部54bや第1ブローバイガス通路43aに比べて、ブローバイガスの流れに伴ってオイルが分離部52の側へ戻されやすい。この点、本実施形態では、第2ブローバイガス通路43bと、接続通路54の第1通路部54aとの接続部位に段差62が設けられている。そのため、この段差62よりもブローバイガスの流通方向上流側に位置している第2ブローバイガス通路43bの内壁面に付着しているオイルがブローバイガスによって流された場合、オイルは段差62でせき止められる。そして、オイルはそれ以上分離部52の側へは流れにくい。したがって、オイルが分離部52まで戻されてしまうことを抑制できる。
(2)第2ブローバイガス通路43b、及び接続通路54の第1通路部54aが、水平方向に延びていることから、これらの通路では、当該通路の内壁面の鉛直方向下側の部位を構成している底部60aにオイルが溜まりやすい。本実施形態では、第2ブローバイガス通路43bと、接続通路54の第1通路部54aとの接続部位の段差62が底部60aを含んで設けられていることから、第2ブローバイガス通路43bの底部60aにおいてブローバイガスによって流されるオイルを当該段差62によってせき止めやすい。さらに、ブローバイガスの流れに伴って飛散する等により、オイルが、第2ブローバイガス通路43bの内壁面における底部60aよりも上側の部位に付着していることも有り得る。本実施形態では、第2ブローバイガス通路43bと、接続通路54の第1通路部54aとの接続部位の段差62が、当該第1通路部54aの開口の径方向外側において、当該開口の周方向の全域に亘って設けられている。そのため、第2ブローバイガス通路43bの内壁面のうち、周方向のどの部位を伝ってオイルが流れても、段差62によってオイルをせき止めることができる。
(3)本実施形態においては、接続通路54の第1通路部54aの径が、当該第1通路部54aの延設方向の全長に亘って一定である。つまり、第1通路部54aには、通路断面積が変化することによる窪みや段差が生じていない。そのため、分離部52で分離したオイルが第1通路部54aをオイルパン19側(ブローバイガスの流通方向上流側)へと流れる際に、窪みや段差によってオイルの流れが妨げられることがない。同様のことは、第2ブローバイガス通路43bについてもいえる。
(4)上記(2)に記載したとおり、第2ブローバイガス通路43bの底部60aに付着しているオイルがブローバイガスによって流された場合、当該オイルは段差62でせき止められる。段差62でせき止めたオイルの分量が多くなると、オイルは第2ブローバイガス通路43bの底部60aを第1ブローバイガス通路43aの側へ広がっていく。上記のとおり、第2ブローバイガス通路43bには、窪みや段差がないため、このオイルの流れが妨げられることはない。そのため、オイルは、第1ブローバイガス通路43aの側へスムーズに流れ、第1ブローバイガス通路43aに至って当該第1ブローバイガス通路43aを流下する。したがって、オイルを、オイルパン19の内部へと効率よく排出できる。
(5)本実施形態の構成によれば、第2ブローバイガス通路43bの径D2と、接続通路54における第1通路部54aとの径D1とを異なる大きさに作製するだけで、段差62を設けることができる。したがって、追加部品や複雑な加工が不要であり、内燃機関の製造工程の簡略化に寄与する。
なお、本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・オイルセパレータ50における接続通路54の第1通路部54aと、シリンダブロック11の第2ブローバイガス通路43bとで、互いの中心軸線がずれた状態で、当該第1通路部54aと第2ブローバイガス通路43bとを接続してもよい。こうした場合でも、第1通路部54aと第2ブローバイガス通路43bとの接続部位に段差を設けることができる。例えば、図3に示す変更例のように、第1通路部54aの中心軸線J1が、第2ブローバイガス通路43bの中心軸線J2よりも上側に位置していてもよい。中間通路60の内壁面のうち、当該中間通路60の延設方向と直交する断面視において最も上側の部位を頂上部60bとしたとき、図3に示す例においては、第1通路部54aの頂上部60bと、第2ブローバイガス通路43bの頂上部60bとが連続している。こうした場合でも、頂上部60bを除いた箇所においては、第1通路部54aと第2ブローバイガス通路43bとの接続部位に段差62を設けることができる。
・図3の変更例に示すように、段差62は、第1通路部54aの開口の径方向外側において、当該開口の周方向の全域に亘って設けられていることが必須ではない。つまり、上記周方向の少なくとも一部に段差62が設けられていれば、オイルの流れをせき止めることができる。
・オイルセパレータ50における接続通路54の第1通路部54aの径D1と、シリンダブロック11における第2ブローバイガス通路43bの径D2とを一致させた上で、当該第1通路部54aと当該第2ブローバイガス通路43bとで互いの中心軸線をずらして当該第1通路部54aと当該第2ブローバイガス通路43bとを接続してもよい。こうした場合でも、第1通路部54aと第2ブローバイガス通路43bとの接続部位において段差を設けることができる。
・オイルセパレータ50における接続通路54の第1通路部54aと、シリンダブロック11の第2ブローバイガス通路43bとの接続部位とは異なる箇所に段差を設けてもよい。例えば図4の変更例においては、第1通路部54aの開口の径C1と第2ブローバイガス通路43bの開口の径C2とが一致している。そして、第1通路部54aにおけるその延設方向の途中に、当該第1通路部54aの内壁面に沿って筒状のリング部材Rを配置している。リング部材Rの内周面は、第1通路部54aの一部を構成している。リング部材Rの内周面の径C3が、第1通路部54aにおけるリング部材R以外の部位の径C1よりも小さいことから、リング部材Rが配置されている箇所では、当該リング部材Rよりもブローバイガスの流通方向上流側に比べて通路断面積が小さくなっている。このことに起因して、筒状のリング部材Rにおける第2ブローバイガス通路43bの側を向いた端面は、ブローバイガスの流通方向(中間通路60の延設方向)に対した略直交する段差62となっている。
・図4の変更例の場合、第1通路部54aにおける、リング部材Rよりもブローバイガスの流通方向下流側の部位では、リング部材Rが設けられている部位に比べて、通路断面積が大きくなっている。つまり、第1通路部54a(中間通路60)における、段差62よりもブローバイガスの流通方向下流側の部位が、その延設方向の全域に亘って一定の通路断面積となっていなくてもよい。リング部材Rを採用した場合に限らず、第1通路部54aにおける段差62よりもブローバイガスの流通方向下流側の部位において、流路断面積が徐々に変化してもよい。
・図4に示す変更例において、リング部材Rがその周方向の全域に亘って繋がっていなくてもよい。この場合、リング部材Rが繋がっていない箇所には、段差62が設けられていないことになる。
・図4に示すリング部材Rを、第2ブローバイガス通路43bに配置してもよい。
・オイルセパレータ50における接続通路54の第1通路部54aの径を、上記のリング部材Rを設けることなく、当該第1通路部54aの延設方向の途中で変更してもよい。そして、それによって段差を設けてもよい。図5に示す変更例においては、第1通路部54aにおける上流側の部位の径E1が、第1通路部54aにおける下流側の部位の径E2よりも小さくなっており、全体として第1通路部54aが段付き形状になっている。このことに起因して、第1通路部54aにおける上流側の部位と下流側の部位との境界に段差62が設けられている。
・シリンダブロック11の第2ブローバイガス通路43bにおいて、その延設方向の途中で当該第2ブローバイガス通路43bの径を変更して段差を設けてもよい。
・段差62は、ブローバイガスの流通方向(中間通路60の延設方向)に対して直交していなくてもよい。段差62が中間通路60の延設方向に対して傾斜していても、少なからず、オイルの流れをせき止めることはできる。
・オイルセパレータ50における接続通路54の第1通路部54aの通路断面形状は、円形以外でもよい。また、第1通路部54aの通路断面形状は、当該第1通路部54aの延設方向の途中で変更されていてもよい。また、第1通路部54aの通路断面積は、その延設方向の全長に亘って一定でなくてもよく、途中で段階的に変化していたり、延設方向において徐々に変化したりしていてもよい。また、第1通路部54aは、直線状に延びていることは必須ではなく、湾曲しながら延びていてもよい。以上のような、第1通路部54aの形状に関する変更例は、シリンダブロック11の第2ブローバイガス通路43bにおいても適用できる。要は、上記第1通路部54a、及び第2ブローバイガス通路43bで構成される中間通路60において、当該中間通路60の延設方向の途中に、ブローバイガスの流通方向上流側よりも通路断面積が小さくなることにより生じる段差が設けられていればよい。
・オイルセパレータ50における接続通路54の第1通路部54aは、水平方向に延びていることが必須ではない。第1通路部54aの延設方向は、その水平面に対する傾斜角度が、シリンダブロック11における第1ブローバイガス通路43aの延設方向よりも小さければよい。シリンダブロック11における第2ブローバイガス通路43bについても同様である。つまり、第2ブローバイガス通路43bの延設方向は、その水平面に対する傾斜角度が、第1ブローバイガス通路43aの延設方向よりも小さければよい。
・シリンダブロック11の第1ブローバイガス通路43aの形状、延設方向等は適宜変更可能である。第1ブローバイガス通路43aは、シリンダブロック11の下面に向けて開口しているとともに、全体として鉛直方向上側へと延びていればよい。
・内燃機関が、車両の上下方向に対して傾斜した状態で車両に搭載されていてもよい。車両に搭載したときの内燃機関の姿勢等に伴って、シリンダブロック11の第1ブローバイガス通路43aが鉛直方向に対して傾いていたり、第2ブローバイガス通路43bやオイルセパレータ50における接続通路54の第1通路部54aが水平面に対して傾いていたりすることもある。
・オイルセパレータ50における接続通路54の第2通路部54bの形状、延設方向等は適宜変更可能である。第2通路部54bは、第1通路部54a及び分離部52を接続していればよい。なお、分離部52においてブローバイガスから分離されたオイルを流下させる上では、第2通路部54bは、水平面に対する傾斜角度が大きいことが好ましい。
・オイルセパレータ50においては、分離部52でブローバイガスから分離したオイルをオイルパン19へと戻すための通路を、接続通路54とは別に設けてもよい。
・オイルセパレータ50の分離部52の構成は適宜変更可能である。分離部52は、ブローバイガスに含まれるオイルを当該ブローバイガスから分離できるようになっていればよい。
・オイルセパレータ50におけるシリンダブロック11と対向している壁面は、その上下方向の全体に亘って、シリンダブロック11における幅方向他方側の側面と当接していなくてもよい。オイルセパレータ50における上記壁面は、シリンダブロック11の外側面における、第2ブローバイガス通路43bの開口の周囲にさえ当接していればよい。
10…機関本体、11…シリンダブロック、20…吸気通路、43…ブローバイガス通路、43a…第1ブローバイガス通路、43b…第2ブローバイガス通路、50…オイルセパレータ、52…分離部、54…接続通路、54a…第1通路部、54b…第2通路部、60…中間通路、60a…底部、62…段差。

Claims (4)

  1. シリンダブロックの内部にブローバイガスを吸気通路に戻すためのブローバイガス通路が区画されており、前記ブローバイガス通路に、ブローバイガスに含まれるオイルを当該ブローバイガスから分離するためのオイルセパレータが接続されており、前記オイルセパレータが前記吸気通路に接続されている内燃機関であって、
    当該内燃機関が車両に搭載された状態での車両の上下方向を鉛直方向とし、当該鉛直方向に直交する面を水平面としたとき、
    前記ブローバイガス通路は、前記シリンダブロックの鉛直方向下側に向けて開口しているとともに当該開口から鉛直方向上側へと延びている第1ブローバイガス通路と、前記第1ブローバイガス通路に連続しているとともに前記第1ブローバイガス通路の延設方向よりも前記水平面に対する傾斜角度が小さい方向に延びて前記シリンダブロックの外側面に円形状に開口している第2ブローバイガス通路とで構成され、
    前記オイルセパレータは、前記第2ブローバイガス通路における前記シリンダブロックの外側面の開口よりも上側に位置してブローバイガスに含まれるオイルを分離する分離部と、当該分離部及び前記第2ブローバイガス通路を繋ぐ接続通路とを備え、
    前記接続通路は、前記第2ブローバイガス通路側の少なくとも一部が、前記第1ブローバイガス通路の延設方向よりも前記水平面に対する傾斜角度が小さい方向に延びる第1通路部となっており、
    前記第2ブローバイガス通路、及び前記接続通路における前記第1通路部を中間通路としたとき、前記中間通路の延設方向の途中には、ブローバイガスの流通方向上流側よりも通路断面積が小さくなることにより段差が設けられており、
    前記段差は、前記第1通路部と前記第2ブローバイガス通路との接続部位とは異なる箇所に設けられている
    内燃機関。
  2. 請求項1に記載の内燃機関であって、
    前記中間通路における前記段差よりもブローバイガスの流通方向下流側の部位は、その延設方向の全域に亘って、一定の通路断面積となっている
    内燃機関。
  3. 請求項1に記載の内燃機関であって、
    前記中間通路の延設方向の途中に、当該中間通路の内壁面に沿って筒状のリング部材を配置することによって前記段差が設けられている
    内燃機関。
  4. 請求項1~3のいずれか一項に記載の内燃機関であって、
    前記中間通路の内壁面のうち、当該中間通路の延設方向と直交する断面視において、最も下側の部位を底部としたとき、前記段差は少なくとも前記底部に設けられている
    内燃機関。
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