JP6374648B2 - 塩味強化剤 - Google Patents

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本発明は、飲食品の塩味を、その味質を変えることなく、極少量の添加で強化することのできる塩味強化剤、塩味が強化された食塩組成物、塩味が強化された飲食品、更には飲食品の塩味強化方法に関する。
5つの基本風味の1つである塩味は、単なる嗜好としてではなく、飲食品の美味しさを引きたて食欲増進効果もあることから、飲食品の風味として極めて重要である。
飲食品に塩味を付与するには、通常、食塩、すなわち塩化ナトリウムを使用するが、その主要構成成分であるナトリウムの過剰摂取は、高血圧をはじめとする多くの疾患の危険因子であることから、塩化ナトリウムの摂取量抑制が推奨されている。そのため、塩化ナトリウム含量を減じた様々な減塩飲食品が開発され、市販されている。
しかし、ただ塩化ナトリウム添加量を減じただけでは、当然基本味の1つである塩味が減ってしまい、うす味となり、美味しさが損なわれてしまう。そのため、飲食品の塩味を維持したまま、塩化ナトリウム含量を減じる方法の検討が多数行なわれてきた。
その方法を大きく分類すると、塩化ナトリウム代替品を使用する方法と、塩味強化剤を使用する方法とに分けることができる。
塩化ナトリウム代替品とは、塩化カリウムや有機酸のアルカリ金属塩に代表される、塩化ナトリウムに近似した塩味を持つ物質であり、飲食品に使用している塩化ナトリウムの一部、又は全部を置換することで、塩化ナトリウム含量を減少させる物質である。
しかし、塩化カリウムをはじめとする塩化ナトリウム代替品は、塩味が塩化ナトリウムに比べて弱いこと、及び塩味に加えて渋味や苦味を有するものであるため、塩化ナトリウムの置換量を増やすと、得られる飲食品の塩味が弱いものとなってしまうことに加え、味質も変わってしまうという問題があった。
一方、塩味強化剤とは、それ自体は塩味を示さないか、或いはごく薄い塩味であるが、塩化ナトリウムに極少量添加することで、塩化ナトリウムの塩味を強く感じさせる効果を示す物質であり、少ない塩化ナトリウム含量の飲食品であってもより塩化ナトリウム含量の高い飲食品と同等の塩味を持たせることができる物質である。
塩味強化剤を用いる方法によれば、大きな味質の変化を伴わずに飲食品の塩化ナトリウム含量を低下させることが可能である。このため、塩味強化剤として、カプサイシン(例えば特許文献1参照)、トレハロース(例えば特許文献2参照)、蛋白質の加水分解物(例えば特許文献3参照)、特定の界面活性剤(例えば特許文献4参照)、特定の乳清ミネラル(例えば特許文献5及び6参照)、乳酸ナトリウム、及び/又は乳酸カリウム(例えば特許文献7参照)、リン酸及び/又はリン酸塩(例えば特許文献8参照)等多くの物質が提案されている。
しかし、特許文献1〜4記載の塩味強化剤は、その塩味の増強効果が極めて弱いことから、少ない塩化ナトリウム含量の飲食品に高い塩味増強効果を求める場合、これらの塩味強化剤を多く使用する必要があった。この場合、これらの塩味強化剤が塩味以外の風味を極めて強く有する物質であることから、例えば特許文献1の方法では辛味が強く感じられ、特許文献2の方法では甘味が感じられ、特許文献3の方法では苦味が感じられ、特許文献4の方法では臭味が感じられる等、飲食品の味質が変わってしまうという問題があった。
また、特許文献5、6記載の塩味強化剤は、口中に入れた瞬間から塩味増強効果がはっきりと感じられるものの、水分含量の高い飲食品、摂取量の多い飲食品等、飲食品によっては、その塩味増強効果が問題となる場合があった。
一方、食品の官能評価では、口に含んでからの経過時間によってトップ、ミドル、ラストと区別することが一般に行われる(例えば非特許文献1)。トップとは、食品を口に含んだ直後に感じる風味を意味し(先味)、ラストは後に余韻として残る風味を意味し(後味)、ミドルはその中間である(中味)。食塩の自然な塩味はトップからミドルにかけて発現するのに対し(例えば非特許文献2)、特許文献7、8記載の塩味強化剤では、ミドルからラストにかけて効果が現れるため、食品によっては食塩の自然な塩味発現パターンが崩れる場合があった。
このように、飲食品の味質を変えることなく、極少量の使用であっても十分な効果を得ることができ、食塩の自然な塩味発現パターンを変えることなくその塩味を増強することのできる塩味強化剤を得るにはなお課題が残されていたのが現状である。
特開2001−245627号公報 特開平10−66540号公報 WO01/039613公報 特開平5−184326号公報 特開2008−054662号公報 特開2008−054665号公報 特開2008−054661号公報 特開2010−75070号公報
「New Food Industry」2000年, Vol.42 No.10 43−49 「月刊フードケミカル」2010年,8 28−31
よって本発明の目的は、飲食品の味質を変えることなく、極少量の使用であっても十分な効果を得ることができ、食塩の自然な塩味発現パターンを変えることなくその塩味を増強することのできる塩味強化剤、また、塩化ナトリウムと同等の味質及び塩味の発現パターンであって塩味が強化された食塩組成物、また、飲食品の味質を維持したまま塩化ナトリウム含量当たりの塩味が強化された飲食品、更に、飲食品の味質を維持したまま飲食品の塩味を増強することのできる飲食品の塩味強化方法を提供することにある。
本発明者等は、上記目的を達成すべく種々検討した結果、本来塩味を示さないカルバミドは、塩化ナトリウムと同時に摂食した場合に塩味を増強する効果を有すること、また食塩の自然な塩味発現と同時にバランスの取れた塩味増強効果が発揮されることを見出した。
本発明は、上記知見に基づいてなされたもので、カルバミドを有効成分として含有することを特徴とする塩味強化剤を提供するものである。
また、本発明は、塩化ナトリウムと上記塩味強化剤とからなることを特徴とする食塩組成物を提供するものである。
また、本発明は、上記食塩組成物を含有することを特徴とする飲食品を提供するものである。
更に、本発明は、上記塩味強化剤を飲食品に添加することを特徴とする飲食品の塩味強化方法を提供するものである。
本発明の塩味強化剤は、極少量の使用であっても飲食品の味質を変えることなく塩味を十分に増強することができ、また食塩の自然な塩味発現パターンに合わせて効果を発現させることができる。
また、本発明の食塩組成物は、塩化ナトリウムと同等の味質と塩味発現パターンであり、且つ塩味が強化されている。
また、本発明の飲食品は、塩味や美味しさを兼ね備えた減塩飲食品として好ましく使用できる。
更に、本発明の飲食品の塩味強化方法によれば、飲食品の塩味をその味質を変えることなく、極少量の添加で強化することができ、よって簡単に塩味や美味しさを兼ね備えた減塩飲食品を得ることができる。
本発明の塩味強化剤は、カルバミドを有効成分として含有する。
カルバミドとは、化学式(H2N)2C=Oと表される無色無臭の白色結晶であり、哺乳類や両生類が摂取した過剰窒素分を排出する形態としても知られるものである。
一方、カルバミドは、水になじみやすく保湿作用を有することから、化粧品の原料としても利用され、また国によっては食品添加物としても利用されている。
本発明の塩味強化剤に上記カルバミドを含有させるには、カルバミドの製剤そのものを用いてもよく、またカルバミドを含有する飲食品を用いてもよい。このようなカルバミドを含有する飲食品としては、例えば、チーズホエー等の乳原料を挙げることができる。
本発明の塩味強化剤は、カルバミドをそのまま単独で使用してもよく、また各種の添加剤と混合して、常法により粉体、顆粒状、錠剤、液剤等の形状に製剤化して使用してもよい。これらの製剤中の上記カルバミドの含有量は、固形分として、好ましくは0.05〜100質量%、より好ましくは1〜90質量%、更に好ましくは3〜70質量%、最も好ましくは5〜50質量%である。
本発明の塩味強化剤において、カルバミドの含有量が固形分として0.05質量%よりも少ないと有効成分が少なすぎるため本発明の効果が発揮できない。
本発明の塩味強化剤においては、カルバミドに加えて、乳酸、乳酸塩、又は、乳酸及び乳酸塩を含有することが、より塩味増強効果を高めることができる点で好ましい。
上記乳酸及び乳酸塩の好ましい含有量は、上記(A)カルバミドと、上記(B)乳酸、乳酸塩の合計量の質量比が、95〜5:5〜95となる量であることが好ましく、90〜7:10〜93がより好ましく、70〜15:30〜85が最も好ましい。
乳酸と乳酸塩はそれ自体が塩味強化効果を有するものであるが、ミドルからラストにかけての塩味を強化する傾向があり、食品によっては不自然に塩味が持続すると感じられる場合がある。
カルバミドに対して特定の範囲で乳酸、乳酸塩、又は、乳酸及び乳酸塩を併用した場合は、より強い塩味増強効果が得られるほか、食塩の自然な塩味発現パターンのまま、塩味をバランスよく強めることができる。
上記乳酸塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩等が挙げられ、これらのうちの1種又は2種以上を使用することができる。
粉体、顆粒状、錠剤等の形状に製剤化するための添加剤としては、アルギン酸類、ペクチン、海藻多糖類、カルボキシメチルセルロース等の増粘多糖類や、乳糖、でんぷん、二酸化ケイ素等の賦形剤、ブドウ糖、果糖、ショ糖、麦芽糖、ソルビトール、ステビア等の甘味料、微粒二酸化ケイ素、炭酸マグネシウム、リン酸二ナトリウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム等の固結防止剤、ビタミン類、香料、酸化防止剤、光沢剤等が挙げられ、これらの一種又は二種以上のものが適宜選択して用いられる。本発明の塩味強化剤中における上記各種添加剤の含有量は、添加剤の種類によって異なるが、好ましくは99質量%以下、より好ましくは90質量%以下である。
液剤の形状に製剤化する場合は、液体に溶解又は分散させることにより得られる。そのような液体としては、水、エタノール、プロピレングリコール等が挙げられる。本発明の塩味強化剤中における上記液体の含有量は、好ましくは99質量%以下、より好ましくは95質量%以下である。
本発明の塩味強化剤には、より高い塩味増強効果を得るために、本発明の効果を阻害しない範囲内において、乳酸以外の有機酸、乳酸塩以外の有機酸塩、リン酸、リン酸塩のうち、1種又は2種以上を含有させることができる。
上記有機酸としては、アジピン酸、クエン酸、グルコン酸、コハク酸、酢酸、酒石酸、フマル酸、リンゴ酸等が挙げられ、有機酸塩としては、これら有機酸のナトリウム塩、カリウム塩、有機リン酸塩等が挙げられ、これらのうちの1種又は2種以上を使用することができる。
上記リン酸としては、リン酸、ピロリン酸、トリポリリン酸等が挙げられ、リン酸塩としては、第一リン酸ナトリウム、第一リン酸カリウム、第二リン酸ナトリウム、第二リン酸カリウム、第三リン酸ナトリウム、第三リン酸カリウム、トリポリリン酸ナトリウム、トリポリリン酸カリウム、ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム等が挙げられる。
本発明の塩味強化剤を製造する際の混合方法は特に制限されず、粉体等の固体原料、液体原料等を任意に混合することができる。また、一度水溶液とした後に溶媒を留去し、均一に調製することももちろん可能である。
次に、本発明の食塩組成物について述べる。
本発明の食塩組成物は、塩化ナトリウムと上記塩味強化剤を主成分とするものであり、従来の塩化ナトリウムのみからなる食塩と同等の味質及び塩味の発現パターンを有し、かつ塩味が強化された調味料である。
本発明の食塩組成物においては、塩化ナトリウム100質量部に対し、塩味強化剤の有効成分であるカルバミド、及び乳酸と乳酸塩の合計が好ましくは0.0001〜8質量部、より好ましくは0.001〜4質量部、更に好ましくは0.01〜0.5質量部である。0.0001質量部未満では、塩味強化効果が認められ難く、8質量部を超えると、塩味強化効果も弱まると共に苦味を感じることがあり、また、味質に悪影響を及ぼすおそれがある。
また、本発明の食塩組成物においては、塩化ナトリウム100質量部に対し、塩味強化剤に含まれるカルバミド分が好ましくは0.0001〜1.5質量部、より好ましくは0.001〜0.5質量部、更に好ましくは0.002〜0.2質量部である。
本発明の食塩組成物は、塩化ナトリウム含量を減じる目的で、塩化ナトリウムの一部、好ましくは塩化ナトリウムの80質量%以下、より好ましくは60質量%以下を公知の塩化ナトリウム代替物に置換することができる。
上記塩化ナトリウム代替物としては、塩化カリウム、有機酸のアルカリ金属塩等が挙げられる。これらの塩化ナトリウム代替物のなかでも、本発明の塩味強化剤を含有させることで同等の味質と塩味を維持したまま、塩化ナトリウムをより多く置換することが可能である点で、塩化カリウムを使用することが好ましい。
上記塩化ナトリウム代替物として、塩化カリウムを使用する場合は、塩化ナトリウムの5〜80質量%の範囲で置換するのが好ましく、10〜65質量%の範囲で置換するのがより好ましく、20〜50質量%の範囲で置換するのが最も好ましい。
本発明の食塩組成物は、上記塩化ナトリウム及び上記塩味強化剤に加えて、抹茶・コーヒー等の風味素材、糖類、固結防止剤、ビタミン類、香料、ハーブ、香辛料、着色料、酸化防止剤、光沢剤等のその他の成分を含んでいてもよい。本発明の食塩組成物中におけるこれらのその他の成分の含有量は、好ましくは70質量%以下、より好ましくは30質量%以下、更に好ましくは10質量%以下である。
本発明の食塩組成物を製造する際の混合方法は特に制限されず、粉体等の固体原料、液体原料等を任意に混合することができる。また、一度水溶液とした後に溶媒を留去し、均一に調製することももちろん可能である。
次に本発明の飲食品について述べる。
本発明の飲食品は、本発明の食塩組成物を含有する飲食品である。本発明の飲食品における、本発明の食塩組成物の含有量は、特に限定されず、使用する飲食品や求める塩味の強さに応じて適宜決定される。
本発明でいうところの飲食品としては、特に限定されるものではなく、一般に、塩化ナトリウムを主成分とする食塩を使用する食品であれば問題なく使用することができる。例えば、味噌、醤油、めんつゆ、たれ、だし、パスタソース、ドレッシング、マヨネーズ、トマトケチャツプ、ウスターソース、とんかつソース、ふりかけ、調味塩等の調味料、お吸い物の素、カレールウ、ホワイトソース、お茶漬けの素、スープの素等の即席調理食品、味噌汁、お吸い物、コンソメスープ、ポタージュスープ等のスープ類、ハム、ソーセージ、チーズ等の畜産加工品、かまぼこ、干物、塩辛、佃煮、珍味等の水産加工品、漬物等の野菜加工品、ポテトチップス、煎餅等の菓子スナック類、食パン、菓子パン、クッキー等のベーカリー食品類、煮物、揚げ物、焼き物、カレー、シチュー、グラタン、ごはん、おかゆ、おにぎり等の調理食品等が挙げられる。尚、食塩を含有しない飲食品であっても、飲食時に食塩が含まれる食品であれば使用することができる。
本発明の飲食品は、飲食品の味質を維持しながら塩化ナトリウム含量当たりの塩味が強化されているという特徴を有する。更に、本発明の食塩組成物が、その塩化ナトリウムの一部を塩化カリウムで置換したものである場合は、塩化ナトリウム含量あたりの塩味が更に強化されたものとすることができる。
換言すれば、本発明の食塩組成物で従来の飲食品に含まれる食塩を置換使用する場合、その添加量を減少させたとしても従来の飲食品と同等の塩味と同等の味質を有する飲食品とすることができ、減塩飲食品として極めて好ましく使用することができる。
そのため、従来の単に塩化ナトリウム含量を減じただけの減塩飲食品や、塩化ナトリウムの一部又は全部を塩化ナトリウム代替品で置換した減塩飲食品に比べ、極めて味質が良好である減塩飲食品とすることができ、また、従来の塩味増強物質を使用して塩化ナトリウム含量を減じた減塩飲食品に比べ、塩化ナトリウム含量を更に減じた減塩飲食品とすることができる。
本発明において、減塩飲食品とは、通常の飲食品よりも塩化ナトリウム含量が10〜90質量%、好ましくは20〜80質量%、更に好ましくは30〜70質量%減じた食品をいう。塩化ナトリウム含量を減じた割合が10質量%未満であると、減塩飲食品といえるほどの意味がなく、90質量%を超えて減ずると、本発明の食塩組成物によっても、同等の強さの塩味を得難くなってしまう。
本発明の飲食品が減塩飲食品である場合、本発明の食塩組成物の含有量は、上記理由から塩化ナトリウム含量が通常の飲食品の含量に比べて、10〜90質量%、好ましくは20〜80質量%減じた量となるような含有量であることが好ましい。
上記飲食品に本発明の食塩組成物を含有させる方法としては、飲食品の製造時又は飲食時に本発明の食塩組成物を添加する方法を主に用いることができる。具体的には、(a)塩化ナトリウムと本発明の塩味強化剤とをそれぞれ製造時又は飲食時に別々に添加する方法、(b)本発明の塩味強化剤を含有する飲食品に塩化ナトリウムを製造時又は飲食時に添加する方法、(c)塩化ナトリウムを含有する飲食品に本発明の塩味強化剤を製造時又は飲食時に添加する方法等が挙げられる。即ち、飲食品を飲食するまでの間に、飲食品中で好ましくは上記比率と含有量で塩化ナトリウムと本発明の塩味強化剤が飲食品中に含まれていればよい。
次に、本発明の飲食品の塩味強化方法について述べる。
本発明の飲食品の塩味強化方法は、飲食品に対し上記本発明の塩味強化剤を添加するものであり、飲食品の味質を維持したまま塩味を強化するものである。通常のNaCl量の飲食品に本発明の塩味強化剤を添加する場合には、塩味を濃くすることができる。
本発明の塩味強化剤の飲食品への添加量は、飲食品100質量部に対して、塩味強化剤の有効成分であるカルバミド、及び乳酸と乳酸塩の合計が、好ましくは0.0000001〜2質量部、より好ましくは0.000001〜1.5質量部、最も好ましくは0.00002〜0.7質量部である。
また、上記塩味強化剤の飲食品への添加量は、塩味強化剤に含まれるカルバミドが、飲食品100質量部に対して、好ましくは0.0000001〜1質量部、より好ましくは0.000001〜0.5質量部、更に好ましくは0.00001〜0.1質量部である。
本発明の塩味強化方法では、最も良質の塩味が得られることから、塩味強化剤を添加する飲食品は塩化ナトリウムを含有するものであることが好ましい。その場合、本発明の塩味強化剤の飲食品への添加量は、塩味強化剤に含まれるカルバミドが飲食品に含まれる塩化ナトリウム100質量部に対して、好ましくは0.0001〜1.5質量部、より好ましくは0.001〜0.5質量部、更に好ましくは0.002〜0.2質量部である。0.0001質量部未満では、塩味強化効果が認められ難く、1.5質量部を超えると、塩味強化効果も弱まると共に苦味を感じることがあり、また、味質に悪影響を及ぼすおそれがある。
塩化ナトリウムを含有する飲食品に対する塩味強化剤の添加方法としては、飲食品の製造時に原料として添加する方法であっても、また塩化ナトリウムを含有する飲食品に添加・混合使用する方法でもどちらでも可能である。
本発明の飲食品の塩味強化方法において、本発明の塩味強化剤は、飲食品の味質を変えることなく極少量の添加で塩味を強化することができることから、従来の飲食品に含まれる塩化ナトリウム含有量を減少させたとしても、従来の飲食品と同等の強さの塩味と同等の味質を有する飲食品とすることができる。即ち、本発明の塩味強化剤を添加する飲食品は減塩飲食品であることが好ましい。尚、この場合、得られた飲食品もまた減塩飲食品である。
具体的には、塩味強化剤を飲食品の製造時に添加する場合は、塩化ナトリウム含量を減じることで、本来うす味で美味しさに乏しい減塩飲食品となるところを、通常の塩化ナトリウム含量の飲食品と同等の強さの塩味と味質を有する飲食品とすることができる。
また、塩味強化剤を飲食品に添加する場合は、塩化ナトリウム含有量が少ないためにうす味で美味しさに乏しい減塩飲食品に対して使用することで、塩化ナトリウム含量が少ないにもかかわらず、通常の塩化ナトリウム含量の飲食品と同等の強さの塩味と味質を有する飲食品とすることができる。
更に、本発明の飲食品の塩味強化方法において、塩化ナトリウムの一部を塩化カリウム等の食塩代替物に置換することで、更に塩化ナトリウム含量も減じることも可能である。
本発明の飲食品の塩味強化方法において、本発明の塩味強化剤を添加する飲食品が減塩飲食品である場合、本発明の塩味強化剤の添加量は、飲食品に含まれる塩化ナトリウム100質量部に対し、塩味強化剤に含まれるカルバミドが好ましくは0.0001〜1.5質量部、より好ましくは0.001〜0.5質量部、更に好ましくは0.002〜0.2質量部である。0.0001質量部未満、又は、1.5質量部を超えると、塩味強化効果が認められ難いため、うす味で美味しさに乏しい減塩飲食品となってしまうおそれがある。
塩味強化剤の調製
カルバミド10質量%水溶液、乳酸50質量%水溶液、乳酸ナトリウム50質量%水溶液、水を[表1]に記載した配合で混合し、本発明の塩味強化剤A〜E及び比較調製例である塩味強化剤Fを調製した。
Figure 0006374648
〔食塩組成物の製造例〕
塩化ナトリウム100質量部あたりの塩味強化剤有効成分(カルバミド、及び乳酸と乳酸塩)合計量(固形分基準)が、0.0001質量部、0.001質量部、0.01質量部、0.1質量部、1質量部、10質量部又は20質量部となるように、上記塩味強化剤A〜Fを添加、混合して食塩組成物を製造した。
得られた各食塩組成物について、下記のようにして塩味強度評価・塩味の味質評価・塩味発現の評価を行なった。
塩味強度評価
上記製造例で得られた食塩組成物と、対照として用意した塩化ナトリウム100質量%からなる食塩を、塩化ナトリウム固形分含量が4質量%となるようにそれぞれ水で希釈・調製した。
続いて、10人のパネラーに対し、上記4質量%に調製した食塩組成物を舐めさせ、その塩味強度について、下記パネラー評価基準により4段階評価させ、その合計点数について下記評価基準で5段階評価を行ない、その結果を[表2]に記載した。
<塩味強度・パネラー評価基準>
対照に比べあきらかに強化された塩味を感じる・・ 2点
対照に比べ若干強化された塩味を感じる・・・・・ 1点
対照とほぼ同じ程度の塩味を感じる・・・・・・・ 0点
対照より弱い塩味を感じる・・・・・・・・・・ −1点
<評価基準>
◎ :10人のパネラーの合計点が 16〜20点
○ :10人のパネラーの合計点が 11〜15点
△ :10人のパネラーの合計点が 6〜 10点
× :10人のパネラーの合計点が 0〜 5点
××:10人のパネラーの合計点が 0点未満
塩味の味質及び塩味発現の評価
上記実験例1で得られた食塩組成物のうち、塩化ナトリウム100質量部あたりの塩味強化剤有効成分(カルバミド、及び乳酸と乳酸塩)合計量(固形分基準)が0.1質量部の食塩組成物、及び、比較対照として塩化ナトリウムに市販の塩味強化剤(ウェルネックスYN−1[富士食品工業社製]、アジレックスNH[興人ライフサイエンス社製])を推奨量添加した食塩組成物、また塩化ナトリウム単独のものを用意し、食塩固形分含量が4質量%となるようにそれぞれ水で希釈・調製した。(ウェルネックスYN−1の添加量は塩化ナトリウム100質量部に対し0.7質量部、アジレックスNHの添加量は0.2質量部)
続いて、10人のパネラーに対し、上記食塩固形分含量4質量%に調製した、食塩組成物の水溶液を舐めさせた。その塩味の味質について、下記パネラー評価基準により4段階評価させ、その合計点数について下記評価基準で5段階評価を行ない、その結果を[表3]に記載した。
さらに、<塩味発現>について評価するため、口に含んでからの経過時間を5段階に分け(トップ〜ミドル〜ラスト)、塩味が強く感じられるところを2点、塩味が感じられるところを1点、塩味が感じられないところを0点として3段階評価させた。合計点数について下記<評価基準>で4段階評価を行い、その結果を[表3]に記載した。
<塩味の味質・パネラー評価基準>
塩化ナトリウム以外の風味を全く感じない・・・・・・・・2点
塩化ナトリウム以外の風味を感じるが、塩味として違和感ない・・・・1点
塩化ナトリウム以外の風味を感じ、且つ塩味として違和感がある・・・0点
耐えがたい異味を感じる・・・・・・・・・−1点
◎ :10人のパネラーの合計点が 16〜20点
○ :10人のパネラーの合計点が 11〜15点
△ :10人のパネラーの合計点が 6〜 10点
× :10人のパネラーの合計点が 0〜 5点
××:10人のパネラーの合計点が 0点未満
<塩味発現・パネラー評価基準>
◎ :10人のパネラーの合計点が 16〜20点
○ :10人のパネラーの合計点が 11〜15点
△ :10人のパネラーの合計点が 6〜 10点
× :10人のパネラーの合計点が 0〜 5点
Figure 0006374648
Figure 0006374648
<飲食品の製造・評価>
[実施例1]
鍋に水800g、固形コンソメ(「味の素KKコンソメ」(味の素))5.3g、おろしにんにく5g、料理酒15g、ごま油10g、食塩(実施例において「塩化ナトリウム」と同義とする。以下同じ)1.7g、醤油3g、こしょう0.3gを入れ、沸騰させた後、乾燥カットワカメ12g、みじん切りしたねぎ40g、白ごま6gを加え、更にひと煮立ちさせて通常のワカメスープを得た(食塩含有量0.8質量%)。
一方、鍋に水800g、固形コンソメ(「味の素KKコンソメ」(味の素))5.3g、おろしにんにく5g、料理酒15g、ごま油10g、食塩0.4g、減塩醤油3g、こしょう0.3gを入れ、沸騰させた後、乾燥カットワカメ12g、みじん切りしたねぎ40g、白ごま6g、塩味強化剤B0.018g(減塩ワカメスープ100質量部に対し、0.002質量部)を加え、更にひと煮立ちさせて本発明の減塩飲食品である減塩ワカメスープを得た(食塩含有量0.7質量%)。
得られた通常のワカメスープと本発明の減塩ワカメスープを比較試食したところ、減塩ワカメスープは、通常のワカメスープとほぼ同等の強さの塩味であり、且つほぼ同等の味質であった。
[実施例2]
鍋に水200g、だしの素(「ほんだし」(味の素))1gを入れて混ぜ、中火にかけ、煮立ったら、1.5cm角の豆腐75g、乾燥カットわかめ1gを加えてひと煮立ちさせた
。その後、味噌12gを煮汁で溶きのばしながら加え、小口切りしたねぎ5gを加えてサッと煮て、通常の味噌汁を得た(食塩含有量0.7質量%)。
一方、鍋に水200g、だしの素(「ほんだし」(味の素))1gを入れて混ぜ、中火にかけ、煮立ったら、1.5cm角の豆腐75g、乾燥カットわかめ1gを加えてひと煮立ち
させた。その後、味噌7.5gを煮汁で溶きのばしながら加え、小口切りしたねぎ5g、塩味強化剤B0.006g(減塩味噌汁100質量部に対し、0.002質量部)を加えてサッと煮て、本発明の減塩食品である減塩味噌汁を得た(食塩含有量0.5質量%)。
得られた通常の味噌汁と本発明の減塩味噌汁を比較試食したところ、減塩味噌汁は、通常の味噌汁とほぼ同等の強さの塩味であり、且つほぼ同等の味質であった。
[実施例3]
トマト800gを湯むきし、ミキサーにかけてざるでこした後、フライパンに入れ強火にかけ、沸騰したら中火で30分程煮詰めた。続いて、すりおろした玉ねぎ55g、食塩5g、こしょう0.3g、砂糖18g、ローリエ0.2g(1枚)を加え、5分煮た。最後に酢30gを加えてひとまぜし、通常のトマトケチャップを得た(食塩含有量0.5質量%)。
トマト800gを湯むきし、ミキサーにかけてざるでこした後、フライパンに入れ強火にかけ、沸騰したら中火で30分程煮詰めた。続いて、すりおろした玉ねぎ55g、食塩3.5g、こしょう0.3g、砂糖18g、ローリエ0.2g(1枚)を加え、5分煮た。最後に酢30g、塩味強化剤B 0.036g(減塩トマトケチャップ100質量部に対し、0.004質量部)を加えてひとまぜし、本発明の減塩食品である減塩トマトケチャップを得た(食塩含有量0.4質量%)。
得られた通常のトマトケチャップと本発明の減塩トマトケチャップを比較試食したところ、減塩トマトケチャップは、通常のトマトケチャップとほぼ同等の強さの塩味であり、且つほぼ同等の味質であった。
[実施例4]
鍋にみりん115gを入れ、火にかけ軽く沸騰させ、続いて濃口しょうゆ115g、水400gを加え、よく混ぜ合わせ沸騰させた。そこへかつお削り節20gを加え、再度沸騰したら、火を止め濾し、通常のめんつゆを得た(食塩含有量2.6質量%)。
一方、鍋にみりん115gを入れ、火にかけ軽く沸騰させ、続いて減塩しょうゆ115g、水400gを加え、よく混ぜ合わせ沸騰させた。そこへかつお削り節20g、塩味強化剤B0.130g(減塩めんつゆ100質量部に対し、0.02質量部)を加え、再度沸騰したら、火を止め濾し、本発明の減塩食品である減塩めんつゆを得た(食塩含有量1.3質量%)。
得られた通常のめんつゆと本発明の減塩めんつゆを比較試食したところ、減塩めんつゆは、通常のめんつゆとほぼ同等の強さの塩味であり、且つほぼ同等の味質であった。
[実施例5]
鍋に穀物酢100g、濃口醤油230g、みりん68g、砂糖3gを加え、中火で加熱し沸騰する直前に火を消した。続いて鍋に昆布1.1g、かつお削り節15gを投入し、十分ほど待ってからレモン果汁100gを入れ、撹拌し、一日冷蔵後濾し、通常のぽん酢を得た(食塩含有量5.4質量%)。
一方、鍋に穀物酢100g、減塩醤油230g、みりん68g、砂糖3gを加え、中火で加熱し沸騰する直前に火を消した。続いて鍋に昆布1.1g、かつお削り節15gを投入し、十分ほど待ってからレモン果汁100g、塩味強化剤B0.103g(減塩ぽん酢100質量部に対し、0.02質量部)を入れ、撹拌し、一日冷蔵後濾し、本発明の減塩食品である減塩ぽん酢を得た(食塩含有量3.2質量%)。
得られた通常のぽん酢と本発明の減塩ぽん酢を比較試食したところ、減塩ぽん酢は、通常のぽん酢とほぼ同等の強さの塩味であり、且つほぼ同等の味質であった。
[実施例6]
ボウルにごま油56g、食塩10.6g、こしょう0.6g、濃口醤油6g、白ごま18g、酢30g、すりおろしたにんにく2g、すりおろしたしょうが2gを入れ、良く混ぜ、通常の塩だれドレッシングを得た(食塩含有量9.1質量%)。
一方、ボウルにごま油56g、食塩7.6g、こしょう0.6g、減塩醤油6g、白ごま18g、酢30g、すりおろしたにんにく2g、すりおろしたしょうが2g、塩味強化剤B0.049g(減塩塩だれドレッシング100質量部に対し、0.04質量部)を入れ、良く混ぜ、本発明の減塩食品である減塩塩だれドレッシングを得た(食塩含有量6.5質量%)。
得られた通常の塩だれドレッシングと本発明の減塩塩だれドレッシングを比較試食したところ、減塩塩だれドレッシングは、通常の塩だれドレッシングとほぼ同等の強さの塩味であり、且つほぼ同等の味質であった。
[実施例7]
鍋に湯むきしたトマト350g、粗みじん切りした野菜類(玉ねぎ66.7g、リンゴ200g、にんじん25g、しょうが3.3g)、頭と腹を取った煮干し3.3g、昆布1.7gを入れ、この中へ水250g、砂糖58.3gを入れ、火にかけ半量になるまで水分を飛ばした。続いて、ローリエ0.3g、ナツメグ2.0g、シナモン1.0g、クローブ1.0g、タイム1.0g、ディルの葉1.0g、フェンネルシード1.0g、パセリ0.5g、こしょう0.5gを加え、更に煮詰めた。この中に食塩33.3g、バルサミコ酢33.3g、76.7gを加え、更に加熱した後、ローリエを取り除き、フードプロセッサーでペースト状にした後、ザルで濾し、通常のウスターソースを得た(食塩含有量4.0質量%)。
鍋に湯むきしたトマト350g、粗みじん切りした野菜類(玉ねぎ66.7g、リンゴ200g、にんじん25g、しょうが3.3g)、頭と腹を取った煮干し3.3g、昆布1.7gを入れ、この中へ水250g、砂糖58.3gを入れ、火にかけ半量になるまで水分を飛ばした。続いて、ローリエ0.3g、ナツメグ2.0g、シナモン1.0g、クローブ1.0g、タイム1.0g、ディルの葉1.0g、フェンネルシード1.0g、パセリ0.5g、こしょう0.5gを加え、更に煮詰めた。この中に食塩16.5g、バルサミコ酢33.3g、減塩醤油76.7g、塩味強化剤B0.219g(減塩ウスターソース100質量部に対し、0.02質量部)を加え、更に加熱した後、ローリエを取り除き、フードプロセッサーでペースト状にした後、ザルで濾し、本発明の減塩食品である減塩ウスターソースを得た(食塩含有量2.0質量%)。
得られた通常のウスターソースと本発明の減塩ウスターソースを比較試食したところ、減塩ウスターソースは、通常のウスターソースとほぼ同等の強さの塩味であり、且つほぼ同等の味質であった。
[実施例8]
鍋に濃口醤油1150g、砂糖360g、みりん230g、酒200gを加え、中火で煮詰め、通常の焼き鳥のたれを得た(食塩含有量8.6質量%)。
一方、鍋に減塩醤油1150g、砂糖360g、みりん230g、酒200gを加え、塩味強化剤B0.776g(減塩焼き鳥のたれ100質量部に対し、0.04質量部)、中火で煮詰め、本発明の減塩食品である焼き鳥のたれを得た(食塩含有量4.2質量%)。
得られた通常の焼き鳥のたれと本発明の減塩焼き鳥のたれを比較試食したところ、減塩焼き鳥のたれは、通常の焼き鳥のたれとほぼ同等の強さの塩味であり、且つほぼ同等の味質であった。
[実施例9]
するめいか500g(2ハイ)をさばき、ワタ(内臓)を取り出した。取り外したワタに食塩32gをまんべんなく振り、冷蔵庫で2時間置いた。上記のさばいたするめいかの身の皮をむき、幅5mm、長さ3cm程に切った後ボウルに入れた。ここに、上記の塩漬けしたワタの中身をしごいて取り出して加え、食塩24gを加え、良く混ぜ、冷蔵庫で3日置き、通常のいかの塩辛を得た(食塩含有量10.7質量%)。
一方、するめいか500g(2ハイ)をさばき、ワタ(内臓)を取り出した。取り外したワタに食塩25.6gをまんべんなく振り、冷蔵庫で2時間置いた。上記のさばいたするめいかの身の皮をむき、幅5mm、長さ3cm程に切った後ボウルに入れた。ここに、上記の塩漬けしたワタの中身をしごいて取り出して加え、食塩19.2g、塩味強化剤B0.436g(減塩いかの塩辛100質量部に対し、0.08質量部)を加え、良く混ぜ、冷蔵庫で3日置き、減塩いかの塩辛を得た(食塩含有量8.9質量%)。
得られた通常のいかの塩辛と本発明の減塩いかの塩辛を比較試食したところ、減塩いかの塩辛は、通常のいかの塩辛とほぼ同等の強さの塩味であり、且つほぼ同等の味質であった。
[実施例10]
濃口醤油350gと水500gを合わせ、その中に板のり70gを細かくちぎり、漬け込み、4時間後、かつお削り節7g、みりん120g、砂糖180gを入れ、よく混合した。その後、やや強火で加熱した後、弱火で35分煮込み、通常ののりの佃煮を得た(食塩含有量4.2質量%)。
一方、減塩醤油350gと水500gを合わせ、その中に板のり70gを細かくちぎり、漬け込み、4時間後、かつお削り節7g、みりん120g、砂糖180g、塩味強化剤B0.123g(減塩のりの佃煮100質量部に対し、0.01質量部)を入れ、よく混合した。その後、やや強火で加熱した後、弱火で35分煮込み、本発明の減塩食品であるのりの佃煮を得た(食塩含有量2.1質量%)。
得られた通常ののりの佃煮と本発明の減塩のりの佃煮を比較試食したところ、減塩のりの佃煮は、通常ののりの佃煮とほぼ同等の強さの塩味であり、且つほぼ同等の味質であった。
[実施例11]
鍋に昆布だし100gを入れ火にかけ、半分に切ったえのき400gを入れた。えのきに火が通った後、濃口醤油102g、みりん68gを入れ、10分煮詰め、通常のなめたけを得た(食塩含有量2.0質量%)。
一方、鍋に昆布だし100gを入れ火にかけ、半分に切ったえのき400gを入れた。えのきに火が通った後、減塩醤油102g、みりん68g、塩味強化剤B0.150g(減塩なめたけ100質量部に対し、0.02質量部)を入れ、10分煮詰め、本発明の減塩食品であるなめたけを得た(食塩含有量1.0質量%)。
得られた通常のなめたけと本発明の減塩なめたけを比較試食したところ、減塩なめたけは、通常のなめたけとほぼ同等の強さの塩味であり、且つほぼ同等の味質であった。
[実施例12]
鍋に鶏ひき肉200g、砂糖36g、濃口醤油51g、料理酒15gを加え、よく混ぜた後、中火にかけ、箸4本で絶えず混ぜながらぽろぽろになるまで火を入れ、通常の鶏そぼろを得た(食塩含有量2.6質量%)。
一方、鍋に鶏ひき肉200g、砂糖36g、減塩醤油51g、料理酒15g、塩味強化剤B0.06g(減塩鶏そぼろ100質量部に対し、0.02質量部)を加え、よく混ぜた後、中火にかけ、箸4本で絶えず混ぜながらぽろぽろになるまで火を入れ、本発明の減塩食品である鶏そぼろを得た(食塩含有量1.3質量%)。
得られた通常の鶏そぼろと本発明の減塩鶏そぼろを比較試食したところ、減塩鶏そぼろは、通常の鶏そぼろとほぼ同等の強さの塩味であり、且つほぼ同等の味質であった。
[実施例13]
ミキサーに豚肩肉650g、豚背油100g、コンニャク粉130gを加え、ミキサーで混合した。続いて、氷水120g、調味料(食塩15g、重合リン酸塩3g、亜硝酸塩0.1g、アスコルビン酸ナトリウム0.8g、砂糖15g、グルタミン酸ナトリウム2g、香辛料2g)を加え、更に混合した。その後、ソーセージ用のコラーゲン製ケーシングに充填し、熱水で20分間煮熟し、通常のソーセージを得た(食塩含有量1.8質量%)。
一方、ミキサーに豚肩肉650g、豚背油100g、コンニャク粉130gを加え、ミキサーで混合した。続いて、氷水120g、調味料(食塩11.3g、重合リン酸塩3g、亜硝酸塩0.1g、アスコルビン酸ナトリウム0.64g、砂糖15g、グルタミン酸ナトリウム1.6g、香辛料2g、塩味強化剤B0.107g(減塩ソーセージ100質量部に対し、0.01質量部))を加え、更に混合した。その後、ソーセージ用のコラーゲン製ケーシングに充填し、熱水で20分間煮熟し、本発明の減塩食品であるソーセージを得た(食塩含有量1.5質量%)
得られた通常のソーセージと本発明の減塩ソーセージを比較試食したところ、減塩ソーセージは、通常のソーセージとほぼ同等の強さの塩味であり、且つほぼ同等の味質であった。
[実施例14]
豚ロース1000gの表面に食塩50g、スパイス(こしょう8g、セージ3g、タイム3g、オールスパイス3g、カルダモン3g)を擦り込んだ後、密封し、冷蔵で1週間寝かせた。続いて、1週間後、水に浸し、6時間塩抜きをした後、脱水シートで包み、冷蔵で12時間置いた後、6時間スモークした。その後、鍋にスモークした肉を入れ、水を入れ65℃・1時間で加熱後、冷却し、通常のハムを得た(食塩含有量4.8質量%)。
一方、豚ロース1000gの表面に食塩39.5g、スパイス(こしょう8g、セージ3g、タイム3g、オールスパイス3g、カルダモン3g、塩味強化剤B0.860g(減塩ハム100質量部に対し、0.04質量部))を擦り込んだ後、密封し、冷蔵で1週間寝かせた。続いて、1週間後、水に浸し、6時間塩抜きをした後、脱水シートで包み、冷蔵で12時間置いた後、6時間スモークした。その後、鍋にスモークした肉を入れ、水を入れ65℃・1時間で加熱後、冷却し、本発明の減塩食品であるハムを得た(食塩含有量3.8質量%)。
得られた通常のハムと本発明の減塩ハムを比較試食したところ、減塩ハムは、通常のハムとほぼ同等の強さの塩味であり、且つほぼ同等の味質であった。
[実施例15]
鍋に無塩バター20gを測りとり、火にかけ、薄力粉20gを加え均一になるまで30秒間混合し、続いてカレー粉5gを加え均一になるまで30秒間混合した。この中へ砂糖5.2g、食塩2.5g、グルタミン酸Na0.6gを加え30秒間混合し、通常のカレールウを得た。その後、火を止め、水320gを少しずつ鍋に入れカレールウを溶かした後、弱火の状態で沸騰後、2分間焦げないように攪拌し、通常のカレーを得た(食塩含有量0.7質量%)。
一方、鍋に無塩バター20gを測りとり、火にかけ、薄力粉20gを加え均一になるまで30秒間混合し、続いてカレー粉5gを加え均一になるまで30秒間混合した。この中へ砂糖5.2g、食塩1.75g、グルタミン酸Na0.42g、塩味強化剤B0.015g(減塩カレールウ100質量部に対し、0.004質量部)を加え30秒間混合し、減塩カレールウを得た。その後、火を止め、水320gを少しずつ鍋に入れカレールウを溶かした後、弱火の状態で沸騰後、2分間焦げないように攪拌し、本発明の減塩食品であるカレーを得た(食塩含有量0.5質量%)。
得られた通常のカレーと本発明の減塩カレーを比較試食したところ、減塩カレーは、通常のカレーとほぼ同等の強さの塩味であり、且つほぼ同等の味質であった。
[実施例16]
合挽き肉300gに食塩2.5gを混ぜ、下味をつけた。鍋に油7g、みじん切りしたにんにく5gを入れ弱火で炒めた後、玉ねぎを加え弱火で炒め、続いて下味をつけた合挽き肉、にんじん100gを加え炒めた後、更に白ワイン30g、固形コンソメ(「味の素KKコンソメ」(味の素))5.3g、つぶしたホールトマト400gを加えて煮た。煮立った後弱火で20分煮、食塩0.3g、こしょう0.3gで味を調え、通常のミートソースを得た(食塩含有量0.8質量%)。
一方、合挽き肉300gに食塩0.6gを混ぜ、下味をつけた。鍋に油7g、みじん切りしたにんにく5gを入れ弱火で炒めた後、玉ねぎを加え弱火で炒め、続いて下味をつけた合挽き肉、にんじん100gを加え炒めた後、更に白ワイン30g、固形コンソメ(「味の素KKコンソメ」(味の素))5.3g、つぶしたホールトマト400gを加えて煮た。煮立った後弱火で20分煮、食塩0.08g、こしょう0.3g、塩味強化剤B0.131g(減塩ミートソース100質量部に対し、0.02質量部)で味を調え、本発明の減塩食品であるミートソースを得た(食塩含有量0.6質量%)。
得られた通常のミートソースと本発明の減塩ミートソースを比較試食したところ、減塩ミートソースは、通常のミートソースとほぼ同等の強さの塩味であり、且つほぼ同等の味質であった。
[実施例17]
鍋に無塩バター10gを入れ、スイートコーン300gを炒め、食塩7g、ホワイトペッパー1gで味をつけ、そこへ薄力粉10g、脱脂粉乳50g、水552gを入れ、更に弱火で加熱した。この中へ、糊化澱粉10gを水10gで溶いたものを加え、通常のコーンスープを得た(食塩含有量0.9質量%)。
一方、鍋に無塩バター10gを入れ、スイートコーン300gを炒め、食塩4.2g、ホワイトペッパー1gで味をつけ、そこへ薄力粉10g、脱脂粉乳50g、水552g、塩味強化剤B0.199g(減塩コーンスープ100質量部に対し、0.02質量部)を入れ、更に弱火で加熱した。この中へ、糊化澱粉10gを水10gで溶いたものを加え、本発明の減塩食品であるコーンスープを得た(食塩含有量0.6質量%)。
得られた通常のコーンスープと本発明の減塩コーンスープを比較試食したところ、減塩コーンスープは、通常のコーンスープとほぼ同等の強さの塩味であり、且つほぼ同等の味質であった。
[実施例18]
塩化ナトリウム82質量部、L−グルタミン酸ナトリウム16質量部、コーンスターチ2質量部を混合し、適宜水を加え、押出し造粒し、乾燥後、食塩組成物18−Aを得た。この食塩組成物18−Aと、黒ゴマを20:80の質量比で混合し、通常のふりかけを得た(食塩含有量17.3質量%)。
一方、塩化ナトリウム82質量部、塩味強化剤B0.164質量部、L−グルタミン酸ナトリウム16質量部、コーンスターチ2質量部を混合し、適宜水を加え、押出し造粒し、乾燥後、本発明の食塩組成物18−Bを得た(塩化ナトリウム100質量部に対する塩味強化剤Bの量は0.02質量部)。続いて、この食塩組成物18−Bと、黒ゴマを20:80の質量比で混合し、本発明の減塩飲食品である、塩味強化ふりかけ1を得た。
また、塩化ナトリウム41質量部、塩化カリウム41質量部、塩味強化剤B0.164質量部、L−グルタミン酸ナトリウム16質量部、コーンスターチ2質量部を混合し、適宜水を加え、押出し造粒し、乾燥後、本発明の食塩組成物18−Cを得た。続いて、この食塩組成物18−Cと、黒ゴマを20:80の質量比で混合し、本発明の減塩飲食品である、塩味強化ふりかけ2を得た。
得られた3種のふりかけを比較試食したところ、本発明品の塩味が強化された食品である塩味強化ふりかけ1は、通常のふりかけより明らかに塩味が強く、また異味は全く感じられず、味質を変えないまま、塩味を強化されたものであった。また本発明の塩味が強化された飲食品である塩味強化ふりかけ2は、塩味強化ふりかけ1と比較試食したところ、通常の塩化ナトリウム含量である、塩味強化ふりかけ1とほぼ同等の強さの塩味であり、且つほぼ同等の味質であった。
[実施例19]
食塩40質量部、L−グルタミン酸ナトリウム20質量部、グラニュー糖20質量部、コーンスターチ15質量部、抹茶3質量部、昆布粉1質量部を混合し、適宜水を加え、押出し造粒し乾燥したもの100質量部に対し、あられ40質量部、海苔3質量部を加えて混合し、通常のお茶漬けの素を得た。
一方、食塩40質量部、塩味強化剤B0.04質量部、L−グルタミン酸ナトリウム20質量部、グラニュー糖20質量部、コーンスターチ15質量部、抹茶3質量部、昆布粉1質量部を混合し、適宜水を加え、押出し造粒し、乾燥後、100質量部に対し、あられ40質量部、海苔3質量部を加えて混合し、本発明の塩味が強化された食品であるお茶漬けの素を得た。
得られた通常のお茶漬けの素と本発明の塩味が強化されたお茶漬けの素を比較試食したところ、塩味が強化されたお茶漬けの素は、通常のお茶漬けの素より明らかに塩味が強く、また異味は全く感じられず、味質を変えないまま、塩味を強化されたものであった。
[実施例20]
ジャガイモをスライスし菜種油でフライしたフライ品100質量部と、塩化ナトリウム1質量部を、袋に入れて振揺混合することで塩化ナトリウムをフライ品に付着させ、通常のポテトチップスを得た。
一方、塩味強化剤Bを乾燥、粉末化した粉末塩味強化剤B2(カルバミド・乳酸含有比については塩味強化剤Bと同じ)0.2質量部を塩化ナトリウム100質量部へ添加し、十分に混合し、食塩組成物20−Aを得た。ジャガイモをスライスし、菜種油でフライしたフライ品100質量部と、上記食塩組成物20−Aを1質量部、袋に入れて振揺混合することで、食塩組成物20−Aをフライ品に付着させ、本発明の塩味が強化された飲食品であるポテトチップスを得た。
一方、ジャガイモをスライスし、菜種油でフライしたフライ品100質量部と、上記食塩組成物20−Aを0.7質量部、袋に入れて振揺混合することで、食塩組成物20−Aをフライ品に付着させ、本発明の減塩食品であるポテトチップスを得た。
得られた通常のポテトチップスと本発明の塩味が強化されたポテトチップスを比較試食したところ、塩味が強化されたポテトチップスは、通常のポテトチップスより明らかに塩味が強く、また異味は全く感じられず、味質を変えないまま、塩味を強化されたものであった。
一方で、減塩ポテトチップは、通常のポテトチップとほぼ同等の強さの塩味であり、且つほぼ同等の味質であった。
[実施例21]
中華の素(「味の素KK中華あじ」(味の素))10gと食塩1.5gにお湯483.5gを加え、通常のラーメンスープを得た(食塩含有量1.3質量%)。
一方、中華の素(「味の素KK中華あじ」(味の素))10gと食塩0.2g、塩味強化剤B0.099g(減塩ラーメンスープ100質量部に対し、0.02質量部)にお湯483.5gを加え、本発明の減塩食品であるラーメンスープを得た(食塩含有量1.0質量%)。
得られた通常のラーメンスープと本発明の減塩ラーメンスープを比較試食したところ、減塩ラーメンスープは、通常のラーメンスープとほぼ同等の強さの塩味であり、且つほぼ同等の味質であった。
[実施例22]
「キッコーマン醤油」(キッコーマン、塩化ナトリウム含量14.11質量%)を通常の醤油とした。
一方、減塩飲食品である減塩醤油 (「キッコーマン減塩醤油」(キッコーマン、塩化ナトリウム含量8.11質量%)100質量部に対し、塩味強化剤Bを0.000008質量部添加し、十分に混合し、本発明の減塩飲食品である減塩醤油aを得た。
また、塩味強化剤Bの添加量を0.00008質量部とした以外は減塩醤油aと同様にして、本発明の減塩飲食品である減塩醤油bを得た。
また、塩味強化剤Bの添加量を0.08質量部とした以外は減塩醤油aと同様にして、本発明の減塩飲食品である減塩醤油cを得た。
また、塩味強化剤Bの添加量を8質量部とした以外は減塩醤油aと同様にして、本発明の減塩飲食品である減塩醤油dを得た。
また、塩味強化剤Bの添加量を16質量部とした以外は減塩醤油aと同様にして、本発明の減塩飲食品である減塩醤油eを得た。
また、塩味強化剤Bに代えて、塩味強化剤Aを0.08質量部とした以外は減塩醤油aと同様にして、本発明の減塩飲食品である減塩醤油fを得た。
また、塩味強化剤Bに代えて、塩味強化剤Eを0.08質量部とした以外は減塩醤油aと同様にして、本発明の減塩飲食品である減塩醤油gを得た。
得られた通常の醤油と本発明の減塩醤油a〜gを比較試食したところ、減塩醤油aは、通常の醤油には劣るものの十分な塩味が感じられ、減塩醤油bは、通常の醤油にはやや劣るものの十分な塩味が感じられた。減塩醤油cは、通常の醤油とほぼ同等の強さの塩味であり、ほぼ同等の味質であった。減塩醤油dは、かすかに苦味が感じられたものの、十分な塩味であった。減塩醤油eは、やや苦味が感じられたものの、十分な塩味であった。減塩醤油fは、通常の醤油には劣るものの十分な塩味が感じられ、減塩醤油gは、通常の醤油にはやや劣るものの十分な塩味が感じられた。
[実施例23]
鍋に水80g、昆布3.3g、鰹節3gを加え、だし汁を得た。続いて、この中に、砂糖4.5g、酢7.5g、食塩10g、醤油6gを加え、溶解させ、ここへきゅうり300gを加え、一晩漬けて通常の浅漬けを得た(食塩含有量2.6質量%)。
一方、鍋に水80g、昆布3.3g、鰹節3gを加え、だし汁を得た。続いて、この中に、砂糖4.5g、酢7.5g、食塩7.6g、減塩醤油6gを加え、溶解させ、ここへきゅうり300g、塩味強化剤B0.082gを加え、一晩漬けて本発明の減塩飲食品である浅漬けを得た(食塩含有量1.8質量%)。
得られた通常の浅漬けと本発明の減塩浅漬けを比較試食したところ、減塩浅漬けは、通常の浅漬けとほぼ同等の強さの塩味であり、且つほぼ同等の味質であった。
[実施例24]
「神州一味噌 国産」(宮坂醸造、塩化ナトリウム含量12.2質量%)を通常の味噌とした。
一方、減塩飲食品である減塩味噌 (「神州一味噌 国産 減塩」(宮坂醸造、塩化ナトリウム含量9.9質量%)100質量部に対し、塩味強化剤Bを0.000004質量部添加し、十分に混合し、本発明の減塩飲食品である減塩味噌aを得た。
また、塩味強化剤Bの添加量を0.00004質量部とした以外は減塩味噌aと同様にして、本発明の減塩飲食品である減塩味噌bを得た。
また、塩味強化剤Bの添加量を0.04質量部とした以外は減塩味噌aと同様にして、本発明の減塩飲食品である減塩味噌cを得た。
また、塩味強化剤Bの添加量を4質量部とした以外は減塩味噌aと同様にして、本発明の減塩飲食品である減塩味噌dを得た。
また、塩味強化剤Bの添加量を12質量部とした以外は減塩味噌aと同様にして、本発明の減塩飲食品である減塩味噌eを得た。
得られた通常の味噌と本発明の減塩味噌a〜eを比較試食したところ、減塩味噌aは、通常の味噌には劣るものの十分な塩味が感じられ、減塩味噌bは、通常の味噌にはやや劣るものの十分な塩味が感じられた。減塩味噌cは、通常の味噌とほぼ同等の強さの塩味であり、ほぼ同等の味質であった。減塩味噌dは、かすかに苦味が感じられたものの、十分な塩味であった。減塩味噌eは、やや苦味が感じられたものの、十分な塩味であった。
[実施例25]
油相(パームオレインのエステル交換油2500g、大豆油1500g、香料26g、レシチン10g、色素0.05g)と水相(食塩70g、脱脂粉乳55g、酸化防止剤0.5g、水838.5g)を45〜55℃で混合乳化した。続いて、これを急冷可塑化しW/O乳化の可塑性乳化油脂組成物である、通常のサンドマーガリンを製造した(食塩含有量1.4質量%)。
油相(パームオレインのエステル交換油2500g、大豆油1500g、香料26g、レシチン10g、色素0.05g)と水相(食塩55.5g、脱脂粉乳55g、酸化防止剤0.5g、水838.5g、塩味強化剤B0.1g(減塩サンドマーガリン100質量部に対し、0.002質量部))を45〜55℃で混合乳化した。続いて、これを急冷可塑化しW/O乳化の可塑性乳化油脂組成物である、本発明の減塩飲食品であるサンドマーガリンを製造した(食塩含有量1.1質量%)。
得られた通常のサンドマーガリンと本発明の減塩サンドマーガリンを比較試食したところ、減塩サンドマーガリンは、通常のサンドマーガリンとほぼ同等の強さの塩味であり、且つほぼ同等の味質であった。
[実施例26]
プロセスチーズ163.25gを電子レンジにて、600W・1分程加熱溶解し、この中へプレーンヨーグルト77.75g、食塩9gを加え、撹拌した後、冷蔵庫で半日保管して、通常のチーズソースを得た(食塩含有量5.4質量%)。
一方、プロセスチーズ163.25gを電子レンジにて、600W・1分程加熱溶解し、この中へプレーンヨーグルト77.75g、食塩4.7g、塩味強化剤B0.098g(減塩チーズソース100質量部に対し、0.04質量部)を加え、撹拌した後、冷蔵庫で半日保管して、本発明の減塩飲食品であるチーズソースを得た(食塩含有量3.8質量%)。
得られた通常のチーズソースと本発明の減塩チーズソースを比較試食したところ、減塩チーズソースは、通常のチーズソースとほぼ同等の強さの塩味であり、且つほぼ同等の味質であった。

Claims (7)

  1. カルバミドを有効成分とする、塩化ナトリウムの塩味を強化する塩味強化剤。
  2. さらに乳酸、乳酸塩、又は、乳酸及び乳酸塩を含有する、請求項1記載の塩味強化剤。
  3. 上記(A)カルバミドと、(B)乳酸及び乳酸塩の合計が、質量比で(A):(B)=95〜5:5〜95である、請求項1又は2記載の塩味強化剤。
  4. 塩化ナトリウムと、カルバミドを有効成分とする塩味強化剤を主成分とする食塩組成物からなる塩味調味料であって、
    塩化ナトリウム100質量部に対し、カルバミドを0.001〜0.5質量部含有することを特徴とする塩味調味料。
  5. 塩化ナトリウムの一部を塩化カリウムで置換したことを特徴とする請求項4記載の塩味調味料。
  6. 請求項1〜3いずれか一項記載の塩味強化剤を飲食品に添加することを特徴とする飲食品の塩化ナトリウムの塩味強化方法。
  7. 飲食品が減塩飲食品であることを特徴とする請求項記載の飲食品の塩味強化方法。
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